JPH0521115Y2

JPH0521115Y2 -

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Publication number: JPH0521115Y2
Application number: JP1987098248U
Authority: JP
Priority date: 1987-06-26
Filing date: 1987-06-26
Publication date: 1993-05-31
Anticipated expiration: 2002-06-26
Also published as: JPS644497U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、ピアノの鍵を電気的駆動手段であ
る電磁アクチユエータにより押し下げてそのピア
ノ演奏を自動的に行うピアノ自動演奏装置に関
し、該電磁アクチユエータの電磁プランジヤ先端
の最下端位置と鍵上面の最下端位置との間に所定
の間隙を生じる機構とすることにより、鍵からの
反力がそのまま電磁アクチユエータに伝達されな
いようにしてその取り付け状態がずれないように
したものである。

（従来の技術）従来のピアノ自動演奏装置の鍵駆動機構、特に
鍵盤の上方に配設された電磁アクチユエータによ
り鍵を押し下げて駆動する鍵駆動機構としては、
例えば第７図及び第８図に示すようなものが知ら
れている。

この鍵駆動機構は、ピアノ本体１の鍵盤３の上
方にあつて、拍子木５にその両端部が支持された
箱型の駆動ユニツト７からなり、この駆動ユニツ
ト７は鍵９に対応して鍵９を押し下げる電磁アク
チユエータの電磁プランジヤ１１を有している。
そして、コントローラ１３により該駆動ユニツト
７は制御されて鍵９を押し下げて自動演奏を行わ
しめるものである。

（考案が解決しようとする問題点）しかしながら、このような従来のピアノ自動演
奏装置の鍵駆動機構にあつては、電磁アクチユエ
ータの電磁プランジヤの各先端（下端）は非駆動
時は鍵の上面に当接しているが、鍵押し下げ時
は、電磁プランジヤの押し下げストローク量が、
鍵の押し下げられるストローク量よりも大きく設
定していたため、当接押し下げ時にプランジヤに
よる押し下げ力に対しての鍵或はそのアクシヨン
機構からの反力がほぼそのまま該プランジヤを介
して駆動ユニツトに伝達されることとなり、該ユ
ニツト自体の剛性を高めたり、ピアノ本体への取
付を強固に行わなければならないという問題点が
生じていた。従つて、この強固にピアノ本体にユ
ニツトを固着することは、ユニツトの着脱が容易
ではないという問題点を有していた。

（問題点を解決するための手段）そこで、本考案は、鍵駆動機構２５を備えたピ
アノ自動演奏装置であつて、鍵駆動機構２５は、
フレーム３３と、このフレーム３３に支持された
複数の電磁アクチユエータ２９と、を有し、複数
の電磁アクチユエータ２９は、鍵盤２３の上方に
おいて、鍵盤２３の各鍵２７にそれぞれ対応して
配設されるものであり、電磁アクチユエータ２９
は、ケース５１と、ソレノイドコイル５３と、電
磁プランジヤ５５と、リターンスプリング５４
と、スプリングリテーナ５６と、を含み、ケース
５１は、フレーム３３に支持されたものであり、
ソレノイドコイル５３は、ケース５１に抱持され
るとともに、電磁プランジヤ５５を下方に向かつ
て付勢するものであり、電磁プランジヤ５５は、
上下動自在に設けられ、ソレノイドコイル５３に
付勢されて下動することにより、その下端が鍵２
７の上面に当接し、この鍵２７を押し下げるもの
であり、リターンスプリング５４は、ケース５１
の下面に固着したスプリングリテーナ５６と電磁
プランジヤ５５の段差部との間に介装されて、電
磁プランジヤ５５を上方に向かつて付勢するもの
であり、電磁プランジヤ５５の駆動ストロークａ
は、鍵２７の当接部分の揺動ストロークｂより所
定値だけ小さいピアノ自動演奏装置を提供するこ
とにより、上記問題点を解決することをその目的
としている。

