JPH05211664A - 輝度信号・色信号分離装置 - Google Patents

輝度信号・色信号分離装置

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JPH05211664A
JPH05211664A JP1544992A JP1544992A JPH05211664A JP H05211664 A JPH05211664 A JP H05211664A JP 1544992 A JP1544992 A JP 1544992A JP 1544992 A JP1544992 A JP 1544992A JP H05211664 A JPH05211664 A JP H05211664A
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JP
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signal
color
output
circuit
clock
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Application number
JP1544992A
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Inventor
Masahiko Motai
正彦 馬渡
Seiichi Tanaka
誠一 田中
Koichi Kurihara
弘一 栗原
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Toshiba Corp
Toshiba AVE Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba AVE Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba AVE Co Ltd filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】折返し歪み及びリンギングを抑制して画質を向
上させる。 【構成】B-LOCKPLL18からのクロックに基づいて、カ
ラー復調器31はBPF51によって帯域制限された入力コ
ンポジットビデオ信号を復調する。ディジタルH−PL
L50からのパルスHBLはラッチ回路52に与えられてお
り、ラッチ回路52はパルスHBLをfscクロックに同期
化させてメモリ制御回路19に与える。間引処理回路35は
メモリ制御回路19からfscクロックに同期化されたクロ
ックが与えられて復調出力を間引処理する。これによ
り、間引位相は固定され内挿処理を必要とするとなく間
引処理が可能となり、折返し歪みの発生が防止される。
加算器38によってフレーム分離された色信号は内挿LP
F41によって内挿処理された後カラー変調される。変調
出力は入力コンポジットビデオ信号から減算されて輝度
信号が分離される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンポジットビデオ信
号から輝度信号と色信号とを分離する輝度信号・色信号
分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は従来の輝度信号・色信号分離装置
(以下、Y/C分離装置という)を示すブロック図であ
る。
【0003】アナログのコンポジットビデオ信号はAD
変換器1に与えられてデジタル信号に変換される。AD
変換器1からのビデオ信号はフレーム分離回路2及びラ
イン分離回路3に与えられる。フレーム分離回路2は静
画用のY/C分離回路であり、入力されたビデオ信号を
加算器5及び減算器6に与えると共に、フレームメモリ
4によって1フレーム期間遅延させた後に加算器5及び
減算器6に与える。加算器5は1フレーム前後のビデオ
信号を加算し、減算器6は1フレーム前後のビデオ信号
を減算する。1フレーム前後の色信号は逆位相となって
おり、加算器5からは色信号成分が除去された輝度信号
SYが輝度信号用の混合器10に出力され、減算器6から
は輝度信号成分が除去された色信号SCが色信号用の混
合器11に出力される。
【0004】一方、ライン分離回路3は動画用のY/C
分離回路であり、入力されたビデオ信号を加算器8及び
減算器9に与えると共に、ラインメモリ7によって1水
平期間遅延させた後加算器8及び減算器9に与える。1
ライン前後の色信号の位相は反転しており、加算器8は
