JPH05222030A - 硫黄原子含有化合物 - Google Patents

硫黄原子含有化合物

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JPH05222030A
JPH05222030A JP6903292A JP6903292A JPH05222030A JP H05222030 A JPH05222030 A JP H05222030A JP 6903292 A JP6903292 A JP 6903292A JP 6903292 A JP6903292 A JP 6903292A JP H05222030 A JPH05222030 A JP H05222030A
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acid
compound
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sulfur atom
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JP6903292A
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Masaru Saida
勝 斉田
Toshitaka Inoue
寿孝 井上
Yoshihiro Tagami
義洋 田上
Junichi Kubo
順一 久保
Yuji Shimozono
雄治 下園
Mizue Mukai
瑞恵 迎
Shigeo Ota
重雄 太田
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Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規な硫黄原子含有化合物の提供及びチロシ
ナーゼ活性に対する阻害剤並びにこれらの有効成分を含
有した皮膚外用剤、特に美白化粧料に関する。 【構成】 一般式(I) 〔式中、Yは 又は (式中、Rは低級アルキル基、フェニル基又は置換フェ
ニル基を意味する。)、Xは−A−COOH(式中、A
はアルキレン基又はチオアルキレン基を意味する。)又
は−CH2 −B(式中、Bはフェニル基、置換フェニル
基、ピリジル基又は置換ピリジル基を意味する。)、n
は0〜1の整数を意味する。〕で示される硫黄原子含有
化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な硫黄原子含有化
合物に関する。さらにチロシナーゼ活性阻害剤並びに美
白化粧料としての皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】皮膚に対する美白作用を示す物質並びに
それらを配合処方した皮膚外用剤についての関心は極め
て高く、従来よりコウジ酸(特公昭61−10447号
公報)、コウジ酸誘導体(特開昭56−7710号公
報)、あるいは過酸化水素、アスコルビン酸、グルタチ
オン、コロイド硫黄等が有効成分として知られ、各々美
白効果を目的とした皮膚外用剤として繁用されている。
しかしながら、本発明にて提供する硫黄原子含有化合物
についての美白作用については何ら研究されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】人体皮膚に存在するメ
ラニンは、本来紫外線の悪影響から身体を保護する重要
な役目を担っているとともに、医学的にも美容的にも大
変重要な因子である。学説上、メラニンの生合成は皮膚
組織中の色素細胞内でチロシナーゼの作用によって、タ
イロシンがドーパに、次いでドーパキノンに変化し、
5,6−ジハイドロオキシインドール等を経て行われる
ものとされている。このような過程で生合成されるメラ
ニンの量が過剰であると色黒とされ、また、その不均一
な分布は、シミまたはソバカスとされ、いずれも美容上
の欠陥であると言われている。そこで、本発明はメラニ
ンの生合成に大きな影響を及ぼすチロシナーゼに対する
阻害物質の合成、すなわち硫黄原子含有化合物の合成並
びにこれらの化合物を有効成分とした美白化粧料として
の皮膚外用剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は下記一般式
(I)
【化1】 〔式中、Yは
【化2】 又は
【化3】 (式中、Rは低級アルキル基、フェニル基又は置換フェ
ニル基を意味する。)、Xは−A−COOH(式中、A
はアルキレン基又はチオアルキレン基を意味する。)又
は−CH2 −B(式中、Bはフェニル基、置換フェニル
基、ピリジル基又は置換ピリジル基を意味する。)、n
は0〜1の整数を意味する。〕で示される新規な硫黄原
子含有化合物及びそれらを含有する美白化粧料としての
皮膚外用剤に関する。
【0005】前記一般式(I)について更に具体的に説
