JPH05222119A - メタクリルイミド基含有重合体 - Google Patents

メタクリルイミド基含有重合体

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JPH05222119A
JPH05222119A JP2809292A JP2809292A JPH05222119A JP H05222119 A JPH05222119 A JP H05222119A JP 2809292 A JP2809292 A JP 2809292A JP 2809292 A JP2809292 A JP 2809292A JP H05222119 A JPH05222119 A JP H05222119A
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methacrylimide
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JP2809292A
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Naoki Yamamoto
直己 山本
Masaharu Fujimoto
雅治 藤本
Atsushi Nagamine
温 長嶺
Kaoru Nagamori
薫 長森
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Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 少なくとも2種類の異なるメタクリルイミド
基含有重合体を提供する。 【構成】 式(I)、(II) および(III)で示される
繰り返し単位を重合体中に含有するメタクリルイミド基
含有重合体。 【効果】 耐熱性、成形加工性および熱安定性に優れ、
かつ、これらの物性のバランスに優れたメタクリルイミ
ド基含有重合体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、成形加工性お
よび熱安定性に優れ、かつ、これら物性のバランスに優
れたメタクリルイミド基含有重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】メタクリル酸メチル重合体は、その優れ
た透明性、耐候性あるいは機械的性質を生かして自動
車、電気・電子分野、建材分野など様々な産業分野で幅
広く使用されている。しかしながら、メタクリル酸メチ
ル重合体は、熱変形温度が100℃前後と低いため、こ
れ以上の耐熱性を要求される環境では使用が困難である
のが現状である。また、透明性、耐熱性を備えた樹脂と
してポリカーボネートが使用されているが、実用耐熱温
度は、140℃未満であり、用途によってはまだ十分と
はいえない状況である。
【0003】ところで、メタクリル酸メチル重合体の耐
熱性を向上させる方法として、メタクリル酸メチル重合
体の側鎖反応を利用してイミド化させる方法が知られて
いる。このイミド化方法としては、例えば、メタクリル
酸メチル重合体を第一級アミンと熱分解縮合反応させる
方法(米国特許第2146209号明細書)、メタクリ
ル酸メチル重合体を水酸化アンモニウム、リン酸アルキ
ルアミンと反応させる方法(米国特許第3284425
号明細書)、あるいは押出機中でメタクリル酸エステル
重合体をアンモニアまたは第一アミンと反応させる方法
(特公昭60−38404号公報)等が提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来のイミド化技術においては、その殆どが単独のイミ
ド化剤を用いてイミド化するものであり、その結果イミ
ド化された重合体は単一のメタクリルイミド構造を有す
る。このため、例えばメチルアミンによってイミド化さ
れた重合体においては熱変形温度が160〜180℃と
なり、まだ充分な耐熱性が得られていない。また、アニ
リンによって100%イミド化された重合体においては
熱変形温度が230℃となり優れた耐熱性を示すが、機
械強度、成形性に欠陥を生じる。
【0005】一方、イミド化率を下げ機械強度や流動性
を改良した低メタクリルイミド基含有量の重合体におい
ても、重合体中にメタクリル酸エステルおよびその誘導
体残渣が存在するため、高温雰囲気下での分解等の熱安
定性不良が発生し、耐熱性成形材料として実用上満足す
べき成果が得られていない。また、特公昭60−384
04号公報の実施例44では5%アンモニアと95%ブ
チルアミンとの混合物をイミド化剤として用いることが
