JPH05215707A - 孔食深さ算出方法 - Google Patents

孔食深さ算出方法

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JPH05215707A
JPH05215707A JP4017745A JP1774592A JPH05215707A JP H05215707 A JPH05215707 A JP H05215707A JP 4017745 A JP4017745 A JP 4017745A JP 1774592 A JP1774592 A JP 1774592A JP H05215707 A JPH05215707 A JP H05215707A
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Akira Iimura
晶 飯村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱交換器や配管の局部腐食による孔食深さ
を、運転、通水を休止することなく、非破壊にて精度良
く推定する。 【構成】 熱交換器又は配管に複数の前記モニター装置
を設け、各モニター装置の電流値より腐食生成物層の抵
抗定数K2'を求める。孔食部の形状を例えば、半球と
し、孔食半球表面で均一に腐食反応が進行するものと
し、この反応抵抗定数K1 を予め実験で求めておく。こ
のK1 ,K2'より腐食電流値を計算し、この電流値に基
づく腐食量を積算することにより孔食深さ(半球の半
径)を計算する。 【効果】 孔食モニター装置で得られたデータの極値統
計処理により、孔食深さを、高精度に算出することが可
能とされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属部材の孔食深さ算出
方法に係り、特に、熱交換器又は配管等の局部腐食によ
る孔食(侵食)深さを、当該設備の運転、通水を休止す
ることなく、非破壊にて精度良く算出することができる
孔食深さ算出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】配管や熱交換器などにおいて局部腐食が
進行して孔食深さが増し、それが貫通に至るとプラント
の操業停止など不測の事態を生ずることがあるため、局
部腐食、即ち孔食の深さを推定する技術が求められてい
る。
【0003】従来、熱交換器又は配管の寿命は、当該設
備の運転、通水を休止してその一部をサンプリングし、
サンプルの孔食深さを測定することにより推定してい
た。
【0004】しかしながら、上記従来の方法では、設備
の運転を休止し、かつその一部をサンプリングするため
に破壊しなければならないことから、工場の操業に影響
を及ぼすという欠点がある。しかも、測定結果が出るま
でに多大の時間、労力、費用がかかるという欠点もあ
る。
【0005】このような欠点を解決し、金属の局部腐食
の進行速度をモニターすることにより、その孔食深さを
推定することが可能な方法として、水系媒体に接する金
属部材の局部腐食をモニターする方法であって、該水系
媒体と小孔を介して連通する液溜部と、該液溜部内の液
と接するように設けられた前記金属部材と同材質の金属
片とを備え、該金属片の前記液溜部内の液と接する面の
面積が前記小孔の開口面積よりも大きいモニター装置を
用い、該金属片と前記金属部材とを電気的に接触させ
て、両者の間に流れる電流を測定することにより金属部
材の局部腐食をモニタリングする方法がある(特開平2
−310452号)。
【0006】以下に、特開平2−310452号のモニ
タリング方法について図2を参照して説明する。
【0007】通常、金属部材の局部腐食は酸素濃淡電池
の形成により、金属の溶解部分(アノード)とその周辺
の酸素還元反応の起こる部分(カソード)との電位差が
駆動力となって進行する。
【0008】特開平2−310452号の方法では、図
2に示す如く、当該金属部材30と同一材質の例えば円
柱状の金属片32を例えば円形凹穴よりなる液溜部34
内に挿入配置して液溜部34内に模擬的に局部腐食の状
態を作る。なお、33は塩化ビニル等の非腐食性の部材
であり、該部材33の図の上面側に水系媒体が流通され
る。
【0009】この水系媒体は腐食生成物S及び小孔状の
液絡部40を介して液溜部34内の水系媒体を徐々に更
新する。
【0010】カソードとなる金属部材30とアノードと
なる金属片32とをリード線36で電気的に接続し、こ
のリード線に流れる電流を電流計38で測定し、その電
流値から局部腐食の進行速度及び侵食深さなどを推定す
る。
【0011】上記特開平2−310452号の方法によ
れば、設備の運転を休止することなく、非破壊にて孔食
をリアルタイムで推定することが可能とされる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
