JPH05213801A - 粉末ソルビトールの製造方法 - Google Patents

粉末ソルビトールの製造方法

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JPH05213801A
JPH05213801A JP4753492A JP4753492A JPH05213801A JP H05213801 A JPH05213801 A JP H05213801A JP 4753492 A JP4753492 A JP 4753492A JP 4753492 A JP4753492 A JP 4753492A JP H05213801 A JPH05213801 A JP H05213801A
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sorbitol
powder
dried
concentrated
spray
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JP4753492A
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Nobumichi Nakano
信道 中野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、従来の多消費非効率、機械保
全、安全、衛生管理上等の問題点を解消し、良質のソル
ビトールを得る製造方法を提供する。 【構成】 純度90.0%以上のソルビトールの溶液を
濃度70〜80%に濃縮して攪拌しながら20℃まで冷
却し、これに粉末ソルビトールを0.2〜1.0%添加
し、さらに攪拌して白下結晶状とする。ついでこのソル
ビトールに前記濃縮液を更に30%の割合で混合し、結
晶量25〜30%に達したクリーム状のソルビトールを
スプレードライヤー内に噴霧乾燥し、得られた粉末を熟
成して結晶を完了させ、これをさらに乾燥させて粉末ソ
ルビトールを得る。 【効果】 製造工程の簡略化とともに粒度の揃った粉末
が連続製造可能となり、同時に作業環境の改善、作業者
負担の軽減、動力費等の節減、歩留りの向上を図り得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、粉末ソルビトールの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ソルビトールはソルビットまたはグルシ
トールともいわれ、主としてぶどう糖に水素添加して得
られる糖アルコールで、甘味度が蔗糖の凡そ48%で、
糖尿病患者用甘味剤、或いはビタミンの安定化剤、保湿
剤等に使用される。
【0003】現在一般に行われている粉末ソルビトール
の製造方法は、90〜100%に高濃縮しかつ100〜
200℃の高温度に保ったソルビトールの高粘度液にソ
ルビトール粉末をシードとして混和、または混和せずに
固め、それを粉末に加工する製造方法が採用されてお
り、方式としてはバッチ式と連続式がある。
【0004】バッチ式の場合は、高温の濃縮液に若干量
のシードをよく混和し、例えばポリ製のバットに20〜
30kg程度の単位に流し込み、冷却後固化してから型
から抜き出して結晶熟成のため積置保管する。
【0005】次いでこの結晶固化したソルビトールのブ
ロックを、切削機または粉砕機を用いて微粉化し、仕上
げ乾燥又は乾燥をせず篩別を経て粉末ソルビトールとし
て製品化する。
【0006】連続式の場合は、高粘度の高濃縮液を一定
量連続的に混煉機に流し込むと同時に、濃縮液に対して
ソルビトールの粉末を10〜50%添加混合し、強力に
混煉した後スパゲティ状に成型して押し出す。
【0007】この結晶固化したスパゲティ状ソルビトー
ルを、次いで冷風室を通過させて急冷し、完全に結晶固
化後粉砕機を用いて微粉末化する。
【0008】つぎにこの微粉末化したソルビトールを、
仕上げ乾燥又は乾燥せずにそのまま篩別を経て粉末ソル
ビトールとして製品化する。また出来上った粉末は、1
0〜50%がシードとして繰り返し用いられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところでバッチ式の場
合は、冷却固化させたソルビトールを20〜30kg単
位のブロックとし、このブロックを型受、型出し、積置
し、またこれを一枚づつ切削しながら微粉化し、これを
篩別して微粉化するという工程を経ている。
【0010】従ってその途中における効率の悪さやブロ
ックの揚げ卸し等、作業者にかかる労働荷役の負担が大
きく、また回転式切削機の歯の手入等、安全性の面でも
危険性が多い。
【0011】さらには切削された粉末も、一様の大きさ
でなく小さい微粉末が混在しているために、この微粉末
が作業場の空中に飛散して作業者やまた計量包装機器等
に付着し、作業環境を非常に悪くしている。
【0012】一方連続式の場合は、混煉機に流し込む工
