JPH05226168A - 定電圧変圧器 - Google Patents

定電圧変圧器

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JPH05226168A
JPH05226168A JP3056665A JP5666591A JPH05226168A JP H05226168 A JPH05226168 A JP H05226168A JP 3056665 A JP3056665 A JP 3056665A JP 5666591 A JP5666591 A JP 5666591A JP H05226168 A JPH05226168 A JP H05226168A
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JP
Japan
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winding
wound
cores
core
constant voltage
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Application number
JP3056665A
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English (en)
Inventor
Tokutaro Kubomura
徳太郎 久保村
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JFE Denki Corp
Original Assignee
Kawatetsu Densetsu KK
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Publication date
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Publication of JPH05226168A publication Critical patent/JPH05226168A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 定電圧変圧器の効率、特性の向上、小型軽量
化並びにコスト低減 【構成】 連続する方向性電磁綱板を巻回して全体とし
て窓部を有する円筒状に形成した巻鉄心を、夫々の軸心
を大略平行に配置する。電磁綱板を平板状に積層した磁
気分路鉄心を、巻鉄心の窓部内において軸心から偏心し
た位置に挿入して、窓部を内室と外室に分割する。一次
巻線、二次巻線及び共振用巻線を上記窓部にまたがって
一定回数巻回する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、定電圧変圧器に関し、
特に、コンピュータ等の半導体回路の電源変圧器等種々
の用途に使用される定電圧変圧器の効率、特性の向上及
び小型化等を図るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば図21に示すような大
略立法体状の定電圧変圧器が実用化されている。該定電
圧変圧器では、電磁綱板1を積層して構成した三脚状の
鉄心2の中央脚部2aに一次及び二次巻線3、4と、共
振用コンデンサ5を備える共振用巻線6を巻回すると共
に、該中央脚部2aの一次巻線3と二次巻線4との間に
磁気分路鉄心7を配置している。
【0003】上記定電圧変圧器では、鉄心2、磁気分路
鉄心7及び該磁気分路鉄心7と鉄心2の間に形成される
ギャップG1により磁気回路を構成し、鉄心2の一次巻
線3側を磁束密度が不飽和の状態とする一方、二次巻線
4側を飽和状態として、二次巻線4の出力電圧を一定に
