JPH05226049A - 電線接続部の防水処理方法 - Google Patents

電線接続部の防水処理方法

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JPH05226049A
JPH05226049A JP5696392A JP5696392A JPH05226049A JP H05226049 A JPH05226049 A JP H05226049A JP 5696392 A JP5696392 A JP 5696392A JP 5696392 A JP5696392 A JP 5696392A JP H05226049 A JPH05226049 A JP H05226049A
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JP
Japan
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heat
shrinkable film
sheet
wire
electric wire
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JP5696392A
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English (en)
Inventor
Shoji Tawara
昌治 田原
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】熱軟化性材料を有するシ−ト状の熱収縮性材料
を使用し、加熱による熱収縮性材料の収縮と熱軟化材料
の溶融とにより電線の導体接続部を充分に防水処理でき
る電線接続部の防水処理方法を提供する。 【構成】電線の導体接続部上に、熱収縮性フィルムとシ
−ト状熱軟化性材料とをシ−ト状熱軟化性材料を内側に
して巻き付け、その外部に押え巻きを施し、而るのち、
加熱して熱収縮性フィルムを収縮させると共にシ−ト状
熱軟化性材料を溶融させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電線接続部の防水処理方
法に関し、特に、電線の分岐接続部の防水処理に有用な
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、低圧電線の導体接続部の防水処理
方法として、内面に熱軟化性材料層を設けた熱収縮性絶
縁チュ−ブを被接続電線の一方に予め挿通しておき、電
線の導体接続後、該絶縁チュ−ブを両電線端間に引き戻
し、次いで加熱によりその熱収縮性絶縁チュ−ブを収縮
させると共に熱軟化性材料層を溶融させ、この溶融材料
を熱収縮性絶縁チュ−ブの収縮圧力で導体接続部の隙間
に圧入することが公知である。
【0003】しかしながら、電線が3本以上の場合、電
線間の間隙に溶融物が流れ込まず、水密性を確保できな
い。また、既設電線を切断することなく電線被覆の皮剥
により電線導体を露出させ、この露出導体に分岐用電線
の導体を接続する場合、熱収縮性絶縁チュ−ブの電線へ
の引き通しを行い得ず、上記処理方法の使用は実際上不
可能である。
【0004】尤も、両端縁にファスナ−を形成した熱収
縮性フィルムで電線の導体接続部を包囲し、この熱収縮
性フィルムをファスナ−の嵌合によりチュ−ブに形成
し、このチュ−ブを加熱により熱収縮させる方法も提案
されているが、ファスナ−付き熱収縮性フィルムが高価
であり、高コスト化が避けられない。
【0005】近来、電線接続部、特に分岐接続部の防水
処理方法として、片面に粘性絶縁材例えば、未架橋のブ
チルゴムを主成分とする粘弾性材を設けた絶縁フィルム
を、粘性絶縁材を内側にして電線の導体接続部上に折り
畳みにより被せ、これをプレスによって圧縮し、粘性絶
縁材を電線の導体接続部の隙間や電線間の隙間に圧入す
ることが提案されている。この方法は、既設電線に該電
線を切断することなく分岐線を分岐接続する場合にも適
用可能である。また、電線が3本以上の場合でも電線間
の間隙に樹脂が流れ込み、充分な水密性を保証できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では粘性絶縁材の加圧にプレス加圧を必要とし、この
プレス加圧時、絶縁フィルムが破れて所定の防水性を保