開示されているが、このようなイミド化剤に由来するメ
タクリルイミド基の繰り返し単位がどのような割合で存
在することによって耐熱性、成形加工性、熱安定性等に
優れ、かつこれら物性のバランスに優れるかについての
具体的な記載や示唆はされていない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上述した如き
現状に鑑み、耐熱性、成形加工性、特に流動性および熱
安定性に優れ、かつこれら物性のバランスに優れたメタ
クリルイミド基含有重合体を得るべく鋭意検討の結果、
少なくとも2種の異なるメタクリルイミド構造単位を特
定の範囲の含有量で重合体の構成成分として形成させる
ことにより、所期の目的を達成し得ることを見出し本発
明に達成した。
【0007】本発明の要旨とするところは、下記一般式
(I)、(II)および(III)で示される夫々の繰り返
し単位を共重合体中に含有するメタクリルイミド基含有
重合体であって、該重合体中における一般式(I)〜
(III)で示される繰り返し単位の含有量が該重合体の
重量に基づき夫々40〜80重量%、20〜60重量
%、および0〜10重量%であるメタクリルイミド基含
有重合体にある。
【0008】
【化1】
【0009】(上式(I)、(II)および(III)中、
1水素原子または炭素数1〜18の脂肪族、芳香族あ
るいは脂環族炭化水素基を表し、R2はカルボキシル
基、炭素数1〜6の脂肪族エステル基もしくは炭素数1
〜18の脂肪族アミド基、芳香族アミド基あるいは脂環
族アミド基を表す。)
【0010】本発明のメタクリルイミド基含有重合体
は、従来提案されている単一のメタクリルイミド構造単
位を有するメタクリルイミド基含有重合体とは異なり、
少なくとも上記繰り返し単位(I)および(II)の2種
の異なるメタクリルイミド構造単位を必須成分として夫
々特定の含有量の範囲にて含有することにより、耐熱
性、成形加工性、熱安定性等の物性に優れ、しかもこれ
ら物性のバランスに優れるというこれ迄に見られないメ
タクリルイミド基含有重合体とすることができたことを
最も大きな特徴とするものである。
【0011】本発明における繰り返し単位(I)のメタ
クリルイミド構造単位はフェニルメタクリルイミド基を
有するものであり、フェニル基の水素原子の1つがメチ
ル基で置換されていてもよい。
【0012】次に、本発明における繰り返し単位(II)
のメタクリルイミド基含有重合体のメタクリルイミド構
造単位を構成する置換基R1としては、水素原子または
炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基
あるいは脂環族炭化水素基の中から選ばれるものであ
る。
【0013】なお、本発明のメタクリルイミド基含有重
合体の耐熱性を考慮した場合、一般式(I)中のR1
しては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、
シクロヘキシル基の中から選ばれるのが好ましく、R1
がメチル基であるものが特に好ましいものである。
【0014】また、繰り返し単位(I)および(II)の
含有量はそれぞれ40〜80重量%および20〜60重
量%の範囲であり、さらには繰り返し単位(I)および
(II)の夫々の含有量の合計量が90〜100重量%で
あることが好ましい。繰り返し単位(I)および(II)
の夫々の含有量の合計量が90重量%未満では、実用上
満足できる耐熱性および熱安定性が得られにくいものと
なる。繰り返し単位(I)は繰り返し単位(II)に対し
てメタクリルイミド基含有重合体の耐熱性への寄与が大
きいため、該重合体の耐熱性向上の機能を有する。この
繰り返し単位(I)の含有量が40重量%未満では、耐
熱性向上に寄与しにくくなるため好ましくない。80重
量%を超える量では一方の繰り返し単位(II)の含有量
が殆どなくなるため、耐熱性には優れるものの、機械強
度に欠けることになるため好ましくない。
【0015】繰り返し単位(III)を構成する置換基R2
は、本発明に係るメタクリルイミド基含有重合体を得る
際に生成する未反応単位あるいは中間体単位の残基であ
り、繰り返し単位(III)の含有量が少なければ少ない
程熱安定性の高いものとなる。このR2は具体的にはカ
ルボキシル基、炭素数1〜6の脂肪族エステル基あるい
は上式(I)および(II)中にそれぞれ対応する炭素数
1〜18の脂肪族アミド基、芳香族アミド基あるいは脂
環族アミド基のいずれか1種である。これらのうち特
に、カルボキシル基、炭素数1〜6の脂肪族エステル基
が好ましい。さらに、繰り返し単位(III)が、2種以