2−310452号の方法では、短いテストチューブを
用いるモニター装置により得られたアノード電流から直
接に孔食深さを求めるものであるため、得られた測定値
に対して、様々な大きさの熱交換器や長さの異なる実際
の配管では、現実の孔食深さと大幅に異なることがあ
る。
【0013】本発明は、測定値の精度を大幅に高め、任
意の時点(過去、現在及び将来)における孔食深さを正
確に算出し得る孔食深さ算出方法を提供することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の孔食深さ算出方
法は、水系媒体に接する熱交換器又は配管等の金属部材
の孔食深さを算出する方法であって、該水系媒体と小孔
を介して連通する液溜部と、該液溜部内の液と接するよ
うに設けられた前記金属部材と同材質の金属片とを備
え、該金属片の前記液溜部内の液と接する面の面積が前
記小孔の開口面積よりも大きいモニター装置を用い、該
金属片と前記金属部材とを電気的に接触させて、両者の
間に流れる電流を測定して金属部材の孔食深さを算出す
る方法において、予め前記金属部材の腐食反応の抵抗定
数を求めておくと共に、前記金属部材に複数の前記モニ
ター装置を設け、各モニター装置の電流値及び前記金属
部材の腐食反応の抵抗定数に基いて前記金属部材の腐食
生成物の抵抗係数を求め、該腐食反応の抵抗定数と、腐
食生成物の抵抗定数と、前記金属部材と水系媒体との接
触により生じる電位差とに基いて孔食深さを算出するこ
とを特徴とするものである。
【0015】
【作用】孔食は半球状や円錐状など種々の形態で進行す
ることが知られているが、以下ではもっとも一般的な形
態として半球状で進行した場合を例に説明する。
【0016】本発明は、図6に示した孔食モデルに基い
て孔食の深さを算出する方法である。図6において、半
球状の孔食部50が生じており、この孔食部50を均一
厚さの腐食生成物層51が蓋をする如く覆っている。孔
食部以外の部分では金属部材が保護皮膜で被われてお
り、金属部材と水系媒体とは直接には接していない。
【0017】孔食部においては、金属部材と水系媒体と
が接することにより両者間に電位差が生じる。この電位
差を、孔食部50の表面(半球状の表面)における腐食
反応の抵抗と、前記腐食生成物層(錆)51の抵抗との
合計の抵抗で除算することにより、該孔食部の表面を流
れる電流が算出される。この電流値と時間との積に対し
さらにファラデー定数を乗ずると共に金属の反応関与価
電子数及び金属の原子量で除することにより腐食量が算
出される。このモデルの場合、孔食部を半球状と扱うこ
とにより、総腐食量(即ち孔食部の半球の体積)から孔
食部の半球の半径が算出される。
【0018】前記孔食部は時々刻々と成長するものであ
るが、以下の説明では、ある1日(24時間)の間は一
定の電流が流れて腐食が進行し、次の1日(24時間)
にはこの通電により拡径した孔食部に対しその表面積
(孔食部の半球の表面積)に見合った定電流が流れるも
のとして扱っている。
【0019】本発明では、前記の腐食反応の抵抗定数と
腐食生成物の抵抗定数とを、後述の如くしてモニター装
置によって実測された電流値から計算により算出する。
【0020】1.孔食進行モデル 防食被膜を有した金属部材が腐食する場合、何らかの原
因で防食被膜にピンホール状の破壊が生じ、該ピンホー
ルを中心として半球状に凹食(孔食)が図6の如く徐々
に進行する。そして図6に示す如く、錆(腐食生成物)
51が孔食部分を覆う。
【0021】金属部材52の孔食深さを予測するための
モデルにおいては、前述の通り、孔食部分50は半球で
あるとし、また、錆51は正確に円盤形状であるとす
る。この半球の半径をrとし、錆の高さをhとする。
【0022】2.孔食抵抗値Rt 防食被膜の破壊によって金属部材の水系媒体(液)との
接液界面に電位差Eptが生じ、液と金属部材との間に
電流Itが流れる。この液と金属部材との間に流れる電
流は、錆の抵抗及び液と金属部材との接液界面の反応抵
抗を受ける。
【0023】これらの抵抗の和を孔食抵抗値Rtとする
と、 Rt=(反応抵抗)+(錆抵抗) …(1) である。この反応抵抗は、接液界面の面積(孔食部分5
0の半球の表面積)2πr2 に反比例する。従って、比
例定数をK1 とすると、反応抵抗はK1 /2πr2 と表
わされる。
【0024】また、錆抵抗は、錆の高さhに比例する。
錆の高さhは、(錆の体積)/(錆の底面積)であり、
錆の体積は、孔食された金属の総体積2πr3 /3(半
球の体積)に金属の密度dと錆の密度d’との比を乗じ
て求まる。
【0025】つまり、錆の高さhは、 h=((2/3)πr3 d/d’)/πr2 …(2) であり、錆の線抵抗比例定数をK2 とすると、錆抵抗は
2 ・hとなる。
【0026】従って、前記Rtは、 Rt=(反応抵抗)+(錆抵抗) =K1 /(半球表面積)+K2・h =K1 /2πr2 +K2・((2/3)πr3 d/d')/πr2 となる。右辺第2項におけるK2 /d’をK2'とおく
