JPH05120254A - 信号処理装置 - Google Patents

信号処理装置

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JPH05120254A
JPH05120254A JP4094134A JP9413492A JPH05120254A JP H05120254 A JPH05120254 A JP H05120254A JP 4094134 A JP4094134 A JP 4094134A JP 9413492 A JP9413492 A JP 9413492A JP H05120254 A JPH05120254 A JP H05120254A
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JP
Japan
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signal
coupling coefficient
signal processing
processing means
circuit
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Application number
JP4094134A
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English (en)
Inventor
Takashi Kitaguchi
貴史 北口
Hirotoshi Eguchi
裕俊 江口
Toshiyuki Furuta
俊之 古田
Shuji Motomura
修二 本村
Osamu Takehira
竹平  修
Takashi Yano
隆志 矢野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 デジタル方式の自己学習機能付きのニューラ
ルネットワークにおいて、各信号処理手段間を結ぶ結線
数を減少させる。 【構成】 結合係数可変回路とこの結合係数可変回路の
可変結合係数値を教師信号に対する誤差信号に基づいて
生成する結合係数生成回路とを有する自己学習回路を付
設したデジタル論理回路による神経細胞模倣素子よりな
る信号処理手段20を設け、その入力側に信号処理手段
20への入力信号104と信号処理手段20からの出力
誤差信号105,106とを切換える第1の信号切換え
手段99を設け、その出力側に信号処理手段20からの
出力信号103と信号処理手段20への入力誤差信号1
07,108とを切換える第2の信号切換え手段100
とを設け、網状に接続してネットワーク構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばロボットの位置
制御、エアコンの温度制御、ロケットの軌道制御等のよ
うな各種運動の制御に適用可能な、神経細胞を模倣した
ニューラルコンピュータ等の信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】生体の情報処理の基本的な単位である神
経細胞(ニューロン)の機能を模倣し、さらに、この
「神経細胞模倣素子」をネットワークにし、情報の並列
処理を目指したのが、いわゆるニューラルネットワーク
である。文字認識や連想記憶、運動制御等、生体ではい
とも簡単に行われていても、従来のノイマン型コンピュ
ータではなかなか達成しないものが多い。生体の神経
系、特に生体特有の機能、即ち並列処理、自己学習等を
ニューラルネットワークにより模倣して、これらの問題
を解決しようとする試みが盛んに行われている。
【0003】まず、従来のニューラルネットワークのモ
デルについて説明する。図53はある1つの神経細胞ユ
ニットAを表す図であり、図54はこれをネットワーク
にしたものである。A1,A2,A3 は各々神経細胞ユニ
ットを表す。1つの神経細胞ユニットは多数の他の神経
細胞ユニットと結合し信号を受け、それを処理して出力
を出す。図54の場合、ネットワークは階層型であり、
神経細胞ユニットA2は1つ前(左側)の層の神経細胞
ユニットA1 より信号を受け、1つ後(右側)の層の神
経細胞ユニットA3 へ出力する。
【0004】より詳細に説明する。まず、図53の神経
細胞ユニットAにおいて、他の神経細胞ユニットと自分
のユニットとの結合の度合いを表すのが結合係数と呼ば
れるもので、i番目の神経細胞ユニットとj番目の神経
細胞ユニットの結合係数を一般にTijで表す。今、自分
の神経細胞ユニットがj番目のユニットであるとし、i
番目の神経細胞ユニットの出力をyi とするとこれに結
合係数Tijを掛けたTiji が、自分のユニットへの入
力となる。前述したように、1つの神経細胞ユニットは
多数の神経細胞ユニットと結合しているので、それらの
ユニットに対するTiji を足し合わせた結果なるΣT
iji が、ネットワーク内における自分の神経細胞ユニ
ットへの入力となる。これを内部電位といい、uj で表
す。
【0005】
【数1】
【0006】次に、この入力に対して非線形な処理をす
ることで、その神経細胞ユニットの出力とする。この時
に用いる関数を神経細胞応答関数と呼び、非線形関数と
して、(2)式及び図55に示すようなシグモイド関数を
用いる。
【0007】
【数2】
【0008】このような神経細胞ユニットを図54に示
すようにネットワークに構成した時には、各結合係数T
ijを与え、(1)(2)式を次々と計算することにより、情
報の並列処理が可能となり、最終的な出力が得られるも
のである。
【0009】このようなネットワークを電気回路により
実現したものの一例として、図56に示すようなものが
ある。これは、特開昭62−295188号公報中に示
されるもので、基本的には、S字形伝達関数を有する複
数の増幅器1と、各増幅器1の出力を他の層の増幅器の
入力に一点鎖線で示すように接続する抵抗性フィードバ
ック回路網2とが設けられている。各増幅器1の入力側
には接地されたコンデンサと接地された抵抗とによるC
R時定数回路3が個別に接続されている。そして、入力
電流I1,I2,〜,In が各増幅器1の入力に供給さ
れ、出力はこれらの増幅器1の出力電圧の集合から得ら
れる。
【0010】ここに、ネットワークへの入力や出力の信
号強度を電圧で表し、神経細胞ユニット間の結合の強さ
は、各細胞間の入出力ラインを結ぶ抵抗4(抵抗性フィ
ードバック回路網2中の格子点)の抵抗値で表され、神
経細胞応答関数は各増幅器1の伝達関数で表される。即
ち、図56において複数の増幅器1は反転出力及び非反
転出力を有し、かつ、各増幅器1の入力には入力電流供
給手段なるCR時定数回路3を有しており、予め選定さ
れた第1の値、又は予め選定された第2の値である抵抗
4(Tij)で増幅器3の各々の出力を入力に接続するフ
ィードバック回路網2とされている。抵抗4はi番目の
増幅器出力とj番目の増幅器入力との間の相互コンダク
タンスを表し、回路網が平衡する複数の極小値を作るよ
うに選定され、複数の極小値を持ったエネルギー関数を
最小にするようにしている。また、神経細胞間の結合に
は、興奮性と抑制性とがあり数学的には結合係数の正負
符号により表されるが、回路上の定数で正負を実現する
のは困難であるので、ここでは、増幅器1の出力を2つ
に分け、一方の出力を反転させることにより、正負の2
つの信号を生成し、これを適当に選択することにより実
現するようにしている。また、図55に示したシグモイ
ド関数に相当するものとしては増幅器が用いられてい
る。
【0011】しかしながら、このようなアナログ回路方
式には、次のような問題点がある。 信号の強度を電位や電流などのアナログ値で表し、
内部の演算もアナログ的に行わせる場合、温度特性や電
源投入直後のドリフト等により、その値が変化する。 ネットワークであるので、素子の数も多く必要とす
るが、各々の特性を揃えることは困難である。 1つの素子の精度や安定性が問題となったとき、そ
れをネットワークにしたとき、新たな問題を生ずる可能
性があり、ネットワーク全体で見たときの動きが予想で
きない。 結合係数Tijが固定であり、予めシミュレーション
などの他の方法で学習させた値を使うしかなく、自己学
習ができない。
【0012】一方、デジタル回路でニューラルネットを
実現したものの例を図57ないし図59を参照して説明
する。図57は単一の神経細胞の回路構成を示し、各シ
ナプス回路6を樹状突起回路7を介して細胞体回路8に
接続してなる。図58はその内のシナプス回路6の構成
例を示し、係数回路9を介して入力パルスfに倍率a
(フィードバック信号に掛ける倍率で1又は2)を掛け
た値が入力されるレートマルチプライヤ10を設けてな
り、レートマルチプライヤ10には重み付けの値wを記
憶したシナプス荷重レジスタ11が接続されている。ま
た、図59は細胞体回路8の構成例を示し、制御回路1
2、アップ/ダウンカウンタ13、レートマルチプライ
ヤ14及びゲート15を順に接続してなり、さらに、ア
ップ/ダウンメモリ16が設けられている。
【0013】これは、神経細胞ユニットの入出力をパル
ス列で表し、そのパルス密度で信号の量を表している。
結合係数は2進数で表し、メモリ16上に保存してお
く。入力信号をレートマルチプライヤ14のクロックへ
入力し、結合係数をレート値へ入力することによって、
入力信号のパルス密度をレート値に応じて減らしてい
る。これは、バックプロパゲーションモデルの式のTij
i の部分に相当する。次に、ΣTiji のΣの部分
は、樹状突起回路7によって示されるOR回路で実現し
ている。結合には興奮性、抑制性があるので、予めグル
ープ分けしておき、各々のグループ別にORをとる。こ
の2つの出力をカウンタ13のアップ側、ダウン側に入
力しカウントすることで出力が得られる。この出力は2
進数であるので、再びレートマルチプライヤ14を用い
て、パルス密度に変換する。このユニットをネットワー
クにすることによって、ニューラルネットワークが実現
できる。学習については、最終出力を外部のコンピュー
タに入力して、コンピュータ内部で数値計算を行い、そ
の結果を結合係数のメモリ16に書込むことにより実現
している。従って、自己学習機能は全くない。また、回
路構成もパルス密度の信号をカウンタを用いて一旦数値
(2進数)に変換し、その後、再びパルス密度に変換し
ており、複雑なものになっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このように従来技術に
よる場合、アナログ回路方式では動作に確実性がなく、