上の異なるR2基を同時に有する場合でも構わない。
【0016】本発明のメタクリルイミド基含有重合体の
繰り返し単位(III)の含有量は0〜10重量%であ
り、好ましくは5重量%以下であり、さらに好ましくは
2重量%以下である。10重量%を超えるとメタクリル
イミド基含有重合体の熱安定性が低下し、実用上成形材
料として成形温度範囲が狭くなるという欠点が生じる。
【0017】本発明に係るメタクリルイミド基含有重合
体は、メルトインデックス(300℃/10kg荷重にて
測定したもの)が1.0g/10分以上の値を示すもの
が好ましい。メルトインデックスが1.0g/10分未
満であると射出成形用材料として用いた場合に十分な流
動性が得られないことがある。
【0018】
本発明に係るメタクリルイミド基含有重
合体を製造する際の具体的な一例を以下に説明する。例
えば、メタクリル酸メチル重合体とアニリンとを溶媒例
えばジメチルホルムアミドの存在下に、100℃以上3
50℃以下の温度でかつ窒素ガス等の不活性ガスの存在
下に反応させる。この後得られる反応生成物に次式(I
V) R1 −NH2 (IV) (R1 は、水素原子または炭素数1〜18の脂肪族、芳
香族もしくは脂環族炭化水素基のうちの1つである。)
で示される化合物(以下イミド化剤(IV)と略す。)、
例えばメチルアミンを添加し、100℃以上350℃以
下の温度でかつ窒素ガス等の不活性ガスの存在下に再び
反応させ、次いで得られた反応生成物から揮発性物質や
未反応のイミド化剤(IV)を分離除去して、繰り返し単
位(I)、(II)のような異なる2種のメタクリルイミ
ド、例えばN−メチルメタクリルイミドとN−フェニル
メタクリルイミドを含むメタクリルイミド基含有重合体
とする。このようにして製造されたメタクリルイミド基
含有重合体は熱安定性、耐熱性、成形加工性および透明
性に優れた特徴を示す。なお、上記の他に異なるイミド
化剤を同時に反応させてイミド化することも適宜採用す
ることができる。
【0019】このメタクリルイミド基含有重合体を得る
ための原料重合体としてはメタクリル酸メチル重合体、
メタクリル酸重合体あるいはこれらと共重合可能な他の
ビニル単量体との共重合体、さらにはこれらのブレンド
体を用いることができる。なお、これら原料重合体の極
限粘度があまり低いと流動性に優れるものの、機械的強
度が低く、良好なメタクリルイミド基含有重合体成形材
料とすることが困難となるので、極限粘度が0.25以
上、好ましくは0.3以上のものを用いることが好まし
い。メタクリル酸メチルまたはメタクリル酸と共重合可
能なビニル単量体としてはスチレン、クロロスチレン等
のスチレン誘導体、エチレン、プロピレン等のオレフィ
ン、アクリロニトリル等のシアン化ビニル誘導体、塩化
ビニル等のハロゲン化ビニル、塩化ビニリデン等のハロ
ゲン化ビニリデン等が挙げられる。これらは、メタクリ
ルイミド基含有重合体に例えば耐薬品性、耐オゾン性、
難燃性、流動性、製膜性などの付加的な機能を付与する
ものであるが、これら共重合可能な他のビニル単量体か
ら誘導される重合体の含有量は、上式(III)で示される
繰り返し単位の含有量と合わせて0〜5重量%が特に好
ましい。5重量%を超えるとメタクリルイミド基含有重
合体の熱安定性が低下する傾向になる。
【0020】本発明に係るメタクリルイミド基含有重合
体は、そのまま射出成形、プレス成形あるいは押出成形
等の様々な成形加工用の製造原料として使用することが
できる。また、さらに他の樹脂、例えばABS樹脂、ポ
リブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、6−
ナイロン、4,6−ナイロン等のポリアミド樹脂等とブ
レンドして、耐衝撃性、耐薬品性あるいは耐熱性等を改
善することができる。さらに、ガラス繊維、炭素繊維、
タルク、炭酸カルシウム等の充填材および樹脂の性質を
阻害しない種類および量の潤滑剤、離型剤、熱安定剤、
難燃剤、着色剤、紫外線吸収剤等のその他の添加剤を配
合することができる。
【0021】本発明に係るメタクリルイミド基含有重合
体は、射出成形、押出成形、プレス成形、中空成形、カ
レンダ成形等の様々な成形法によって目的の成形品とさ
れ、その優れた耐熱性、機械的特性を生かした用途に使
用することができるが、特に、溶融流動性および熱安定
性における優れた特徴は、成形加工時の加工条件幅、例
えば成形品の大きさ、形状あるいは成形温度、成形サイ
クルなどの観点から有利に行うことができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例中「部」とあるのは重量部を示す。ま
