JPH05219418A - 合焦検出装置 - Google Patents

合焦検出装置

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JPH05219418A
JPH05219418A JP4017416A JP1741692A JPH05219418A JP H05219418 A JPH05219418 A JP H05219418A JP 4017416 A JP4017416 A JP 4017416A JP 1741692 A JP1741692 A JP 1741692A JP H05219418 A JPH05219418 A JP H05219418A
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徹 石井
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秀悟 福岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 疑似ピークでフォーカスレンズの駆動を止め
ることなく、かつ大ボケ時に誤測距が発生しない合焦検
出装置を提供する。 【構成】 合焦方向にフォーカスレンズを駆動した後ヒ
ストグラムデータ入力と評価値演算が行なわれる(#3
5−#39)。評価モードが大ボケモードであるとき、
評価値が第2のしきい値以下となったときは通常AFモ
ードに切換えて再びレンズ駆動が行なわれるが(#41
−#45,#35)、評価値が第2のしきい値を上回り
ながら減少しなくなった場合には疑似ピークモードに至
る(#43,#47−#51)。#41において評価モ
ードが通常モードであるときは、評価値が第3のしきい
値以下であるか否かを調べ、前回の評価モードとの関係
に応じて所定の処理を行ない、評価値が減少しなくなっ
たときはレンズが合焦点に達したとの判断を行なう(#
61−#69)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は映像信号を用いて合焦
動作を行なう合焦検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ビデオカメラなどの電子的に被写
体を撮影するカメラでは、映像信号を使って合焦状態か
否かを検出し、その検出信号を使った自動合焦装置が使
われている。その多くは、映像信号中の高周波成分が合
焦時に最大になることを利用したものである。また、一
部には、被写体のエッジ部の幅がピントがあったときに
もっとも短いことに着目し、エッジ立上り幅を評価値と
して合焦動作するものが提案されている。
【0003】次に、この状態を図19を参照して説明す
る。図19の(A)は合焦状態を示す図であり、(B)
は非合焦状態を示す図である。図において枠30内は測
距領域を示す。たとえば合焦状態においては測距領域内
のあるエッジ部分のCCD上の受光量分布は一番下の欄
に示すような状態となる。ここで各枠で囲まれた部分は
CCD上の各画素を示す。合焦状態においては暗(受光
量小)から明(受光量大)あるいは明から暗への変化が
非常に少ない画素で行なわれている。この場合のCCD
輝度の受光量変化を示すグラフを作成すると真中の欄に
示すようになる(この場合の状態をエッジ立上り時間
が、Δピッチであると定義する)。これに対し被写体が
非合焦状態にある場合には、(B)に示すような状態に
なり、エッジ立上り時間(Δ´ピッチ)は合焦時の場合
に比べて大きくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記、高周波成分を利
用する方法は、フォーカスレンズを一旦動かすか、ある
いは常時微動させて高周波成分が増加する方向を検出
し、この方向にレンズを動かしながら高周波成分が最大
になる位置を捜してこの位置にフォーカスレンズを止め
るという、いわゆる山登り方式にてピント合わせを行な
うものである。
【0005】この方式の場合、たとえば格子のようなエ
ッジが隣接して並ぶような被写体をピントが大きく外れ
た状態で撮影すると、撮影レンズMTF特性のコントラ
スト反転部分が原因となって、ピントが外れた状態にも
かかわらず、コントラストが極大値を示す位置(疑似ピ
ーク)でフォーカスレンズの駆動を止めてしまうという
不都合が生じる。
