JPH05210650A - 信号処理装置 - Google Patents

信号処理装置

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Publication number
JPH05210650A
JPH05210650A JP4016209A JP1620992A JPH05210650A JP H05210650 A JPH05210650 A JP H05210650A JP 4016209 A JP4016209 A JP 4016209A JP 1620992 A JP1620992 A JP 1620992A JP H05210650 A JPH05210650 A JP H05210650A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
coupling coefficient
signal processing
input
logical
Prior art date
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Application number
JP4016209A
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English (en)
Inventor
Takashi Kitaguchi
貴史 北口
Hiroyasu Mifune
博庸 三船
Shinichi Suzuki
伸一 鈴木
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自己学習機能を有するニューロンモデルとし
て既提案の信号処理装置をベースとして、従来型計算機
を用いる必要のない完全並列システムを提供し、容易に
実機に搭載し得るシステムを構築すること。 【構成】 複数の入力信号に対し各々結合係数を保持す
るメモリと、入力信号と結合係数の論理積を演算する論
理積演算手段と、この演算結果を興奮性、抑制性結合の
グループに2分するグループ分け手段と、各グループで
論理和を演算する論理和演算手段と、この演算結果の論
理演算を行い出力信号を得る論理演算手段と、複数の誤
差信号の入力に基づき新たな結合係数を算出しメモリ上
の結合係数を変化させる結合係数可変手段とを有する複
数の信号処理手段を網状に接続した信号処理回路網54
と、外部機器51からの信号を信号処理回路網54に伝
達する入力装置53と、信号処理回路網54からの出力
信号を外部機器51へ送信する出力装置57とにより構
成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば画像や音声の認
識、ロボット等の位置制御、エアコンの温度制御、ロケ
ットの軌道制御等のような各種運動の制御に適用可能
な、神経細胞を模倣したニューロコンピュータ等の信号
処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】生体の情報処理の基本的な単位である神
経細胞(ニューロン)の機能を模倣し、さらに、この
「神経細胞模倣素子」(神経細胞ユニット)をネットワ
ークにし、情報の並列処理を目指したのが、いわゆるニ
ューラルネットワークである。文字認識や連想記憶、運
動制御等、生体ではいとも簡単に行われていても、従来
のノイマン型コンピュータではなかなか達成しないもの
が多い。生体の神経系、特に生体特有の機能、即ち並列
処理、自己学習等をニューラルネットワークにより模倣
して、これらの問題を解決しようとする試みが盛んに行
われている。
【0003】まず、従来のニューラルネットワークのモ
デルについて説明する。図25はある1つの神経細胞ユ
ニットAを表す図であり、図26はこれをネットワーク
にしたものである。A1,A2,A3 は各々神経細胞ユニ
ットを表す。1つの神経細胞ユニットは多数の他の神経
細胞ユニットと結合しており、それらから受けた信号を
処理して出力を出す。図26の場合、ネットワークは階
層型であり、神経細胞ユニットA2 は1つ前(左側)の
層の神経細胞ユニットA1 より信号を受け、1つ後(右
側)の層の神経細胞ユニットA3 へ出力する。
【0004】より詳細に説明する。まず、図25の神経
細胞ユニットAにおいて、他の神経細胞ユニットと自分
のユニットとの結合の度合いを表すのが結合係数と呼ば
れるもので、i番目の神経細胞ユニットとj番目の神経
