JPH05108598A - 信号処理装置 - Google Patents

信号処理装置

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Publication number
JPH05108598A
JPH05108598A JP3269843A JP26984391A JPH05108598A JP H05108598 A JPH05108598 A JP H05108598A JP 3269843 A JP3269843 A JP 3269843A JP 26984391 A JP26984391 A JP 26984391A JP H05108598 A JPH05108598 A JP H05108598A
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JP
Japan
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coupling coefficient
coupling
pulse
signal
thinning
Prior art date
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Application number
JP3269843A
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English (en)
Inventor
Takashi Kitaguchi
貴史 北口
Hirotoshi Eguchi
裕俊 江口
Toshiyuki Furuta
俊之 古田
Shuji Motomura
修二 本村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH05108598A publication Critical patent/JPH05108598A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 動作が確実でハードウエア化が容易なデジタ
ル構成にして、学習レートの設定法を改善し、汎用性を
持たせて学習能力を向上させる。 【構成】 パルス密度表現の複数の入力信号に対して各
々パルス密度表現の結合係数を保持するメモリと、入力
信号と結合係数との論理積を演算する論理積演算手段
と、その演算結果を興奮性、抑制性結合グループに2分
するグループ分け手段とともに、各々のグループで論理
和を演算する論理和演算手段33a,33bと、これら
の演算結果の論理演算を行ない出力信号を得る論理演算
手段34とを設け、パルス密度表現の複数の誤差信号の
入力に基づき新たな結合係数を算出してメモリ上の結合
係数を変化させる結合係数可変手段とを設けて自己学習
機能を持たせる構成において、この結合係数可変手段に
入力される誤差信号のパルスを異なるタイミングで間引
く間引き手段38を設けて、学習レートにランダム性を
持たせた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば画像や音声の認
識、ロボット等の位置制御、エアコンの温度制御、ロケ
ットの軌道制御等のような各種運動の制御に適用可能
な、神経細胞を模倣したニューラルコンピュータ等の信
号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】生体の情報処理の基本的な単位である神
経細胞(ニューロン)の機能を模倣し、さらに、この
「神経細胞模倣素子」(神経細胞ユニット)をネットワ
ークにし、情報の並列処理を目指したのが、いわゆるニ
ューラルネットワークである。文字認識や連想記憶、運
動制御等、生体ではいとも簡単に行われていても、従来
のノイマン型コンピュータではなかなか達成しないもの
が多い。生体の神経系、特に生体特有の機能、即ち並列
処理、自己学習等をニューラルネットワークにより模倣
して、これらの問題を解決しようとする試みが盛んに行
われている。
【0003】まず、従来のニューラルネットワークのモ
デルについて説明する。図21はある1つの神経細胞ユ
ニットAを表す図であり、図22はこれをネットワーク
にしたものである。A1,A2,A3 は各々神経細胞ユニ