保持する構成としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の定電圧変圧器では下記のような問題がある。 1)上記定電圧変圧器では、磁気回路は一点鎖線A、A'
で示すように形成されるが、電磁鋼板1が圧延により製
造した方向性電磁鋼板である場合、上記磁気回路の方向
と磁気特性が最も良好である圧延方向とが一致しない部
位がある。そのため、電磁綱板1の特性を有効利用する
ことができず、特性、効率の点で問題がある。
【0005】2)鉄心2の二次巻線4側は磁束密度が飽
和した状態で使用され、特に、中央脚部2aの飽和状態
を確保する必要があり、この部分での鉄損による発熱が
大きい。しかしながら、該中央脚部2aには上記したよ
うに二次巻線4、共振用巻線6を巻回しており、中央脚
部2aはこれらの巻線により被覆された状態にある。そ
のため、中央脚部2aが直接空気と接触する面積(冷却面
積)が小さく、冷却性に問題があり、巻線の絶縁レベル
を上げる等の対策が必要である。
【0006】3)一層の電磁鋼板1は幾つかの部分から
なり、磁気回路の方向に点線Cで示すような切断面から
なる不連続部分があり、特性、効率上好ましくない。 4)鉄心2は大略立方体状であるため、磁気回路(点線
A、A')は、その磁路長が最短距離となるように構成さ
れておらず、効率、特性の点で好ましくない。 5)定電圧変圧器では、磁気分路鉄心と鉄心との間隙(ギ
ャップ)が、特性に大きな影響を与え、該ギャップを通
常0.1mmオーダーで調整する必要がある。しかしなが
ら、上記定電圧変圧器では、ギャップG1は中央脚部2a
と両側脚部2bにはさまれた部位に位置するため、該ギ
ャップG1の調整は容易でない。
【0007】6)磁気分路鉄心を配置するための空間(中
央脚部2aと両側脚部2bの間の空間)が必要であるた
め、大形化し、重量の増加を招く。 7)鉄心2は、電磁綱板1を一枚毎に積層して構成する
ため、製作に手間がかかり、製造コストの上昇の原因と
なる。
【0008】本発明は、上記のような従来の定電圧変圧
器における問題を解決して、特性、効率及び冷却性等を
向上すると共に、小型、軽量化を図り、かつ、製造コス
トを低減した定電圧変圧器を提供することを目的として
なされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、夫々
連続する電磁綱板を巻回して全体として窓部を有する円
筒状に形成し、夫々の軸心を大略平行に両側に配置して
設けた一対の巻鉄心と、電磁綱板を平板状に積層して上
記各巻鉄心の窓部内で巻鉄心の軸心方向と垂直な方向で
該軸心から偏心した位置に挿入して各巻鉄心の窓部を外
側の室と内側の室に二分割する磁気分路鉄心と、上記一
対の巻鉄心の窓部の外側の室の間又は内側の室の間にま
たがって夫々一定回数巻回した一次巻線、二次巻線及び
共振用巻線を備えることを特徴とする定電圧変圧器を提
供するものである。
【0010】上記定電圧変圧器は、好適には、上記一次
巻線をそれぞれの窓部の外室の間にまたがって一定回数
巻回し、上記共振用巻線を夫々の窓部の内室の一方側の
間にまたがって一定回数巻回すると共に、上記二次巻線
を夫々の窓部の内室の他方側の間にまたがって一定回数
巻回している。また、上記巻鉄心は、夫々該円筒状の巻
鉄心の二箇所に設けた軸心方向の切断面で二分割した外
側半殻部と内側半殻部とから構成してもよい。更に、上
記巻鉄心の外周部に断面形状が円弧状又は円形状の付加
リングを外嵌する構成としてもよい。
【0011】
【作用】本発明に係る定電圧変圧器は、上記のような構
成としているため、円筒状の巻鉄心の一次巻線側の部分
では磁束密度が不飽和状態である一方、二次巻線側の部
分では磁束密度が飽和状態となる。そのため、一次巻線
に供給される入力電圧が変化しても二次巻線の出力電圧
は略一定に保持される。上記巻鉄心は円筒状であるた
め、巻鉄心に構成される磁気回路の磁路長を最短に設定
することができると共に、飽和状態となる巻鉄心の二次
巻線側の部分が直接空気と接触する面積が大きい。
