JP3314645B2 - 孔食の監視方法 - Google Patents
孔食の監視方法Info
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Description
視方法に係り、特に、熱交換器又は配管等の局部腐食に
よる孔食(侵食)深さを、当該設備の運転、通水を休止
することなく、非破壊にて精度良く算出することができ
る孔食の監視方法に関する。
進行して孔食深さが増し、それが貫通に至るとプラント
の操業停止など不測の事態を生ずることがあるため、局
部腐食、即ち孔食の深さを推定する技術が求められてい
る。
備の運転、通水を休止してその一部をサンプリングし、
サンプルの孔食深さを測定することにより推定してい
た。
の運転を休止し、かつその一部をサンプリングするため
に破壊しなければならないことから、工場の操業に影響
を及ぼすという欠点がある。しかも、測定結果が出るま
でに多大の時間、労力、費用がかかるという欠点もあ
る。
の進行速度をモニターすることにより、その孔食深さを
推定することが可能な方法として、水系媒体に接する金
属部材の局部腐食をモニターする方法であって、該水系
媒体と小孔を介して連通する液溜部と、該液溜部内の液
と接するように設けられた前記金属部材と同材質の金属
片とを備え、該金属片の前記液溜部内の液と接する面の
面積が前記小孔の開口面積よりも大きいモニター装置を
用い、該金属片と前記金属部材とを電気的に接触させ
て、両者の間に流れる電流を測定することにより金属部
材の局部腐食をモニタリングする方法がある(特開平2
−310452号)。
タリング方法について図2を参照して説明する。
の形成により、金属の溶解部分(アノード)とその周辺
の酸素還元反応の起こる部分(カソード)との電位差が
駆動力となって進行する。
2に示す如く、当該金属部材30と同一材質の例えば円
柱状の金属片32を例えば円形凹穴よりなる液溜部34
内に挿入配置して液溜部34内に模擬的に局部腐食の状
態を作る。なお、33は塩化ビニル等の非腐食性の部材
であり、該部材33の図の上面側に水系媒体が流通され
る。
小孔状の液絡部40を介して液溜部34内の水系媒体を
徐々に更新する。
なる金属片32とをリード線36で電気的に接続し、こ
のリード線に流れる電流を電流計38で測定し、その電
流値から局部腐食の進行速度及び侵食深さなどを推定す
る。
れば、設備の運転を休止することなく、非破壊にて孔食
をリアルタイムで推定することが可能とされる。
の方法では、短いテストチューブを用いるモニター装置
により得られたアノード電流から直接に孔食深さを求め
るものであるため、得られた測定値に対して、様々な大
きさの熱交換器や長さの異なる実際の配管では、現実の
孔食深さと大幅に異なることがある。
現在及び将来)における孔食深さを特開平2−3104
52号の方法よりも正確に算出し得る孔食深さ算出方法
を特開平5−215707号公報にて提案した。同号公
報の孔食深さ算出方法は、水系媒体に接する熱交換器又
は配管等の金属部材の孔食深さを算出する方法であっ
て、該水系媒体と小孔を介して連通する液溜部と、該液
溜部内の液と接するように設けられた前記金属部材と同
材質の金属片とを備え、該金属片の前記液溜部内の液と
接する面の面積が前記小孔の開口面積よりも大きいモニ
ター装置を用い、該金属片と前記金属部材とを電気的に
接触させて、両者の間に流れる電流を測定して金属部材
の孔食深さを算出する方法において、予め前記金属部材
の腐食反応の抵抗係数を求めておくと共に、前記金属部
材に複数の前記モニター装置を設け、各モニター装置の
電流値及び前記金属部材の腐食反応の抵抗係数に基いて
前記金属部材の腐食生成物の抵抗係数を求め、該腐食反
応の抵抗係数と、腐食生成物の抵抗係数と、前記金属部
材と水系媒体との接触により生じる電位差とに基いて孔