ットを表す。1つの神経細胞ユニットは多数の他の神経
細胞ユニットと結合しており、それらから受けた信号を
処理して出力を出す。図22の場合、ネットワークは階
層型であり、神経細胞ユニットA2 は1つ前(左側)の
層の神経細胞ユニットA1 より信号を受け、1つ後(右
側)の層の神経細胞ユニットA3 へ出力する。
【0004】より詳細に説明する。まず、図21の神経
細胞ユニットAにおいて、他の神経細胞ユニットと自分
のユニットとの結合の度合いを表すのが結合係数と呼ば
れるもので、i番目の神経細胞ユニットとj番目の神経
細胞ユニットの結合係数を一般にTijで表す。結合に
は、相手のユニット(自己のユニットに信号を送ってく
るユニット)からの信号が大きい程自己のユニット出力
が大きくなる興奮性結合と、相手のユニットからの信号
が大きい程自己のユニット出力が小さくなる抑制性結合
とがあり、Tij>0が興奮性結合、Tij<0が抑制性結
合を表す。今、自分の神経細胞ユニットがj番目のユニ
ットであるとし、i番目の神経細胞ユニットの出力をy
i とするとこれに結合係数Tijを掛けたTiji が、自
分のユニットへの入力となる。前述したように、1つの
神経細胞ユニットは多数の神経細胞ユニットと結合して
いるので、それらのユニットに対するTiji を足し合
わせた結果なるΣTiji が、ネットワーク内における
自分の神経細胞ユニットへの入力となる。これを内部電
位といい、uj で表す。
【0005】
【数1】
【0006】次に、この入力(内部電位)に対して閾値
を加えて非線形な処理をすることで、その神経細胞ユニ
ットの出力とする。この時に用いる関数を神経細胞応答
関数と呼び、非線形関数として、(2)式及び図23に示
すようなシグモイド関数を用いる。
【0007】
【数2】
【0008】このような神経細胞ユニットを図22に示
すようにネットワークに構成した時には、各結合係数T
ijを与え、(1)(2)式を次々と計算することにより、情
報の並列処理が可能となり、最終的な出力が得られるも
のである。
【0009】このような階層型ニューラルネットワーク
において、ある入力に対して望ましい結果が出力される
ように、結合係数Tijを更新していくような学習を行な
うことにより、所望のニューラルネットワークを構築す
る。このような学習方法として最も広く用いられている
のは誤差逆伝搬法、いわゆるバックプロパゲーション法
である。
【0010】このようなネットワークを電気回路により
実現したものの一例として、図24に示すようなものが
ある。これは、特開昭62−295188号公報中に示
されるもので、基本的には、S字形伝達関数を有する複
数の増幅器1と、各増幅器1の出力を他の層の増幅器の
入力に一点鎖線で示すように接続する抵抗性フィードバ
ック回路網2とが設けられている。各増幅器1の入力側
には接地されたコンデンサと接地された抵抗とによるC
R時定数回路3が個別に接続されている。そして、入力
電流I1,I2,〜,In が各増幅器1の入力に供給さ
れ、出力はこれらの増幅器1の出力電圧の集合から得ら
れる。
【0011】ここに、ネットワークへの入力や出力の信
号強度を電圧で表し、神経細胞ユニット間の結合の強さ
は、各細胞間の入出力ラインを結ぶ抵抗4(抵抗性フィ
ードバック回路網2中の格子点)の抵抗値で表され、神
経細胞応答関数は各増幅器1の伝達関数で表される。即
ち、図24において複数の増幅器1は反転出力及び非反
転出力を有し、かつ、各増幅器1の入力には入力電流供
給手段なるCR時定数回路3を有しており、予め選定さ
れた第1の値、又は予め選定された第2の値である抵抗
4(Tij)で増幅器3の各々の出力を入力に接続するフ
ィードバック回路網2とされている。抵抗4はi番目の
増幅器出力とj番目の増幅器入力との間の相互コンダク
タンスを表し、回路網が平衡する複数の極小値を作るよ
うに選定され、複数の極小値を持ったエネルギー関数を
最小にするようにしている。また、神経細胞間の結合に
は、興奮性と抑制性とがあり数学的には結合係数の正負
符号により表されるが、回路上の定数で正負を実現する
のは困難であるので、ここでは、増幅器1の出力を2つ
に分け、一方の出力を反転させることにより、正負の2
つの信号を生成し、これを適当に選択することにより実
現するようにしている。また、図23に示したシグモイ