数値計算による学習方法も計算が複雑であり、ハードウ
エア化に適さず、動作が確実なデジタル方式のものは回
路構成が複雑である。また、ハードウエア上で自己学習
ができないという欠点もある。
【0015】このような欠点を解消するため、デジタル
方式の自己学習機能付きニューロンモデルが特願平2−
412448号、特願平3−29342号として本出願
人により提案されている。しかしながら、提案例に示さ
れるようなニューロンを単純に結線してネットワーク構
成すると膨大な配線量となってしまい、実用上、大きな
問題となる。つまり、ニューロン間の配線量を減らし得
る構成が要望される。
【0016】また、ニューロン素子をチップ化すること
を考えた場合、1チップに1つのニューロンだけを搭載
するよりも多数のニューロンを集積させるほうが大規模
なネットワークを構築しやすいが、多数のニューロンを
集積化させようとしてもその内部のニューロン同士の配
線の仕方がネットワーク構造を制約するものとなってし
まう。特に、学習機能に着目してみると、誤差信号を結
合係数と演算処理してから出力しなければならず、通常
の出力信号の出力に比して処理時間もかかるものであ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】結合係数可変回路とこの
結合係数可変回路の可変結合係数値を教師信号に対する
誤差信号に基づいて生成する結合係数生成回路とを有す
る自己学習回路を付設したデジタル論理回路による神経
細胞模倣素子よりなる信号処理手段を設け、請求項1記
載の発明では、この信号処理手段の入力側に信号処理手
段への入力信号と信号処理手段からの出力誤差信号とを
切換える信号切換え手段を設け、請求項2記載の発明で
は、この信号処理手段の出力側に信号処理手段からの出
力信号と信号処理手段への入力誤差信号とを切換える信
号切換え手段を設け、請求項3記載の発明では、これら
の信号切換え手段を入出力側に有する複数の信号処理手
段を網状に接続した。
【0018】さらに、請求項4記載の発明では、正負2
種類の誤差信号を時分割出力する誤差信号出力手段をこ
の信号処理手段に設け、請求項5記載の発明では、時分
割入力される正負2種類の誤差信号を並列信号に変換す
る誤差信号入力手段をこの信号処理手段に設け、請求項
6記載の発明では、これらの誤差信号出力手段と誤差信
号入力手段とを有する複数の信号処理手段を網状に接続
した。さらに、請求項7記載の発明では、請求項4記載
の発明に請求項1記載の発明を組合せ、請求項8記載の
発明では、請求項5記載の発明に請求項2記載の発明を
組合せ、請求項9記載の発明では、請求項6記載の発明
に請求項3記載の発明を組合せて構成した。
【0019】また、請求項10記載の発明では、メモリ
を有して出力信号及び正負2種類の誤差信号の各々を時
分割出力する信号出力手段と、メモリと論理和回路とを
有して時分割入力される信号の論理和を演算する信号入
力手段とを各信号処理手段に設け、全ての信号処理手段
間又は一部の信号処理手段間を共通なバスにより結合
し、バスに対する入出力信号用結線と正負2種類の誤差
信号用結線との内の少なくとも2本を時分割により共用
させた。
【0020】請求項11記載の発明では、前段の信号処
理手段に対する結合係数値と後段の信号処理手段に対す
る結合係数値とを保持したメモリを有する2つの前記結
合係数可変回路を各信号処理手段に設け、メモリを有し
て出力信号及び正負2種類の誤差信号の各々を時分割出
力する信号出力手段を信号処理手段に設けた。
【0021】請求項12記載の発明では、請求項10記
載の発明に加え、前段の信号処理手段に対する結合係数
値と後段の信号処理手段に対する結合係数値とを保持し
たメモリを有する2つの前記結合係数可変回路を各信号
処理手段に設けた。
【0022】一方、請求項13記載の発明では、メモリ
を有して出力信号及び正負2種類の誤差信号の各々を時
分割出力する信号出力手段と、メモリと論理和回路とを
有して時分割入力される信号の論理和を演算する信号入
力手段とを各信号処理手段に設け、全ての信号処理手段
間又は一部の信号処理手段間を共通なバスにより結合し
た。請求項14記載の発明では、請求項13記載の発明
に加えて、前段の信号処理手段に対する結合係数値と後
段の信号処理手段に対する結合係数値とを保持したメモ
リを有する2つの前記結合係数可変回路を各信号処理手
段に設けた。
【0023】さらに、請求項15記載の発明では、メモ
リと論理和回路とを有して時分割入力される信号の論理
和を演算する信号入力手段を信号処理手段に設け、請求
項16記載の発明では、メモリを有して出力信号及び正
負2種類の誤差信号の各々を時分割出力する信号出力手
段を信号処理手段に設けた。請求項17,18記載の発
明では、これらの請求項15,16記載の発明に加え、
前段の信号処理手段に対する結合係数値と後段の信号処
理手段に対する結合係数値とを保持したメモリを有する
2つの前記結合係数可変回路を各信号処理手段に設け
た。
【0024】また、請求項19記載の発明では、誤差信
号と前記結合係数との論理演算により得られた誤差信号
を出力する誤差信号出力手段を設けるとともに、信号処
理手段へ入力させる複数の信号処理手段からの誤差信号
をワイヤードORさせた誤差信号入力手段を設け、請求
項20記載の発明では、誤差信号出力手段を誤差信号を
記憶する記憶手段と記憶された誤差信号の伝達を制御す
る伝達制御手段とを有するものとし、また、請求項21
記載の発明では、入力信号入力手段を入力信号を記憶す
る記憶手段と記憶された入力信号の伝達を制御する伝達
制御手段とを有するものとし、さらに、請求項22記載
の発明では、複数の信号処理手段を網状に接続した。
【0025】
【作用】請求項1ないし3記載の発明によれば、入力信
号や出力信号を扱うフォワードプロセスと、出力誤差信
号や入力誤差信号を扱う学習プロセスとで、信号切換え
手段によりシリアルな切換えを行うことにより、神経細
胞模倣素子間の結線を共用することができるため、プロ
セス別の結線を要せず、必要とする結線数を減らすこと
が可能となる。
【0026】同様に、請求項4ないし9記載の発明によ
れば、正負2種類の誤差信号を扱う学習プロセスにおい
て、誤差信号を時分割で出力し、又は、並列信号に逆変
換させて入力させることにより、別の結線とすることな
く、1本の結線で誤差信号を共用でき、さらに、入力信
号や出力信号を扱うフォワードプロセスを考慮すると、
学習プロセスとで、信号切換え手段によりシリアルな切
換えを行うことにより、神経細胞模倣素子間の1本の結
線を共用することができるため、プロセス別の結線を要
せず、必要とする結線数を減らすことが可能となる。
【0027】請求項10ないし12記載の発明によれ
ば、共通なバスを通して互いに結合させることで、結線
数の少ないネットワークを構成できる上に、入出力用結
線と正負2種類の誤差信号用結線とで少なくとも2本を
共用させることにより、一層、結線数の少ないものとな
る。特に、請求項11,12記載の発明のように、各信
号処理手段が前段の信号処理手段に対する結合係数値と
後段の信号処理手段に対する結合係数値とを保持したメ
モリを有する2つの結合係数可変回路を有するので、学
習プロセスにおいて、出力前に誤差信号と結合係数値と
を演算する必要がなく、誤差信号を出力する信号処理手
段とその誤差信号を入力する信号処理手段との関係を1
対複数とすることができ、学習プロセスの処理時間を短
縮させつつ、共通バスを通しての誤差信号の出力が可能
で必要な結線数を減らすことができる。
【0028】このように請求項1ないし12記載の発明
によれば、信号処理手段間の結線を共用化することによ
り、結線数を減らしたネットワークの構築が可能とな
る。
【0029】また、請求項13又は14記載の発明によ
れば、メモリを有して出力信号及び正負2種類の誤差信
号の各々を時分割出力する信号出力手段を信号処理手段
に設けて、各信号処理手段の入出力を時分割で行わせる
ことにより、各信号処理手段間をバスで結合させること
ができ、各信号処理手段間に要する結線数を減らすこと
ができ、よって、共通なバスを通して互いに結合させる
ことで、結線数の少ないネットワークを構成できる。こ
のように請求項13又は14記載の発明によれば、共通
の結線を設置して、その結線を共用することで、交線の
ない状態で結線数を減らしたネットワークの構築が可能
となる。
【0030】一方、請求項15又は16記載の発明によ
れば、メモリと論理和回路とを有して時分割入力される
信号の論理和を演算する信号入力手段を信号処理手段に
設け、又は、メモリを有して出力信号及び正負2種類の
誤差信号の各々を時分割出力する信号出力手段を信号処
理手段に設けて、各信号処理手段の入出力を時分割で行
わせることにより、各信号処理手段間をバスで結合させ
ることができ、各信号処理手段間に要する結線数を減ら
すことができる。特に、請求項17,18記載の発明の
ように、各信号処理手段が前段の信号処理手段に対する
結合係数値と後段の信号処理手段に対する結合係数値と
を保持したメモリを有する2つの結合係数可変回路を有
するので、学習プロセスにおいて、出力前に誤差信号と
結合係数値とを演算する必要がなく、誤差信号を出力す
る信号処理手段とその誤差信号を入力する信号処理手段
との関係を1対複数とすることができ、学習プロセスの
処理時間を短縮させつつ、共通バスを通しての誤差信号
の出力が可能で必要な結線数を減らすことができる。結
局、これらの請求項15ないし18記載の発明によれ
ば、一部の手段、例えば論理和を演算する信号処理手段
を共用化することにより、結線数を減らしたネットワー
クの構築が可能となる。
【0031】さらに、請求項19ないし22記載の発明
によれば、自己学習機能を含めて神経細胞網の機能をハ
ードウエア上で並列的に行わせることができ、自己学習
機能が発揮され、従来のコンピュータシミュレーション
のシリアル処理による計算に比べ処理速度が著しく向上
する。この時、デジタル回路構成により動作は確実なも
のとなる。特に、信号処理手段間の誤差信号の授受につ
いて、誤差信号と結合係数との論理演算した結果なる誤
差信号を伝達させるようにしたので、2つの信号処理手
段間に必要な信号線としては誤差信号用が2本となるた
め、入出力信号用を含めて最低限の3本に抑えることが
でき、ネットワークを構成する上での各信号処理手段間
に必要な信号線の本数が減り、簡素で使いやすいものと
なる。加えて、複数の信号処理手段からの誤差信号をワ
イヤードORさせた誤差信号入力手段を通して入力させ
ることにより、誤差信号入力用の信号線は逆伝播される