1ライン前後のビデオ信号を加算することにより動画時
の輝度信号MYを分離して混合器10に出力する。また、
減算器9は1ライン前後のビデオ信号を減算することに
より動画時の色信号MCを分離して混合器11に出力す
る。
【0005】フレーム分離回路2からの色信号SC、す
なわち、フレーム非相関成分は動き検出回路12にも与え
られる。動き検出回路12は、色信号を含む全周波数帯域
の信号の動き成分から動き検出信号を得るようになって
いる。すなわち、ローパスフィルタ(以下、LPFとい
う)13は、減算器6からの1フレーム間の差分値を帯域
制限して、水平低域成分の1フレーム間の差分値を非線
形回路14に出力する。ノイズの影響を無視すると、完全
な静止画では1フレーム間の差分値は0であり、動画で
は有限の値をとる。非線形回路14は、動きが大きいほど
1フレーム間の差分値も大きくなることを利用して、L
PF13からの輝度信号の水平低域成分の1フレーム間の
差分信号を動き信号MVに変換して混合器10,11に出力
する。
【0006】混合器10は動画MYと静画SYとが与えら
れ、動き信号に応じた比率で両者を混合して輝度信号Y
を出力端子15に出力する。混合器11は動画MCと静画S
Cとが入力され、両者を動き信号MVに応じた比率で混
合して色信号Cを出力端子16に出力する。
【0007】ところで、装置のクロックとしては、バー
スト位相同期発振回路(以下、B-LOCKPLLという)18
からのバースト位相に同期した周波数が4fsc(fscは
色副搬送波周波数)のクロック(以下、4fscクロック
という)が採用される。入力コンポジットビデオ信号は
同期分離回路17及びB-LOCKPLL18に入力される。同期
分離回路17は同期信号を分離して、水平周期のパルスH
DをB-LOCKPLL18に与える。B-LOCKPLL18はパルス
HDに基づくタイミングでバースト信号を抽出して4f
scクロックを発生している。メモリ制御回路19はこの4
fscクロックに基づいてフレームメモリ4のアドレスを
指定して、書込み及び読出しを制御している。
【0008】NTSC方式のテレビジョン信号において
は、色副搬送波周波数fscは水平周波数fH の455/
2倍であり、装置のクロックとして4fscクロックを用
いると、1水平区間のサンプル数は910画素となる。
1画素のデータを8ビットの量子化データとすると、1
フレームのデータ量は、910×525×8=3,82
2,000ビットとなる。すなわち、フレームメモリ4
は入力ビデオ信号を1フレーム期間遅延させるために、
例えば4個の1メガビットDRAMで構成する必要があ
り、極めて大きなメモリ容量を必要とする。
【0009】そこで、水平及び垂直ブランキング期間に
フレームメモリによる信号の伝送を停止させることによ
り、フレームメモリの容量を低減可能にしたものがあ
る。図5はこのような他の従来のY/C分離装置を示す
ブロック図である。
【0010】同期分離回路17からのパルスHDはH−LOC
KPLL22に与えられる。H−LOCKPLL22は水平同期信
号に位相同期したパルスFHを発生してVカウンタ23及
びディジタルH−PLL24に出力する。Vカウンタ23は
同期分離回路17が分離した垂直同期信号VDによってリ
セットされてパルスFHをカウントすることにより、垂
直同期パルスを再生してラッチ25に出力する。
【0011】一方、ディジタルH−PLL24にはB-LOCK
PLL18からの4fscクロックも与えられる。パルスF
Hはバーストロックしたクロックに対してドリフトを有
する。そこで、ディジタルH−PLL24はこのドリフト
分を補正した水平ブランキングを示すパルスHBLを出
力するようになっている。すなわち、ディジタルH−P
LL24は、パルスFHと4fscクロックとのずれ量を測
定し、現フレームのずれ量と前フレームのずれ量との差
を求める。ディジタルH−PLL24はフレームメモリ21
の書込み時に出力するパルスHBLに対して、読出し時
に出力するパルスHBLの位相を前フレームとのずれ量
の差分に応じてフレーム毎に補正する。この場合には、
ディジタルH−PLL24は、4fscクロックを1/4分
周して得た信号を用いることにより、補正をfsc周期単
位で行う。fsc周期単位は、フレームメモリ21に書込ま
れるベースバンドの色信号の書込み単位であり、また、
動き検出用輝度低域成分のサンプリング単位でもあり、
このfsc周期が画素単位となる。
【0012】こうして、ディジタルH−PLL24からは
水平同期信号及びバースト信号相互間のドリフトを補正
