JPH05226061A - 保安機構付放電型サージ吸収素子 - Google Patents

保安機構付放電型サージ吸収素子

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JPH05226061A
JPH05226061A JP5896192A JP5896192A JPH05226061A JP H05226061 A JPH05226061 A JP H05226061A JP 5896192 A JP5896192 A JP 5896192A JP 5896192 A JP5896192 A JP 5896192A JP H05226061 A JPH05226061 A JP H05226061A
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film
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safety mechanism
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Yoshito Kasai
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外形をコンパクトに納めると共に、過電流の
連続した通電を確実に遮断して、素子の溶融や該素子を
組み込んだ回路基板の焼損等を防止する。 【構成】 絶縁基板4と、絶縁基板4の表面6を気密に
覆い、放電ガスが充填される放電空間42を形成する蓋部
材8と、絶縁基板4の表面6に微小放電間隙10を隔てて
対向するよう被着形成される第1及び第2のトリガ放電
電極膜12,13と、主放電間隙14を隔てて対向するよう被
着形成され、第1及び第2のトリガ放電電極膜12,13と
それぞれ電気的に接続される第1及び第2の主放電電極
膜16,18とを有してなり、第1の主放電電極膜16に第1
の発熱抵抗膜20を接続すると共に、第1の発熱抵抗膜20
の抵抗値が、連続した過電流の通電による自己発熱を契
機として、絶縁基板4を砕裂するに十分な発熱量が得ら
れる値まで上昇するように、第1の発熱抵抗膜20の抵抗
温度係数を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電話回線等に印加さ
れる誘導雷等のサージを吸収することにより、電子機器
が損傷することを防止する放電型サージ吸収素子に係
り、特に、素子を偏平化すると共に、連続した過電流の
通電を確実に遮断することのできる保安機構付放電型サ
ージ吸収素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、誘導雷等のサージから電子機器の
電子回路を保護するためのサージ吸収素子として、電圧
非直線特性を有する高抵抗体素子よりなるバリスタや、
放電間隙を気密容器内に収容したアレスタ等が広く使用
されている。
【0003】上記バリスタは、サージ吸収の応答性に優
れるものの、単位面積当たりの電流耐量が比較的小さ
く、したがって大きなサージ電流を効率よく吸収するこ
とが困難である。また、上記アレスタはその放電間隙に
アーク放電を生成することにより、電流耐量を大きくす
ることができるのであるが、サージの印加からアーク放
電までに要する時間が長く、その応答性に問題がある。
【0004】そこで、図4及び図5に示すように、略円
柱状の絶縁体aの表面に導電性薄膜bを被着させたうえ
で、この導電性薄膜bに幅が0.1mm程度の微小放電間
隙cを周回状に形成して導電性薄膜bを分割すると共
に、絶縁体aの両端に主放電間隙dを隔てて放電電極
e,eを嵌着して上記導電性薄膜b,bと放電電極e,
eとを接続し、これを放電ガスと共に気密容器f内に封
入して外部端子g,gを導出したサージ吸収素子hが提
案されている。
【0005】上記サージ吸収素子hに、このサージ吸収
素子hの定格電圧以上のサージが印加された場合、まず
微小放電間隙cを隔てた導電性薄膜b,b間に電位差が
生じ、これにより微小放電間隙cに電子が放出されて沿
面放電が発生する。次いで、この沿面放電に伴って生ず
る電子のプライミング効果によってグロー放電へと移行
する。そして、このグロー放電がサージ電流の増加によ
って主放電間隙dへと転移し、主放電としてのアーク放