ド関数に相当するものとしては増幅器が用いられてい
る。
【0012】一方、デジタル回路でニューラルネットを
実現したものの例を図25ないし図27を参照して説明
する。図25は単一の神経細胞の回路構成を示し、各シ
ナプス回路6を樹状突起回路7を介して細胞体回路8に
接続してなる。図26はその内のシナプス回路6の構成
例を示し、係数回路9を介して入力パルスfに倍率a
(フィードバック信号に掛ける倍率で1又は2)を掛け
た値が入力されるレートマルチプライヤ10を設けてな
り、レートマルチプライヤ10には重み付けの値wを記
憶したシナプス荷重レジスタ11が接続されている。ま
た、図27は細胞体回路8の構成例を示し、制御回路1
2、アップ/ダウンカウンタ13、レートマルチプライ
ヤ14及びゲート15を順に接続してなり、さらに、ア
ップ/ダウンメモリ16が設けられている。
【0013】これは、神経細胞ユニットの入出力をパル
ス列で表し、そのパルス密度で信号の量を表している。
結合係数は2進数で表し、メモリ16上に保存してお
く。入力信号をレートマルチプライヤ14のクロックへ
入力し、結合係数をレート値へ入力することによって、
入力信号のパルス密度をレート値に応じて減らしてい
る。これは、バックプロパゲーションモデルの式のTij
i の部分に相当する。次に、ΣTiji のΣの部分
は、樹状突起回路7によって示されるOR回路で実現し
ている。結合には興奮性、抑制性があるので、予めグル
ープ分けしておき、各々のグループ別にORをとる。こ
の2つの出力をカウンタ13のアップ側、ダウン側に入
力しカウントすることで出力が得られる。この出力は2
進数であるので、再びレートマルチプライヤ14を用い
て、パルス密度に変換する。このユニットをネットワー
クにすることによって、ニューラルネットワークが実現
できる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
アナログ回路方式には、次のような問題点がある。 信号の強度を電位や電流などのアナログ値で表し、
内部の演算もアナログ的に行わせる場合、温度特性や電
源投入直後のドリフト等により、その値が変化する。 ネットワークであるので、素子の数も多く必要とす
るが、各々の特性を揃えることは困難である。 1つの素子の精度や安定性が問題となったとき、そ
れをネットワークにしたとき、新たな問題を生ずる可能
性があり、ネットワーク全体で見たときの動きが予想で
きない。 結合係数Tijが固定であり、予めシミュレーション
などの他の方法で学習させた値を使うしかなく、自己学
習ができない。
【0015】また、後者のデジタル回路によるネットワ
ーク構成の場合も、現実にはアップダウンカウンタ1
3、レートマルチプライヤ14を用いる等、非常に複雑
で大規模な回路となってしまう。
【0016】このように従来技術による場合、アナログ
回路方式では動作に確実性がなく、数値計算による学習
方法も計算が複雑であり、ハードウエア化に適さず、動
作が確実なデジタル方式のものは回路構成が大規模で複
雑である。
【0017】このような欠点を解消するため、デジタル
方式の自己学習機能付きニューロンモデルが特願平2−
412448号、特願平3−29342号等として本出
願人により提案されている。しかし、ニューロンの機能
・柔軟性をより高めるためには自己学習機能における学
習レートの設定の改善が必要といえる。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、パルス密度により表現された複数の入力信号に対し
て各々パルス密度により表現された結合係数を保持する
メモリと、前記入力信号と前記結合係数との論理積を演
算する論理積演算手段と、この論理積演算手段による演
算結果を興奮性結合グループと抑制性結合グループとに
2分するグループ分け手段と、各々のグループで論理和
を演算する論理和演算手段と、これらの論理和演算手段
の演算結果の論理演算を行ない出力信号を得る論理演算
手段と、パルス密度により表現された複数の誤差信号の
入力に基づき新たな結合係数を算出して前記メモリ上の
結合係数を変化させる結合係数可変手段と、この結合係
数可変手段に入力される前記誤差信号のパルスを異なる
タイミングで間引く間引き手段とを有する信号処理手段
を設け、この際、請求項2記載の発明では、間引き手段