した水平ブランキングを示すパルスHBLがメモリ制御
回路19、ラッチ25及びオア回路26に出力される。ラッチ
25はパルスHBLでVカウンタ23の出力をラッチするこ
とにより、ドリフト分を補正した垂直ブランキングを示
すパルスVBLをメモリ制御回路19及びオア回路26に出
力する。メモリ制御回路19は、これらのパルスHBL,
VBLを用いて、水平及び垂直ブランキング期間には、
フレームメモリ21に対する書込み及び読出しを停止させ
ている。
【0013】また、動き検出回路12からの動き信号MV
はオア回路27を介して混合器10,11に与えられており、
オア回路27にはオア回路26の出力も与えられる。従っ
て、水平及び垂直ブランキング期間には、動き信号MV
に拘らず、オア回路27の出力はハイレベル(以下、
“H”という)となり、混合器10,11はライン分離回路
3の出力を選択的に出力させる。
【0014】このように、フレームメモリ21はブランキ
ング期間のデータを伝送する必要がない。1水平走査期
間のサンプリング数を768とし、1垂直走査線数を4
80本とすると、1フレームのデータ量は768×48
0×8=2,949,120ビットとなり、フレームメ
モリ21は例えば3個の1メガビットDRAMで構成する
ことができる。
【0015】図6は更に一層フレームメモリ容量を低減
可能にした従来のY/C分離装置を示すブロック図であ
る。なお、図6ではライン分離回路3及び混合器10,11
等は省略されている。また、図7は動作を説明するため
のスペトクルを示す波形図であり、図7(a)乃至
(c)は夫々カラー復調器31の出力、LPF34の出力及
び間引処理回路35の出力を示している。また、図8は図
4中のa乃至d点の信号を説明するための説明図であ
る。図8では丸印によって色差信号R−Yを示し、四角
印によって色差信号B−Yを示している。
【0016】図6の装置は、コンポジット信号をカラー
復調し、復調出力をフレーム分離することによって静画
時の色信号を得、この色信号をコンポジット信号から減
算してフレーム分離による静画時の輝度信号を得てい
る。すなわち、フレーム分離においては、全帯域の信号
を処理する必要はなく、カラー帯域の信号処理のみを行
えばよく、これにより、フレームメモリによる信号伝送
のサンプルレートを低減してメモリ容量を削減してい
る。
【0017】AD変換器1からのディジタルビデオ信号
はカラー復調器31及び動き検出回路32のLPF33に与え
られる。カラー復調器31はB-LOCKPLL18から色副搬送
波に同期した周波数fsc,2fscのクロック(以下、夫
々fscクロック及び2fscクロックという)が与えられ
て、ビデオ信号をカラー復調する。これにより、カラー
復調器31は、図7(a)に示す輝度信号成分を含む2つ
の色差信号を復調する。カラー復調器31はベースバンド
の色差信号を伝送すればよく、図8(a)に示すよう
に、1チャンネル当たり2fscの伝送レートで復調出力
をLPF34に出力する。
【0018】LPF34は帯域制限を行って輝度信号成分
を除去する。また、後述する間引処理を任意のタイミン
グで可能とするために、LPF34は2つの色差信号に対
して内挿を行って1チャンネル当たり4fscの伝送レー
トで間引処理回路35に出力する。図8(b)では丸印又
は四角印の中に○印を施すことによって内挿点の信号を
示しており、説明を簡単化するために、2点の平均を採
用する1次内挿を繰返すものとする。LPF34の出力の
スペトクルは図7(b)に示すものとなる。間引処理回
路35は入力されたデータから代表点のデータを抽出して
1チャンネル当たりfscの伝送レートで多重回路36に出
力する。
【0019】ところで、水平ブランキングを示すパルス
HBLが取得る位相は、上述したディジタルH−PLL
24の1/4分周器の初期位相によって4通りある。従っ
て、メモリ制御回路19からのクロックを用いて間引処理
を行うと、間引位相も4通りの組合わせを有する。上述
したように、LPF36によって内挿を行うことにより、
4通りの間引位相のいずれにも対応可能にしている。
【0020】間引処理回路35はパルスHBLの位相によ
って代表点の選択方法が変化し、図8(c)に示す4通
りの組合わせが考えられる。図8(c)の(イ),
(ハ)は各色差信号R−Y,B−Y毎に280nsec
(fsc)のサンプリング周期でサンプリングすると共
に、色差信号R−Y,B−Y同士のサンプリングの時間
差を70nsec(4fsc)とするものである。図8
