JPH05226170A - 電源トランスおよび電源回路 - Google Patents
電源トランスおよび電源回路Info
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- JPH05226170A JPH05226170A JP4056594A JP5659492A JPH05226170A JP H05226170 A JPH05226170 A JP H05226170A JP 4056594 A JP4056594 A JP 4056594A JP 5659492 A JP5659492 A JP 5659492A JP H05226170 A JPH05226170 A JP H05226170A
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- winding
- primary
- power transformer
- power supply
- primary winding
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電源トランスの構造または電源回路の構成を
工夫することによって電子機器のアース電位を交流電源
の中点電位に一致させ、接続ケーブルのシールドアース
側を流れる機器間電流を無くして伝送信号への雑音の混
入を防止し、電子機器間の高精度なアナログ信号伝送を
可能にする。 【構成】 電源トランスの1次巻線と静電シールドとの
間の静電容量及び巻線のリアクタンス成分の分布を交流
電源の中点電位に対して対称にすることにより、静電シ
ールドの交流的電位を交流電源の中点電位と等しくす
る。静電シールドは電子機器のアースに接続する。
工夫することによって電子機器のアース電位を交流電源
の中点電位に一致させ、接続ケーブルのシールドアース
側を流れる機器間電流を無くして伝送信号への雑音の混
入を防止し、電子機器間の高精度なアナログ信号伝送を
可能にする。 【構成】 電源トランスの1次巻線と静電シールドとの
間の静電容量及び巻線のリアクタンス成分の分布を交流
電源の中点電位に対して対称にすることにより、静電シ
ールドの交流的電位を交流電源の中点電位と等しくす
る。静電シールドは電子機器のアースに接続する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電源トランスおよび電源
トランスを使用した電源回路に関するものである。
トランスを使用した電源回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】初めに以下の説明では一次側交流電源の
一方の相の電位と他方の相の電位の中点の電位を「交流
電源の中点電位」と呼ぶことにする。また電源トランス
の巻線の引出し線のうち、より鉄心に近い方にある方の
巻列からの引き出し線を「巻初め」と呼び、より鉄心か
ら遠い方にある方の巻列からの引き出し線を「巻終わ
り」と呼ぶことにする。またアースとはシャーシアース
またはその内部に収納される電子回路のアースの意味と
し、大地アースの意味ではないこととする。そしてシャ
ーシアースまたは電子回路のアースは大地アースに接続
しないことを前提として説明する。
一方の相の電位と他方の相の電位の中点の電位を「交流
電源の中点電位」と呼ぶことにする。また電源トランス
の巻線の引出し線のうち、より鉄心に近い方にある方の
巻列からの引き出し線を「巻初め」と呼び、より鉄心か
ら遠い方にある方の巻列からの引き出し線を「巻終わ
り」と呼ぶことにする。またアースとはシャーシアース
またはその内部に収納される電子回路のアースの意味と
し、大地アースの意味ではないこととする。そしてシャ
ーシアースまたは電子回路のアースは大地アースに接続
しないことを前提として説明する。
【0003】従来の静電シールドの無いEIコアの電源
トランスでは初めに鉄心に近接して一次巻線を巻回し、
その周上に二次巻線を巻回するため、一次巻線の巻終わ
りの巻列と二次巻線の巻き始めの巻列との間には図7に
示すような静電容量5が存在する。そのため図8の電源
回路の交流的なアース電位は整流ダイオードのスイッチ
ングも加わるため交流電源の中点電位、すなわち電源ト
ランスの1次側入力端子1gと電源トランスの1次側入
力端子1hの中点の電位を基準として図10に示すよう
に大きく変動する。
トランスでは初めに鉄心に近接して一次巻線を巻回し、
