JPH05214567A - 腐食防止剤 - Google Patents

腐食防止剤

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JPH05214567A
JPH05214567A JP4293984A JP29398492A JPH05214567A JP H05214567 A JPH05214567 A JP H05214567A JP 4293984 A JP4293984 A JP 4293984A JP 29398492 A JP29398492 A JP 29398492A JP H05214567 A JPH05214567 A JP H05214567A
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acid
compound
aminohydroxysuccinic
alkyl
hydroxysuccinyl
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Charles G Carter
チヤールズ・ガービー・カーター
Vladimir Jovancicevic
ブラジミール・ジヨバンシセビク
Judithann R Hartman
ジユデイスアン・アール・ハートマン
Robert P Kreh
ロバート・ポール・クレー
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WR Grace and Co Conn
WR Grace and Co
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WR Grace and Co Conn
WR Grace and Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 活性が高く毒性が少ない燐を含まない有機腐
食防止剤を用いて鉄をベースとする金属の腐食を有効に
防止する方法を提供する。 【構成】 本発明においては一般式 【化1】 の化合物、および一般式 【化2】 の化合物から成る群から選ばれるアミノヒドロキシコハ
ク酸化合物、またはその水溶性の塩を0.1〜500p
pmの量で系に添加する水性系と接触した鉄系金属の腐
食を防止する方法、およびその組成物が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【本発明の分野】本発明は水性系の腐食を抑制する或る
種の新規組成物、およびその使用法、特に水性系と接触
した鉄をベースにした金属の腐食を抑制するのに有効な
或る種のアミノヒドロキシコハク酸化合物に関する。
【0002】
【本発明の背景】鉄および軟鋼のような合金を含む鉄を
ベースにした金属合金は水性系での装置を構築するのに
有用な公知の材料である。これらの系においては水は鉄
をベースにした金属の表面の周りを循環してそれと接触
し、また例えば系から水の一部が蒸発することにより濃
縮される。このような鉄系の金属はこのような環境の中
では容易に腐食を受けるが、強度および入手の容易さの
点で他の金属よりも多用されている。
【0003】水性系、特に天然起源の水、例えば海水、
河水、湖水等から誘導される水を使用する系中に存在す
る天然産または合成の種々の材料が、鉄をベースとした
金属を侵すことは公知である。本明細書において「鉄を
ベースにした金属」という言葉は任意の金属鉄および/
または鉄を含む金属合金を意味するのに用いられる。鉄
金属の部分が腐食を受ける典型的な系としては、蒸発
器、単一経路または多重経路の熱交換器、冷却塔、およ
びそれに付属した装置などが含まれる。これらの系の中
または上に水が通されると、系の水の一部は蒸発し、そ
のため系に含まれる溶解した材料の濃度が増加する。こ
れらの材料は次第に著しい侵食および腐食を起こす濃度
に達し、最終的には金属部分を取り替える必要が生じ
る。従って従来からこれらの系を処理するのに用いられ
る種々の腐食防止剤が使用されて来た。
【0004】例えば水と接触した金属の腐食を抑制する
ためにクロム酸塩、無機燐酸塩および/またはポリ燐酸
塩が使用されて来た。クロム酸塩は有効ではあるが、非
常に毒性があり、従って取り扱い上および廃棄の際の問
題がある。燐酸塩は毒性はないが、燐酸カルシウムの溶