(c)の(イ)は色差信号R−Y,B−Yの原信号同士
を抽出する間引位相であり、(ハ)は内挿点の信号同士
をサンプリングする間引位相である。また、図8(c)
の(ロ),(ニ)は各色差信号R−Y,B−Yを280
nsec周期でサンプリングすると共に、色差信号R−
Y,B−Y同士のサンプリングの時間差を140nse
cとするものである。図8(c)の(ロ)は色差信号R
−Yが原信号で、色差信号B−Yが内挿点の信号となる
間引位相でサンプリングしたものであり、(ニ)は色差
信号R−Yが内挿点の信号で、色差信号B−Yが原信号
となる間引位相でサンプリングしたものである。
【0021】一方、LPF33はディジタルビデオ信号の
低域成分(輝度信号)を通過させて動き成分として間引
処理回路37に与える。間引処理回路37は輝度信号のうち
代表点のデータを抽出して多重回路36に出力する。多重
回路36は輝度信号と2つの色差信号とを時間軸上で多重
して1チャンネル当たりfsc、すなわち、3fscの伝送
レートでフレームメモリ37、加算器38及び減算器39に出
力する。
【0022】フレームメモリ37はメモリ制御回路19に書
込み及び読出しが制御されて、入力された信号を1フレ
ーム期間遅延させて加算器38及び減算器39に出力する。
カラー復調器31は正負の色副搬送波との掛算によって復
調を行っており、復調出力に含まれる輝度成分は1フレ
ーム前後で位相が反転し、色成分は1フレーム前後で同
相となる。加算器38は1フレーム前後の信号を加算する
ことにより色差信号を分離して分離回路40に出力する。
分離回路40は時間軸多重された2つの色差信号を分離し
て内挿LPF41に与える。内挿LPF41は間引処理によ
って間引かれたデータを内挿して4fscの伝送レートで
カラー変調器42に与える。カラー変調器42は直交変調に
よってフレーム分離されたカラー信号SCを作成して減
算器44及び図示しない混合器10,11(図5参照)に出力
する。
【0023】減算器44には遅延回路45を介してAD変換
器1からのビデオ信号も入力されており、減算器44は2
入力を減算してフレーム分離された輝度信号SYを図示
しない混合器10,11に出力する。
【0024】一方、減算器39はフレームメモリ37の入出
力を減算することにより、動き成分を得て分離回路43に
出力する。分離回路43は減算器39の出力からカラー復調
出力に含まれる輝度成分を除去して輝度低域成分を分離
し、非線形回路14及び図示しないオア回路27(図5参
照)を介して混合器10,11に動き信号MVとして出力す
る。
【0025】図8(d)の四角印及び○印の中の丸印は
原信号を用いた内挿点を示し、この内挿点を用いた内挿
点は斜線を施して示し、更に、×印によって斜線で示す
内挿点を用いた内挿点を示している。また、矢印によっ
て、変調時の信号抽出を示している。
【0026】図8(c)の(イ)乃至(ニ)の各間引出
力に対して、夫々図8(d)の(ホ),(ヘ)、
(リ),(ヌ)、(ト),(チ)及び(ル),(ヲ)に
示す内挿法が採用される。直交変調においては、色差信
号R−Y,B−Yの変調軸の位相が90度相違する。す
なわち、図9に模式的に示す変調法が採用される。各デ
ータを符号に拘らず抽出する。すなわち、図10に丸印
で示すデータを矢印にて示すように順次選択して抽出す
ることによって変調を行う。この場合には、図10
(a),(b)の矢印で示す2つの変調位相がある。図
8(d)の(ホ)乃至(ヲ)は各間引法に対するこのよ
うな各2種類の変調位相を示している。
【0027】ここで、装置のクロックとして4fscクロ
ックを採用してAD変換器1出力の1水平走査期間のサ
ンプリング数を728とすると、上述したように、フレ
ームメモリ37にはfscの伝送レートで信号が入力されて
いるので、フレームメモリ37における1チャンネル当た
りの1水平走査期間のデータ数は728/4=182と
なる。また、1垂直走査線数を480本とすると、フレ
ームメモリ37において、輝度信号及び2つの色差信号の
3チャンネルの信号を1フレーム期間遅延させるために
必要なメモリ容量は、182×480×8×3=209
6640ビットである。すなわち、2個の1メガビット
DRAMでフレームメモリ37を構成することができる。
【0028】前述したように、間引処理回路35の出力伝
送レートは、図7(c)に示すように、fscである。こ
のように、伝送レート(サンプルレート)を低減するこ
とによってメモリ容量を低減しているが、この間引処理
回路35の出力に斜線部に示す折り返し歪を発生させない
