JPH05215018A - 内燃機関の蒸発燃料処理装置 - Google Patents

内燃機関の蒸発燃料処理装置

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JPH05215018A
JPH05215018A JP4229692A JP4229692A JPH05215018A JP H05215018 A JPH05215018 A JP H05215018A JP 4229692 A JP4229692 A JP 4229692A JP 4229692 A JP4229692 A JP 4229692A JP H05215018 A JPH05215018 A JP H05215018A
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combustion engine
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JP4229692A
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Hiroshi Kitagawa
浩 北川
Teruo Wakashiro
輝男 若城
Toshikatsu Takahashi
年克 鷹嘴
Takashi Kiyomiya
孝 清宮
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パージ蒸気燃料量の急激な変動を抑えて適正
な空燃比を保ちかつパージ効率を高く維持できる内燃機
関の蒸発燃料処理装置を供する。 【構成】 パージされる燃料蒸気の可能な割合を演算す
るパージ燃料可能割合演算手段Hと、パージ燃料割合の
上限値を演算する上限値演算手段Iと、可能割合と上限
値とを比較し小さい方の値を目標パージ割合値として演
算処理する目標パージ割合演算手段Jと、パージされる
燃料蒸気の濃度を検出するパージ燃料濃度検出手段K
と、負荷検出値と目標パージ割合値およびパージ燃料濃
度に基きパージ制御弁Fを制御する駆動制御手段Mとを
備えたことを特徴とする内燃機関の蒸発燃料処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関における燃料
タンク内の蒸発燃料のパージ制御に関する。
【0002】
【従来技術】燃料噴射弁から機関内に燃料が供給される
ほか、キャニスタから燃料蒸気が供給(パージ)される
内燃機関において、パージされる燃料量を適当に制御し
ないと空燃比に大きく影響して本来の空燃比制御が適正
に行われない。
【0003】そこで従来でも内燃機関の運転状態に基づ
いてパージ燃料量を制御する例がある。すなわち負荷や
エンジン回転数の増加に伴いパージ燃料量も追随して増
加するよう制御するものである。
【0004】
【解決しようとする課題】しかるに負荷は急激に変動し
易いので、負荷の変動に忠実に追随してパージ燃料量を
制御すると、急激にパージ燃料が増加又は減少し、急増
により空燃比が一時的に濃くなりエンジンが不安定な運
転状態を起すヘジテーションやエンジンが停止するスト
ール等の不具合が生じたり、できるだけパージ燃料を用
いパージ効率を良くしたいが急減によりパージ効率を低
下させてしまう等の問題がある。
【0005】本発明は、かかる点に鑑みなされたもの
で、その目的とする処はパージ燃料量の急激な増加・減
少を抑制しつつパージ効率を高く保つことができる内燃
機関の蒸発燃料処理装置を供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するために、本発明は、図1に示すように内燃機関E
の各種負荷検出手段Aの検出結果をもとに燃料供給量演
算手段Rにより内燃機関への燃料供給量を演算するとと
もに燃料タンクTで発生する蒸発燃料をキャニスタCを
介して内燃機関Eへパージする内燃機関の燃料供給装置
において、前記キャニスタCと内燃機関Eの吸気系とを
