JPH0521746U - 昇降椅子の回転支持機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガスシリンダの作用により座板を昇降可能と
した昇降椅子における回転支持機構であって、構造が簡
単でかつ回転性も向上する。 【構成】 脚部２に立設した軸筒３内にガスシリンダ４
を上下伸縮自在に取り付け、該ガスシリンダ４上端のテ
ーパー状頭部41に、内筒の内面をテーパー状に形成し該
内筒と外筒との間で互いに回動自在としたベアリング７
を外嵌して固定し、前記ベアリング７の外筒を座板５に
固定してなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ガスシリンダの作用により座板を昇降可能としてなる昇降椅子にお ける回転支持機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

通常、この種の昇降椅子は図３に示すように、脚部ａに立設した軸筒ｂ内に、 ガスシリンダｃを上下伸縮自在に取り付け、その頭部ｄへ座板を取り付けてなり 、更にこの昇降椅子の座板を回転自在とするときには、前記ガスシリンダｃ下端 のピストンロッドｅ下端と軸筒ｂ下端の軸受部材ｇとの間にベアリングｆを設け てガスシリンダｃを軸筒ｂに対して回動自在に取り付け、もって座板を回動自在 としていた。

【０００３】 しかしながら、上記のような従来の昇降椅子における回転支持機構では、実際 の座板回転時には、ガスシリンダｃにおけるピストンロッドｅとシリンダ本体ｈ との間で回転してしまい、ベアリングｆが充分に機能しないという問題があった 。また、この場合にはガスシリンダｃ自体が回転するために軸筒ｂ上端に設けた 天キャップｊとガスシリンダｃのシリンダ本体ｈとの間に回転摩擦が発生し、回 転性を低下させる原因ともなっていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記の点に鑑み、ガスシリンダの作用により座板を昇降可能とした昇 降椅子において、構造が簡単で、かつ座板の回転性のよい回転支持機構を提供せ んとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る昇降椅子の回転支持機構は上記の目的を達成するために、脚部に 立設した軸筒内にガスシリンダを上下伸縮自在に取り付け、該ガスシリンダ上端 のテーパー状頭部に、内筒と外筒との間で互いに回動自在とし内筒の内面をテー パー状に形成したベアリングを外嵌して取り付け、前記ベアリングの外筒へ座板 を取り付けてなる。

【０００６】

【作用】

上記のような本考案に係る昇降椅子の回転支持機構によれば、座板はガスシリ ンダの伸縮作用により上下に昇降するとともに、該ガスシリンダ上端のベアリン グを介して自在に回転する。

【０００７】

【実施例】

以下、添付図面の実施例にもとづき本考案を更に詳細に説明する。

【０００８】 図１は本考案に係る回転支持機構を採用した昇降椅子１の要部を示す断正面図 であり、図中、符号２は先端下面にキャスター21を取り付けた複数の脚羽根20か らなる脚部、３は前記脚部２中央に立設した軸筒、４は前記軸筒３内に上下伸縮 自在に取り付けたガスシリンダ、５は前記ガスシリンダ４上端に取り付けた座板 である。前記ガスシリンダ４は、軸筒３下端の軸受部材31にピストンロッド43先 端を固定するとともに、シリンダ本体44部分を軸筒３上端に設けた天キャップ32 にて上下摺動自在に支持して軸筒３内に上下伸縮自在に取り付けてなり、該ガス シリンダ頭部41の開放ピン42を座板５に設けた操作杆６にて操作することにより ガスシリンダ４を伸縮させ、もって座板５を昇降自在としてなるものである。

【０００９】 そして、本考案では、前記ガスシリンダ４と座板５との間にベアリング７を設 けることにより、座板５を回動自在に支持してなるものである。この回転支持機 構の具体的な構造は、図２に示される。即ち、ベアリング７は互いに回転自在と した内筒71と外筒73から構成されており、前記内筒71の内面72は前記ガスシリン ダ頭部41のテーパー面に対応するテーパー状に形成するとともに、外筒73の上端 は内筒71上端より上方へ突出して内筒71との間に段部74を形成している。そして 、このベアリング７をガスシリンダ４上端のテーパー状頭部41に外嵌し、前記ベ アリング外筒73を座板５の座受51下面に形成した取付孔52内に嵌合して取り付け 、該外筒73の上端が座受51下面に当接した状態で取り付けてなるものである。

【００１０】 上記のような本考案に係る昇降椅子１の回転支持機構によれば、ガスシリンダ ４と座板５との間にベアリング７を設けて座板５を回動自在に取り付けたことに より、ガスシリンダ４が回転することなく該ガスシリンダ４と座板５との間のベ アリング７により座板５が回転することから、従来のようにガスシリンダ４にお けるピストンロッド43とシリンダ本体44との間で回転してベアリングが充分に機 能しないといったこともなく、また、この場合の回転はガスシリンダ４と座板５ との間に設けたベアリング７においてのみであって、従来のように軸筒３とガス シリンダ４との間の回転摩擦や回転部分の磨耗によるキシミ音等の問題も発生せ ず、回転性が向上する。

【００１１】 更に、前記ベアリング７は、その内筒内面72をテーパー状に形成したことから 、この内筒内面72にガスシリンダ４の頭部41を嵌合させるだけでガタツキなく簡 単に取り付けることができるとともに、外筒73を座受51下面に形成した取付孔52 内へ圧入等して簡単に取り付けることができ、回転支持機構の組み立ても極めて 簡単に行える。しかも、上記のようにベアリング７の外筒73上端を内筒71より上 方へ突出状態として内筒71との間に段部74を形成し、外筒73上端が座受51下面に 当接するようにすれば、ベアリング７により荷重を直に受けることができ、回転 支持状態は一層安定する。更には、ガスシリンダ４の軸筒３への取り付けも軸筒 ３内の軸受部材31にピストンロッド43下端を固定するだけで簡単に取付可能であ る。

【００１２】

【考案の効果】

以上の如く、本考案に係る昇降椅子の回転支持機構によれば、ガスシリンダと 座板との間にベアリングを設けて座板のみを回転させるようにしたことから、ガ スシリンダごと座板を回転させる場合のようにガスシリンダにおけるピストンロ ッドとシリンダ本体との間で回転してベアリングが充分機能しないといったこと もなく、また、回転はベアリングにおける内筒と外筒との間のみで行われること から、回転により部材が磨耗することもなく、キシミ音の発生もなく回転性を向 上させうる。しかも、前記ベアリング内面をテーパー状に形成したことにより、 ガスシリンダ上端へ嵌合するだけでガタツキなく簡単に取付可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係る回転支持機構を採用してなる昇
降椅子の要部を示す部分断面正面図。

【図２】 同じく要部拡大断正面図。

【図３】 従来の昇降椅子における回転支持機構を示す
断正面図。

【符号の説明】

１ 昇降椅子 ２ 脚部 ３ 軸筒 ４ ガスシリンダ ５ 座板 ６ 操作杆 ７ ベアリング 20 脚羽根 21 キャスター 31 軸受部材 32 天キャップ 41 頭部 42 開放ピン 43 ピストンロッド 44 シリンダ本体 51 座受 52 取付孔 71 内筒 72 内面 73 外筒 74 段部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 脚部に立設した軸筒内にガスシリンダを
   上下伸縮自在に取り付け、該ガスシリンダ上端のテーパ
   ー状頭部に、内筒と外筒との間で互いに回動自在とし内
   筒の内面をテーパー状に形成したベアリングを外嵌して
   取り付けるとともに、前記ベアリングの外筒へ座板を取
   り付けてなる昇降椅子の回転支持機構。