【0012】更に、磁気分路鉄心を各巻線の窓部に巻線
と共に配置しているため、該磁気分路鉄心を配置するた
めに特に空間を設ける必要がないと共に、該磁気分路鉄
心を巻鉄心の軸心方向に対して垂直な方向に相対的に変
位させることにより、磁気分路鉄心と巻鉄心の内周部と
の間に形成されるギャップを調整することができる。上
記のように、一次巻線を夫々の窓部の外室の間にまたが
って巻回する一方、上記共振用巻線及び二次巻線を夫々
の窓部の内室にまたがって巻回した場合には、相対的に
一次側のインピーダンスが二次側のインピーダンスに比
べて大きくなり、二次側に接続する負荷の変動による影
響が少ない。
【0013】巻鉄心を、夫々該円筒状の巻鉄心の二箇所
に設けた軸心方向の切断面で二分割した外側半殻部と内
側半殻部とから構成した場合には、一次巻線、二次巻
線、共振用巻線及び磁気分路鉄心からなる巻線部に上記
外側半殻部と内側半殻部を外嵌することにより、巻線部
に巻鉄心を巻着して組立を行うことができる。更に、上
記巻鉄心の外周部に断面形状が円弧状又は円形状の付加
リングを外嵌して巻鉄心の周方向全体又は周方向の一部
分で巻鉄心の断面積を調節することができる。
【0014】
【実施例】次に、図面に示す実施例に基づき、本発明に
ついて詳細に説明する。図1から図3は、本発明に係る
定電圧変圧器の第1実施例を示している。該定電圧変圧
器は、一対の円筒状の巻鉄心11A、11Bと、該巻鉄
心11A、11Bの内周部に夫々形成される空洞部、即
ち、鉄心の窓部12A、12B(以下単に窓部と称す
る。)をそれぞれ内側の室(内室13A、13B)と外側
の室(外室14A、14B)に二分割する磁気分路鉄心1
5A、15B備えている。また、一次巻線17、二次巻
線18及び共振用巻線19を上記窓部12A、12Bの
間にまたがって巻回して巻線部20を構成している。該
巻鉄心11A、11Bと巻線部20は、フレーム22に
組込んでおり、該フレーム22には入力用及び出力用タ
ーミナル23A、23B及びコンデンサ用ターミナル
(図示せず)を設けている。
【0015】上記巻鉄心11は、圧延により製造した方
向性けい素鋼板からなる連続する一枚の電磁鋼板24
(図4にのみ図示)を後述する方法により高さH、外径D
1、内径D2、厚さT1の円筒状に巻回しており、上記し
たように窓部12を備えている。即ち、巻鉄心11は軸
心L1に対して垂直な断面で見るとその直径方向に電磁
鋼板が積層している。また、本実施例の巻鉄心11は、
電磁鋼板24の圧延方向Fと巻鉄心11の周方向が一致
するように巻回している。上記巻鉄心11A、11B
は、夫々の軸心L1、L1が大略平行であって、かつ、
後述するスペーサ26の突起部26aにより外周部が間
隙Sを有する状態で配置している。
【0016】磁気分路鉄心15は、上記巻鉄心11と同
様に方向性けい素鋼板からなる電磁鋼板16を厚さT2
方向に所定枚数積層した平板状であり、上記巻鉄心11
の高さH方向全体に延在している。磁気分路鉄心15
は、巻鉄心11の軸心L1から、該軸心L1に対して垂直
な方向へ所定の偏心量Eを有して位置するように、窓部
12内に挿入して配置している。(図3中L2は磁気分
路鉄心15の中心を示す。)磁気分路鉄心15は、一次
巻線17と二次巻線18との間に後述する締付力F2に
より挟持され、該締付力F2が作用していない時は、後
述するように巻鉄心11の軸心L1に対して垂直な方向
に相対的に変位可能である。
【0017】本発明では、上記のように磁気分路鉄心1
5を巻線部20に保持して窓部12内に挿入して配置し
ているため、該磁気分路鉄心15を配置するための空間
を特に設ける必要がない。図4に拡大して示すように、
磁気分路鉄心15の両方の端面15a、15aは、電磁鋼
板16の端部が階段状に積層して、巻鉄心11の内周面
と適合する曲面を構成している。該端面15aと巻鉄心
11の内周面との間には、巻鉄心11の高さH方向全体