ためには、LPF34の特性を急峻にする必要がある。図
11及び図12は間引処理回路35出力のスペトクルと内
挿LPF41の出力との関係を示す説明図である。
【0029】LPF34の特性が急峻である場合には、図
11(a)に示すように、折り返し歪は発生しない。し
かしながら、図11(b)に示すように、内挿LPF41
の出力Bには比較的大きなリンギングが発生してしま
う。すなわち、原信号Aとの差が大きくなってY/C分
離が不十分になってしまう。逆に、LPF34の特性を緩
慢にすると折り返し歪が発生し(図12(a))、図1
2(b)に示すように、原信号Aに対して異なった信号
B,B′が内挿LPF41から出力されてしまうという問
題があった。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】このように、上述した
従来の輝度信号・色信号分離装置においては、伝送レー
トを信号帯域に対して比較的低い周波数に設定すると、
帯域制限を行うLPFの特性を緩慢にすると折り返し歪
が生じ、LPFの特性を急峻にするとリンギングによっ
て出力が歪んでしまうという問題点があった。
【0031】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、メモリ容量を低減するために伝送レートを
信号帯域に対して比較的低い周波数に設定した場合で
も、リンギング及び折り返し歪による画質の低下を抑制
することができる輝度信号・色信号分離装置を提供する
ことを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明に係る輝度信号・
色信号分離装置は、入力されたディジタルコンポジット
ビデオ信号を色復調して復調出力を出力する復調手段
と、この復調手段からの復調出力を前記入力ディジタル
コンポジットビデオ信号のバースト信号に位相同期し周
波数がバースト周波数の1/nのクロックを用いて間引
処理して伝送する間引処理手段と、この間引処理手段か
らの復調出力を1フレーム期間遅延させるフレーム遅延
手段と、このフレーム遅延手段の入出力を加算すること
により前記復調出力に含まれる輝度信号成分を除去して
カラー信号を出力する加算手段と、この加算手段からの
カラー信号をカラー変調して出力する変調手段と、前記
入力ディジタルコンポジットビデオ信号から前記変調手
段の出力を減算することにより輝度信号を分離する減算
手段とを具備したものである。
【0033】
【作用】本発明においては、復調手段によってベースバ
ンドのカラー信号が間引処理手段に与えられる。間引処
理手段はバースト信号に位相同期し周波数がバースト周
波数の1/nのクロックを用いて間引処理する。これに
より、間引処理手段の間引位相は固定されて、内挿する
ことなく間引処理が可能となる。間引処理手段の出力は
フレーム遅延手段によって1フレーム期間遅延され、加
算手段は、1フレーム前後の復調出力を加算して輝度信
号成分を除去したカラー信号を得る。このカラー信号は
変調手段によってカラー変調された後、減算手段によっ
て入力コンポジットビデオ信号から減算される。こうし
て、輝度信号と色信号とが分離される。
【0034】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1は本発明に係る輝度信号・色信号分離
装置の一実施例を示すブロック図である。図1において
図6と同一の構成要素には同一符号を付してある。
【0035】入力コンポジットビデオ信号はAD変換器
1に与えられる。AD変換器1はアナログビデオ信号を
ディジタル信号に変換してバンドパスフィルタ(以下、
BPFという)51、遅延回路45及び動き検出回路32のL
PF33に与える。BPF51は色信号帯域を通過させてカ
ラー復調器31に出力する。カラー復調器31はB-LOCKPL
L18から色副搬送波に同期したfsc,2fscのクロック
が与えられて、ビデオ信号をカラー復調して、2つの色
差信号を1チャンネル当たり2fscの伝送レートで間引
処理回路35に出力する。間引処理回路35は後述するメモ
リ制御回路19からクロックが与えられて、このクロック
に基づくタイミングでデータを間引いて多重回路36に出
力する。
【0036】LPF33は入力ビデオ信号の低域輝度信号
成分、すなわち、動き成分を通過させて間引処理回路37
に出力する。間引処理回路37は所定の代表点のデータを
抽出して多重回路35に出力する。
【0037】間引処理回路35はメモリ制御回路19からの
クロックに基づいて復調された色差信号に対する間引処