解度が低いために、多くの水性系の中で適切な燐酸塩濃
度を維持することが困難である。ポリ燐酸塩はやはり比
較的無毒であるが、加水分解してオルト燐酸塩を生じる
傾向があり、オルト燐酸塩は燐酸塩自身と同様に水性系
中においてスケールおよび鉱泥の問題を生じ易い(例え
ば系中のカルシウムと結合して燐酸カルシウムを生じる
ため)。さらに入って来る水の富栄養化が問題になる場
合、過剰の燐酸塩化合物は栄養源として作用することが
できる。硼酸塩、硝酸塩および亜硝酸塩も腐食防止剤と
して使用されて来た。これらの物質もまた低濃度で栄養
源として作用することができ、および/または高濃度に
おいては潜在的な健康上の問題が生じる。
【0005】従来は水処理に対して許容できると考えら
れていた亜鉛のような不織防止剤用の金属も、最近では
その廃棄に関して環境的な配慮を行う必要が増えて来
た。
【0006】最近の多くの研究は伝統的な無機性の腐食
防止剤に対する依存度を減少させ得る有機性の腐食防止
剤についてなされている。使用して成功を得ている有機
腐食防止剤の中には多くの有機フォスフォン酸エステル
がある。これらの化合物は一般に他の従来法の水処理添
加剤に決定的な妨害を与えることなく使用することがで
きる。しかし有機フォスフォン酸エステルの形で燐を廃
棄することに関する環境的な配慮がなされなければなら
ない。将来においてはこのことが水処理に有機フォスフ
ォン酸エステルを使用する上で限界になると予想され
る。
【0007】工業的な水性系、特に冷却水系、蒸発器、
およびボイラーにおける他の重大な問題は熱伝達表面に
スケール、特にスケール生成塩、例えばカルシウムおよ
びマグネシウムのような陽イオンの或る種の炭酸塩、水
酸化物、珪酸塩、および硫酸塩が沈澱することである。
これらの系に使用される大部分の水は種々の量のスケー
ル生成塩を含んでいる。これらの水性系で起こる蒸発の
ために、水中の固体分は濃縮され、また炭酸カルシウ
ム、硫酸カルシウムおよび他の硬水の原因となる塩の逆
溶解度のために、熱伝達面上の水に不溶なスケールが生
成する問題が大きくなる。また多くの有機腐食防止剤
(例えばヒドロキシエチリデン二フォスフォン酸)はカ
ルシウムに対して非常に敏感である。即ち溶液中のカル
シウムイオンで沈澱する傾向が非常に強い。
【0008】従って特に系の水の中に実質的な濃度の溶
解カルシウムが存在する場合、腐食を抑制するのに使用
できる安全且つ有効な水処理剤に関しては依然として開
発の要望が続いている。この種の水処理剤は燐を含んで
いない場合、特に有用である。
【0009】
【本発明の要約】本発明の目的は水性系と接触した鉄を
ベースとした金属の腐食を抑制する方法を提供すること
である。
【0010】本発明の他の目的は水性系と接触した鉄を
ベースとした金属の腐食を抑制し、驚くべき有効な結果
を生じる方法を提供することである。
【0011】本発明のさらに他の目的はアミノヒドロキ
シコハク酸化合物から成る或る種の新規組成物を提供す
ることである。
【0012】本発明のさらに他の目的は活性が高く毒性
が少ない燐を含まない有機腐食防止剤を提供することで
ある。
【0013】本発明に従えば一般式
【0014】
【化18】
【0015】但し式中RはHまたは随時−OH、−CO
2H、−SO3Hまたは随時フェニルで置換されたC1
6アルキル、C4〜C7シクロアルキル、または随時−
OHまたは−CO2Hで置換されたフェニルであり、
R’はH、随時−OHまたは−CO2Hで置換されたC1
〜C6アルキルである、の化合物、および一般式
【0016】
【化19】
【0017】但し式中R’は上記と同じであり、Zは
【0018】
【化20】(i) −(CH2n−、 但しnは2〜10の整数である、
【0019】
【化21】 (ii) −(CH22−X−(CH22−, 但し式中Xは−O−、−S−、−NR”−であり、ここ
にR”はH、C1〜C6アルキル、ヒドロキシアルキル、
アシル、−C(O)OR”’、但しR”’はC1〜C6
ルキルおよびベンジルから成る群から選ばれるものとす
る、および
【0020】
【化22】
【0021】但しここでR’は上記と同じ意味を有す
る、から成る群から選ばれる、 (iii)
【0022】
【化23】
【0023】但し式中YはH、C1〜C6アルキル、アル
コキシ、ハロゲン、−CO2Hまたは−SO3Hであり、
mは独立に0〜1、pは1または2である、および(i