細胞ユニットの結合係数を一般にTijで表す。結合に
は、相手のユニット(自己のユニットに信号を送ってく
るユニット)からの信号が大きい程自己のユニット出力
が大きくなる興奮性結合と、相手のユニットからの信号
が大きい程自己のユニット出力が小さくなる抑制性結合
とがあり、Tij>0が興奮性結合、Tij<0が抑制性結
合を表す。今、自分の神経細胞ユニットがj番目のユニ
ットであるとし、i番目の神経細胞ユニットの出力をy
i とするとこれに結合係数Tijを掛けたTiji が、自
分のユニットへの入力となる。前述したように、1つの
神経細胞ユニットは多数の神経細胞ユニットと結合して
いるので、それらのユニットに対するTiji を足し合
わせた結果なるΣTiji が、ネットワーク内における
自分の神経細胞ユニットへの入力となる。これを内部電
位といい、uj で表す。
【0005】
【数1】
【0006】次に、この入力(内部電位)に対して閾値
を加えて非線形な処理をすることで、その神経細胞ユニ
ットの出力とする。この時に用いる関数を神経細胞応答
関数と呼び、非線形関数として、(2)式及び図27に示
すようなシグモイド関数を用いる。
【0007】
【数2】
【0008】このような神経細胞ユニットを図26に示
すようにネットワークに構成した時には、各結合係数T
ijを与え、(1)(2)式を次々と計算することにより、情
報の並列処理が可能となり、最終的な出力が得られるも
のである。
【0009】このような階層型ニューラルネットワーク
において、ある入力に対して望ましい結果が出力される
ように、結合係数Tijを更新していくような学習を行な
うことにより、所望のニューラルネットワークを構築す
る。このような学習方法として最も広く用いられている
のは誤差逆伝播法、いわゆるバックプロパゲーション法
である。
【0010】このようなネットワークを電子回路により
実現してシステム化した、いわゆるニューロコンピュー
タの一例として特開平2−236658号公報に示され
るものがある。図28はその概要を示すもので、メモリ
1と乗算器2とよりなるシナプス相当部3と、加算器4
と制御装置5とよりなる神経細胞相当部6とにより構成
されている。
【0011】このシステムは、ニューロン、シナプス一
つ当りのハード量は大規模、複雑であるが、物理的には
少数のシナプスやニューロンを用いて仮想的に多数のニ
ューロン、シナプスを実現している。即ち、ワークステ
ーションのような高度な処理ができる従来型の計算機を
制御装置として、各ニューロンやシナプスを逐次的に動
作させているものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このようにニューラル
ネットワークの試みは、現状では、大部分が計算機シミ
ュレーションで行われており、本来の機能を発揮させる
には並列処理が必要であり、ネットワークのハードウエ
ア化が必要である。上記のように特開平2−23665
8号公報に示されたシステムは、一部は並列処理とされ
ているものの、基本的には、従来型計算機が介在した逐
次処理である。従って、生体のような完全並列機構を実
現することはできない。また、従来型計算機を必要とす
るため、容易に実機へこのシステムを搭載することはで
きない。
【0013】しかして、本発明は、自己学習機能を有す
るニューロンモデルとして、特願平2−412448
号、特願平3−29342号等として本出願人により提
案されている信号処理装置をベースとして、従来型計算
機を用いる必要のない完全並列システムを提供し、容易
に実機に搭載し得るニューロコンピュータシステムの構
築を目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、複数の入力信号に対して各々結合係数を保持するメ
モリと、前記入力信号と前記結合係数との論理積を演算
する論理積演算手段と、この論理積演算手段による演算
結果を興奮性結合グループと抑制性結合グループとに2
分するグループ分け手段と、各々のグループで論理和を
演算する論理和演算手段と、これらの論理和演算手段の
演算結果の論理演算を行い出力信号を得る論理演算手段
と、複数の誤差信号の入力に基づき新たな結合係数を算
出して前記メモリ上の結合係数を変化させる結合係数可
変手段とを有する複数の信号処理手段を網状に接続した
信号処理回路網と、外部機器からの信号を入力してこの
信号処理回路網に伝達する入力装置と、前記信号処理回