に延在する絶縁部材27を介設して、該絶縁部材27の
厚さに対応するギャップG2を設けている。
【0018】一次巻線17、二次巻線18は磁気分路鉄
心15A、15Bを挾持して、夫々上記一対の巻鉄心1
1A、11Bの窓部12A、12Bをまたがった状態で
一定回数巻回してなる。一次巻線17は、外室14A、
14Bの間にまたがる状態で巻回して、断面が台形状と
なるように積層している。一方、二次巻線18は、内室
13A、13B側を間をまたがる状態で巻回して、断面
が矩形状となるように積層している。また、上記一次及
び二次巻線17、18は、夫々入力側端子28及び出力
側端子29を、夫々入力用及び出力用ターミナル23
A、23Bに設けている。
【0019】共振用巻線19は、上記二次巻線18より
内側で内側室13A、13Bの間をまたがる状態で一定
巻数巻回して、断面が台形状となるように積層してお
り、コンデンサ用ターミナルの端子(図示せず)に所要の
容量の共振用コンデンサ32を接続する構成としてい
る。上記共振用巻線19と二次巻線18の間、磁気分路
鉄心15と一次及び二次巻線17、18の間、並びに、
共振用巻線19、一次及び二次巻線17、18と巻鉄心
11の間には、絶縁テープ、シート状の絶縁部材等から
なる絶縁部材33(図4にのみ図示)を配置して、互いに
絶縁すると共に、巻鉄心11と巻線部20が接触しない
ようにしている。
【0020】窓部12において、二次巻線18側の面積
と一次巻線17側の面積は、約2:1となるように設定
している。例えば、一方の巻鉄心11Bの窓部12Bに
おいて、磁気分路鉄心15Bの中心線L2の左側と右側
の面積を約2:1となるように設定している。
【0021】上記巻線部20と巻鉄心11A、11Bの
両端部の間には、直方体状のスペーサ26A、26Bを
配置して巻線部20と巻鉄心11を固定保持している。
該スペーサ26は突起部26aを備え、該突起部26aに
より巻鉄心11A、11Bの間に間隙Sを形成してい
る。
【0022】上記第1実施例に係る定電圧変圧器は、図
5に示すような工程により製造する。最初に、工程に
おいて、一次巻線17、二次巻線18及び共振用巻線1
9をそれぞれ一定回数巻き上げると共に、磁気分路鉄心
15を一次巻線17と二次巻線18の間に配置して巻線
部20とする。この際、一次及び二次巻線を17、18
を絶縁部材33により被覆すると共に、磁気分路鉄心1
5の端面15a、15aには、ギャップG2を設定設定す
るための絶縁部材27を配置する。
【0023】次に、工程において、上記巻線部20に
巻鉄心11A、11Bを巻回する。具体的には、まず、
電磁鋼板をその圧延方向と巻回方向が一致するように巻
回して内径D2、外径D1の最終形状の巻鉄心11とした
ものを焼鈍する。次に、図6で示すように、上記巻鉄心
11の内周部及び外周部にそれぞれ小径の第1及び第2
ローラ34、35を配置し、巻鉄心11の最も外周側の
電磁鋼板24を一枚ほぐして巻線部20の一対の直線部
20a、20bの間を一回くぐらせる。更に、図7に示す
ように、上記ほぐした電磁鋼板24の一端24aを、第
1ローラ34側の外周部と溶接、テープ止等の手段によ
り仮止めして大円37を形成する。
【0024】次に、上記第1及び第2ローラ34、35
を駆動して、図7中矢印Kで示す方向、即ち、巻鉄心1
1の巻回方向と反対の方向に巻鉄心11を回転させる
と、第1及び第2ローラ34、35側の電磁鋼板が、減
少する一方、上記大円37を形成する電磁鋼板が徐々に
増加し、やがて、図8に示すように、第1及び第2ロー
ラ34、35側の電磁鋼板がなくなった状態となる。こ
の時、矢印F1で示すように、上記大円37には電磁鋼
板自体の弾性により半径方向に縮まる力が生じている。
そのため、図9に示すように巻鉄心11の外周部に配置
した第1ローラ34を除去し、前記仮止めを外すと、電
磁鋼板24は、上記弾性力F1により巻線部20の直線
部20bに巻回する。他方の直線部20aについても上記
