JPH0521568Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、洗面化粧台、詳しくは自動水栓を
取り付けた洗面化粧台に関する。

（従来の技術及び考案が解決しようとする問題
点） 吐出口へ手を近付けると自動的に混合水が吐出
され、手を遠ざけると自動的にその吐出が停止さ
れる自動水栓は、従来より種々提案されてきてい
る。もつとも、これらの自動水栓は、給湯源から
遠く離れて長い配管で接続されているため、混合
水を吐出させようとしても、所望温度の混合水が
吐出するまでに時間がかかり過ぎる。従つて、所
望温度の混合水が吐出されるまで、手を長時間に
わたつて吐出口に近付けていなければならなく、
極めて面倒なものであつた。

しかも、洗面化粧台においては、洗面槽に少量
の混合水を貯水し、または混合水を連続吐出させ
ながら使用されるので、開栓とほぼ同時に所望温
度の混合水が吐出しないと不便であり、また湯水
が無駄に使用されることとなる。

この考案は、従来技術のもつ上記欠陥を解消す
るために案出されたものである。その目的とする
ところは、吐出口に手を近付けると所望温度の混
合水が短時間に吐出され、しかも、混合水の安定
した吐出が得られる使い勝手に優れた洗面化粧台
を提供せんとするものである。

（問題点を解決するための手段） 前記目的を達成するために、この考案にかかる
洗面化粧台は次の構成からなる。即ち、キヤビネ
ツト上部に洗面槽が設けられ、この洗面槽の近く
に混合水吐出口を洗面槽へ向けた吐出管とサーモ
スタツトミキシングバルブとが設けられる。吐出
管の前記吐出口近辺には光電スイツチが設けられ
る。また、吐出管の混合水入口とサーモスタツト
ミキシングバルブの混合水出口とが接続される。
そして、前記キヤビネツト内には、給湯源である
電気温水器と、前記光電スイツチの作動によつて
開閉される電磁バルブとが設置される。この電磁
バルブの一次側流路は給水源に、また、二次側流
路は前記サーモスタツトミキシングバルブおよび
電気温水器に接続され、かつ、電気温水器の湯出
口とサーモスタツトミキシングバルブの湯入口と
が接続される。

（作用） 混合水吐出口に手を近付ければ光電スイツチが
作動して電磁バルブが開き、水がサーモスタツト
ミキシングバルブと電気温水器へそれぞれ供給さ
れる。電気温水器内の湯は水圧で押し出されてサ
ーモスタツトミキシングバルブへ供給され、この
サーモスタツトミキシングバルブ内で水と混合さ
れた混合水が吐出管から吐出される。

サーモスタツトミキシングバルブと電気温水器
は近接して設けられるため、両者を接続する配管
は短く湯が冷めにくい。また、サーモスタツトミ
キシングバルブと電気温水器は、電磁バルブを介
して同一給水源に接続されるため、前記バルブに
送られる水と湯は、言わば同圧配管によつて供給
される。

（実施例） 以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。

図において、キヤビネツト１の上部に洗面槽２
が取付けられ、この洗面槽２の周辺には混合水吐
出口３を洗面槽２へ向けた吐出管４が取付けられ
ている。この吐出管４の混合水吐出口３近辺に光
電スイツチ（光センサ）５が設けられており、吐
出口３に手を近付けて光電スイツチ５から投射さ
れている光線を遮ると作動するようになつてい
る。吐出管４は、この吐出管４に近接して設けら
れたサーモスタツトミキシングバルブ６の混合水
出口７に接続されている。即ち、前記サーモスタ
ツトミキシングバルブ６は、サーモスタツトによ
る温度調節弁ユニツトを内蔵したもので、混合水
出口７、湯入口８及び水入口９を有しており、そ
の混合水出口７は前記吐出管４の混合水入口１０
に接続されている。サーモスタツトミキシングバ
ルブ６の上部には温度調節ハンドル１１が設けら
れ、この温度調節ハンドル１１を所望の温度目盛
位置まで回転させると、温度調節が自動的に行わ
れ所望温度の混合水が吐出するようになつてい
る。

キヤビネツト１の内部には、一次側流路１２を
止水栓１３を介して給水源１４へ接続するように
した電磁バルブ１５が設置され、その二次側流路
１６は前記サーモスタツトミキシングバルブ６の
水入口９に接続されている。電磁バルブ１５のコ
ード１７は、前記光電スイツチ５のコード１８と
ともにコントロールボツクス１９に接続されてい
る。コントロールボツクス１９は、光電スイツチ
５及び電磁バルブ１５を作動させるための電気回
路が内蔵されており、その電源コード２０は家庭
用100V電源に接続されるようになつている。

また、電磁バルブ１５は、前記光電スイツチ５
によつて駆動される。この電磁バルブ１５に組込
まれたピン２１は、停電時において同バルブ１５
を開栓するもので、このピン２１を押し込むと弁
体２２が弁口２３を開口するようになつている。

キヤビネツト１の内部には、容量が10〜15前
後の小型の押上げ式電気温水器２４が内蔵され、
この電気温水器２４の水入口２５が前記電磁バル
ブ１５の二次側流路１６へ接続され、また、湯出
口２６が前記サーモスタツトミキシングバルブ６
の湯入口８に接続されている。