路網から出力される信号を外部機器へ送信する出力装置
とにより構成した。
【0015】また、請求項2記載の発明では、複数の入
力信号に対して各々結合係数を保持するメモリと、前記
入力信号と前記結合係数との論理積を演算する論理積演
算手段と、この論理積演算手段による演算結果を興奮性
結合グループと抑制性結合グループとに2分するグルー
プ分け手段と、各々のグループで論理和を演算する論理
和演算手段と、これらの論理和演算手段の演算結果の論
理演算を行い出力信号を得る論理演算手段と、複数の誤
差信号の入力に基づき新たな結合係数を算出して前記メ
モリ上の結合係数を変化させる結合係数可変手段とを有
する複数の信号処理手段を網状に接続した信号処理回路
網と、外部機器からのアナログ信号をデジタル信号に変
換するA/D変換手段とデジタル信号をパルス列信号に
変換するパルス列変換手段とを有してこの信号処理回路
網に伝達する入力装置と、前記信号処理回路網から出力
されるパルス列信号を計数する計数手段と計数されたデ
ジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換手段を
有してアナログ信号を外部機器へ送信する出力装置とに
より構成した。
【0016】ここに、これらの発明に加え、請求項3記
載の発明では、信号処理回路網と入力装置と出力装置と
を制御するメモリを有する制御装置を設け、請求項4記
載の発明では、外部装置により書換えられるメモリとし
た。
【0017】
【作用】自己学習機能付きで内部の演算においてハード
ウエア化が容易でシンプルな信号処理手段を網状に接続
し信号処理回路網をベースとして、入力装置と出力装置
とを組合せてシステム構成したので、従来型計算機を用
いる必要がなく、実機に容易に搭載し得るニューロコン
ピュータシステムを構築できる。
【0018】
【実施例】本発明の一実施例を図1ないし図24に基づ
いて説明する。まず、自己学習機能を持つデジタル論理
回路を用いた神経細胞ユニット(ニューロン素子)及び
ニューラルネットワークについて説明する。
【0019】まず、本実施例のニューロン及びニューラ
ルネットワークはデジタル構成によりハードウエア化し
たものであるが、基本的な考え方としては、 神経細胞ユニットに関する入出力信号、中間信号、
結合係数、教師信号などは全て、「0」「1」の2値で
表されたパルス列で表す。 ネットワーク内部での信号の量は、パルス密度で表
す(ある一定時間内の「1」の数)。 神経細胞ユニット内での計算は、パルス列同士の論
理演算で表す。 結合係数のパルス列はメモリ上に置く。 学習は、このパルス列を書換えることで実現する。 学習については、与えられた教師信号パルス列を元
に誤差を計算し、これに基づいて、結合係数パルス列を
変化させる。このとき、誤差の計算、結合係数の変化分
の計算も、全て、「0」「1」のパルス列の論理演算で
行う。 ようにしたものである。
【0020】以下、この思想について説明する。まず、
デジタル論理回路による信号処理に関し、フォワードプ
ロセスにおける信号処理を説明する。図5は1つの神経
細胞ユニット(神経細胞模倣素子)20に相当する部分
を示し、ニューラルネットワーク全体としては例えば図
6に示すように階層型とされる。入出力は、全て、
「1」「0」に2値化され、かつ、同期化されたものが
用いられる。入力信号yiの値(強度)はパルス密度で
表現し、例えば図7に示すパルス列のようにある一定時
間内にある「1」の状態数で表す。即ち、図7の例は、
4/6を表し、同期パルス6個中に信号は「1」が4
個、「0」が2個である。このとき、「1」と「0」の
並び方は、ランダムであることが望ましい。
【0021】一方、各神経細胞ユニット20間の結合の
度合を示す結合係数Tijも同様にパルス密度で表現し、
「0」と「1」とのパルス列として予めメモリ上に用意
しておく。図8の例は、「101010」=3/6を表
す式である。この場合も、「1」と「0」の並び方はラ
ンダムであることが望ましい。
【0022】そして、この結合係数パルス列を同期クロ
ックに応じてメモリ上より順次読出し、図5に示すよう
に各々ANDゲート21により入力信号パルス列との論
理積をとる(yi ∩ Tij)。これを、神経細胞jへの入
力とする。上例の場合で説明すると、入力信号が「10
1101」として入力されたとき、これと同期してメモ
リ上よりパルス列を呼出し、順次ANDをとることによ
り、図9に示すような「101000」が得られ、これ