明すると、Rの低級アルキル基はメチル、エチル、n−
プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブ
チル、tert−ブチル等の直鎖状又は分岐状のアルキ
ル基を、Aのアルキレン基はメチレン、エチレン、プロ
ピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、オクチレ
ン等のアルキレン基を含む炭素数1〜20までの直鎖又
は分岐状のアルキレン基を、チオアルキレン基は、チオ
メチレン、チオエチレン、チオプロピレン、チオブチレ
ン等のチオアルキレン基を含む炭素数1〜20までの直
鎖又は分岐状のチオアルキレン基を、又、Bの置換フェ
ニル基及び置換ピリジル基はそれぞれ炭素数1〜10の
直鎖又は分岐状のアルキル基、弗素、塩素、臭素又は沃
素等のハロゲン原子を、トリフルオロメチル基、トリク
ロロメチル基、トリフルオロエチル基、トリクロロエチ
ル基等のトリハロアルキル基、炭素数1〜10の直鎖又
は分岐状のアルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、水酸
基、カルボキシル基、酢酸基、プロピオン酸基、メルカ
プト基等がそれぞれ任意の位置に1〜3個置換されるこ
とを意味する。
【0006】尚、本発明の化合物は必要に応じ無機塩
(例えば、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩等)又は
有機塩(例えば、フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸
塩、乳酸塩、クエン酸塩、リジン塩等)の付加塩を形成
させることが可能である。又、本発明の硫黄原子含有化
合物は医薬品、医薬部外品又は化粧品等に有効成分とし
て利用され、これらの製剤処方としては周知又は公知の
方法に準じて適宜行うことができる。本発明の皮膚外用
剤としては、上記有効成分の他に通常医薬品、医薬部外
品又は化粧品等に用いられる原料、例えば界面活性剤、
油分、アルコール類、保湿剤、増粘剤、防腐剤、酸化防
止剤、キレート剤、pH調整剤、香料、色素、紫外線吸
収・散乱剤、ビタミン類、アミノ酸類、水など配合可能
である。
【0007】具体的には、界面活性剤としては、親油型
グリセリンモノステアレート、自己乳化型グリセリンモ
ノステアレート、ポリグリセリンモノステアレート、ソ
ルビタンモノオレート、ポリエチレングリコールモノス
テアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレー
ト、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエ
チレン化ステロール、ポリオキシエチレン化ラノリン、
ポリオキシエチレン化ミツロウ、ポリオキシエチレン硬
化ヒマシ油等のノニオン界面活性剤、ステアリン酸ナト
リウム、パルミチン酸カリウム、セチル硫酸ナトリウ
ム、ラウリルリン酸ナトリウム、パルミチン酸トリエタ
ノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルリン酸ナト
リウム、N−アシルグルタミン類ナトリウム等のアニオ
ン界面活性剤、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモ
ニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のカ
チオン界面活性剤、塩酸アルキルアミノエチルグリシン
液、レシチン等の両性界面活性剤等を例示することがで
きる。
【0008】油分としては、ヒマシ油、オリーブ油、カ
カオ脂、椿油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシ
ード油、アボガド油等の植物油脂類、ミンク油、卵黄油
等の動物油脂類、ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナ
ウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類、流動パラフィ
ン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレ
シンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化
水素類、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オ
レイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等の天然及び
合成脂肪酸類、セタノール、ステアリルアルコール、ヘ
キシルデカノール、オクチルドデカノール、ラウリルア