理を行って、1チャンネル当りfscの伝送レートで色差
信号を多重回路36に出力する。多重回路36は輝度信号と
2つの色差信号とを時間軸上で多重して1チャンネル当
たりfscの伝送レートでフレームメモリ37、加算器38及
び減算器39に出力する。
【0038】フレームメモリ37はメモリ制御回路19に書
込み及び読出しが制御されて、入力された信号を1フレ
ーム期間遅延させて加算器38及び減算器39に出力する。
加算器38は1フレーム前後の信号を加算することにより
カラー復調出力に含まれる輝度信号成分を除去して色差
信号を分離し分離回路40に出力する。分離回路40は時間
軸多重された2つの色差信号を分離して内挿LPF41に
与える。内挿LPF41は間引処理によって間引かれたデ
ータを内挿して2fscの伝送レートでカラー変調器42に
与える。カラー変調器42は直交変調によってフレーム分
離されたカラー信号SCを作成して減算器44及び図示し
ない混合器10,11(図5参照)に出力する。
【0039】一方、遅延回路45はAD変換器1の出力を
回路の遅延量だけ遅延させて減算器44に与える。減算器
44は遅延回路45の出力から色信号SCを減算することに
より、フレーム分離された輝度信号SYを得て、図示し
ない混合器10,11(図5参照)に出力する。
【0040】また、減算器39はフレームメモリ37の入出
力を減算することにより、動き成分を得て分離回路43に
出力する。分離回路43は減算器39の出力から時間軸多重
されている復調出力に含まれた輝度成分を除去して輝度
低域成分を分離し、非線形回路14に与える。非線形回路
14は輝度信号の水平低域成分の1フレーム間の差分信号
を動き信号MVに変換し、オア回路27(図5参照)を介
して混合器10,11に出力するようになっている。
【0041】ところで、上述したように、間引処理回路
35はパルスHBLの位相によって代表点の選択法が変化
する。図2は図8(a)乃至(d)の対応をツリー表示
で示す説明図である。この図2に示す各位相状態につい
て、輝度信号出力SYに残留するカラー信号量を実験に
よって求める。カラー信号の残留は画面上にドット妨害
として現れる。実験結果によると、図8(d)の(ホ)
の位相状態の場合に、残留量が最小となることが分か
る。次いで、図8(d)の(ヘ),(リ),(ル),
(ヌ),(ヲ),(ト),(チ)の順に残留量が増加す
る。この実験結果から明らかなように、内挿の次数が低
いほど折り返し及びリンギングによる画質の劣化が小さ
く、Y/C分離性能が高い。
【0042】この原理に基づいて、本実施例において
は、間引位相を固定すると共に、原信号に対する間引の
みを行うことにより、リンギング及び折返し歪みを抑制
して画質を向上させるようになっている。
【0043】すなわち、入力コンポジット信号は同期分
離回路17及びB-LOCKPLL18にも与えられる。同期分離
回路17は同期信号を分離して、水平周期のパルスHDを
B-LOCKPLL18及びH-LOCKPLL22に与えると共に、垂
直周期のパルスVDをVカウンタ23に出力する。H-LOCK
PLL22は水平同期信号に同期したパルスFHを発生し
てディジタルH−PLL50及びVカウンタ23に出力す
る。Vカウンタ23はパルスVDでリセットされてFHパ
ルスをカウントすることにより、垂直同期信号を再生し
てラッチ回路25に出力する。
【0044】B-LOCKPLL18はパルスHDに基づくタイ
ミングでバースト信号を抽出して4fscクロックを発生
する。B-LOCKPLL18は4fscクロックをディジタルH
−PLL50に与えると共に、fscクロック及び2fscク
ロックも発生してカラー復調器31及びカラー変調器42に
出力する。ディジタルH−PLL50はバーストロックし
た4fscクロックに対するパルスFHのドリフトを補正
した水平ブランキングを示すパルスHBLを出力する。
すなわち、ディジタルH−PLL50は、パルスFHと4
fscクロックとのずれを測定し、現フレームと前フレー
ムのずれ量の差を求める。ディジタルH−PLL50はフ
レームメモリ37の書込み時に出力するパルスHBLに対
して、読出し時に出力するパルスHBLの位相を前フレ
ームとのずれ量の差分に基づいてフレーム毎に補正す
る。
【0045】本実施例においては、ディジタルH−PL
L50からのパルスHBLはラッチ回路52を介してメモリ
制御回路19に与えられるようになっている。ラッチ回路
52にはB-LOCKPLL18からfscクロックも与えられてお
