JPH0521571B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、一般家庭で小麦粉等を回転混練する
ことにより、パン作りが行なえる自動製パン機に
関するものである。

従来の技術 一般にパン作りを行なう場合、混練機、発酵
機、のし棒、オーブン等の機器を利用している
が、これらにおいては、温度と時間の管理が非常
にむずかしく、時節にかかわらずおいしい焼きた
てのパンを作るには相当の熟練が必要であつた。
これらの問題を解消するため、第４図に示す練り
機能、発酵機能、オーブン機能を単品内に収納し
た構成の自動製パン機が考えられている。

この第４図に示すものは、本体１の内部にフレ
ーム２を設け、このフレーム２にはモータ３が固
定されるとともに、ヒータ４と断熱材５を装備し
た加熱槽６が固定され、かつ加熱槽６内には練り
羽根７を有した練り容器８が着脱自在に装着さ
れ、さらに練り容器８の上端部には提げ手９が回
動自在に取付けられ、そしてベルト１０とプーリ
１１により練り羽根７が減速駆動される。また、
加熱槽６の上部は蓋体１２で覆われ、かつ温度セ
ンサ１３は加熱槽６の外側面に固定されている。
１４はタイマ、温度調節、電力調節の回路であ
る。このような構成で練り容器８に材料を投入
し、タイマをセツトすると所定時間に運転がはじ
まり、タイマと温度調整により各行程を自動的に
行ない、所定時間経過後にパンが焼き上がるもの
である。

発明が解決しようとする問題点 このような従来の構成では、練り羽根７は固定
しているため、そのままパンに練り羽根７の跡が
つくことになる。したがつて練り羽根７はできる
だけ小さくする必要があるが、練り羽根７を小さ
くすると、練り性能が悪くなるという相反する問
題があり、そのため、練り羽根７は両者の中間点
の中途半端な形状になるものがほとんどであつ
た。

そこで、練り時には練り羽根の羽根板部を立て
ることにより、パン生地に対して大きい練り羽根
とし、そして練り終了時には羽根板部を倒すこと
により、パンの内部へ練り羽根が残らないように
する練り羽根が考えられるが、この場合、羽根板
部が可動自在となつているため、必らずどこかで
当接して止まることになる。そのとき、羽根板に
施したフツ素塗膜がその当接部から剥離し、そし
て剥離部が徐々に広がつていくという問題があつ
た。

本発明はこれらの問題点を解決するものであ
り、パンの練り羽根跡を小さくするとともに、練
り羽根のフツ素塗膜の剥離を最小限におさえ、剥
離の進行を防止することができる練り羽根を有す
る自動製パン機を提供することを目的とするもの
である。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明は、練り羽
根を構成する羽根板と羽根軸受部との当接面のい
ずれか一方に凸部を形成することにより、羽根板
と羽根軸受部との当たりを部分当たりとなるよう
に構成したものである。

作 用 上記構成によれば、羽根板と羽根軸受部とは凸
部でのみしか当たらないため、羽根板に施したフ
ツ素塗膜は凸部しかはがれず、その他の平面部の
塗膜は保護することができるものである。

実施例 以下、本発明の一実施例を第１図〜第３図にも
とづいて説明する。図において、３０は本体、３
１は本体３０内に設けられたシヤーシで、このシ
ヤーシ３１にはモータ３２が固定されており、こ
のモータ３２のシヤフトの一端にはモータ冷却用
フアン３３が固定され、かつ他端には小プーリ３
４が固定され、さらに前記冷却用フアン３３の周
囲にはフアン効率をあげるためのフアンガイド３
５がモータ３２に固定されている。また前記シヤ
ーシ３１には、軸受３６を介して大プーリ３７が
軸支され、かつ大プーリ３７と反対側の軸端には
コネクタ３８が取付けられ、ベルト３９を介して
小プーリ３４と大プーリ３７が結合されている。
そして、シヤーシ３１にはスイツチレバー４０が
軸４１を中心に回動自在に軸支され、かつスイツ
チ４２が、スイツチレバー４０の一端の上部に位
置するように取付けられているとともに、容器固
定ガイド４３、焼成容器４４及びこの焼成容器４
４の周囲を覆う遮熱板４５が固定されている。ま
た前記焼成容器４４には、壁面に碍子４６を介し
て止め金具４７によりヒータ４８が固定され、さ
らに容器固定バネ４９が固定されるとともに、弾
性的に支持された温度検知部５０が固定され、か
つ焼成容器４４の内部には、底部に軸受５１を介
して一方に容器コネクタ５２を固定し、かつ他方
に練り羽根５３を着脱自在に装着できる羽根軸５
４を軸支した練り容器５５が着脱自在に装着さ
れ、かつこの練り容器５５は前記容器固定ガイド
４３及び容器固定バネ４９と嵌合装着している。