による異なるタイミングを、パルスの間引き周期による
ものとし、パルスの間引き周期を各誤差信号毎に個別に
設定自在とし、さらに、請求項3記載の発明では、同じ
組の正、負の誤差信号は同じタイミングで間引く間引き
手段とした。
【0019】
【作用】パルス密度表現の信号を処理する簡単なデジタ
ル論理回路構成にして、自己学習機能を発揮させるため
の結合係数可変手段に入力させる誤差信号のパルスを間
引き手段により異なるタイミングで間引くことにより、
学習レートにランダム性を持たせることができ、より柔
軟で汎用性の高いシステムの構築が可能となる。特に、
タイミング制御を間引き周期によるものとし、さらに
は、同じ組の正、負の誤差信号については同じタイミン
グによるものとすれば、学習レートに関する設定・制御
が容易となる。
【0020】
【実施例】本発明の一実施例を図1ないし図20に基づ
いて説明する。まず、自己学習機能を持つデジタル論理
回路を用いた神経細胞ユニット(ニューロン素子)及び
ニューラルネットワークについて説明する。
【0021】まず、本実施例のニューロン及びニューラ
ルネットワークはデジタル構成によりハードウエア化し
たものであるが、基本的な考え方としては、 神経細胞ユニットに関する入出力信号、中間信号、
結合係数、教師信号などは全て、「0」「1」の2値で
表されたパルス列で表す。 ネットワーク内部での信号の量は、パルス密度で表
す(ある一定時間内の「1」の数)。 神経細胞ユニット内での計算は、パルス列同士の論
理演算で表す。 結合係数のパルス列はメモリ上に置く。 学習は、このパルス列を書換えることで実現する。 学習については、与えられた教師信号パルス列を元
に誤差を計算し、これに基づいて、結合係数パルス列を
変化させる。このとき、誤差の計算、結合係数の変化分
の計算も、全て、「0」「1」のパルス列の論理演算で
行う。 ようにしたものである。
【0022】以下、この思想について説明する。まず、
デジタル論理回路による信号処理に関し、フォワードプ
ロセスにおける信号処理を説明する。図2は1つの神経
細胞ユニット(神経細胞模倣素子)20に相当する部分
を示し、ニューラルネットワーク全体としては例えば図
3に示すように階層型とされる。入出力は、全て、
「1」「0」に2値化され、かつ、同期化されたものが
用いられる。入力信号yi の値(強度)はパルス密度で
表現し、例えば図4に示すパルス列のようにある一定時
間内にある「1」の状態数で表す。即ち、図4の例は、
4/6を表し、同期パルス6個中に信号は「1」が4
個、「0」が2個である。このとき、「1」と「0」の
並び方は、ランダムであることが望ましい。
【0023】一方、各神経細胞ユニット20間の結合の
度合を示す結合係数Tijも同様にパルス密度で表現し、
「0」と「1」とのパルス列として予めメモリ上に用意
しておく。図5の例は、「101010」=3/6を表
す式である。この場合も、「1」と「0」の並び方はラ
ンダムであることが望ましい。
【0024】そして、この結合係数パルス列を同期クロ
ックに応じてメモリ上より順次読出し、図2に示すよう
に各々ANDゲート21により入力信号パルス列との論
理積をとる(yi ∩ Tij)。これを、神経細胞jへの入
力とする。上例の場合で説明すると、入力信号が「10
1101」として入力されたとき、これと同期してメモ
リ上よりパルス列を呼出し、順次ANDをとることによ
り、図6に示すような「101000」が得られ、これ
は入力yi が結合係数Tijにより変換されパルス密度が
2/6となることを示している。
【0025】ANDゲート21の出力のパルス密度は、
近似的には入力信号のパルス密度と結合係数のパルス密
度との積となり、アナログ方式の結合係数と同様の機能
を有する。これは、信号の列が長いほど、また、「1」
と「0」との並び方がランダムであるほど、数値の積に
近い機能を持つことになる。なお、入力パルス列に比べ
て結合係数のパルス列が短く、読出すべきデータがなく
なったら、再びデータの先頭に戻って読出しを繰返えせ
ばよい。
【0026】1つの神経細胞ユニット20は多入力であ
るので、前述した「入力信号と結合係数とのAND」も
多数あり、次にOR回路22によりこれらの論理和をと
る。入力は同期化されているので、例えば1番目のデー
タが「101000」、2番目のデータが「01000