り、ラッチ回路52は、パルスHBLをfscクロックでラ
ッチしてメモリ制御回路19に与える。また、ラッチ回路
25はパルスHBLでVカウンタ23の出力をラッチするこ
とにより、ドリフト分を補正したパルスVBLをメモリ
制御回路19に与える。メモリ制御回路19はパルスHBL
及びパルスVBLに基づいて、間引処理回路35、多重回
路36、フレームメモリ37、分離回路40及び内挿LPF41
を制御するようになっている。メモリ制御回路19からの
クロックはバースト位相にロックしたfscクロックであ
り、間引処理回路35はカラー原信号のみを間引くと共
に、内挿LPF41は伝送レートがfscの色差信号を内挿
して伝送レートを2fscにして出力する。
【0046】次に、このように構成された実施例の動作
について図3を参照して説明する。図3は図1中のa乃
至d点の信号を説明するための説明図である。図3
(a)はカラー復調器31の出力を示し、図3(b)は間
引処理回路35の出力を示し、図3(c)は内挿LPF41
の出力を示し、図3(d),(e)はカラー変調器42の
出力を示している。図3では丸印によって色差信号R−
Yを示し、四角印によって色差信号B−Yを示してい
る。
【0047】入力コンポジットビデオ信号はAD変換器
1によってディジタル信号に変換された後BPF51に与
えられ、帯域制限されてカラー復調器31に与えられる。
一方、同期分離回路17は水平周期のパルスHDをB-LOCK
PLL18に与え、B-LOCKPLL18はバースト信号を抽出
してfscクロック及び2fscクロックをカラー復調器31
に与える。カラー復調器31はfscクロック及び2fscク
ロックを用いて復調を行い、図3(a)に示すように、
1チャンネル当たり2fscの伝送レートで色差信号R−
Y,B−Yを間引処理回路35に与える。本実施例におい
ては間引処理に先だって内挿は行われていない。
【0048】一方、ディジタルH−PLL50からは4f
scクロックに同期した水平ブランキングを示すパルスH
BLがラッチ回路52に与えられている。ディジタルH−
PLL50からのパルスHBLの位相状態は固定されてい
ない。B-LOCKPLL18はバースト信号を抽出してfscク
ロックをラッチ回路52に与えており、ラッチ回路52はパ
ルスHBLをfscクロックに同期させてメモリ制御回路
19に与える。また、Vカウンタ23は垂直周期のパルスV
Dから垂直周期のパルスを再生し、ラッチ回路25を介し
てメモリ制御回路19に与える。ラッチ回路25はラッチ回
路52からのパルスHBLによってVカウンタ23の出力を
ラッチしており、メモリ制御回路19にはfscクロックに
同期した垂直周期のパルスVBLが入力される。これに
より、メモリ制御回路19にはfscクロックによって同期
化されて位相状態が固定されたパルスHBL,VBLが
入力されることになる。従って、従来と異なり、ディジ
タルH−PLL50の1/4分周器は省略することができ
る。
【0049】なお、バースト位相は、1水平ライン毎に
反転すると共に、1フレーム毎にも反転する。従って、
ラッチ回路52は、同期化に際して、フレーム演算を確実
に行うために、ライン毎にfscクロックの逆相を利用す
ると共に、フレーム毎にfscクロックの逆相を利用す
る。
【0050】メモリ制御回路19はパルスHBL,VBL
から間引処理回路35を制御するクロックを発生する。こ
うして、間引処理回路35はfscクロックに同期したクロ
ックで間引を行って、図3(b)に示す間引出力を1チ
ャンネル当りfscの伝送レートで多重回路36に出力す
る。この間引法は、図8(c)の(イ)の間引位相に相
当する。
【0051】多重回路36は間引処理回路35,37の出力を
多重して、フレームメモリ37、加算器38及び減算器39に
出力する。フレームメモリ37はメモリ制御回路19に書込
み及び読出しが制御されて、多重回路36の出力を1フレ
ーム期間遅延させて加算器38及び減算器39に出力する。
加算器38によって色差信号が分離されて分離回路40に供
給され、減算器39によって動き成分が分離されて分離回
路43に与えられる。
【0052】分離回路40は時間軸多重された2つの色差
信号を分離して内挿LPF41に与える。内挿LPF41は
メモリ制御回路19からのクロックに基づいて、図3
(c)の丸印及び四角印内の○印に示すように、分離回
路40からの色差信号R−Y,B−Yを内挿する。これに
より内挿LPF41からは、図3(c)に示すように、内
挿出力が1チャンネル当たり2fscの伝送レートでカラ
