JPH05222576A - 金属表面処理方法 - Google Patents

金属表面処理方法

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JPH05222576A
JPH05222576A JP5648492A JP5648492A JPH05222576A JP H05222576 A JPH05222576 A JP H05222576A JP 5648492 A JP5648492 A JP 5648492A JP 5648492 A JP5648492 A JP 5648492A JP H05222576 A JPH05222576 A JP H05222576A
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sintered alloy
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porous sintered
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JP5648492A
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Koji Tanaka
耕司 田中
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Tsubakimoto Chain Co
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Tsubakimoto Chain Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多孔質焼結合金よりなる素材の表面に、軟質
金属メッキ層または分散メッキ層を形成することによ
り、成形型や摺動部品の摺動面の潤滑性や耐摩耗性等を
高める。 【構成】 多孔質焼結合金の表面に存在する細孔内に軟
質金属のメッキ液を浸透させた状態でメッキ処理を施す
ことにより、多孔質焼結合金の表面に軟質金属のメッキ
層を強固に付着させ、素材金属表面の潤滑性や耐摩耗性
を高める。軟質金属のメッキ層の代わりに固体潤滑剤お
よび/または耐摩耗剤を分散させた分散メッキ層を形成
しても同様の効果を奏する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属表面処理方法、特
に、金属加工機またはプラスチック加工機等に用いられ
る成形型や摺動部品の摺動面の潤滑性や耐摩耗性等を高
めるための金属表面処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の金属表面処理方法、特に機械的な
潤滑性や耐摩耗性を高めるための金属表面処理方法とし
ては、古くから固体膜潤滑法が知られている。固体膜潤
滑法の最も簡単な方法としては、素材の表面に固体潤滑
剤を摺り込んで付着させる方法があるが、素材と固体潤
滑剤との密着性が不十分なため剥がれやすく十分な摩擦
寿命や耐荷重性が得られないという欠点がある。素材と
固体潤滑剤との密着性を高めるために固体潤滑剤をバイ
ンダーと混合して焼き付ける方法があるが、素材に高い
熱履歴が残って素材の強度を低下させることがある。こ
れら従来法の欠点を改善するために、最近金属表面に設
けたコーテングの表面に形成した細孔内にポリテトラフ
ルオロエチレン(以下PTFEと称す)等の微粒子を充
填して、金属表面の潤滑性、耐摩耗性を向上させる方法
が提案されている(特公昭60−11108号公報参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記特公昭60−11
108号公報記載の発明は、図4に示すように金属素材
17表面に設けたリン酸亜鉛コーテング層、ニッケルメ
ッキ層、硬質クロムメッキ層18等の表面に機械的、化
学的方法で多数の細孔19を開け、この開孔部分を加熱
して膨張拡大させ、その孔の中に冷却して収縮させた5
〜30μm程度の微粒子状のPTFE等の固体潤滑剤2
0を導入して固定化するものである。しかしながらこの
方法において、固体潤滑剤の微粒子を細孔内に導入する
には、1.5〜8.5kg/平方cm程度の流体流で押
込むか、ブラシ等で摺り込む等の方法を用いているの
で、細孔内に押込まれた微粒子は、細孔の膨張収縮現象
によって強く締付けられているとはいえ、物理的、機械
的な圧縮力または凝集力によって保持されているに過ぎ
ないので、素材固有の強度が確保できず、潤滑寿命が短
く、しかも、耐摩耗性が劣るという問題がある。