電に移行してサージを吸収する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記サー
ジ吸収素子hは、微小放電間隙cに生ずる元来応答速度
の速い沿面放電をトリガ放電として利用するものである
ため、上記アレスタに比べて高い応答性を実現できると
共に、主放電間隙dに生ずる主放電たるアーク放電によ
ってサージを吸収するものであるため、上記バリスタに
比べて大きな電流耐量を実現できる。
【0007】しかしながら、上記従来のサージ吸収素子
hにあっては、図4に示すように、気密容器fが嵩張る
略円筒形状をなしているため、各種電子機器内部に実装
する際に相当のスペースを確保する必要があり、近年に
おける電子機器の小型化の要請に反するものであった。
【0008】また、電力線との接触事故や、このような
事態を想定したULやCSA等の安全規格による過電圧
試験によって、上記サージ吸収素子hの定格電圧以上の
過電圧が連続して印加された場合には、主放電間隙dに
生ずる主放電による過電流の通電が持続状態となる。そ
して、この過電流の連続した通電に伴う発熱によって気
密容器fが溶融し、サージ吸収素子hが組み込まれた回
路基板を焼損させることとなり、その結果、上記過電圧
試験の合格基準を充足し得ないのは勿論のこと、実際の
使用状況下においては火災の原因となるおそれもあっ
た。
【0009】本発明は、上記従来例の欠点に鑑みてなさ
れたものであり、外形がコンパクトに納まると共に、過
電流の連続した通電を遮断することで焼損事故を未然に
防止し、各種安全規格に適合する保安機構付放電型サー
ジ吸収素子を実現することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る保安機構付放電型サージ吸収素子は、
絶縁基板と、該絶縁基板の表面を気密に覆い、該表面と
の間に放電ガスが充填される放電空間を形成する蓋部材
と、上記絶縁基板の表面に微小放電間隙を隔てて対向す
るよう被着形成される第1及び第2のトリガ放電電極膜
と、上記絶縁基板の表面に主放電間隙を隔てて対向する
よう被着形成され、上記第1及び第2のトリガ放電電極
膜とそれぞれ電気的に接続される第1及び第2の主放電
電極膜とを有してなり、該第1及び第2の主放電電極膜
の少なくとも一方に、上記絶縁基板の表面に被着形成さ
れた発熱抵抗膜を接続すると共に、該発熱抵抗膜の抵抗
値が、連続した過電流の通電による自己発熱を契機とし
て、上記絶縁基板を砕裂するに十分な発熱量が得られる
値まで上昇するように、該発熱抵抗膜の抵抗温度係数を
設定するよう構成した。
【0011】また、絶縁基板と、該絶縁基板の表面を気
密に覆い、該表面との間に放電ガスが充填される放電空
間を形成する蓋部材と、上記絶縁基板の表面に微小放電
間隙を隔てて対向するよう被着形成される第1及び第2
のトリガ放電電極膜と、上記絶縁基板の表面に主放電間
隙を隔てて対向するよう被着形成され、上記第1及び第
2のトリガ放電電極膜とそれぞれ電気的に接続される第
1及び第2の主放電電極膜とを有してなり、少なくとも
第1のトリガ放電電極膜と第1の主放電電極膜とを、上
記絶縁基板の表面に被着形成された発熱抵抗膜を介して
電気的に接続すると共に、該発熱抵抗膜の抵抗値が、連
続した過電流の通電による自己発熱を契機として、上記
絶縁基板を砕裂するに十分な発熱量が得られる値まで上
昇するように、該発熱抵抗膜の抵抗温度係数を設定する
よう構成した。
【0012】上記発熱抵抗膜の抵抗温度係数は、その初
期抵抗値(連続した過電流の通電によって発熱抵抗膜が
発熱する前の、平常時における抵抗値)、予想される過
電流の電流値、或いは絶縁基板の割れ易さ等を基に、実
験を通じて具体的に決定される。例えば、発熱抵抗膜の
初期抵抗値を比較的に高く設定してもよい場合には、そ
の抵抗温度係数をそれほど高く設定しなくとも、当初か
ら十分な発熱量が得られるため、絶縁基板を砕裂し得
る。ところが、この種のサージ吸収素子は、後述のよう
に、保護すべき電子回路に対して並列に接続されるた
め、初期抵抗値が高いとサージ印加時の残留電圧が大き
くなり、その分大きな電圧が電子回路側に印加されるこ
ととなる。したがって、その初期抵抗値はできるだけ小
さくすべきとの要請がある。
【0013】そこで、例えば、発熱抵抗膜の初期抵抗値
