JPH0521683U - 魚体の表面血合除去装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 頭部除去後、４分割された魚体が長手方向に
湾曲している場合でも、支障なく魚体の表面血合を除去
する。 【構成】 魚体における血合が存する表面に押圧される
血合除去カッターをフレームに配設し、該血合除去カッ
ターは支軸に支持枠を取り付けると共に該支持枠に血合
除去部材を支持させて成り、該血合除去部材は刃部とな
らい部とを間隙を介して所定の角度で一体的に連結して
成り、更に、支持枠は支軸を回転中心として回転自在で
あり、血合除去部材は支軸と直角の軸を回動軸として一
定の範囲内で回動自在である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、冷凍まぐろ等の魚体の表面血合除去装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

魚体の処理作業（みがき作業）においては、図１０に示すように、頭部除去後 、４分割された魚体（本明細書においては単に「魚体」という。）から脊髄骨４ １、背びれ４２、腹びれ４３、胸びれ４４、４４、表皮４５と共に表面血合４６ 、４６、４６、４６を除去するのであるが、魚体の表面血合除去装置としては、 水平の定盤上を送られる魚体の表面（表面血合がある表面）をモータにより回転 する水平の略円筒状固定刃により削るようにしたものが知られている。 また、魚体の処理装置における送り装置としては、下部に魚体押し具の通過孔 を備えた断面略Ｖ状の魚体送り溝をフレームに設け、魚体送り溝の下方にはチェ ーンコンベア等のコンベアを配設し、該コンベアには魚体送り溝内の魚体を押す 複数の魚体押し具を適宜の間隔をおいて取り付けてなるものが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

魚は脊髄骨４１が上方から見て左右に曲った状態で凍結される場合が多い。こ のような魚の場合には、曲った脊髄骨に沿って切断せざるを得ないため、４分割 された魚体は図１２に示すように上方から見て左右方向に湾曲した状態となる。 しかるに、略円筒状固定刃は魚体の表面に倣うことができないため、このように 長手方向に湾曲した魚体の表面は略円筒状固定刃では削れない部分がでる。また 、このように長手方向に湾曲した魚体を上記従来の送り装置により送った場合に は、魚体送り溝内の魚体を押す魚体押し具が魚体から外れて魚体が魚体送り溝内 に置き去りにされ、処理を行なうことができなくなることがしばしばある。 本考案は以上のような問題を解決しようとしてなされたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するために、本考案は、湾曲した魚体の場合にもその表面に倣 って血合を削るようにした魚体の表面血合除去装置を提供するものである。即ち 、本考案は、魚体における血合が存する表面に押圧される血合除去カッターをフ レームに配設し、該血合除去カッターは支軸に支持枠を取り付けると共に該支持 枠に血合除去部材を支持させて成り、該血合除去部材は刃部とならい部とを間隙 を介して所定の角度で一体的に連結して成り、更に、支持枠は支軸を回転中心と して回転自在であり、血合除去部材は支軸と直角の軸を回動軸として一定の範囲 内で回動自在であることを特徴とする魚体の表面血合除去装置を提供するもので ある。

【０００５】 上記魚体の表面血合除去装置においては、魚体の送り装置として、下部に魚体 押し具の通過孔を備えた断面略Ｖ状の魚体送り溝をフレームに設け、魚体送り溝 の下方にはコンベアを配設し、該コンベアには魚体送り溝内の魚体を押す複数の 魚体押し具を適宜の間隔をおいて取り付け、各魚体押し具にはピンを前方に向け て突設すると共に該ピンが挿入される挿入孔を魚体の後端に穿設するためのドリ ルを魚体送り溝の送入側に当該ピンの位置に対応させて配設し、更に魚体送り溝 内の魚体を下方に押える押えローラーを配設するのが望ましい。

【０００６】

【作用】

本考案による魚体の表面血合除去装置においては、血合除去カッターが魚体に おける血合の存する表面に押圧される。血合除去カッターにおいて、支持枠は支 軸を回転中心として回転自在であり、血合除去部材は支軸と直角の軸を回動軸と して一定の範囲内で回動自在であるため、血合除去カッターが魚体の表面に押圧 されると、魚体の湾曲の有無、形状、寸法等にかかわらず、血合除去部材のなら い部が魚体の表面をならう。また、血合除去部材は刃部とならい部とを間隙を介 して所定の角度で一体的に連結して成るものであるため、ならい部が魚体の表面 をならうと、刃部は魚体の表面血合を一定の深さで切り進む。このようにして切 られた表面血合は刃部とならい部との間の間隙を通過する。