【0006】一方、被写体のエッジ立上り幅を評価値と
して合焦動作するものは、上記高周波成分を利用する場
合に比べて合焦精度を高められる上、さらに立上り幅に
より合焦点からのボケ具合を演算することが可能であ
る。しかしながら、大ボケ時には隣接エッジ間で干渉が
起こり、正しい非合焦量を算出することが困難であり、
解像度の高いシステムで大ボケ時には誤測距が発生しや
すくなるという不都合が生じる。
【0007】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、疑似ピークでフォーカスレンズ
の駆動を止めるようなことはなく、かつ大ボケ時に誤測
距が発生しにくい合焦検出装置を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る、撮像手
段によって得られた映像信号から被写体のエッジ幅のヒ
ストグラムを撮像手段の撮像画面内の所定の範囲につい
て求め、このヒストグラムの代表値を評価値として合焦
判定を行なう合焦検出装置は、被写体のエッジ幅を評価
するヒストグラムを作成する手段と、被写体のコントラ
ストを検出する手段と、ヒストグラムの代表値を合焦判
定用の所定値と比較する手段と、コントラストが極大値
であることを判定する極大値判定手段と、比較手段の比
較結果および極大値判定手段の判定結果に応じて被写体
が合焦点にあると判定する判定手段とを含む。
【0009】
【作用】映像信号から得られた被写体のエッジ幅のヒス
トグラムとともに被写体のコントラストが検出される。
被写体のコントラストが極大であると判断されても、被
写体エッジ幅を評価するヒストグラムの代表値が合焦判
定用の所定値よりも小さくないときは判定手段は被写体
が合焦にあるとは判定しない。
【0010】
【実施例】図1はこの発明に係る合焦検出装置の主要部
を示すブロック図である。図1を参照して、この発明に
係る合焦検出装置は、撮像レンズ1と、撮像レンズ1を
通った被写体光を結像する撮像手段(以下CCDと略
す)2とを含む。CCD2は光学像を電気信号に変換す
る。変換された電気信号はアナログ信号であり、次のA
/D変換回路3でデジタル信号に変換された後、さらに
差分回路4で画素間の信号レベル差、すなわち微分信号
(差分信号)に変換される。変換された信号はエッジ検
出回路5へ送られ、そこで微分信号のゼロクロス点から
ゼロクロス点に至るまでの画素数がカウントされ、エッ
ジ幅が検出される。エッジ検出回路5の出力は画面全体
であるので、ゲート処理回路6により測距エリア部分の
みが抽出され、ヒストグラム生成回路7で各エッジ幅ご
とにエッジ数をカウントしてヒストグラムを作成する。
その結果はマイコン8に取込まれ、後述の所定の演算の
後、合焦動作が行なわれる。
【0011】なお、測距エリアは後述のマイコン8、ア
ドレス設定回路9により制御され、ゲート処理回路6で
その大きさ、位置、形が決定される。マイコン8および
アドレス設定回路9は、m×n分割ゲート処理回路1
0、エッジ総数エッジ幅総和検出回路11より得られる
画面内被写体位置情報、および図示しない焦点距離情
報、絞り情報、フォーカスレンズの位置情報等を用いて
測距エリアを制御する。この測距エリアの制御について
は後に詳述する。
【0012】次に図1に示した構成の動作を図1−図3
を参照して説明する。図2は図1の回路構成をより詳細
に説明した図であり、図3は図2に示した各ブロックに
おける概略の信号図である。
【0013】最初に大ボケ状態ではない通常のAF動作
について説明する。図1の撮像レンズ1を通り、CCD
2上に結像した被写体光を電気変換した輝度信号(図2
中のY信号)がA/D変換回路3によりたとえば8ビッ
トのデジタル信号に変換され、差分回路4に入力され
る。このデジタル信号は2系統に分割され、1つはその
まま減算回路14に入力され、他方はN段のディレー回
路13a−13nに入力された後、同じく減算回路14
に入力される。N段のディレー回路13a−13nのう
ちどの段の信号を使うかは後述のマイコン8により制御
される。
【0014】この制御は、たとえば、まず最初は1段デ
ィレー回路13a(差分ピッチ1)を選択し、差分デー
タが得られないときあるいは得られてもこのデータの代
表値(たとえば後述のヒストグラム平均値y)が現在選
択している差分ピッチに比べて十分大きいときには、次
