JPH05214327A - 蓄熱材 - Google Patents
蓄熱材Info
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- JPH05214327A JPH05214327A JP4056976A JP5697692A JPH05214327A JP H05214327 A JPH05214327 A JP H05214327A JP 4056976 A JP4056976 A JP 4056976A JP 5697692 A JP5697692 A JP 5697692A JP H05214327 A JPH05214327 A JP H05214327A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 5〜8℃程度の冷却水で充分に冷却固化させ
ることができ、しかも融点が18℃以下で夏場等の冷房
目的に利用でき、融点以下の温度、特に5〜14℃での
融解熱の大きいものを得ること。 【構成】 n−オクタデセン−1からなる融点が10〜
18℃である蓄熱材、又はn−オクタデセン−1とn−
ヘキサデセン−1の混合物からなり、n−ヘキサデセン
−1の混合割合がn−オクタデセン−1の45重量%以
下であると共に、融点が10〜17℃である蓄熱材。 【効果】 フロンの使用を回避でき、不純物含有のn−
オクタデセン−1やn−ヘキサデセン−1を使用でき
る。
ることができ、しかも融点が18℃以下で夏場等の冷房
目的に利用でき、融点以下の温度、特に5〜14℃での
融解熱の大きいものを得ること。 【構成】 n−オクタデセン−1からなる融点が10〜
18℃である蓄熱材、又はn−オクタデセン−1とn−
ヘキサデセン−1の混合物からなり、n−ヘキサデセン
−1の混合割合がn−オクタデセン−1の45重量%以
下であると共に、融点が10〜17℃である蓄熱材。 【効果】 フロンの使用を回避でき、不純物含有のn−
オクタデセン−1やn−ヘキサデセン−1を使用でき
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、18℃以下、特に5〜
16℃で冷却固化し、かつ融解して冷房用等に好適な蓄
熱材に関する。
16℃で冷却固化し、かつ融解して冷房用等に好適な蓄
熱材に関する。
【0002】
【従来の技術】夜間の余剰電力等を利用して蓄熱材を冷
却固化(凝固)させ、その融解時の吸熱作用を利用して
昼間の冷房などに用いるシステムが提案されている。か
かるシステムに好適な蓄熱材は、氷結によるパイプライ
ンの詰り等の恐れが少ない例えば5〜8℃程度の冷却水
で冷却固化でき、5〜14℃、就中7℃程度で融解して
その融解熱が大きいものとされている。
却固化(凝固)させ、その融解時の吸熱作用を利用して
昼間の冷房などに用いるシステムが提案されている。か
かるシステムに好適な蓄熱材は、氷結によるパイプライ
ンの詰り等の恐れが少ない例えば5〜8℃程度の冷却水
で冷却固化でき、5〜14℃、就中7℃程度で融解して
その融解熱が大きいものとされている。
【0003】従来、前記要求を満たすものとしてクラス
レートが知られていた。しかしながら周知の如く、クラ
スレートはフロンと水の混合物で、そのフロンが環境衛
生問題から使用規制の対象となっている。そのためクラ
スレートの代替物の提供が課題となっている。
レートが知られていた。しかしながら周知の如く、クラ
スレートはフロンと水の混合物で、そのフロンが環境衛
生問題から使用規制の対象となっている。そのためクラ
スレートの代替物の提供が課題となっている。
【0004】蓄熱材としてはエチレングリコールと水と
の混合物も知られている。しかし、かかる混合物はその
冷却固化温度(凝固点)が−10〜0℃と低く、前記の
冷却水を介した蓄熱材の冷却固化には不向きであると共
に、その冷却固化処理に低温を要して夜間の余剰電力の
利用効率に乏しい問題点などがあつた。
の混合物も知られている。しかし、かかる混合物はその
冷却固化温度(凝固点)が−10〜0℃と低く、前記の
冷却水を介した蓄熱材の冷却固化には不向きであると共