（作用及び効果）本考案に係るピアノ自動演奏装置にあつては、
フレーム３３に支持された電磁アクチユエータ２
９の電磁プランジヤ５５により鍵２７を押し下げ
て自動演奏を可能としている。そして、スプリン
グリテーナ５６は電磁プランジヤ５５の駆動スト
ロークａを決めるものある。この電磁プランジヤ
５５の駆動ストロークａは、鍵２７の当接部分の
揺動ストロークｂより所定値だけ小さいものであ
る。このため、電磁プランジヤ５５による鍵２７
の押し下げ時において、電磁プランジヤ５５の先
端がその最下端位置に位置したとき、鍵２７の上
面は電磁プランジヤ５５の先端よりも所定の間隔
を有して電磁プランジヤ５５の下方に位置するこ
とができる。すなわち、電磁プランジヤ５５が突
出しての下死点位置において、鍵２７はまだその
押し下げストロークに余裕がある。このため、ア
クシヨン機構等からの鍵２７の反力は直接に電磁
プランジヤ５５に伝達されないこととなる。その
結果、フレーム３３のピアノへの取付を強固にし
たり、フレーム３３自体の剛性を相当高くしたり
する必要はない。よつて、鍵駆動機構２５として
のフレーム３３のピアノへの着脱は簡単なものと
なつている。例えば、単に拍子木上にフレーム３
３を載置するのみでよいのである。

（実施例）以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図〜第６図は本考案に係るピアノ自動演奏
装置の鍵駆動機構の一実施例を示している。

これらの図によれば、アツプライト型のピアノ
本体２１の鍵盤２３の上方に設置される鍵駆動機
構２５（キードライブユニツト）は、鍵２７に対
応した数の電磁アクチユエータ２９を有し、該電
磁アクチユエータ２９をコントローラ３１により
電気的に駆動することにより、各鍵２７を押下し
そのアクシヨン機構（図示していない）を動作さ
せる。

この鍵駆動機構（以下、ユニツトという）２５
は、第１図及び第２図に示すように、複数の電磁
アクチユエータ２９を白鍵２７Ａ、黒鍵２７Ｂの
配置に対応して配列、支持するほぼ直方体形状の
フレーム３３を有している。この箱型のフレーム
３３は、その長手方向の両端部がそれぞれ位置決
めプレート３５に高さ調整ボルト３７を介して支
持されている。位置決めプレート３５は拍子木３
９の上面にそれぞれ貼着されている。

すなわち、この高さ調整ボルト３７は、第６図
に示すように、フレーム３３両端部の透孔４１を
介して位置決めプレート３５に上方からねじ込ま
れており、第５図に示すように、ナツト４３によ
りフレーム３３の鍵盤２３からの高さ調整が可能
となつているのである。

外部等からの押鍵情報によりこのユニツト２５
を電気的に制御するコントローラ３１は、第３図
に示すように、椅子４５に内蔵されている。そし
て、ケーブル４７によりユニツト２５に接続され
ている。

ここで、第４図に示すように、各電磁アクチユ
エータ２９は、ケース５１と、ケース５１に抱持
されたソレノイドコイル５３と、該ソレノイドコ
イル５３により付勢されて図中上下動自在に設け
られた電磁プランジヤ５５と、を有している。そ
して、この電磁プランジヤ５５の突出した先端に
はフエルト等からなるパツド５７（緩衝部材）が
固着されており、このパツド５７は鍵２７の上面
に非駆動時はほぼ密着して当接している。

この電磁プランジヤ５５の駆動ストロークａ
は、鍵２７の当該当接部分での上下方向への揺動
ストロークｂよりも所定値ｃ、例えば0.5mmだけ
小さく設定されている。従つて、電磁プランジヤ
５５による鍵２７の押し下げ駆動時は、電磁プラ
ンジヤ５５の先端（図中下端）がその下死点位
置、つまり最下端位置に位置したときに、鍵２７
の当該先端パツド５７の当接部分の上面はその先
端よりもさらにｃだけ下方に位置する（動く）こ
とができることになる。

また、第４図に示すように、この電磁アクチユ
エータ２９は、電磁プランジヤ５５のリターンス
プリング５４が該電磁プランジヤ５５の段差部と
スプリングリテーナ５６との間に介挿されてい
る。スプリングリテーナ５６は上記突出ストロー
ク量を決めるもので上記ケース５１の下面に固着
されている。一方、電磁プランジヤ５５の下端突
出部にはその上限位置を決めるストツパ５８、例
えばＥリングが装着されている。従つて、ソレノ
イドコイル５３を励磁していない時は、リターン
スプリング５４に付勢されて電磁プランジヤ５５
は上昇してＥリング５８がリテーナ５６に当接し
ていることになる。