証できないことが往々にしてある。
【0007】また、本電線に複数本の支線を分岐接続す
る場合、本線と複数本の支線とを同一平面上に配して上
記のプレス加圧を行わなければならず、電線分岐接続部
の幅が広くなり、寸法増大、重量増大等が招来される。
【0008】本発明の目的は、熱軟化性材料を有するシ
−ト状の熱収縮性材料を使用し、加熱による熱収縮性材
料の収縮と熱軟化材料の溶融とにより電線の導体接続部
を、電線が3本以上の場合でも充分に防水処理できる電
線接続部の防水処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の電線接続部の防
水処理方法は、電線の導体接続部上に、熱収縮性フィル
ムとシ−ト状熱軟化性材料とをシ−ト状熱軟化性材料を
内側にして巻き付け、その外部に押え巻きを施し、而る
のち、加熱して熱収縮性フィルムを収縮させると共にシ
−ト状熱軟化性材料を溶融させることを特徴とする構成
である。
【0010】
【作用】押え巻き層直下の巻き付け熱収縮性フィルム部
分の周方向ずれがその押え巻きのために防止され、その
熱収縮性フィルム部分の熱収縮により熱溶融状態の熱軟
化性材料が加圧・流動されて、電線導体接続部や電線間
(分岐接続の場合)の隙間が充填される。更には、押え
巻のない部分に熱軟化性材料が溜り、かつ電線間に締め
付け圧力がかかっていないために電線間に熱軟化材料が
よく流れ込む(締め付けた状態の電線間への材料の流動
は著しく制限されるが、締め付けられていない状態の電
線間への材料の流入制限は実質上ない)。
【0011】
【実施例】本発明は、比較的低電圧用又は小サイズ電線
の導体接続部の防水処理に使用するが、特に、図1の
(イ)に示すような電線の分岐接続部の防水処理に有利
に適用できる。図1の(イ)において、11は本線を、
12分岐線を、13は導体接続金具をそれぞれ示し、本
線導体を電線皮剥によって露出させ、分岐線端末から電
線皮剥により導体を口出し、本線露出導体に分岐線口出
導体を導体接続金具により圧縮接続してある。
【0012】図1の(ロ)は本発明において使用するシ
−ト状熱軟化性材料付き熱収縮性フィルムAの一例を示
し、熱収縮性フィルム21の寸法に較べをシ−ト状熱軟
化性材料22の寸法を小さくしてある。この場合、熱収
縮性フィルム21が電線接続部の皮剥ぎ部に直接接する
ことのないようにシ−ト状熱軟化性材料22の寸法を設
定してある。このシ−ト状熱軟化性材料22には電線使
用温度に対する耐熱性を保証するために軟化温度80℃
以上の熱融着性接着剤やプラスチック等を使用すること
が安全であり、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体,
ポリエチレンやポリエステル類、アミド類,ゴム類等を
使用できる。
【0013】本発明によって図1の(イ)に示す電線の
導体接続部を防水処理するには、まず、図2の(イ)に
示すように、導体接続部上に上記のシ−ト状熱軟化性材
料付き熱収縮性フィルムAをシ−ト状熱軟化性材料22
を内側に向けて巻き付ける。
【0014】この場合、図1の(ロ)におけるシ−ト状
熱軟化性材料の横寸法Lを、図1の(イ)における電線
導体接続部の電線皮剥部の長さIよりも長くしておき、
電線皮剥部をシ−ト状熱軟化性材料で完全に包囲するこ
とが好ましい。また、図1の(ロ)における熱収縮性フ
ィルム21の縦寸法H1並びにシ−ト状熱軟化性材料2
2の縦寸法H2については、電線導体接続部上にシ−ト
状熱軟化性材料22を一巻き以上で、また、熱収縮性フ
ィルム21をシ−ト状熱軟化性材料22の巻き量以上
(通常二巻き以上)の巻き数で巻き付け得るように設定
しておくことが好ましい。
【0015】上記のようにして、シ−ト状熱軟化性材料
付き熱収縮性フィルムを電線の導体接続部上に巻き付け
たのちは、図2の(ロ)に示すように、該巻き付け熱収
縮性フィルムA上に両端部を残して押え巻きテ−プ(熱
収縮性フィルムの収縮温度で溶融しない耐熱性を有す
る)Bを巻き付ける。この押え巻きテ−プは、上記の電
線皮剥部を超える範囲にわたって施すことが好ましい。
【0016】押えテ−プを巻き付けたのちは、熱収縮性
フィルムを押え巻きテ−プと共に熱風等により加熱す
る。この場合、押え巻きされていない末端の熱軟化性材
料のない熱収縮性フィルム部分が押え巻きされている熱
収縮性フィルム部分よりも早く加熱され、(押え巻きさ
