JPH05215412A - 冷凍装置の運転制御装置 - Google Patents

冷凍装置の運転制御装置

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JPH05215412A
JPH05215412A JP1758092A JP1758092A JPH05215412A JP H05215412 A JPH05215412 A JP H05215412A JP 1758092 A JP1758092 A JP 1758092A JP 1758092 A JP1758092 A JP 1758092A JP H05215412 A JPH05215412 A JP H05215412A
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博文 山本
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俊之 桃野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蒸発器出口温度を一定にするよう主減圧機構
の減圧度を多段に調節する冷凍装置において、制御安定
領域で液インジェクションのオン・オフにより生じる制
御性の乱れを解消する。 【構成】 冷媒回路の凝縮器出口の液管と圧縮機の吸入
管とを、開閉弁及び主減圧機構を介してインジェクショ
ンバイパス路で接続する。蒸発器出口温度が高い側にあ
るインジェクション領域Rinと低い側にある湿り危険領
域Rsiとの間の中間領域Rmdに境界値Tmdを設定する。
開閉制御手段により、蒸発器出口温度の設定値Twsが境
界値Tbd以上のときには安定領域の下限値Tdn以上で常
に液インジェクションを行い、設定温度Twsが境界値T
bdよりも低いときには安定領域の上限値Tup以上でのみ
液インジェクションを行うよう制御する。これにより、
安定領域内での液インジェクションのオン・オフをなく
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蒸発器出口温度を制御
しながら液インジェクションを行うようにした冷凍装置
の運転制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば実開昭53―1046
0号公報に開示される如く、圧縮機、凝縮器、減圧弁及
び蒸発器を順次接続した冷媒回路を備えた冷凍装置にお
いて、凝縮器の出口液管と吸入管とを液インジェクショ
ンバイパス路でバイパス接続し、このバイパス路に開閉
弁とキャピラリチュ―ブとを介設して、吐出ガス温度
(圧力)が上昇すると、液インジェクションバイパス路
の開閉弁を開き、液冷媒をキャピラリチュ―ブで絞って
吸入冷媒中にインジェクションすることにより、吐出ガ
ス温度を一定温度以下に維持し、冷凍機油の炭化などを
防止するようにした冷凍装置の運転制御装置は公知の技
術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、チラー
やエアコン等で、主減圧機構としてキャピラリチュ―ブ
を用いて、その減圧度を複数段階に調節することにより
蒸発器の出口温度を制御するものにおいて、上記従来の
ものを利用した場合、機種によっては下記のような問題
があった。
【0004】すなわち、蒸発器でチラーユニットの水を
冷却するようにした冷凍装置において、図8に示すよう
に、蒸発器の出口水温と外気温度とをパラメータとする
マップ上で、高外気温かつ出口水温Twoが高い部分では
高圧側圧力が上昇し、その結果、吐出管温度が上昇する
ので、液インジェクションがしばしば必要となるインジ
ェクション領域(Rin)が存在し、それ以外の領域はほ
とんどインジェクションを行う必要のないインジェクシ
ョン不要領域である。ただし、このインジェクション不
要領域のうちでも、高外気温で出口水温Twoが低い部分
では、高低差圧が大きく、液インジェクションを行う
と、液冷媒の吸入量が多すぎて湿り運転となってしまう
ので、液インジェクションを禁止すべき湿り危険領域
(Rsi)となっている。
【0005】そのとき、出口水温の安定領域がインジェ
クション領域(Rin)に跨っていると、出口水温がほぼ
良好に制御されているときに、液インジェクションのオ
ン・オフが行われることで、能力が急激に変化して、制
御性が損なわれるという問題がある。その一方、かかる
不具合を解消すべく、インジェクション不要領域をも含