信号処理手段の個数に関係なく正負用の2本で済むもの
となる。また、誤差信号出力手段において記憶手段とと
もに伝達制御手段を設けることにより、1つの信号処理
手段から複数の信号処理手段に対して誤差信号を出力す
るために、信号線を時分割で共用でき、必要な信号線の
本数が減る。入力信号入力手段においても記憶手段とと
もに伝達制御手段を設けることにより、3種類の信号を
2本の信号線の切換えにより共用でき、必要な信号線の
本数が大幅に減るものとなる。
【0032】
【実施例】請求項1ないし3記載の発明の一実施例を図
1ないし図39に基づいて説明する。ここに、本実施例
の要旨の説明に先立ち、既提案による自己学習機能を持
つデジタル論理回路を用いたニューロン素子構成のニュ
ーラルネットワークについての基本的思想及びその各種
構成例について、図2ないし図38により説明する。本
実施例の前提とするニューラルネットワークは、結合係
数可変回路とこの結合係数可変回路の可変結合係数値を
教師信号に対する誤差信号に基づいて生成する結合係数
生成回路とを有する自己学習回路を付設したデジタル論
理回路による複数の神経細胞模倣素子よりなる信号処理
手段を網状に接続して構成される。
【0033】まず、提案例におけるニューラルネットワ
ークはデジタル構成によりハードウエア化したものであ
るが、基本的な考え方としては、 神経細胞ユニットに関する入出力信号、中間信号、
結合係数、教師信号などは全て、「0」「1」の2値で
表されたパルス列で表す。 ネットワーク内部での信号の量は、パルス密度で表
す(ある一定時間内の「1」の数)。 神経細胞ユニット内での計算は、パルス列同士の論
理演算で表す。 結合係数のパルス列はメモリ上に置く。 学習は、このパルス列を書換えることで実現する。 学習については、与えられた教師信号パルス列を元
に誤差を計算し、これに基づいて、結合係数パルス列を
変化させる。このとき、誤差の計算、結合係数の変化分
の計算も、全て、「0」「1」のパルス列の論理演算で
行う。 ようにしたものである。
【0034】以下、この思想について説明する。最初
に、デジタル論理回路を用いた神経細胞ユニットとその
ネットワーク回路による信号処理について説明し、次い
で、そのネットワーク回路へのアナログ信号の入出力に
ついて説明する。
【0035】まず、デジタル論理回路による信号処理に
関し、フォワードプロセスにおける信号処理を説明す
る。図2は1つの神経細胞ユニット(神経細胞模倣素
子)20に相当する部分を示し、ニューラルネットワー
ク全体としては例えば図3に示すように階層型とされ
る。入出力は、全て、「1」「0」に2値化され、か
つ、同期化されたものが用いられる。入力信号yi の強
度はパルス密度で表現し、例えば図4に示すパルス列の
ようにある一定時間内にある「1」の状態数で表す。即
ち、図4の例は、4/6を表し、同期パルス6個中に信
号は「1」が4個、「0」が2個である。このとき、
「1」と「0」の並び方は、後述するようにランダムで
あることが望ましい。
【0036】一方、各神経細胞ユニット20間の結合の
度合を示す結合係数Tijも同様にパルス密度で表現し、
「0」と「1」とのパルス列として予めメモリ上に用意
しておく。図5の例は、「101010」=3/6を表
す式である。この場合も、「1」と「0」の並び方はラ
ンダムであることが望ましい。具体的にどのように決定
するかは後述する。
【0037】そして、このパルス列を同期クロックに応
じてメモリ上より順次読出し、図2に示すように各々A
NDゲート21により入力信号パルス列との論理積をと
る(yi ∩ Tij)。これを、神経細胞jへの入力とす
る。上例の場合で説明すると、入力信号が「10110
1」として入力されたとき、これと同期してメモリ上よ
りパルス列を呼出し、順次ANDをとることにより、図
6に示すような「101000」が得られ、これは入力
i が結合係数Tijにより変換されパルス密度が2/6
となることを示している。
【0038】ANDゲート21の出力のパルス密度は、
近似的には入力信号のパルス密度と結合係数のパルス密
度との積となり、アナログ方式の結合係数と同様の機能
を有する。これは、信号の列が長いほど、また、「1」
と「0」との並び方がランダムであるほど、数値の積に
近い機能を持つことになる。ランダムでないとは、
「1」(又は、「0」)が密集(密接)していることを
意味する。なお、入力パルス列に比べて結合係数のパル
ス列が短く、読出すべきデータがなくなったら、再びデ
ータの先頭に戻って読出しを繰返えせばよい。
【0039】1つの神経細胞ユニット20は多入力であ
るので、前述した「入力信号と結合係数とのAND」も
多数あり、次に論理回路となるOR回路22によりこれ
らの論理和をとる。入力は同期化されているので、例え
ば1番目のデータが「101000」、2番目のデータ
が「010000」の場合、両者のORをとると、「1
11000」となる。これを多入力同時に計算し出力と
すると、例えば図7に示すようになる。これは、アナロ
グ計算における和の計算及び非線形関数(シグモイド関
数)の部分に対応している。
【0040】パルス密度が低い場合、そのORをとった
もののパルス密度は、各々のパルス密度の和に近似的に
一致する。パルス密度が高くなるにつれ、OR回路22
の出力は段々飽和してくるので、パルス密度の和とは一
致せず、非線形性が出てくる。ORの場合、パルス密度
は1よりも大きくなることがなく、かつ、0より小さく
なることもなく、さらには、単調増加関数であり、シグ
モイド関数と近似的に同等となる。
【0041】ところで、結合には興奮性と抑制性があ
り、数値計算の場合には、結合係数の符号で表し、アナ
ログ回路の場合はTijが負となる場合(抑制性結合)は
増幅器を用いて出力を反転させてTijに相当する抵抗値
で他の神経細胞ユニットに結合させている。この点、デ
ジタル方式の本実施例にあっては、まず、Tijの正負に
より各結合を興奮性結合と抑制性結合との2つのグルー
プに分け、次いで、「入力信号と結合係数のパルス列の
AND」同士のORをこのグループ別に計算する。そし
て、興奮性結合グループの出力のみが「1」のとき、
「1」を出力し、抑制性結合グループの出力のみが
「1」のとき、「0」を出力する。両方とも「1」のと
き、又は「0」のときは「1」「0」の何れを出力して
もよく、或いは、確率1/2程度で「1」を出力しても
よい。本例では、興奮性結合グループの出力が「1」で
抑制性結合グループの出力が「0」のときのみ出力
「1」を出すようにする。この機能を実現するために
は、(抑制性結合グループの出力のNOT)と(興奮性
結合グループの出力)とのANDをとればよい。即ち、
図8に示すようになる。論理式で表現すると、次の(3)
〜(5)式で示される。
【0042】
【数3】
【0043】神経細胞ユニット20のネットワークは、
バックプロパゲーションと同様な階層型(即ち、図3)
とする。そして、ネットワーク全体を同期させておけ
ば、各層とも上述した機能により計算できる。
【0044】一方、Tijの正負により各結合を興奮性結
合と抑制性結合との2つのグループに分け、次いで、
「入力信号と結合係数のパルス列のAND」同士のOR
をこのグループ別に計算し、その後、興奮性結合グルー
プの出力が「0」で抑制性結合グループの出力が「1]
のとき以外出力を出すようにする場合であれば、(抑制
性結合グループの出力のNOT)と(興奮性結合グルー
プの出力)とのORをとればよい。
【0045】次に、学習(バックプロパゲーション)に
おける信号演算処理について説明する。基本的には、以
下のa又はbにより誤差信号を求め、次いで、cの方法
により結合係数の値を変化させるようにすればよい。
【0046】まず、aとして最終層における誤差信号に
ついて説明する。最終層で各神経細胞ユニットにおける
誤差信号を計算し、それを基にその神経細胞ユニットに
関わる結合係数を変化させる。そのための、誤差信号の
計算法について述べる。ここに、本実施例では、「誤差
信号」を以下のように定義する。誤差を数値で表すと、
一般には+,−の両方をとり得るが、パルス密度の場合
には、正、負の両方を同時に表現できないので、+成分
を表す信号と、−成分を表す信号との2種類を用いて誤
差信号を表現する。即ち、j番目の神経細胞ユニットの
誤差信号は、図9のように示される。つまり、誤差信号
の+成分は教師信号パルスと出力パルスとの違っている
部分(1,0)又は(0,1)の内、教師信号側に存在
するパルス、他方、−成分は同様に出力側に存在するパ
ルスである。換言すれば、出力パルスに誤差信号+パル
スを付け加え、誤差信号−パルスを取り除くと、教師パ
ルスとなることになる。即ち、これらの正負の誤差信号
δj(+),δj(-)を論理式で表現すると、各々(6)(7)式
のようになる。式中、EXORは排他的論理和を表す。
このような誤差信号パルスを元に結合係数を後述するよ
うに変化させることになる。
【0047】
【数4】
【0048】次に、bとして中間層における誤差信号を
求める方法を説明する。まず、上記の誤差信号を逆伝播
させ、最終層とその1つ前の層との結合係数だけでな
く、さらにその前の層の結合係数も変化する。そのた
め、中間層における各神経細胞ユニットでの誤差信号を
計算する必要がある。中間層のある神経細胞ユニットか
ら、さらに1つ先の層の各神経細胞ユニットへ信号を伝
播させたのとは、丁度逆の要領で1つ先の層の各神経細
胞ユニットにおける誤差信号を集めてきて、自己の誤差
信号とする。このことは、神経細胞ユニット内での前述
した演算式(3)〜(5)や図4〜図8に示した場合と同じ
ような要領で行うことができる。ただし、神経細胞ユニ
ット内での前述した処理と異なるのは、yは1つの信号
であるのに対して、δは正、負を表す信号として2つの
信号を持ち、その両方の信号を考慮する必要があること
である。従って、結合係数Tの正負、誤差信号δの正負
に応じて4つの場合に分ける必要がある。
【0049】まず、興奮性結合の場合を説明する。この
場合、中間層のある神経細胞ユニットについて、1つ先
の層(図3における最終層)のk番目の神経細胞ユニッ
トでの誤差信号+と、その神経細胞ユニットと自己(図
3における中間層のある神経細胞ユニット)との結合係
数のANDをとったもの(δk(+) ∩ Tjk)を各神経細
胞ユニットについて求め、さらに、これら同士のORを
とる{∪(δk(+) ∩Tjk)}。これをこの層の誤差信
号+とする。即ち、図10に示すようになる。
【0050】同様に、1つ先の層の神経細胞ユニットで