と、 Rt=K1 /2πr2 +K2'・(2/3)πr3 d/πr2 =K1 /2πr2 +K2'・(2/3)r・d …(3) となる。ただし K1 :比例定数すなわち、腐食反応の
抵抗定数(Ω・mm2) K2':比例定数すなわち錆の抵抗係数(Ω/mm・(mg/mm
3)) r :孔食の半径 d :鉄などの金属の密度(mg/mm3) なお、式の意味は、 Rt=K1 /(アノード面積) +K2'・(腐食金属量)/(孔食間口面積) …(4) ということになる。
【0027】3.腐食反応の抵抗及び錆の抵抗係数 このK1 は直線分極抵抗法、インピーダンス測定法、定
電位分極測定法、定電流分極測定法などにより求めるこ
とができる。
【0028】K2'は局部腐食モニターにより求めること
ができる。即ち、オーム則通りΔE=It・Rtであ
り、ΔE、Itは実測できるからRtが求まる。式
(3)において右辺のK1 、r、dが既知であるから、
式(3)よりK2'が求まる。
【0029】このようにして、腐食反応の抵抗及び腐食
生成物(錆)の抵抗(抵抗係数)が求まる。
4.孔食電圧ΔE、孔食電流Itから孔食量の算出 Ij なる電流が1日間流れたときの孔食量Wj は次のよ
うにして求められる。 Wj =Ij ・(3600・24)・(M/2F) …(5) M:鉄などの金属の原子量 F:ファラデー定数 孔食が発生した時点から1日目(0〜24時間の間)は
平均してI1 なる電流が流れ、2日目(24時間〜48
時間の間)は平均してI2 なる電流が流れ、3日目(4
8時間〜72時間の間)はI3 なる電流が流れ、…j日
目にはIj なる電流が流れたものとすると、孔食開始か
らn日経過後の腐食総量Gn
【0030】
【数1】
【0031】となる。
【0032】本発明では、このIj を前記K1 ,K2'に
基いて算出する。
【0033】そこで、I1 ,I2 ,…の算出方法を次に
順次に説明する。
【0034】 孔食発生時(時間t=0)における電
流I 孔食発生時のアノード面積=Aとする。このAは極々微
小な値(例えば0.0001mm )とする。孔食深
さr0 =0とする。
【0035】I=ΔE/Rtであり、従って、前記式
(4)より
【0036】
【数2】
【0037】であるから、
【0038】
【数3】
【0039】 孔食発生1日後(24時間後)。この
24時間は、
【0040】
【数4】
【0041】が一定で流れ続け、その結果、孔食部は半
径r1 になったものとする。
【0042】この1日の間の腐食量 W1 =I0 ・(3600・24)・(M/2F)=(2/3)πr1 3d…(9) (M:金属の原子量、F:ファラデー定数) (r2 :2日目の最後の時点での孔食深さ、d:金属の
密度) 腐食総量G1 =W1 であり、孔食部は半球であるから、
(孔食深さ)は(半球の半径)に等しい。即ち、 孔食深さr1 =(3W1/2πd)1/3 =(3G1/2πd)1/3 …(10) である。
【0043】 孔食発生2日後(48時間後) この新たな24時間において、流れる電流I1 は、その
ときの孔食部の半径がr1 になっているため、(7)式
においてr=r1 とおくことにより、次の通りとなる。
【0044】
【数5】
【0045】孔食発生2日目(24時間〜48時間の
間)はI1 が1日間(24時間)一定で流れ続ける。こ
の1日間の腐食量W2 は W2 =I1 ・(3600・24)・(M/2F)であ
り、 腐食総量G2 =W2 +W1 =(2/3)πr2 3d であ
るから、孔食深さr2は次式により求められる。
【0046】 r2 =(3G2 /2πd)1/3 …(12) 孔食発生3日目は、同様にして次の電流I2 が1日
間(24時間)一定で流れ続け、その24時間の腐食量
3 は次の通りとなる。
【0047】
【数6】
【0048】 W3 =I2 ・(3600・24)・(M/2F) 孔食発生3日後の腐食総量G3 =W3 +W2 +W1 であ
るから、孔食深さr3は次式により求められる。
【0049】 r2 =(3G3 /2πd)1/3 …(14) 孔食発生n日後においては、(n−1)日目にI
n-1 なる電流が1日間(24時間)にわたって一定に流
れ、この1日間で新たにWn なる量だけ腐食が進行した
ことによって、腐食総量はGn となる。Wn =In-1
(3600・24)・(M/2F)であるから、Gn
次の通りである。
【0050】
【数7】
【0051】このように、r1 ,r2 ,r3 …及びI
0 ,I1 ,I2 …を順次に計算し、これを式(25)に
代入して積算することにより任意のn日経過後の孔食深
さrnを計算することができる。
【0052】以上の説明では、孔食部が半球状で進行す
ると仮定した場合の計算方法を説明したが、孔食部が円
錐状やコンタクトレンズ状で進行する場合でも、同様の
考え方で計算することができる。