ルコール等の天然及び合成高級アルコール類、ミリスチ
ン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリス
チン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシ
ル、コレステロールオレート等のエステル類を例示する
ことができる。
【0009】保湿剤としては、グリセリン、プロピレン
グリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトー
ル、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール等の多価アルコール類、アミノ酸、乳
酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等のN
MF成分、ヒアルロン酸、コラーゲン、ムコ多糖類、コ
ンドロイチン硫酸等の水溶性高分子物質を例示すること
ができる。
【0010】増粘剤としては、アルギン酸ナトリウム、
キサンタンガム、硅酸アルミニウム、マルメロ種子抽出
物、トラガントガム、デンプン等の天然高分子物質、メ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、可溶性デンプン、カチオン化セ
ルロース等の半合成高分子物質、カルボキシビニルポリ
マー、ポリビニルアルコール等の合成高分子物質等を例
示することができる。防腐剤としては、安息香酸塩、サ
リチル酸塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキ
シ安息香酸エステル、2,4,4’−トリクロロ−2’
−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリ
クロロカルバニリド、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチ
オール、レゾルシン、エタノール等を例示することがで
きる。
【0011】酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシ
トルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロ
ピル、アスコルビン酸等を、キレート剤としては、エデ
ト酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、ピロリ
ン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、クエン酸、酒石酸、グル
コン酸等を、pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、
トリエタノールアミン、クエン酸、クエン酸ナトリウ
ム、ホウ酸、ホウ砂、リン酸水素カリウム等をそれぞれ
例示することができる。
【0012】紫外線吸収・散乱剤については、2−ヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチ
ルパラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキ
シサイナメート、酸化チタン、カオリン、タルク等を例
示することができる。ビタミン類としては、ビタミン
A、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミン
E、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンP、ビタミン
U、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、α−
リポ酸、オロット酸及びその誘導体を例示することがで
きる。
【0013】アミノ酸類としては、グリシン、アラニ
ン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオ
ニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、
シスチン、システイン、メチオニン、ブロリン、ヒドロ
キシブロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギ
ニン、ヒスチジン、リジン及びその誘導体等を例示する
ことができる。尚、任意成分は、これらに限定されるも
のではない。上記有効成分と任意成分を適当に配合する
ことにより、化粧水、クリーム、ローション、スキンミ
ルク、乳剤、パック剤、軟膏、ゲル、ゲルクリーム、パ
ップ、スチック、スプレー、パウダー又は石鹸等種々の
製品形態として用いることができる。
【0014】次に本発明に係る化合物の製造法について
述べる。本発明化合物は下記の方法に準じて製造するこ