v)
【0024】
【化24】
【0025】但し式中RaおよびRbは独立にHまたはC
1〜C6アルキル、QはHまたはC1〜C6アルキル、sは
0、1、または2、tは独立に0、1、2または3、q
は0、1、2または3、rは1または2である、から成
る群から選ばれるものとする、の化合物から成る群から
選ばれるアミノヒドロキシコハク酸化合物、またはその
水溶性の塩を0.1〜500ppmの量で系に添加する
ことを特徴とする水性系と接触した鉄系金属の腐食を防
止する方法が提供される。
【0026】また本発明に従えば一般式
【0027】
【化25】
【0028】但し式中R’は上記と同じであり、Zは
【0029】
【化26】(i) −(CH2n−、 但しnは2〜10の整数である、
【0030】
【化27】 (ii) −(CH22−X−(CH22−, 但し式中Xは−O−、−S−、−NR”−であり、ここ
にR”はH、C1〜C6アルキル、ヒドロキシアルキル、
アシル、−C(O)OR”’、但しR”’はC1〜C6
ルキルおよびベンジルから成る群から選ばれるものとす
る、および
【0031】
【化28】
【0032】但しここでR’は上記と同じ意味を有す
る、から成る群から選ばれる、 (iii)
【0033】
【化29】
【0034】但し式中YはH、C1〜C6アルキル、アル
コキシ、ハロゲン、−CO2Hまたは−SO3Hであり、
mは独立に0〜1、pは1または2である、および(i
v)
【0035】
【化30】
【0036】但し式中RaおよびRbは独立にHまたはC
1〜C6アルキル、QはHまたはC1〜C6アルキル、sは
0、1、または2、tは独立に0、1、2または3、q
は0、1、2または3、rは1または2である、から成
る群から選ばれるものとする、のアミノヒドロキシコハ
ク酸、またはその水溶性の塩から成る組成物が提供され
る。
【0037】
【詳細な説明】本発明は或る種のアミノヒドロキシコハ
ク酸化合物、およびそれを水性系を処理するために腐食
防止剤として使用する方法に関する。本発明方法は一般
【0038】
【化31】
【0039】但し式中RはHまたは随時−OH、−CO
2H、−SO3Hまたは随時フェニルで置換されたC1
6アルキル、C4〜C7シクロアルキル、または随時−
OHまたは−CO2Hで置換されたフェニルであり、
R’はH、随時−OHまたは−CO2Hで置換されたC1
〜C6アルキルである、の化合物、および一般式
【0040】
【化32】
【0041】但し式中R’は上記と同じであり、Zは
【0042】
【化33】(i) −(CH2n−、 但しnは2〜10の整数である、
【0043】
【化34】 (ii) −(CH22−X−(CH22−, 但し式中Xは−O−、−S−、−NR”−であり、ここ
にR”はH、C1〜C6アルキル、ヒドロキシアルキル、
アシル、−C(O)OR”’、 但しR”’はC1〜C6アルキルおよびベンジルから成る
群から選ばれるものとする、および
【0044】
【化35】
【0045】但しここでR’は上記と同じ意味を有す
る、から成る群から選ばれる、 (iii)
【0046】
【化36】
【0047】但し式中YはH、C1〜C6アルキル、アル
コキシ、ハロゲン、−CO2Hまたは−SO3Hであり、
mは独立に0〜1、pは1または2である、および(i
v)
【0048】
【化37】
【0049】但し式中RaおよびRbは独立にHまたはC
1〜C6アルキル、QはHまたはC1〜C6アルキル、sは
0、1、または2、tは独立に0、1、2または3、q
は0、1、2または3、rは1または2である、から成
る群から選ばれるものとする、の化合物から成る群から
選ばれるアミノヒドロキシコハク酸化合物、またはその
水溶性の塩を0.1〜500ppmの量で系に添加する
ことを特徴とする水性系と接触した鉄系金属の腐食を防
止する方法から成っている。
【0050】本発明はまた一般式
【0051】
【化38】
【0052】但し式中R’は上記と同じであり、Zは
【0053】
【化39】(i) −(CH2n−、 但しnは2〜10の整数である、
【0054】
【化40】 (ii) −(CH22−X−(CH22−, 但し式中Xは−O−、−S−、−NR”−であり、ここ
にR”はH、C1〜C6アルキル、ヒドロキシアルキル、
アシル、−C(O)OR”’、 但しR”’はC1〜C6アルキルおよびベンジルから成る
群から選ばれるものとする、および
