JP4089360B2 - 防食剤の評価方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水系における熱交換器又は配管等の金属部材表面に発生する局部腐食(孔食、すきま腐食)について、当該設備の運転、通水を休止することなく、その進行を抑制する技術に関する。詳しくは、この局部腐食をモニタリングするためのモニター装置を用いた防食剤評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水系プラントの熱交換器又は配管等において、局部腐食が発生し、これが進行すると、孔食(浸食)の深さが増加し、やがては貫通に到ることにより、水系プラントの操業停止等の事態を招くことがある。このため、水系プラントの設備の運転、通水を休止することなく、局部腐食の発生又は進行を抑制することができる技術が関連産業界から要請されている。
【0003】
一般に、鋼材の腐食反応は電気化学的に起こる。給水のpHは一般に中性又はアルカリ性であるが、この場合、水中に溶存酸素が存在すれば、次に示す反応により鉄は溶出する。
【0004】
Fe→Fe2++2e
(1)
H2O+1/2O2+2e→2OH−
(2)
Fe2++2OH−→Fe(OH)2
(3)
ここで生成した水酸化鉄(II)〔Fe(OH)2〕は、次式の通りさらに溶存酸素と反応して水酸化鉄(III)〔Fe(OH)3〕となり腐食が進行する。
【0005】
4Fe(OH)2+O2+2H2O→4Fe(OH)3 (4)
水系プラントの水系媒体と接する金属部材表面には、該水系媒体への防食剤の添加により保護被膜が形成されているが、何らかの原因(例えば熱応力)により部分的に該保護被膜が破壊されると、鋼材等の地金が露出し、鋼材表面、水、保護被膜面との間で局部電池が形成され、地金鋼材から鉄が鉄イオン(II)として溶出する。
【0006】
溶出した鉄イオン(II)(Fe2+)は、ボイラ水のpHが適度に高くとも、溶存酸素が存在すると、前記(3),(4)式を経て水酸化鉄(III)となり、腐食生成物は沈殿物状となって鋼材表面に堆積する。このような状態になると、沈殿物内の水の酸素濃度と沈殿物の外側の水の酸素濃度との間に濃度差が生じるため、酸素濃淡電池が構成され、陽極部である鋼材表面からさらに鉄が溶出し、鋼材表面深く腐食が進行する。
【0007】
従来、金属の局部腐食の進行速度をモニターすることにより、その孔食深さを推定することが可能な方法として、水系媒体と小孔を介して連通する液溜部と、該液溜部内の液と接するように設けられた供試金属片とを備え、該金属片の前記液溜部内の液と接する面の面積が前記小孔の開口面積よりも大きいモニター装置を用い、該金属片と金属部材とを電気的に接触させて、両者の間に流れる電流を測定することにより金属部材の局部腐食をモニタリングする方法が提案されている(特開平2−310452号公報)。
【0008】
以下に、特開平2−310452号公報のモニタリング方法について図2を参照して説明する。
【0009】
通常、金属部材の局部腐食は酸素濃淡電池の形成により、金属の溶解部分(アノード)とその周辺の酸素還元反応の起こる部分(カソード)との電位差が駆動力となって進行する。
【0010】
特開平2−310452号公報の方法では、図2に示すモニター装置を採用している。このモニター装置は、金属部材としての配管9のモニター取付用開口9aに装着されたホルダ4と、該ホルダ4内に挿入され、配管9と同一材料の金属片よりなるアノード電極1と、該ホルダ4内に形成された液溜部3と、該液溜部3内と配管9内とを連通するように該ホルダ4に設けられた小孔(液絡部)2と、該アノード電極1と配管9とに対しリード線8を介して接続された電流計12とを備えてなる。ホルダ4は塩化ビニル等の非腐食性かつ絶縁性材料よりなる。この配管9内に水などの水系媒体が流通される。
【0011】
この水系媒体は腐食生成物(錆)5及び小孔状の液絡部2を介して液溜部3内の水系媒体を徐々に更新する。
【0012】
液溜部3内に局部腐食が生じ、アノード電極1とカソード電極(配管9)との間に酸素濃淡電池よりなる局部電池が形成される。リード線8を介して配管9(カソード電極)へアノード電極1(金属片)から流れる電流を電流計12で測定し、この電流値から局部腐食の進行速度及び浸食深さなどを推定する。