れている部分の熱容量が、シ−ト状熱軟化性材料,押え
巻きテ−プの存在のために大であるから)、前者がまず
収縮され、端末からの熱軟化材料の流出を防止するよう
になり、次いで、後者が収縮されると共にシ−ト状熱軟
化性材料が溶融され、この溶融されたシ−ト状熱軟化性
材料が押え巻き層直下の熱収縮性フィルム部分の収縮の
ために発生する加圧力により加圧される。
【0017】今、この加圧力をPとすれば、押え巻き層
直下の熱収縮性フィルム部分に作用する周方向引張り力
fは、熱収縮性フィルム巻き付け径をdとして、f=d
Pで与えられ、この張力は熱収縮性フィルムの巻き付け
層間の摩擦力によって支持される。而るに、この摩擦力
は、押え巻きによる押え力と層間接触面積と層間摩擦係
数との積で与えられるが、押え巻きの押え力が小であっ
ても(熱収縮性フィルムの収縮の進行により小になって
行く)、熱収縮性フィルムの巻き付け回数を多くし層間
接触面積を増大することによって充分に確保できる。他
方、押え巻き層の存在しない熱収縮性フィルム部分にお
いては、押え力が零であり、熱収縮性フィルムの層間摩
擦力が実質上零であって上式でのfが零、従って、Pが
零であるから、加圧力の発生はない。
【0018】従って、押え巻き層直下での熱収縮性フィ
ルム部分の熱収縮により加圧された溶融熱軟化材料が、
押え巻きされていない熱収縮性フィルム部分に向かって
容易に流動し、図2の(ハ)に示すように、その押え巻
きされていない熱収縮性フィルム部分a1,a2が膨張さ
れると共にこれらの部分a1,a2の内部の隙間が流入し
てくる溶融熱軟化材料により充填されて電線の導体接続
部に充分な防水性が付与される。
【0019】上記において、シ−ト状熱軟化性材料の厚
みは電線寸法等により異なるが、通常、0.05〜10
mm好ましくは、0.2〜2mmとされる。また、シ−
ト状熱軟化性材料層は複数層とし、熱収縮性フィルムに
接する層は他の層よりも軟化温度をやや高くするか(5
℃以上高くする)、低流動性とし、かつ電線使用温度よ
りも10℃以上高い耐熱性若しくは軟化しても流動しな
い物性を付与することが好ましい。更にまた、シ−ト状
熱軟化性材料には、粘着性のもの、軟化後、硬化するタ
イプのもの等を使用することもできる。
【0020】上記図1の(ロ)に示す熱軟化材付き熱収
縮性フィルムに対し、斜線で示す部分以外の部分にも斜
線で示す部分のシ−ト状熱軟化性材料よりも薄い熱軟化
材料層を設けて熱容量に差を付けたものの使用も可能で
ある。
【0021】上記実施例においてはシ−ト状熱軟化性材
料付き熱収縮性フィルムを使用しているが、熱収縮性フ
ィルムとシ−ト状熱軟化性材料とを別体とし、電線の導
体接続部直上にシ−ト状熱軟化性材料を巻き付け、次い
で熱収縮性フィルムを巻き付けることもできる。
【0022】本発明においては、上記押え巻きテ−プの
巻き付け後、電線接続部を密閉容器内に収容し、上記し
た加熱に加え空気加圧を併用することもできる。かかる
空気加圧の併用下では、シ−ト状熱軟化性材料が薄すぎ
る場合において、溶融熱軟化材料を熱収縮性フィルムの
収縮による加圧のみでは侵入させ難い電線間へも空気圧
により、例えば、加熱初期には空気の流入の大きい箇所
に溶融熱軟化材料が入り込み、それに従い、空気の流量
が減少し、その結果、別の空気流量が大きい箇所に溶融
熱軟化材料が入り込み、この繰返しで、最終的にはどの
部位からも空気の空気の流動が生じない電線接続部を完
成できる。この過程は、加熱時の空気の流量においてコ
ントロ−ルされ、全数チェックをしながらの製品製造が
可能となる利点もある。
【0023】上記空気加圧に代え、空気抜きを使用する
ことも可能である。
【0024】
【発明の効果】本発明の電線接続部の防水処理方法にお
いては、上述した通り、熱収縮性フィルムをその内側の
シ−ト状熱軟化性材料と共に電線の導体接続部上に巻き
付け、その上に、押え巻きテ−プを巻き付けたうえで加
熱しており、加熱により溶融させた熱軟化材料を巻き付
け熱収縮性フィルムの熱収縮で加圧できるから、熱収縮
チュ−ブの使用によらずに、電線の導体接続部を防水処
理できる。従って、既設電線の途中に当該電線を切断す
ることなく分岐線を接続する場合の防水処理を熱収縮性
フィルムとシ−ト状熱軟化性材料との使用により容易に
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1の(イ)は本発明により防水処理される電