に、その冷却固化処理に低温を要して夜間の余剰電力の
利用効率に乏しい問題点などがあつた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、5〜8℃程
度の冷却水で充分に冷却固化させることができ、しかも
融点が18℃以下で夏場等の冷房目的に利用でき、融点
以下の温度、特に5〜14℃での融解熱の大きいものの
開発を課題とする。
度の冷却水で充分に冷却固化させることができ、しかも
融点が18℃以下で夏場等の冷房目的に利用でき、融点
以下の温度、特に5〜14℃での融解熱の大きいものの
開発を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、n−オクタデ
セン−1からなる融点が10〜18℃であることを特徴
とする蓄熱材、又はn−オクタデセン−1とn−ヘキサ
デセン−1の混合物からなり、n−ヘキサデセン−1の
混合割合がn−オクタデセン−1の45重量%以下であ
ると共に、融点が10〜17℃であることを特徴とする
蓄熱材を提供するものである。
セン−1からなる融点が10〜18℃であることを特徴
とする蓄熱材、又はn−オクタデセン−1とn−ヘキサ
デセン−1の混合物からなり、n−ヘキサデセン−1の
混合割合がn−オクタデセン−1の45重量%以下であ
ると共に、融点が10〜17℃であることを特徴とする
蓄熱材を提供するものである。
【0007】
【作用】n−オクタデセン−1又はそれにn−ヘキサデ
セン−1を上記の範囲で混合することにより、5〜8℃
の冷却水で冷却固化できて融点が18℃以下又は17℃
以下であり、5〜14℃での融解熱の大きさに優れる蓄
熱材を得ることができる。ちなみに5〜14℃での融解
熱は、通例20cal/g以上である。
セン−1を上記の範囲で混合することにより、5〜8℃
の冷却水で冷却固化できて融点が18℃以下又は17℃
以下であり、5〜14℃での融解熱の大きさに優れる蓄
熱材を得ることができる。ちなみに5〜14℃での融解
熱は、通例20cal/g以上である。
【0008】特にn−ヘキサデセン−1の混合割合が上
記の範囲外では5℃の冷却水で冷却固化しないのに対
し、上記範囲では5℃の冷却水で確実に冷却固化でき、
しかもn−オクタデセン−1よりも融解熱が低いn−ヘ
キサデセン−1を含有していながら5〜14℃での融解
熱がn−ヘキサデセン−1を含有しないn−オクタデセ
ン−1よりも大きい値を示す。かかる予測不能の全体的
な冷却固化現象及び融解熱の飛躍的向上より本発明によ
るn−オクタデセン−1とn−ヘキサデセン−1との混
合系では、化学結合を伴うのかその機構は不明であるが
単なる混合とは異質の状態が形成されているものと考え
られる。
記の範囲外では5℃の冷却水で冷却固化しないのに対
し、上記範囲では5℃の冷却水で確実に冷却固化でき、
しかもn−オクタデセン−1よりも融解熱が低いn−ヘ
キサデセン−1を含有していながら5〜14℃での融解
熱がn−ヘキサデセン−1を含有しないn−オクタデセ
ン−1よりも大きい値を示す。かかる予測不能の全体的
な冷却固化現象及び融解熱の飛躍的向上より本発明によ
るn−オクタデセン−1とn−ヘキサデセン−1との混
合系では、化学結合を伴うのかその機構は不明であるが
単なる混合とは異質の状態が形成されているものと考え
られる。
【0009】
【発明の構成要素の例示】本発明の蓄熱材は、n−オク
タデセン−1又は、n−オクタデセン−1とn−ヘキサ
デセン−1の混合物からなり、融点が10〜18℃のも
のである。n−ヘキサデセン−1の混合割合は、n−オ
クタデセン−1の45重量%以下、好ましくはn−オク
タデセン−1/n−ヘキサデセン−1の重量部に基づい
て90/10〜80/20である。n−ヘキサデセン−
1の混合により融点を下げることができ、特に10〜3
0重量%の混合割合においては融点の低下と共に、融解
熱を向上させることができる。n−ヘキサデセン−1の
混合割合が45重量%を超えると5℃の冷却水で冷却固
化できないものとなる。
タデセン−1又は、n−オクタデセン−1とn−ヘキサ
デセン−1の混合物からなり、融点が10〜18℃のも