回に1段大きいディレー段数を選択して差分ピッチを広
げるというように差分ピッチの小さいほうから有効デー
タの有無を調べていくものである。
【0015】これによりたとえば被写体が低周波であっ
たり、低コントラストであるような場合には、ノイズの
影響を除去するとともに有効な差分データ(微分データ
(図3の微分値の部分参照))が得られると同時に、逆
に高周波被写体の場合には、高周波成分の折り返し歪が
含まれない差分データが得られる。また、合焦時は高周
波成分が増加し、非合焦時は低周波成分が多いことよ
り、非合焦時はディレー回路13a−13nの段数を大
きくし、合焦に近付くにつれ、ディレー回路13a−1
3nの段数を少なくするような制御も行なわれる。減算
回路14で差分信号(微分信号)が作成される。作成さ
れた微分信号は再び2系統に分割される。
【0016】分割された微分信号の1つは、絶対値化回
路15により絶対値化される。また、他方はそのままゼ
ロクロス検出回路18に入力されるか、あるいは前述と
同様の方法にてさらに微分(差分)を行なって得られる
二階微分(差分)信号がゼロクロス検出回路18に入力
され、信号がゼロになる点を検出するごとにパルスを発
生する(図3のゼロクロス信号を参照して、微分値が0
になるごとに像信号が明と暗の間で判定している)。な
お、図2に示した構成は後者(二階微分)に対応する。
【0017】この発生パルスを受け、絶対値化されたデ
ータのうち、上記ゼロクロス点からゼロクロス点までの
信号を加算回路16で加算する(図3の積分値の項を参
照して、微分値で示された部分の信号が加算される)。
加算した結果は次段の判定回路17に入力され、外乱ノ
イズを除去するためにマイコン8にて設定される所定の
輝度差レベル(=k)との比較を行なう。所定レベル以
下の場合はこの加算値は無効とし、以降のAF演算には
使用しない。所定レベル以上の場合のみ有効データとし
て採用する。
【0018】なお、kの値は必ずしも一定値である必要
はなく、たとえば撮像カメラ部のAGCレベルに基づ
き、AGCが大のときにはkをより大きな値に設定する
ことで、低照度時にAGCレベルが上り、ノイズが増大
した場合にも被写体エッジのみを検出することができ
る。
【0019】さらにゼロクロス検出回路18からの発生
パルス間のクロック数をカウントするエッジ幅カウント
回路19により、微分値のゼロからゼロまでの時間すな
わち被写体エッジの幅をカウントする(図3のカウント
値の項参照)。カウントした結果は前記判定回路による
有効データの判定がでた場合に上記カウント値をデコー
ドする。デコードするための回路がカウント値デコード
回路20である。
【0020】その後デコード値は2系統に分割され、1
つは測距エリア制御用のゲート処理回路6を経てヒスト
グラムカウンタ7に入力される。他方はm×n分割ゲー
ト処理回路10を経てエッジ総数エッジ幅総和検出回路
11に入力される。
【0021】ヒストグラムカウンタ7は測距エリア内全
域にわたる被写体エッジの立上り時間(エッジ幅)とエ
ッジの数をメモリする。このメモリした値は映像信号の
垂直帰線期間にマイコン8側に伝達され、マイコン8内
では図4に示すように横軸にエッジ立上り時間、縦軸に
度数をとったヒストグラム分布が作成される。
【0022】図中斜線の部分は非合焦であり、白枠部は
略合焦状態を示す。今、立上り時間をΔti(i=1,
2,…,n)、度数をNi(i=1,2,…,n)とす
ると、このヒストグラム平均値yは、
【0023】
【数1】
【0024】となる。yが1に近付くほど合焦度は高く
なるのだが、実際は被写体においてはエッジがはっきり
としたものからにじんだものまであり、合焦点で必ずし
も1にはならない。したがって、合焦と判定するyは撮
像レンズのMTF、映像回路の周波数特性、撮影条件な
どによって変化するが、NTSC4fscのサンプリン
グの場合、3〜5程度(二階差分信号を用いたときはこ
の半分程度)以下で合焦と見なせる。
【0025】今、フォーカスレンズの繰り出し量をxと
すると、図5に示すようにyはxに対して直線的に変化
する。これは点光源のCCD上への投写像、すなわち錯
乱円の直径がフォーカスレンズの移動量に対して直線的
に変化するのと同じ理由である。
【0026】ここにyとxの関係は、 y=a+bx で表されるため、合焦時のyをy0 とすると、合焦点で