を0.1Ω乃至5Ωという低い範囲に設定すると共に、
その抵抗温度係数を2500ppm/゜C乃至4000
ppm/゜Cという非常に高い範囲に設定することによ
り、通常の瞬間的なサージの印加に対しては低い抵抗値
を維持できると共に、過電流が連続的に流れた場合に
は、その抵抗値が急激に上昇して絶縁基板を砕裂するこ
とができる。なお、一般的な抵抗体の抵抗温度係数は2
00ppm/゜C程度と低いため、発熱してもその抵抗
値はほとんど変化しない。したがって、これによって上
記発熱抵抗膜を形成した場合には、初期抵抗値を5Ω乃
至100Ωという高い範囲で設定する必要がある。
【0014】なお、上記「連続した過電流」における
「連続した」という表現は、「一定時間継続した」を意
味するものであり、「連続した過電流」には、直流電流
のみならず、時間の経過と共に電流値が変化する交流電
流も当然に含まれるものである。以下においても同様で
ある。
【0015】
【作用】絶縁基板の表面に、トリガ放電電極膜と、主放
電電極膜及び発熱抵抗膜とを被着形成するよう構成した
ので、保安機構付放電型サージ吸収素子の形状は全体的
に偏平化し、小型化することが容易となる。
【0016】上記保安機構付放電型サージ吸収素子は、
電子機器の電子回路に通じる通信ライン等を構成する線
路間に、該電子回路に対して並列に接続される。そし
て、上記線路に、保安機構付放電型サージ吸収素子の定
格電圧(保安機構付放電型サージ吸収素子の動作電圧の
ことであり、具体的には、微小放電間隙の直流放電開始
電圧)以上のサージが瞬間的に印加されると、まず微小
放電間隙を隔てトリガ放電電極膜間に電位差が生じ、こ
れにより微小放電間隙に電子が放出されて沿面放電が発
生する。ついで、この沿面放電は、放電にともなって生
ずる電子のプライミング効果によってグロー放電へと移
行する。そして、このグロー放電がサージ電流の増加に
よって主放電間隙へと転移し、さらにアーク放電に移行
してサージを吸収するものである。
【0017】また、電力線との接触事故や、このような
事態を想定した過電圧試験によって、上記保安機構付放
電型サージ吸収素子の定格電圧以上の過電圧が連続して
印加された場合には、上記微小放電間隙及び主放電間隙
で放電が持続し、この放電を通じて連続した過電流が流
れることとなる。この連続した過電流の通電によって上
記発熱抵抗膜が発熱し、この自己発熱を契機としてその
抵抗値が急激に上昇し、その発熱量も相乗的に増加する
ため、最終的に上記絶縁基板は熱歪みによって砕裂す
る。この結果、放電空間内の放電ガスに空気が流入し、
放電が消失して過電流の通電が遮断されるので、上記保
安機構付放電型サージ吸収素子の溶融やこれを組み込ん
だ回路基板の焼損等を防止することができる。
【0018】なお、上記絶縁基板における相対向する両
側端縁に脚部を突設することにより、素子を回路基板等
に実装した際に、上記脚部によって上記絶縁基板の中心
部分が浮いた状態で支持される。そのため、絶縁基板の
砕裂が極めて容易となるのみならず、砕裂した部分が下
方に陥没して通電路が完全に遮断されるため、確実に過
電流の通電を遮断することができる。
【0019】
【実施例】以下に本発明を、図示の実施例に基づいて説
明する。図1及び図1のA−A断面図である図2に示す
ように、本実施例に係る第1の保安機構付放電型サージ
吸収素子2は、厚さ0.4〜1.0mmのアルミナ等のセ
ラミックからなる絶縁基板4と、該絶縁基板4の表面6
を覆う蓋部材8と、上記表面6に幅10〜100μmの
微小放電間隙10を隔てて被着形成される第1のトリガ放
電電極膜12及び第2のトリガ放電電極膜13と、同表面6
に幅0.2〜10mmの主放電間隙14を隔てて被着形成さ
れる第1の主放電電極膜16及び第2の主放電電極膜18と
を有してなる。上記第1及び第2のトリガ放電電極膜1
2,13と第1及び第2の主放電電極膜16,18とは、上記
微小放電間隙10と主放電間隙14とが並列接続されるよう
に、それぞれ電気的に接続されている。また、上記第1
の主放電電極膜16には、第1の発熱抵抗膜20が接続され
る。さらに、上記絶縁基板4の裏面24における左側端縁
及び右側端縁には、裏面24に対して略垂直方向に突出
し、上記第1及び第2のトリガ放電電極膜12,13の通電
方向と略直交する方向に延びる脚部26,26が、上記絶縁