とができるが、これらの製造法は一例に過ぎず、当然他
のしかるべき類似方法によっても製造し得るものであ
る。 製造法1
【化4】 (式中、Aは前記と同じ意味を有し、halはハロゲン
原子、R1 はメチル、エチル基等の低級アルキル基を意
味する)
【0015】3,4−メチレンジオキシベンジルメルカ
プタン(II)と一般式(III)で表わされるハライ
ド類を不活性溶媒(例えばクロロホルム、ジクロロメタ
ン等のハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド等の極性非プロトン溶媒、メタノール、
エタノール等のプロトン溶媒あるいはベンゼン、トルエ
ン、アセトン等)中、塩基(例えば、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等の無機塩基、ある
いはトリエチルアミン、ピリジン、DBU等の有機塩)
存在下にて−20℃〜100℃、30分〜50時間反応
させることにより、一般式(Ia)の化合物を得る。さ
らに一般式(Ia)を無機塩基(例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等)あるいは無機酸(例えば塩酸、
硫酸等)にて加水分解することにより、目的化合物
(I)が得られる。
【0016】製造法2
【化5】 (式中、Aはアルキレン基を、R1 は前記と同じ意味を
有する) 3,4−メチレンジオキシベンジルメルカプタン(I
I)と一般式(IV)で表わされるメルカプタン類を対
称ジスルフィドの生成を抑え、なるべく非対称ジスルフ
ィドの生成を増加させる方法にて反応を行う。例えば、
有機硫黄化学(大饗茂編 化学同人)等にて多数方法は
知られているが、ここではアゾカルボン酸エステル類を
用いる方法を例示する。すなわち、3,4−メチレンジ
オキシベンジルメルカプタンとアゾカルボン酸エステル
類とを不活性ガス(たとえば窒素、アルゴン等)存在下
で−50℃〜50℃、1〜24時間反応させることによ
りスルフェンアミド付加体を得、次いで、この付加体と
一般式(IV)で表わされるメルカプタン類とを不活性
溶媒(ベンゼン、トルエン等)中、室温〜加温下にて1
〜24時間反応させることにより一般式(Ib)で示さ
れる非対称ジスルフィドエステル体を得る。さらに、化
合物(Ib)は製造法1と同様に加水分解し、一般式
(I)で示される目的化合物(ジスルフィド体)が得ら
れる。
【0017】製造法3
【化6】 一般式(V)で示される2−ベンジルチオ−4(3H)
ピリミジノン誘導体(R及びAは前記と同じ意味を有す
る)を単独もしくは混合された不活性溶媒中(例えば、
クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水
素、テトロヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、
エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール等のア
ルコール類あるいは水等)中、メタクロロ過安息香酸、
過酢酸、過マレイン酸のような過酸あるいは過酸化水
素、亜臭素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム等の酸
化剤を用いて−10〜50℃にて3〜50時間反応させ
ることによって一般式(I)(R及びBは前記と同じ意
味を有する)で示される化合物を得ることができる。
【0018】
【実施例】以下に参考例及び実施例を示し、本発明をよ
り具体的に説明するが、勿論、本発明はこれらの実施例
にのみ限定されるものではない。 実施例1 3,4−メチレンジオキシベンジルメルカプタン2.5
gとブロム酢酸エチル2.9gをエタノール25ccに
溶解し、冷却下水酸化ナトリウム0.7gを水10cc
に溶解した液を加え10分間攪拌、さらに4時間反応さ
せた。反応後水50ccを加え、酢酸エチル100cc
で抽出し、水洗、乾燥の後溶媒を除去した。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン
/酢酸エチル 1/10)にて精製し、油状の〔(1、
3ベンゾジオキソール−5−イル)メチルチオ〕酢酸エ
チル2.1gを得た。次いで、この油状物1gに1.6
gの炭酸カリウムとメタノール50ccを加え、4時間
加熱還流した。反応後、固形物を濾過したのちに溶媒を
減圧濃縮し残渣を弱酸性にした。水層を酢酸エチルで抽
出後、水洗、乾燥、溶媒除去を行い、イソプロピルエー
テルで再結晶することにより〔(1、3ベンゾジオキソ
ール−5−イル)メチルチオ〕酢酸0.7gを得た。 融点 83.0〜83.5℃ 元素分析値 C10H10O4S 226.25 理論値 C:53.09 H:4.46 計算値 C:53.11 H:4.51