程で、ソルビトール液が高濃度、高温度に加えて、10
〜50%のソルビトール粉末をシードとして同時に添加
混煉するために、この液が瞬時により強い粘度となる。
【0013】この高濃度のソルビトール液を、結晶促進
のためにさらに強力に煉り上げるために混煉機には大容
量の動力源が必要であり、その動力費の負担も大きくな
る。
【0014】このように混煉機には相当な過負荷がかか
るために故障しがちで、機械の保全にも配慮しなければ
ならない。
【0015】また連続設備のために、中間成品をストッ
クする余分なスペースが少ない関係上、短時間で結晶固
化を完了して粉砕工程に廻す必要から、設備間に成型し
たソルビトールの冷却設備が必要となる。
【0016】さらにこの連続式の設備で発生する粉砕液
の微粉末は、上記バッチ式の切削時よりも多く、作業環
境を悪くして計量、包装の作業を困難にしている。
【0017】加えてこのような製造方法では、全工程を
経てやっと完成したソルビトールの粉末を、10〜50
%も繰り返し使用する歩留りの低い製造方法である。
【0018】このような課題を解決するために、先に特
開昭51−108005号公報に開示されたソルビトー
ルの造粒方法の技術がある。
【0019】この技術は、ソルビトール高温液を乾燥室
内に噴霧してソルビトール粉末などで被覆し、粉状を形
成する方法等がある。
【0020】しかしこの方法は、収集後のソルビトール
が非晶質のため吸湿が激しく、その後の加工工程が困難
なため実用には至っていない。
【0021】本発明は、上記従来のエネルギーの多消
費、非効率、機械保全、安全および衛生管理上の問題点
を解消し、粒度の揃った良質のソルビトールを効率よく
製造する粉末ソルビトールの製造方法を提供する。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、純度90.0
%以上のソルビトールの溶液を濃度70〜80%に濃縮
し、かつこれを攪拌しながら20℃まで冷却し、この濃
縮冷却したソルビトール液にシードとして粉末ソルビト
ールを0.2〜1.0%添加し、さらに攪拌して白下結
晶状とし、この白下結晶状としたソルビトールをベース
として、更に前記濃度70〜80%、20℃に冷却した
ソルビトール濃縮液を30%の割合で混合し、結晶量2
5〜30%に達したクリーム状のソルビトールを送風温
度70〜80℃のスプレードライヤ内に噴霧乾燥し、得
られた粉末を約1〜5時間熟成して結晶を完了させ、し
かる後これを水分が0.5%以下まで乾燥させることを
特徴とする粉末ソルビトールの製造方法である。
【0023】
【作用】本発明は、ソルビトール液の高濃度、高温度に
よる濃縮を行わず、70〜80%の濃縮液をそのまま白
下結晶状にし、噴霧乾燥により直接粉末化収集し、冷却
することなく結晶熟成する。
【0024】こうして噴霧法の特徴である粒度の揃った
粉末を得ることで計量包装等の作業をも改善する製造方
法である。
【0025】本発明者らは、ソルビトールの物性、特に
結晶性質に対する徹底した研究と結晶化への各種条件の
探索を行い、その結果従来困難と考えられていたソルビ
トールの白下結晶状の作成調整と、またこの白下結晶状
ソルビトールの状態によく調和した噴霧乾燥の設定条件
を見出した。
【0026】即ち一定条件のもとで白下結晶状としたソ
ルビトールを、一定条件下で噴霧乾燥して結晶粉末とす
るものである。
【0027】ソルビトールの結晶化は、通常ソルビトー
ル濃度75%、温度20℃の条件でゆっくり攪拌するの
が最適とされているが、たとえこの条件で48時間運転
しても、結晶しないか若しくは少ししか結晶化は進行し
ない。
【0028】この結晶化寸前のソルビトールの状態を顕
微鏡で観察すると、一部毛髪状の長い結晶が見られる
が、全体として高分子多糖類のように透明のまま高粘度
性の物性となっている。これを超える域まで結晶が進行
すると急に激しく白く結晶硬化する性質を持っている。
【0029】本発明者らは、ソルビトール液を白下結晶
状とするために僅かな幅の濃度、温度の設定条件を見つ
け出したこと、およびこの白下結晶状のソルビットが溶
解せず噴霧乾燥出来る条件を見つけ出し、この2工程を
組合せることによりソルビトール液を直接粉末化するこ
とに成功した。
【0030】即ち本発明は、 (1)濃度70−80%に濃縮したソルビトールの溶液
を攪拌しながら20℃まで冷却し、これに粉末ソルビト
ールを0.2〜1.0%添加し、さらに攪拌して白下結
晶状とする。
【0031】(2)ついで白下結晶状したソルビトール
に前記濃縮液を更に30%の割合で混合し、結晶量25
〜30%に達したクリーム状のソルビトールを送風温度
70〜80℃のスプレードライヤー内に噴霧乾燥し、得
られた粉末を熟成させて結晶を完了させ、粉末ソルビト
ールを得る。
【0032】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明の内容を具体的に