基板4と一体的に形成される。上記絶縁基板4の表面6
から脚部26,26の側面28,28にかけては、第1の外部端
子薄膜30及び第2の外部端子薄膜32が被着形成されてお
り、第1の外部端子薄膜30は上記第1の発熱抵抗膜20
に、また、第2外部端子薄膜32は上記第2の主放電電極
膜18にそれぞれ接続される。
【0020】上記第1及び第2の主放電電極膜16,18
は、タングステン(W),モリブデン(Mo),六硼化
ランタン(LaB6),二ケイ化モリブデン(MoS
2),二酸化チタン(TiO2) 等の耐スパッタ性を
有する導電物質や、42−6合金,42合金等の金属薄
板によって形成される。また、上記第1及び第2の外部
端子薄膜30,32は、ともに銀・パラジウム(Ag・P
d)やニッケル(Ni)系ペースト等の電気的良導体に
よって形成される。
【0021】上記第1の発熱抵抗膜20は、ルテニウム
(Ru)系ペースト等によって形成され、その膜厚は1
0〜25μm程度に設定される。この第1の発熱抵抗膜
20の抵抗温度係数及び初期抵抗値は、上記ルテニウム
(Ru)系ペーストに所定の貴金属材料を所定量混入す
ることによって適宜設定することが可能であり、ここで
は抵抗温度係数が2500ppm/゜C〜4000pp
m/゜Cの範囲に、また初期抵抗値が0.1Ω〜5Ωの
範囲に設定されている。
【0022】上記第1及び第2のトリガ放電電極膜12,
13は、ルテニウム(Ru)系ペースト等によって形成さ
れ、その先端部には、タングステン(W),モリブデン
(Mo),六硼化ランタン(LaB6),二ケイ化モリ
ブデン(MoSi2),二酸化チタン(TiO2) 等よ
りなる耐スパッタ性を有する導電性保護膜34,34が形成
されており、第1及び第2のトリガ放電電極膜12,13の
スパッタによる微小放電間隙10の絶縁劣化を防止し、寿
命特性の向上を図っている。さらに、第1及び第2のト
リガ放電電極膜12,13の表面には、露出部における沿面
放電を防止するために、非結晶化ガラス等からなる絶縁
膜36,36が被覆されている。
【0023】上記蓋部材8は、ガラスやセラミック等の
絶縁物質からなり、該蓋部材8の各側面38は3〜10mm
程度の高さを有している。該側面38と絶縁基板4の表面
6とを低融点ガラス等からなる封着材40によって固着す
ることにより、絶縁基板4の表面6と蓋部材8との間
に、上記側面38の高さに相応した高さを有する、気密の
放電空間42が形成される。該放電空間42内には、ヘリウ
ム(He),ネオン(Ne),アルゴン(Ar),キセ
ノン(Xe)等の希ガスの単体もしくは混合物を主体と
する放電ガスが封入される。なお、上記のように側面38
を有する蓋部材8を用いる代わりに、平板状の蓋部材を
用い、絶縁基板4との間にスペーサー等を配して放電空
間を形成するよう構成してもよい。
【0024】上記構成を有する第1の保安機構付放電型
サージ吸収素子2を電子機器のプリント回路基板等に実
装した状態で、上記第1及び第2の外部端子薄膜30,32
を介して外部からサージを瞬間的に印加すると、まず微
小放電間隙10を隔てた第1及び第2のトリガ放電電極膜
12,13間に電位差が生じ、これにより微小放電間隙10に
電子が放出されて沿面放電が発生する。ついで、この沿
面放電は、放電にともなって生ずる電子のプライミング
効果によってグロー放電へと移行する。そして、このグ
ロー放電がサージ電流の増加によって主放電間隙14へと
転移し、さらにアーク放電に移行してサージを吸収す
る。
【0025】電力線との接触事故や、このような事態を
想定した過電圧試験によって、第1の保安機構付放電型
サージ吸収素子2の定格電圧以上の過電圧が連続して印
加された場合には、上記微小放電間隙10及び主放電間隙
14で放電が持続し、該放電を通じて連続した過電流が上
記第1の発熱抵抗膜20に流れることとなる。この連続し
た過電流の通電によって第1の発熱抵抗膜20が発熱し、
該自己発熱を契機としてその抵抗値が急激に上昇する。
このため、その発熱量も相乗的に増加し、最終的に上記
絶縁基板4は熱歪みを起こし、上記脚部26,26と平行す
る方向に砕裂する。この結果、放電空間42内の放電ガス
に空気が流入し、放電が消失して過電流の通電が遮断さ
れる。
【0026】上記のように、第1の発熱抵抗膜20の初期
抵抗値を0.1Ω乃至5Ωと比較的低く設定したため、