その周上に二次巻線を巻回するため、一次巻線の巻終わ
りの巻列と二次巻線の巻き始めの巻列との間には図7に
示すような静電容量5が存在する。そのため図8の電源
回路の交流的なアース電位は整流ダイオードのスイッチ
ングも加わるため交流電源の中点電位、すなわち電源ト
ランスの1次側入力端子1gと電源トランスの1次側入
力端子1hの中点の電位を基準として図10に示すよう
に大きく変動する。
【0004】また従来のEIコアの静電シールド付き電
源トランスでは初めに鉄心に近接して一次巻線を巻回
し、その周上に静電シールドを周設し、さらにその周上
へ二次巻線を巻回するため、一次巻線の巻終わりの巻列
と静電シールドとの間には図9に示すような静電容量5
が存在している。そのため図9の電源回路の交流的なア
ース電位は交流電源の中点電位、すなわち電源トランス
の1次側入力端子1gと電源トランスの1次側入力端子
1hの中点の電位に対して図10に示すように変動する
源トランスでは初めに鉄心に近接して一次巻線を巻回
し、その周上に静電シールドを周設し、さらにその周上
へ二次巻線を巻回するため、一次巻線の巻終わりの巻列
と静電シールドとの間には図9に示すような静電容量5
が存在している。そのため図9の電源回路の交流的なア
ース電位は交流電源の中点電位、すなわち電源トランス
の1次側入力端子1gと電源トランスの1次側入力端子
1hの中点の電位に対して図10に示すように変動する
【0005】そこでこのような電源トランスまたは電源
回路を使用した電子機器どうしを接続ケーブルで接続す
るとそれぞれの電子機器の電源トランスの静電容量5と
接続ケーブルのシールドアース側を通じて交流電源周波
数成分いわゆるハム、および交流電源に重畳している高
周波ノイズが機器間電流Iとして流れる。
回路を使用した電子機器どうしを接続ケーブルで接続す
るとそれぞれの電子機器の電源トランスの静電容量5と
接続ケーブルのシールドアース側を通じて交流電源周波
数成分いわゆるハム、および交流電源に重畳している高
周波ノイズが機器間電流Iとして流れる。
【0006】機器間電流は以下に述べる様な悪影響を及
ぼす。アナログ信号を電圧伝送しようとする場合、図1
1に示すように接続ケーブルのシールドアースの直流抵
抗をR、機器間電流をI、信号源側での信号電圧を
V0、信号を受信する側での信号電圧をV1とし、アナロ
グ信号を受信する側の入力インピーダンスが非常に高い
とすると、 V1=V0−(I×R)となり I≠0のとき V1≠V0 である。すなわち機器間電流が流れているときは信号源
側での信号電圧と信号を受信する側での信号電圧とは等
しくなく、しかも機器間電流Iは刻々変化するから高精
度な信号電圧伝送を行うことができない問題がある。す
なわち機器間電流は伝送するアナログ信号にハムや交流
電源に重畳している高周波ノイズ等を混入させる悪影響
を及ぼす。
ぼす。アナログ信号を電圧伝送しようとする場合、図1
1に示すように接続ケーブルのシールドアースの直流抵
抗をR、機器間電流をI、信号源側での信号電圧を
V0、信号を受信する側での信号電圧をV1とし、アナロ
グ信号を受信する側の入力インピーダンスが非常に高い
とすると、 V1=V0−(I×R)となり I≠0のとき V1≠V0 である。すなわち機器間電流が流れているときは信号源
側での信号電圧と信号を受信する側での信号電圧とは等
しくなく、しかも機器間電流Iは刻々変化するから高精
度な信号電圧伝送を行うことができない問題がある。す
なわち機器間電流は伝送するアナログ信号にハムや交流
電源に重畳している高周波ノイズ等を混入させる悪影響
を及ぼす。
【0007】このことはオーディオ機器を例にとると、
プリアンプとパワーアンプ間でのアナログ信号伝送では
本来伝送されるべき信号に機器間電流によって雑音が混
入し音質に重大な悪影響を及ぼすという欠点があった。
測定器では測定値の誤差の発生の問題を生じていた。
プリアンプとパワーアンプ間でのアナログ信号伝送では
本来伝送されるべき信号に機器間電流によって雑音が混
入し音質に重大な悪影響を及ぼすという欠点があった。
測定器では測定値の誤差の発生の問題を生じていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は電源トランスの構造または電源回路の構成を
工夫することによって電子機器のアース電位を交流電源
の中点電位に一致させ接続ケーブルのシールドアース側
を流れる機器間電流を無くし伝送信号への雑音の混入を