【0013】
上記特開平2−310452号公報の方法によれば、設備の運転を休止することなく、非破壊にて孔食をリアルタイムで推定することが可能とされる。
【0014】
【特許文献1】
特開平2−310452号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
特開平2−310452号公報の方法では、長期間(例えば数十日程度)のモニタリングを実施する場合、あるいは、モニタリング対象とする水系の腐食性が高い場合(例えば防食剤が添加されていなかったり、防食剤が不適切であったりした場合)は、カソードとしての金属部材(配管9)も腐食することがある。このようにカソード(金属部材としての配管9)が腐食してしまうと、該カソードと金属片(アノード電極)1との間の電位差がなくなり、両者の間に流れる電流値が短期間で消失して局部腐食の進行をモニタリングすることが不可能となる。
【0016】
そこで、本発明は、対象とする水系媒体の腐食性が高い場合、あるいは、長期間のモニタリングを実施する場合であっても、局部腐食の進行をモニタリングすることができ、かつ、その進行を抑制、停止させることもできる技術を提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の防食剤の評価方法は、水系媒体に接する金属部材の局部腐食をモニタリングするモニター装置によって金属部材の局部腐食をモニタリングしながら水系媒体に孔食停止用防食剤を添加し、該孔食停止用防食剤の防食効果の評価を行う防食剤の評価方法において、該モニター装置が、該水系媒体と小孔を介して連通する凹穴状の液溜部と、前記金属部材と同材質の材料よりなり、該液溜部内の液と接するように設けられ、且つ該液溜部内の液と接する面の面積が前記小孔の開口面積よりも大きいアノード電極と、前記水系媒体に接する耐食性材料製のカソード電極と、該アノード電極とカソード電極との間を流れる電流を計測する電流計測手段と該水系媒体に接する参照電極と、該アノード電極と参照電極との間の電位差を目的とする値に保つための電圧印加手段とを備えてなるものであり、防食剤を添加した水系媒体にアノード電極及び参照電極を接触させたときにアノード電極に生じる分極電位よりもアノード電極の電位が高くなるように前記電圧印加手段により電圧を印加し、このときに該アノード電極とカソード電極との間を流れる電流を前記電流計測手段で計測し、該電流値から該孔食停止用防食剤の防食効果の評価を行うことを特徴とする。
【0018】
かかる本発明の防食剤の評価方法に用いられる局部腐食のモニター装置にあっては、カソード電極を耐食性材料製としているので、水系媒体の腐食性が高い場合、あるいは長期にわたりモニタリングする場合であっても、カソード電極が腐食することがない。従って、カソード電極の腐食による測定誤差発生や測定不能が防止される。
【0019】
本発明では、防食剤を添加した水系媒体にアノード電極及び参照電極を接触させたときに分極によりアノード電極に生じる電位よりもアノード電極の電位が高くなるように電圧印加手段により電圧を印加する。
【0020】
このように、本来のアノード電極と金属部材よりなるカソード電極との間に生じる電位差による電位よりもアノード電極電位を高くする(負の電位であって絶対値が小さい電位。又は正の電位。)ことにより、アノード電極の腐食を促進させることができる。このようにアノード電極の腐食が促進される条件下にてモニタリングを行う場合、防食剤の効果を短時間で確認することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
【0022】
図1は実施の形態に係る局部腐食のモニター装置を示す模式的な断面図である。
【0023】