線接続部の一例を示す説明図、図1の(ロ)は本発明に
おいて使用する熱軟化性材料付き熱収縮性フィルムの一
例を示す説明図である。
【図2】本発明の実施例の作業手順を示す説明図であ
り、図2の(イ)は熱収縮性フィルムの巻回後の状態
を、図2の(ロ)は押え巻き後の状態を、図2の(ハ)
は加熱後の状態をそれぞれ示している。
【符号の説明】
21 熱収縮性フィルム 22 シ−ト状熱軟化性材料 A シ−ト状熱軟化性材料付き熱収縮性フィルム B 押え巻き層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電線接続部の防水処理方
法に関し、特に、電線の分岐接続部の防水処理に有用な
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、低圧電線の導体接続部の防水処理
方法として、内面に熱軟化性材料層を設けた熱収縮性絶
縁チューブを被接続電線の一方に予め挿通しておき、電
線の導体接続後、該絶縁チューブを両電線端間に引き戻
し、次いで加熱によりその熱収縮性絶縁チューブを収縮
させると共に熱軟化性材料層を溶融させ、この溶融材料
を熱収縮性絶縁チューブの収縮圧力で導体接続部の隙間
に圧入することが公知である。
【0003】しかしながら、電線が3本以上の場合、電
線間の間隙に溶融物が流れ込まず、水密性を確保できな
い。また、既設電線を切断することなく電線被覆の皮剥
により電線導体を露出させ、この露出導体に分岐用電線
の導体を接続する場合、熱収縮性絶縁チューブの電線へ
の引き通しを行い得ず、上記処理方法の使用は実際上不
可能である。
【0004】尤も、両端縁にファスナーを形成した熱収
縮性フィルムで電線の導体接続部を包囲し、この熱収縮
性フィルムをファスナーの嵌合によりチューブに形成
し、このチューブを加熱により熱収縮させる方法も提案
されているが、ファスナー付き熱収縮性フィルムが高価
であり、高コスト化が避けられない。
【0005】近来、電線接続部、特に分岐接続部の防水
処理方法として、片面に粘性絶縁材例えば、未架橋のブ
チルゴムを主成分とする粘弾性材を設けた絶縁フィルム
を、粘性絶縁材を内側にして電線の導体接続部上に折り
畳みにより被せ、これをプレスによって圧縮し、粘性絶
縁材を電線の導体接続部の隙間や電線間の隙間に圧入す
ることが提案されている。この方法は、既設電線に該電
線を切断することなく分岐線を分岐接続する場合にも適
用可能である。また、電線が3本以上の場合でも電線間
の間隙に樹脂が流れ込み、充分な水密性を保証できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では粘性絶縁材の加圧にプレス加圧を必要とし、この
プレス加圧時、絶縁フィルムが破れて所定の防水性を保
証できないことが往々にしてある。
【0007】また、本電線に複数本の支線を分岐接続す
る場合、本線と複数本の支線とを同一平面上に配して上
記のプレス加圧を行わなければならず、電線分岐接続部
の幅が広くなり、寸法増大、重量増大等が招来される。
【0008】本発明の目的は、熱軟化性材料を有するシ
ート状の熱収縮性材料を使用し、加熱による熱収縮性材
料の収縮と熱軟化材料の溶融とにより電線の導体接続部
を、電線が3本以上の場合でも充分に防水処理できる電
線接続部の防水処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の電線接続部の防
水処理方法は、電線の導体接続部上に、熱収縮性フィル
ムとシート状熱軟化性材料とをシート状熱軟化性材料を
内側にして巻き付け、その外部に押え巻きを施し、而る
のち、加熱して熱収縮性フィルムを収縮させると共にシ
ート状熱軟化性材料を溶融させることを特徴とする構成
である。
【0010】
【作用】押え巻き層直下の巻き付け熱収縮性フィルム部
分の周方向ずれがその押え巻きのために防止され、その
熱収縮性フィルム部分の熱収縮により熱溶融状態の熱軟
化性材料が加圧・流動されて、電線導体接続部や電線間
(分岐接続の場合)の隙間が充填される。更には、押え
巻のない部分に熱軟化性材料が溜り、かつ電線間に締め
付け圧力がかかっていないために電線間に熱軟化材料が
よく流れ込む(締め付けた状態の電線間への材料の流動
は著しく制限されるが、締め付けられていない状態の電
線間への材料の流入制限は実質上ない)。