は入力yi が結合係数Tijにより変換されパルス密度が
2/6となることを示している。
【0023】ANDゲート21の出力のパルス密度は、
近似的には入力信号のパルス密度と結合係数のパルス密
度との積となり、アナログ方式の結合係数と同様の機能
を有する。これは、信号の列が長いほど、また、「1」
と「0」との並び方がランダムであるほど、数値の積に
近い機能を持つことになる。なお、入力パルス列に比べ
て結合係数のパルス列が短く、読出すべきデータがなく
なったら、再びデータの先頭に戻って読出しを繰返えせ
ばよい。
【0024】1つの神経細胞ユニット20は多入力であ
るので、前述した「入力信号と結合係数とのAND」も
多数あり、次にOR回路22によりこれらの論理和をと
る。入力は同期化されているので、例えば1番目のデー
タが「101000」、2番目のデータが「01000
0」の場合、両者のORをとると、「111000」と
なる。これを多入力(m個)同時に計算し出力とする
と、例えば図10に示すようになる。これは、アナログ
計算における和の計算及び非線形関数(シグモイド関
数)の部分に対応している。
【0025】パルス密度が低い場合、そのORをとった
もののパルス密度は、各々のパルス密度の和に近似的に
一致する。パルス密度が高くなるにつれ、OR回路22
の出力は段々飽和してくるので、パルス密度の和とは一
致せず、非線形性が出てくる。ORの場合、パルス密度
は1よりも大きくなることがなく、かつ、0より小さく
なることもなく、さらには、単調増加関数であり、シグ
モイド関数と近似的に同等となる。
【0026】ところで、結合には興奮性と抑制性がある
が、本実施例でも各神経細胞ユニット20間の結合にお
いてはその両方を持ち得るものとする。まず、結合係数
が興奮性結合係数Tij(+) か抑制性結合係数Tij(-)
により、各結合を興奮性結合グループと抑制性結合グル
ープとに2分する。そして、入力信号と各結合係数のパ
ルス列のAND出力同士のORを各グループで計算す
る。そして、興奮性結合グループのOR結果が「1」で
抑制性結合グループのOR結果が「0」の場合にのみ
「1」を出力し、それ以外の場合には「0」を出力す
る。この出力をこの神経細胞ユニット20の出力パルス
とする(図11参照)。
【0027】論理式で表現すると、次の(3)〜(5)式で
示される。
【0028】
【数3】
【0029】神経細胞ユニット20のネットワークは、
バックプロパゲーションと同様な階層型(即ち、図6)
とする。そして、ネットワーク全体を同期させておけ
ば、各層とも上述した機能により計算できる。
【0030】次に、学習(バックプロパゲーション)に
おける信号演算処理について説明する。基本的には、以
下のa又はbにより誤差信号を求め、次いで、cの方法
により結合係数の値を変化させるようにすればよい。
【0031】a.最終層における誤差信号 最終層で各神経細胞ユニットにおける誤差信号を出力信
号と教師信号とにより計算する。ここに、そのときの入
力に対して望ましい出力を、教師信号としてパルス列で
与える。一般に、誤差を数値で表すと正、負の両方をと
り得るが、パルス密度ではそれを同時に表現できないの
で、+成分を表す信号と、−成分を表す信号との2種類
を用いて誤差信号を表現する。即ち、j番目の神経細胞
ユニットの誤差信号は、図12のように示される。つま
り、誤差信号の+成分は教師信号パルスと出力パルスと
の違っている部分(1,0)又は(0,1)の内、教師
信号側に存在するパルス、他方、−成分は同様に出力側
に存在するパルスである。換言すれば、出力パルスに誤
差信号+パルスを付け加え、誤差信号−パルスを取り除
くと、教師パルスとなることになる。即ち、これらの正
負の誤差信号δj(+),δj(-)を論理式で表現すると、各
々(6)(7)式のようになる。このような誤差信号パルス
を基に結合係数を後述するように変化させることにな
る。
【0032】
【数4】
【0033】b.中間層における誤差信号 まず、上記の誤差信号を逆伝播させ、最終層とその1つ
前の層との結合係数だけでなく、さらにその前の層の結
合係数も変化する。そのため、中間層における各神経細
胞ユニットでの誤差信号を計算する必要がある。中間層
のある神経細胞ユニットから、さらに1つ先の層の各神
経細胞ユニットへ信号を伝播させたのとは、丁度逆の要
領で1つ先の層の各神経細胞ユニットにおける誤差信号
を集めてきて、自己の誤差信号とする。このことは、神
経細胞ユニット内での前述した演算式(3)〜(5)や図7