防止し電子機器間の高精度なアナログ信号伝送を可能に
することにある。
する課題は電源トランスの構造または電源回路の構成を
工夫することによって電子機器のアース電位を交流電源
の中点電位に一致させ接続ケーブルのシールドアース側
を流れる機器間電流を無くし伝送信号への雑音の混入を
防止し電子機器間の高精度なアナログ信号伝送を可能に
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに電源トランスの鉄心にほぼ同一回数、同一形状で磁
路に対しては相互に逆方向に巻回した対となる一次巻線
を設ける。例えば二組で一対の一次巻線を設ける。一次
巻線を相互に逆方向に巻回する理由は以下に述べる接続
を行った場合、交流電源で鉄心を正常に励磁できるよう
にするためである。該一次巻線の一方の巻終わりと対と
なる他方の巻終わりを接続し、該一次巻線の一方の巻初
めと対となる他方の巻初めを各々該電源トランスの一次
側入力とし、一次巻線と二次巻線の間に静電シールドを
設ける。静電シールドはこの電源を使用する電子機器の
アースに接続する為のものである。
めに電源トランスの鉄心にほぼ同一回数、同一形状で磁
路に対しては相互に逆方向に巻回した対となる一次巻線
を設ける。例えば二組で一対の一次巻線を設ける。一次
巻線を相互に逆方向に巻回する理由は以下に述べる接続
を行った場合、交流電源で鉄心を正常に励磁できるよう
にするためである。該一次巻線の一方の巻終わりと対と
なる他方の巻終わりを接続し、該一次巻線の一方の巻初
めと対となる他方の巻初めを各々該電源トランスの一次
側入力とし、一次巻線と二次巻線の間に静電シールドを
設ける。静電シールドはこの電源を使用する電子機器の
アースに接続する為のものである。
【0010】上記の目的を達成するための別法として、
電源トランスの鉄心にほぼ同一回数、同一形状で磁路に
対しては相互に逆方向に巻回した対となる一次巻線を設
ける。例えば二組で一対の一次巻線を設ける。一次巻線
を相互に逆方向に巻回する理由は以下に述べる接続を行
った場合、交流電源で鉄心を正常に励磁できるようにす
るためである。該一次巻線の一方の巻初めと対となる他
方の巻初めを接続し、該一次巻線の一方の巻終わりと対
となる他方の巻終わりを各々該電源トランスの一次側入
力とし、一次巻線と二次巻線の間に静電シールドを設け
る。静電シールドはこの電源を使用する電子機器のアー
スに接続する為のものである。
電源トランスの鉄心にほぼ同一回数、同一形状で磁路に
対しては相互に逆方向に巻回した対となる一次巻線を設
ける。例えば二組で一対の一次巻線を設ける。一次巻線
を相互に逆方向に巻回する理由は以下に述べる接続を行
った場合、交流電源で鉄心を正常に励磁できるようにす
るためである。該一次巻線の一方の巻初めと対となる他
方の巻初めを接続し、該一次巻線の一方の巻終わりと対
となる他方の巻終わりを各々該電源トランスの一次側入
力とし、一次巻線と二次巻線の間に静電シールドを設け
る。静電シールドはこの電源を使用する電子機器のアー
スに接続する為のものである。
【0011】さらに上記の目的を達成するための別法と
して、従来の方法で作られた対となるほぼ同一構造の静
電シールド付き電源トランスを用意する。例えば二台用
意する。静電シールド付き電源トランス甲の一次側巻線
の巻初め側と、静電シールド付き電源トランス乙の一次
側巻線の巻終わり側とを接続しそれを交流電源の一方の
一次側入力とする。前記電源トランス甲の一次側巻線の
巻終わり側と、前記電源トランス乙の一次側巻線の巻初
め側とを接続しそれを交流電源の他方の一次側入力とす
る。前記電源トランス甲の静電シールドと前記電源トラ
ンス乙の静電シールドを共にこの電源回路を使用する電
子機器のアースに接続する。
して、従来の方法で作られた対となるほぼ同一構造の静
電シールド付き電源トランスを用意する。例えば二台用
意する。静電シールド付き電源トランス甲の一次側巻線
の巻初め側と、静電シールド付き電源トランス乙の一次
側巻線の巻終わり側とを接続しそれを交流電源の一方の
一次側入力とする。前記電源トランス甲の一次側巻線の
巻終わり側と、前記電源トランス乙の一次側巻線の巻初
め側とを接続しそれを交流電源の他方の一次側入力とす
る。前記電源トランス甲の静電シールドと前記電源トラ
ンス乙の静電シールドを共にこの電源回路を使用する電
子機器のアースに接続する。
【0012】
【作用】以上のように構成した電源トランスもしくは電