さらに、練り羽根５３は第２図に示すように、
羽根軸５４に嵌合する羽根軸受部８１と、フツ素
塗膜を施した平板状の羽根板８２とで構成され、
かつ羽根板８２は羽根軸受部８１に対して可動自
在に羽根ピン８３で連結しており、したがつて羽
根板８２は羽根ピン８３を軸として、矢印で示す
ように２点鎖線の位置まで回動するもので、この
２点鎖線で示す位置に羽根板８２が回動したと
き、羽根板８２は羽根軸受部８１の当接面８５に
当接して止まる。この場合、羽根板８２には、羽
根軸受部８１の当接面８５に当接する位置に凸部
８４を設け、当接部を限定している。そして練り
容器５５は、焼成容器４４内への装着時に温度検
知部５０と圧接するように構成されているととも
に、上端部には提げ手５６が取付けられている。
また、前記焼成容器４４は上部を固定部材５７に
固定し、さらに本体上枠５８を固定部材５７に固
定している。そして本体３０は、本体上枠５８と
固定するとともに、シヤーシ３１とも固定されて
いる。

また、前記焼成容器４４の上面には、内部に駆
動装置５９と軸６０により回転自在に軸支された
伝達板６１を設け、開閉自在な容器蓋６２と、開
閉自在な開閉板６３を固定した回転軸６４を装着
したイースト容器６５を固定した内蓋６６を取付
けた蓋カバー６７を設けてなる開閉自在な蓋体６
８で覆われている。この蓋体６８を閉めることに
より内蓋６６と焼成容器４４で焼成室６９を形成
するように構成されている。また、７０は調理で
き上がり時間等の入力設定用のスイツチパネル、
７１はスイツチパネル７０の入力及び温度検知部
５０の入力情報を基に、モータ３２、ヒータ４８
等の制御条件を決定し、出力するための制御装置
である。

次に本実施例の動作について説明する。まず、
焼成容器４４内に、練り羽根５３を装着し、次い
で、小麦粉、水等のイースト以外の材料を入れた
練り容器５５をセツトし、蓋体６８を閉め、イー
スト容器６５に所定量のイーストを入れておく。
この状態でスイツチパネル７０よりパンのでき上
がり時間を入力しスタートさせる。そして所定時
間がくると、モータ３２の運転が始まつて小プー
リ３４が回転し、ベルト３９を介して大プーリ３
７及びコネクタ３８を回転させる。このコネクタ
３８は容器コネクタ５２に動力伝達を行なつて練
り容器５５内の練り羽根５３を回転させ、羽根板
８２を立てて材料を練り、そして練りが終了する
と、逆転させて羽根板８２を倒す。また、所定時
間がくると、蓋体６８の内部の駆動装置５９に通
電されて伝達板６１が駆動され、回転軸６４を動
かして開閉板６３を開き、イースト容器６５内に
入れられていたイーストを練り容器５５内へ投入
する。練り容器５５内へ投入されたイーストは、
他の材料とともに所定時間混練された後、制御装
置７１のプロセス制御に基づき、温度検知部５０
の情報を入力しながら、ヒータ４８で練り容器５
５の温度を調整し、そして一次発酵、ガス抜き、
成形発酵、焼成の各工程を自動的に行なつて設定
した時間にパンが焼き上がるものである。

なお、上記実施例においては、羽根板８２に凸
部８４を設けたものについて説明したが、第３図
に示すように羽根軸受部８１側に凸部８６を設
け、かつこの羽根軸受部８１にフツ素塗膜を施し
た場合においても、上記実施例と同様の作用効果
を奏するものである。

発明の効果 以上のように本発明によれば、練り羽根を構成
する羽根板と、この羽根板を可動自在に取付けた
羽根軸受部との当接面のいずれか一方に凸部を形
成しているため、両者の当接部を限定することが
可能となり、その結果、羽根板と羽根軸受部にフ
ツ素塗膜を施した場合においても、フツ素塗膜の
剥離部分が広範囲に広がるのを防ぐことができ
る。また、フツ素塗膜の剥離は小さい剥離部が生
ずると、洗浄する際等に、塗膜端部をこすつて広
がるおそれがあるが、凸部の上端面のみが剥がれ
た場合は、他の平面部まで拡大することはほとん
どなく、その結果、剥離を最少限に防ぐことが可
能となるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す自動製パン機
の断面図、第２図は同製パン機における練り羽根
の斜視図、第３図は本発明の他の実施例を示す自
動製パン機の練り羽根の斜視図、第４図は従来の
自動製パン機の断面図である。 ３２……モータ、５２……容器コネクタ、５３
……練り羽根、５４……羽根軸、５５……練り容
器、６９……焼成室、８１……羽根軸受部、８２
……羽根板、８４，８６……凸部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ モータにより駆動されるコネクタを底部に設
   けた焼成室と、前記コネクタに着脱自在に装着さ
   れてコネクタにより駆動される練り羽根を内部に
   設けた練り容器とを有し、前記練り羽根を、羽根
   軸に嵌合される羽根軸受部と、平板状の羽根板と
   で構成し、かつ羽根板を羽根軸受部に対して可動
   自在に連結し、前記羽根板と羽根軸受部との当接
   面のいずれか一方に凸部を形成してなる自動製パ
   ン機。