JPH05221856A - 創傷治癒促進剤 - Google Patents

創傷治癒促進剤

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JPH05221856A
JPH05221856A JP31993991A JP31993991A JPH05221856A JP H05221856 A JPH05221856 A JP H05221856A JP 31993991 A JP31993991 A JP 31993991A JP 31993991 A JP31993991 A JP 31993991A JP H05221856 A JPH05221856 A JP H05221856A
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wound healing
pbn
cure
dmpo
mixture
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Kunihiko Kato
邦彦 加藤
Masatoshi Nakano
昌俊 中野
Geiru Katoraa Richiyaado
ゲイル カトラー リチャード
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RUIBOSUTEII JAPAN KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ニトロン化合物、又はニトロソ化合物等の活
性酸素を捕捉・消去する作用を有する物質、またはこれ
らの1種以上の混合物を主成分とする創傷治癒促進剤。 【効果】 老齢者あるいはペットの老齢個体等の蛋白質
代謝、細胞の再性能を改善し、ヒトを含む哺乳動物の外
傷、火傷、移植、手術などの傷の治療を促進する効果が
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、創傷治癒促進剤、また
活性酸素を捕捉・消去することにより創傷治癒を促進す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、創傷治療剤は数多くあるが、
いずれも治癒が遅く効果が明確でなかった。また創傷治
癒を促進するものは知られておらず、本発明は新規な創
傷治癒促進剤を提供するものである。
【0003】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
創傷治癒促進剤について鋭意研究した結果、活性酸素あ
るいはフリー・ラジカルを消去すれば、蛋白質代謝、細
胞の再生等がおき、また老年者の代謝を活発にして創傷
治癒を促進しすることを見出し、また、ニトロン化合
物、ニトロソ化合物等のいずれか、又はこれらの混合物
が活性酸素あるいはフリー・ラジカルを捕捉・消去し、
創傷治癒を促進するとの知見を得て本発明を完成した。
【0004】本発明に係わる創傷治癒の促進とは、ヒト
を含む哺乳動物の外傷、火傷、移植、手術などの傷の治
療を促進するものである。
【0005】本発明の創傷治癒促進剤は、ニトロン化合
物として、PBN(α−フェニル−N−t−ブチルニト
ロン)、DMPO(5,5−ジメチルピロリンNオキシ
ド)、POBN(α−4−ピリジル1−オキシド−N−
tブシルニトロン)のいずれか、またはこれらの1種以
上の混合物が挙げられ、またニトロソ化合物としては、
tNB(t−ニトロソブタン)、BNB(t−ブチルニ
トロソベンゼン)のいずれか、またはこれらの1種以上
の混合物が挙げられる。
【0006】また、本発明はこれらのニトロン化合物、
ニトロソ化合物のいずれか、またはこれらの1種以上の
混合物を主成分とする組成物で、PBN、DMPOなど
を活性成分とするものであり、適当な薬理学的に許容さ
れる添加剤(増量剤、希釈剤)等と混合して適当な医薬
組成物とすることが可能である。
【0007】また、PBN等の毒性は低く、マウスおよ
びラットにおけるLD50は1.1g/kg以上である
ので、人体に用いても副作用がすくない。
【0008】この組成物は、有効成分を生理学的に許容
されうる担体、賦形剤、結合剤、希釈剤と混合し、たと
えば顆粒剤、粉剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、塗布
剤、シロップ、坐剤、注射剤として経口または非経口的
に投与される。
【0009】本発明の組成物の投与量は、疾病の種類、
症状、年齢、投与方法などにより異なるが、経口的に用
いる場合は、ラットの場合、0.32〜75mg/kg
体重、従って、成人(60kg標準体重)一日当り19
mg〜4500mg、好ましくは70〜960mgの範
囲になるように投与される。叉、本発明の組成物を生理
食塩水と混合するときはPBNおよびDMPOいずれの
場合も0.5〜1.0%の割合で溶解することが好まし
い。
【0010】
【作用】活性酸素が捕捉・消去されると過酸化資質がで
きにくくなり、さらにタンパク質又はDNAの架橋結合
ができにくくなって血管拡張作用と血流改善が生じて各
種創傷の治癒を促進するものと考えられる。
【0011】また、本発明は、PBNあるいはDMPO
等を経口投与あるいは静脈注射、腹腔内注射などでヒト
あるいはペットなどの哺乳動物に投与することによっ