【0011】
【実施例】本発明は、比較的低電圧用又は小サイズ電線
の導体接続部の防水処理に使用するが、特に、図1の
(イ)に示すような電線の分岐接続部の防水処理に有利
に適用できる。図1の(イ)において、11は本線を、
12分岐線を、13は導体接続金具をそれぞれ示し、本
線導体を電線皮剥によって露出させ、分岐線端末から電
線皮剥により導体を口出し、本線露出導体に分岐線口出
導体を導体接続金具により圧縮接続してある。
【0012】図1の(ロ)は本発明において使用するシ
ート状熱軟化性材料付き熱収縮性フィルムAの一例を示
し、熱収縮性フィルム21の寸法に較べをシート状熱軟
化性材料22の寸法を小さくしてある。この場合、熱収
縮性フィルム21が電線接続部の皮剥ぎ部に直接接する
ことのないようにシート状熱軟化性材料22の寸法を設
定してある。このシート状熱軟化性材料22には電線使
用温度に対する耐熱性を保証するために軟化温度80℃
以上の熱融着性接着剤やプラスチック等を使用すること
が安全であり、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合
体,ポリエチレンやポリエステル類、アミド類,ゴム類
等を使用できる。
【0013】本発明によって図1の(イ)に示す電線の
導体接続部を防水処理するには、まず、図2の(イ)に
示すように、導体接続部上に上記のシート状熱軟化性材
料付き熱収縮性フィルムAをシート状熱軟化性材料22
を内側に向けて巻き付ける。
【0014】この場合、図1の(ロ)におけるシート状
熱軟化性材料の横寸法Lを、図1の(イ)における電線
導体接続部の電線皮剥部の長さlよりも長くしておき、
電線皮剥部をシート状熱軟化性材料で完全に包囲するこ
とが好ましい。また、図1の(ロ)における熱収縮性フ
ィルム21の縦寸法H並びにシート状熱軟化性材料2
2の縦寸法Hについては、電線導体接続部上にシート
状熱軟化性材料22を一巻き以上で、また、熱収縮性フ
ィルム21をシート状熱軟化性材料22の巻き量以上
(通常二巻き以上)の巻き数で巻き付け得るように設定
しておくことが好ましい。
【0015】上記のようにして、シート状熱軟化性材料
付き熱収縮性フィルムを電線の導体接続部上に巻き付け
たのちは、図2の(ロ)に示すように、該巻き付け熱収
縮性フィルムA上に両端部を残して押え巻きテープ(熱
収縮性フィルムの収縮温度で溶融しない耐熱性を有す
る)Bを巻き付ける。この押え巻きテープは、上記の電
線皮剥部を超える範囲にわたって施すことが好ましい。
【0016】押えテープを巻き付けたのちは、熱収縮性
フィルムを押え巻きテープと共に熱風等により加熱す
る。この場合、押え巻きされていない末端の熱軟化性材
料のない熱収縮性フィルム部分が押え巻きされている熱
収縮性フィルム部分よりも早く加熱され、(押え巻きさ
れている部分の熱容量が、シート状熱軟化性材料,押え
巻きテープの存在のために大であるから)、前者がまず
収縮され、端末からの熱軟化材料の流出を防止するよう
になり、次いで、後者が収縮されると共にシート状熱軟
化性材料が溶融され、この溶融されたシート状熱軟化性
材料が押え巻き層直下の熱収縮性フィルム部分の収縮の
ために発生する加圧力により加圧される。
【0017】今、この加圧力をPとすれば、押え巻き層
直下の熱収縮性フィルム部分に作用する周方向引張り力
fは、熱収縮性フィルム巻き付け径をdとして、f=d
Pで与えられ、この張力は熱収縮性フィルムの巻き付け
層間の摩擦力によって支持される。而るに、この摩擦力
は、押え巻きによる押え力と層間接触面積と層間摩擦係
数との積で与えられるが、押え巻きの押え力が小であっ
ても(熱収縮性フィルムの収縮の進行により小になって
行く)、熱収縮性フィルムの巻き付け回数を多くし層間
接触面積を増大することによって充分に確保できる。他
方、押え巻き層の存在しない熱収縮性フィルム部分にお
いては、押え力が零であり、熱収縮性フィルムの層間摩
擦力が実質上零であって上式でのfが零、従って、Pが
零であるから、加圧力の発生はない。
【0018】従って、押え巻き層直下での熱収縮性フィ
ルム部分の熱収縮により加圧された溶融熱軟化材料が、
押え巻きされていない熱収縮性フィルム部分に向かって
容易に流動し、図2の(ハ)に示すように、その押え巻
きされていない熱収縮性フィルム部分a,aが膨張
されると共にこれらの部分a,aの内部の隙間が流