連通するパージ通路Pに介装され燃料蒸気のパージ量を
制御するパージ制御弁Fと、前記負荷検出手段Aの検出
結果に基き内燃機関Eへの燃料供給量のうち前記キャニ
スタCからパージされる燃料蒸気として供給可能な割合
を演算するパージ燃料可能割合演算手段Hと、同パージ
燃料可能割合演算手段Hにより算出された可能割合に基
きパージ燃料割合の上限値を演算する上限値演算手段I
と、前記パージ燃料可能割合演算手段Hにより算出され
た可能割合と前記上限値演算手段Iにより算出された上
限値とを比較し小さい方の値を目標パージ割合値として
演算処理する目標パージ割合演算手段Jと、前記キャニ
スタCからパージされる燃料蒸気の濃度を検出するパー
ジ燃料濃度検出手段Kと、前記負荷検出手段Aの出力値
と前記目標パージ割合演算手段Jにより算出された目標
パージ割合値および前記パージ燃料濃度検出手段Kによ
り算出されたパージ燃料濃度に基き前記パージ制御弁F
を制御する駆動制御手段Mとを備えた内燃機関の蒸発燃
料処理装置とした。
【0007】パージ燃料割合の上限値を設定し、パージ
燃料可能割合と比較して小さい方の値にしたがってパー
ジ燃料量を制御するので、できるだけパージ可能な燃料
量に沿ってパージ効率を高く維持し、かつ上限値で急激
な変動を抑えて空燃比への悪影響を防止している。
【0008】
【実 施 例】以下図2ないし図7に図示した本発明の
一実施例について説明する。
【0009】図2は、本実施例に係る燃料供給制御装置
の全体構成図である。
【0010】同図において、エンジンEは吸気管1より
燃料と空気の混合気を吸入し燃焼により動力を得て、燃
焼後の排気ガスは排気管2により排出される内燃機関で
あり、吸気管1の途中にはスロットルボディ3が形成さ
れていて、その内部にスロットル弁4が配設され、同ス
ロットル弁4より下流側でエンジンEの図示しない吸気
弁の少し上流側に燃料噴射弁5が設けられている。燃料
噴射弁5は燃料ポンプ6を介して燃料タンクTに接続さ
れている。
【0011】かかるエンジンEの運転状態は、各負荷検
出手段により検出されるようになっており、スロットル
弁4の直ぐ下流の枝管9には吸気管1内の絶対圧PbA
を検出する吸気管内絶対圧センサ10が設けられ、エンジ
ンEの図示しないカム軸周囲またはクランク軸周囲に取
り付けられたエンジン回転数センサ11によりエンジン回
転数Ne が検出され、同エンジン回転数センサ11はエン
ジンEのクランク軸の180 度回転毎に所定のクランク角
度位置で信号パルス(TDC信号パルス)を出力するも
のである。
【0012】エンジンEの排気管2には、O2 センサ12
が配設されて排気ガス中の酸素濃度を検出している。ま
た前記スロットル弁4の弁開度もスロットル弁開度セン
サ13によって検出されるようになっている。
【0013】以上の各種センサの検出信号は全て電子コ
ントロールユニットECU15に入力され、ECU15はこ
れらの情報に基づき演算処理を行い、各種制御信号を各
駆動装置に出力して最適制御を行う。
【0014】例えばECU15は、各種センサからの信号
に基づいて、前記O2 センサ12の排気ガス中の酸素濃度
に応じたフィードバック制御運転領域やオープンループ
制御運転領域等の種々のエンジン運転状態を制御すると
ともに、エンジン運転状態に応じて前記TDC信号パル
スに同期して前記燃料噴射弁5の燃料噴射時間TOUT
演算し、同燃料噴射時間TOUT に基づき燃料噴射弁5を
デューティ制御して所要の燃料供給量をエンジンEに供
給する。
【0015】かかる電子制御式燃料噴射装置を備えたエ
ンジンEにおいて、燃料タンクT内の蒸発燃料を外界に
漏らさずに処理するパージ機構が設けられている。
【0016】すなわち燃料タンクTの上壁からは、燃料
タンクT内の上部空間に連通するベント通路20が延出
し、燃料タンクT内の内圧を適当に保つ2方向弁21を介
してキャニスタCに接続されている。
【0017】キャニスタCは、その容器内部に活性炭22
が上下に空間を残して充填されており、底壁から延出し
た通気管23から空気を取り入れるようになっている。前