の誤差信号−と結合係数とのANDをとり、さらにこれ
ら同士のORをとることにより、この層の誤差信号−と
する。即ち、図11に示すようになる。
【0051】次に、抑制性結合の場合を説明する。この
場合、1つ先の層の神経細胞ユニットでの誤差信号−と
その神経細胞ユニットと自己との結合係数のANDをと
り、さらにこれら同士のORをとる。これを、この層の
誤差信号+とする。即ち、図12に示すようになる。
【0052】また、1つ先の誤差信号+と結合係数との
ANDをとり、さらにこれら同士のORをとることによ
り、同様に、この層の誤差信号−とする。即ち、図13
に示すようになる。
【0053】1つの神経細胞ユニットから別の神経細胞
ユニットへは興奮性で結合しているものもあれば、抑制
性で結合しているものもあるので、図10のように求め
た誤差信号δj(+)と図12のように求めた誤差信号δ
j(+)とのORをとり、それを自分の神経細胞ユニットの
誤差信号δj(+)とする。同様に、図11のように求めた
誤差信号δj(-)と図13のように求めた誤差信号δj(-)
とのORをとり、それを自分の神経細胞ユニットの誤差
信号δj(-)とする。
【0054】以上をまとめると、(8)式に示すようにな
る。
【0055】
【数5】
【0056】さらに、学習のレート(学習定数)に相当
する機能を設けてもよい。数値計算でレートが1以下の
とき、さらに学習能力が高まる。これはパルス列の演算
ではパルス列を間引くことによって実現できる。本実施
例では、カウンタ的な考え方をし、図14、図15に示
すようなものとした。例えば、学習レートη=0.5で
は元の信号のパルス列を1つ置きに間引くが、元の信号
のパルスが等間隔でなくても、元のパルス列に対して間
引くことができる。図14,17中、η=0.5の場合
はパルスを1つ置きに間引き、η=0.33の場合はパ
ルスを2つ置きに残し、η=0.67の場合はパルスを
2つ置きに1回間引くことを示す。
【0057】このようにして、誤差信号を間引くことに
より学習レートの機能を持たせる。このような誤差信号
の間引きは、通常市販されているカウンタの出力を論理
演算することやフリップフロップを用いることにより容
易に実現できる。特に、カウンタを用いた場合、学習定
数ηの値を任意、かつ、容易に設定できるので、ネット
ワークの特性を制御することも可能となる。
【0058】ところで、誤差信号には、常に学習定数を
かけておく必要はない。例えば、次に述べる結合係数を
求める演算にのみ用いてもよい。また、誤差信号を逆向
きに伝播させるときの学習定数と、結合係数を求める演
算で用いる学習定数とは異なっていてもよい。このこと
は、ネットワークがおかれた神経細胞ユニットの特性を
個々に設定できることを意味し、極めて汎用性の高いシ
ステムを構築できる。従って、ネットワークの持つ性能
を適宜調整することが可能となる。
【0059】さらに、cとして、このような誤差信号に
より各結合係数を変化させる方法について説明する。変
化させたい結合係数が属しているライン(図3参照)を
流れる信号と誤差信号のANDをとる(δj∩yi)。た
だし、本実施例では誤差信号には+,−の2つの信号が
あるので、各々演算して図16,図17に示すように求
める。このようにして得られた2つの信号を各々ΔT
ij(+),ΔTij(-)とする。
【0060】ついで、今度はこのΔTijを元に新しいT
ijを求めるが、このTijは絶対値成分であるので、元の
ijが興奮性か抑制性かで場合分けする。興奮性の場
合、元のTijに対してΔTij(+)の成分を増やし、ΔT
ij(-)の成分を減らす。即ち、図18に示すようにな
る。逆に、抑制性の場合は元のTijに対しΔTij(+)
成分を減らし、ΔTij(-)の成分を増やす。即ち、図1
9に示すようになる。
【0061】以上の学習則に基づいてネットワークの計
算をする。
【0062】次に、以上のアルゴリズムに基づく実際の
回路構成を説明する。図20ないし図22にその回路構
成例を示すが、ネットワーク2全体の構成は図3と同様
である。図20は図3中のライン(結線)に相当する部
分の回路を示し、図21は図3中の丸(各神経細胞ユニ
ット20)に相当する部分の回路を示す。また、図22
は最終層の出力と教師信号から最終層における誤差信号
を求める部分の回路を示す。これらの図20ないし図2
2構成の3つの回路を図3のようにネットワークにする
ことにより、自己学習可能なデジタル式のニューラルネ
ットワークが実現できる。
【0063】まず、図20から説明する。図中、25は
神経細胞ユニットへの入力信号であり、図4に相当す
る。図5に示したような結合係数の値はシフトレジスタ
26に保存しておく。このシフトレジスタ26は取出し
口26aと入口26bとを有するが、通常のシフトレジ
スタと同様の機能を持つものであればよく、例えば、R
AMとアドレスコントローラとの組合せによるもの等で
あってもよい。入力信号25とシフトレジスタ26内の
結合係数とはANDゲート27を備えて図6に示した処
理を行なう論理回路28によりANDがとられる。この
論理回路28の出力は結合が興奮性か抑制性かによって
グループ分けしなければならないが、予め各々のグルー
プへの出力29,30を用意し、何れに出力するのかを
切換えるようにした方が汎用性の高いものとなる。この
ため、本実施例では結合が興奮性か抑制性かを表すビッ
トをグループ分け用メモリ31に保存しておき、その情
報を用いて切換えゲート回路32により切換える。切換
えゲート回路32は2つのANDゲート32a,32b
と一方の入力に介在されたインバータ32cとよりな
る。
【0064】また、図21に示すように各入力処理(図
7に相当)をする複数のORゲート構成のゲート回路3
3a,33bが設けられている。さらに、同図に示すよ
うに図8に示した興奮性結合グループが「1」で、抑制
性結合グループが「0」のときにのみ出力「1」を出す
ANDゲート34aとインバータ34bとによるゲート
回路34が設けられている。
【0065】次に、誤差信号について説明する。最終層
での誤差信号を生成するのが図22に示すAND,排他
的ORの組合せによる論理回路35であり、(6)(7)式
に相当する。即ち、最終層からの出力36及び教師信号
37により誤差信号38,39を作るものである。中間
層における誤差信号を計算するため図10〜図13に示
したような処理は、図20中に示すANDゲート構成の
ゲート回路42により行われ、+,−に応じた出力4
3,44が得られる。このように結合が興奮性か抑制性
かにより場合分けする必要があるが、この場合分けはメ
モリ31に記憶された興奮性か抑制性かの情報と、誤差
信号の+,−信号45,46とに応じて、AND,OR
ゲート構成のゲート回路47により行われる。また、誤
差信号を集める計算式(8)は図21に示すORゲート構
成のゲート回路48により行われる。さらに、学習レー
トに相当する図14,15の処理は図21中に示す分周
回路49により行われる。最後に、誤差信号より新たな
結合係数を計算する部分、即ち、図16〜図19の処理
に相当する部分は、図20中に示すAND,インバー
タ、ORゲート構成のゲート回路50により行われ、シ
フトレジスタ26の内容、即ち、結合係数の値が書換え
られる。このゲート回路50も結合の興奮性、抑制性に
よって場合分けが必要であるが、ゲート回路47により
行われる。
【0066】ここに、図20及び図21に示したグルー
プ分け方式及び出力決定方式を抽出して示すと、図23
のようになる。即ち、入力段階ではグループ分けしてお
かず、各入力25ijに対して結合係数を記憶したメモリ
なるシフトレジスタ26ijが個別に設けられ、ANDゲ
ート27ijによる論理結果をグループ分け用メモリ31
の内容に応じて切換え回路32を経て、2つのグループ
に分け、興奮性結合グループであればORゲート33a
側で論理和を求め、抑制性結合グループであればORゲ
ート33b側で論理和を求める。この後、ゲート回路3
4による論理積処理により出力を決定するというもので
ある。
【0067】なお、このような興奮性結合と抑制性結合
とのグループ分け方式については、例えば図24に示す
ように構成してもよい。即ち、入力段階で予め興奮性結
合のグループaと抑制性結合のグループbとにグループ
分けしておき、各入力25ijに対して結合係数Tijを記
憶した少なくとも2ビット以上のメモリ、具体的にはシ
フトレジスタ51を設けたものである。以後は、グルー
プ毎にORゲート33a,33b等を通して同様に処理
すればよい。52はANDゲートである。
【0068】また、ゲート回路34については、図25
に示すように、ANDゲート34aに代えてORゲート
34cを用いた構成として論理和処理を行なうようにし
てもよい。
【0069】また、図26に示すように、結合係数可変
回路で用いる学習定数を外部から任意に可変設定させる
学習定数設定手段62を設けるようにしてもよい。即
ち、前述の〜に示した基本的な考えに、 で示した学習時に用いる学習定数(学習レート)
を可変とし、応用面に即した性能のネットワーク回路を
得る。 の機能を付加するようにしたものである。
【0070】まず、この学習定数設定手段62は図21
中に示した分周回路49に代えて設けられるもので、誤
差信号が入力されるカウンタ63と、このカウンタ63
の出力を論理演算して学習定数の処理を行うORゲート
64〜67及び1つのANDゲート68とよりなる。よ
り詳細には、カウンタ63のバイナリ出力A〜Dに接続
されたORゲート64〜67の各々の入力側に設けたス
イッチSa〜Sdを全てHレベル側にするとη=1.0
となり、スイッチSa〜Sdを全てLレベル側にすると
η=1/16となる。よって、Hレベル側になっている
スイッチの数をNとすると、η=(2のN乗)/16と
なる。従って、スイッチ(或いは、スイッチに代えた外
部信号)を用いることにより、学習定数を任意に設定す
ることができる。なお、パルス密度をカウンタ63のク
ロック入力として用いる場合、誤差信号の入力に対して
ANDゲート69を適宜設けてもよい。学習定数設定手
段62はこのような回路構成に限らない。また、このよ
うな学習定数設定手段62を複数備えるか、又は、外部
信号により適宜制御することにより、結合係数の演算に
用いる学習定数の値と、誤差信号の逆伝播に用いる学習
定数の値とを異ならせることも可能となる。
【0071】さらに、図27ないし図29に示すように
構成してもよい。即ち、前述のように〜に示した基
本的な考えに、 結合係数を、興奮性と抑制性との2種類用意してお
き、入力信号に対する演算結果を、各々の結合係数を用