【0004】また、硬質クロムメッキ層の場合は、細孔
を膨張させるために約200℃の加熱処理を行なってい
るので、熱履歴のために表面硬度が低下して耐摩耗性が
低下するという欠点もある。さらに。細孔内に導入され
る固体潤滑剤の微粒子は機械的に押込まれるので、万遍
無く導入することがむつかしく、図4の細孔(a)また
は(b)に示すように細孔部分11を完全に満たすこと
ができない、細孔(b)のように細孔部分の表面より突
出していない、細孔によって充填密度が異なる等の原因
で、ノッチ効果により加工物の疲労強度を低下させた
り、細孔(c)のように細孔内で微粒子が矢印dのよう
に移動することに起因する潤滑寿命の低下を招くという
欠点がある。
【0005】さらに、固体潤滑剤としてPTFEを使用
した場合は、PTFEの放熱性の悪さから焼付きを起こ
しやすいことや、PTFEの難粘着性により潤滑成分が
被加工材に移行しにくいために起る初期なじみ性が悪い
といった欠点もある。そのために、緻密な潤滑層を形成
するためには、必然的に多量の潤滑成分を使用し、ま
た、それを維持するための特殊な機械的処理が要求され
ている。さらにまた、潤滑層の硬さが潤滑素材によって
決定され、そのために相手方を傷つけることがあるとい
う問題や、潤滑成分を細孔内に押込むために素材の加熱
−潤滑成分の冷却−潤滑成分の細孔内への摺り込みとい
った煩雑な機械的な作業が要求され、またその処理時間
が長くかかるという欠点もある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明者等は鋭意研究した結果、焼結合金表面形
成されている細孔は、メッキ液を容易に浸透させる特質
を有するとの知見を得、この細孔内に固体潤滑剤となり
得る材料を含むメッキ液を浸透させた状態でメッキ処理
を施すことにより、焼結合金表面の表面に強固に潤滑メ
ッキ層を形成することに成功したものである。即ち、請
求項1の金属表面処理方法は、多孔質の焼結合金の表面
に存在する細孔に軟質金属のメッキ液を浸透させた状態
で、メッキ処理を施すことを特徴とするものである。多
孔質の焼結合金の表面に存在する細孔にメッキ液を浸透
させる効果を高めるために、メッキ処理を行なう前に、
メッキ液の含浸処理を行なうのが好ましい。この含浸処
理は請求項2に記載の如く、減圧含浸を行なうことを特
徴とするものである。
【0007】さらに、具体的な方法を図1によて説明す
る。まず、素材形状加工工程1において、旋盤、熱処
理、研削等によって多孔質の焼結合金素材を所定の形状
に加工する。素材の表面浄化処理工程2において、溶剤
脱脂等を行なった後に、アルカリ電解研磨を行なう。メ
ッキ液の含浸工程3において、多孔質の焼結合金素材に
メッキ液を減圧含浸する。この工程はメッキ液の浸透効
果を高めるためのものであるが、必ずしもこの工程を経
緯しなくてもよい。潤滑層の形成工程4において、潤滑
層を電気メッキまたは無電解メッキによって形成する。
潤滑層は軟質金属によるメッキ層の他に、後述の固体潤
滑剤や耐摩耗剤の微粒子を分散させた分散メッキ層によ
って構成することもできる。後処理工程5において、洗
浄、乾燥、さらは必要に応じて水素脆性防止を目的とし
た熱処理や仕上げ研磨等の処理を行なう。
【0008】本発明の対象となり得る多孔質の焼結合金
素材としては、鉄系焼結合金、超硬焼結合金、銅系焼結
合金、ステンレス系焼結合金等を例示することができ
る。これらの多孔質焼結合金素材には、図2に示すよう
に表面に開口する不規則な無数の細孔8が存在する。こ
れらの細孔8は焼結合金素材の表面に無数に分散して存
在しており、焼結合金の奥深く連通している。その細孔
の径は0.5〜200μm程度である。
【0009】メッキ液に使用する軟質金属としては、請
求項3記載したように、Sn(錫)、Zn(亜鉛)、P
b(鉛)、Cu(銅)、Ag(銀)、Au(金)の1種
または2種以上の組合せを使用することができる。これ
らの金属のうち潤滑性能や経済性の上から見るとSn、
Zn、Pbの金属単独、またはこれら金属の組合せによ
る合金が好ましい。
【0010】メッキ処理の方法としては、上記の軟質金
属を使用する通常の電気メッキ法が用いられる。なお、
電気メッキの他に無電解メッキを使用することができ
る。このメッキ処理によって潤滑メッキ層10は焼結合
金素材6の表面に均一に形成されると共に、焼結合金に
深く形成されている細孔8内にも図3に示すように万遍
なく、しかも空隙が形成されないように被着する。
【0011】本発明においては、上記のようにそれ自体
潤滑性能を有する軟質金属のメッキ層を設けることによ
って、金属素材の潤滑性、耐摩耗性を向上させるもので