0」の場合、両者のORをとると、「111000」と
なる。これを多入力(m個)同時に計算し出力とする
と、例えば図7に示すようになる。これは、アナログ計
算における和の計算及び非線形関数(シグモイド関数)
の部分に対応している。
【0027】パルス密度が低い場合、そのORをとった
もののパルス密度は、各々のパルス密度の和に近似的に
一致する。パルス密度が高くなるにつれ、OR回路22
の出力は段々飽和してくるので、パルス密度の和とは一
致せず、非線形性が出てくる。ORの場合、パルス密度
は1よりも大きくなることがなく、かつ、0より小さく
なることもなく、さらには、単調増加関数であり、シグ
モイド関数と近似的に同等となる。
【0028】ところで、結合には興奮性と抑制性がある
が、本実施例でも各ニューロン間の結合においてはその
両方を持ち得るものとする。まず、結合係数が興奮性結
合係数Tij(+) か抑制性結合係数Tij(-) かにより、各
結合を興奮性結合グループと抑制性結合グループとに2
分する。そして、入力信号と各結合係数のパルス列のA
ND出力同士のORを各グループで計算する。そして、
興奮性結合グループのOR結果が「1」で抑制性結合グ
ループのOR結果が「0」の場合にのみ「1」を出力
し、それ以外の場合には「0」を出力する。
【0029】論理式で表現すると、次の(3)〜(5)式で
示される。
【0030】
【数3】
【0031】神経細胞ユニット20のネットワークは、
バックプロパゲーションと同様な階層型(即ち、図3)
とする。そして、ネットワーク全体を同期させておけ
ば、各層とも上述した機能により計算できる。
【0032】次に、学習(バックプロパゲーション)に
おける信号演算処理について説明する。基本的には、以
下のa又はbにより誤差信号を求め、次いで、cの方法
により結合係数の値を変化させるようにすればよい。
【0033】まず、aとして最終層における誤差信号に
ついて説明する。最終層で各神経細胞ユニットにおける
誤差信号を出力信号と教師信号とにより計算する。ここ
に、そのときの入力に対して望ましい出力を、教師信号
としてパルス列で与える。一般に、誤差を数値で表すと
正、負の両方をとり得るが、パルス密度ではそれを同時
に表現できないので、+成分を表す信号と、−成分を表
す信号との2種類を用いて誤差信号を表現する。即ち、
j番目の神経細胞ユニットの誤差信号は、図9のように
示される。つまり、誤差信号の+成分は教師信号パルス
と出力パルスとの違っている部分(1,0)又は(0,
1)の内、教師信号側に存在するパルス、他方、−成分
は同様に出力側に存在するパルスである。換言すれば、
出力パルスに誤差信号+パルスを付け加え、誤差信号−
パルスを取り除くと、教師パルスとなることになる。即
ち、これらの正負の誤差信号δj(+),δj(-)を論理式で
表現すると、各々(6)(7)式のようになる。このような
誤差信号パルスを元に結合係数を後述するように変化さ
せることになる。
【0034】
【数4】
【0035】次に、bとして中間層における誤差信号を
求める方法を説明する。まず、上記の誤差信号を逆伝播
させ、最終層とその1つ前の層との結合係数だけでな
く、さらにその前の層の結合係数も変化する。そのた
め、中間層における各神経細胞ユニットでの誤差信号を
計算する必要がある。中間層のある神経細胞ユニットか
ら、さらに1つ先の層の各神経細胞ユニットへ信号を伝
播させたのとは、丁度逆の要領で1つ先の層の各神経細
胞ユニットにおける誤差信号を集めてきて、自己の誤差
信号とする。このことは、神経細胞ユニット内での前述
した演算式(3)〜(5)や図4〜図8に示した場合と同じ
ような要領で行うことができる。ただし、神経細胞ユニ
ット内での前述した処理と異なるのは、yは1つの信号
であるのに対して、δは正、負を表す信号として2つの
信号を持ち、その両方の信号を考慮する必要があること
である。従って、結合係数Tの正負に応じて2つの場合
に分ける必要がある。
【0036】まず、興奮性結合の場合を説明する。この
場合、中間層のある神経細胞ユニットについて、1つ先
の層(図3における最終層)のj番目の神経細胞ユニッ
トでの誤差信号+と、その神経細胞ユニットと自己(図
3における中間層のある神経細胞ユニット)との結合係
数のANDをとったもの(δj(+) ∩ Tij)を各神経細