いた結果の割合から多数決で決定し、ネットワークの柔
軟性を高める。 の機能を付加するようにしたものである。
【0072】まず、1つの神経細胞ユニットは、興奮性
と抑制性との2つの結合係数を備えているが、「入力信
号と結合係数とのAND」による出力結果を、興奮性結
合の場合と抑制性結合の場合との割合で処理するように
したものである。ここに、割合で処理するとは、同期し
て演算される複数の入力信号について、興奮性の結合係
数を用いて得られた出力結果が「1」である場合の数
と、抑制性の結合係数を用いて得られた出力結果が
「1」である場合の数とを比較し、後者が前者より多い
場合は「0」、それ以外の場合は「1」を、その神経細
胞ユニットが出力することを意味する。或いは、両者が
等しい場合は「0」を出力するようにしてもよい。
【0073】図27及び図28はこのための回路構成例
を示すものである。まず、各入力25に対しては個別に
1組ずつのメモリ、具体的にはシフトレジスタ70a,
70bが設けられている。これらのシフトレジスタ70
a,70bはシフトレジスタ26と同様にデータ取出し
口とデータ入口とを有するものであるが、一方のシフト
レジスタ70aは興奮性結合係数を記憶し、他方のシフ
トレジスタ70bは抑制性結合係数を記憶したものであ
る。これらのシフトレジスタ70a,70bから読出し
手段(図示せず)により順次読出された内容は入力25
とともに対応するANDゲート71a,71bに入力さ
れ論理積がとられる。このような論理結果は、結合が興
奮性のものと抑制性のものと2通りあるが、ここでは、
多数決回路72に入力されて出力が決定される。即ち、
シフトレジスタ70aに基づく興奮性結合係数を用いた
演算グループはそのデジタル信号が増幅器73aにより
加算処理され、同様にシフトレジスタ70bに基づく抑
制性結合係数を用いた演算グループはそのデジタル信号
が増幅器73bにより加算処理され、両者の大小が比較
器74により多数決決定される。なお、多数決回路72
は図示例に限らず、一般的な多数決回路であってもよ
い。
【0074】ここに、図27に示したグループ分け方式
を抽出して示すと、図29のようになる。即ち、各入力
毎に興奮性結合と抑制性結合との結合係数を記憶した1
組のメモリ(シフトレジスタ)90を用意して、メモリ
の組別に分けられたグループ別に論理積を求めるまでの
処理を行わせるものである。
【0075】なお、図29図示例では多数決回路72に
代えて、図23や図24の場合と同じく、グループ別に
論理和をとるORゲート33a,33b以下が示されて
いる。この場合のゲート回路34も図25のようにして
もよい。
【0076】ところで、図29にあっては各入力25毎
に1組のシフトレジスタ70a,70bを持つため、自
己学習機能による結合係数の書換えも各々のシフトレジ
スタ70a,70bについて行われる。このため、図2
7中に示すように+,−の誤差信号を用いて、新たな結
合係数を計算するための図10〜図13及び(8)式の処
理を行う自己学習回路75が設けられ、各シフトレジス
タ70a,70bのデータ入口側に接続されている。こ
の方式によれば、神経細胞ユニットの結合が、興奮性か
抑制性かに限定されないため、ネットワークが柔軟性を
持ち、実際の応用において汎用性を持つことになる。
【0077】図28の場合の分周回路49も図26に示
したような学習定数設定手段62に代えてもよい。
【0078】また、多数決回路72による出力決定方式
は、図27に示したように各入力毎に2つのメモリ(シ
フトレジスタ70a,70b)を持つ方式のものに限ら
ず、各入力毎に1つのメモリ26を持つものにも同様に
適用できる。即ち、図20と図21との組合せに代え
て、図20と図28との組合せとしてもよい。
【0079】さらには、図30ないし図34に示すよう
に構成してもよい。即ち、図2ないし図29に示したよ
うな回路(以下、ニューロン回路)によって構成される
神経細胞模倣素子及びそのネットワーク(回路網)につ
いて、より上位概念で考えた場合、これらの全てを回路
で構成しなくても前述した手順に従ったソフトウエアに
より信号処理するようにしてもよく、その一例を示すも
のである。
【0080】即ち、ネットワークを構成するニューロン
の機能をソフトウエアで実現するようにしたものであ
る。まず、図3に示したようなネットワークの場合、こ
のネットワークを構成する任意のニューロンにおいてソ
フトウエアにより信号処理を行なう。ソフトウエアを利
用するニューロンは、1つでも全てであってもよく、或
いは、ネットワークを形成する各層毎に決定してもよ
い。ニューロン回路による信号処理を行なわないニュー
ロンの構成を図30に示す。ここで、入出力装置81は
ニューロン回路を用いた他のニューロン或いはネットワ
ークへ信号を入力/出力する装置に接続し、信号の授受
を行なう。メモリ82にはCPU83を制御するソフト
ウエアやデータが格納されており、信号はCPU83で
処理される。信号処理の手順は前述した通りであるが、
改めて示すと図31及び図32のようになる。図31は
フォワードプロセスにおけるアルゴリズムを示し、デジ
タル回路内又はコンピュータ内でこのような信号演算処
理が行なわれる。図31に示す処理中のニューロンの前
後関係を示すと図33のようになる。図32は学習演算
プロセスにおけるアルゴリズムを示し、デジタル回路内
又はコンピュータ内でこのような信号演算処理が行なわ
れる。図32に示す処理中のニューロンの前後関係を示
すと図34のようになる。このような図31及び図32
に示した手順に従ってソフトウエアを作成し、メモリ8
2に格納しておく。ここに、ソフトウエアにより図30
のニユーロンの1つを複数のニューロン分として機能さ
せることも可能である。もっとも、信号を時分割して処
理する必要がある。
【0081】このような構成をとることにより、ハード
ウエアによる変更を行なわず、メモリ82を書換えるだ
けで、ネットワーク構成を変更させることができ、柔軟
性及び汎用性に富んだネットワークを構築することがで
きる。
【0082】さらに、図35に示すように構成してもよ
い。これは、1つのニューロンにおいて機能の一部をソ
フトウエアで実行するようにしたものである。即ち、図
30に示した構成において、図31に示した信号処理手
順を基にしたソフトウエアをメモリ82に格納すること
でフォワードプロセスの実行が可能なソフトウエアを利
用したニューロンを実現することができる。学習機能を
持つニューロンを実現するには、入出力装置81に図2
0又は図27に示したような回路を付加すればよい。何
れの場合も、図21の右半分と図22に示した回路部分
は必要である。図26に示した回路は適宜設ければよ
い。図35はこのような学習機能を持たせるための回路
を学習回路84として示したものである。この場合も、
ソフトウエアの変更だけでネットワーク構成の変更が可
能となり、柔軟性及び汎用性に富むネットワークの構築
が可能となる。
【0083】また、実際的に考えた場合、通常の電子機
器にはCPUが予め搭載されている場合が多いので、図
30に示すような構成要素を新規に設けなくてもよいと
いえる。さらに、学習機能が不要なシステムであれば、
ハードウエアの量を大幅に減らすこともできる。
【0084】また、図36に示すように、学習プロセス
機能をソフトウエアで実現するようにしてもよい。図3
0に示した構成において、図32に示した信号処理手順
を基にしたソフトウエアをメモリ82に格納することで
学習プロセスの実行が可能なソフトウエアを利用したニ
ューロンを実現することができる。フォワードプロセス
機能を持つニューロンを実現するには、入出力装置81
に図20及び図21に示した回路、或いは、図20及び
図28に示したような回路を付加すればよい。図25に
示した回路は適宜設ければよい。図36はこのようなフ
ォワードプロセス機能を持たせるための回路をフォワー
ド回路85として示したものである。この場合も、ソフ
トウエアの変更だけでネットワーク構成の変更が可能と
なり、柔軟性及び汎用性に富むネットワークの構築が可
能となる。特に、学習則の変更に対する対応も容易なも
のとなる。また、この場合も、通常の電子機器ではCP
Uが予め搭載されている場合が多い点に着目すれば、図
30に示すような構成要素を新規に設けなくてもよいと
いえる。さらに、学習機能が不要なシステムであれば、
ハードウエアの量を大幅に減らすこともできる。
【0085】これらのソフトウエアを利用した実施例に
よれば、信号処理方式としてデジタル論理演算のみで実
行できるため、必要とするソフトウエアも低水準の言語
によるものでよく、かつ、ソフトウエアの高速実行も可
能となる。
【0086】ところで、ニューロンのネットワーク構造
としては、図3に示したようなものの他、例えば図37
や図38に示すような構造のものでもよい。図37は入
力側から順に第1の集合体90、中間集合体91、最終
集合体92としたとき(図3にあってもこのように集合
体を分類できる)、ある集合体に含まれる神経細胞ユニ
ット20(○は各々論理演算手段を示す)が他の集合体
に含まれる神経細胞ユニット20の全てとは接続されて
いない状態を示す。図3においてはある集合体内の全て
の神経細胞ユニット20は別の集合体内の全ての神経細
胞ユニットとの間で相互に信号の送受信を行なうもので
あるが、図37に示すように集合体間は各々の集合体内
の神経細胞ユニット20を全結合しなくてもよい。
【0087】図38は第1の集合体90と最終集合体9
2との間に2層の中間集合体93,94を用いて4層構
造としてネットワーク構成したものである。一般的に
は、中間集合体を適宜の数だけ設けてもよい。
【0088】また、これらの図37,図38及び図3で
は、何れも各集合体に含まれる神経細胞ユニット20の
数が4個として図示されているが、これらの数は実施例
中の具体例で説明したごとく、任意であり、各集合体毎
に神経細胞ユニット数が異なってもよい。
【0089】何れにしても、このような構成例に示した
ような構成からなるニューラルネットワークを用いて処
理すれば、時間的に変化する入力に対しても実時間で学
習が可能となり、制御対象を的確に制御することができ
る。
【0090】以上、ニューロデバイスの各種構成例につ
いて説明したが、これらを網目状に結合させてニューラ
ルネットワークを構成するが、この際、あるニューロン
からの出力結果は他のニューロンへ入力させてもよく、
又は、自分自身に入力させてもよい。
【0091】ところで、前述したような神経細胞ユニッ
ト20によって実際に網状にネットワークを組む場合、
例えば入力層、中間層及び出力層の何れもが3つずつの