源回路は、一次巻線と静電シールドとの間に存在する静
電容量5の容量値、その分布状態、及び巻線のリアクタ
ンス成分がいずれも中点電位に対して対称となりアース
の交流的電位は交流電源の中点電位に等しくなる。その
ため接続される相手全ての電子機器が同様の電源トラン
スもしくは電源回路構成であればそのアースの交流的電
位はやはり交流電源の中点電位に等しいから、それらの
電子機器を接続する接続ケーブルのシールドアースにハ
ムや交流電源に重畳している高周波ノイズ等に由来する
機器間電流が流れる事はなく、そして前述した理由によ
ってアナログ伝送信号に機器間電流が原因となる雑音が
混入することはない。
源回路は、一次巻線と静電シールドとの間に存在する静
電容量5の容量値、その分布状態、及び巻線のリアクタ
ンス成分がいずれも中点電位に対して対称となりアース
の交流的電位は交流電源の中点電位に等しくなる。その
ため接続される相手全ての電子機器が同様の電源トラン
スもしくは電源回路構成であればそのアースの交流的電
位はやはり交流電源の中点電位に等しいから、それらの
電子機器を接続する接続ケーブルのシールドアースにハ
ムや交流電源に重畳している高周波ノイズ等に由来する
機器間電流が流れる事はなく、そして前述した理由によ
ってアナログ伝送信号に機器間電流が原因となる雑音が
混入することはない。
【0013】
【実施例】図1に実施例1を示す。実施例1はEIコア
の電源トランスの場合である。初めに一次巻線1aと一
次巻線1dを磁路に対して相互に逆方向に巻回する。た
だし一次巻線1aと一次巻線1dの巻き数及び外形はな
るべく同一にすることが望ましい。一次巻線1aの巻終
わり1cと一次巻線1dの巻終わり1fを接続する。ま
た一次巻線1aの巻初め1bと一次巻線1dの巻初め1
eはそれぞれこの電源トランスの一次側入力1g、1h
とする。一次巻線に静電シールド3aを周設し、さらに
その周上へ二次巻線2を巻回する。静電シールド端子3
bはこの電源を使用する電子機器の図示しないアース6
に接続する。
の電源トランスの場合である。初めに一次巻線1aと一
次巻線1dを磁路に対して相互に逆方向に巻回する。た
だし一次巻線1aと一次巻線1dの巻き数及び外形はな
るべく同一にすることが望ましい。一次巻線1aの巻終
わり1cと一次巻線1dの巻終わり1fを接続する。ま
た一次巻線1aの巻初め1bと一次巻線1dの巻初め1
eはそれぞれこの電源トランスの一次側入力1g、1h
とする。一次巻線に静電シールド3aを周設し、さらに
その周上へ二次巻線2を巻回する。静電シールド端子3
bはこの電源を使用する電子機器の図示しないアース6
に接続する。
【0014】このように接続すると実施例1の一次巻線
と静電シールド3との静電容量5の分布は図5のように
なる。静電容量5の容量値、その分布状態、及び巻線等
のリアクタンスは交流電源の中点電位に対して対称とな
る。従ってこの電源を使用する電子機器の交流的なアー
ス電位は交流電源の中点電位、すなわち電源トランスの
1次側入力端子1gと電源トランスの1次側入力端子1
hの中点の電位に対して一致する。
と静電シールド3との静電容量5の分布は図5のように
なる。静電容量5の容量値、その分布状態、及び巻線等
のリアクタンスは交流電源の中点電位に対して対称とな
る。従ってこの電源を使用する電子機器の交流的なアー
ス電位は交流電源の中点電位、すなわち電源トランスの
1次側入力端子1gと電源トランスの1次側入力端子1
hの中点の電位に対して一致する。
【0015】図2に実施例2を示す。実施例2はEIコ
アの電源トランスの場合である。初めに一次巻線1aと
一次巻線1dを相互に逆方向に巻回する。ただし一次巻
線1aと一次巻線1dの巻き数及び外形はほぼ同一にす
る。一次巻線1aの巻初め1bと一次巻線1dの巻初め
1eを接続する。また一次巻線1aの巻終わり1cと一
次巻線1dの巻終わり1fはこの電源トランスの一次側
入力1g、1hとする。一次巻線1a、1dに静電シー
ルド3aを周設し、さらにその周上へ二次巻線2を巻回
する。静電シールド端子3bはこの電源を使用する電子
機器の図示しないアース6に接続する。
アの電源トランスの場合である。初めに一次巻線1aと
一次巻線1dを相互に逆方向に巻回する。ただし一次巻
線1aと一次巻線1dの巻き数及び外形はほぼ同一にす
る。一次巻線1aの巻初め1bと一次巻線1dの巻初め
1eを接続する。また一次巻線1aの巻終わり1cと一
次巻線1dの巻終わり1fはこの電源トランスの一次側