の工程を行い、巻線部20に巻鉄心11A、11Bを巻
着する。
【0025】更に、図5の工程において、巻鉄心11
にワニス等を含浸して固め、工程において、フレーム
22に巻線部20及び巻鉄心11を組込むと共に、入力
用及び出力用ターミナル23A、23B等への結線等を
行う。この時、巻鉄心11A、11Bに図10に示すよ
うに、バックル38aを備えた帯状の締付部材38によ
り締付力F2を加えて、上記磁気分路鉄心15の端面1
5a、15aを巻鉄心11の内周面に絶縁部材27を介し
て密着させて、上記図4に示すように絶縁部材27の厚
さに対応するギャップG2を形成する。
【0026】上記のように、第1実施例の定電圧変圧器
は、少ない工程で作成することが可能であり、特に、巻
鉄心11は連続する電磁鋼板を巻線部20に巻き付ける
ことにより積層しているため、板状の電磁綱板を一枚毎
に積層する必要がなく工作の手間を低減することができ
る。
【0027】次に、上記第1実施例の作動的特徴につい
て説明する。第1実施例に係る定電圧変圧器の作動時に
は、入力側端子28に交流電源を接続すると、巻鉄心1
1、磁気分路鉄心15及びギャップG2に図3中点線で
示すような磁気回路Mが構成され、二次巻線18に誘導
起電力が生じる。この時、夫々の巻鉄心11A、11B
の一次巻線17側の部分の磁束密度は不飽和である一
方、内室13A、13B側に上記したように共振用コン
デンサ32を有する共振用巻線19を巻回しているた
め、夫々の巻鉄心11A、11Bの二次巻線18側で
は、磁束密度が飽和状態となる。そのため、入力電圧が
変化しても出力電圧は略一定に保持される。
【0028】図11は、第1実施例において入力側端子
28に供給する入力電圧と、出力側端子29からの出力
電圧の関係を示している。該図11に示すように、入力
電圧が定格の90%以上となると、入力電圧の変化や負
荷の有無に拘わらず一定の電圧が出力側端子29に出力
されている。また、上記したように巻鉄心11は電磁鋼
板の圧延方向Fと同方向に巻回しており、よって、上記
磁気回路Mも、圧延方向Fと同方向であるため、良好な
特性が得られる。
【0029】更に、上記のように巻鉄心11A、11B
の外周部の間に間隙Sを設けているため、飽和状態で使
用される巻鉄心11A、11Bの二次巻線18側の部位
が直接空気に触れる面積が大きく、該部位での鉄損によ
る発熱を高い効率で低減することができる。巻鉄心11
は円筒状であり、磁気回路Mは、同一断面となると共に
その磁路長が最短となるように構成されるため効率、特
性が良好である。
【0030】上記磁気分路鉄心15のギャップG2は、
下記のように、磁気分路鉄心15を軸心L1に対して垂
直な方向に相対的に変位させて上記偏心量Eを変えるこ
とにより、容易に調整することができる。上記ギャップ
G2を小さくする場合には、まず、上記締付部材38を
緩めてスペーサ26及び絶縁部材27を除去し、これら
の代わりに、上記巻線11A、11Bの間隙Sが狭まる
ように上記スペーサ26より幅の狭い突起部を備えたス
ペーサを配置すると共に、上記絶縁部材27より厚さの
薄い絶縁部材を配置する。その後、締付部材38を再び
締付ければ、上記したように巻鉄心11A、11Bの間
隙Sが狭まる一方、巻線部20の直線部20a、20bの
間隔は変化しない。そのため、磁気分路鉄心15A、1
5Bは夫々巻鉄心11A、11Bに対して偏心量Eが大
きくなる方向(例えば、磁気分路鉄心15Aの場合には
図3中左側)に相対的に移動し、上記薄くなった絶縁部
材により磁気分路鉄心15の端面部15a、15aと巻鉄
心11の内周面との間にギャップG2が形成される。よ
って、上記絶縁部材が薄くなった分だけギャップG2が
小さくなる。一方、ギャップG2を大きくする場合に
は、上記の場合とは逆に、上記スペーサ26より場合の
広い突起部を備えたスペーサ及び上記絶縁部材27より
厚さの厚い絶縁部材を配置すれば、磁気分路鉄心15