この実施の形態では、金属部材は鋼材よりなる配管9である。この配管9にモニター装置11が設けられている。このモニター装置11は、該配管9の側面のモニター取付用開口9aに装着されたホルダ4と、該ホルダ4内に挿入された配管9と同一材料の金属片よりなるアノード電極1と、該ホルダ4内に形成された液溜部3と、該液溜部3内と金属部材(配管)9内とを連通するように該ホルダ4に設けられた小孔(液絡部)2と、該配管9内に設置された耐食性材料よりなるカソード電極6と、該配管9内に先端側が差し込まれた参照電極10と、アノード電極1、カソード電極6及び参照電極10にリード線を介して接続されたポテンショスタット7とを備えてなる。ホルダ4は塩化ビニル等の非腐食性かつ絶縁性材料よりなる。
【0024】
このポテンショスタット7は、参照電極10とアノード電極1及びカソード電極6との間の電位差を計測する電圧測定機能と、アノード電極1とカソード電極6との間に所定電圧を印加する電圧印加機能と、該カソード電極6へアノード電極1からリード線8を介して流れる電流を計測する電流計測機能とを有する。
【0025】
参照電極10としては飽和KCl銀・塩化銀照合電極、飽和カロメル電極等、電気化学測定において一般的に用いられる参照電極を用いることができる。
【0026】
カソード電極6を構成する耐食性材料としては、モニタリング対象水系において電極自身の溶解反応等が起こらない不活性電極、たとえば、白金、金、銀等の貴金属、グラファイト等を用いることができる。
【0027】
配管9内を流通する水系媒体は、腐食生成物(錆)5及び小孔(液絡部)2を介して液溜部3内の水系媒体を徐々に更新する。
【0028】
アノード電極1の接液面は、活性溶解状態を保持するように、予め塩酸等の酸でエッチングしておくのが好ましい。
【0029】
なお、配管9内を流れる水系媒体は実系の水であり、かつ金属片(腐食試験片)1が実系の金属部材と同じ材質とされる。配管9は実系の金属部材と同じ材質である必要はなく、例えば、透明なプラスチック管でもよい。
【0030】
このように構成されたモニター装置により局部腐食をモニタリングする方法について次に説明する。
【0031】
<モニタリング方法A(参考例)>
腐食生成物5が無い初期状態において、アノード電極1と参照電極10との間の電位差V1をポテンショスタット7により計測すると共に、参照電極10とカソード電極6との間の電位差V2を計測する。これらの電位差の差(V1−V2)をアノード電極1とカソード電極6との間に印加する。これにより、アノード電極1を、アノード電極1と配管9との間の自然分極電位と同電位に保って該アノード電極1の腐食状況を再現することができる。
【0032】
<モニタリング方法B;腐食促進条件下での防食剤添加の評価>
上記方法Aのように、まず参照電極10とアノード電極1との間の電位差を計測する。このときの参照電極10に対するアノード電極1の電位(−E0)よりもアノード電極1の電位(−E1)が高くなるように電圧をカソード電極6、アノード電極1間に印加する。即ち、E0>E1とする。例えば、−E0が−600mVの場合、−E1を−500mVとする。なお、活性溶解状態の炭素鋼の場合、−E0は−600〜−700mVである。また、防食剤を添加して防食被膜を形成したときには、この電位は−550mV程度である。参照電極10に対するアノード電極1の電位を−550mVよりも高い電位(例えば−500mV)とすることにより、腐食を促進させることができる。
【0033】
この腐食促進条件下において防食剤を添加し、このときにリード線8を流れる電流をモニタリングすることにより、防食剤の効き目を評価することができる。防食剤が当該水系に適合したものであるときには、防食剤の添加によりモニタリング電流が低下する。
【0034】
なお、一般に、水系媒体中に濁度成分が含まれると、防食剤の効き目が悪くなることがあるので、水系媒体の水質に応じて防食剤を選定することが重要である。
【0035】
防食剤としては、局部腐食停止剤が好適である。
【0036】
局部腐食停止剤としては、リン酸系薬剤と金属塩系薬剤との混合物が例示される。リン酸系薬剤としては、オルトリン酸、ヘキサメタリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸やアミノトリメチルホスホン酸、2−ホスホノ−1,2,4−トリカルボキシブタン、ヒドロキシエチリデンホスホン酸等のホスホン酸及びそれらの水溶性塩を挙げることができる。金属塩系薬剤としては、亜鉛塩、モリブデン酸塩、クロム酸塩等が例示される。