【0019】前記実施例に準じて実施例2〜4の化合物
を合成した。 実施例2 α−〔(1、3ベンゾジオキソール−5−イル)メチル
チオ〕プロピオン酸 融点 96.0〜98.0℃ 元素分析値 C11H12O4S 240.27 理論値 C:54.99 H:5.03 計算値 C:55.08 H:5.11
【0020】実施例3 β−〔(1、3ベンゾジオキソール−5−イル)メチル
チオ〕プロピオン酸 融点 67.5〜68.5℃ 元素分析値 C11H12O4S 240.27 理論値 C:54.99 H:5.03 計算値 C:54.91 H:5.09
【0021】実施例4 3,4−メチレンジオキシベンジルメルカプタン4.0
gに窒素気流下にてアゾジカルボン酸エチルエステル
4.2gを氷冷下徐々に滴加し、室温にて12時間攪拌
させた。反応後ベンゼン50ccを加え溶解させた後、
チオグリコール酸メチル2.8gをベンゼン10ccに
溶解した液を加え、5時間還流させた。冷却後、水10
0ccを加えてベンゼン50ccで抽出した。抽出液は
希塩酸及び水で洗浄後、乾燥させて溶媒を除去した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:
ヘキサン/イソプロピルエーテル)にて精製し油状のS
−(3,4−メチレンジオキシ)ベンジルメルカプト−
チオグリコール酸メチルエステル2gを得た。次に、得
られたジスルフィド体1.0gを酢酸−水(1:1)溶
液10mlに懸濁し、濃塩酸1滴を添加した後、2時間8
0℃にて攪拌した。反応液を氷水に注ぎイソプロピルエ
ーテルで抽出した後、水洗、乾燥後溶媒を除去した。残
渣をシリカゲルを用いたショートカラム(展開溶媒:イ
ソプロピルエーテル/酢酸エチル)により精製し、イソ
プロピルエーテル/ヘキサンで再結晶することによりS
−(3,4−メチレンジオキシ)ベンジルメルカプト−
チオグリコール酸0.7gを得た。 融点 61.5〜62.5℃ 元素分析値 C10H10O4S2 258.31 理論値 C:46.50 H:3.90 計算値 C:46.84 H:3.67
【0022】参考例 水酸化ナトリウム0.85gを含むエタノール溶液20
mlに6−メチル−2−オウラシル1.5gを溶解させた
後、P−メトキシベンジルクロリド1.65gを加え、
室温で4時間攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧濃縮し
10%塩酸でほぼ中性となし、析出した結晶を濾過し
た。さらに、水及びエーテルで結晶を洗った後、乾燥さ
せて2.0gの2−(4−メトキシベンジル)チオ−6
−メチル−4(3H)ピリミジノンを得た。 融点 169〜171 ℃
【0023】実施例5 2−(4−メトキシベンジル)チオ−6−メチル−4
(3H)ピリミジノン1.9gをクロロホルム50ml及
びテトラヒドロフラン10mlに溶解し、メタクロロ過安
息香酸1.5gを加え室温で3時間攪拌した。さらに、
メタクロロ過安息香酸0.4gを追加して室温で3時間
攪拌した。反応終了後、10%重曹水溶液50ml及び水
でそれぞれ2回ずつ洗浄した後、有機層は脱水後溶媒を
除去した。残渣をシリカゲルカラム(クロロホルム/メ
タノール 10:1)にて分離精製して0.9gの2−
(4−メトキシベンジル)スルフィニル−6−メチル−
4(3H)ピリミジノンを得た。 融点 134〜136 ℃ 元素分析値 C13H14N2O3S 278.33 理論値 C:56.10 H:5.07 N:10.06 計算値 C:56.18 H:4.99 N:10.12
【0024】参考例及び実施例5に準じて下記の化合物
を合成した。 実施例6 2−(4−クロロベンジル)スルフィニル−6−メチル
−4(3H)ピリミジノン 融点 139〜141 ℃ 元素分析値 C12H11N2O2SCl 282.74 理論値 C:50.98 H:3.92 N:9.91 計算値 C:51.14 H:3.88 N:9.91
【0025】実施例7 2−(2−クロロベンジル)スルフィニル−6−メチル
−4(3H)ピリミジノン 融点 123〜124.5 ℃ 元素分析値 C12H11N2O2SCl 282.74 理論値 C:50.98 H:3.92 N:9.91 計算値 C:51.18 H:3.89 N:10.00
【0026】実施例8 2−(3,4,5−トリメトキシベンジル)スルフィニ
ル−6−メチル−4(3H)ピリミジノン 融点 165〜166 ℃ 元素分析値 C15H18N2O5S 338.38 理論値 C:53.24 H:5.36 N:8.28 計算値 C:52.82 H:5.33 N:8.17
【0027】実施例9 2−(2−ニトロベンジル)スルフィニル−6−メチル
−4(3H)ピリミジノン 融点 158〜161 ℃ 元素分析値 C17H13N3O4S 355.37 理論値 C:57.46 H:3.69 N:11.82 計算値 C:57.38 H:3.60 N:11.48