食深さを算出することを特徴とするものである。
行することが知られているが、以下ではもっとも一般的
な形態として半球状で進行した場合を例にとって特開平
5−215707号の方法について説明する。
いて孔食の深さを算出する方法である。図3において、
半球状の孔食部50が生じており、この孔食部50を均
一厚さの腐食生成物層51が蓋をする如く覆っている。
孔食部以外の部分では金属部材が保護皮膜で被われてお
り、金属部材と水系媒体とは直接には接していない。
が接することにより両者間に電位差が生じる。この電位
差を、孔食部50の表面(半球状の表面)における腐食
反応の抵抗と、前記腐食生成物層(錆)51の抵抗との
合計の抵抗で除算することにより、該孔食部の表面を流
れる電流が算出される。この電流値と時間との積に対し
さらに金属の原子量を乗ずると共に金属の反応関与価電
子数及びファラデー定数で除することにより腐食量が算
出される。このモデルの場合、孔食部を半球状と扱うこ
とにより、総腐食量(即ち孔食部の半球の体積)から孔
食部の半球の半径が算出される。
るが、特開平5−215707号の説明では、ある1日
(24時間)の間は一定の電流が流れて腐食が進行し、
次の1日(24時間)にはこの通電により拡径した孔食
部に対しその表面積(孔食部の半球の表面積)に見合っ
た定電流が流れるものとして扱っている。
生成物の抵抗係数とを、後述の如くしてモニター装置に
よって実測された電流値から計算により算出する。
因で防食被膜にピンホール状の破壊が生じ、該ピンホー
ルを中心として半球状に凹食(孔食)が図6の如く徐々
に進行する。そして図6に示す如く、錆(腐食生成物)
51が孔食部分を覆う。
モデルにおいては、前述の通り、孔食部分50は半球で
あるとし、また、錆51は正確に円盤形状であるとす
る。この半球の半径をrとし、錆の高さをhとする。
接液界面に電位差△Eが生じ、液と金属部材との間に電
流Itが流れる。この液と金属部材との間に流れる電流
は、錆の抵抗及び液と金属部材との接液界面の反応抵抗
を受ける。
抵抗)Rtとすると、 Rt=(反応抵抗)+(錆抵抗) …(1) である。この反応抵抗は、接液界面の面積(孔食部分5
0の半球の表面積)2πr2 に反比例する。従って、比
例定数をK1 とすると、反応抵抗はK1 /2πr2 と表
わされる。
錆の高さhは、(錆の体積)/(錆の底面積)であり、
錆の体積は、孔食された金属の総体積2πr3 /3(半
球の体積)に金属の密度dと錆の密度d’との比を乗じ
て求まる。
K2 ・hとなる。(なお、このK2 値は、水質環境や温
度、流動条件によって変わるが、特開平5−21570
7号の発明ではこれらの環境条件はモニター試験期間
中、常に一定であるとしている。) 従って、前記孔食抵抗値(全抵抗)Rtは、 Rt=(反応抵抗)+(錆抵抗) =K1 /(半球表面積)+K2 ・h =K1 /2πr2 +K2 ・((2/3)πr3 d/d')
/πr2 となる。右辺第2項におけるK2 /d’をK2 ’とおく
と、 Rt=K1 /2πr2 +K2 ’・(2/3)πr3 d/πr2 =K1 /2πr2 +K2 ’・(2/3)r・d …(3) となる。ただし K1 :比例係数すなわち、腐食反応の
抵抗係数(Ω・mm2) K2 ’:比例係数すなわち錆の抵抗係数(Ω/mm・(mg/
mm3)) r :孔食の半径 d :鉄などの金属の密度(mg/mm3) なお、(3)式の意味は、 孔食抵抗値(全抵抗)=K1 /(アノード面積) +K2 ’・(腐食金属量)/(孔食間口面積) …(4) ということになる。
属片32が金属部材52と同様に腐食して同様な錆41
を生じさせている。従って、この腐食モニターにおい
て、Rtは上記(4)式と同様に、アノード面積(即
ち、金属片32の接液面積Sa )、孔食間口面積(液絡