【0055】
【化41】
【0056】但しここでR’は上記と同じ意味を有す
る、から成る群から選ばれる、 (iii)
【0057】
【化42】
【0058】但し式中YはH、C1〜C6アルキル、アル
コキシ、ハロゲン、−CO2Hまたは−SO3Hであり、
mは独立に0〜1、pは1または2である、および(i
v)
【0059】
【化43】
【0060】但し式中RaおよびRbは独立にHまたはC
1〜C6アルキル、QはHまたはC1〜C6アルキル、sは
0、1、または2、tは独立に0、1、2または3、q
は0、1、2または3、rは1または2である、から成
る群から選ばれるものとする、のアミノヒドロキシコハ
ク酸、またはその水溶性の塩から成る組成物に関する。
本発明のアミノヒドロキシコハク酸化合物はエポキシコ
ハク酸、またはエポキシコハク酸と酒石酸との混合物
と、約1モル当量のアミン化合物とを水性系中で反応さ
せアミノヒドロキシコハク酸化合物のアルカリ金属塩を
つくることにより製造することができる。この方法はベ
アマン(Beerman)等の米国特許第3,929,
874号に詳細に説明されている。またワイ・マツザワ
Y.Matsuzawa)等のケミカル・アブストラク
ツ(Chemical Abstracts)誌第81
巻77484r(1974頁)、ジェー・オーハシ
(J.Oh−hashi)等のケミカル・ソサイアティ
・オヴ・ジャパン(Chem.Soc.Jap.)誌第
40巻2977頁(1967年)、およびエイチ・ハン
プトマン(H.Hamptmann)等のケミカル・ア
ブストラクツ誌第57巻16732g(1962年)を
参照されたい。
【0061】本発明のアミノヒドロキシコハク酸化合物
は水性系で腐食を防止するのに有効であることが見出だ
された。従って本発明のこの態様に従えば、水性系と接
触している鉄系の金属の腐食は本発明のアミノヒドロキ
シコハク酸化合物またはその水に可溶な塩を腐食を防止
する量で系に加えることにより防止することができる。
本発明の腐食防止剤の正確な投与量は或る程度それを
添加する水性系の性質、および所望の防止の程度に依存
している。しかし一般に系の中で保持されるアミノヒド
ロキシコハク酸の濃度は約0.05〜約500ppmで
ある。この範囲内において、多くの水性系、例えば多く
の開放された循環冷却水系に対しては、一般には約20
0ppm以下の低い投与量が好適であり、約100pp
m以下が特に好適である。典型的には投与量は約0.1
ppm以上であることがさらに好ましく、約0.5〜2
ppmが最も好適である。特定な水性系に必要な正確な
量は当業界の専門家によって通常の方法で容易に決定す
ることができる。大部分の水性系に典型的なように、p
Hは7以上に保つことが好ましく、8以上に保つことが
最も好ましい。本発明の特徴は本発明の組成物がカルシ
ウムに対して敏感でないということと考えられる。カル
シウムに対する敏感性とはその化合物が溶液中でカルシ
ウムイオンにより沈澱する傾向をもっていることを意味
する。本発明の組成物はカルシウムに対し敏感でないた
めに、比較的硬度の高い水から成る水性系に使用するこ
とができる。本明細書において或る化合物がカルシウム
に敏感でないという試験には曇り点試験(以後CA50
0曇り点試験という)を使用する。この試験においては
500ppmのカルシウムイオン(CaCO3として)
を含む硬水を、0.005モルの硼酸塩緩衝液を用いて
pHを8.3にし、これに温度60℃において当該化合
物を加える。溶液が白濁するまで(曇り点が生じるま
で)溶液に加えることができた化合物の量をカルシウム
に対する敏感性の無さの目安と考える。
【0062】本発明のカルシウムに対して敏感でない化
合物はCA500曇り点試験で決定された曇り点の値が
少なくとも約50ppmであり、好ましくは少なくとも
約75ppm、最も好ましくは少なくとも約100pp
mである。
【0063】本発明の化合物は水性系に単一な腐食防止
剤として使用された場合有効な腐食防止剤である他に、
本発明のアミノヒドロキシコハク酸を燐酸塩と組み合わ
せた場合、予想外に優れた腐食防止効果を示すことが見
出だされた。従って本発明の他の具体化例においては、
上記に定義したアミノヒドロキシコハク酸を燐酸塩と組
み合わせ、腐食を防止するのの有効な量を水性系に加え
ることから成る水性系に接触した鉄をベースにした金属