た、実施例における各種物性の測定法は次の通りであ
る。 1)メルトインデックス ASTM D−1238に準拠して測定した。なお、測
定条件はパレル温度300℃、押出荷重10kg重であ
る。 2)熱安定性試験 樹脂重合体サンプルをプレス成形機を用いて、330℃
および350℃に加熱した2枚のプレス板の間に挿入
し、加圧した状態で30分間保持する。続いてこれをプ
レス板ごとTg−30℃まで冷却し、成形品を取り出
す。得られた成形板の発泡の有無を目視にて観察した。 3)IRスペクトル IRスペクトロメーターを用いて、KBr法にてIRス
ペクトルを800〜4000cm-1の範囲で測定した。 4)元素分析 CHNコーダにて、各重合体の窒素原子含量(重量%)
を測定した。
【0023】実施例1 ジャケット加熱器を備えた内容積1.5リットルの反応
器内に、メタクリル酸メチル重合体(固有粘度0.3
2)100部とジメチルホルムアルデヒド180部およ
びアニリン120部を入れ十分窒素置換した後、150
℃に昇温攪拌して該重合体を溶解させた。次いで220
℃の温度において3時間反応させた。反応終了後、生成
物を回収し150℃で真空乾燥後、白色粉状重合体を得
た。(第1段目反応終了)。続いて、第1反応で得た重
合体100部、メチルアミン13部、トルエン350
部、メタノール240部を反応容器内に入れ十分窒素置
換した後230℃にて2時間反応させた(第2段目反応
終了)。反応終了後、生成物を回収精製し、白色粉状重
合体を得た。この重合体をバレル、ピストン、ダイスよ
りなる脱揮式の賦型装置によってバレル温度280〜3
50℃の条件で押し出し、透明なストランド状の重合体
を得た。第1段目反応終了時に回収した微量サンプルの
精製乾燥物をIRスペクトル測定および元素分析により
分析した結果、IR吸収スペクトルよりイミド構造に基
づく吸収が確認され、またアミド基に基づく吸収は確認
されなかった。また、該サンプルは元素分析よりn−フ
ェニルメタクリルイミドの構造単位を約100重量%含
むことがわかった。同様にして、第2段目反応まで行っ
た白色粉状重合体の賦型ストランド状重合体についてF
T−IR吸収スペクトルよりイミド構造に基づく吸収が
確認された。さらに、元素分析より、N−フェニルメタ
クリルイミドの構造単位を約80重量%、n−メチルメ
タクリルイミドの構造単位を約20重量%含むことがわ
かった。得られたストランド状重合体のメルトインデッ
クスは、2.5g/10分であった。また、該重合体を
用いてプレス成形機により熱安定性試験を行ったとこ
ろ、成形温度330℃および350℃においても発泡は
確認されなかった。以上の反応条件、組成分析結果およ
び試験結果をまとめて表1に示す。
【0024】実施例2〜3 実施例1に準拠して、表1に示すようにイミド化剤とし
て用いるアミンの種類、仕込み量を変化させる以外は実
施例1と同じ操作を行い反応物を得た。これらの反応条
件、組成分析結果および試験結果を表1にまとめて示
す。
【0025】比較例1 試薬注入容器、ジャケット加熱器を備えた内容積1.5
リットルの反応器内に、メタクリル酸メチル重合体(固
有粘度0.32)100部とトルエン150部、メタノ
ール70部を入れ、十分窒素置換した後230℃に昇温
攪拌して該重合体を溶解させた。次いで、230℃の温
度において、試薬注入容器からメチルアミン30部をメ
タノール50%溶液とした後、反応容器内に添加して2
30℃にて2時間反応させた。反応終了後、生成物を回
収精製し、白色粉状重合体を得た。 この重合体をバレ
ル、ピストン、ダイスよりなる脱揮式の賦型装置によっ
てバレル温度280〜320℃の条件で押し出し、透明
なストランド状の重合体を得た。IRスペクトル測定よ
りメタクリルイミド構造を確認した。また、該重合体は
元素分析よりメチルメタクリルイミドの構造単位を約1
00重量%含むことがわかった。得られた重合体のメル
トインデックスは20g/10分であった。また、該重
合体を用いてプレス成形機により熱安定性試験を行った
ところ、成形温度330℃では透明な均一板が得られた
が、成形温度350℃では内部に著しい発泡がみられ
た。以上の反応条件、組成分析結果および試験結果をま
とめて表1に示す。
【0026】比較例2 試薬注入容器、ジャケット加熱器を備えた内容積1.5
リットルの反応器内に、メタクリル酸メチル重合体(固
有粘度0.32)100部とジメチルホルムアミド18
0部、アニリン120部を入れ、十分窒素置換した後1
50℃に昇温攪拌して該重合体を溶解させた。次いで、