のである。n−ヘキサデセン−1の混合割合は、n−オ
クタデセン−1の45重量%以下、好ましくはn−オク
タデセン−1/n−ヘキサデセン−1の重量部に基づい
て90/10〜80/20である。n−ヘキサデセン−
1の混合により融点を下げることができ、特に10〜3
0重量%の混合割合においては融点の低下と共に、融解
熱を向上させることができる。n−ヘキサデセン−1の
混合割合が45重量%を超えると5℃の冷却水で冷却固
化できないものとなる。
【0010】本発明において用いるn−オクタデセン−
1及びn−ヘキサデセン−1は、10〜18℃、好まし
くは12〜16℃の融点を阻害しない範囲において不純
物を含有していてもよい。不純物を含有する場合、前記
の混合割合はその不純物含有物に基づく。一般には、蓄
熱量の点より50%以上の純度、好ましくは約90%以
上の純度を有するものが用いられる。従って通例の工業
用市販品をそのまま用いることができる。
1及びn−ヘキサデセン−1は、10〜18℃、好まし
くは12〜16℃の融点を阻害しない範囲において不純
物を含有していてもよい。不純物を含有する場合、前記
の混合割合はその不純物含有物に基づく。一般には、蓄
熱量の点より50%以上の純度、好ましくは約90%以
上の純度を有するものが用いられる。従って通例の工業
用市販品をそのまま用いることができる。
【0011】前記の不純物としては、例えば炭素数が1
2、14、20又は22等のα−オレフィン、分岐オレ
フィン、パラフィンなどがあげられる。なお、芳香族化
合物、ナフテン化合物、ジオレフィン等を含まず、βや
γ等のインナーオレフィンの含有量の少ないものが好ま
しく用いられる。かかるn−オクタデセン−1、n−ヘ
キサデセン−1は、例えばエチレン低重合法などの適宜
な方法で調製することができる。
2、14、20又は22等のα−オレフィン、分岐オレ
フィン、パラフィンなどがあげられる。なお、芳香族化
合物、ナフテン化合物、ジオレフィン等を含まず、βや
γ等のインナーオレフィンの含有量の少ないものが好ま
しく用いられる。かかるn−オクタデセン−1、n−ヘ
キサデセン−1は、例えばエチレン低重合法などの適宜
な方法で調製することができる。
【0012】なお本発明において蓄熱材の融点は、DS
C(示差走査熱量計)を用いた−20℃(凝固状態)から
25℃(液体状態)まで2℃/分の速度で昇温する吸熱
時の測定におけるピーク吸熱温度を意味し、本発明の蓄
熱材では更に15cal/g以上の吸熱量を示す温度域で
のピーク吸熱温度を意味する。
C(示差走査熱量計)を用いた−20℃(凝固状態)から
25℃(液体状態)まで2℃/分の速度で昇温する吸熱
時の測定におけるピーク吸熱温度を意味し、本発明の蓄
熱材では更に15cal/g以上の吸熱量を示す温度域で
のピーク吸熱温度を意味する。
【0013】本発明の蓄熱材は、適宜な形態で用いるこ
とができる。その例としては、袋やパイプ、中空ボール
等による封入形態としてそのまま用いる方式、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリエステル等の有機高分子か
らなる袋にパック詰めして冷却過程でシートや板等に成
形して用いる方式、壁や板等の多孔質体に含浸させて用
いる方式、フィルム、布、繊維等の上に付着、塗布、な
いし含浸させて用いる方式、マイクロカプセル中に封入
して用いる方式などがあげられる。その場合、必要に応
じて金属等の伝熱性物質からなる均熱化層を付加するこ
とができる。
とができる。その例としては、袋やパイプ、中空ボール
等による封入形態としてそのまま用いる方式、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリエステル等の有機高分子か
らなる袋にパック詰めして冷却過程でシートや板等に成
形して用いる方式、壁や板等の多孔質体に含浸させて用
いる方式、フィルム、布、繊維等の上に付着、塗布、な
いし含浸させて用いる方式、マイクロカプセル中に封入
して用いる方式などがあげられる。その場合、必要に応
じて金属等の伝熱性物質からなる均熱化層を付加するこ