3層構造のネットワークの場合、図39に示すような結
線となる。同図(a)はフォワードプロセス処理のための
信号用の結線95を示している。即ち、各神経細胞ユニ
ット20間は1本の結線95により結ばれており、ある
神経細胞ユニット20からの出力信号が次段のある神経
細胞ユニット20への入力信号とされている。同図(b)
は学習プロセス処理のための誤差信号用の結線96,9
7を示している。即ち、各神経細胞ユニット20間は2
本の結線96,97により結ばれており、ある神経細胞
ユニット20からの出力誤差信号が前段のある神経細胞
ユニット20への入力誤差信号とされている。よって、
各神経細胞ユニット20間の結線の総数は3本となり、
多数の神経細胞ユニットによりネットワークを組むとそ
の結線数は膨大な数となる。
【0092】しかして、本実施例では、このような結線
を減らすようにしたものである。具体的には、各神経細
胞ユニット20間を結ぶ結線は2本ずつとして、フォワ
ードプロセス用と学習プロセス用とで共用するようにし
たものである。図1(a)はそのためのニューロン回路9
8の構成を示す。ニューロン回路98中の神経細胞ユニ
ット20は前述したような構成のものであり、その入出
力側に各々信号切換え手段としての信号切換え装置9
9,100が設けられて、ニューロン回路98が構成さ
れている。ここに、神経細胞ユニット20・信号切換え
装置99間及び神経細胞ユニット20・信号切換え装置
100間は図39に示した結線95,96,97なる3
本の線により内部接続され、信号切換え装置99と他の
(例えば、前段の)ニューロン回路98との間は2本の
結線101,102により接続され、同様に信号切換え
装置100と他の(例えば、後段の)ニューロン回路9
8との間も2本の結線101,102により接続されて
いる。
【0093】これにより、神経細胞ユニット20におい
て、フォワードプロセスでは、結線101,102の内
の一方、例えば結線101と内部の結線95を利用し
て、あるニューロン回路98からの出力信号103があ
るニューロン回路98への入力信号104として与えら
れる。このための結線切換え処理は信号切換え装置9
9,100により行われる。一方、学習プロセスでは、
信号切換え装置99,100の状態が切換えられ、結線
101,102の両方と、内部の結線96,97とが接
続状態とされ、あるニューロン回路98からの出力誤差
信号105,106(正,負があるため)があるニュー
ロン回路98への入力誤差信号107,108として与
えられる。ここに、フォワードプロセスと学習プロセス
とをシリアルに行うことにより、このような2本のみの
結線101,102を共用できるものとなる。
【0094】そして、信号切換え装置99,100によ
り現在のネットワークの状態(フォワードプロセスか学
習プロセスか)によってニューロン回路98の入出力信
号を切換えればよい。図1(b)に信号切換え装置99の
具体的な構成例を示す。まず、結線97と結線102と
は直に接続されている。また、結線101は結線95,
96で切換え共用するもので、3ステートバッファ10
9により切換え制御される。その切換え制御のため、制
御信号110,111によってネットワークの状態の情
報が伝えられる。フォワードプロセスであれば、結線1
01からの信号は入力信号104として神経細胞ユニッ
ト20へ入力される。この時、入力信号(フォワード信
号)の値はメモリ112に保存される。学習プロセスの
場合には神経細胞ユニット20からの出力誤差信号10
5,106は結線101,102で前段のニューロン回
路98へ送られる。この時、メモリ112に保存されて
いた値を入力信号104として神経細胞ユニット20へ
伝送する。
【0095】図1(c)に信号切換え装置100の具体的
な構成例を示す。信号切換え装置99と同様に、結線1
02,97は直に接続されている。また、結線101は
結線95,96で切換え共用するもので、3ステートバ
ツファ113により切換え制御される。フォワードプロ
セスの場合、出力信号(フォワード信号)103は結線
101により後段のニューロン回路98へ送られる。ま
た、学習プロセスの場合には、結線101,102上の
信号を入力誤差信号107,108として神経細胞ユニ
ット30へ入力させる。
【0096】なお、信号切換え装置99,100の構成
としては、図1(b)(c)に例示のものに限らず、同等の
切換え機能を発揮し得るものであればよい。また、信号
処理の全てのハードウエア構成により達成するようにし
てもよく、又は、その一部或いは全部をソフトウエアに
より達成するようにしてもよい。
【0097】つづいて、請求項4ないし9記載の発明の
一実施例を図40ないし図44により説明する。前記実
施例で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示す
(以下の実施例でも同様とする)。本実施例も、結線数
を減らすようにしたものであり、具体的には、結線部分
に相当する図20に対応させた図40中に示すようにゲ
ート回路20の出力側に誤差信号出力手段118を設
け、正負2種類の誤差信号43,44が共通の1本の出
力線から出力されるようにしたものである。ここに、誤
差信号出力手段118はゲート回路20の2出力の各々
に設けた3ステートバッファ119,120とこれらの
3ステートバッファ119,120を時分割で切換え制
御する制御信号121,122により構成されている。
即ち、+の誤差信号43を送出するか−の誤差信号44
を送出するかは、1パルスずつ交互となるように制御信
号121,122により切換え制御される。よって、あ
る神経細胞ユニット20により生成された+,−の誤差
信号43,44は誤差信号出力手段118を通して1本
の結線にて、図41に示すように、前段のある神経細胞
ユニットに誤差信号38,39として入力される。
【0098】神経細胞ユニット20においては、図21
に対応させた図41に示すように、時分割状態で共通に
入力される誤差信号38,39に対して、これを並列な
誤差信号45,46に変換するための誤差信号入力手段
123が付加されている。この誤差信号入力手段123
はゲート回路48に対して接続された+用のメモリ12
4と、−用の3ステートバッファ125と、この3ステ
ートバッファ125を切換え制御する制御信号126に
より構成されている。
【0099】ある時刻で入力されてくる誤差信号は全て
+か−かの何れかである。誤差信号が+である場合(誤
差信号38の場合)、ゲート回路48、分周回路49に
よる演算結果はメモリ124に保存される。この時、3
ステートバッファ125は制御信号126によりハイイ
ンピーダンスとされる。次の時刻でこの神経細胞ユニッ
ト20に入力されてくるのは−の誤差信号39であり、
ゲート回路48、分周回路49による演算結果を、3ス
テートバッファ125をon状態にすることにより、誤
差信号46として送出する。この時、先程メモリ124
に保存されていた値を誤差信号45として送出する。即
ち、誤差信号45,46が並列信号となって送出され
る。
【0100】このような図40及び図41に示す神経細
胞ユニット20の構成によれば、ユニット20間で入出
力する+,−の誤差信号についての結線が1本で済むこ
とになり、図43(b)に示した結線96,97のように
2本は要らないものとなる。なお、誤差信号出力手段1
18や誤差信号入力手段123の具体的な構成としては
図示例に限らず、同等の機能を発揮し得るものであれば
よい。
【0101】ところで、図40及び図41は学習プロセ
スのみを考慮したものであるが、フォワードプロセスを
も考慮した場合にも、ユニット間の結線を1本のみに減
らすことが可能となる。具体的には、フォワードプロセ
ス用と学習プロセス用とで1本の結線127を共用する
ようにしたものである。図42はそのためのニューロン
回路128の構成を示す。ニューロン回路128中の神
経細胞ユニット20は前述したような構成のものであり
(誤差信号出力手段118や誤差信号入力手段123を
備えている)、その入出力側に各々信号切換え手段とし
ての信号切換え装置129,130が設けられて、ニュ
ーロン回路128が構成されている。ここに、神経細胞
ユニット20・信号切換え装置129間及び神経細胞ユ
ニット20・信号切換え装置130間は図39に示した
結線95,96,97なる3本の線により内部接続さ
れ、信号切換え装置129と他の(例えば、前段の)ニ
ューロン回路128との間は1本の結線127により接
続され、同様に信号切換え装置130と他の(例えば、
後段の)ニューロン回路128との間も1本の結線12
7により接続されている。
【0102】これにより、神経細胞ユニット20におい
て、フォワードプロセスでは、結線127と内部の結線
95を利用して、あるニューロン回路128からの出力
信号131があるニューロン回路128への入力信号1
32として与えられる。このための結線切換え処理は信
号切換え装置129,130により行われる。一方、学
習プロセスでは、信号切換え装置129,130の状態
が切換えられ、結線127と、内部の結線96,97と
が接続状態とされ、あるニューロン回路128からの出
力誤差信号43,44(正,負があるため)があるニュ
ーロン回路128への入力誤差信号45,46として与
えられる。ここに、フォワードプロセスと学習プロセス
とをシリアルに行うことにより、このような1本のみの
結線127を共用できるものとなる。
【0103】そして、信号切換え装置129,130に
より現在のネットワークの状態(フォワードプロセスか
学習プロセスか)によってニューロン回路128の入出
力信号を切換えればよい。図43に信号切換え装置12
9の一部の具体的な構成例を示す。この図43に示す構
成と前記誤差信号出力手段118とにより信号切換え装
置129が構成されている。図43において、結線12
7は結線95〜97(信号としては、信号132又は信
号43,44)で切換え共用するもので、3ステートバ
ッファ133,134により切換え制御される。その切
換え制御のため、制御信号135,136によってネッ
トワークの状態の情報が伝えられる。フォワードプロセ
スであれば、結線127からの信号は入力信号132と
して神経細胞ユニット20へ入力される。この時、入力
信号(フォワード信号)の値はメモリ137に保存され
る。学習プロセスの場合には神経細胞ユニット20から
の出力誤差信号43,44は結線127で前段のニュー
ロン回路128へ送られる。この時、メモリ137に保
存されていた値を入力信号132として神経細胞ユニッ