220℃の温度において2時間反応させた。反応終了
後、生成物を回収精製し白色粉状重合体を得た。この重
合体をバレル、ピストン、ダイスよりなる脱揮式の賦型
装置によってバレル温度280〜350℃の条件で押し
出し、ストランド状の重合体を得た。IRスペクトル測
定よりメタクリルイミド構造を確認した。また、該重合
体は元素分析よりフェニルメタクリルイミドの構造単位
を約100重量%含むことがわかった。得られた重合体
のメルトインデックスは1.0g/10分以下であっ
た。
【0027】比較例3 比較例2に準拠して、表1に示すようにイミド化剤とし
て用いるアミンの種類、仕込み量を変化させる以外は比
較例1と同じ操作を行い反応物を得た。反応条件、組成
分析結果および試験結果を表1にまとめて示す。
【0028】以上の実施例、比較例の反応条件、組成分
析結果および試験結果を表1にまとめて示す。また、表
1には参考例として同一条件で測定したポリカーボネー
ト(市販品)およびポリメチルメタクリレート(市販
品)の試験結果を合わせて示す。
【0029】表1より、次のことが明らかになる。 1)実施例1〜5で得られた本発明に係るメタクリルイ
ミド基含有重合体は、流動性、熱安定性および耐熱性の
バランスに優れる。 2)このような優れた性能バランスは、メタクリルイミ
ド基含有重合体中に2種の異なるメタクリルイミド構造
を有することによって発現する。例えば比較例1のよう
にN−メチルメタクリルイミド構造を100重量%含有
する重合体ではまだ十分な耐熱性が得られていない。 3)また、比較例2のようにN−メチルメタクリルイミ
ド基含有量を下げた重合体では、流動性は向上するもの
の、熱安定性あるいは耐熱性が著しく低下する。 4)比較例3のように高い流動性を示すN−n−ブチル
メチルメタクリルイミド構造を100重量%含有する重
合体では、流動性、熱安定性においては良好であるが、
耐熱性は極端に低い。 5)本発明に係るメタクリルイミド基含有重合体は、他
の透明樹脂材料であるポリカーボネートやポリメチルメ
タクリレートに比べ耐熱性、熱安定性および流動性のバ
ランスに優れた特徴を示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明に係るメタクリルイミド基含有重
合体は、耐熱性、成形加工時の熱安定性および溶融流動
性が良好であり、かつこれらの間の性能バランスに優れ
ており、その産業上の利用価値は極めて大である。
フロントページの続き (72)発明者 長森 薫 富山県富山市海岸通3番地 三菱レイヨン 株式会社富山事業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)、(II)および(II
    I)で示される夫々の繰り返し単位を重合体中に含有す
    るメタクリルイミド基含有重合体であって、該重合体中
    における一般式(I)〜(III)で示される繰り返し単
    位の含有量が該重合体の重量に基づき夫々40〜80重
    量%、20〜60重量%、および0〜10重量%である
    メタクリルイミド基含有重合体。 【化1】 (上式(I)、(II)および(III)中、R1は水素原子
    または炭素数1〜18の脂肪族、芳香族あるいは脂環族
    単価水素基を表し、R2はカルボキシル基、炭素数1〜
    6の脂肪族エステル基もしくは炭素数1〜18の脂肪族
    アミド基、芳香族アミド基あるいは脂環族アミド基を表
    す。)
  2. 【請求項2】 一般式(II)中のR1がメチル基である
    請求項第1項に記載のメタクリルイミド基含有重合体。
  3. 【請求項3】 一般式(I)で示される繰り返し単位お
    よび一般式(II) で示される繰り返し単位の夫々の含有
    量の合計量が90〜100重量%である請求項第1項、
    第2項または第3項いずれかに記載のメタクリルイミド
    基含有重合体。
  4. 【請求項4】 一般式(III)中のR2がカルボキシル基
    あるいは炭素数1〜6の脂肪族エステル基である請求項
    第1項、第2項、第3項または第4項いずれかに記載の
    メタクリルイミド基含有重合体。
  5. 【請求項5】 ASTM D1238の規定(但し30
    0℃、10kg荷重)にて求めたメルトインデックスが
    1.0g/10分以上である請求項第1項、第2項、第
    3項、第4項いずれかに記載のメタクリルイミド基含有
    重合体。
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