記ベント通路20の終端開口は活性炭22内に位置し、燃料
タンクT内で蒸発燃料が発生して内圧が高くなると、2
方向弁21が開いて蒸発燃料がキャニスタCに導入され活
性炭22に吸着捕捉される。
【0018】キャニスタCの上壁からは上部空間に連通
してパージ通路24が延出し、途中オンオフ制御型のパー
ジ制御弁25を介して、その終端はエンジンEの吸気管1
におけるスロットルボディ3の下流側に接続し連通され
ている。
【0019】パージ制御弁25が開らくと、吸気管1の負
圧によりキャニスタCの通気管23から大気が取り込まれ
活性炭22に吸着していた燃料を離脱して空気と燃料蒸気
との混合気として吸気管1に供給され、エンジンEにお
ける燃焼に供される。このようにして燃料タンクT内の
蒸発燃料が処理され、外界に漏れ大気汚染の原因となる
のを防止している。
【0020】ここにパージ制御弁25は、開弁時間をデュ
ーティ制御され、オンオフのデューティ比を変更するこ
とで混合気の流量を変えるものである。
【0021】またパージ通路24には、熱線式流量計26が
設けられ、パージ通路24内を流れる蒸発燃料を含む混合
気の質量流量QHWを検出するようになっており、該検出
信号はノイズ除去用のフィルタ27を介して前記ECU15
に入力される。
【0022】この熱線式流量計26は、通電して加熱した
白金線を気流内に配すると、その白金線は熱を奪われて
温度が下がり、その電気抵抗を減少させることを利用す
るもので、気流に含まれる燃料蒸気の量によって異なる
特性を示す。
【0023】以上のような燃料供給制御装置において、
ECU15によるパージ制御弁25の制御方法を以下説明す
る。
【0024】従来はパージ制御弁の制御とは別個に燃料
噴射弁の制御が行われており、通常走行時には空燃比を
最適にするためO2 センサに基づくフィードバック制御
がなされていて、一方でパージにより供給される燃料は
2 センサの検出する酸素濃度に影響し、この酸素濃度
のフィードバックにより燃料噴射弁の適性制御を行うも
のであった。
【0025】しかし本発明に係る制御方式はこれと異な
り、燃料噴射弁とパージ制御弁の各制御は互いに関連
し、エンジンに供給される総燃料量のうちパージ制御に
係る燃料量の割合を予め算定して制御を行う方式を採用
している。
【0026】図3は、ECU15による演算の流れをブロ
ック図で示したもので、各ブロック内の記号は各センサ
により検出された値や、テーブル検索およびマップ検索
を含む演算による算出値を意味する。
【0027】まずエンジン運転状態に基き決定された燃
料噴射弁5を制御する前記燃料噴射時間TOUT (ブロッ
クB1)のフィードバック補正を行う前のものについ
て、これを噴射燃料値TOUT N(ブロックB6)に変換
し、次いでエンジン回転数Ne(ブロックB2)から次
式により噴射燃料を100 %燃料蒸気相当に換算(ベーパ
換算)した流量QVeng(ブロックB7)を算出する。 QVeng = (a×TOUT N+b)×Ne ここにa,bはインジェクタ特性であり、完全燃焼時の
理論体積混合比より決定する。
【0028】次にこのベーパ換算した燃料蒸気流量Q
Vengのうちパージ制御弁25のパージ制御により供給する
燃料蒸気の割合(目標パージ割合)KQVobj(ブロック
B8)を求める手順を図4および図5のフロートチャー
トにしたがい図6を参照して説明する。
【0029】まず吸気管内絶対圧センサ10により検出さ
れた吸気管内絶対圧PbA(ブロックB3)とエンジン
回転数センサ11により検出されたエンジン回転数Ne
(ブロックB2)とをもとに理論上可能なパージ燃料可
能割合KQVMP をマップ検索して求める(ステップS
1)。
【0030】次に目標パージ割合の上限値KQVLT を算
出し(ステップS2)、この上限値KQVLT と前記パー
ジ燃料可能割合のマップ値KQVMP とを比較し(ステッ
プS3)、小さい方を採用して目標パージ割合KQVobj
とする(ステップS4,S5)。