めた使用範囲全域で一律に液インジェクションを行うよ
うにすると、出口水温が低い場合、湿り危険領域(Rs
i)で液インジェクションが行われることがあり、湿り
運転を招くことになる。
【0006】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、インジェクション領域と湿り領域と
の間には液インジェクションを行っても行わなくてもよ
い中間領域が存在することに着目し、制御状態が安定し
た領域では、液インジェクションを常に行うか、或は常
に行わないかするように制御することにより、湿り運転
や吐出冷媒温度の過上昇を回避しながら、制御性の乱れ
を有効に防止することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の解決手段は、中間領域内のある境界値に対
して、蒸発器出口温度の設定温度が高いときには安定領
域で一律に液インジェクションを行う一方、設定温度が
低いときには安定領域で一律に液インジェクションを禁
止することにより、かつ吐出管温度の過上昇や湿り運転
を回避しながら安定領域における液インジェクションの
オン・オフを防止することにある。
【0008】具体的に請求項1の発明の講じた手段は、
図1に示すように、圧縮機(1)と、凝縮器(2)と、
減圧度が複数段階に調節可能に構成された主減圧機構
(3)と、冷媒と利用側熱媒体との熱交換を行うための
蒸発器(4)とを順次接続してなる冷媒回路(6)と、
上記利用側熱媒体の蒸発器出口温度を検出する出口温度
検出手段と、出口温度の設定値とその上下に亘る上限値
−下限値間の安定領域とを設定する安定領域設定手段
と、上記出口温度検出手段の出力を受け、蒸発器出口温
度が上記安定領域設定手段で設定された安定領域内に収
束するよう上記主減圧機構(3)の減圧度を制御する能
力制御手段とを備えた冷凍装置の運転制御装置を前提と
する。
【0009】そして、上記凝縮器(2)の出口側液管と
吸入管とをバイパス接続するインジェクションバイパス
路(7)と、該インジェクションバイパス路(7)を開
閉する開閉弁(20I)と、上記インジェクションバイ
パス路に介設されるインジェクション減圧機構(CI)
と、上記出口温度検出手段の出力を受け、上記安定設定
手段で設定された蒸発器出口温度の設定値がインジェク
ション領域−湿り危険領域間の中間領域内にある所定の
境界値以上のときには、蒸発器出口温度が安定領域の下
限値以上になると上記インジェクションバイパス路
(7)の開閉弁(20I)を開く一方、蒸発器出口温度
の設定値が上記境界値よりも低いときには、蒸発器出口
温度が安定領域の上限値以上になるとインジェクション
バイパス路(7)の開閉弁(20I)を開くよう制御す
る開閉制御手段とを設ける構成としたものである。
【0010】請求項2の発明の講じた手段は、上記請求
項1の発明において、安定領域の設定値−上限値間の上
幅と設定値−下限値間の下幅とをそれぞれ可変に構成す
るものとする。
【0011】さらに、安定領域設定手段を、上記蒸発器
出口温度の設定値が上記境界値以上のときには安定領域
の下限値が上記中間領域内にある範囲内で、蒸発器出口
温度の設定値が境界値よりも低いときには安定領域の上
限値が上記中間領域内にある範囲内で、安定領域の上下
幅をそれぞれ設定するように構成したものである。
【0012】請求項3の発明の講じた手段は、上記請求
項1又は2の発明において、圧縮機(1)を容量可変形
とし、能力制御手段を、主減圧機構(3)の減圧度と共
に圧縮機(1)の容量を制御するものとしたものであ
る。
【0013】
【作用】以上の構成により、請求項1の発明では、利用
側熱媒体の蒸発器出口温度が温度検出手段で検出され、
能力制御手段により、その検出値が設定値と比較され
て、設定値の上下に亘る安定領域に収束するよう蒸発器
(4)の能力が複数段階に制御される。
【0014】そのとき、蒸発器出口温度の設定値が中間
領域にある境界値以上のときには、安定領域の下限値以
上の全領域で液インジェクションが行われるので、安定
領域内で常に液インジェクションが行われ、蒸発器出口
温度の設定値が境界値よりも低いときには、上限値以上
の領域でのみ液インジェクションが行われるので、安定
領域では液インジェクションは行われない。したがっ
て、いずれの場合にも、安定領域における液インジェク
ションのオン・オフはなされず、能力の急激な変化をき
たさないことになる。また、このような制御を行うこと