部40の間口面積Sb )及び金属片32のj日間の腐食
量Dj により次のように表わされる。
極抵抗法、インピーダンス測定法、定電位分極測定法、
定電流分極測定法などにより求めることができる。
とができる。即ち、孔食電流をItとすると、オーム則
通りΔE=It・Rtであり、ΔE、Itは実測できる
からRtが求まる。式(4.5)において右辺の面積S
a ,Sb は既知であり、K1は上記直線分極抵抗法等の
測定法により測定される。腐食量Dj は、腐食モニター
の電流計38に流れた電流値の積算値と金属原子量及び
ファラデー定数より計算される。(この腐食量Dj の計
算は、次の(5)式のWj の計算と同じ計算方法にな
る)。従って、これらのSa ,Sb ,K1 及びDj を
(4.5)式に代入することにより、該(4.5)式か
らK2 ’が求まる。
及び腐食生成物(錆)の抵抗係数K’2 が求まる。
から孔食量の算出 Ij なる電流が1日間流れたときの孔食量Wj は次のよ
うにして求められる。 Wj =Ij ・(3600・24)・(M/Z・F) …(5) M:金属部材32を構成する鉄などの金属の原子量 F:ファラデー定数 Z:電価数(鉄の場合は2) 孔食が発生した時点から1日目(0〜24時間の間)は
平均してI1 なる電流が流れ、2日目(24時間〜48
時間の間)は平均してI2 なる電流が流れ、3日目(4
8時間〜72時間の間)はI3 なる電流が流れ、…j日
目にはIj なる電流が流れたものとすると、孔食開始か
らn日経過後の腐食総量Gn は
記K1 ,K2 ’に基いて算出できる。
に説明する。
流I0 孔食発生時のアノード面積=Aとする。このAは極々微
小な値(例えば0.0001mm2 )とする。孔食深さ
r0 =0とする。なお、このt=0の状態では(アノー
ド面積)=(孔食間口面積)=Aとなる。
量)/(孔食間口面積) であるから、
り(アノード面積)=(孔食間口面積)=Aであり、
(腐食金属量)=0であるから、t=0のときの電流値
I0 は次の(8)式の通りとなる。
あり、Aは所定値に設定されているから、この(8)式
からI0 が求まる。
24時間は、
径r1 になったものとする。
腐食量W1 は次の(9)式の通りである。
1日間の腐食金属量は(2/3)πr1 3 dである。た
だし、d:金属の密度である。
であるから、(孔食深さ)は(半球の半径)に等しい。
即ち、 孔食深さr1 =(3G1/2πd)1/3 =(3W1/2πd)1/3 …(10) である。
されるW1 の値を代入することにより、第1日(最初の
24時間)経過後の孔食深さr1 が求まる。
ときの孔食部の半径がr1 になっているため、(7)式
においてr=r1 とおくことにより、次の通りとなる。
1 (=W1 )は(9)式から求まるから、この(11)
式より電流I1 が計算される。
間)はこのI1 が1日間(24時間)一定で流れ続け
る。この1日間の腐食量W2 はW2 =I1 ・(3600
・24)・(M/Z・F)より計算される。そして、G
2 (=W2 +W1 )もこれから求まる。
間(24時間)一定で流れ続け、その24時間の腐食量
W3 は次の通りとなる。
G2 も求まるから、(13)式よりI2 が求まる。そし
て、(13.5)式からW3 も求まる。
2 +W1 であるから、G3 が求まり、孔食深さr3 は次
式により求められる。
の当日の電流値が求まる。そして、これにより、その当
日に生じる孔食量が計算される。このように、r1 ,r
2 ,r3 ………及びI0 ,I1 ,I2 ………を順次に計
算することにより、n日経過後の孔食深さを計算でき
る。
K2 ’が一定であるとしているから、ある日の電流Im
はその前日までに生じた孔食部の接液面積(2π
r2 m-1)によって決まるものであり、わざわざIm を計
算しなくても、r1 ,r2 ,r3 ……の値だけからn日