【0053】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0054】実施例1 図1に示す試験装置を用いて試験を行なった。
【0055】図1において、10は試験水槽(100
リットル容)、12は補給水タンク(200 リットル
容)であり、補給水タンク12内の試験水はポンプ14
Aを備える配管14を経て試験水槽10に送給される。
16は試験水槽10のオーバーフロー管である。
【0056】1,2,3は試料チューブであり、それぞ
れ両端部にジョイント1A,1B,2A,2B,3A,
3Bを設け、試験水槽10内の試験水が循環されるよう
に、ポンプ18A,バルブ18B,流量計18Cを備え
る配管18及び配管20,22,24で直列に接続し
た。各試料チューブ1,2,3に設けた液溜部のうち、
下流側のジョイント1B,2B,3Bに、それぞれ局部
腐食モニターを設けた。各局部腐食モニターは、図2に
示す構成と同一とされている。これらのモニターは、電
極部(接液面)が上向きとなるようにジョイント1B,
2B,3Bの液溜部(図1では図示なし。)に挿入され
た金属片(チューブ1,2,3と同材質の金属片。)よ
りなるセンサ部1a,2a,3aと、このセンサ部1
a,2a,3aと試料チューブ(腐食が推定される金属
部材。)1,2,3とを連絡するリード線1b,2b,
3bと、各リード線1b,2b,3bに設けられた電流
計1c,2c,3cとで主に構成される。以下におい
て、試料チューブ1に設けられた第1のモニター装置の
測定データにを付し、試料チューブ2に設けられた第
2のモニター装置の測定データにを付し、試料チュー
ブ3に設けられた第3のモニター装置の測定データに
を付す。
【0057】なお、各試料チューブ1,2,3は、それ
ぞれ、長さ1m、外径19mm、肉厚2mmのSTB−
35製のものであり、予めトルエンで脱脂処理した後、
ヘキサメタリン酸ソーダを全リン酸として100mg/
1及び亜鉛塩を亜鉛として20mg/1含む防食剤を2
4時間通水して基礎処理を施した。
【0058】また、試験水は下記水質の水に、1−ヒド
ロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸を全リン酸と
して7mg/1を配合してなる合成水である。
【0059】試験水水質 Mアルカリ度=150mg・CaCO3 /1 カルシウム硬度=250mg・CaCO3 /1 マグネシウム硬度=100mg・MgCO3 /1 SiO2 濃度=100mg/1 このような試験装置により、流量計18Cで試料チュー
ブ1,2,3内の流速が0.3m/secとなるように
調整して、ポンプ18Aにより、試験水槽10内の試験
水(水温30℃)を配管18、試料チューブ1、配管2
0、試料チューブ2、配管22、試料チューブ3及び配
管24を経て循環させた。なお、試験水槽10には、補
給水タンク12から、補給水(試験水と同水質)を滞留
時間が120時間となるようにポンプ14Aで配管14
より補給した。試験水槽10は補給水が入ると、オーバ
ーフロー管16よりオーバーフローする構造とした。
【0060】このようにして各局部腐食モニターのリー
ド線1b,2b,3bを流れるアノード電流をそれぞれ
電流計1c,2c,3cで60日間にわたり測定した。
測定結果を図3に示す。この結果からK2'を計算した。
結果は表2の通りである。
【0061】また、上記測定結果から前記特開平2−3
10452号の方法に従って、アノード電流測定値を孔
食モデル式に代入して求めた孔食深さ推定値を図4及び
表1に示す。
【0062】ところで、この金属は鉄であり、K1 は4
7000Ω・mm2 であった。このK1 値を前記表1の
2'値に基いてr90を算出した。なお、A値(初期孔食
のピンホールの面積)は0.0001mm2 とした。こ
のAの値は0.1mm2 や0.0000001mm2
ど桁を変えてもr360 には殆ど影響しない。
【0063】この算出値を極値統計することにより最大
孔食深さを算出した。極値統計は市販ソフト(腐食防食
協会監修「EVAN」)を用いて計算した。この時の最
大侵食量推定−Gumbel確率紙プロットは図5に示
す通りである。
【0064】なお、各設定値を下記に示す。
【0065】y:二重指数最大値分布規準化変数 F(y):累積確率=e(−e(−y)) T:再帰期間 L1:1試料中の最大孔食量の推定分布直線 y=(X−λ)/α λ=0.17699 α=0.09218 その結果、再帰期間T=30で、実機推定最大侵食量最
頻値点値Xmax=0.425mmという値が得られ
た。
【0066】この値を、最大孔食深さの実測値(0.4
1mm)と共に図4にプロットした。また、各値の比較
結果を表1,2に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】以上の結果から次のことが明らかである。
即ち、特開平2−310452号の方法では、孔食深さ