〜図11に示した場合と同じような要領で行うことがで
きる。
【0034】ただし、神経細胞ユニット内での前述した
処理と異なるのは、yは1つの信号であるのに対して、
δは正、負を表す信号として2つの信号を持ち、その両
方の信号を考慮する必要があることである。従って、結
合係数Tの正負に応じて2つの場合に分ける必要があ
る。
【0035】まず、興奮性結合の場合を説明する。この
場合、中間層のある神経細胞ユニットについて、1つ先
の層(図6における最終層)のj番目の神経細胞ユニッ
トでの誤差信号+と、その神経細胞ユニットと自己(図
6における中間層のある神経細胞ユニット)との結合係
数のANDをとったもの(δj(+) ∩ Tij)を各神経細
胞ユニットについて求め、さらに、これら同士のORを
とる{∪(δj(+) ∩Tij)}。これをこの神経細胞ユ
ニットの誤差信号+とする。即ち、図13に示すように
なる。
【0036】同様に、1つ先の層の神経細胞ユニットで
の誤差信号−と結合係数とのANDをとり、さらにこれ
ら同士のORをとることにより、この神経細胞ユニット
の誤差信号−とする。即ち、図14に示すようになる。
【0037】次に、抑制性結合の場合を説明する。この
場合、1つ先の層の神経細胞ユニットでの誤差信号−と
その神経細胞ユニットと自己との結合係数のANDをと
り、さらにこれら同士のORをとる。これを、この神経
細胞ユニットの誤差信号+とする。即ち、図15に示す
ようになる。
【0038】また、1つ先の誤差信号+と結合係数との
ANDをとり、さらにこれら同士のORをとることによ
り、同様に、この神経細胞ユニットの誤差信号−とす
る。即ち、図16に示すようになる。
【0039】さらに、この神経細胞ユニットの、興奮性
結合の誤差信号+と抑制性結合の誤差信号+とのORを
とり、これをこのユニットの1つ前の層の神経細胞ユニ
ットへ出力される誤差信号δi(+)とする。同様に、興奮
性結合の誤差信号−と抑制性結合の誤差信号−とのOR
をとり、これをこのユニットの1つ前の層の神経細胞ユ
ニットへ出力される誤差信号δi(-)とする。
【0040】以上をまとめると、(8)式に示すようにな
る。
【0041】
【数5】
【0042】さらに、入力してくる誤差信号に対して各
々同じ又は異なる学習のレート(学習定数)を設けても
よい。これは、パルス列を間引くことにより実現でき
る。例えば、カウンタ的な考え方をし、図17、図18
に示すようなものとすればよい。この例では、学習レー
トη=0.5では元の信号のパルス列を1つ置きに間引
くが、元の信号のパルスが等間隔でなくても、元のパル
ス列に対して間引くことができる。図17、図18中、
η=0.5の場合はパルスを1つ置きに間引き、η=
0.33の場合はパルスを2つ置きに残し、η=0.6
7の場合はパルスを2つ置きに1回間引くことを示す。
このようにして、誤差信号を間引くことにより学習レー
トの機能を持たせる。
【0043】c.結合係数の更新 以上のような処理による誤差信号により各結合係数を変
化させる。変化させたい結合係数が属しているライン
(図6参照)に対応する、1つ前の神経細胞ユニットか
らの出力yi と自己の神経細胞ユニットの誤差信号δ
j(+)又はδj(-)とのANDをとる(δj∩yi)(図1
9,図20参照)。このようにして得られた2つの信号
を各々ΔTij(+),ΔTij(-)とする。
【0044】そして、今度はこのΔTijを元に新しいT
ijを求めるが、このTijは絶対値成分であるので、元の
ijが興奮性か抑制性かで場合分けする。興奮性の場
合、元のTijに対してΔTij(+)の成分を増やし、ΔT
ij(-)の成分を減らす。即ち、図21に示すようにな
る。逆に、抑制性の場合は元のTijに対しΔTij(+)
成分を減らし、ΔTij(-)の成分を増やす。即ち、図2
2に示すようになる。
【0045】以上をまとめると、(9)式のようになる。
【0046】
【数6】
【0047】以上の学習則に基づいてネットワークの計
算をする。
【0048】次に、以上のアルゴリズムに基づく実際の
回路構成を説明する。図23及び図24にその回路構成
例を示すが、ネットワーク2全体の構成は図6と同様で
ある。図23は図6中のライン(結線)に相当する部分
の回路を示し、図24は図6中の丸(各神経細胞ユニッ
ト20)に相当する部分の回路を示す。これらの図2
3、図24構成の回路を図6のようにネットワークにす
ることにより、自己学習可能なデジタル式のニューラル