経過後の孔食深さを計算することができる。
目にIn-1 なる電流が1日間(24時間)にわたって一
定に流れ、この1日間で新たにWn なる量だけ腐食が進
行したことによって、腐食総量はGn となる。Wn =I
n-1 ・(3600・24)・(M/Z・F)であるか
ら、Gn は次の通りである。
算値を代入することによりGn が求まる。
ら、この(22)式のGn 値を(24)式に代入すれば
rn が計算される。
式に(22)式を代入した次の(25)式の通りとな
る。
計算し、これを式(25)に代入して計算することによ
り任意のn日経過後の孔食深さrn を計算することがで
きる。そして、この孔食深さrn を指標として孔食を監
視することができる。
707号の方法においては、腐食生成物たる錆51の抵
抗は一定値であるとして扱っている。
動し、錆51の抵抗も日々変動することが多い。このよ
うな場合、錆51の抵抗を常に一定値である(具体的に
は、上記の通りK2 ’が一定であると扱う。)とした
特開平5−215707号の方法では孔食深さ計算値の
実際の孔食深さからの誤差が大きくなってしまう。
5−215707号の方法よりもさらに精度の高い孔食
の監視方法を提供することを目的とするものである。
法は、特開平5−215707号の方法において、各モ
ニター装置の電流値を所定時間毎に検出し、この電流値
によって上記腐食生成物の抵抗係数を計算し、この抵抗
係数を指標として孔食を監視するようにしたものであ
る。
と、腐食生成物の抵抗係数の値が実際の値にきわめて近
いものとなるため、孔食の監視の精度が高いものとな
る。
金属部材と水系媒体とが接することにより両者間に電位
差が生じる。この電位差を、孔食部の表面における腐食
反応の抵抗と、前記腐食生成物層(錆)の抵抗との合計
の抵抗で除算することにより、該孔食部の表面を流れる
電流が算出される。この電流値と時間との積に対しさら
に金属の原子量を乗ずると共に金属の反応関与価電子数
及びファラデー定数で除することにより腐食量が算出さ
れる。
が、以下の説明では、ある1日(24時間)の間は一定
の電流が流れて腐食が進行するものとして扱っている。
部で生じる錆の代わりにモニター装置で生じる錆につい
て、その抵抗係数を、該モニター装置の電流計によって
実測された電流値から計算し、この抵抗係数を監視指標
とする。
る。この実施の形態でも、腐食生成物たる錆41は、液
絡部40と同径の円柱状に生成するものと扱う。この錆
41は、第1日目に形成された第1層411と、第2日
目に形成された第2層412と、…………第n日目に形
成された第n層41nとからなる。錆41の高さをhと
する。
が生じ、液と金属片32との間に電流が流れる。この液
と金属片32との間に流れる電流は、錆41の抵抗及び
液と金属片32との接液界面の反応抵抗を受ける。
とすると、前記の通り、 孔食全抵抗=(反応抵抗)+(錆抵抗) …(1) である。この右辺第1項の反応抵抗は、接液界面の面積
Sa に反比例する。従って、比例定数をK1 とすると、
反応抵抗はK1 /Sa と表わされる。
に比例する。錆の高さhは、(錆の体積)/(錆の底面
積)であり、錆の体積は、孔食された金属片32のj日
間の腐食総重量Gj に金属の密度dと錆の密度d’との
比を乗じて求まる。
K2 ・hとなる。このK 2 値は、水質環境や温度、流動
条件によって変わる。
のとして扱う。即ち、第1日目のK2 (第1層411の
K2 )をK21、第2日目のK2 (第1層411と第2層
412との積層物のK2 )をK22、………第n日目のK
2 (第1層、第2層……及び第n層の積層物のK2 )を
K2nとしている。なお、錆の密度d’も実際には変化す
る。そこで、第j日目の錆の線抵抗比例係数K2jをその
日の錆41j の全体の密度dj ’で除した値K2j/
dj ’をK2j’とおくことにする。