の推定値は0.182〜0.285mmとバラツキが大
きく、最大孔食深さの実測値0.41mmに対して−5
5.6〜−30.5%(平均−39.8%)と大きな誤
差がある。
【0070】これに対して、本発明方法に従って、K
1 ,ΔE及び複数個(本実施例では3個)の局部腐食モ
ニターのアノード電流測定値から求めたK2'に基いて孔
食深さr90を算出し、各r90値を極値統計処理すること
により得られる推定値は0.427mmであり、実測値
0.41mmに対して+4.1%のきわめて小さい誤差
で推定することができた。
【0071】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の孔食深さ算
出方法によれば、熱交換器や配管の運転、通水を休止す
ることなく、非破壊にて、該熱交換器や配管の局部腐食
による任意の時点における孔食深さを、精度良く推定す
ることが可能とされる。
【0072】本発明の方法によれば、孔食深さを正確に
算出することで孔食の進行状況を当該設備の運転中にリ
アルタイムで容易かつ正確に推定することができること
から 適宜薬剤の投入量をコントロールして局部腐食の進
行を抑制できるようになる。
【0073】 局部腐食の進行状況から、余寿命の推
定が可能となる。
【0074】 運転停止時の検査が不要となる。
【0075】 局部腐食による貫通・漏えい事故を未
然に防止できるようになる。
【0076】等の効果が奏され、各種プラントの安全か
つ安定な操業、及び金属装置部材の寿命の延長を図るこ
とが可能とされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における試験装置を示す断面図であ
る。
【図2】従来のモニタリング方法を示す断面図である。
【図3】実施例1におけるアノード電流の測定値を示す
グラフである。
【図4】実施例1における孔食深さの推定値及び実測値
を示すグラフである。
【図5】極値統計確率紙プロットを示すグラフである。
【図6】孔食モデルを示す断面図である。
【符号の説明】
1,2,3 試料チューブ 1B,2B,3B ジョイント 1a,2a,3a センサ部 1b,2b,3b リード線 1c,2c,3c 電流計 10 試験水槽 12 補給水タンク 14A,18A ポンプ 18C 流量計

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水系媒体に接する熱交換器又は配管等の
    金属部材の孔食深さを算出する方法であって、 該水系媒体と小孔を介して連通する液溜部と、該液溜部
    内の液と接するように設けられた前記金属部材と同材質
    の金属片とを備え、該金属片の前記液溜部内の液と接す
    る面の面積が前記小孔の開口面積よりも大きいモニター
    装置を用い、 該金属片と前記金属部材とを電気的に接触させて、両者
    の間に流れる電流を測定して金属部材の孔食深さを算出
    する方法において、 予め前記金属部材の腐食反応の抵抗定数を求めておくと
    共に、 前記金属部材に複数の前記モニター装置を設け、各モニ
    ター装置の電流値及び前記金属部材の腐食反応の抵抗定
    数に基いて前記金属部材の腐食生成物の抵抗係数を求
    め、 該腐食反応の抵抗定数と、腐食生成物の抵抗定数と、前
    記金属部材と水系媒体との接触により生じる電位差とに
    基いて孔食深さを算出することを特徴とする孔食深さ算
    出方法。
JP1774592A 1992-02-03 1992-02-03 孔食深さ算出方法 Expired - Lifetime JP2976666B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2221601A1 (en) * 2009-02-24 2010-08-25 Hitachi Plant Technologies, Ltd. Pitting corrosion diagnostic method and apparatus for stainless steel and for seawater pump using stainless steel as a structural member
JP2011102790A (ja) * 2009-10-16 2011-05-26 Jfe Steel Corp 缶成型体の内容物に対する耐腐食性を迅速に評価する方法
JP2015132581A (ja) * 2014-01-15 2015-07-23 新日鐵住金ステンレス株式会社 すきま腐食試験方法およびすきま腐食試験装置
CN107807087A (zh) * 2017-11-14 2018-03-16 湖南工业大学 腐蚀实验装置及其腐蚀实验方法

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