A、15Bは夫々巻鉄心11A、11Bに対して偏心量
Eが小さくなる方向(例えば、磁気分路鉄心15Aの場
合には、図3中右側)に相対的に移動し、ギャップG2が
大きくなる。
【0031】更に、第1実施例では、一次巻線17を巻
線部20の最も外側に配置しているため、相対的に一次
巻線17側のインピーダンスが二次巻線18側のインピ
ーダンスに比べて大きくなり、二次巻線18に接続する
負荷の変動による影響を低減することができる。
【0032】図12及び図13は本発明の第2実施例を
示している。該第2実施例では、スペーサ40A、40
Bは突起部を備えず、巻鉄心11A、11Bの外周部が
互いに接触している。
【0033】また、第2実施例では、図13に示すよう
に、巻線部20の断面が窓部12内の略全体を充填する
略円形状の断面形状を呈するように、一次及び二次巻線
41、42並びに共振用巻線43を積層している。上記
のように第2実施例では、巻鉄心11A、11Bの外周
部が接触すると共に、窓部12内に巻線部20を充填し
た構成としているため、小型化を図ることができ、比較
的冷却性に問題のない小容量器に適している。第2実施
例のその他の構成、製造方法及び作動的特徴は、上記第
1実施例と同様であるので、同一部材には、同一の符号
を付して説明を省略する。
【0034】図14及び図15に示す本発明の第3実施
例では、窓部12A、12Bの外室14A、14Bの間
にまたがって一次巻線45を巻回している。また、内室
13A、13Bの磁気分路鉄心15A、15B側の間に
またがって共振用巻線46を巻回する一方、該内室12
A、12Bの他方側の間にまたがって二次巻線47を順
に巻回して構成している。即ち、第3実施例では、上記
第1実施例において、二次巻線と共振用巻線の配置を入
れ換えた構成としている。
【0035】また、第3実施例では、磁気分路鉄心15
を巻鉄心11の高さHより長く設定し、該巻鉄心11か
ら突出した突出部15bを形成している。そのため、第
3実施例では、ギャップG2の調整時には、該突出部1
5bを保持して磁気分路鉄心15を変位させることが可
能であり、ギャップの調整がより容易になる。
【0036】図16及び図17に示す本発明の第4実施
例では、窓部12の外側から共振用巻線49、二次巻線
50、一次巻線51を順に巻回して、二次巻線50と一
次巻線51との間に磁気分路鉄心15を配置した構成と
している。上記のように、本発明は必要に応じて、一次
及び二次巻線及び共振用巻線の配置を変更することがで
きる。
【0037】図18に示す本発明の第5実施例では、夫
々の巻鉄心52A、52Bは夫々二箇所に設けた軸心L
1、L1方向の切断面53A、53Bで分割される外側半
殻部54A、54Bと内側半殻部55A、55Bからな
る。上記巻鉄心52は、上記した第1実施例から第4実
施例と同様に電磁鋼板を円筒状の部材に巻回して、焼鈍
後にワニスにより固めた後、上記切断面53の部分で切
断する。尚、該切断面53は磁気抵抗が増加しないよう
に研摩を施す。この時、切断面53A、53Bを一平面
上に位置するように設けておくと容易に研摩を行うこと
ができる。
【0038】第5実施例では、組立時には、予め巻き上
げた巻線部20の直線部20a、20bに夫々外側半殻部
54A、54B及び内側半殻部55A、55Bを外嵌す
る。よって、上記図5中の工程を極めて容易に行うこ
とが可能であり、製作の手間をより軽減することができ
る。
【0039】上記切断面53の位置は、図18に示す位
置に限定されないが、好適には、巻鉄心52A、52B
の一次巻線17側に設ける。これは、巻鉄心11A、1
1Bの二次巻線側18側は、使用時には、磁束密度が飽
和状態となるため、切断面53は巻鉄心の一次巻線側に
設けるのが好ましいからである。
【0040】図19に示す本発明の第6実施例は、前記
第5実施例と同様の構成であるが巻鉄心11A、11B
の外周部に夫々断面円弧状の付加リング57A、57B