の腐食を防止する方法が提供される。アミノヒドロキシ
コハク酸対使用する燐酸塩の重量比は本発明においては
あまり重要ではなく、勿論それぞれの場合に応じ特定の
状況下における水質および所望の防止の程度を考慮して
当業界の専門家により決定することができる。アミノヒ
ドロキシコハク対燐酸塩の好適な割合は有効成分の量に
関し1:10〜20:1の範囲であり、2:1〜10:
1が最も好適である。
【0064】本発明の腐食防止組成物は任意の通常の方
法、例えば先ず処理剤の濃厚水溶液をつくり、この際好
ましくは全体に関し1〜50重量%のアミノヒドロキシ
コハク酸組成物が含まれるようにし、次いでこの濃厚溶
液を系の適当に便利な点において系の水に供給すること
により水性系に加えることができる。多くの場合処理用
の組成物を調合水または供給水のラインに加え、この水
を通して系に入るようにすることができる。例えば一定
の量を周期的にまたは連続的に調合水の中に送り込める
ように較正された注入器を使用することができる。
【0065】本発明は60〜200°Fで運転される冷
却水の系、特に約80〜150°Fで運転される開放循
環式冷却水系の処理に特に使用される。
【0066】本発明の化学的腐食防止組成物は水性系に
対する単一の腐食防止剤として使用することができる
が、また本発明の処理剤を水性系に通常使用される他の
従来法の水処理用組成物と組み合わせて用いることも有
利である。使用可能な他の水処理用添加剤としては、生
物駆除剤、スケール防止剤、キレート化剤、金属イオン
封鎖剤、分散剤、他の腐食防止剤、重合体物質(例えば
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸
およびメタクリル酸、またはアクリル酸およびメタクリ
ル酸の重合体)等が含まれる。
【0067】当業界の専門家は上記の詳細な説明により
容易に本発明を十分に利用することができるものと信じ
る。
【0068】下記実施例により本発明の原理に基づいて
本発明を例示する。これらの実施例は特許請求の範囲記
載の事項以外本発明を限定するものではない。特記しな
い限りすべての割合は重量による。
【0069】
【実施例】実施例1 下記の方法による通気溶液瓶試験および下記の組成をも
った2種の標準腐食水試料を使用して、下記の化合物
(1〜4)に関し水性系中における腐食防止効果を評価
した。
【0070】
【表1】
【0071】
【化44】
【0072】軟鋼の片(4.5×0.5インチ)を15
%塩酸に15分間浸漬し、次いで順次飽和重炭酸ナトリ
ウム溶液、蒸溜水、およびイソプロパノールで洗滌し、
乾燥してデシケーター中に貯蔵する。腐食試験を行う前
にこれを秤量する。
【0073】所望の量の腐食防止剤を850mlの上記
標準腐食水試料の一つに溶解する。この溶液を恆温槽中
で55℃に加熱する。温度が平衡に達したら、溶液のp
Hを8.5に調節する。2個の片を溶液中に吊し、25
0ml/分の速度で空気を通す。48時間後軟鋼片を取
り出し、スティール・ウールできれいにし、水洗、乾燥
した後再び秤量する。腐食速度を重量減から計算し、ミ
ル/年(mpy)の単位で表す。結果を下記表に示す。
【0074】
【表2】
【0075】実施例2 下記の組成物に対し標準腐食水試料Aを用いて実施例1
記載の試験を繰り返した。
【0076】対照例 NTA ニトリロトリ酢酸 Asp−Ma アスパルチン酸モノアセテート Asp アスパルチン酸 Gly グリシン Glu グルタミン酸 実施例 HAsp−MA ヒドロキシアスパルチン酸モノアセ
テート HAsp−MA−HE N−(ヒドロキシエチル)−
ヒドロキシアスパルチン酸モノアセテート Ser−HS N−(ヒドロキシスクシニル)セリ
ン HS−HSer N−(ヒドロキシスクシニル)ホモ
セリン HASP−HE N−(ヒドロキシエチル)ヒドロキ
シアスパルチン酸 DHP−HS N−(2,3−ジヒドロキシプロピ
ル)ヒドロキシアスパルチン酸 HSAnS N−(ヒドロキシスクシニル)アン
スラニル酸 HS−CysA N−(ヒドロキシスクシニル)シス
テイン酸 HS−PrA N−(ヒドロキシスクシニル)プロ
ピルアミン BzlA−HS N−(ヒドロキシスクシニル)ベン
ジルアミン IDHS イミドジコハク酸 HAsp ヒドロキシアスパルチン酸 Asp−HS N−(ヒドロキシスクシニル)アス
パルチン酸 Ala−HS N−(ヒドロキシスクシニル)アラ