第２図は黒鍵２７Ｂ及び白鍵２７Ａの双方にお
いてそれぞれの電磁プランジヤ５５が同じ距離ｃ
だけストローク量に差があることを示している。

以上の構成に係る鍵駆動機構にあつては、コン
トローラ３１からの指令信号によりユニツト２５
の各電磁アクチユエータ２９は所望の順序によつ
て駆動される。すなわち、ソレノイドコイル５３
への通電制御により電磁プランジヤ５５を出没さ
せて鍵２７を押圧するものである。その結果、図
示していないアクシヨン機構等を作動させて所定
の発音をなすものである。

そして、鍵２７を電磁プランジヤ５５が押圧
（押し下げ）して、第４図において仮想線で示す
ように、その電磁プランジヤ５５の先端５７が最
下端位置に位置した場合、鍵２７はさらに所定の
間隔ｃだけ下方に下がることができる。この結
果、電磁プランジヤ５５による押し下げ力に対す
る反力がそのままアクシヨン機構などから鍵２７
を介して電磁プランジヤ５５に伝達されることは
ない。すなわち、鍵２７はこのプランジヤ５５の
最大ストローク位置でさらに揺動可能になされて
いるため、上記反力をその鍵２７の揺動により弾
性的に吸収することができ、該反力の大部分はこ
こで吸収されてプランジヤ５５、さらにはアクチ
ユエータ２９を支持するフレーム３３に伝達され
ることはない。

従つて、ユニツト２５のピアノ本体２１への取
り付けはフレーム２５の両端を単に拍子木３９上
に載置するのみでもよいこととなつている。着脱
が簡単である。本実施例はプレート３５ボルト３
７により固定している。その結果、ユニツト２５
の簡単な高さ調整が可能となつている。また、ユ
ニツト２５の剛性等はそんなに高くする必要もな
い。薄型、軽量化ができる。なお、上記透孔４１
はゴムボタンで塞いでもよい。

また、本考案にあつては、グランドピアノにも
適用することができ、その場合も該鍵駆動機構の
着脱が容易であるところから、演奏者による演奏
との間の併用が可能で、便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るピアノ自動演奏装置の鍵
駆動機構の一実施例を示すその概略正面図、第２
図は一実施例の作用を説明するための概略側面
図、第３図は一実施例に係る鍵駆動機構をピアノ
に取り付けた状態を示すその斜視図、第４図は一
実施例に係る電磁アクチユエータを示すその概略
正面断面図、第５図は一実施例に係るキードライ
ブユニツトの側面図、第６図は一実施例に係るキ
ードライブユニツトのピアノ本体への取付状態を
示すその概略分解斜視図、第７図は従来のピアノ
自動演奏装置を示すその概略正面図、第８図はそ
の従来のピアノ自動演奏装置の概略側面図であ
る。２１……ピアノ本体、２３……鍵盤、２５……
鍵駆動機構（キードライブユニツト）、２７……
鍵、２９……電磁アクチユエータ、３３……フレ
ーム、５５……電磁プランジヤ、５７……パツド
（先端）。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】鍵駆動機構２５を備えたピアノ自動演奏装置で
あつて、鍵駆動機構２５は、フレーム３３と、このフレ
ーム３３に支持された複数の電磁アクチユエータ
２９と、を有し、複数の電磁アクチユエータ２９は、鍵盤２３の
上方において、鍵盤２３の各鍵２７にそれぞれ対
応して配設されるものであり、電磁アクチユエータ２９は、ケース５１と、ソ
レノイドコイル５３と、電磁プランジヤ５５と、
リターンスプリング５４と、（スプリングリテー
ナ５６と、を含み、ケース５１は、フレーム３３に支持されたもの
であり、ソレノイドコイル５３は、ケース５１に抱持さ
れるとともに、電磁プランジヤ５５を下方に向か
つて付勢するものであり、電磁プランジヤ５５は、上下動自在に設けら
れ、ソレノイドコイル５３に付勢されて下動する
ことにより、その下端が鍵２７の上面に当接し、
この鍵２７を押し下げるものであり、リターンスプリング５４は、ケース５１の下面
に固着したスプリングリテーナ５６と電磁プラン
ジヤ５５の断差部との間に介装されて、電磁プラ
ンジヤ５５を上方に向かつて付勢するものであ
り、電磁プランジヤ５５の駆動ストロークａは、鍵
２７の当接部分の揺動ストロークｂより所定値だ
け小さいことを特徴とするピアノ自動演奏装置。