で、液インジェクションが必要でない中間領域の一部で
液インジェクションを行うことになるが、この中間領域
は液インジェクションを行っても行わなくてもよい領域
なので、冷媒状態に不具合をきたすことはない。
【0015】したがって、吐出冷媒温度の過上昇や湿り
運転が回避されるとともに、制御の安定領域における制
御性の乱れが防止されることになる。
【0016】請求項2の発明では、設定値が境界値より
も大きくて、安定領域の下限値以上で液インジェクショ
ンが行われる場合には、安定領域設定手段により、下限
値が常に中間領域内にあるように安定領域の上下幅が設
定されるので、設定値が非常に高いときにも、インジェ
クション領域内で液インジェクションが行われないこと
がなく、機種の特性上湿り危険領域がかなり高温側にま
で亘っているような場合にも、湿り危険領域内で液イン
ジェクションが行われることがない。
【0017】また、設定値が境界値よりも小さくて、安
定領域の上限値以上でのみ液インジェクションが行われ
るような場合には、安定領域設定手段により、上限値が
常に中間領域内にあるように安定領域の上下幅が設定さ
れるので、設定値が非常に低いときにも湿り危険領域内
で液インジェクションを行うことがなく、インジェクシ
ョン領域がかなり低温側にまで亘っているような機種で
設定値が境界値付近に設定された場合にも、インジェク
ション領域内であるのに液インジェクションが行われな
いことはない。
【0018】したがって、極限条件や機種によって、イ
ンジェクション領域で液インジェクションが行われなか
ったり、湿り危険領域で液インジェクションが行われた
りする不具合が解消されることになる。
【0019】請求項3の発明では、蒸発器(4)の能力
制御において、蒸発器出口温度に応じ、主減圧機構
(3)の減圧度だけでなく、圧縮機(1)の容量制御も
行われるので、能力が微細に調節される結果、安定領域
の幅が小さくなり、制御の安定性が向上することにな
る。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面に基づ
き説明する。
【0021】まず、請求項1及び3の発明に係る第1実
施例について説明する。図2は、第1実施例に係る液体
冷却装置の配管系統を示し、該液体冷却装置は、工作機
械等を冷却するためのチリングユニット(B)と、該チ
リングユニット(B)の循環液を冷却するための冷凍装
置(A)とからなる。該冷凍装置(A)は、後述のアン
ローダ機構(9)を備えた圧縮機(1)と、該圧縮機
(1)から吐出された冷媒を凝縮,液化するための凝縮
器(2)と、該凝縮器(2)で液化された冷媒を減圧す
る主減圧機構(3)と、該主減圧機構(3)で減圧され
た冷媒を蒸発させる蒸発器(4)とを冷媒配管(5)で
順次接続してなる冷凍回路(6)を備えている。
【0022】ここで、上記主減圧機構(3)は、開閉弁
(20Rn)(n=1〜4)とキャピラリチュ―ブ(C
n)(n=1〜4)との複数組を備えている。そして、
各キャピラリチュ―ブ(C1)〜(C4)の管径は順に
小さくなるよう、つまり第1キャピラリチュ―ブ(C
1)は大に、第2キャピラリチュ―ブ(C2)は中に、
第3キャピラリチュ―ブ(C3)は小に、第4キャピラ
リチュ―ブ(C4)は極小にそれぞれ設けられ、したが
って、減圧度が順に大きくなるようになされている。す
なわち、各開閉弁(20R1)〜(20R4)を個別に
開くことにより、各々減圧度の異なる第1〜第4キャピ
ラリチュ―ブ(C1)〜(C4)による主減圧機構
(3)の減圧度を調節しうるようになされている。
【0023】具体的には、圧縮機(1)をフルロードに
して第1開閉弁(20R1)のみを開く最大能力の第1
ステップ(100%能力)と、圧縮機(1)をアンロー
ドにして第2開閉弁(20R2)のみを開く第2ステッ
プ(75%能力)と、圧縮機(1)をアンロードにして
第3開閉弁(20R3)のみを開く第3ステップ(50
%能力)と、圧縮機(1)をアンロードにして第4開閉
弁(20R4)のみを開く最小の第4ステップ(25%
能力)とに切換えるようになされている。
【0024】なお、上記圧縮機(1)には、パイロット
弁(20Ru)の開閉により容量をフルロードとアンロ
ードとに切換えるためのアンローダ機構(9)が配置さ
れている。(Cu)は逆流防止用キャピラリチュ―ブで
ある。
【0025】ここで、上記蒸発器(4)の利用媒体流通
部には、チリングユニット(B)のチラ―回路(10)
を循環する冷却液が流通するようになされており、冷凍