ニン Met−HS N−(ヒドロキシスクシニル)メチ
オニン HAsp−PA N−(2−カルボキシエチル),N
−(カルボキシメチル)−ヒドロキシアスパルチン酸 HAsp−HEP N−(2−ヒドロキシエチル),N
−(2−カルボキシエチル)−ヒドロキシアスパルチン
酸 BHS−ED N,N’−ビス(ヒドロキシスクシ
ニル)エチレンジアミン BHS−HD N,N’−ビス(ヒドロキシスクシ
ニル)−1,6−ヘキサンジアミン BHS−DTA sym−N,N’−ビス(ヒドロキ
シスクシニル)ジエチレントリアミン BHS−MDA N,N’−ビス(ヒドロキシスクシ
ニル)1,8−p−ジアミノメンタン BHS−XD N,N’−ビス(ヒドロキシスクシ
ニル)−m−キシレンジアミン BHS−DAB N,N’−ビス(ヒドロキシスクシ
ニル)−3,5−ジアミノ安息香酸 BHS−BAMC N,N’−ビス(1,3−シクロヘ
キサンビス(メチルアミン) BHS−DAHP N,N’−ビス(ヒドロキシスクシ
ニル)−1,3,5−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパ
ン BHS−BD N,N’−ビス(ヒドロキシスクシ
ニル)−1,4−ブタンジアミン BHS−ED100 N,N’−ビス(ヒドロキシス
クシニル)ジ(2−アミノエチル)エーテル BHS−DD N,N’−ビス(ヒドロキシスクシ
ニル)デカンジアミン THS−TREN N,N’,N”−トリス(ヒドロキ
シスクシニル)−トリス(2−アミノエチル)アミン BHS−DTA−AC sym−N’−アアセチル−
N,N”−ビス(ヒドロキシスクシニル)ジエチレント
リアミン BHS−DTA−MC sym−N,N”−ビス(ヒド
ロキシスクシニル)ジエチレントリアミンN’−メチル
カルバメート BHS−DTA−BZ sym−
N’−ベンゾイル−N,N”−ビス(ヒドロキシスクシ
ニル)ジエチレントリアミン BHS−DTA−HL sym−N’−ヘキサノイル−
N,N”−ビス(ヒドロキシスクシニル)ジエチレント
リアミン BHS−ED−P N,N’−(ビスヒドロキシスクシ
ニル),N−(2−カルボキシエチル)エチレンジアミ
ン HS−HA N−(ヒドロキシスクシニル)−n
−ヘキシルアミン HS−AHL N−(ヒドロキシスクシニル)6−
ヒドロキシ−1−ヘキシルアミン β−Ala−HS N−(ヒドロキシスクシニル)−β
−アラニン AMB−HS N−(5−カルボキシ−2−メチル
フェニル)ヒドロキシアスパルチン酸 HS−SAT N−(4−メチル−3−スルフォフ
ェニル)−ヒドロキシアスパルチン酸
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】
【表5】
【0080】
【表6】
【0081】上記対照例のデータから判るように、構造
だけを基礎にしてどのアミノヒドロキシコハク酸が効果
的な腐食性を示すかを予測することは不可能である。明
らかに上記の対照例化合物は本発明の化合物と構造が似
ているが、腐食防止には効果がない。
【0082】実施例3 本実施例はアミノヒドロキシコハク酸と燐酸塩との間の
相乗効果を示す。実際の冷却塔の水性系に似せて試験水
をつくった。この水は99ppmのCaSO4、13p
pmのCaCl2、55ppmのMgSO4、および17
6ppmのNaHCO3を含んでいる。試験水の別々の
試料に表1記載の添加剤を加えた。次いでNaOH水溶
液を用いて溶液のpHを8.5に調節する。予め秤量し
たきれいなSAE1010軟鋼片を試験溶液0.9リッ
トルの中に吊し、溶液を54℃で24時間撹拌する。次
いで軟鋼の試料を洗浄し、60℃において真空乾燥して
秤量する。重量減から1年当たりのミル(1/1000
インチ)単位(mpy)で表した腐食速度を決定し、各
添加剤について表3に掲げる。
【0083】
【表7】
【0084】実施例4 本実施例は上記の化合物HSAnA、BHS−DABお
よびAMB−HSをHS−SATと比較する。表4に与
えられた結果から明らかなように、アミノヒドロキシコ
ハク酸化合物のベンゼン環にCOOH基が存在すると腐
食防止効果が増加するが、このことはCOOH基の代わ
りにSO3H基が置換したHS−SATが比較的効果が
ない観点からすれば驚くべき予想外なことである。
【0085】