【0031】ここに上限値KQVLT は、パージ燃料蒸気
量の急増による不具合を避けるためパージ割合の上限を
算定したもので、以下その算定方法を図5のフローチャ
ートにしたがって説明する。
【0032】まず前回の上限値KQVLT (n−1)と今
回のマップ値KQVLT (n)とを比較し(ステップS1
0)、マップ値KQVMP (n)の方が大きいと上限算出
なまし係数CKQV にCKQV0を選択し(ステップS1
1)、逆にマップ値KQVMP (n)の方が小さいときは
CKQV1を上限算出なまし係数CKQV として選択し
(ステップS12)、この上限算出なまし係数CKQV
用い次式から今回の目標パージ割合の上限値KQ
VLT (n)を算出する(ステップS13)。
【0033】
【0034】今回の上限値KQVLT (n)は、前回の上
限値KQVLT (n−1)と今回のマップ値KQ
VMP (n)とをなまし係数CKQV で重みづけした移動
平均をとっており、今回のマップ値KQVMP (n)に近
づくように順次更新される。
【0035】なまし係数CKQV が大きい程マップ値K
VMP (n)に近づく度合いも大きくなり、本実施例で
はCKQV0>CKQV1の関係があり、前回の上限値KQ
VLT(n−1)より今回のマップ値KQVMP (n)の方
が大きく上限値KQVLT が増加する方向にあるときは、
大きい値のCKQV0がなまし係数CKQV に用いられる
ので、マップ値KQVLT (n)に近づく度合いが大きく
上限値KQVLT は増加速度が早い。
【0036】逆に前回の上限値KQVLT (n−1)より
今回のマップ値KQVMP (n)の方が小さく上限値KQ
VLT が減少する方向にあるときは、小さい値のCKQV1
がなまし係数CKQV に用いられるので、マップ値KQ
VLT (n)に近づく度合いが小さく上限値KQVLT は減
少速度が遅いことになる。
【0037】このように増加と減少ではその速度に違い
はあるにしても上限値KQVLT は図6に示すようにマッ
プ値KQVMP の急激な増減変化に対して段階状に漸次増
減する変化を示している。
【0038】なお図5のフロチャートにおいて次のステ
ップS14では、このようにして求められた上限値KQ
VLT (n)が所定の初期上限値KQVLT0より低くなった
か否かが判別され、低い場合は初期上限値KQVLT0を目
標パージ割合の上限値KQVLT(n)とし(ステップS1
5)、大きい場合はそのままの値とする。
【0039】図6は、以上のフロチャートにしたがって
決定された目標パージ割合KQVobjの変化を示した一例
であり、一点鎖線がマップ検索された目標パージ割合の
マップ値KQVMP の変化を示し、破線が上限値KQVLT
を示し、実線は最終的に求められた目標パージ割合KQ
Vobjである。
【0040】エンジン運転状態からマップ検索されたパ
ージ燃料の可能な割合を示すマップ値KQVMP (一点鎖
線)は、初期の低い値からt1 時点で急激に増大し、高
い値を持続した後t2 時点で中間の値まで減少し、t4
時点でさらに減少して初期の低い値となっている。
【0041】これに対し上限値KQVLT (破線)は、t
1 時点までマップ値KQVMP より高い所定の初期上限値
KQVLT0を維持し、t1 時点を過ぎると、マップ値KQ
VMPの急増に呼応してt2 時点まで漸次階段状に増加
し、t2 時点からはマップ値KQVMP の急減に応じて今
度は漸次階段状に減少してマップ値KQVMP より大きい
値を示し、t3 時点ではマップ値KQVMP と再び逆転し
てこれより低い値となり、t4 時点でのマップ値KQ
VMP のさらなる急減によりまた再びマップ値KQVMP
逆転するとともに上限値KQVLT は漸減を持続し、最終
的に初期上限値KQVLT0に落ち着いている。
【0042】このように上限値KQVLT は、マップ検索
による目標パージ割合のマップ値KQVMP の急激な増加
・減少をする一点鎖線に対し、これをならした漸増・漸
減する破線を示している。そして最終的に定められる目