とができる。
【0014】また適宜な有機高分子、就中、炭化水素系
有機高分子との固体状混合物として用いることもでき
る。その場合、撹拌処理、混合処理、混練処理等の機械
的手段による混合方式が好ましい。機械的手段による混
合方式によれば、有機高分子100重量部あたり300
〜2000重量部の大量の蓄熱材を混合しても、成形加
工性に優れ、蓄熱材が移行(ブリード)しにくくてベト
つきにくいものを容易に得ることができる。
有機高分子との固体状混合物として用いることもでき
る。その場合、撹拌処理、混合処理、混練処理等の機械
的手段による混合方式が好ましい。機械的手段による混
合方式によれば、有機高分子100重量部あたり300
〜2000重量部の大量の蓄熱材を混合しても、成形加
工性に優れ、蓄熱材が移行(ブリード)しにくくてベト
つきにくいものを容易に得ることができる。
【0015】機械的手段による混合は例えば、溶融物と
した一方にそれに膨潤、ないし溶解する他方を撹拌混合
する方式、両者を加熱して流動状態ないし溶融物として
それらを混練、ないし撹拌混合する方式など、適宜な方
式で行ってよい。また混練には、例えば2本ロール、バ
ンバリーミキサー、押出機、2軸混練押出機などの通例
の混合機を用いることができる。
した一方にそれに膨潤、ないし溶解する他方を撹拌混合
する方式、両者を加熱して流動状態ないし溶融物として
それらを混練、ないし撹拌混合する方式など、適宜な方
式で行ってよい。また混練には、例えば2本ロール、バ
ンバリーミキサー、押出機、2軸混練押出機などの通例
の混合機を用いることができる。
【0016】前記した炭化水素系有機高分子としては、
主鎖が基本的に炭化水素であり、主鎖中における他の成
分(例えばO、N、Si、ハロゲン等)の含有量10重
量%以下、就中5重量%以下のものが好ましく用いう
る。その具体例としては、オレフィン系ポリマー、熱可
塑性エラストマー、炭化水素系ゴムなどがあげられる。
炭化水素系有機高分子としては、1種又は2種以上を用
いることができ、架橋物とすることもできる。
主鎖が基本的に炭化水素であり、主鎖中における他の成
分(例えばO、N、Si、ハロゲン等)の含有量10重
量%以下、就中5重量%以下のものが好ましく用いう
る。その具体例としては、オレフィン系ポリマー、熱可
塑性エラストマー、炭化水素系ゴムなどがあげられる。
炭化水素系有機高分子としては、1種又は2種以上を用
いることができ、架橋物とすることもできる。
【0017】得られた固体状混合物は、ペレット等の粉
末、ないし顆粒物のほか、流し込み方式、プレス方式、
押出成形方式、射出成形方式等の適宜な方式で、シー
ト、板、棒、ハニカム体、パイプ等の任意な形態に加工
して実用に供することができる。
末、ないし顆粒物のほか、流し込み方式、プレス方式、
押出成形方式、射出成形方式等の適宜な方式で、シー
ト、板、棒、ハニカム体、パイプ等の任意な形態に加工
して実用に供することができる。
【0018】なお固体状混合物は、ガスや発泡剤等によ
る発泡化、シラスバルーン等のバルーンの添加などによ
る低比重化、あるいは金属やセラミック等の無機系高密
度充填材等の添加による高比重化などにより比重を調節
することもできる。また、有機繊維や無機繊維の充填、
あるいは紐、ワイヤ、不織布、織布、網等の支持体の使
用による補強形態とすることもできる。その他、固体状
混合物には種々の添加剤、酸化防止剤、着色剤、顔料、
帯電防止剤、防黴剤、難燃剤、防鼠剤、金属やカーボン
等の伝熱材などの適宜な配合剤を添加して実用に供する
ことができる。
る発泡化、シラスバルーン等のバルーンの添加などによ
る低比重化、あるいは金属やセラミック等の無機系高密
度充填材等の添加による高比重化などにより比重を調節
することもできる。また、有機繊維や無機繊維の充填、
あるいは紐、ワイヤ、不織布、織布、網等の支持体の使
用による補強形態とすることもできる。その他、固体状
混合物には種々の添加剤、酸化防止剤、着色剤、顔料、
帯電防止剤、防黴剤、難燃剤、防鼠剤、金属やカーボン
等の伝熱材などの適宜な配合剤を添加して実用に供する
ことができる。