【表8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジユデイスアン・アール・ハートマン アメリカ合衆国メリーランド州21046コロ ンビア・インデイアンパイプコート7517 (72)発明者 ロバート・ポール・クレー アメリカ合衆国メリーランド州20794ジエ サツプ・シフアーロウ8008

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 但し式中RはHまたは随時−OH、−CO2H、−SO3
    Hまたは随時フェニルで置換されたC1〜C6アルキル、
    4〜C7シクロアルキル、または随時−OHまたは−C
    2Hで置換されたフェニルであり、R’はH、随時−
    OHまたは−CO2Hで置換されたC1〜C6アルキルで
    ある、の化合物、および一般式 【化2】 但し式中R’は上記と同じであり、Zは 【化3】(i) −(CH2n−、 但しnは2〜10の整数である、 【化4】(ii) −(CH22−X−(CH22−, 但し式中Xは−O−、−S−、−NR”−であり、ここ
    にR”はH、C1〜C6アルキル、ヒドロキシアルキル、
    カルボキシアルキル、アシル、−C(O)OR”’、 但しR”’はC1〜C6アルキルおよびベンジルから成る
    群から選ばれるものとする、 および 【化5】 但しここでR’は上記と同じ意味を有する、 から成る群から選ばれる、 (iii) 【化6】 但し式中YはH、C1〜C6アルキル、アルコキシ、ハロ
    ゲン、−CO2Hまたは−SO3Hであり、mは独立に0
    〜1、pは1または2である、および(iv) 【化7】 但し式中RaおよびRbは独立にHまたはC1〜C6アルキ
    ル、QはHまたはC1〜C6アルキル、sは0、1、また
    は2、tは独立に0、1、2または3、 qは0、1、2または3、rは1または2である、 から成る群から選ばれるものとする、の化合物から成る
    群から選ばれるアミノヒドロキシコハク酸化合物、また
    はその水溶性の塩を0.1〜500ppmの量で系に添
    加することを特徴とする水性系と接触した鉄系金属の腐
    食を防止する方法。
  2. 【請求項2】 アミノヒドロキシコハク酸化合物が一般
    式(A)をもち且つR’がHである化合物である上記第
    1項記載の方法。
  3. 【請求項3】 アミノヒドロキシコハク酸はヒドロキシ
    アスパルチン酸モノアセテート、N−(ヒドロキシエチ
    ル)ヒドロキシアスパルチン酸、2,3−ジヒドロキシ
    プロピルヒドロキシアスパルチン酸、N−(2−ヒドロ
    キシエチル)ヒドロキシアスパルチン酸およびN−(2
    −カルボキシエチル)ヒドロキシアスパルチン酸から成
    る群から選ばれる上記第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】 アミノヒドロキシコハク酸化合物が一般
    式(B)をもち、且つZが−(CH2n−である化合物
    である上記第1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 アミノヒドロキシコハク酸はN,N’−
    ビス(ヒドロキシスクシニル)エチレンジアミン、N,
    N’−ビス(ヒドロキシスクシニル)−1,6−ヘキサ
    ンジアミンおよびN,N’−ビス(ヒドロキシスクシニ
    ル)−1,4−ブタンジアミンから成る群から選ばれる
    上記第4項記載の方法。
  6. 【請求項6】 アミノヒドロキシコハク酸化合物が一般
    式(B)をもち、且つZが−(CH22−X−(C
    22−であってXがNR”である化合物である上記第
    1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 アミノヒドロキシコハク酸はsym−
    N,N’−ビス(ヒドロキシスクシニル)ジエチレント
    リアミンである上記第6項記載の方法。
  8. 【請求項8】 アミノヒドロキシコハク酸化合物が一般
    式(B)をもち、且つZが 【化8】 である化合物である上記第1項記載の方法。
  9. 【請求項9】 アミノヒドロキシコハク酸がN,N’−
    ビス(ヒドロキシスクシニル)−m−キシレンジアミン
    である上記第8項記載の方法。