におけるモニター装置の全抵抗は前記(1)式と同じ
く、 (モニター装置の全抵抗)=(反応抵抗)+(錆抵抗) =K1 /Sa +K2j・ h =K1 /Sa +K2j・Gj ・d/dj ’ =K1 /Sa +K2j’・Gj ・d …(27) となる。ただし K1 :比例係数すなわち、腐食反応の
抵抗係数(Ω・mm2) K2j’:第j日目における錆41の比例係数すなわち錆
の抵抗係数(Ω/mm・(mg/mm3)) d :鉄などの金属の密度(mg/mm3) この(27)式の(モニター装置の全抵抗)は、図2の
局部腐食モニター装置における第j日目の電流計38の
検出電流をIj とすると、オーム則の通り△E=I
j (全抵抗)であるから、(モニター装置の全抵抗)=
△E/Ij として求まる。
ス測定法、定電位分極測定法、定電流分極測定法などに
より予め求めておき、この値を全試験期間中一定として
扱う。このK1 は測定する試験水の水質によって異なっ
た値をとるので、連続通水試験をする水を用いて測定す
る。水が冷却水の場合には、K1 は通常10〜30KΩ
・mmの値をとる。
分極測定法により、(1)の機器、(2)の試験水を用
い、(3)の手順に従って求める。
器 (a)1Lビーカー (b)孔食センサー(アノード部のみ) (c)STB−35半割りチューブ(カソードとして使
用) (d)銀/塩化銀電極(照合極として仕様) (e)ポテンショスタット (f)電流計 (g)マグネチックスターラー (2)試験水:通水試験で用いた水を試験水とする。 (3)手順: 1Lビーカーに試験水を入れ、上記(b),(c),
(d)を浸漬する。 マグネッチクスターラーを用い撹拌する。 上記(e)を用いて(b),(c)間に50,10
0,150,200mVの電位差を作る。 (f)により(b),(c)間に流れる電流を測定す
る。 横軸に電位差、縦軸に電流値としてグラフを作成す
る。 このグラフの傾きが抵抗であるから、グラフの傾きを
求めて抵抗を求める。なお、アノード電極面積=7.0
7mm2 のため、抵抗をアノード面積で割り、「単位面
積あたりのアノード反応抵抗=K1」とする。Gj は、
j日目にIj なる電流が1日間流れたときの1日当りの
金属片32の腐食量Wj の総和即ちGj =W1 +W2 +
…………+Wj として求められる。このWj は前記
(5)式を用いて次のようにして求められる。
の間)は平均してI1なる電流が流れ、2日目(24時
間〜48時間の間)は平均してI2 なる電流が流れ、3
日目(48時間〜72時間の間)はI3 なる電流が流
れ、…j日目にはIj なる電流が流れたものとすると、
孔食開始からj日経過後の腐食総量Gj は前記の通り
して監視し、K2j’が基準値よりも低下したときには、
孔食の進行を遅らせるための水処理を行う。
値を指標としても良い。
する。
お、図6にこの試験装置におけるモニター装置付近の断
面図を示す。
と金属(STB−35)チューブ12とからなる循環水
路をポンプ13,14によって流通される。各金属チュ
ーブ12に近接してモニター装置29が設置されてい
る。
のものであり、同一部分は同一符号が付されている。な
お、3本のチューブ12を直列につなげた水路,が
2系統並列に設けられている。ポンプ13,14の吐出
流量を異ならせ、各系統に異なった流速で液を流通させ
ている。15は流量計、16は補給水タンクを示す。主
な試験条件は次の通りである。 金属(STB−35)パイプ 300mm長×19mm内径 系統の流速 1m/sec 系統の流速 0.3m/sec 水質 pH 8.5 カルシウム硬度 250mg/L Mアルカリ度 250mg/L マグネシウム硬度 100mg/L シリカ 100mg/L 防食剤クリゼットS112 70mg/L (クリゼットS112は栗田工業株式会社の登録商標) 水温 20〜25℃ 試験期間 30日間 モニター装置 液絡部40の直径2mm 金属片32の接液面積Sa 7.1mm2 接液による電位差 △E 0.15V STB−35の原子量M 55860mg/mol STB−35の電価数Z 2 腐食反応の抵抗係数K1 24KΩ・mm 上記条件で得られたK2j’(K2j/d’)の対数を孔食