標パージ割合KQVobj(実線)は、これらマップ値KQ
VMP と上限値KQVLT との低い方の値を選択している。
したがって目標パージ割合KQVobjは、パージ燃料蒸気
の増加・減少により不具合が生じない範囲で理論的にパ
ージ可能なマップ検索されたパージ割合のマップ値KQ
VMP にできるだけ沿って決定される。
【0043】しかも前記した上限値KQVLT の変化特性
により、目標パージ割合KQVobjも増加速度は早く、減
少速度は遅い。
【0044】したがってエンジンEに供給される燃料の
うちできる限りパージ燃料蒸気量の割合を大きくとっ
て、パージ効率を向上させるようにしている。
【0045】図3のブロック図に戻って、以上のように
して決定された目標パージ割合KQVobj(ブロックB
8)を前記ベーパ換算した燃料蒸気流量QVeng(ブロッ
クB7)に積算することにより、エンジンEに供給され
る燃料のうちのパージ燃料蒸気が分担する100 %燃料蒸
気相当の目標ベーパ流量QVobj(ブロックB9)が算出
される。
【0046】次にパージされる燃料蒸気の濃度(ベーパ
濃度)β(ブロックB11)を求める手順を図7に図示し
たフローチャートにしたがって説明する。
【0047】実際にパージ通路24を流れる空気と燃料蒸
気の混合気の流量(パージ流量)をTQ、実際の燃料蒸
気の流量(ベーパ流量)をVQとすると、VQ=β×T
Qの関係がある。
【0048】そこでまずパージ制御弁25のデューティ比
DTY(ブロックB4)と吸気管内絶対圧センサ10の検
出する絶対圧PbA(ブロックB3)とに基づいて空気
100%としたときの理論上の体積流量QFRQ (ブロック
B10)をマップ検索によって算出する(ステップS2
0)。
【0049】次に熱線式流量計26の検出した質量流量Q
HWを読込む(ステップS21)。いまパージ通路24を空気
100 %が流れるものとすると、すなわちベーパ濃度βが
0%のときは、前記算出流量QFRQ と質量流量QHWとは
パージ流量TQに等しいことになるが、ベーパ濃度βが
大きくなると、パージ流量TQに対する算出流量QFRQ
および質量流量QHWの各比QFRQ /TQ,QHW/TQも
値1から徐々に増大し、最終的にベーパ濃度βが100 %
となったときにQFRQ /TQ=1.69,QHW/TQ=4.45
になる関係がある。
【0050】この関係から予めQFRQ とQHWとからベー
パ流量VQを検索できるVQマップおよびQFRQ とQHW
とからパージ流量TQを検索できるTQマップを作製し
ておき、図7のフローチャートにおいてステップS22で
VQマップに基づきベーパ流量VQを検索し、ステップ
S23でTQマップに基づきパージ流量TQを検索する。
【0051】そして検索により求められたパージ流量T
Qおよびベーパ流量VQより実際のベーパ濃度βを算出
する(ステップS24)。
【0052】このようにして算出されたベーパ濃度β
(ブロックB11)はテーブル検索により目標パージ流量
を調整する濃度補正係数Kvn(ブロックB12)に変換さ
れ、この濃度補正係数Kvnを用い、前記目標ベーパ流量
Vobj(ブロックB9)から次式により目標パージ流量
CMD (ブロックB13)を算出する。
【0053】QCMD =QVobj×CV100×Kvn ここにCV100はQVobjが100 %燃料蒸気相当流量なの
で、これを100 %空気相当流量に換算するための係数で
ある。
【0054】こうして得られた目標パージ流量Q
CMD (ブロックB13)に基づきパージ制御弁25を制御す
るオンオフデューティ比DTY(ブロックB14)が決定
される。
【0055】以上の演算過程を概観すると、エンジンE
に供給される燃料のうち、パージ系で供給可能な目標パ
ージ割合KQVobjをエンジンの運転状態(エンジン回転
数Ne 、吸気管内絶対圧PbA)から決定して目標ベー
パ流量QVobjを求め、一方で実際のベーパ濃度βを算出
して前記目標ベーパ流量QVobjに作用させ目標パージ流
量QCMD を求め、この目標パージ流量QCMD に基づくデ