瞬間的なサージ印加による残留電圧を低く抑えることが
できる。また、その抵抗温度係数を2500ppm/゜
C乃至4000ppm/゜Cと高く設定したため、初期
抵抗値を上記のように低く設定しても、過電圧が連続し
て印加された場合には、確実に絶縁基板を砕裂し得る。
【0027】絶縁基板4の裏面24には脚部26,26が形成
されているため、回路基板等に実装した場合に、絶縁基
板4の裏面24が回路基板の表面に密着することなく、上
記脚部26,26によって絶縁基板4の中央付近が回路基板
から浮いた状態で支持されるため、絶縁基板4の砕裂が
容易となる。また、砕裂した部分が下方に陥没するの
で、通電路が寸断され、過電流の通電をより確実に遮断
できる。
【0028】なお、上記実施例においては、第1の主放
電電極膜16にのみ第1の発熱抵抗膜20を接続したが、こ
れに限られるものではなく、第1及び第2の主放電電極
膜16,18のそれぞれに発熱抵抗膜を接続するよう構成し
ても良い。
【0029】図3は、本発明に係る他の実施例である、
第2の保安機構付放電型サージ吸収素子62を示すもので
ある。この第2の保安機構付放電型サージ吸収素子62
は、絶縁基板4と、該絶縁基板4の表面6を覆う蓋部材
8と、上記表面6に微小放電間隙10を隔てて被着形成さ
れる第3のトリガ放電電極膜64及び第4のトリガ放電電
極膜66と、同表面6に主放電間隙14を隔てて被着形成さ
れる第3の主放電電極膜68及び第4の主放電電極膜70
と、同表面6に被着形成される第2の発熱抵抗膜72及び
第3の発熱抵抗膜74とを有してなる。上記第3及び第4
のトリガ放電電極膜64,66と、第3及び第4の主放電電
極膜68,70とは、上記第2及び第3の発熱抵抗膜72,74
を介してそれぞれ電気的に接続されている。また、上記
第3及び第4のトリガ放電電極膜64,66の先端部には導
電性保護膜34,34が、さらにその表面には絶縁膜36,36
が形成されている。上記絶縁基板4の裏面24における左
側端縁及び右側端縁には、脚部26,26が上記絶縁基板4
と一体的に形成される。そして、上記絶縁基板4の表面
6から脚部26,26の側面28,28にかけては、第3の外部
端子薄膜76及び第4の外部端子薄膜78が被着形成されて
おり、該第3及び第4の外部端子薄膜76,78は、上記第
3及び第4の主放電電極膜68,70にそれぞれ接続され
る。
【0030】しかして、上記第2の保安機構付放電型サ
ージ吸収素子62に定格電圧以上の過電圧が連続して印加
された場合には、上記微小放電間隙10及び主放電間隙14
で放電が持続し、該放電を通じて連続した過電流が上記
第2及び第3の発熱抵抗膜72,74に流れることとなる。
この連続した過電流の通電によって第2及び第3の発熱
抵抗膜72,74が発熱し、該自己発熱を契機としてその抵
抗値が急激に上昇する。このため、その発熱量も相乗的
に増加し、最終的に上記絶縁基板4は熱歪みを起こし、
上記脚部26,26と平行する方向に2箇所で砕裂する。
【0031】なお、上記においては、発熱抵抗膜として
第2及び第3の発熱抵抗膜72,74を用いるよう構成した
が、これに限られるものではなく、例えば、第3の主放
電電極膜68と第3のトリガ放電電極膜64とを第2の発熱
抵抗膜72を介して電気的に接続すると共に、第4の主放
電電極膜70と第4のトリガ放電電極膜66とを、第3の発
熱抵抗膜74を用いることなく、直接に接続するよう構成
してもよい。絶縁基板4が、少なくとも1箇所で砕裂す
れば、過電流の通電を遮断できるからである。
【0032】
【発明の効果】上記のように、本発明に係る保安機構付
放電型サージ吸収素子は、絶縁基板と、該絶縁基板を覆
う蓋部材と、上記絶縁基板の表面に被着形成されるトリ
ガ放電電極膜、主放電電極膜及び発熱抵抗膜とからなる
よう構成したので、その外形を偏平化することができ
る。その結果、部品収容スペースの少ない小型の機器内
に収容することが可能になる等、保安機構付放電型サー
ジ吸収素子の使用用途を拡大し、その利用価値を高める
ことができる。
【0033】また、発熱抵抗膜の抵抗値が、連続した過
電流の通電による自己発熱を契機として、絶縁基板を砕
裂するに十分な発熱量を得られる値まで上昇するよう
に、発熱抵抗膜の抵抗温度係数を設定したため、電力線
との接触事故や各種過電圧試験によって保安機構付放電
型サージ吸収素子の定格電圧以上の過電圧が連続して印