【0028】次に、本発明化合物の試験方法及び試験デ
ータを示す。 試験例1 チロシナーゼに対する酵素阻害作用 マッシュルーム由来のチロシナーゼを酵素源として、本
発明化合物の酵素阻害作用を検討した。すなわち、10
mMのドーパに被験化合物及び酵素を添加し、37℃でイ
ンキュベーションした。反応停止後、生成された赤紫色
の反応溶液を490nmにて吸光度測定した。結果は被験
化合物無添加群からの抑制率を示す。
【0029】試験例1−A コウジ酸 0.1mM(濃度) 40.6% 実施例2の化合物 3.0mM(濃度) 97.8%
【0030】試験例1−B コウジ酸 0.1mM(濃度) 51.2% 実施例5の化合物 3.0mM(濃度) 94.8%
【0031】試験例2 B−16細胞におけるメラニン
量への影響 マウスB−16メラノーマ細胞を10%FBS及び90
μg/mlのテオフィリンを含むダルベッコ変法イーグル
培地に2日間培養後、被験化合物を4日間添加した。最
終添加の翌日に及川らの方法によりメラニンを抽出し、
吸光度計を用い400nmにてメラニン量を測定した。結
果は被験化合物無添加群を対照群として細胞106 個当
たりの抑制率を示す。
【0032】試験例2−A コウジ酸 3.0mM(濃度) 40.0% 実施例2の化合物 3.0mM(濃度) 17.5%
【0033】試験例2−B コウジ酸 3.0mM(濃度) 40.0% 実施例5の化合物 3.0mM(濃度) 30.4%
【0034】試験例3 安全性 マウスでの皮下投与における急性(単回投与)毒性試験
をup and down 法を用いて実施した。すなわち、ddy
系雄性マウスの頸部皮下に被験物質を投与後、一般症状
並びに死亡の有無を一週間観察した。 実施例2の化合物 LD50(g/kg) > 1.0 実施例5の化合物 LD50(g/kg) > 1.0
【0035】次に、本発明化合物を配合処方した各種製
剤の処方例を示すが、勿論、これらにのみ限定されるも
のではない。以下、処方例に示す数値は重量%を示す。 処方例1(化粧水) 実施例2の化合物(Na塩) 3.0 カルボキシビニルポリマー 0.5 グリセリン 3.5 エタノール 12.0 香料 微量 精製水 残量
【0036】処方例2(軟膏) 実施例5の化合物 1.0 プロピレングリコール 10.0 白色ワセリン 24.0 セタノール 26.0 ポリオキシエチレン40モノステアレート 5.0 パラオキシ安息香酸エステル 0.1 エデト酸二ナトリウム 0.01 精製水 残量
【0037】処方例3(乳液) 実施例2の化合物 0.5 ステアリン酸 1.0 セタノール 2.0 スクワラン 4.0 ワセリン 2.0 グリセリン 2.0 塩化ベンザルコニウム 0.02 香料 微量 精製水 残量
【0038】処方例4(化粧水) 実施例5の化合物 1.0 グリセリン 4.0 オレイルアルコール 0.1 プロピレングリコール 5.0 ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル 1.0 ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.8 エタノール 10.0 パラオキシ安息香酸エステル 0.1 香料 微量 精製水 残量
【0039】処方例5(パック剤) 実施例5の化合物 0.3 ポリビニルアルコール 17.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 5.5 プロピレングリコール 3.5 エタノール 10.0 ジブチルヒドロキシトルエン 0.01 パラオキシ安息香酸エステル 0.05 香料 微量 精製水 残量
【0040】処方例6(ローション剤) 実施例2の化合物 0.5 1,3−ブチレングリコール 4.0 エタノール 13.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 8.0 パラオキシ安息香酸エステル 0.1 ウエン酸 0.1 クエン酸ナトリウム 0.3 エデト酸二ナトリウム 0.01 精製水 残量
【0041】処方例7(クリーム剤) 実施例2の化合物 0.5 L−乳酸 2.0 1,3−ブチレングリコール 5.0 モノステアリン酸ポリオキシエチレングリコール 2.0 自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 4.5 DL−乳酸カリウム 4.5 ベヘニルアルコール 1.0 エイコサンテトラエン酸 2.0 流動パラフィン 1.0 トリオクタン酸グリセリル 10.0 パラオキシ安息香酸エステル 0.2 香料 微量 精製水 残量