のフォーカスレンズの繰り出し量x0 は、 x0 =(y0 −a)/b なる式で求められ、この値にに応じてフォーカスレンズ
を動かせば合焦に至る。
【0027】なお、a,bの値については、たとえば過
去n回のx(x1 ,x2 ,…xn )とy(y1 ,y2
…yn )から
【0028】
【数2】
【0029】なる式で求めることができる。ただし最初
の駆動方向については、フォーカスレンズを微小駆動
し、yが増加するか減少するかに基づいて判断する必要
がある。
【0030】一方m×n分割処理ゲート処理回路10、
エッジ総数エッジ幅総和検出回路11では画面内の分割
小エリアごとのエッジ情報すなわち画面内被写体位置情
報が生成され、マイコン8へ出力される。マイコン8は
該情報および図示されない焦点距離情報、絞り情報、フ
ォーカスレンズの位置情報などに基づき測距エリア決定
演算を行ない、その演算結果に基づいてアドレス設定回
路9に測距エリアデータを出力する。
【0031】次に大ボケ状態時の説明を図6−8を参照
して行なう。大ボケ状態においては隣接するエッジ間で
干渉が起こるため、上記のようなエッジ幅を利用して合
焦判定を行なう方式では正確な焦点検出を行なうことが
できない。図6を参照してさらに詳しく説明する。
【0032】図6はその左側に実際の撮像画面を示し、
右側に左側に示した撮像画に対するCCDの受光量の変
化を示す。白と黒がある周期で規則的に繰返すようなパ
ターンを撮影した際に、フォーカスレンズを動かして合
焦→非合焦と変化させると、撮像画のピークからピーク
までの輝度差はまず単調に減少し、エッジ幅は単調に増
大していく(図6(a)→(b))。デフォーカスに基
づくエッジが広がり、隣接するエッジの広がりと干渉す
るまで大きくなると、エッジ幅の増大は止まり、ピーク
からピークまでの輝度差の減少のみ続きやがて0になる
(図6(b)→(c))。
【0033】さらにデフォーカス量を増大させていく
と、撮像画のパターンは原画と明暗が反転してエッジ幅
は変わらないまま輝度差は増加していき、ある点で極大
となる(図6(d)→(e))がこの輝度差は合焦点の
それと比べると小さい。
【0034】図6の(b)よりデフォーカスが大きい場
合には、フォーカスレンズを駆動しても検出エッジ幅Δ
t1が変化しないため、このときはエッジ幅ではなく、
エッジ部分の輝度差(コントラスト)を評価する必要が
ある。コントラスト評価の一例としては図6に示す規定
値k瑤を設け、エッジ立上り点から、この点からの信号
レベル差がk瑤に達する点までの幅Δt´をもって前述
のヒストグラム作成を行ない、このヒストグラムの代表
値(たとえば平均値もしくは重心値など)をコントラス
ト評価値とする方法がある。
【0035】この場合、このヒストグラムの代表値が小
さくなる方向がコントラストが増大する方向であるた
め、この方向に合焦駆動を行なう。このときのAF動作
はボケ方向の検出のみを行なう。すなわち、通常のAF
動作と異なり、図2の判定回路17はカウント値デコー
ド回路20の制御のみならず、加算回路16からの出力
が所定レベルを越える期間は(図7の積分値の項で判定
レベルを越える期間)は、エッジ幅カウント回路19へ
カウント禁止信号を出力し、この間エッジ幅のカウント
を停止する(図7のカウント値の項参照)。
【0036】なお、所定レベルは前述のkに等しく設定
してあればよいが、その輝度差がkに比べて十分大きな
エッジに対しては、k´をより大きな値に設定すること
でより正確にコントラストを評価することができる。
【0037】しかしながらコントラストを合焦検出の評
価に用いる場合、前述の疑似ピークの問題が発生する。
図8を参照してこの疑似ピークについて詳しく説明す
る。
【0038】フォーカスレンズを合焦から非合焦と変化
させると、被写体のコントラスト(ここではレンズのあ
る周波数成分に対するレスポンスとする)は図8に示す
ように変化する。
【0039】すなわち、図8を参照して、デフォーカス
量dfが0<df<d1を満たす区間ではレスポンスは
dfの増加に対して単調減少し、かつその値は正である
(図6(a)〜(b)に対応)が、df=d1でレスポ
ンスは0となり(図6(c))、d1<df<d3では
レスポンスが負になるとともに、df=d2においてレ
スポンスは極値をとる(図6(d)〜(e))。このこ
とは、すなわちこの周波数成分を多く含む被写体を撮影