回路(6)において凝縮器(2)で付与された冷熱を蒸
発器(4)での熱交換により冷却液に付与し、冷却液を
冷却するようになされている。
【0026】なお、上記冷凍回路(6)の液ラインと吸
入管との間には、主減圧機構(3)及び蒸発器(4)を
バイパスして液冷媒を吸入管に注入する主リキッドイン
ジェクション回路(7)が設けられており、この主リキ
ッドインジェクション回路(7)には、大径の主キャピ
ラリチュ―ブ(CI1)と主開閉弁(20I1)とが直
列に接続されている。また、この主インジェクションバ
イパス路(7)とは並列に、上記主キャピラリチュ―ブ
(CI1)よりも細管の副キャピラリチュ―ブ(CI
2)と副開閉弁(20R2)とを直列に接続してなる副
インジェクションバイパス路(8)が設けられている。
すなわち、各開閉弁(20I1),(20I2)を個別
に開閉することにより、後述のように、液インジェクシ
ョン量を可変としている。
【0027】また、液体冷却装置にはセンサ類が配設さ
れていて、(HPS1)は高圧保護用の圧力開閉器、(HPS
2)は高圧制御用の圧力開閉器、(26CH)は吐出ガス過
熱防止器、(Thd)は吐出管温度を検出する吐出管セン
サ、(Thw)は蒸発器(4)出口の水温Twoを検出する
温度センサ(出口温度検出手段)を付設してなる冷水温
度調節器、(26WL)は3±1℃で作動して凍防運転の
指令信号を出力する凍結防止サーモである。上記各セン
サの信号は冷凍装置(A)の運転を制御する能力制御手
段としてのコントロ―ラ(図示せず)に入力可能になさ
れている。さらに、上記コントローラには、制御用デー
タ等を記憶する記憶回路と、冷却水の出口温度Twoの制
御目標値Twsや安定領域の上限値,下限値等を設定する
安定領域設定手段としての設定回路とが内蔵されてお
り、コントローラにより、上記各センサの検出値、記憶
回路の記憶内容,設定回路の設定内容等に応じて、圧縮
機(1)の容量、主減圧機構(3)の減圧度、液インジ
ェクション量等を制御するようになされている。
【0028】ここで、上記コントローラによる出口水温
Twoの制御内容について説明する。図3は冷凍能力の切
換えを示し、制御目標値(設定値)Twsの上下には、所
定の温度間隔D(例えば3℃程度)を隔てた上限値Tup
と下限値Tdnとが設けられており、出口水温Twoが降下
するときには、出口水温Twoが下限値Tdnに達した後3
分間経過したときに下限値Tdn以下の水温であれば能力
のステップ値を低減し、出口水温Twoが上昇するときに
は、上限値Tupに達した後3分間経過したときに上限値
Tup以上であれば能力のステップ値を増大する一方、上
下限値Tup,Tdnに達しても3分間経過したときに出口
水温が元に戻っているときにはそのままの能力を維持す
るようになされている。つまり、上限値Tupと下限値T
dnとの間が、制御が安定状態である安定領域とされてい
る。なお、上記設定値Twsは上下限値Tup,Tdnの中央
値となっている。
【0029】一方、図4は、出口水温Twoと外気温度を
パラメータとする制御マップを示し、このマップにおい
て、右端上方の領域(Rin)は、吐出冷媒温度が上昇す
るために液インジェクションが必要なインジェクション
領域、左端上方の領域(Rsi)は高低差圧が大きいため
に液インジェクションを行うと湿り運転に陥るおそれが
大きく、インジェクションを禁止すべき湿り危険領域で
ある。そして、上記インジェクション領域(Rin)の出
口水温Twoが最も低い点である下端値Linと、湿り危険
領域(Rsi)の出口水温Twoが最も高い点である上端値
Usiとの間の領域は、インジェクションを行う必要はな
いが行っても不都合を招くことがない中間領域(Rmd)
となっている。そして、この中間領域(Rmd)には、後
述の液インジェクション制御の制御方法を切換えるため
の境界値Tbd(例えば12℃程度の点)が設定されてい
る。
【0030】ここで、図5の(a),(b)は、設定温
度Twoと上記図4の制御マップ上の境界値Tbdとの関係
における液インジェクション制御の内容を示し、出口水
温の設定温度Twsが境界値Tbd以上のときには、出口水
温Twoが安定領域の下限値Tdn以上となる領域で液イン
ジェクションを行う一方(同図の(a)参照)、設定温
度Twsが境界値Tbdよりも低いときには、出口水温Two
が安定領域の上限値Tupよりも高い領域でのみ液インジ
ェクションを行うようになされている(同図の(b)参