胞ユニットについて求め、さらに、これら同士のORを
とる{∪(δj(+) ∩Tij)}。これをこの神経細胞ユ
ニットの誤差信号+とする。即ち、図10に示すように
なる。
【0037】同様に、1つ先の層の神経細胞ユニットで
の誤差信号−と結合係数とのANDをとり、さらにこれ
ら同士のORをとることにより、この神経細胞ユニット
の誤差信号−とする。即ち、図11に示すようになる。
【0038】次に、抑制性結合の場合を説明する。この
場合、1つ先の層の神経細胞ユニットでの誤差信号−と
その神経細胞ユニットと自己との結合係数のANDをと
り、さらにこれら同士のORをとる。これを、この神経
細胞ユニットの誤差信号+とする。即ち、図12に示す
ようになる。
【0039】また、1つ先の誤差信号+と結合係数との
ANDをとり、さらにこれら同士のORをとることによ
り、同様に、この神経細胞ユニットの誤差信号−とす
る。即ち、図13に示すようになる。
【0040】さらに、この神経細胞ユニットの、興奮性
結合の誤差信号+と抑制性結合の誤差信号+とのORを
とり、これをこのユニットの誤差信号δi(+)とする。同
様に、興奮性結合の誤差信号−と抑制性結合の誤差信号
−とのORをとり、これをこのユニットの誤差信号δ
i(-)とする。
【0041】以上をまとめると、(8)式に示すようにな
る。
【0042】
【数5】
【0043】さらに、入力してくる誤差信号に対して各
々同じ又は異なる学習のレート(学習定数)を設けても
よい。これは、パルス列を間引くことにより実現でき
る。例えば、カウンタ的な考え方をし、図14、図15
に示すようなものとすればよい。この例では、学習レー
トη=0.5では元の信号のパルス列を1つ置きに間引
くが、元の信号のパルスが等間隔でなくても、元のパル
ス列に対して間引くことができる。図14,図15中、
η=0.5の場合はパルスを1つ置きに間引き、η=
0.33の場合はパルスを2つ置きに残し、η=0.6
7の場合はパルスを2つ置きに1回間引くことを示す。
【0044】このようにして、誤差信号を間引くことに
より学習レートの機能を持たせる。このような誤差信号
の間引きは、通常市販されているカウンタの出力を論理
演算することやフリップフロップを用いることにより容
易に実現できる。特に、カウンタを用いた場合、学習定
数ηの値を任意、かつ、容易に設定できるので、ネット
ワークの特性を制御することも可能となる。
【0045】さらに、cとして、このような誤差信号に
より各結合係数を変化させる方法について説明する。変
化させたい結合係数が属しているライン(図3参照)に
対応する、1つ前の神経細胞ユニットからの出力yi
自己の神経細胞ユニットの誤差信号δj(+)又はδj(-)
のANDをとる(δj∩yi)(図16,図17参照)。
このようにして得られた2つの信号を各々ΔTij(+)
ΔTij(-)とする。
【0046】そして、今度はこのΔTijを元に新しいT
ijを求めるが、このTijは絶対値成分であるので、元の
ijが興奮性か抑制性かで場合分けする。興奮性の場
合、元のTijに対してΔTij(+)の成分を増やし、ΔT
ij(-)の成分を減らす。即ち、図18に示すようにな
る。逆に、抑制性の場合は元のTijに対しΔTij(+)
成分を減らし、ΔTij(-)の成分を増やす。即ち、図1
9に示すようになる。
【0047】以上をまとめると、(9)式のようになる。
【0048】
【数6】
【0049】以上の学習則に基づいてネットワークの計
算をする。
【0050】次に、以上のアルゴリズムに基づく実際の
回路構成を説明する。図20及び図1にその回路構成例
を示すが、ネットワーク全体の構成は図3と同様であ
る。図20は図3中のライン(結線)に相当する部分の
回路を示し、図1は図3中の丸(各神経細胞ユニット2
0)に相当する部分の回路を示す。これらの図20及び
図1構成の回路を図3のようにネットワークにすること
により、自己学習可能なデジタル式のニューラルネット
ワークが実現できる。
【0051】まず、図20から説明する。図中、25は
神経細胞ユニットへの入力信号であり、図4に相当す
る。図5に示したような結合係数の値はメモリとしての
シフトレジスタ26に保存しておく。このシフトレジス
タ26は取出し口26aと入口26bとを有するが、通
常のシフトレジスタと同様の機能を持つものであればよ