した場合、df=d2においては、非合焦状態であるに
もかかわらず撮像画のコントラストが極大になることを
意味している。
【0040】しかしながら、非合焦状態におけるレスポ
ンスの極値(図8のr2 ,r4 )はその絶対値の大きさ
が合焦点におけるレスポンスに比べて小さく、かつ合焦
点から遠ざかるほど小さい(図8において、|r0 |>
|r2 |>|r4 |)。
【0041】本件では大ボケ時にコントラストを焦点検
出の評価値とするにあたり、上記のような疑似ピークに
対して疑似ピークモードというモードを設定して対処す
る。これについては後述する。
【0042】コントラスト評価の別の例としては、コン
トラスト積算手段を設ける方法がある。これは図2にお
ける加算手段16、判定回路17、ゼロクロス検出回路
18からのそれぞれの出力を入力し、エッジの輝度差を
積算してマイコン8に出力する手段を図1、図2の構成
とは別に設け、本手段により得られる出力(コントラス
ト積算値)が増大する方向が合焦方向であるとしてAF
動作を行なうものである。
【0043】図9はそのコントラスト積算手段の回路構
成を説明した図である。輝度差デコード回路21には図
2の加算回路16よりエッジ部分の輝度差(図3の積分
値)、ならびに判定回路17より判定結果が入力され、
前記判定結果が有効データであるとの判定の場合に前記
輝度差がデコードされる。このデコード値はゲート処理
回路22を経て積算回路23に入力される。なお、ゲー
ト処理回路22は、図2のゲート処理回路6と同一のも
のである。
【0044】積算回路23では、図2のゼロクロス検出
回路から出力されるパルスを入力し、このパルスを受け
るごとにゲート処理回路22を介して得られる前記輝度
差を測距エリア内全域にわたって積算し、積算終了時も
しくは映像信号の垂直帰線期間にこの積算結果が図2の
マイコン8に転送される。
【0045】図10、図11を参照して、この発明に係
る合焦検出装置における非合焦から合焦に至るまでのシ
ーケンスを説明する。まず最初に評価モードを通常AF
に設定し(#11)、ヒストグラムデータを入力してそ
のヒストグラムより合焦度合を評価する評価値を求める
演算(以下評価値演算と称す)を行なう(#13,#1
5)。この評価値としてはヒストグラムの重心値や平均
値を用いる。なお、この評価値演算については後に詳述
する。
【0046】今#15の演算が通常AFモードであっ
て、得られた評価値が第1のしきい値よりも大きいとき
には評価モードを大ボケモードにしてもう1度データ入
力と評価値演算を行なう(#17でYES,#19,#
13,#15)。評価値演算が大ボケモードであるか通
常モードであっても評価値が第1のしきい値以下である
ときは(#17でNO)、ボケ方向の検出のためにフォ
ーカスレンズを微動する(#21)。
【0047】レンズ微動後に再度ヒストグラムデータを
入力して評価値演算を行ない(#23,#25)、前述
の評価値が減少する方向が合焦方向である(#27−N
o31)。こうして検出した方向にフォーカスレンズを
所定量駆動した後ヒストグラムデータ入力と評価値演算
を行なう(#33−#39)。
【0048】今、評価モードが大ボケモードであると
き、その評価値が第2のしきい値以下となった場合は通
常AFモードに切換えて再び#35の連続駆動に戻るが
(#41,#43でYES,#45,#35)、その評
価値が第2のしきい値を上回りながら減少しなくなった
場合には、後述の疑似ピークモードに至る(#43,#
47でNO,#49)。
【0049】#39の評価値演算の際の評価モードが通
常モードであるときは、評価値を第3のしきい値と比較
して、評価値が第3のしきい値以下であるときレンズ駆
動速度を減速してから前回の評価モードを大ボケモード
であったかどうかを調べる(#41でNO,#61−#
65)。前回評価モードが大ボケモードであるときは、
前回と今回との評価値を比較できないので、再度#35
に示したレンズ駆動に戻るが(#65でYES,#3
5)、前回評価モードが通常モードであるときは、前回
評価値と今回評価値とを比較する(#67)。
【0050】この結果、評価値が減少している場合には
#35に戻り、レンズ駆動を続ける(#65,#67で
YES,#35)、評価値が減少しなくなったときは、
レンズが合焦点に達したとの判断の下に、所定の被写体