照)。つまり、設定温度Twsが境界値Tbd以上のときに
は安定領域全域で液インジェクションを行い、設定温度
Twsが境界値Tbdよりも低いときには安定領域では液イ
ンジェクションを行わないようになされている。その
際、100%,75%能力運転では、上記主インジェク
ションバイパス路(7)の主開閉弁(20I1)を開く
一方、50%能力運転では、副インジェクションバイパ
ス路(8)の副開閉弁(20I2)を開くようになされ
ている。この制御により本発明にいう開閉手段が構成さ
れている。なお、25%能力運転では、高低差圧が小さ
いために液インジェクションを行っても、吸引力が小さ
く湿り運転に陥るおそれがほとんどないことから、常時
主開閉弁(20I1)を開いて、液インジェクションを
行うようになされている。
【0031】なお、図6は、吐出管温度T2による液イ
ンジェクションの制御方法を示し、吐出管温度T2が上
昇して一定温度(115℃)を越えると、両インジェク
ションバイパス路(7),(8)の両開閉弁(20I
1),(20I2)をいずれも開き、吐出管温度T2が
低下して上記一定温度(115℃)よりも低い所定温度
(95℃)以下になると、両開閉弁(20I1),(2
0I2)の開制御を停止させる(ただし、最低3分間は
開いておく)ようになされている。すなわち、冷媒量の
減少等に起因する吐出管温度T2の過上昇があった場合
には、緊急的に液インジェクション量を増大させて圧縮
機(1)の焼き付き等の事故を防止するようになされて
いる。
【0032】したがって、上記実施例では、蒸発器
(4)の出口水温Twoが冷水温度調節器(Thw)の温度
センサで検出され、コントローラにより、その検出値T
woが設定温度Twsと比較されて、設定温度Twsの上下に
設けられた上限値Tupと下限値Tdnとの間、つまり安定
領域に収束するよう能力が多段のステップ値100%,
75%,50%,25%,0%に制御される。
【0033】そのとき、出口水温の設定温度Twsが制御
マップ上の境界値Tbd以上のときには、安定領域の下限
値Tdn以上の全領域で液インジェクションが行われるの
で、安定領域内では常に液インジェクションが行われる
ことになる。また、設定温度Twsが境界値Tbdよりも低
いときには、上限値Tup以上の領域でのみ液インジェク
ションが行われるので、安定領域では常に液インジェク
ションが行われないことになる。したがって、いずれの
場合にも、安定領域における液インジェクションのオン
・オフが行われることはなく、能力の急激な変化をきた
さない。一方、このような制御を行うことで、中間領域
(Rmd)内の一部において液インジェクションが行われ
ることになるが、この領域は液インジェクションを行っ
ても行わなくてもよい領域なので、冷媒状態に不具合を
きたすことはない。
【0034】よって、吐出管温度の過上昇や湿り運転を
回避することができるとともに、制御の安定領域におけ
る制御性の乱れを有効に防止することができるのであ
る。
【0035】また、能力制御において、出口水温Twoに
応じ、主減圧機構(3)の減圧度だけでなく、圧縮機
(1)の容量制御をも付加することにより、能力を微細
に調節することができ、その結果、安定領域の幅が小さ
くなり、制御の安定性が向上することになる。
【0036】次に、請求項2の発明に係る第2実施例に
ついて説明する。
【0037】本実施例においても、冷凍装置(A)及び
チリングユニット(B)の構成は上記第1実施例と同様
であり、能力制御や液インジェクション量の制御の基本
的な構成は上記第1実施例と同様であるが、本実施例で
は、出口水温Twoの安定領域において、設定温度Tws−
上限値Tup間の上幅及び設定温度Tws−下限値Tdn間の
下幅は可変に構成されている。そして、図7の(a),
(b)に示すように、設定温度Twsが境界値Tbd以上の
ときには、下限値Tdnが必ず中間領域中間領域(Rmd)
内にあるように設定されている。また、同図(c),
(d)に示すように、設定温度Twsが境界値Tbdよりも
低いときには、上限値Tupが必ず中間領域(Rmd)内に
あるように設定されている。すなわち、いずれの場合に
おいても、インジェクション領域(Rin)で液インジェ
クションが行われないことはなく、かつ湿り危険領域
(Rsi)で液インジェクションが行われることがないよ
うになされている。この安定領域の設定により、請求項
2の発明にいう安定領域設定手段の機能が構成されてい
る。
【0038】したがって、上記第2実施例では、例えば