図中、２７は、混合水吐出口３の回りに回動自
在に設けられ、光電スイツチ５の光線を遮ること
ができるように設けられた反射板で、混合水を連
続して吐出させたい場合に実線に示す位置から破
線に示す位置まで回動させて使用する。

さて、このような構成からなる洗面化粧台にお
いて、混合水吐出口３付近に手を近付けて光電ス
イツチ５の光線を遮ると、コントロールボツクス
１９内の電気回路が働いて電磁バルブ１５を開弁
させる。よつて、その弁口２３が開口し、冷水が
サーモスタツトミキシングバルブ６と電気温水器
２４へそれぞれ供給される。電気温水器２４内の
冷水はヒータで加熱されて高温の湯となる。従つ
て、電磁バルブ１５の作動により冷水が電気温水
器２４へと供給されると、同温水器２４内の湯は
冷水で押上げられてサーモスタツトミキシングバ
ルブ６へと供給される。

電気温水器２４から供給される湯と給水源１４
から供給される冷水は、サーモスタツトミキシン
グバルブ６内で混合され、混合水となつて混合水
吐出口３から吐出する。混合水の吐出は、混合水
吐出口３へ手を近付けている間継続され、吐出口
３から手を遠ざけると電磁バルブ１５が閉弁され
その吐出が停止される。

なお、吐出される混合水は、サーモスタツトの
働きにより、温度調節ハンドル１１によつて設定
した所望温度となつている。しかも、サーモスタ
ツトミキシングバルブ６と給湯源である電気温水
器２４とが近接して両者は短い配管で接続される
ため、短時間にて所望温度の混合水が吐出され
る。

そして、このように配管が短いと、混合水の吐
出を一旦休止しても管および栓内の湯は冷えにく
く、また、給湯源も近くにあるため保温される傾
向にある。このため、栓内の温度低下を原因とす
る再吐出の際の湯温の一時的急上昇、即ち、サー
モスタツトミキシングバルブ特有のオーバーシユ
ート現象が緩和される。

また、サーモスタツトミキシングバルブ６と電
気温水器２４とが電磁バルブ１５を介して同一給
水源１４に接続されているため、言わば同圧配管
となつて水圧と湯圧とが均衡している。従つて、
水圧と湯圧との圧力バランスが悪い現場、状況な
どで、吐出口を絞つたり他栓を急閉止したりする
場合などに生じ易い、吐出量が多くなつたり少な
くなつたり、また、湯温も上下して一定しない、
サーモスタツトミキシングバルブ特有の脈動現象
もなくなる。

（考案の効果） 本考案は、以上説明したような構成からなり、
次のような効果を奏する。

(1) 光電スイツチの働きにより、吐出口に手を近
付けるのみで混合水を得ることができる。しか
も、サーモスタツトミキシングバルブと給湯源
である電気温水器は近接して短い配管で接続さ
れるため、所望温度の混合水が吐出されるまで
の時間が短縮される。従つて、所望温度の混合
水が吐出されるまで、手を長時間吐出口に近付
けていなければならないという煩わしさがなく
なり、また、節水効果も高い。

(2) サーモスタツトミキシングバルブと電気温水
器の両者が近接して短い配管で接続されると、
管および栓内の湯が冷めにくく、サーモスタツ
トミキシングバルブ特有の現象である、再吐出
の際のオーバーシユート現象が緩和される。よ
つて、身体の一部である手を吐出口に近付ける
ことにより混合水を得る自動水栓にあつては、
安全なものとなる。

しかも、前記両者を同一給水源に接続させるこ
とにより、ミキシングバルブへ供給する水と湯の
圧力を均衡させることができ、もう一つのサーモ
スタツトミキシングバルブ特有の現象である脈動
現象もなくなる。

このように、サーモスタツトミキシングバルブ
の２大欠陥も是正されるため、手を吐出口に近付
けるのみで、瞬時にして所望温度となりしかも安
定して吐出される混合水を得ることができ、従来
にない使い勝手に優れたものとなる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案に係る洗面化粧台の一実施例を示
す断面図である。 １……キヤビネツト、２……洗面槽、３……混
合水吐出口、４……吐出管、５……光電スイツ
チ、６……サーモスタツトミキシングバルブ、７
……混合水出口、８……湯入口、１０……混合水
入口、１５……電磁バルブ、２４……電気温水
器、２６……湯出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. キヤビネツト１の上部に洗面槽２が設けられ、
   その洗面槽２に近接して、混合水吐出口３を洗面
   槽２へ向けた吐出管４とサーモスタツトミキシン
   グバルブ６とが設けられ、吐出管４の前記吐出口
   ３近辺には光電スイツチ５が設けられるととも
   に、その混合水入口１０とサーモスタツトミキシ
   ングバルブ６の混合水出口７とが接続されてお
   り、前記キヤビネツト１内には、電気温水器２４
   と、前記光電スイツチ５の作動によつて開閉され
   る電磁バルブ１５とが設置されており、この電磁
   バルブ１５の一次側流路は給水源に、また、二次
   側流路は前記サーモスタツトミキシングバルブ６
   および電気温水器２４に接続され、かつ、電気温
   水器２４の湯出口２６とサーモスタツトミキシン
   グバルブ６の湯入口８とが接続されてなる洗面化
   粧台。