【０００７】 請求項２の送り装置を用いたときには、上述の如く４分割された魚体は表面血 合がある２面を下方に向けた状態で断面略Ｖ状の魚体送り溝の送入側に載置し、 該送入側に配設されたドリルにより魚体後端に挿入孔を穿設する。続いて、魚体 を魚体送り溝に沿って送り込めば、コンベアの魚体押し具に突設されたピンが魚 体後端の挿入孔に挿入される。けだし、ドリルは魚体押し具のピンの位置に対応 させて配設されているからである。しかるときは、魚体押し具はそのピンを魚体 後端の挿入孔に挿入したまま魚体を魚体送り溝に沿って押して行く。従って、魚 体が図１２に示す如く長手方向に湾曲しているときでも、魚体押し具が魚体から 外れることはない。このように魚体送り溝に沿って送られる魚体は魚体送り溝近 傍の血合除去カッターにより表面血合が除去される。このとき、魚体送り溝内の 魚体は押えローラーにより下方に押えられた状態で血合除去カッターが血合の存 する２下面に押し付けられるため、図１１（１）に示す如く９０゜よりも小さな 角度で分割された魚体の場合にも、或いは図１１（２）に示す如く９０゜よりも 大きな角度で分割された魚体の場合にも、支障なく表面血合が除去される。

【０００８】

【実施例】

次に、本考案の実施例を添付図面に従って説明する。 符号１は魚体の表面血合除去装置におけるフレームである。フレーム１には下 部に魚体押し具２、２・・・の通過孔３を備えた断面略Ｖ状の魚体送り溝４を設 け、魚体送り溝４の下方には駆動モータ１３により駆動されるチェーンコンベア 等のコンベア５を配設し、該コンベア５には魚体送り溝４内の魚体６を押す複数 の魚体押し具２、２・・・を適宜の間隔をおいて取り付ける。７は魚体送り溝４ 内に長手方向に配設したパイプである。前記各魚体押し具２にはピン８を前方に 向けて突設すると共に該ピン８が挿入される挿入孔９を魚体６の後端に穿設する ためのドリル１０を魚体送り溝４の送入側に当該ピン８の位置に対応させて配設 する。１１はドリル１０の駆動モータである。魚体送り溝４の上方には、魚体送 り溝４内の魚体６を下方に押える押えローラー１２を配設する。各押えローラー １２は、フレーム１における魚体送り溝４上方に上下方向に回動自在に枢着され たアーム１４の先端に回転自在に取り付けられ、該アーム１４とフレーム１との 間に押えローラー１２を下方の魚体６上に押し付けるためのシリンダ１５を取り 付ける。各押えローラー１２は魚体６が所定の位置に達するとシリンダ１５によ り下降して魚体６を押え、魚体６が押えローラー１２を通過すると再び上昇する ようになす。

【０００９】 フレーム１における魚体送り溝４の近傍には、魚体６における表面血合４６が 存する表面に斜め下方から押圧される血合除去カッター２３を配設する（図２、 図３参照）。魚体送り溝４における血合除去カッター２３に対応する部分は適宜 切り欠くものとする。血合除去カッター２３は支軸２５に支持枠２６を取り付け ると共に該支持枠２６に血合除去部材２７を支持させて成り、該血合除去部材２ ７は刃部２８とならい部２９とを間隙３０を介して所定の角度で一体的に連結し て成るものである。支持枠２６は支軸２５を回転中心として回転自在であり、血 合除去部材２７は支軸２５と直角の軸３１を回動軸として一定の範囲内で回動自 在である。３２は血合除去部材２７の回動範囲を規制するストッパーである。図 示の事例においては、各血合除去カッター２３は、フレーム１における魚体送り 溝４の側方に回動自在に枢着されたアーム１６の先端に取り付けられ、該アーム １６とフレーム１との間に血合除去カッター２３を魚体６における血合の存する 表面に押し付けるためのシリンダ１７を取り付ける。各血合除去カッター２３は 魚体６が所定の位置に達するとシリンダ１７により魚体６の前記表面に押し付け られ、魚体６が血合除去カッター２３を通過すると再び元の位置に戻るようにな す。