変化検出動作に移行する(#67でNO,#69,#7
1)。#71の被写体変化検出動作では、たとえば#3
9と同じ評価値演算を所定周期ごとに行ない、得られた
評価値がある程度以上変化した場合に被写体が変化した
と判断する。上記検出動作の結果、被写体変化がないと
判断した場合には検出動作を繰返すが、被写体変化があ
ったと判断した場合にはAF動作を最初から行なう(#
71,#73でYES,#11)。
【0051】#43,#47の判断で評価値が第2の所
定値よりも大きいにもかかわらず、それ以上減少しなく
なったときには疑似ピークであると判断して、今回の合
焦動作の過程ですでに疑似ピークを検出しているか否か
を調べる(#51)。
【0052】疑似ピークを検出していない場合は疑似ピ
ーク検出フラグをセットし、今回の検出エッジ数を前回
の疑似ピーク検出エッジ数N0 としてストアした後、真
の合焦点を捜すべく、さらに同方向への駆動を続ける
(#53,#59,#33,#35)。疑似ピークをす
でに検出している場合は、今回の検出エッジ数と前回疑
似ピーク検出数N0 とを比較して今回検出エッジ数のほ
うが多いときは駆動方向は今までと同方向、今回検出エ
ッジのほうが少なければ今までと逆方向に方向設定して
から今回の検出エッジ数を前回疑似ピーク検出エッジ数
0 としてストアし、さらに駆動を続ける(#55−#
59,#33,#35)。
【0053】疑似ピークモードにおける本動作の意味
は、図8において|r0 |>r2 |>|r4 |であるよ
うに合焦点に近い疑似ピークほどコントラストが大きく
なる(検出エッジ数が増える)という現象を利用して、
合焦方向に連続駆動するということである。
【0054】なお、コントラスト積算手段を用いてコン
トラスト評価する場合の手順は、特に図示しないが、図
10,図11において評価モードが大ボケモードである
ときにのみヒストグラムデータ入力と評価値演算の部分
(#13−#15,#23−#25,#37−#39)
をコントラスト積算手段からの積算結果入力に置換える
とともに、同モード時の評価値どうしの比較の向きを逆
にする(#27,#47のYES,NOを逆にする)。
【0055】これはすなわち、前述のΔt´によるコン
トラスト評価の場合にはΔt´の減少方向がコントラス
トの増大方向であったのに対し、コントラスト積算手段
の場合は、積算結果の増大方向がそのままコントラスト
の増大方向であるためである。
【0056】また図11の疑似ピークモードにおいて
も、コントラスト積算手段を用いてコントラスト評価を
している場合は、#55,#59において今回の検出エ
ッジ数の代わりに今回のコントラスト積算結果を使い、
エッジ数ではなくコントラスト積算結果を今回と前回の
疑似ピーク検出時とで比較して合焦方向を検出する。
【0057】これにより、エッジ数を比較する場合より
も正確な方向検出が可能となる。なお、エッジ数とコン
トラスト積算結果はコントラストの増減に対する変化方
向は一致している(両者ともコントラストの増大方向で
増大する)ため、コントラスト積算結果を使う場合でも
#55のYES,NOはこのままでよい。
【0058】前述の評価値演算の例としてヒストグラム
の重心値を求める場合のシーケンスを図12に示す。図
中H(i),(i=1,2,…n)はi画素の幅の検出
エッジの度数を表し、図4の各立上り画素数に対する度
数と同じものである。同図中#81で各度数の総和の半
分SH を求め、#83〜#89で最小のエッジ幅の度数
から順次加算し、その結果Sがどのエッジ幅iでSH
越えるかを調べる。その後#91、#93でSH を越え
る前後のエッジ幅、すなわち(i−1)とiの間を直線
補間することにより、SH に相当するエッジ幅g(=ヒ
ストグラムの重心値)を求める。
【0059】次に測距エリアの設定方法について説明す
る。図2において、m×n分割ゲート処理回路10およ
びエッジ総数エッジ幅総和検出回路11では、画面内の
小分割エリアごとのエッジ情報、すなわち画面内被写体
位置情報が生成され、マイコン8へ出力される。マイコ
ン8はその情報および図示されない焦点距離情報・絞り
情報・フォーカスレンズの位置情報などに基づき測距エ
リア決定演算を行なう。さらにマイコン8はその演算結
果に基づいてアドレス設定回路9(図1参照)に測距エ
リアデータを出力する。
【0060】図13は図2のm×n分割ゲート処理回路