【0019】本発明の蓄熱材、ないしそれを用いた上記
の二次成形物等は、冷却固化物が融解する際の外部熱の
吸熱作用を利用して種々の冷房、ないし冷却システムに
用いることができる。また、液状物が外部に熱を放出し
て凝固(冷却固化)する際の放熱作用を利用して種々の
用途、例えば保温や凍結防止などのシステムに用いるこ
とができる。
の二次成形物等は、冷却固化物が融解する際の外部熱の
吸熱作用を利用して種々の冷房、ないし冷却システムに
用いることができる。また、液状物が外部に熱を放出し
て凝固(冷却固化)する際の放熱作用を利用して種々の
用途、例えば保温や凍結防止などのシステムに用いるこ
とができる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、n−オクタデセン−1
を用いたので、氷結の恐れが少ない5〜8℃程度の冷却
水で冷却固化させることができると共に、18℃以下の
融点を有し、5〜14℃での融解熱が大きい蓄熱材を得
ることができる。特にn−ヘキサデセン−1を所定割合
で混合したものの場合には、17℃以下の融点を有し、
5〜14℃での融解熱が特段に大きい蓄熱材を得ること
ができる。またフロンの使用を回避でき、不純物含有の
n−オクタデセン−1やn−ヘキサデセン−1を使用で
きる利点も有している。
を用いたので、氷結の恐れが少ない5〜8℃程度の冷却
水で冷却固化させることができると共に、18℃以下の
融点を有し、5〜14℃での融解熱が大きい蓄熱材を得
ることができる。特にn−ヘキサデセン−1を所定割合
で混合したものの場合には、17℃以下の融点を有し、
5〜14℃での融解熱が特段に大きい蓄熱材を得ること
ができる。またフロンの使用を回避でき、不純物含有の
n−オクタデセン−1やn−ヘキサデセン−1を使用で
きる利点も有している。
【0021】
実施例1 純度90%のn−オクタデセン−1(主な不純物:エイ
コセン−1、ヘキサデセン−1、ガスクロマトグラフィ
ーによる測定、以下同じ)100部(重量部、以下同
じ)と、熱可塑性エラストマー(シェル化学社製、クレ
イトンG1650、以下同じ)15部と、ポリエチレン
A(密度0.935g/cm3、MI2g/10分、以下
同じ)10部の加熱溶融下に、酸化防止剤(2,2,4
−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物、以
下同じ)0.2部と共に撹拌混合して固体状混合物(蓄
熱材)を得た。
コセン−1、ヘキサデセン−1、ガスクロマトグラフィ
ーによる測定、以下同じ)100部(重量部、以下同
じ)と、熱可塑性エラストマー(シェル化学社製、クレ
イトンG1650、以下同じ)15部と、ポリエチレン
A(密度0.935g/cm3、MI2g/10分、以下
同じ)10部の加熱溶融下に、酸化防止剤(2,2,4
−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物、以
下同じ)0.2部と共に撹拌混合して固体状混合物(蓄
熱材)を得た。
【0022】実施例2 純度90%のn−オクタデセン−1:95部と、純度9
2%のn−ヘキサデセン−1(主な不純物:オクタデセ
ン−1、テトラデセン−1、以下同じ)5部を室温(い
ずれも液状)で撹拌混合して蓄熱材を得た。
2%のn−ヘキサデセン−1(主な不純物:オクタデセ
ン−1、テトラデセン−1、以下同じ)5部を室温(い
ずれも液状)で撹拌混合して蓄熱材を得た。
【0023】実施例3 実施例2で得た蓄熱材を熱可塑性エラストマー15部と
ポリエチレンB(密度0.925g/cm3、MI10g
/10分、以下同じ)10部の加熱溶融下に、酸化防止
剤0.2部と共に撹拌混合して固体状混合物(蓄熱材)
を得た。
ポリエチレンB(密度0.925g/cm3、MI10g
/10分、以下同じ)10部の加熱溶融下に、酸化防止
剤0.2部と共に撹拌混合して固体状混合物(蓄熱材)
を得た。
【0024】実施例4 純度90%のn−オクタデセン−1:90部と、純度9
2%のn−ヘキサデセン−1:10部と、熱可塑性エラ
ストマー15部と、ポリエチレンB10部を加熱溶融下