を外嵌している点が異なる。該付加リング57は、上記
巻鉄心11よりやや小さい径の円筒状に電磁鋼板を複数
回巻回したものの一部を切断したものであり、巻鉄心1
1の外周部に弾性的に外嵌する。該付加リング57の円
弧長さは、巻鉄心11に外嵌した時に、該巻鉄心11の
少なくとも一次巻線17側の部分を覆うように設定して
いる。
【0041】第6実施例では、上記付加リング57によ
り、使用時には磁束密度が飽和状態である巻鉄心11の
二次巻線18側の実質的な断面積を変えることなく、使
用時に不飽和状態となる巻鉄心11Aの一次側巻線17
と飽和状態の鉄心の一部の断面積を増加させることがで
き、よって、鉄損を低減することができる。尚、付加リ
ングを構成する電磁鋼板の層の数については、特に限定
されるものではなく、一層又は二層以上の電磁鋼板から
構成すればよい。
【0042】図20に示す本発明の第7実施例は上記第
6実施例と同様に巻鉄心11A、11Bの外周部に付加
リング58A、58Bを外嵌している。該付加リング5
8は、巻鉄心11の外径D1と略同径で筒状に複数回巻
回した電磁鋼板を軸心方向の切断面59一箇所設けてお
り、該切断面59の部分を弾性的に広げて、その周方向
の全体を覆うように巻鉄心11の外周部に外嵌してい
る。第7実施例では付加リング58により巻鉄心の断面
積を容易に変更することが可能であり、これにより定電
圧変圧器の特性を調整することができる。尚、第7実施
例においても、付加リングの層の数については特に限定
されるものではい。また、上記付加リング58の外側に
更に一又は二以上の同様の形状の付加リングや上記第6
実施例において示した付加リングを外嵌する構成として
もよい。
【0043】本発明は上記実施例に限定されず、種々の
変形が可能である。例えば、上記した実施例では巻鉄心
は方向性けい素綱板からなるが、巻鉄心の材質はこれに
限定されず、アモルファス電磁鋼板等の他の種々の電磁
綱板を使用してもよい。また、上記第6実施例及び第7
実施例の付加リングは、第1実施例のみならず、他の実
施例においても適用することができる。
【0044】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る定電圧変圧器は、直径方向に電磁綱板を積層した
一対の円筒状の巻鉄心の窓部を磁気分路鉄心により外室
と内室に二分割し、該窓部に一次巻線、二次巻線及び共
振用巻線をまたがって巻回する構成としており、磁気回
路が構成される方向に切断面等からなる不連続部分が存
在せず、鉄損を低減することができる。特に、上記電磁
鋼板が方向性を有する場合には、該鋼板の磁気特性が良
好な方向と巻鉄心の周方向を一致されば、磁気回路は上
記磁気特性の良好な方向に形成される特性、効率が向上
する。
【0045】上記のように、巻鉄心は円筒状であるた
め、該巻鉄心の磁気回路の磁路長を最短に設定すること
が可能であり、特性、効率を向上することができると共
に、飽和状態で使用する巻鉄心の二次巻線側が空気と直
接接触する部分面積が大きく冷却性に優れ、巻線の絶縁
性を高める等の特別な配慮を払う必要がない。
【0046】また、上記磁気分路鉄心を、軸心に対して
垂直な方向に巻鉄心に対して相対的に移動させることに
より、磁気分路鉄心と巻鉄心の間をギャップを調整する
ことができるため、容易に特性を調整することができ
る。また、上記巻鉄心の外周部に付加リングを外嵌した
場合には、その周方向の一部又は全体で巻鉄心の断面積
を変更して特性を調整することが可能となる。更に、本
発明に係る定電圧変圧器は、鉄心を作成する際に電磁鋼
板を一枚毎に積層せず、連続する帯状の電磁鋼板を巻線
に巻着した巻鉄心としているため製造の手間がかからず
製造コストを低減することができる。特に、巻鉄心に切
断面を設け外側半殻部と内側半殻部に分割した場合には
巻線部にこれらを外嵌することにより、更に容易に巻線
部と巻鉄心を組み立てることができる。