ネットワークが実現できる。
【0049】まず、図23から説明する。図中、25は
神経細胞ユニットへの入力信号であり、図7に相当す
る。図8に示したような結合係数の値はシフトレジスタ
26に保存しておく。このシフトレジスタ26は取出し
口26aと入口26bとを有するが、通常のシフトレジ
スタと同様の機能を持つものであればよく、例えば、R
AMとアドレスコントローラとの組合せによるもの等で
あってもよい。入力信号25とシフトレジスタ26内の
結合係数とはANDゲート27を備えて図9に示した処
理を行なう論理回路28によりANDがとられる。この
論理回路28の出力は結合が興奮性か抑制性かによって
グループ分けしなければならないが、予め各々のグルー
プへの出力29,30を用意し、何れに出力するのかを
切換えるようにした方が汎用性の高いものとなる。この
ため、本実施例では結合が興奮性か抑制性かを表すビッ
トをグループ分け用メモリ31に保存しておき、その情
報を用いて切換えゲート回路32により切換える。切換
えゲート回路32は2つのANDゲート32a,32b
と一方の入力に介在されたインバータ32cとよりな
る。
【0050】また、図24に示すように各入力を処理
(図10に相当)をする複数のORゲート構成のゲート
回路33a,33bが設けられている。さらに、同図に
示すように図11に示した興奮性結合グループが「1」
で、抑制性結合グループが「0」のときにのみ出力
「1」を出すANDゲート34aとインバータ34bと
によるゲート回路34が設けられている。
【0051】次に、誤差信号について説明する。最終層
からの出力及び教師信号により作成された誤差信号3
8,39を図24に示す回路に入力させる。この中間層
における誤差信号を計算するため図13〜図16に示し
たような処理は、図23中に示すANDゲート構成のゲ
ート回路42により行われ、+,−に応じた出力43,
44が得られる。このように結合が興奮性か抑制性かに
より場合分けする必要があるが、この場合分けはメモリ
31に記憶された興奮性か抑制性かの情報と、誤差信号
の+,−信号45,46とに応じて、AND,ORゲー
ト構成のゲート回路47により行われる。また、誤差信
号を集める計算式(6)は図24に示すORゲート構成の
ゲート回路48により行われる。さらに、学習レートに
相当する図17,18の処理は図24中に示す分周回路
49により行われる。最後に、誤差信号より新たな結合
係数を計算する部分、即ち、図19〜図22の処理に相
当する部分は、図23中に示すAND,インバータ、O
Rゲート構成のゲート回路50により行われ、シフトレ
ジスタ26の内容、即ち、結合係数の値が書換えられ
る。このゲート回路50も結合の興奮性、抑制性によっ
て場合分けが必要であるが、ゲート回路47により行わ
れる。
【0052】このような構成・機能を持つニューロン素
子を用いたスタンドアロン型のニューロコンピュータ構
成について説明する。まず、図1は請求項1記載の発明
に相当する信号処理装置全体を示す概念図であり、ニュ
ーラルネットワークを応用したい実機51からの信号を
入力し、実機51へ信号を出力するのがニューロコンピ
ュータ(信号処理装置)52である。このニューロコン
ピュータ52は、実機51からの信号に対する入力イン
ターフェース(入力装置)53と、前述したような理論
に基づきハードウエアニューロンにより構成されたニュ
ーラルネットワーク(信号処理回路網)54と、このニ
ューラルネットワーク54の駆動及びデータ入出力を周
辺部55とによるニューラルネット処理部56と、実機
51へ信号を出力する出力インターフェース(出力装
置)57とにより構成されている。
【0053】ここに、入力インターフェース53は例え
ば図2に示すように実機51からのアナログ信号をデジ
タルデータに変換するA/D変換器(A/D変換手段)
58と、変換されたデジタルデータをさらにパルス列に
変換するパルス列発生器(パルス列変換手段)59とを
付加したものとし、パルス列データをニューラルネット
ワーク54へ入力させるように構成するのがよい。この
時、実機51又は他の装置(図示せず)からアナログ教
師信号を入力し、A/D変換器60によりデジタル信号
に変換し、パルス列発生器61でパルス列データに変換
して、先のパルス列発生器59からのパルス列データと
同時にニューラルネットワーク54へ入力させる。そし
て、ニューラルネットワーク54の出力(パルス列デー