に酸化防止剤0.2部と共に撹拌混合して固体状混合物
(蓄熱材)を得た。
2%のn−ヘキサデセン−1:10部と、熱可塑性エラ
ストマー15部と、ポリエチレンB10部を加熱溶融下
に酸化防止剤0.2部と共に撹拌混合して固体状混合物
(蓄熱材)を得た。
【0025】実施例5 純度90%のn−オクタデセン−1:80部と、純度9
2%のn−ヘキサデセン−1:20部と、熱可塑性エラ
ストマー15部と、水架橋性ポリエチレン(ポリエチレ
ンB100部にビニルトリメトキシシラン2部をジクミ
ルパーオキサイド0.04部の存在化に反応させたシラ
ングラフト体、以下同じ)10部と、エチレンプロピレ
ンゴム(日本合成ゴム社製のEP07P100部にビニ
ルトリメトキシシラン2部をジクミルパーオキサイド
0.04部の存在化に反応させたシラングラフト水架橋
系ポリマー、以下同じ)5部を加熱溶融下に酸化防止剤
0.2部と共に撹拌混合して固体状混合物(蓄熱材)を
得た。なお、水架橋性ポリエチレンとエチレンプロピレ
ンゴムの混合系における架橋度(ゲル分率)は5%であ
った。
2%のn−ヘキサデセン−1:20部と、熱可塑性エラ
ストマー15部と、水架橋性ポリエチレン(ポリエチレ
ンB100部にビニルトリメトキシシラン2部をジクミ
ルパーオキサイド0.04部の存在化に反応させたシラ
ングラフト体、以下同じ)10部と、エチレンプロピレ
ンゴム(日本合成ゴム社製のEP07P100部にビニ
ルトリメトキシシラン2部をジクミルパーオキサイド
0.04部の存在化に反応させたシラングラフト水架橋
系ポリマー、以下同じ)5部を加熱溶融下に酸化防止剤
0.2部と共に撹拌混合して固体状混合物(蓄熱材)を
得た。なお、水架橋性ポリエチレンとエチレンプロピレ
ンゴムの混合系における架橋度(ゲル分率)は5%であ
った。
【0026】実施例6 純度90%のn−オクタデセン−1:85部と、純度9
2%のn−ヘキサデセン−1:10部と、純度86%の
n−エイコセン−1(主な不純物:ドコセン−1、オク
タデセン−1)5部と、熱可塑性エラストマー15部
と、ポリエチレンC(密度0.910g/cm3、MI1
4g/10分、以下同じ)10部を加熱溶融下に酸化防
止剤0.2部と共に撹拌混合して固体状混合物(蓄熱
材)を得た。
2%のn−ヘキサデセン−1:10部と、純度86%の
n−エイコセン−1(主な不純物:ドコセン−1、オク
タデセン−1)5部と、熱可塑性エラストマー15部
と、ポリエチレンC(密度0.910g/cm3、MI1
4g/10分、以下同じ)10部を加熱溶融下に酸化防
止剤0.2部と共に撹拌混合して固体状混合物(蓄熱
材)を得た。
【0027】比較例 純度90%のn−オクタデセン−1:60部と、純度9
2%のn−ヘキサデセン−1:40部と、熱可塑性エラ
ストマー15部と、ポリエチレンB10部を加熱溶融下
に酸化防止剤0.2部と共に撹拌混合して固体状混合物
(蓄熱材)を得た。
2%のn−ヘキサデセン−1:40部と、熱可塑性エラ
ストマー15部と、ポリエチレンB10部を加熱溶融下
に酸化防止剤0.2部と共に撹拌混合して固体状混合物
(蓄熱材)を得た。
【0028】評価試験 実施例、比較例で得た蓄熱材(固体状混合物)について
下記の特性を調べた。 融点 DSCにて−20℃から25℃まで2℃/分の速度で昇
温し、10cal/g以上の吸熱量を示す温度域でのピー
ク吸熱温度を調べた。
下記の特性を調べた。 融点 DSCにて−20℃から25℃まで2℃/分の速度で昇
温し、10cal/g以上の吸熱量を示す温度域でのピー
ク吸熱温度を調べた。
【0029】凝固性 30℃に保持して安定化させたもの(蓄熱材は液状)
を、5℃の水中に投入して24時間放置したのち取りだ
して、蓄熱材が冷却固化しているか否かを調べ、してい
る場合を○、していない場合を×として評価した。なお
試験は、実施例2の場合には蓄熱材をポリエチレンの薄
膜袋に入れて、他の固体状混合物については厚さ5mmの
50mm角試験板を成形して、それについて行った。蓄熱
材の冷却固化の確認は、実施例2の場合には目視判定に
より、他の固体状混合物については全体として固体状で
あるため、DSCにて吸熱曲線の変化を調べて判定し