く、例えば、RAMとアドレスコントローラとの組合せ
によるもの等であってもよい。入力信号25とシフトレ
ジスタ26内の結合係数とは論理積演算手段としてのA
NDゲート27を備えて図6に示した処理を行なう論理
回路28によりANDがとられる。この論理回路28の
出力は結合が興奮性か抑制性かによってグループ分けし
なければならないが、予め各々のグループへの出力2
9,30を用意し、何れに出力するのかを切換えるよう
にした方が汎用性の高いものとなる。このため、本実施
例では結合が興奮性か抑制性かを表すビットをグループ
分け用メモリ31に保存しておき、その情報を用いてグ
ループ分け手段となる切換えゲート回路32により切換
える。切換えゲート回路32は2つのANDゲート32
a,32bと一方の入力に介在されたインバータ32c
とよりなる。
【0052】また、図1に示すように各入力処理(図7
に相当)をする複数のORゲート構成のゲート回路33
a,33bが設けられている。さらに、同図に示すよう
に図8に示した興奮性結合グループが「1」で、抑制性
結合グループが「0」のときにのみ出力「1」を出すA
NDゲート34aとインバータ34bとによる論理演算
手段となるゲート回路34が設けられている。
【0053】次に、学習処理について説明する。図1に
示す回路には誤差信号35,36が入力される。これら
の誤差信号35,36は複数のORゲート構成のゲート
回路37で各々集められた後((8)式の処理)、1つ前
の層に対する誤差信号39,40として出力される。こ
こに、中間層における誤差信号を計算するため図10〜
図13に示したような処理は、図20中に示すANDゲ
ート構成のゲート回路41により行われ、+,−に応じ
て、1つ前の層の神経細胞ユニットへ出力するための誤
差信号42,43が得られる。
【0054】このように結合が興奮性結合か抑制性結合
かによって場合分けが必要であるが、この場合分けはメ
モリ31に記憶された興奮性か抑制性かを示す情報と、
誤差信号の+,−信号39,40とに応じて、AND,
ORゲート構成のゲート回路44により行なわれる。
【0055】しかして、学習レートに相当する処理(図
14及び図15の処理)は図1中に示す間引き手段とし
ての分周回路38により行なわれる。これらの分周回路
38の間引き周期は各ユニット毎に各々異ならせて設定
してもよい。また、これらの分周回路38は間引き周期
が同じであってもその間引き位相を異ならせることによ
り、誤差信号のランダム性を確保するようにしてもよ
い。また、これらの分周回路38については、同じ神経
細胞ユニットから入力してくる同じ組の正、負の誤差信
号は、同じ間引き周期及び位相としてもよい。何れにし
ても、誤差信号39,40はこのような分周回路38に
よる間引き処理を受けたものとなる。
【0056】このような誤差信号39,40を基いて、
新たな結合係数を計算するための図16ないし図19に
示した処理を行なうANDゲート、インバータ、ORゲ
ート構成の結合係数可変回路45が設けられ、各シフト
レジスタ26のデータ入口26b側に接続されている。
これにより、シフトレジスタ26に格納された結合係数
の更新書替えが行なわれる。このゲート回路45の場合
も、結合の興奮性、抑制性により場合分けが必要である
が、これはゲート回路44により行なわれる。
【0057】なお、本発明を構成する上では、上記の構
成例に限らず、同等の機能を有するものであればよく、
さらには、全てをハードウエア構成することなく、その
一部又は全部をソフトウエアで実現するようにしてもよ
い。
【0058】
【発明の効果】本発明は、上述したように構成したの
で、請求項1記載の発明によれば、パルス密度表現の信
号を処理する簡単なデジタル論理回路構成にして、自己
学習機能を発揮させるための結合係数可変手段に入力さ
せる誤差信号のパルスを間引き手段により異なるタイミ
ングで間引くことにより、学習レートにランダム性を持
たせることができ、より柔軟で汎用性の高いシステムの
構築が可能となり、特に、請求項2記載の発明のよう
に、間引き周期によるものとし、さらには、請求項3記
載の発明のように、同じ組の正、負の誤差信号について
は同じタイミングによるものとすれば、学習レートに関
する設定・制御を容易にしてランダム性を維持し得るも
のとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を要部を示す論理回路図であ
る。
【図2】基本的な信号処理を行なうための論理回路図で
ある。
【図3】ネットワーク構成例を示す模式図である。
【図4】論理演算例を示すタイミングチャートである。
【図5】論理演算例を示すタイミングチャートである。
【図6】論理演算例を示すタイミングチャートである。
【図7】論理演算例を示すタイミングチャートである。
【図8】論理演算例を示すタイミングチャートである。
【図9】論理演算例を示すタイミングチャートである。
【図10】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図11】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図12】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図13】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図14】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図15】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図16】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図17】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図18】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図19】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図20】各部の構成例を示す論理回路図である。
【図21】従来例を示す1つのユニット構成を示す概念
図である。
【図22】そのニューラルネットワーク構成の概念図で
ある。
【図23】シグモイド関数を示すグラフである。
【図24】1つのユニットの具体的構成を示す回路図で
ある。
【図25】デジタル構成例を示すブロック図である。
【図26】その一部の回路図である。
【図27】異なる一部の回路図である。
【符号の説明】
20 信号処理手段 26 メモリ 27 論理積演算手段 32 グループ分け手段 33a,33b 論理和演算手段 34 論理演算手段 38 間引き手段 45 結合係数可変手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本村 修二 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルス密度により表現された複数の入力
    信号に対して各々パルス密度により表現された結合係数
    を保持するメモリと、前記入力信号と前記結合係数との
    論理積を演算する論理積演算手段と、この論理積演算手
    段による演算結果を興奮性結合グループと抑制性結合グ
    ループとに2分するグループ分け手段と、各々のグルー
    プで論理和を演算する論理和演算手段と、これらの論理
    和演算手段の演算結果の論理演算を行ない出力信号を得
    る論理演算手段と、パルス密度により表現された複数の
    誤差信号の入力に基づき新たな結合係数を算出して前記
    メモリ上の結合係数を変化させる結合係数可変手段と、
    この結合係数可変手段に入力される前記誤差信号のパル
    スを異なるタイミングで間引く間引き手段とを有する信
    号処理手段を設けたことを特徴とする信号処理装置。
  2. 【請求項2】 間引き手段による異なるタイミングを、
    パルスの間引き周期によるものとし、パルスの間引き周
    期を各誤差信号毎に個別に設定自在としたことを特徴と
    する請求項1記載の信号処理装置。
  3. 【請求項3】 同じ組の正、負の誤差信号は同じタイミ
    ングで間引く間引き手段としたことを特徴とする請求項
    1又は2記載の信号処理装置。
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