ー変調器42に与えられる。カラー変調器42はB-LOCKPL
L18からの4fscクロックを用いて直交変調を行い、フ
レーム分離されたカラー信号SCを作成して減算器44及
び図示しない混合器10,11(図5参照)に出力する。4
fscクロックを用いて変調を行うと、カラー変調器42の
変調位相は、図3(d),(e)のいずれかに示すもの
となる。すなわち、変調位相によって画質に差が生じる
ことはない。
【0053】減算器44は遅延回路45を介して入力される
AD変換器1からのビデオ信号とカラー変調器42の出力
とを減算して、フレーム分離された輝度信号SYを得て
図示しない混合器10,11に出力する。また、分離回路43
は減算器39の出力から時間軸多重された輝度低域成分を
分離し、非線形回路14及び図示しないオア回路27(図5
参照)を介して混合器10,11に動き信号MVとして出力
する。
【0054】このように、本実施例においては、メモリ
制御回路19にfscクロックによって同期化されたパルス
HBL,VBLが入力されており、間引位相はカラー復
調位相と所定の位相関係に固定されるので、間引に先だ
って内挿処理を行う必要はない。すなわち、従来と異な
り、時間軸上の任意の点を間引いていないので、折返し
歪みが発生することが防止される。従って、カラー復調
器31に入力されるビデオ信号の帯域を必要以上に狭くす
る必要はなく、リンギングが発生して出力が歪んでしま
うことを抑制することができる。また、BPF51として
低い次数のものを採用することができ、ハードウェアの
規模を低減することができる。
【0055】なお、フレームメモリ37に入力されるベー
スバンドの色差信号R−Y,B−Yの各伝送レートがf
sc以下である場合には、カラー復調用のクロックfscを
分周して、バースト位相と一定の位相関係を維持すれば
よい。また、BPF51でなく、従来と同様のLPFを用
いた構成でも、同様の効果が得られる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、リ
ンギング及び折り返し歪を抑制して画質を向上させるこ
とができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る輝度信号・色信号分離装置の一実
施例を示すブロック図。
【図2】実施例を説明するための説明図。
【図3】実施例の動作を説明するための説明図。
【図4】従来のY/C分離装置を示すブロック図。
【図5】従来のY/C分離装置を示すブロック図。
【図6】従来のY/C分離装置を示すブロック図。
【図7】図6の従来例の動作を説明するための波形図。
【図8】図6の従来例の動作を説明するための説明図。
【図9】カラー変調を説明するための説明図。
【図10】カラー変調を説明するための説明図。
【図11】従来例の問題点を説明するための説明図。
【図12】従来例の問題点を説明するための説明図。
【符号の説明】
18…B-LOCKPLL、19…メモリ制御回路、23…Vカウン
タ、25,52…ラッチ回路、31…カラー復調器、35…間引
処理回路、37…フレームメモリ、41…内挿LPF、42…
カラー変調器、50…ディジタルH−PLL
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗原 弘一 東京都港区新橋3丁目3番9号 東芝エ ー・ブイ・イー株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力されたディジタルコンポジットビデ
    オ信号を色復調して復調出力を出力する復調手段と、 この復調手段からの復調出力を前記入力ディジタルコン
    ポジットビデオ信号のバースト信号に位相同期し周波数
    がバースト周波数の1/n(nは自然数)のクロックを
    用いて間引処理して伝送する間引処理手段と、 この間引処理手段からの復調出力を1フレーム期間遅延
    させるフレーム遅延手段と、 このフレーム遅延手段の入出力を加算することにより前
    記復調出力に含まれる輝度信号成分を除去してカラー信
    号を出力する加算手段と、 この加算手段からのカラー信号をカラー変調して出力す
    る変調手段と、 前記入力ディジタルコンポジットビデオ信号から前記変
    調手段の出力を減算することにより輝度信号を分離する
    減算手段とを具備したことを特徴とする輝度信号・色信
    号分離装置。
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