た。
を、5℃の水中に投入して24時間放置したのち取りだ
して、蓄熱材が冷却固化しているか否かを調べ、してい
る場合を○、していない場合を×として評価した。なお
試験は、実施例2の場合には蓄熱材をポリエチレンの薄
膜袋に入れて、他の固体状混合物については厚さ5mmの
50mm角試験板を成形して、それについて行った。蓄熱
材の冷却固化の確認は、実施例2の場合には目視判定に
より、他の固体状混合物については全体として固体状で
あるため、DSCにて吸熱曲線の変化を調べて判定し
た。
【0030】吸熱量 常温から5℃まで−0.5℃/分の速度で降温して安定
させたのち、DSCにて5℃から14℃に0.5℃/分
の速度で昇温する間の吸熱量を調べた。
させたのち、DSCにて5℃から14℃に0.5℃/分
の速度で昇温する間の吸熱量を調べた。
【0031】放熱量 常温から14℃まで−0.5℃/分の速度で降温して安
定させたのち、さらに14℃から5℃に−0.5℃/分
の速度で降温する間の放熱量をDSCにて調べた。
定させたのち、さらに14℃から5℃に−0.5℃/分
の速度で降温する間の放熱量をDSCにて調べた。
【0032】ブリード性 固体状混合物を常温で7日間放置したのち、蓄熱材成分
が滲み出るか否かを調べ、滲み出ないものを良とした。
が滲み出るか否かを調べ、滲み出ないものを良とした。
【0033】形状保持性 1cm角ブロックの固体状混合物を常温で7日間放置した
のち、形状の変化を調べ、ほぼ原形を保持しているもの
を良、流動又は形状変化したものを不良として評価し
た。
のち、形状の変化を調べ、ほぼ原形を保持しているもの
を良、流動又は形状変化したものを不良として評価し
た。
【0034】前記の結果を表1に示した。
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 百瀬 千秋 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内
Claims (3)
- 【請求項1】 n−オクタデセン−1からなる融点が1
0〜18℃であることを特徴とする蓄熱材。 - 【請求項2】 n−オクタデセン−1とn−ヘキサデセ
ン−1の混合物からなり、n−ヘキサデセン−1の混合
割合がn−オクタデセン−1の45重量%以下であると
共に、融点が10〜17℃であることを特徴とする蓄熱
材。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の蓄熱材と炭化水
素系有機高分子との機械的手段による固体状混合物から
なることを特徴とする蓄熱材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4056976A JPH05214327A (ja) | 1992-02-06 | 1992-02-06 | 蓄熱材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4056976A JPH05214327A (ja) | 1992-02-06 | 1992-02-06 | 蓄熱材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05214327A true JPH05214327A (ja) | 1993-08-24 |
Family
ID=13042552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4056976A Pending JPH05214327A (ja) | 1992-02-06 | 1992-02-06 | 蓄熱材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05214327A (ja) |
-
1992
- 1992-02-06 JP JP4056976A patent/JPH05214327A/ja active Pending
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