タ)をカウンタ(計数手段)62で計数し、そのデジタ
ルデータをD/A変換器(D/A変換手段)63でアナ
ログ信号に変換し、実機51へ出力する。
【0054】ところで、このようなニューロコンピュー
タ52を駆動させる制御装置64の構成例を図3に示
す。これは、請求項3記載の発明に相当するもので、コ
ントローラ65とメモリ66と外部装置、例えばパーソ
ナルコンピュータ67とにより構成されている。コント
ローラ65はシステムの状態を決定するのみで、図1及
び図2に示した各ユニットは専用のハードウエアのみに
より高精査されたシーケンサにより制御される。ハード
ウエアのみによりシーケンサを構成するのは、システム
の高速化のためである。コントローラ65自体はハード
ウエア構成のみによるシーケンサであってもCPUを用
いたようなものであってもよい。メモリ66はシステム
の状態、例えば、ネットワーク構造や実行回数、学習処
理を行うか行わないか等の情報を記憶したものであり、
パーソナルコンピュータ67により書換え自在とされて
いる。ニューロン素子の結合係数等の書換えも、このパ
ーソナルコンピュータ67により行うようにしてもよ
い。
【0055】ついで、このような構成によるニューロコ
ンピュータシステムの処理手順について、図4に模式的
に示す状態遷移図を参照して説明する。まず、電源を投
入すると(パワーオン)、メモリ66内のROMに記憶
されていた結合係数データを各ニューロンのメモリ(シ
フトレジスタ26)へ書込むことで、アイドリング状態
となる。この状態から、パーソナルコンピュータ67に
アクセスしてメモリ66を書換える状態に遷移するか、
実機51からデータを入力してニューラルネットワーク
処理(NN処理)を行う状態に遷移する。
【0056】なお、本発明を構成するに当り、前述した
回路例に限らず、同等の機能を発揮するものであれば他
の回路構成によるものであってもよい。
【0057】
【発明の効果】本発明は、上述したように、自己学習機
能付きで内部の演算においてハードウエア化が容易でシ
ンプルな信号処理手段を網状に接続した信号処理回路網
をベースとして、入力装置と出力装置、さらには、A/
D変換手段やD/A変換手段等とを組合せてシステム構
成したので、従来型計算機を用いる必要なく、実機に容
易に搭載し得るニューロコンピュータシステムを構築で
きるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明に相当する一実施例を示す
概略ブロック図である。
【図2】請求項2記載の発明に相当する一実施例を示す
部分的な概略ブロック図である。
【図3】請求項3及び4記載の発明に相当する一実施例
を示す部分的な概略ブロック図である。
【図4】ニューロコンピュータシステムの処理手順を模
式的に示す説明図である。
【図5】基本的な信号処理を行なうための論理回路図で
ある。
【図6】ネットワーク構成例を示す模式図である。
【図7】論理演算例を示すタイミングチャートである。
【図8】論理演算例を示すタイミングチャートである。
【図9】論理演算例を示すタイミングチャートである。
【図10】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図11】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図12】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図13】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図14】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図15】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図16】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図17】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図18】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図19】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図20】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図21】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図22】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図23】各部の構成例を示す論理回路図である。