入してくる溶融熱軟化材料により充填されて電線の導体
接続部に充分な防水性が付与される。
【0019】上記において、シート状熱軟化性材料の厚
みは電線寸法等により異なるが、通常、0.05〜10
mm好ましくは、0.2〜2mmとされる。また、シー
ト状熱軟化性材料層は複数層とし、熱収縮性フィルムに
接する層は他の層よりも軟化温度をやや高くするか(5
℃以上高くする)、低流動性とし、かつ電線使用温度よ
りも10℃以上高い耐熱性若しくは軟化しても流動しな
い物性を付与することが好ましい。更にまた、シート状
熱軟化性材料には、粘着性のもの、軟化後、硬化するタ
イプのもの等を使用することもできる。
【0020】上記図1の(ロ)に示す熱軟化材付き熱収
縮性フィルムに対し、斜線で示す部分以外の部分にも斜
線で示す部分のシート状熱軟化性材料よりも薄い熱軟化
材料層を設けて熱容量に差を付けたものの使用も可能で
ある。
【0021】上記実施例においてはシート状熱軟化性材
料付き熱収縮性フィルムを使用しているが、熱収縮性フ
ィルムとシート状熱軟化性材料とを別体とし、電線の導
体接続部直上にシート状熱軟化性材料を巻き付け、次い
で熱収縮性フィルムを巻き付けることもできる。
【0022】本発明においては、上記押え巻きテープの
巻き付け後、電線接続部を密閉容器内に収容し、上記し
た加熱に加え空気加圧を併用することもできる。かかる
空気加圧の併用下では、シート状熱軟化性材料が薄すぎ
る場合において、溶融熱軟化材料を熱収縮性フィルムの
収縮による加圧のみでは侵入させ難い電線間へも空気圧
により、例えば、加熱初期には空気の流入の大きい箇所
に溶融熱軟化材料が入り込み、それに従い、空気の流量
が減少し、その結果、別の空気流量が大きい箇所に溶融
熱軟化材料が入り込み、この繰返しで、最終的にはどの
部位からも空気の空気の流動が生じない電線接続部を完
成できる。この過程は、加熱時の空気の流量においてコ
ントロールされ、全数チェックをしながらの製品製造が
可能となる利点もある。
【0023】上記空気加圧に代え、空気抜きを使用する
ことも可能である。
【0024】
【発明の効果】本発明の電線接続部の防水処理方法にお
いては、上述した通り、熱収縮性フィルムをその内側の
シート状熱軟化性材料と共に電線の導体接続部上に巻き
付け、その上に、押え巻きテープを巻き付けたうえで加
熱しており、加熱により溶融させた熱軟化材料を巻き付
け熱収縮性フィルムの熱収縮で加圧できるから、熱収縮
チューブの使用によらずに、電線の導体接続部を防水処
理できる。従って、既設電線の途中に当該電線を切断す
ることなく分岐線を接続する場合の防水処理を熱収縮性
フィルムとシート状熱軟化性材料との使用により容易に
行うことができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1の(イ)は本発明により防水処理される電
線接続部の一例を示す説明図、図1の(ロ)は本発明に
おいて使用する熱軟化性材料付き熱収縮性フィルムの一
例を示す説明図である。
【図2】本発明の実施例の作業手順を示す説明図であ
り、図2の(イ)は熱収縮性フィルムの巻回後の状態
を、図2の(ロ)は押え巻き後の状態を、図2の(ハ)
は加熱後の状態をそれぞれ示している。
【符号の説明】 21 熱収縮性フィルム 22 シート状熱軟化性材料 A シート状熱軟化性材料付き熱収縮性フィルム B 押え巻き層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電線の導体接続部上に、熱収縮性フィルム
    とシ−ト状熱軟化性材料とをシ−ト状熱軟化性材料を内
    側にして巻き付け、その外部に押え巻きを施し、而るの
    ち、加熱して熱収縮性フィルムを収縮させると共にシ−
    ト状熱軟化性材料を溶融させることを特徴とする電線接
    続部の防水処理方法。
  2. 【請求項2】巻き付けた熱収縮性フィルムの外部から空
    気圧を加えつつ、又は同フィルム内から空気を抜きつ
    つ、加熱を行う請求項1記載の電線接続部の防水処理方
    法。
JP5696392A 1992-02-07 1992-02-07 電線接続部の防水処理方法 Pending JPH05226049A (ja)

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