入力1g、1hとする。一次巻線1a、1dに静電シー
ルド3aを周設し、さらにその周上へ二次巻線2を巻回
する。静電シールド端子3bはこの電源を使用する電子
機器の図示しないアース6に接続する。
【0016】図3に実施例3を示す。実施例3はカット
コアの電源トランスの場合である。初めに一次巻線1a
と一次巻線1dを鉄心の磁路に対して相互に逆方向に巻
回する。ただし一次巻線1aと一次巻線1dの巻き数及
び外形はほぼ同一にする。一次巻線1aの巻初め1bと
一次巻線1dの巻初め1eを接続する。また一次巻線1
aの巻終わり1cと一次巻線1dの巻終わり1fは各々
この電源トランスの一次側入力1g、1hとする。一次
巻線1aと一次巻線1dの上へ静電シールド3aを周設
しさらにその周上へ二次巻線2を巻回する。静電シール
ド端子3bはこの電源を使用する電子機器の図示しない
アース6に接続する。この場合特に一次巻線と静電シー
ルド3a間に設ける絶縁層はそれぞれ同一材料厚さで構
成されるよう注意しなければならない。その理由は後述
する図6における静電容量5aと5bが同一の容量にな
るように配慮するためである。
コアの電源トランスの場合である。初めに一次巻線1a
と一次巻線1dを鉄心の磁路に対して相互に逆方向に巻
回する。ただし一次巻線1aと一次巻線1dの巻き数及
び外形はほぼ同一にする。一次巻線1aの巻初め1bと
一次巻線1dの巻初め1eを接続する。また一次巻線1
aの巻終わり1cと一次巻線1dの巻終わり1fは各々
この電源トランスの一次側入力1g、1hとする。一次
巻線1aと一次巻線1dの上へ静電シールド3aを周設
しさらにその周上へ二次巻線2を巻回する。静電シール
ド端子3bはこの電源を使用する電子機器の図示しない
アース6に接続する。この場合特に一次巻線と静電シー
ルド3a間に設ける絶縁層はそれぞれ同一材料厚さで構
成されるよう注意しなければならない。その理由は後述
する図6における静電容量5aと5bが同一の容量にな
るように配慮するためである。
【0017】このように接続すると実施例2及び実施例
3の何れも一次巻線と静電シールド3との静電容量5の
分布は図6のようになる。静電容量5の容量値、その分
布状態、及び巻線のリアクタンスは交流電源の中点電位
に対して対称となる。従ってこの電源を使用する電子機
器の交流的なアース電位は交流電源の中点電位、すなわ
ち電源トランスの1次側入力端子1gと電源トランスの
1次側入力端子1hの中点の電位に対して一致する。
3の何れも一次巻線と静電シールド3との静電容量5の
分布は図6のようになる。静電容量5の容量値、その分
布状態、及び巻線のリアクタンスは交流電源の中点電位
に対して対称となる。従ってこの電源を使用する電子機
器の交流的なアース電位は交流電源の中点電位、すなわ
ち電源トランスの1次側入力端子1gと電源トランスの
1次側入力端子1hの中点の電位に対して一致する。
【0018】図4に実施例4を示す。実施例4は従来の
静電シールド付きの電源トランスを使用した場合の接続
図である。一方の静電シールド付き電源トランスの一次
側巻線を1aとし、それと対となる他方の静電シールド
付き電源トランスの一次側巻線を1dとする。一次巻線
1aの巻初め側1bと、一次巻線1dの巻終わり側1f
とを接続する。それを一方の交流電源の一次側入力1h
とする。前記電源トランスの一次側巻線1aの巻終わり
側1cと、前記電源トランスの一次側巻線の巻初め側1
eとを接続しそれを他方の交流電源の一次側入力1gと
する。一次巻線1a側の電源トランスの静電シールド3
と、一次巻線1d側の電源トランスの静電シールド3と
をこの電源を使用する電子機器のアース6に接続する。
静電シールド付きの電源トランスを使用した場合の接続
図である。一方の静電シールド付き電源トランスの一次
側巻線を1aとし、それと対となる他方の静電シールド
付き電源トランスの一次側巻線を1dとする。一次巻線
1aの巻初め側1bと、一次巻線1dの巻終わり側1f
とを接続する。それを一方の交流電源の一次側入力1h
とする。前記電源トランスの一次側巻線1aの巻終わり
側1cと、前記電源トランスの一次側巻線の巻初め側1
eとを接続しそれを他方の交流電源の一次側入力1gと
する。一次巻線1a側の電源トランスの静電シールド3
と、一次巻線1d側の電源トランスの静電シールド3と
をこの電源を使用する電子機器のアース6に接続する。
【0019】このように接続すると一次巻線1a側の電