【図24】各部の構成例を示す論理回路図である。
【図25】従来例を示す1つのユニット構成を示す概念
図である。
【図26】そのニューラルネットワーク構成の概念図で
ある。
【図27】シグモイド関数を示すグラフである。
【図28】異なる従来例を示すブロック図である。
【符号の説明】
20 信号処理手段 26 メモリ 27 論理積演算手段 32 グループ分け手段 33a,33b 論理和演算手段 34 論理演算手段 45 結合係数可変手段 51 外部機器 53 入力装置 54 信号処理回路網 57 出力装置 58 A/D変換手段 59 パルス列変換手段 62 計数手段 63 D/A変換手段 64 制御装置 66 メモリ 67 外部装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の入力信号に対して各々結合係数を
    保持するメモリと、前記入力信号と前記結合係数との論
    理積を演算する論理積演算手段と、この論理積演算手段
    による演算結果を興奮性結合グループと抑制性結合グル
    ープとに2分するグループ分け手段と、各々のグループ
    で論理和を演算する論理和演算手段と、これらの論理和
    演算手段の演算結果の論理演算を行い出力信号を得る論
    理演算手段と、複数の誤差信号の入力に基づき新たな結
    合係数を算出して前記メモリ上の結合係数を変化させる
    結合係数可変手段とを有する複数の信号処理手段を網状
    に接続した信号処理回路網と、外部機器からの信号を入
    力してこの信号処理回路網に伝達する入力装置と、前記
    信号処理回路網から出力される信号を外部機器へ送信す
    る出力装置とよりなることを特徴とする信号処理装置。
  2. 【請求項2】 複数の入力信号に対して各々結合係数を
    保持するメモリと、前記入力信号と前記結合係数との論
    理積を演算する論理積演算手段と、この論理積演算手段
    による演算結果を興奮性結合グループと抑制性結合グル
    ープとに2分するグループ分け手段と、各々のグループ
    で論理和を演算する論理和演算手段と、これらの論理和
    演算手段の演算結果の論理演算を行い出力信号を得る論
    理演算手段と、複数の誤差信号の入力に基づき新たな結
    合係数を算出して前記メモリ上の結合係数を変化させる
    結合係数可変手段とを有する複数の信号処理手段を網状
    に接続した信号処理回路網と、外部機器からのアナログ
    信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段とデジタ
    ル信号をパルス列信号に変換するパルス列変換手段とを
    有してこの信号処理回路網に伝達する入力装置と、前記
    信号処理回路網から出力されるパルス列信号を計数する
    計数手段と計数されたデジタル信号をアナログ信号に変
    換するD/A変換手段を有してアナログ信号を外部機器
    へ送信する出力装置とよりなることを特徴とする信号処
    理装置。
  3. 【請求項3】 信号処理回路網と入力装置と出力装置と
    を制御するメモリを有する制御装置を設けたことを特徴
    とする請求項1又は2記載の信号処理装置。
  4. 【請求項4】 外部装置により書換えられるメモリとし
    たことを特徴とする請求項3記載の信号処理装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020013101A1 (ja) * 2018-07-10 2020-01-16 ソニー株式会社 信号処理回路、信号処理装置及び信号処理方法

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WO2020013101A1 (ja) * 2018-07-10 2020-01-16 ソニー株式会社 信号処理回路、信号処理装置及び信号処理方法

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