抑制指数と定義し、図5に示した。
K2jが大きい。なお、30日間通水後、各金属チューブ
12に生じた孔食深さの平均値は次の通りであり、系統
の方が小さい。
器20の冷却水の流入口と流出口が配管21,22によ
って冷却塔23に接続されている。
管24,25を分岐させ、該分取用配管24,25にそ
れぞれSTB−35製チューブ26を5本直列に接続し
た。各チューブ26は熱交換器20内に設置された。
m)、同肉厚(1.6mm)及び同長さ(500mm
L)のものであり、各チューブ26へは該伝熱管と同一
流速にて通水が行なわれる。各チューブ26の出口側の
端部に前記図6と同様にして局部腐食モニター装置29
が設置されている。
は監視用コンピュータ(図示略)に入力されている。
循環する冷却水の水質は次の間で変動する。
れるアノード電流をそれぞれ電流計26で361日間に
わたり測定した。そして、1時間に1回電流計26の検
出値に基づいてK2j’を計算した。このK2j’の対数l
ogK2j’を孔食監視指標とし、このlogK2j’値が
常に5.5以下になることを目標として腐食防止剤を注
入した。
以下になった。残留塩素濃度は0.1mg/Lを下回っ
ており、スライムの影響による孔食の促進と考えられ
た。そこで、残留塩素濃度を0.2mg/L以上になる
ように除菌剤の注入量を増加したところ孔食抑制指数は
5.5以上に上昇した。
チューブを抜管し、20cm毎の最大孔食深さを測定し
たところ、最大孔食深さは0.30mmであった。一般
に、軟鋼の孔食深さは時間に対し3分の1乗で進行する
と考えられているため、10年後の最大孔食深さを算出
すると0.65mmになる。
ブを使用しているため孔食抑制指数5.5以上を保て
ば、10年間の孔食深さを肉厚の半分以下に抑えること
が可能である。
法によれば、熱交換器や配管の運転、通水を休止するこ
となく、非破壊にて、該熱交換器や配管の局部腐食によ
る任意の時点における孔食を、精度良く監視することが
可能とされる。
全かつ安定な操業、及び金属装置部材の寿命の延長を図
ることが可能とされる。
ある。
Claims (1)
- 【請求項1】 水系媒体に接する熱交換器又は配管等の
金属部材の孔食を監視する方法であって、 該水系媒体と小孔を介して連通する液溜部と、該液溜部
内の液と接するように設けられた前記金属部材と同材質
の金属片とを備え、該金属片の前記液溜部内の液と接す
る面の面積が前記小孔の開口面積よりも大きいモニター
装置を用い、 該金属片と前記金属部材とを電気的に接触させて、両者
の間に流れる電流を測定して金属部材の孔食深さを監視
する方法において、 予め前記金属部材の腐食反応の抵抗係数と、前記金属部
材と水系媒体との接触により生じる電位差とを求めてお
くと共に、 前記金属部材に複数の前記モニター装置を設け、各モニ
ター装置の電流値を所定時間毎に検出し、この電流値
と、前記金属部材の腐食反応の抵抗係数とに基いて前記
金属部材の腐食生成物の抵抗係数を所定時間毎に求め、 この抵抗係数を指標として孔食を監視することを特徴と
する孔食の監視方法。
Priority Applications (1)
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JP33207796A JP3314645B2 (ja) | 1996-12-12 | 1996-12-12 | 孔食の監視方法 |
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