あるが、固体潤滑剤や耐摩耗剤の微粒子を分散させた分
散メッキ層を設けることによっても、同様な効果をもた
らすことができる。即ち、請求項4の金属表面処理方法
は、多孔質焼結合金の表面に存在する細孔に固体潤滑剤
および/または耐摩耗剤の微粒子を分散させた分散メッ
キ液を浸透させた状態で、分散メッキ処理を施すことを
特徴とするものである。
【0012】また、請求項5の金属表面処理方法は、多
孔質焼結合金の表面に存在する細孔に固体潤滑剤および
/または耐摩耗剤の微粒子を分散させた分散メッキ液を
減圧含浸させた後に、分散メッキ処理をを施すことを特
徴とするものである。特に、この減圧含浸処理は、固体
潤滑剤および/または耐摩耗剤の微粒子を含有していて
焼結合金の細孔に浸透しにくい分散メッキ液の場合にお
いて有効である。なお、この分散メッキは、電気メッキ
浴または無電解メッキ浴中に、難溶性の微粒子を分散さ
せた状態でメッキを行なうものであって、金属と共に微
粒子が共析し、金属マトリックスの中に微粒子が分散さ
れた複合皮膜が形成されるものである。したがて、この
微粒子として、固体潤滑剤および/または耐摩耗剤を用
いれば、焼結合金の表面に固体潤滑剤および/または耐
摩耗剤を含む金属メッキ層が形成され、金属素材の潤滑
性および/または耐摩耗性を向上させることができる。
しかも、この分散メッキ層は焼結合金に存在する多数の
細孔の中深くまで形成されているので、耐剥離性が極め
て高く潤滑寿命の長い表面潤滑層を形成することができ
る。
【0013】固体潤滑剤としては、黒鉛、二硫化モリブ
デン、フッソ樹脂、窒化ホウ素、二硫化タングステン、
酸化鉛、フッ化黒鉛、メラミンシアヌレート、フッ化セ
リウム、合成硫化ニオブ、ポリエチレン樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリイミド樹脂等を用いることができる。固体
潤滑剤の好ましい粒度は0.5μm〜5μm程度であ
り、メッキ浴に対する添加量は2%〜80%程度がが好
ましい。
【0014】耐摩耗剤としては、炭化珪素、酸化アルミ
ニウム、窒化珪素、ムライト、コージライト、ジルコニ
ア、サイアロン、二酸化珪素、炭化クロム等が用いられ
る。耐摩耗剤の好ましい粒度は0.5μm〜5μm程度
であり、メッキ浴に対する添加量は2%〜80%程度が
好ましい。マトリックス金属としては、Sn、Zn、P
b、Cu、Ag、Au等の軟質金属またはそれらの合金
の他に、Ni、Co、Fe、Cr、Cd等の金属や、N
i−Co、Ni−Fe、Ni−Mn、Ni−P、Ni
B、Co−B等の硬質材料も用いられる。
【0015】
【作用】本発明の金属表面処理方法は、多孔性の焼結合
金の表面に存在する細孔に軟質金属のメッキ液を浸透さ
せた状態で、メッキ処理を施すので、メッキ液は細孔の
深部まで浸透し、その状態でメッキ処理が行なわれるた
め、析出した軟質金属は焼結合金の表面はもとより、細
孔の深部まで万遍なく被着して強固なメッキ層が形成さ
れる。また、分散メッキにおいても、固体潤滑剤および
/または耐摩耗剤の微粒子を分散させた分散メッキ液を
焼結合金の細孔内に浸透させた状態で、分散メッキ処理
を施すので、固体潤滑剤および/または耐摩耗剤の微粒
子を分散した金属メッキ層が焼結合金の表面はもとよ
り、細孔の深部まで均一に形成される。
【0016】
【実施例】 実施例 1 (軟質金属の電気メッキを適用した例) (1)素材として鉄系焼結材料の原粉(100〜325
メッシュ)を成形型に充填し、成形圧2〜8t/平方c
mで成形したものを、850〜1150℃で8〜45分
前焼結し、再度4〜8t/平方cmで加圧成形し、11
50〜1250℃で60分間、水素またはアンモニア分
解ガス中で焼結したものを用いた。 (2)軟質金属の電気メッキ方法(アルカリ性錫メッ
キ) メッキ浴の組成 錫酸ナトリウム 90〜100g/l 水酸化ナトリウム 8〜10g/l 酢酸化ナトリウム 0〜15g/l 電解条件 陽極に金属錫、陰極に加工物を装着し、浴温を60〜8
0℃に保ちながら陰極電流密度1〜2.5A/平方dm
の電流を流して電着させる。 (3)このようにして焼結合金の表面に軟質金属の電気
メッキを施して得た製品の耐摩耗試験を行なった結果を
図5においてA線で示してある。
【0017】実施例 2 (分散無電解メッキを適用した例) (1)素材として実施例1と同じ焼結合金を用いて、そ
の表面移に次の分散メッキを施した。 (2)分散メッキ方法 メッキ浴の組成 PTFE含有、無電解Ni複合メッキ浴(上村工業
(株)製「ニムフロン」) 電解条件 浴温を30〜100℃に保った無電解Ni複合メッキ浴
にPTFE微粒子を物理的または化学的方法で分散維持