ト20へ伝送する。
【0104】図44に信号切換え装置130の一部の具
体的な構成例を示す。この図44に示す構成と前記誤差
信号入力手段123とにより信号切換え装置130が構
成されている。図44において、結線127は結線95
〜96(信号としては、信号131又は信号45,4
6)で切換え共用するもので、3ステートバッファ13
8,139により切換え制御される。フォワードプロセ
スの場合、出力信号(フォワード信号)131は結線1
27により後段のニューロン回路128へ送られる。ま
た、学習プロセスの場合には、結線127上の信号を入
力誤差信号45,46として神経細胞ユニット20へ入
力させる。
【0105】なお、信号切換え装置129,130の構
成としては、図43,図44に例示のものに限らず、同
等の切換え機能を発揮し得るものであればよい。また、
信号処理の全てのハードウエア構成により達成するよう
にしてもよく、又は、その一部或いは全部をソフトウエ
アにより達成するようにしてもよい。
【0106】さらに、請求項10ないし18記載の発明
の一実施例を図45ないし図48により説明する。本実
施例では、各神経細胞ユニット間の入出力を時分割方式
で行い、バスを利用することで結線数を減らすようにし
たものである。ここに、例えば図20に示した回路は、
その神経細胞ユニット20が他の神経細胞ユニット20
に結合している分だけの回路が必要となるが、ユニット
間の入出力を時分割とすることで、結合数に関係なく、
図20に示した回路は1つの神経細胞ユニット20につ
いて1つで済むものとなる。もっとも、図20の回路に
よる場合、誤差信号を出力する神経細胞ユニット20と
その誤差信号を入力する神経細胞ユニット20との関係
が1対1となり、フォワードプロセスに比べ学習プロセ
スの処理時間が大幅にかかってしまう。
【0107】そこで、まず、本実施例では、図20の回
路に代えて、図45に示す回路を用いるものとする。こ
の図45は、図20の場合と異なり、ゲート回路42を
省略し、ゲート回路47を通して誤差信号45,46を
そのまま誤差信号43,44として出力させるようにし
たものである。このような図45に示す回路であって
も、時分割方式では、1つの神経細胞ユニット20につ
いて1つで済むものとなる。また、本実施例では、図2
1に示した回路に代えて、図46に示す回路を用いるも
のである。回路構成及び作用については後述するが、第
1の特徴点は、図20の場合と同様に、結合係数値に対
するメモリ(シフトレジスタ等でよい)140を有する
論理回路(結合係数可変回路)141、ゲート回路14
2及びゲート回路(結合係数生成回路)143を誤差信
号38,39に対して設けたものである。即ち、1つの
神経細胞ユニット20に、前段用の神経細胞ユニット2
0に対する結合係数値と後段用の神経細胞ユニット20
に対する結合係数値とを保持し、使用可能とされてい
る。
【0108】このような図45及び図46の回路構成を
含む多数の神経細胞ユニット20は、例えば図47に示
すように、1本の共通なバス144に対して各々の入力
線145と出力線146とにより接続されている。即
ち、各神経細胞ユニット20の入出力を時分割で行うこ
とにより、共通のバス144を使用できるものである。
ここに、入力線145、出力線146はともに1本ずつ
のみを示すが、フォワードプロセスにおける入出力信号
及び学習プロセスにおける正負2種類の誤差信号のため
に、実際は、各々3本ずつの結線が用意されている。入
出力個々に3本ずつ、計6本の結線を要するとしても、
対神経細胞ユニットで設ける必要がないので、必要な結
線数はネットワーク全体では大幅に減少するものとな
り、柔軟なネットワーク構造を構築できる。
【0109】ついで、図45及び図46の構成及び作用
とともに、図47を参照して、フォワードプロセスにお
ける信号の流れを説明する。まず、ある神経細胞ユニッ
ト20からの出力信号は出力線146を通してバス14
4に送られる。この出力信号を入力すべき複数の神経細
胞ユニット20では、バス144及び入力線145を通
して同時に信号を受ける。信号を入力する/しないの選
択は、図20の回路に対して例えば3ステートバッファ
を用いて入力信号25を通すか通さないかを決める制御
装置及び通過した信号を保持して学習時にその信号値を
用いることを可能とするラッチ(何れも図示せず)を設
置することで行えばよい。また、シフトレジスタ26は
メモリとアドレスコントローラからなり、その神経細胞
ユニット20へ入力してくる全ての信号に対する結合係
数をメモリ部中に保持している。入力信号25が時分割
で各神経細胞ユニット20から次々と送られてくるの
で、図46に示す入力信号29,30も時分割で次々と
送られてくる。
【0110】これらの入力信号29,30は各々入出力
間にメモリ150,151が接続されたORゲート(論
理和回路)152,153の他方の入力に入力され、時
分割入力信号の論理和がとられる。即ち、154,15
5が入力信号(興奮性/抑制性)に対する信号入力手段
を構成する。前記メモリ150,151はある時刻にお
けるORゲート152,153の論理和を記憶するもの
であり、その神経細胞ユニット20への入力が完了した
時点では、ゲート回路34を通してメモリ156に演算
結果を蓄え、次段の神経細胞ユニット20へ信号を出力
する順番になると、制御信号157と3ステートバッフ
ァ158とによりこのメモリ156から信号を呼出し、
出力信号51として出力させる。即ち、メモリ156及
び3ステートバッファ158が出力信号に対する信号出
力手段159を構成する。
【0111】ついで、学習プロセスにおける信号の流れ
について説明する。ある神経細胞ユニット20からの誤
差信号38,39は出力線146を通してバス144に
送られる。この誤差信号38,39を入力すべきある一
つの神経細胞ユニット20は、誤差信号38,39を入
力線145を通して受ける。誤差信号を入力する/しな
いの選択は、図46の回路に対して例えば3ステートバ
ッファを用いて誤差信号38,39を通すか通さないか
を決める制御装置(図示せず)を設置することで行えば
よい。誤差信号38,39は時分割で各神経細胞ユニッ
ト20から送られてくる。ここに、メモリ+アドレスコ
ントローラ構成のメモリ140は取出し口140aから
入力される信号によって保持している結合係数を全て更
新する。
【0112】そして、これらの誤差信号38,39は各
々入出力間にメモリ160,161が接続されたORゲ
ート(論理和回路)162,163の他方の入力に入力
され、時分割誤差信号の論理和がとられる。即ち、16
4,165が誤差信号(正/負)に対する信号入力手段
を構成する。前記メモリ160,161はある時刻にお
けるORゲート162,163の論理和を記憶するもの
であり、その神経細胞ユニット20への誤差信号の入力
が完了した時点では、分周回路49を通してメモリ16
6,167に演算結果を蓄え、前段の神経細胞ユニット
20へ誤差信号を出力する順番になると、制御信号16
8と3ステートバッファ169,170とによりこのメ
モリ166,167から誤差信号を呼出し、誤差信号4
5,46として出力させる。即ち、メモリ166,16
7及び3ステートバッファ169,170が誤差信号に
対する信号出力手段171を構成する。
【0113】このように、本実施例の図45及び図46
に示す回路によれば、誤差信号と更新した結合係数の論
理積をとっていないので、誤差信号を出力する神経細胞
ユニット20とその誤差信号が入力される神経細胞ユニ
ット20との関係を1対複数とすることができ、学習プ
ロセスの処理時間もフォワードプロセスの処理時間と同
様に短縮できる。
【0114】このような機能を有する神経細胞ユニット
20(ニューロン)を1チップに多数搭載(チップ内部
では神経細胞ユニット20間の結線を行わない)して
も、ネットワークの柔軟性は損なわれない。また、図4
7に示すような形で多数の神経細胞ユニット20を集積
しても、それらを複数つなぎ合わせることができ、ネッ
トワークの柔軟性を損なわず大規模化が可能である。ま
た、ネットワーク構造を階層構造に限った場合であれ
ば、例えば図48に示すように、各階層間にバス144
a,144b,〜を設け、各階層間で入出力制御を時分
割で行うようにすればよい。なお、バス144a,14
4b,〜は同一であってもよい。
【0115】ところで、上述したような時分割方式及び
入出力手段の工夫により、各神経細胞ユニット20間の
結線数を大幅に減らすことができるが、さらに、フォワ
ードプロセス用結線と学習プロセスにおける正負2種類
の誤差信号用結線との内の少なくとも2つを共用させる
ようにすれば、一層、結線数を減らすことができる。例
えば、これら3種類の結線を全て共有化(即ち、入力線
145や出力線146が1本ずつとされる)することに
より、バス144も1本で足りることになる。このよう
なバス144の共有化は各プロセスを時分割で行うこと
により可能となる。
【0116】なお、本発明を構成するに当っては、上記
の回路構成例に限らず、同様の機能を有するものであれ
ば別構成でもよい。また、信号処理の全てのハードウエ
ア構成により達成するようにしてもよく、又は、その一
部或いは全部をソフトウエアにより達成するようにして
もよい。
【0117】つづいて、請求項19ないし22記載の発
明の一実施例を図49ないし図52により説明する。ま
ず、ネットワーク内部の信号線について考察する。図3
に示したようなニューラルネットワークを動作させるに
は、前述したように神経細胞ユニット20間の信号の授
受を行うための信号線を必要とする。前述した説明から
も判るように、2つの神経細胞ユニット20間には、一
方の神経細胞ユニット20の(フィードフォワードプロ
セスにおける)出力信号=他方の神経細胞ユニット20
への入力信号を伝達する信号線と、学習プロセスにおけ
る誤差信号を伝達する信号線とを必要とする。従って、
数多くの神経細胞ユニットを用いたニューラルネットワ
ークを構築する場合、神経細胞ユニット間の信号線の数
は、膨大な量となってしまう。例えば、10個の神経細
胞ユニットと10個の神経細胞ユニットとを相互に結合
する場合であっても、単純計算で、数百本の信号線が必
要となる。まして、誤差の計算に使用する結合係数の保
存位置によっては、さらに、2倍、3倍の量の信号線が
必要となってしまう。
【0118】しかして、本実施例では、神経細胞ユニッ
ト20間の誤差信号については、図10ないし図13に
示した演算を行った結果を、誤差信号として伝達させる
ようにする。この場合、結合係数は1つ先の層(図3で