【００１０】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の魚体の表面血合除去装置は、魚体の表面を倣い つつその表面血合を除去するようにしたため、長手方向に湾曲した魚体の場合に も或いは魚体の形状、寸法等の如何にかかわらず魚体の全長にわたって支障なく 表面血合を除去することができる。

【００１１】 また、請求項２の表面血合除去装置においては、魚体送り溝内の魚体は押えロ ーラーにより下方に押えられた状態で血合除去カッターが血合の存する２下面に 押し付けられるため、９０゜よりも小さな角度で分割された魚体の場合にも、或 いは９０゜よりも大きな角度で分割された魚体の場合にも、支障なく表面血合が 除去される。更に、コンベアの各魚体押し具にピンを前方に向けて突設すると共 に該ピンに対応する挿入孔を魚体の後端に穿設するためのドリルを魚体送り溝の 送入側に配設し、該ドリルにより魚体の後端に挿入孔を穿設し、該挿入孔に魚体 押し具のピンを挿入した状態で魚体を送るようにしたため、魚体押し具が魚体か ら外れ、魚体が魚体送り溝内に置き去りにされるおそれはない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す側面図である。

【図２】同上の正面図である。

【図３】魚体と血合除去カッターとを示す正面図であ
る。

【図４】血合除去カッターの使用状態を示す断面図であ
る。

【図５】血合除去カッターの平面図である。

【図６】血合除去カッターの断面図である。

【図７】魚体送り溝とドリルとを示す断面図である。

【図８】魚体送り溝と魚体とを示す断面図である。

【図９】魚体押し具の側面図である。

【図１０】魚の断面図である。

【図１１】４分割された魚体の正面図である。

【図１２】４分割された魚体の平面図である。

【符号の説明】

１ フレーム ２ 魚体押し具 ３ 通過孔 ４ 魚体送り溝 ５ コンベア ６ 魚体 ７ パイプ ８ ピン ９ 挿入孔 １０ ドリル １１ 駆動モータ １２ 押えローラー １３ 駆動モータ １４ アーム １５ シリンダ １６ アーム １７ シリンダ ２３ 血合除去カッター ２５ 支軸 ２６ 支持枠 ２７ 血合除去部材 ２８ 刃部 ２９ ならい部 ３０ 間隙 ３１ 軸 ３２ ストッパー ４１ 脊髄骨 ４２ 背びれ ４３ 腹びれ ４４ 胸びれ ４５ 表皮 ４６ 表面血合

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 魚体における血合が存する表面に押圧さ
   れる血合除去カッターをフレームに配設し、該血合除去
   カッターは支軸に支持枠を取り付けると共に該支持枠に
   血合除去部材を支持させて成り、該血合除去部材は刃部
   とならい部とを間隙を介して所定の角度で一体的に連結
   して成り、更に、支持枠は支軸を回転中心として回転自
   在であり、血合除去部材は支軸と直角の軸を回動軸とし
   て一定の範囲内で回動自在であることを特徴とする魚体
   の表面血合除去装置。
2. 【請求項２】 下部に魚体押し具の通過孔を備えた断面
   略Ｖ状の魚体送り溝をフレームに設け、魚体送り溝の下
   方にはコンベアを配設し、該コンベアには魚体送り溝内
   の魚体を押す複数の魚体押し具を適宜の間隔をおいて取
   り付けた装置において、各魚体押し具にはピンを前方に
   向けて突設すると共に該ピンが挿入される挿入孔を魚体
   の後端に穿設するためのドリルを魚体送り溝の送入側に
   当該ピンの位置に対応させて配設すると共に魚体送り溝
   内の魚体を下方に押える押えローラーを配設し、更に、
   魚体における血合が存する表面に押圧される血合除去カ
   ッターをフレームに配設し、該血合除去カッターは支軸
   に支持枠を取り付けると共に該支持枠に血合除去部材を
   支持させて成り、該血合除去部材は刃部とならい部とを
   間隙を介して所定の角度で一体的に連結して成り、更
   に、支持枠は支軸を回転中心として回転自在であり、血
   合除去部材は支軸と直角の軸を回動軸として一定の範囲
   内で回動自在であることを特徴とする魚体の表面血合除
   去装置。