て、活性酸素あるいはフリー・ラジカルを捕捉・消去
し、また血管を拡張して血流を改善し各種創傷の治癒を
促進する。
【0012】
【効果】本発明は、老齢者あるいはペットの老齢個体の
蛋白質代謝、細胞の再性能を改善し、ヒトを含む哺乳動
物の外傷、火傷、移植、手術などの傷の治療を促進する
効果がある。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的
に説明する。
【0014】[動物]実験には、6から10週齢及び5
から6ヶ月齢の若齢動物と24ヵ月齢の老齢動物、F3
44系(チャールス・リバー)およびウィスター系ラッ
ト(SRL)を用いた。動物は、入手後すべて12時間
明暗サイクル(午前7時から午後7時まで明期)の室温
24±1℃、相対湿度55±5%の飼育室で餌(オリエ
ンタル酵母、固形飼料)および水を自由摂取下で飼育し
た。
【0015】[薬剤]PBNを生理食塩水に3.2mg
/ml[0.32%(w/v)]の割合で、DMPOを
生理食塩水に2mg/ml[0.2%(w/v)]の割
合で溶解し投与した。投与量はラット体重100gあた
り1.0mlとした。
【0016】[薬剤の投与]PBNを投与したラット1
0匹をPBN投与群、DMPOを投与したラット10匹
をDMPO投与群とし、また生理食塩水だけを投与した
マウス10匹をコントロール群とした。
【0017】[創傷治癒の促進]ラットの皮膚に人工的
に傷口を作製し、傷が治癒するまでの期間を測定した。
図1に示すように、PBNを投与した若齢ラットと老齢
ラットの創傷治癒に要する日数は、老齢ラットでは若齢
動物とほぼ同じレベルとなった。このことは、PBNに
よって蛋白質の代謝あるいは細胞の再生が著しく促進し
て、創傷治癒の促進効果が生じたものと考えられる。
【0018】PBN同様にDMPOを用いてラットの創
傷治癒の促進を測定し、その結果を表1に示す。
【表1】 表1より、DMPOを投与した場合も老齢動物の創傷治
癒に要する日数が短縮でききることが判明した。
【図表の簡単な説明】
【図1】ラット皮膚の傷の治癒期間を示す図。
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月5日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、創傷治癒促進剤、また
活性酸素を捕捉・消去することにより創傷治癒を促進す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、創傷治療剤は数多くあるが、
いずれも治癒が遅く効果が明確でなかった。また創傷治
癒を促進するものは知られておらず、本発明は新規な創
傷治癒促進剤を提供するものである。
【0003】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
創傷治癒促進剤について鋭意研究した結果、活性酸素あ
るいはフリー・ラジカルを消去すれば、蛋白質代謝、細
胞の再生等がおき、また老年者の代謝を活発にして創傷
治癒を促進しすることを見出し、また、ニトロン化合
物、ニトロソ仕合物等のいずれか、又はこれらの混合物
が活性酸素あるいはフリー・ラジカルを捕捉・消去し、
創傷治癒を促進するとの知見を得て本発明を完成した。
【0004】本発明に係わる創傷治癒の促進とは、ヒト
を含む哺乳動物の外傷、火傷、移植、手術などの傷の治
療を促進するものである。
【0005】本発明の創傷治癒促進剤は、ニトロン化合
物として、PBN(α−フェニル−N−t−ブチルニト
ロン)、DMPO(5,5−ジメチルピロリンNオキシ
ド)、POBN(α−4−ピリジル1−オキシド−N−
tブシルニトロン)のいずれか、またはこれらの1種以
上の混合物が挙げられ、またニトロソ化合物としては、
tNB(t−ニトロソブタン)、BNB(t−ブチルニ
トロソベンゼン)のいずれか、またはこれらの1種以上
の混合物が挙げられる。
【0006】また、本発明はこれらのニトロン化合物、
ニトロソ化合物のいずれか、またはこれらの1種以上の
混合物を主成分とする組成物で、PBN、DMPOなど
を活性成分とするものであり、適当な薬理学的に許容さ
れる添加剤(増量剤、希釈剤)等と混合して適当な医薬
組成物とすることが可能である。
【0007】また、PBN等の毒性は低く、マウスおよ
びラットにおけるLD50は1.1g/kg以上である
ので、人体に用いても副作用がすくない。
【0008】この組成物は、有効成分を生理学的に許容
されうる担体、賦形剤、結合剤、希釈剤と混合し、たと
えば顆粒剤、粉剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、塗布
剤、シロップ、坐剤、注射剤として経口または非経口的
に投与される。
【0009】本発明の組成物の投与量は、疾病の種類、
症状、年齢、投与方法などにより異なるが、経口的に用
いる場合は、ラットの場合、0.32〜75mg/kg
体重、従って、成人(60kg標準体重)一日当り19
mg〜4500mg、好ましくは70〜960mgの範
囲になるように投与される。叉、本発明の組成物を生理
食塩水と混合するときはPBNおよびDMPOいずれの
場合も0.5〜1.0%の割合で溶解することが好まし
い。
【0010】
【作用】活性酸素が捕捉・消去されると過酸化資質がで