によって設定される分割小エリアを示したものである。
ij(i=1〜m、j=1〜n)は画面のほぼ全域をm
×n個に分割した小エリアの1つであり、i行j列番目
の小エリアを示す。前述のエッジ総数エッジ幅総和検出
回路11では、Aij内のエッジ総数Nijおよびエッジ幅
総和WSijがi=1〜m、j=1〜nの各小エリアごと
に計算され、マイコン8に出力される。
【0061】図14はマイコン8内で行なわれる測距エ
リア決定演算の説明図である。すべての小エリアのNij
およびWSijがマイコン8に入力されるとマイコン8は
現在設定されている測距エリアの大きさと同じ大きさの
評価エリアを小エリア領域の左上に設定する(評価エリ
ア1)。なお測距エリアの大きさの設定については後述
する。
【0062】次にマイコンは評価エリア内にある小エリ
アAijごとにyij=WSij÷Nijにて求められる平均エ
ッジ幅yijを計算した後、エリア設定用評価値E1 を次
式にて求める。
【0063】
【数3】
【0064】ここにWyij は平均エッジ幅yijに基づく
重み係数、Wijは小エリアAijの画面内の位置に基づく
重み係数である。
【0065】図15および図16はそれぞれ、Wyij
よびWijの設定例を示したものである。図15からも分
かるように平均エッジ幅yijが小さいほど、すなわち合
焦度が高いほど係数Wyij は大きくなる。一方、図16
の(a)は中央重点測距時における係数を示しており、
中央にいくほど係数Wijは大きくなっている。図16
(b)は現在測距エリア位置重点測距の場合における係
数であり、図中に示す現在設定されている測距エリアに
近いほど係数Wijが大きくなっている。
【0066】評価エリア1について以上の演算が終了す
ると、マイコン8は評価エリアの位置を小エリア1つ分
右にシフトする(図14、評価エリア2)。そして評価
エリア2について同様の演算を行ない、エリア設定用評
価値E2 を求める。
【0067】このようにある評価エリアについての演算
が終われば、さらに右に小エリア1つ分シフトして、次
々と新たな評価エリアについてエリア設定用評価値Eを
求める(ただし小エリアの右端に評価エリアがきたとき
は小エリア1つ分下の左端にシフトする)。
【0068】以上の演算を評価エリアが右下にくるまで
繰返し、すべてのエリア設定用評価値Eを求める。そし
てマイコン8は、すべての評価エリアの内評価値Eが最
大となったものを選択し、このエリアを次回の測距エリ
アの位置とするデータをアドレス設定回路9に出力す
る。
【0069】次に以上説明した測距エリアの設定方法の
一例を、測距シーケンスに沿って説明する。図17はそ
のフローチャートである。
【0070】AFがスタートすると、図16(A)の中
央重点測距の重み係数を小エリアごとにつける(#10
5)。次に変数Nを0にし、小エリアごとにエッジ総数
ijおよびエッジ幅総和WSijを演算する(#115〜
#120)。被写体エッジを有するエリアがあるか否か
を判別し、なければ変数Nを1増加させてN=3かどう
か判定する(#125〜#135)。N=3でなければ
そのまま#120に戻り、N=3であれば小エリアごと
の重み係数を中央重点測距の係数にして#120に戻る
(#140)。
【0071】#125において被写体エッジを有するエ
リアがあった場合、その検出したエッジの平均エッジ幅
ijに応じて、図15に示したような重み係数Wyij
設定する(#145)。
【0072】次に#150において測距エリアの大きさ
を決定する。ここでは、撮影倍率(β=焦点距離/被写
体距離)および絞り値に基づいて、測距エリアの大きさ
を決定する。一般に撮影倍率が大きいほど深度が浅くな
るため、できるだけ主被写体のみにピントを合わせるべ
く測距エリアを小さくするのが望ましい。
【0073】絞り値についても同様で、絞りが開放であ
るほど深度が浅くなるため測距エリアを小さくする。そ
の一例を示したのが図18である。なお図18に示した
数字は全体を9×9=81の小エリアに分けた場合の測
距エリアを構成する小エリアの個数を表す。なおここで
は測距エリアの大きさを撮影倍率および絞り値に基づい
て決定したが、撮影者が予め手動で設定するようにして
もよい。
【0074】測距エリアの大きさを決定した後、上述し
たように左上から右下まで順に評価エリアをシフトさ
せ、それぞれについてエリア設定用評価値を次の式でを