【0047】また、磁気分路鉄心を円筒形状の巻鉄心の
内周部に構成される窓部に配置しているため、該磁気分
路鉄心を配置するために、特別に空間を設ける必要がな
く小型化、軽量化を図ることができる。更に、本発明に
係る定電圧変圧器は、一次巻線を二次巻線より外側に配
置した場合には、一次巻線側のインピーダンスが二次巻
線側のそれよりも大きくなり、よって、二次巻線側に接
続する付加の変動による影響を低減することができる等
の種々利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示す斜視図である。
【図2】 第1実施例の巻線部及び巻鉄心を示す概略図
である。
【図3】 図2のIII−III線での断面図である。
【図4】 図3の部分Jの拡大図である。
【図5】 第1実施例の製作工程を概略図である。
【図6】 巻線部へ巻鉄心を巻回する方法を示す概略図
である。
【図7】 巻線部へ巻鉄心を巻回する方法を示す概略図
である。
【図8】 巻線部へ巻鉄心を巻回する方法を示す概略図
である。
【図9】 巻線部へ巻鉄心を巻回する方法を示す概略図
である。
【図10】 締付具で巻鉄心を締め付ける方法を示す概
略図である。
【図11】 第1実施例の入力電圧と出力電圧の関係を
示す線図である。
【図12】 本発明の第2実施例を示す概略図である。
【図13】 図12のV−V線での断面図である。
【図14】 本発明の第3実施例を示す概略図である。
【図15】 図14のVI−VI線での断面図である。
【図16】 本発明の第4実施例を示す概略図である。
【図17】 図16のVII−VII線での断面図である。
【図18】 本発明の第5実施例を示す断面図である。
【図19】 本発明の第6実施例を示す断面図である。
【図20】 本発明の第7実施例を示す断面図である。
【図21】 従来の定電圧変圧器を示す概略斜視図であ
る。
【符号の説明】 11,52 巻鉄心 15 磁気分路鉄心 17,41,45,51 一次巻線 18,42,47,50 二次巻線 19,42,46,49 共振用巻線 53,59 切断面 54 外側半殻部 55 内側半殻部 57,58 付加リング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 夫々連続する電磁綱板を巻回して全体と
    して窓部を有する円筒状に形成し、夫々の軸心を大略平
    行に両側に配置して設けた一対の巻鉄心と、 電磁綱板を平板状に積層して上記各巻鉄心の窓部内で巻
    鉄心の軸心方向と垂直な方向で該軸心から偏心した位置
    に挿入して各巻鉄心の窓部を外側の室と内側の室に二分
    割する磁気分路鉄心と、 上記一対の巻鉄心の窓部の外側の室の間又は内側の室の
    間にまたがって夫々一定回数巻回した一次巻線、二次巻
    線及び共振用巻線を備えることを特徴とする定電圧変圧
    器。
  2. 【請求項2】 上記一次巻線を夫々の窓部の外室の間に
    またがって一定回数巻回し、上記共振用巻線を夫々の窓
    部の内室の一方側の間にまたがって一定回数巻回すると
    共に、上記二次巻線を夫々の窓部の内室の他方側の間に
    またがって一定回数巻回したことを特徴とする請求項1
    に記載の定電圧変圧器。
  3. 【請求項3】 上記巻鉄心は、夫々該円筒状の巻鉄心の
    二箇所に設けた切断面で二分割した外側半殻部と内側半
    殻部とからなることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載の定電変圧器。
  4. 【請求項4】 上記巻鉄心の外周部に断面形状が円弧状
    又は円形状の付加リングを外嵌したことを特徴とする請
    求項1から請求項3のいずれか1項に記載の定電圧変圧
    器。
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