設定温度Twsが非常に高くて、25℃に近いような場合
(図7の(a)参照)、設定温度Tws−上限値Tup間の
上幅及び設定温度Tws−下限値Tdn間の下幅とが一定で
あると、インジェクション領域(Rin)内でありながら
液インジェクションが行われない領域が存在することが
あり、また、機種によって、その特性上湿り危険領域
(Rsi)がかなり高温側にまで亘っていると(同図
(b)参照)、設定温度Twsが境界値Tbd付近に設定さ
れたときには、湿り危険領域(Rsi)内で液インジェク
ションが行われる虞れがある。ここで、本実施例のごと
く、設定温度Twsが境界値Tbdよりも大きいときには、
安定領域設定手段により、下限値Tdnが常に中間領域
(Rmd)内にあるように、安定領域の上下幅を設定する
ことで、このような状態の発生が防止される。
【0039】同様に、設定温度Twsが境界値Tbdよりも
低い条件下においては、上限値Tupが常に中間領域(R
md)内にあるように安定領域の上下幅が設定されるの
で、設定温度Twsが境界値Tbdよりも非常に低いときに
も(同図(c)参照)、湿り危険領域(Rsi)内で液イ
ンジェクションを行うことがなく、インジェクション領
域(Rin)がかなり低温側にまで亘っているような機種
で設定温度Twsが境界値Tbd付近に設定された場合にも
(同図(d)参照)、インジェクション領域(Rin)内
であるのに液インジェクションが行われないことはな
い。
【0040】よって、極限条件や機種によって、インジ
ェクション領域(Rin)で液インジェクションが行われ
なかったり、湿り危険領域(Rsi)で液インジェクショ
ンが行われたりする不具合を解消することができる。
【0041】なお、上記実施例では、本発明の冷凍装置
を液体冷却装置に配置されるものとし、利用側熱媒体が
チリングユット(B)の冷却水である場合について説明
したが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
く、例えば空調機で冷房運転を行う際に、室内熱交換器
の吹出空気温度を圧縮機の容量やキャピラリチュ―ブの
切換による多段能力制御を行うようにしたものについて
も、同様に適用し得るものである。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、圧縮機、凝縮器、減圧度が多段に調節される主
減圧機構及び蒸発器を順次接続した冷媒回路を備え、利
用側熱媒体の蒸発器出口温度を安定領域内に収束させる
ようにした冷凍装置の運転制御装置として、凝縮器出口
の液管から吸入管に液冷媒をインジェクションするため
のインジェクションバイパス路を開閉弁及び減圧機構を
介して設けるとともに、蒸発器出口温度の設定温度が蒸
発器出口温度のインジェクション領域−湿り危険領域間
の中間領域に設定された境界値以上のときには、蒸発器
出口温度が安定領域の下限値以上のときにインジェクシ
ョンバイパス路の開閉弁を開く一方、設定温度が境界値
よりも低いときには、安定領域の上限値以上のときのみ
インジェクションバイパス路の開閉弁を開くようにした
ので、蒸発器出口温度の制御が安定した状態である安定
領域では液インジェクションのオン・オフが行われず、
よって、湿り運転や吐出管温度の過上昇を防止しなが
ら、安定領域における制御性の乱れを有効に防止するこ
とができる。
【0043】請求項2の発明によれば、上記請求項1の
発明において、蒸発器出口温度の安定領域における設定
温度と上限値,下限値との間の上下幅を可変とし、設定
温度が境界値以上のときには下限値を中間領域内に、設
定温度が境界値よりも低いときには上限値を中間領域内
に設定するようにしたので、インジェクション領域で液
いインジェクションが行われなかったり、湿り危険領域
で液インジェクションが行われたりする不具合を解消す
ることができる。
【0044】請求項3の発明によれば、上記請求項1又
は2の発明において、圧縮機を容量可変形とし、主減圧
機構の減圧度と共に圧縮機の容量をも制御することで、
能力制御を行うようにしたので、蒸発器出口温度の制御
の安定領域を小さく設定することができ、よって、制御
性能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】実施例に係る液体冷却装置の配管系統図であ
る。
【図3】第1実施例に係る冷水温度調節器のステップ値
切換特性を示す図である。
【図4】第1実施例に係る出口水温の基本的な制御マッ
プ図である。