演算し、その最大値を求める(#155)。
【0075】
【数4】
【0076】#160ではその最大値が複数あるか否か
を判定する。複数ある場合は、 複数の評価エリアすべて 複数のうち最も中央よりの評価エリア 複数の評価エリアを包含する四角いエリア のうちいずれかを測距エリアに設定する(#165)。
なお上記〜のどれを用いるかはまったく自由であ
る。
【0077】測距エリア決定後、その測距エリア内で上
述のヒストグラムを作成し、これに基づいてレンズを駆
動する(#170,#180)。最大値が1つであった
場合は、その最大値を算出した評価エリアを測距エリア
とし、そのエリアにおけるヒストグラム(#120で算
出)に基づいてレンズを駆動する(#175,#18
0)。
【0078】レンズ駆動後、位置に基づく重み係数Wij
を、図16(B)に示す現在測距エリア位置重点測距の
重み係数に設定しなおし、次の測距動作を開始する(#
185)。
【0079】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、映像信
号から得られた被写体のエッジ幅のヒストグラムととも
に被写体のコントラストが検出される。被写体のコント
ラストが極大と判断されても、ヒストグラム代表値が合
焦判定用の所定値よりも小さくないときは被写体は合焦
と見なされない。
【0080】その結果、疑似ピークでフォーカスレンズ
の駆動を止めるようなことはなく、かつ大ボケ時にも誤
測距が発生しない合焦検出装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る合焦検出装置の概略構成示す図
である。
【図2】この発明に係る合焦検出装置の要部を示す回路
ブロック図である。
【図3】通常AF動作時の図2に示した各ブロックにお
ける概略の信号図である。
【図4】ヒストグラムの一例を示す図である。
【図5】フォーカスレンズの繰り出し量とエッジ幅との
関係を表した図である。
【図6】非合焦の度合とその場合の輝度差との関係を示
す図である。
【図7】大ボケ状態でのAF動作時の図2の各ブロック
における概略の信号図である。
【図8】合焦度合(デフォーカス量)に応じてレンズの
ある周波数成分に対するレスポンスが変化するようすを
示す図である。
【図9】コントラスト評価の別の例を示すブロック図で
ある。
【図10】非合焦から合焦に至るまでのシーケンスを示
したフローチャートである。
【図11】非合焦から合焦に至るまでのシーケンスを示
したフローチャートである。
【図12】ヒストグラムの重心値を求める場合のシーケ
ンスを示すフローチャートである。
【図13】分割小エリアを示す図である。
【図14】測距エリア決定演算の説明図である。
【図15】平均エッジ幅に基づく重み係数の設定例を示
す図である。
【図16】小エリアの画面内位置に基づく重み係数の設
定例を示す図である。
【図17】測距エリアの設定方法を示すフローチャート
である。
【図18】測距エリアを小さくした場合の測距エリアを
示す図である。
【図19】合焦、非合焦時の被写体エッジ幅に差がある
ことを示す説明図である。
【符号の説明】
1 撮像レンズ 2 CCD 3 A/D変換回路 4 差分回路 5 エッジ検出回路 6 ゲート回路 7 ヒストグラム生成回路 8 マイコン 9 アドレス設定回路 10 m×n分割ゲート回路 11 エッジ総数エッジ幅総和検出回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮像手段によって得られた映像信号から
    被写体のエッジ幅のヒストグラムを前記撮像手段の撮像
    画面内の所定範囲について求め、前記ヒストグラムの代
    表値を評価値として合焦判定を行なう合焦検出装置であ
    って、 前記被写体のエッジ幅を評価するヒストグラムを作成す
    る手段と、 前記被写体のコントラストを検出する手段と、 前記ヒストグラムの代表値を合焦判定用の所定値と比較
    する比較手段と、 コントラストが極大値であることを判定する極大値判定
    手段と、 前記比較手段の比較結果および前記極大値判定手段の判
    定結果に応じて前記被写体が合焦状態にあると判定する
    判定手段とを含む、合焦検出装置。
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