きにくくなり、さらにタンパク質又はDNAの架橋結合
ができにくくなって血管拡張作用と血流改善が生じて各
種創傷の治癒を促進するものと考えられる。
【0011】また、本発明は、PBNあるいはDMPO
等を経口投与あるいは静脈注射、腹腔内注射などでヒト
あるいはペットなどの哺乳動物に投与することによっ
て、活性酸素あるいはフリー・ラジカルを捕捉・消去
し、また血管を拡張して血流を改善し各種創傷の治癒を
促進する。
【0012】
【効果】本発明は、老齢者あるいはペットの老齢個体の
蛋白質代謝、細胞の再性能を改善し、ヒトを含む哺乳動
物の外傷、火傷、移植、手術などの傷の治療を促進する
効果がある。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的
に説明する。
【0014】[動物]実験には、6から10週齢及び5
から6ヶ月齢の若齢動物と24ヵ月齢の老齢動物、F3
44系(チャールス・リバー)およびウィスター系ラッ
ト(SRL)を用いた。動物は、入手後すべて12時間
明暗サイクル(午前7時から午後7時まで明期)の室温
24±1℃、相対湿度55±5%の飼育室で餌(オリエ
ンタル酵母、固形飼料)および水を自由摂取下で飼育し
た。
【0015】[薬剤]PBNを生理食塩水に3.2mg
/ml[0.32%(w/v)]の割合で、DMPOを
生理食塩水に2mg/ml[0.2%(w/v)]の割
合で溶解し投与した。投与量はラット体重100gあた
り1.0mlとした。
【0016】[薬剤の投与]PBNを投与したラット1
0匹をPBN投与群、DMPOを投与したラット10匹
をDMPO投与群とし、また生理食塩水だけを投与した
マウス10匹をコントロール群とした。
【0017】[創傷治癒の促進]ラットの皮膚に人工的
に傷口を作製し、傷が治癒するまでの期間を測定した。
図1に示すように、PBNを投与した若齢ラットと老齢
ラットの創傷治癒に要する日数は、老齢ラットでは若齢
動物とほぼ同じレベルとなった。このことは、PBNに
よって蛋白質の代謝あるいは細胞の再生が著しく促進し
て、創傷治癒の促進効果が生じたものと考えられる。
【0018】PBN同様にDMPOを用いてラットの創
傷治癒の促進を測定し、その結果を表1に示す。
【表1】表1より、DMPOを投与した場合も老齢動物
の創傷治癒に要する日数が短縮でききることが判明し
た。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】ラット皮膚の傷の治癒期間を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 283/04 6917−4H C07D 213/89 // C07D 207/46 7019−4C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニトロン化合物、又はニトロソ化合物等
    の活性酸素を捕捉・消去する作用を有する物質、または
    これらの1種以上の混合物を主成分とする創傷治癒促進
    剤。
  2. 【請求項2】 ニトロン化合物が、PBN(α−フェニ
    ル−N−t−ブチルニトロン)、DMPO(5,5−ジ
    メチルピロリンNオキシド)、POBN(α−4−ピリ
    ジル1−オキシド−N−tブシルニトロン)のいずれ
    か、またはこれらの1種以上の混合物で、ニトロソ化合
    物がtNB(t−ニトロソブタン)、BNB(t−ブチ
    ルニトロソベンゼン)のいずれか、またはこれらの1種
    以上の混合物であることを特徴とする請求項1記載の創
    傷治癒促進剤。
  3. 【請求項3】 活性酸素を捕捉・消去することにより創
    傷の治癒を促進する方法。
JP31993991A 1991-11-07 1991-11-07 創傷治癒促進剤 Expired - Fee Related JP3167763B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100399987B1 (ko) * 1999-11-17 2003-09-29 이재용 창상(創傷)부위의 조직세포 증식 촉진액
EP1876738A2 (en) 1995-11-22 2008-01-09 Fujitsu Limited Optical communication system using phase conjugation
JP2008105991A (ja) * 2006-10-25 2008-05-08 Kao Corp S100a8発現促進剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1876738A2 (en) 1995-11-22 2008-01-09 Fujitsu Limited Optical communication system using phase conjugation
KR100399987B1 (ko) * 1999-11-17 2003-09-29 이재용 창상(創傷)부위의 조직세포 증식 촉진액
JP2008105991A (ja) * 2006-10-25 2008-05-08 Kao Corp S100a8発現促進剤

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