源トランスと一次巻線1d側の電源トランスとで、静電
容量5の容量値、その分布状態、及び巻線のリアクタン
スは交流電源の中点電位、すなわち電源トランスの1次
側入力端子1gと電源トランスの1次側入力端子1hの
中点の電位に対して対称となる。従って電子機器の交流
的なアース電位は交流電源の中点電位に対して一致す
る。
源トランスと一次巻線1d側の電源トランスとで、静電
容量5の容量値、その分布状態、及び巻線のリアクタン
スは交流電源の中点電位、すなわち電源トランスの1次
側入力端子1gと電源トランスの1次側入力端子1hの
中点の電位に対して対称となる。従って電子機器の交流
的なアース電位は交流電源の中点電位に対して一致す
る。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように構成した電源トラン
スもしくは電源回路は、一次巻線と静電シールドとの間
に存在する静電容量5の容量値及びその分布状態がいず
れも中点電位に対して対称でありアースの交流的電位は
交流電源の中点電位に等しくなる。そのため接続される
相手の電子機器が同様の電源トランスもしくは電源回路
構成であればそのアースの交流的電位はやはり交流電源
の中点電位に等しいから、その双方を接続する接続ケー
ブルのシールドアースにハムや交流電源に重畳している
高周波ノイズ等に由来する機器間電流が流れる事はな
く、そして前述した理由によってアナログ伝送信号に機
器間電流が原因となる雑音が混入することはない。その
ため機器間のより高精度なアナログ信号伝送が可能とな
る。
スもしくは電源回路は、一次巻線と静電シールドとの間
に存在する静電容量5の容量値及びその分布状態がいず
れも中点電位に対して対称でありアースの交流的電位は
交流電源の中点電位に等しくなる。そのため接続される
相手の電子機器が同様の電源トランスもしくは電源回路
構成であればそのアースの交流的電位はやはり交流電源
の中点電位に等しいから、その双方を接続する接続ケー
ブルのシールドアースにハムや交流電源に重畳している
高周波ノイズ等に由来する機器間電流が流れる事はな
く、そして前述した理由によってアナログ伝送信号に機
器間電流が原因となる雑音が混入することはない。その
ため機器間のより高精度なアナログ信号伝送が可能とな
る。
【0021】従ってオーディオ機器に応用した場合では
機器間電流による雑音の混入を防止することが可能であ
る。また測定器に応用した場合では機器間電流による測
定値の誤差の発生等の問題を防止することができる。
機器間電流による雑音の混入を防止することが可能であ
る。また測定器に応用した場合では機器間電流による測
定値の誤差の発生等の問題を防止することができる。
【0022】なお本発明は上記した形式の電源トランス
に限定されるものではなく、EI型コア、カットコアの
他にトロイダルコア、カットレスコア、リングコア等各
種の電源トランスに対しても適用可能である。二次巻線
については特に説明しなかったがどのような構成の巻線
でも適用可能である。また実施例1、実施例2、実施例
3に記載の一次巻線の対数は一対の場合についてのみ説
明したがそれより多い対数のものについても適用可能で
ある。さらに実施例4に記載の電源トランスは一対の場
合についてのみ説明したがそれより多い対数のものにつ
いても適用可能である。
に限定されるものではなく、EI型コア、カットコアの
他にトロイダルコア、カットレスコア、リングコア等各
種の電源トランスに対しても適用可能である。二次巻線
については特に説明しなかったがどのような構成の巻線
でも適用可能である。また実施例1、実施例2、実施例
3に記載の一次巻線の対数は一対の場合についてのみ説
明したがそれより多い対数のものについても適用可能で
ある。さらに実施例4に記載の電源トランスは一対の場
合についてのみ説明したがそれより多い対数のものにつ
いても適用可能である。
【図1】本発明に係る電源トランスの一実施例を示す分
解斜視図である。
解斜視図である。
【図2】本発明に係る電源トランスの一実施例を示す分
解斜視図である。
解斜視図である。
【図3】本発明に係る電源トランスの一実施例を示す分
解斜視図である。
解斜視図である。
【図4】本発明に係る電源回路の一実施例を示す回路図
である。
である。
【図5】本発明に係る電源回路の一実施例を示す回路図
である。
である。
【図6】本発明に係る電源回路の一実施例を示す回路図
である。
である。
【図7】従来の電源トランスを示す回路図である。