【0037】
これらの薬剤は予め混合した後に対象水系に添加しても良く、同時に添加しても良く、あるいはそれぞれの薬剤を別々に添加しても良い。添加は、手動又は自動のいずれも採用可能である。
【0038】
なお、リン酸系薬剤と金属塩系薬剤との混合物を使用する場合には、リン酸カルシウムや炭酸カルシウムの分散を図るために、水溶性ポリマーを併用することが好ましい。水溶性ポリマーとしては、ポリアクリルアミドの部分加水分解物等の種々のスケール分散剤を用いることができる。
【0039】
対象とする水系のスライムポテンシャルが高い場合は、適切なスライムコントロール剤を注入することで、孔食停止剤の効果をより高めることができる。スライムコントロール剤としては、塩素、臭素等のハロゲン系薬剤、ヒドラジン、第4級アンモニウム塩系薬剤や非ハロゲン系薬剤等の種々のスライムコントロール剤を用いることができる。
【0040】
図3は、本発明のモニター装置により局部腐食の抑制を好適に実施できる冷却水系を表す系統図である。図3において、送水ポンプ15及び定流量弁16を介して試験水がカラム20に定流量にて通水される。このカラム20には、モニター装置11が設置されており、ポテンショスタット7を用いて一定電圧を印加することで生じた電流値の計測結果に基づいて、制御機器19が薬注ポンプ17を制御する。これにより、薬液タンク18内から冷却塔のピット14への局部腐食停止剤の薬注量が制御される。
【0041】
【実施例】
(実施例1)
本発明のモニター装置による局部腐食のモニタリングについて検討したラボ試験装置を図4に示す。モニター装置の炭素鋼製アノード電極1の接液部が活性溶解状態を保持するように、金属片よりなるアノード電極1の接液部はあらかじめHClでエッチング処理した。アノード電極1の後端面は絶縁塗料を塗布してある。参照電極10としては飽和KCl銀・塩化銀電極、カソード6の耐食性金属としては白金板を用いた。これらを図示の通り容器40内の水に接触させるように配置した。
【0042】
ポテンショスタット7により、炭素鋼製金属片よりなるアノード電極1を−500mV/Ag/AgCl/sat.KClに定電位保持し、そのときにアノード1からカソード6へ流れる電流をモニタリングした。活性溶解状態の炭素鋼の電極電位が−600〜−700mV/Ag/AgCl/sat.KClであるのに対して、リン酸亜鉛系薬剤の薬注が行われている炭素鋼の電極電位は約−550mV/Ag/AgCl/sat.KClである。
【0043】
この実施例では、腐食促進試験を行うこととし、炭素鋼製アノード電極1の電極電位が−500mV/Ag/AgCl/sat.KClとなるようにポテンショスタット7によりアノード電極1とカソード電極6との間に電圧を印加した。
【0044】
容器40内の水として、実機用の冷却水に対し実機から採取した汚れ成分を濁度50となるように添加した試験水を用いた。モニタリングを開始してから約45時間後に、容器40内の水を、局部腐食停止剤としてヘキサメタリン酸100mg−PO4/L及び塩化亜鉛20mgZn/Lを添加した実機用冷却水(実機汚れの添加なし)と置換し、その約45時間後に、再び、試験水を実機用冷却水(実機汚れ及び局部腐食停止剤の添加なし)に置換した。この間の電流値の経時変化を図5に示す。図5より、汚れ成分が局部腐食の進行を助長したため、一定期間局部腐食停止剤を添加しても、その効果が十分に得られないことが認められる。
【0045】
(実施例2)
図4のモニター装置において、実機用の冷却水(汚れ成分添加なし)を用いてモニタリングを開始し、約45時間後に、局部腐食停止剤としてヘキサメタリン酸100mg−PO4/L及び塩化亜鉛20mg−Zn/Lを添加した実機用冷却水(汚れ成分添加なし)と置換し、その約45時間後に、再び、実機用冷却水(汚れ成分添加なし)に置換した。このときの電流値の経時変化を図6に示す。図6より、水中に汚れ成分がなければ、局部腐食停止剤によって、完全に腐食の進行を停止できることが認められる。
【0046】
(実施例3)