【0042】処方例8(パック剤) 実施例5の化合物 1.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5 グリセリン 3.8 リノレン酸 0.5 スクワラン 1.2 L−乳酸ナトリウム 5.8 ポリビニルアルコール 14.0 エタノール 10.0 パラオキシ安息香酸エステル 0.1 香料 微量 精製水 残量
【0043】処方例9(ローション剤) 実施例2の化合物 0.5 エタノール 10.0 ポリオキシエチレン(20)ラウリルエーテル 0.5 プロピレングリコール 1.0 グリセリン 2.0 香料 微量 精製水 残量
【0044】処方例10(クリーム剤) 実施例5の化合物 2.0 ステアリン酸 6.0 ステアリルアルコール 5.0 ステアリン酸ブチルアルコールエステル 7.0 グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0 プロピレングリコール 11.0 グリセリン 5.0 水酸化カリウム 0.2 エデト酸二ナトリウム 0.01 香料 微量 精製水 残量
【0045】処方例11(ゲル剤) 実施例2の化合物 3.0 エタノール 10.0 ジプロピレングリコール 15.0 ポリオキシエチレン(15)オレイルアルコールエーテル 2.0 カルボキシビニルポリマー 1.0 水酸化ナトリウム 0.15 L−アルギニン 0.1 紫外線吸収剤 微量 香料 微量 パラオキシ安息香酸エステル 微量 精製水 残量
【0046】処方例12(クリーム剤) 実施例5の化合物 3.0 ステアリン酸 2.5 セタノール 1.5 流動パラフィン 12.0 ワセリン 5.0 ポリエチレングリコール1500 3.05 グリセリン 1.0 エデト酸二ナトリウム 0.02 香料 微量 精製水 残量
【0047】
【発明の効果】本発明の一般式(I)で示される新規な
硫黄原子含有化合物はメラニン生合成に大きな影響を与
えるチロシナーゼ活性を顕著に阻害することが判明し、
美白化粧料としての利用が期待できるものである。すな
わち、本発明で得られたチアゾール類縁化合物を有効成
分とする皮膚外用剤となすことにより、日焼けによる皮
膚の黒色化、シミ、ソバカスの予防・改善を有する医
薬、医薬部外品又は化粧品としての美白化粧料が提供さ
れる。又、皮膚老化予防効果に優れた皮膚老化予防剤と
しての利用も可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/44 7252−4C 31/505 ADA 7252−4C C07D 239/56 8615−4C 401/12 239 8829−4C 405/12 213 8829−4C //(C07D 401/12 213:00 239:00) (C07D 405/12 213:00 317:00) (72)発明者 久保 順一 佐賀県鳥栖市田代大官町408番地 久光製 薬株式会社内 (72)発明者 下園 雄治 佐賀県鳥栖市田代大官町408番地 久光製 薬株式会社内 (72)発明者 迎 瑞恵 佐賀県鳥栖市田代大官町408番地 久光製 薬株式会社内 (72)発明者 太田 重雄 佐賀県鳥栖市田代大官町408番地 久光製 薬株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 〔式中、Yは 又は (式中、Rは低級アルキル基、フェニル基又は置換フェ
    ニル基を意味する。)、Xは−A−COOH(式中、A
    はアルキレン基又はチオアルキレン基を意味する。)又
    は−CH2 −B(式中、Bはフェニル基、置換フェニル
    基、ピリジル基又は置換ピリジル基を意味する。)、n
    は0〜1の整数を意味する。〕で示される硫黄原子含有
    化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の硫黄原子含有化合物を有
    効成分とすることを特徴とする皮膚外用剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の硫黄原子含有縁化合物か
    らなるチロシナーゼ活性阻害剤。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の硫黄原子含有化合物を含
    有することを特徴とする美白剤化粧料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105061408A (zh) * 2015-07-15 2015-11-18 湖南科技大学 5-取代-3-[5-羟基-4-吡喃酮-2-基-甲硫基]-4-羟基苯甲氨基-1,2,4-三唑类化合物及其用途
CN105669659A (zh) * 2016-04-17 2016-06-15 湖南科技大学 5-取代-3-[5-羟基-4-吡喃酮-2-基-甲硫基]-4-取代苯亚甲氨基-1,2,4-三唑类化合物及其应用

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