した状態で加工物を浸漬して電着させる。 (3)このようにして焼結合金の表面に分散メッキを施
して得た製品の耐摩耗試験を行なった結果を図5におい
てB線で示してある。
【0018】本発明の金属表面処理方法で得られた製品
について、耐摩耗性試験を行なった結果を図5に示す。
耐摩耗性試験はピン/円盤型耐摩耗試験機を用いた。図
5において、横軸に許容すべり速度V:(m/s)、縦
軸に許容加重P:(MPa)を取り、実施例1の焼結合
金の表面に軟質金属メッキ層を設けた製品をA線で、実
施例2の焼結合金の表面に分散金属メッキ層を設けた製
品をB線で示した。対照として従来法のPTFE法によ
る製品をC線で表して比較した。この図はPとVの占有
面積が大きいほど耐摩耗性が大きいことを示している。
結果は、本発明によるものが、対照としてのPTFE法
によるものより、遥かに耐摩耗性に優れていることを示
している。これは、本発明による潤滑成分(軟質金属メ
ッキ層や分散メッキ層)が相手材に移着して界面潤滑層
を形成しやすいという点や放熱性に優れているという点
によって発現したものと思考される。
【0019】
【発明の効果】本発明の金属表面処理方法は、多孔質化
の焼結合金の表面に存在する細孔内に軟質金属のメッキ
液または固体潤滑剤および/または耐摩耗剤の微粒子を
分散させた分散メッキ液を浸透させた状態で、メッキ処
理を施すので次のような効果がある。これを、PTFE
微粒子を硬質クロム皮膜の細孔に機械的方法で押込む従
来例(特公昭60−11108号記載の方法、ここでは
PTFE法と略称する)と比較しながら、説明する。 1.耐摩耗寿命が向上する。 (1)メッキ液は低粘度溶液であり、必要により行なわ
れる減圧含浸処理によって、焼結合金の細孔の深部まで
浸透し、その状態でメッキ処理が行なわれるため、軟質
金属のメッキ層よりなる潤滑層は焼結合金の表面に強固
に結合され、潤滑層の外力に対する抵抗力が向上する。
外力に対する抵抗力を表す引張り強さは次の通りで、特
に、本発明のZnメッキを使用する場合は、PTFE法
の略10倍の強度を得ることができる。 引張り強さ 本発明 Snメッキ 220kg/平方cm Znメッキ 1352kg/平方cm Pbメッキ 143kg/平方cm Ni複合メッキ 4200kg/平方cm 従来法 PTFE法 140kg/平方cm
【0020】(2)潤滑層を構成しているメッキ層の金
属の線膨張係数は、焼結合金の線膨張係数と近似してい
るので、線膨張係数の差異により細孔内からメッキ層が
押出されることが少なくなり、メッキ層の剥離抵抗が高
くなる。一方、PTFE法ではPTFEの線膨張係数が
硬質クロム皮膜の線膨張係数の略10倍以上も離れてい
るので、表面温度が高くなるとPTFE微粒子が膨張し
て硬質クロム皮膜の細孔から飛び出して、耐摩耗寿命が
短くなる原因になっていた。 線膨張係数 Sn 0.000020/℃ Zn 0.000033/℃ Pb 0.000029/℃ Ni系複合メッキ 0.000011/℃ クロム 0.0000082/℃ PTFE 0.000119/℃
【0021】2.潤滑寿命が向上する。本発明の金属表
面処理方法では、焼結合金の細孔にメッキ液を浸透した
後、電析を行なっているので、析出した金属粒子は細孔
内に三次元的構造を形成し強固に結着し、そのくさび効
果によって潤滑成分の離脱を防止することができる。 3.疲労強度の低下が防止される。従来のPTFE法で
はPTFE微粒子が細孔内に緻密に充填されていないの
で圧縮力以外の力が加わるとPTFE微粒子が細孔内で
移動し(逃げの発生)、潤滑寿命を短くすると共に、ノ
ッチ効果によって疲労強度の低下を招いている。本発明
の金属表面処理方法では、焼結合金の細孔内に緻密な潤
滑層(メッキ層)が十分に埋没されて強固に結合されて
いるので、ノッチ効果の発生を低減させることができ
る。
【0022】4.焼付きがなくなる。本発明による潤滑
層は金属を主体ないしは母材としているので、従来法の
PTFE微粒子に比べて熱伝導率が高く、放熱効果に優
れている。したがって、被加工物に対する焼付きの発生
がほとんどなくなる。 熱伝導率 Sn 0.15 cal/cmS.℃ Zn 0.27 cal/cmS.℃ Pb 0.083 cal/cmS.℃ Ni 0.19 cal/cmS.℃ クロム 0.16 cal/cmS.℃ PTFE 0.0006cal/cmS.℃ 5.初期なじみ性が向上する。従来のPTFE法におけ
るPTFE微粒子は溶融粘度が高いので、比較的に加工
面における温度が低い加工初期においては、なじみが悪
いという欠点がある。本発明の潤滑層が軟質金属を母材
とする時は、温度の低い加工初期においても加工時の摺