図7に示す通水試験装置において局部腐食の進行をモニタリングし、その進行を制御した結果を図8に示す。実施例1と同様に、モニター装置の金属片よりなるアノード電極1の接液部が活性溶解状態を保持するように、金属片の接液部はあらかじめHClでエッチング処理した。参照電極10として飽和KCl銀・塩化銀電極、対極の耐食性金属として白金板を用いた。そして、ポテンショスタット7により、モニター装置の金属片を−500mV/Ag/AgCl/sat.KClに定電位保持し、そのときに流れる電流をモニタリングした。図7におけるカラム20は炭素鋼STB製チューブとした。図8の(a)では、実機用冷却水に、実機用冷却水より採取した汚れ成分を濁度50となるように添加している。図8の(b)では、汚れ成分は添加していない。約160時間後、局部腐食停止剤としてヘキサメタリン酸100mg−PO4/L及び塩化亜鉛20mg−Zn/Lを添加した。汚れ成分のない水系である(b)では、局部腐食停止剤により局部腐食の進行が停止することが認められる。汚れ成分のある水系(a)では、局部腐食停止剤を添加しても局部腐食の進行を停止できないことが認められる。試験終了後、それぞれの条件における炭素鋼製チューブ(カラム)を半割りし、チューブ内面を観察したところ、条件(a)におけるチューブ内面では侵食深さ0.1mmの孔食が発生していた。また、条件(b)におけるチューブ内面では目視確認できる大きさの孔食は発生していなかった。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、熱交換器や配管の運転、通水を休止することなく、該熱交換器や配管の局部腐食の進行をモニタリングすることができ、また局部腐食を確実に停止させることも可能とされる。本発明によれば、各種水系プラントの安全かつ安定な操業、及び金属装置部材の寿命の延長を図ることが可能とされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態に係る局部腐食のモニター装置の構成図である。
【図2】 従来例に係る局部腐食のモニター装置の構成図である。
【図3】 別の実施の形態に係る局部腐食のモニター装置の構成図である。
【図4】 実施例に係る局部腐食のモニター装置の構成図である。
【図5】 図4の局部腐食のモニター装置による測定結果を示すグラフである。
【図6】 図4の局部腐食のモニター装置による測定結果を示すグラフである。
【図7】 別の実施例に係る局部腐食のモニター装置の構成図である。
【図8】 図7の局部腐食のモニター装置による測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 アノード電極(金属片)
2 小孔(液絡部)
3 液溜部
4 ホルダ
5 腐食生成物(錆)
6 カソード電極(耐食性材料)
7 ポテンショスタット
9 配管(金属部材)
10 参照電極
Claims (1)
- 水系媒体に接する金属部材の局部腐食をモニタリングするモニター装置によって金属部材の局部腐食をモニタリングしながら水系媒体に孔食停止用防食剤を添加し、該孔食停止用防食剤の防食効果の評価を行う防食剤の評価方法において、
該モニター装置が、
該水系媒体と小孔を介して連通する凹穴状の液溜部と、
前記金属部材と同材質の材料よりなり、該液溜部内の液と接するように設けられ、且つ該液溜部内の液と接する面の面積が前記小孔の開口面積よりも大きいアノード電極と、
前記水系媒体に接する耐食性材料製のカソード電極と、
該アノード電極とカソード電極との間を流れる電流を計測する電流計測手段と
該水系媒体に接する参照電極と、
該アノード電極と参照電極との間の電位差を目的とする値に保つための電圧印加手段と
を備えてなるものであり、
防食剤を添加した水系媒体にアノード電極及び参照電極を接触させたときにアノード電極に生じる分極電位よりもアノード電極の電位が高くなるように前記電圧印加手段により電圧を印加し、このときに該アノード電極とカソード電極との間を流れる電流を前記電流計測手段で計測し、該電流値から該孔食停止用防食剤の防食効果の評価を行うことを特徴とする防食剤の評価方法。
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