説明するが、本発明は以下の実施例によって限定される
ものではない。
【0033】実施例−1 純度98.5%のソルビトール液を濃度73%に濃縮
し、結晶機に移してゆっくり攪拌しながら冷却し、20
℃で0.1%の粉末ソルビトールをシードとして添加し
た。
【0034】約1時間の攪拌で粘度が高くなり白く濁り
始め、3時間攪拌を続けていると結晶量5%の白下結晶
状となった。
【0035】この白下結晶ソルビトールをベースにし
て、更に濃度73%、温度20℃に冷却した前記濃縮液
を30%の割合で連続注入し、結晶量30%に達したク
リーム状のソルビトールを、送風温度80℃のスプレー
ドライヤー内に連続して噴霧し乾燥する。
【0036】ドライヤーの収集部では、晶温40℃の粉
末が得られたので、これを1時間熟成して結晶を完了せ
しめ、しかる後にロータリ乾燥機で乾燥して、水分0.
5%以下のソルビトール粉末が製品として得られた。
【0037】実施例−2 純度91.2%のソルビトール液を濃度74%に濃縮
し、結晶機に移してゆっくり攪拌しながら冷却し、20
℃で0.2%のソルビトール粉末をシードとして添加し
た。
【0038】攪拌して約3時間後に白くなり始め、結晶
量の5%の白下結晶状となった。
【0039】この白下結晶状ソルビトールをベースにし
て、更に純度91.2%、濃度74%、温度20℃に冷
却した前記濃縮液を15%の割合で連続注入し、結晶量
25%に達したクリーム状のソルビトールを、送風温度
80℃のスプレードライヤー内に連続して噴霧し乾燥す
る。
【0040】ドライヤーの収集部では、晶温40℃の粉
末が得られたので、これを2時間結晶熟成して結晶を完
了せしめ、しかる後に流動乾燥機で乾燥して、水分0.
5%以下のソルビトール粉末が製品として得られた。
【0041】実施例−3 純度85.4%のソルビトールの溶液を濃度80%に濃
縮し、結晶機に移してゆっくりと攪拌しながら20℃ま
で冷却した。
【0042】ソルビトール粉末を1%添加まで混和し、
冷却、攪拌15時間で結晶量25%の白下状ソルビトー
ルが得られた。
【0043】この白下結晶状ソルビトールを、送風温度
75℃のスプレードライヤー内に噴霧し乾燥する。
【0044】ドライヤーの収集部では晶温40℃のソル
ビトール粉末が得られたので、この粉末を5時間結晶熟
成して結晶を完了せしめ、しかる後に流動真空乾燥機で
乾燥し、水分1%以下のソルビトール粉末が製品として
得られた。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明の製造方法に
よれば、ソルビトール液から粉末包装までの製造工程に
おいて、ソルビトール液を高濃縮、高温度に保つ必要は
なく、一旦白下結晶状とし、さらにこれをクリーム状と
してスプレー噴霧乾燥すると言う簡略化された工程によ
り、粘度の揃った良質のソルビトール粉末を連続して製
造することが可能となる。
【0046】従って本製造方法によれば、ソルビトール
微粉末が飛散することはなく、衛生上の問題も解決され
て作業環境は改善され、計量、包装作業も容易となって
作業者の負荷が軽減される。
【0047】また混煉機等に大容量の動力源を必要とす
るこなく、燃料費や動力費は節減され、装置のメンテナ
ンスも容易となる。
【0048】さらにはシードとして添加するソルビトー
ルの量も、1%以下と極く少量ですみ、製品の歩留りが
向上し、製品品質の向上とともにコストの低減を図り得
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソルビトール液を白下結晶状とし、噴霧
    乾燥により、結晶粉末化することを特徴とする粉末ソル
    ビトールの製造方法。
JP4753492A 1992-02-03 1992-02-03 粉末ソルビトールの製造方法 Pending JPH05213801A (ja)

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JP4753492A JPH05213801A (ja) 1992-02-03 1992-02-03 粉末ソルビトールの製造方法

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JP (1) JPH05213801A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011073995A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Terumo Corp ヨウ素配合脂溶性ビタミン含有液
WO2021010447A1 (ja) * 2019-07-17 2021-01-21 三菱商事ライフサイエンス株式会社 結晶性のソルビトール粉末の製造方法

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