ューティ比DTYでパージ制御弁25を制御する。
【0056】実際のベーパ濃度βに基いてパージ系で供
給可能な燃料蒸気量が決定されるので、ベーパ濃度によ
って空燃比が影響されてヘジテーションやストール等の
不具合が生じることを防止することができる。また常に
パージ可能な燃料蒸気が最大限パージされるので、パー
ジ効率が良好である。
【0057】
【発明の効果】本発明は、パージが可能とされるパージ
燃料可能割合のほかパージ燃料の上限値を設定し、両者
のうち小さい方の値を目標パージ割合として目標パージ
流量を決定し制御するので、パージ流量の急激な増減を
抑えて適正な空燃比を保ち、かつパージ効率を高く維持
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーム対応図である。
【図2】本発明に係る一実施例の燃料供給制御装置の構
成図である。
【図3】本実施例における演算の流れを示すブロック図
である。
【図4】目標パージ割合KQVobjを算出する手順を示す
フローチャートである。
【図5】パージ燃料割合の上限値KQVLT を算出する手
順を示すフローチャートである。
【図6】パージ燃料割合の時間変化の一例を示す図であ
る。
【図7】ベーパ濃度βを算出する手順を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
E…内燃機関(エンジン)、T…燃料タンク、C…キャ
ニスタ、A…負荷検出手段、R…燃料供給量演算手段、
P…パージ管、F…パージ制御弁、H…パージ燃料可能
割合演算手段、I…上限値演算手段、J…目標パージ割
合演算手段、K…パージ燃料濃度検出手段、M…駆動制
御手段、1…吸気管、2…排気管、3…スロットルボデ
ィ、4…スロットル弁、5…燃料噴射弁、6…燃料ポン
プ、9…枝管、10…吸気管内絶対圧センサ、11…エンジ
ン回転数センサ、12…O2 センサ、13…スロットル弁開
度センサ、15…ECU、20…ベント通路、21…2方向
弁、22…活性炭、23…通気管、24…パージ通路、25…パ
ージ制御弁、26…熱線式流量計、27…フィルタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清宮 孝 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関Eの各種負荷検出手段Aの検出
    結果をもとに燃料供給量演算手段Rにより内燃機関への
    燃料供給量を演算するとともに燃料タンクTで発生する
    蒸発燃料をキャニスタCを介して内燃機関Eへパージす
    る内燃機関の燃料供給装置において、 前記キャニスタCと内燃機関Eの吸気系とを連通するパ
    ージ通路Pに介装され燃料蒸気のパージ量を制御するパ
    ージ制御弁Fと、 前記負荷検出手段Aの検出結果に基き内燃機関Eへの燃
    料供給量のうち前記キャニスタCからパージされる燃料
    蒸気として供給可能な割合を演算するパージ燃料可能割
    合演算手段Hと、 同パージ燃料可能割合演算手段Hにより算出された可能
    割合に基きパージ燃料割合の上限値を演算する上限値演
    算手段Iと、 前記パージ燃料可能割合演算手段Hにより算出された可
    能割合と前記上限値演算手段Iにより算出された上限値
    とを比較し小さい方の値を目標パージ割合値として演算
    処理する目標パージ割合演算手段Jと前記キャニスタC
    からパージされる燃料蒸気の濃度を検出するパージ燃料
    濃度検出手段Kと、 前記負荷検出手段Aの出力値と前記目標パージ割合演算
    手段Jにより算出された目標パージ割合値および前記パ
    ージ燃料濃度検出手段Kにより算出されたパージ燃料濃
    度に基き前記パージ制御弁Fを制御する駆動制御手段M
    とを備えたことを特徴とする内燃機関の蒸発燃料処理装
    置。
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