【図8】従来の電源回路を示す回路図である。
【図9】従来の電源トランスを示す回路図である。
【図10】交流電源の中点電位に対するアース電位を示
す波形図である。
す波形図である。
【図11】機器間電流の問題点を示す説明図である。
1、 電源トランスの一次巻線 1a、電源トランスの一次巻線 1b、電源トランスの一次巻線の巻き始め 1c、電源トランスの一次巻線の巻き終わり 1d、電源トランスの一次巻線 1e、電源トランスの一次巻線の巻き始め 1f、電源トランスの一次巻線の巻き終わり 1g、電源トランスの一次巻線側入力端子 1h、電源トランスの一次巻線側入力端子 2、 電源トランスの二次巻線 2a、電源トランスの二次巻線 2b、電源トランスの二次巻線の巻き始め 2c、電源トランスの二次巻線の巻き終わり 3、 静電シールド 3a、静電シールド 3b、静電シールド端子 4、 鉄心 4a、EIコア 4b、EIコア 4c、カットコア 4d、カットコア 5、 静電容量 6、 アース 7、 整流ダイオード 8、 コンデンサー 10、信号源側の電子機器 11、信号を受信する側の電子機器 12、接続ケーブル 13、交流電源
Claims (3)
- 【請求項1】電源トランスの鉄心の磁路に対して相互に
逆方向に巻回した対となる一次巻線を設け、該一次巻線
の一方の巻終わり側と他方の巻終わり側を接続し、該一
次巻線の一方の巻初め側と他方の巻初め側を各々該電源
トランスの一次側入力とし、静電シールドを設けたこと
を特徴とする電源トランス。 - 【請求項2】電源トランスの鉄心の磁路に対して相互に
逆方向に巻回した対となる一次巻線を設け、該一次巻線
の一方の巻初め側と他方の巻初め側を接続し、該一次巻
線の一方の巻終わり側と他方の巻終わり側を各々該電源
トランスの一次側入力とし、静電シールドを設けたこと
を特徴とする電源トランス。 - 【請求項3】静電シールド付き電源トランス甲の一次側
巻線の巻初め側と、それと対となる静電シールド付き電
源トランス乙の一次側巻線の巻終わり側とを接続しそれ
を交流電源の一方の一次側入力とし、前記電源トランス
甲の一次側巻線の巻終わり側と前記電源トランス乙の一
次側巻線の巻初め側とを接続しそれを交流電源の他方の
一次側入力とし、前記電源トランス甲の静電シールドと
前記電源トランス乙の静電シールドとを共に該電源回路
を使用する電子機器のアースに接続したことを特徴とす
る電源回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4056594A JPH05226170A (ja) | 1992-02-10 | 1992-02-10 | 電源トランスおよび電源回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4056594A JPH05226170A (ja) | 1992-02-10 | 1992-02-10 | 電源トランスおよび電源回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05226170A true JPH05226170A (ja) | 1993-09-03 |
Family
ID=13031530
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4056594A Pending JPH05226170A (ja) | 1992-02-10 | 1992-02-10 | 電源トランスおよび電源回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05226170A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113615064A (zh) * | 2019-03-25 | 2021-11-05 | 松下知识产权经营株式会社 | 开关电源装置 |
-
1992
- 1992-02-10 JP JP4056594A patent/JPH05226170A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113615064A (zh) * | 2019-03-25 | 2021-11-05 | 松下知识产权经营株式会社 | 开关电源装置 |
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