【図5】第1実施例に係る制御マップ上における設定温
度の位置と液インジェクション制御方法との関係を示す
説明図である。
【図6】第1実施例に係る吐出管温度に対する液インジ
ェクションバイパス路の両開閉弁の開制御のオン・オフ
切換を示す図である。
【図7】第2実施例に係る制御マップ上における出口水
温の安定領域の設定方法を示す図である。
【図8】従来技術を適用した場合の問題を説明するため
の制御マップ図である。
【符号の説明】
1 圧縮機 2 凝縮器 3 主減圧機構 4 蒸発器 6 冷媒回路 7 主インジェクションバイパス路 8 副インジェクションバイパス路 20I1 主開閉弁 20I2 副開閉弁 CI1 主キャピラリチュ―ブ CI2 副キャピラリチュ―ブ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機(1)と、凝縮器(2)と、減圧
    度が複数段階に調節可能に構成された主減圧機構(3)
    と、冷媒と利用側熱媒体との熱交換を行うための蒸発器
    (4)とを順次接続してなる冷媒回路(6)と、上記利
    用側熱媒体の蒸発器出口温度を検出する出口温度検出手
    段と、出口温度の設定値とその上下に亘る上限値−下限
    値間の安定領域とを設定する安定領域設定手段と、上記
    出口温度検出手段の出力を受け、蒸発器出口温度が上記
    安定領域設定手段で設定された安定領域内に収束するよ
    う上記主減圧機構(3)の減圧度を制御する能力制御手
    段とを備えた冷凍装置の運転制御装置において、 上記凝縮器(2)の出口側液管と吸入管とをバイパス接
    続するインジェクションバイパス路(7)と、該インジ
    ェクションバイパス路(7)を開閉する開閉弁(20
    I)と、上記インジェクションバイパス路に介設される
    インジェクション減圧機構(CI)と、上記出口温度検
    出手段の出力を受け、上記安定設定手段で設定された蒸
    発器出口温度の設定値がインジェクション領域−湿り危
    険領域間の中間領域内にある所定の境界値以上のときに
    は、蒸発器出口温度が安定領域の下限値以上になると上
    記インジェクションバイパス路(7)の開閉弁(20
    I)を開く一方、蒸発器出口温度の設定値が上記境界値
    よりも低いときには、蒸発器出口温度が安定領域の上限
    値以上になるとインジェクションバイパス路(7)の開
    閉弁(20I)を開くよう制御する開閉制御手段とを備
    えたことを特徴とする冷凍装置の運転制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の冷凍装置の運転制御装置
    において、 上記安定領域の設定値−上限値間の上幅と設定値−下限
    値間の下幅とはそれぞれ可変に構成されており、 安定領域設定手段は、上記蒸発器出口温度の設定値が上
    記境界値以上のときには安定領域の下限値が上記中間領
    域内にある範囲内で、蒸発器出口温度の設定値が境界値
    よりも低いときには安定領域の上限値が上記中間領域内
    にある範囲内で、安定領域の上下幅をそれぞれ設定する
    ことを特徴とする冷凍装置の運転制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の冷凍装置の運転制
    御装置において、 圧縮機(1)は容量可変形であり、能力制御手段は、主
    減圧機構(3)の減圧度と共に圧縮機(1)の容量を制
    御するものであることを特徴とする冷凍装置の運転制御
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008075919A (ja) * 2006-09-20 2008-04-03 Apisute:Kk チラー装置
JP2017133729A (ja) * 2016-01-26 2017-08-03 伸和コントロールズ株式会社 冷凍装置及び温度制御装置
US10656110B2 (en) 2016-01-26 2020-05-19 Shinwa Controls Co., Ltd. Temperature control system, temperature control device and refrigeration device

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