動熱によってメタルフローを起し、相手材に移着するの
で、初期なじに性が極めて高い。
【0023】6.表面処理仕上がりの不均一性を低減さ
せる。本発明では、細孔内へ潤滑成分を形成する手段と
して、メッキ液の毛管現象を利用しているので、容易に
くまなく全細孔内に緻密な潤滑層が形成でき、全体とし
て均一な潤滑層が形成できる。 7.加工処理において被加工材に傷の発生が少なくな
る。本発明では、メッキ法によって潤滑層を形成してい
るため、メッキ浴の浴温、PH、濃度等を変化させるこ
とにより同一の組成の潤滑層の場合でも、被加工材の条
件に応じて、その硬さを容易に制御することができるの
で、加工処理の際に被加工材を傷つけることがなくな
る。
【0024】8.固体潤滑剤や耐摩耗剤の付与効率が向
上する。従来のPTFE法ではPTFE微粒子を機械的
に硬質クロム皮膜の細孔内に押込んでいるので、付与効
率が悪く、潤滑剤の回収工程を必要とすが、本発明方法
いよれば、分散メッキ法によって固体潤滑剤や耐摩耗剤
を細孔内に導入するのでその付与効率が向上する。 9.表面処理工程を単純化することができる。本発明で
は、潤滑層を形成するためにメッキ法を採用しているの
で、従来のPTFE法のように機械的な外力を加えるた
めの複雑な加工装置等を必要としない。 10.任意の形状の金属素材に対して潤滑層を形成する
ことができる。本発明では、潤滑層を形成するためにメ
ッキ法を採用しているので、複雑な形状をした潤滑面に
対しても、潤滑層を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属表面処理方法を示す工程図。
【図2】多孔質焼結合金の表面を示す平面図。
【図3】本発明の金属表面処理方法によって得られた製
品の断面図。
【図4】従来法による製品の断面説明図。
【図5】本発明の金属表面処理方法による製品と従来法
による製品の耐磨耗性についての比較試験の結果を示す
図。
【符号の説明】
1.素材形状加工工程 2.素材の表面浄化工程 3.減圧含浸工程 4.潤滑層形成工程 5.後処理工程 6.焼結合金素材 8.細孔 9.潤滑メッキ層
【手続補正書】
【提出日】平成4年4月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】6.表面処理仕上がりの不均一性を低減さ
せる。本発明では、細孔内へ潤滑成分を形成する手段と
して、メッキ液の毛管現象を利用しているので、容易に
くまなく全細孔内に緻密な潤滑層が形成でき、全体とし
て均一な潤滑層が形成できる。 7.摺動さす相手材を傷つけなくなった。本発明では、
メッキ法によって潤滑層を形成しているため、メッキ浴
の浴温、PH、濃度等を変化させることにより同一の組
成の潤滑層の場合でもその硬さを容易に制御すること
ができるので、摺動さす相手材を傷つけることがなくな
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質焼結合金の表面に存在する細孔に
    軟質金属のメッキ液を浸透させた状態で、メッキ処理を
    施すことを特徴とする金属表面処理方法。
  2. 【請求項2】 多孔質焼結合金の表面に存在する細孔に
    軟質金属のメッキ液を減圧含浸させた後に、メッキ処理
    を施すことを特徴とする金属表面処理方法。
  3. 【請求項3】 上記軟質金属としてSn、Zn、Pb、
    Cu、Ag、Auの1種または2種以上の組合せを使用
    する請求項1または2の金属表面処理方法。
  4. 【請求項4】 多孔質焼結合金の表面に存在する細孔に
    固体潤滑剤および/または耐摩耗剤の微粒子を分散させ
    た分散メッキ液を浸透させた状態で、分散メッキ処理を
    施すことを特徴とする金属表面処理方法。
  5. 【請求項5】 多孔質焼結合金の表面に存在する細孔に
    固体潤滑剤および/または耐摩耗剤の微粒子を分散させ
    た分散メッキ液を減圧含浸させた後に、分散メッキ処理
    を施すことを特徴とする金属表面処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998037260A1 (fr) * 1997-02-21 1998-08-27 Ebara-Udylite Co., Ltd. Feuil de cuivre microporeux et solution de depot autocatalytique permettant d'obtenir ce feuil
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