加された場合に、該過電圧による過電流によって上記発
熱抵抗膜が発熱し、上記絶縁基板が砕裂する。その結
果、放電空間内の放電ガスに空気が流入し、これにより
放電が消失して過電流の通電が確実に遮断されるので、
保安機構付放電型サージ吸収素子の溶融やこれを組み込
んだ回路基板の焼損等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の保安機構付放電型サージ吸
収素子の実施例を示す分解斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】本発明に係る第2の保安機構付放電型サージ吸
収素子の実施例を示す分解斜視図である。
【図4】従来のサージ吸収素子の概略斜視図である。
【図5】従来のサージ吸収素子の概略断面図である。
【符号の説明】 2 第1の保安機構付放電型サージ吸収素子 4 絶縁基板 6 絶縁基板の表面 8 蓋部材 10 微小放電間隙 12 第1のトリガ放電電極膜 13 第2のトリガ放電電極膜 14 主放電間隙 16 第1の主放電電極膜 18 第2の主放電電極膜 20 第1の発熱抵抗膜 24 絶縁基板の裏面 26 脚部 42 放電空間 62 第2の保安機構付放電型サージ吸収素子 64 第3のトリガ放電電極膜 66 第4のトリガ放電電極膜 68 第3の主放電電極膜 70 第4の主放電電極膜 72 第2の発熱抵抗膜 74 第3の発熱抵抗膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板と、該絶縁基板の表面を気密に
    覆い、該表面との間に放電ガスが充填される放電空間を
    形成する蓋部材と、上記絶縁基板の表面に微小放電間隙
    を隔てて対向するよう被着形成される第1及び第2のト
    リガ放電電極膜と、上記絶縁基板の表面に主放電間隙を
    隔てて対向するよう被着形成され、上記第1及び第2の
    トリガ放電電極膜とそれぞれ電気的に接続される第1及
    び第2の主放電電極膜とを有してなり、該第1及び第2
    の主放電電極膜の少なくとも一方に、上記絶縁基板の表
    面に被着形成された発熱抵抗膜を接続すると共に、該発
    熱抵抗膜の抵抗値が、連続した過電流の通電による自己
    発熱を契機として、上記絶縁基板を砕裂するに十分な発
    熱量が得られる値まで上昇するように、該発熱抵抗膜の
    抵抗温度係数を設定したことを特徴とする保安機構付放
    電型サージ吸収素子。
  2. 【請求項2】 絶縁基板と、該絶縁基板の表面を気密に
    覆い、該表面との間に放電ガスが充填される放電空間を
    形成する蓋部材と、上記絶縁基板の表面に微小放電間隙
    を隔てて対向するよう被着形成される第1及び第2のト
    リガ放電電極膜と、上記絶縁基板の表面に主放電間隙を
    隔てて対向するよう被着形成され、上記第1及び第2の
    トリガ放電電極膜とそれぞれ電気的に接続される第1及
    び第2の主放電電極膜とを有してなり、少なくとも上記
    第1のトリガ放電電極膜と第1の主放電電極膜とを、上
    記絶縁基板の表面に被着形成された発熱抵抗膜を介して
    電気的に接続すると共に、該発熱抵抗膜の抵抗値が、連
    続した過電流の通電による自己発熱を契機として、上記
    絶縁基板を砕裂するに十分な発熱量が得られる値まで上
    昇するように、該発熱抵抗膜の抵抗温度係数を設定した
    ことを特徴とする保安機構付放電型サージ吸収素子。
  3. 【請求項3】 上記発熱抵抗膜の抵抗温度係数を250
    0ppm/゜C乃至4000ppm/゜Cの範囲に設定
    したことを特徴とする、請求項1または2に記載の保安
    機構付放電型サージ吸収素子。
  4. 【請求項4】 上記発熱抵抗膜の初期抵抗値を0.1Ω
    乃至5Ωの範囲に設定したことを特徴とする、請求項1
    乃至3の何れかに記載の保安機構付放電型サージ吸収素
    子。
  5. 【請求項5】 上記絶縁基板における相対向する両側端
    縁に脚部を突設したことを特徴とする、請求項1乃至4
    の何れかに記載の保安機構付放電型サージ吸収素子。
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