  10. 【請求項10】 アミノヒドロキシコハク酸化合物が一
    般式(B)をもち、且つZが 【化9】 であって、RaおよびRbは独立にH、メチルまたはエチ
    ル、QはH、メチルまたはエチルである化合物である上
    記第1項記載の方法。
  11. 【請求項11】 アミノヒドロキシコハク酸はN,N’
    −ビス(ヒドロキシスクシニル)−1,8−p−ジアミ
    ノメンタンおよびN,N’−ビス(ヒドロキシスクシニ
    ル)−1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)か
    ら成る群から選ばれる上記第10項記載の方法。
  12. 【請求項12】 一般式 【化10】 但し式中R’はHまたは随時−OHまたは−CO2Hで
    置換されたC1〜C6アルキルであり、Zは 【化11】(i) −(CH2n−、 但しnは2〜10の整数である、 【化12】 (ii) −(CH22−X−(CH22−, 但し式中Xは−O−、−S−、−NR”−であり、ここ
    にR”はH、C1〜C6アルキル、ヒドロキシアルキル、
    カルボキシアルキル、アシル、および 【化13】 但しここでR’は上記と同じ意味を有する、から成る群
    から選ばれる、 (iii) 【化14】 但し式中YはH、C1〜C6アルキル、アルコキシ、ハロ
    ゲン、−CO2Hまたは−SO3Hであり、mは独立に0
    〜1、pは1または2である、および(iv) 【化15】 但し式中RaおよびRbは独立にHまたはC1〜C6アルキ
    ル、QはHまたはC1〜C6アルキル、sは0、1、また
    は2、tは独立に0、1、2または3、 qは0、1、2または3、rは1または2である、 から成る群から選ばれるものとする、のアミノヒドロキ
    シコハク酸、またはその水溶性の塩から成る組成物。
  13. 【請求項13】 アミノヒドロキシコハク酸化合物が一
    般式(B)をもち、且つZが−(CH22−X−(CH
    22−であってXがNR”である化合物である上記第1
    2項記載の組成物。
  14. 【請求項14】 アミノヒドロキシコハク酸はsym−
    N,N’−ビス(ヒドロキシスクシニル)ジエチレント
    リアミンである上記第13項記載の組成物。
  15. 【請求項15】 アミノヒドロキシコハク酸化合物が一
    般式(B)をもち、且つZが 【化16】 である化合物である上記第12項記載の組成物。
  16. 【請求項16】 アミノヒドロキシコハク酸がN,N’
    −ビス(ヒドロキシスクシニル)−m−キシレンジアミ
    ンである上記第15項記載の組成物。
  17. 【請求項17】 アミノヒドロキシコハク酸化合物が一
    般式(B)をもち、且つZが 【化17】 であって、RaおよびRbは独立にH、メチルまたはエチ
    ル、QはH、メチルまたはエチルである化合物である上
    記第12項記載の組成物。
  18. 【請求項18】 アミノヒドロキシコハク酸はN,N’
    −ビス(ヒドロキシスクシニル)−1,8−p−ジアミ
    ノメンタンおよびN,N’−ビス(ヒドロキシスクシニ
    ル)−1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)か
    ら成る群から選ばれる上記第17項記載の方法。
  19. 【請求項19】 アミノヒドロキシコハク酸を燐酸塩と
    組み合わせて水性系に添加する上記第1項記載の方法。
  20. 【請求項20】 アミノヒドロキシコハク酸および燐酸
    塩は活性化合物基準で1:10〜20:1の範囲の重量
    比で添加する上記第19項記載の方法。
  21. 【請求項21】 アミノヒドロキシコハク酸および燐酸
    塩は活性化合物基準で2:1〜10:1の範囲の重量比
    で添加する上記第19項記載の方法。
  22. 【請求項22】 アミノヒドロキシコハク酸がN,N’
    −ビス(ヒドロキシスクシニル)エチレンジアミンであ
    る上記第19項記載の方法。
  23. 【請求項23】 アミノヒドロキシコハクの量は0.1
    〜100ppmである上記第1項記載の方法。
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