いえば、1つ右側の層)に属する神経細胞ユニット20
内に保存しておくようにする。すると、神経細胞ユニッ
ト20間の誤差信号の授受は図10ないし図13に示し
た処理を終えたものとなり、2つの神経細胞ユニット2
0間に必要な信号線の数は、正負の誤差信号用に、フィ
ードフォワードプロセスの信号を含めて3本となり、非
常に使いやすいものとなる。
【0119】さらには、このような誤差信号の出力につ
いて、他の層の神経細胞ユニットに伝達する前に(13)式
の演算を施すことにより、複数の正負の誤差信号を各々
1本ずつにまとめることができる。(13)式から判るよう
に、複数の誤差信号は伝達されると、直ぐに、OR演算
が実行されるものである。よって、誤差信号をワイヤー
ドORすることにより、容易にまとめられる。ワイヤー
ドORによりまとめられた多くの神経細胞ユニットから
の誤差信号線は、最終的には、正負の2本となり、誤差
信号の入力信号線を非常に簡略化することができる。
【0120】さらに、時分割伝達方式を利用することに
より、誤差信号の出力信号線も簡略化させることができ
る。即ち、1組の神経細胞ユニット間の結合に必要な信
号線の数は、前述した通り、最低3本であるが、その3
種類の信号をある時間間隔毎に切換えて同じ1本の信号
線で伝達させればよい。これは、信号の種類毎にメモリ
を用意しておき、ある時間間隔で、順番に、「信号を伝
達する(又は、メモリから信号を読出す)」動作と、
「信号をメモリに蓄える」動作とを繰返すことで実現で
きる。加えて、上記のワイヤードOR方式を併用するこ
とにより、いわゆる「バス」の概念を導入でき、ネット
ワーク内部における神経細胞ユニット間の信号線の結線
数を飛躍的に減らせるものとなる。
【0121】以上のアルゴリズムに基づく本実施例の回
路構成は、前述した実施例の図20ないし図22に示し
たものと同じく構成される。これに加え、本実施例で
は、図21の回路中に示したゲート回路48をワイヤー
ドOR構成の誤差信号入力手段として各神経細胞ユニッ
ト20の外に置くことで、各神経細胞ユニット間の結線
数を低減させることができるように構成したものであ
る。ワイヤードOR構成は、図49に示すように各誤差
信号(図中、正の誤差信号をGP、負の誤差信号をGM
で示す)43,44の出力にバスバッファ181,18
2を用いることにより容易に実現できる。本実施例によ
れば、1個の神経細胞ユニット20への誤差信号の入力
線は、誤差信号が逆伝播してくる神経細胞ユニットの数
に関係なく、183,184で示すように正負用の2本
にすることができる。
【0122】さらに、図50に示すように、各神経細胞
ユニット20においてその神経細胞ユニット20が出力
する正負各々の誤差信号を記憶しておくメモリ(記憶手
段)185,186と、これらのメモリ185,186
の信号を選択切換えする切換え手段187とを設けれ
ば、各神経細胞ユニット20間の結合に必要な誤差信号
用の信号線を188に示すように1本とすることができ
る。
【0123】即ち、基準パルス1個分のフィードフォワ
ードプロセスと学習プロセスとが終了した時、図20中
に示したゲート回路48により正負各々の誤差信号が生
成され、メモリ185,186に保存される。ついで、
切換え手段187によりメモリ185と信号線188と
を接続し、メモリ185の内容を読出すことにより、正
の誤差信号が出力される。同様に、切換え手段187に
よりメモリ186と信号線188とを接続し、メモリ1
86の内容を読出すことにより、負の誤差信号が出力さ
れる。切換え手段187によるメモリ185,186の
切換え順は適宜でよい。また、切換え手段187の制御
とメモリ185,186のアクセス制御とは、図示しな
い外部コントローラ等により容易になし得る。
【0124】このような1個の神経細胞ユニット20か
ら誤差信号を伝達する神経細胞ユニットは一般に複数で
あるので、正の誤差信号(又は、負の誤差信号)も複数
となる。そこで、本実施例では図51に示すように誤差
信号出力手段189において、正の誤差信号出力段に複
数のメモリ(記憶手段)190とその何れかを選択して
伝達制御手段となる切換え手段191とを設け、信号線
192に接続し、同様に、負の誤差信号出力段に複数の
メモリ(記憶手段)193とその何れかを選択して伝達
制御手段となる切換え手段194とを設け、信号線19
5に接続する。メモリ190,193には図20に示し
た回路中のゲート回路42により格納された誤差信号が
格納される。その後、誤差信号を入力すべき神経細胞ユ
ニット20毎に、切換え手段191,194を制御する
ことで、信号線192又は195から、入力されるべき
神経細胞ユニットに合致した誤差信号を出力させること
ができる。
【0125】この際、切換え手段191,194の出力
側に図52に示すようにバスバッファ181,182を
設けることにより、この場合もワイヤードORの処理が
可能となり、神経細胞ユニット間の結合にバスを用いる
ことができる。つまり、誤差信号の伝達のために各神経
細胞ユニット20に要する信号線は、183,184の
組と192,195の組とで示すように入出力側で各々
2本ずつで済み、結線数が大幅に減少する。
【0126】一方、図50において、入力信号入力手段
199として、神経細胞ユニット20への入力信号を保
存しておくメモリ196も設けることにより、入力信号
用の信号線197と誤差信号用の信号線188とを時分
割で共用できる。この場合には、切換え手段198を設
けることにより、前述したような時分割処理が可能とな
る。
【0127】なお、本発明の構成は上述した実施例に例
示したものに限らず、さらには、一部をコンピュータな
どの計算装置を用いてソフトウエアにより実行するよう
にしてもよい。
【0128】
【発明の効果】本発明は、上述したように構成したの
で、請求項1ないし3記載の発明によれば、入力信号や
出力信号を扱うフォワードプロセスと、出力誤差信号や
入力誤差信号を扱う学習プロセスとで、信号切換え手段
によりシリアルな切換えを行うことで、神経細胞模倣素
子間の結線を共用でき、よって、プロセス別の結線を要
せず、必要とする結線数を減らすことができるものであ
る。
【0129】同様に、請求項4ないし9記載の発明によ
れば、正負2種類の誤差信号を扱う学習プロセスにおい
て、誤差信号を時分割で出力し、又は、並列信号に逆変
換させて入力させることにより、別の結線とすることな
く、1本の結線で誤差信号を共用でき、さらに、入力信
号や出力信号を扱うフォワードプロセスを考慮すると、
学習プロセスとで、信号切換え手段によりシリアルな切
換えを行うことにより、神経細胞模倣素子間の1本の結
線を共用することができるため、プロセス別の結線を要
せず、必要とする結線数を減らすことが可能となる。
【0130】請求項10ないし12記載の発明によれ
ば、共通なバスを通して互いに結合させることで、結線
数の少ないネットワークを構成できる上に、入出力用結
線と正負2種類の誤差信号用結線とで少なくとも2本を
共用させることにより、一層、結線数の少ないものとな
る。特に、請求項11,12記載の発明のように、各信
号処理手段が前段の信号処理手段に対する結合係数値と
後段の信号処理手段に対する結合係数値とを保持したメ
モリを有する2つの結合係数可変回路を有するので、学
習プロセスにおいて、出力前に誤差信号と結合係数値と
を演算する必要がなく、誤差信号を出力する信号処理手
段とその誤差信号を入力する信号処理手段との関係を1
対複数とすることができ、学習プロセスの処理時間を短
縮させつつ、共通バスを通しての誤差信号の出力が可能
で必要な結線数を減らすことができる。
【0131】このようにこれらの請求項1ないし12記
載の発明によれば、信号処理手段間の結線を共用化した
ので、結線数を減らしたネットワークの構築が可能とな
る。
【0132】また、請求項13又は14記載の発明によ
れば、メモリを有して出力信号及び正負2種類の誤差信
号の各々を時分割出力する信号出力手段を信号処理手段
に設けて、各信号処理手段の入出力を時分割で行わせる
ことにより、各信号処理手段間をバスで結合させること
ができ、各信号処理手段間に要する結線数を減らすこと
ができ、よって、共通なバスを通して互いに結合させる
ことで、結線数の少ないネットワークを構成できる。こ
のように請求項13又は14記載の発明によれば、共通
の結線を設置して、その結線を共用することで、交線の
ない状態で結線数を減らしたネットワークの構築が可能
となる。
【0133】一方、請求項15又は16記載の発明によ
れば、メモリと論理和回路とを有して時分割入力される
信号の論理和を演算する信号入力手段を信号処理手段に
設け、又は、メモリを有して出力信号及び正負2種類の
誤差信号の各々を時分割出力する信号出力手段を信号処
理手段に設けて、各信号処理手段の入出力を時分割で行
わせることにより、各信号処理手段間をバスで結合させ
ることができ、各信号処理手段間に要する結線数を減ら
すことができる。特に、請求項17,18記載の発明の
ように、各信号処理手段が前段の信号処理手段に対する
結合係数値と後段の信号処理手段に対する結合係数値と
を保持したメモリを有する2つの結合係数可変回路を有
するので、学習プロセスにおいて、出力前に誤差信号と
結合係数値とを演算する必要がなく、誤差信号を出力す
る信号処理手段とその誤差信号を入力する信号処理手段
との関係を1対複数とすることができ、学習プロセスの
処理時間を短縮させつつ、共通バスを通しての誤差信号
の出力が可能で必要な結線数を減らすことができる。結
局、これらの請求項15ないし18記載の発明によれ
ば、一部の手段、例えば論理和を演算する信号処理手段
を共用化したので、結線数を減らしたネットワークの構
築が可能となる。
【0134】さらに、請求項19ないし22記載の発明
によれば、自己学習機能を含めて神経細胞網の機能をハ
ードウエア上で並列的に行わせることができ、自己学習
機能が発揮され、従来のコンピュータシミュレーション
のシリアル処理による計算に比べ処理速度が著しく向上
する。この時、デジタル回路構成により動作は確実なも
のとなる。特に、信号処理手段間の誤差信号の授受につ
いて、誤差信号と結合係数との論理演算した結果なる誤
差信号を伝達させるようにしたので、2つの信号処理手
段間に必要な信号線としては誤差信号用が2本となるた
め、入出力信号用を含めて最低限の3本に抑えることが
でき、ネットワークを構成する上での各信号処理手段間
に必要な信号線の本数が減り、簡素で使いやすいものと
なる。加えて、複数の信号処理手段からの誤差信号をワ
イヤードORさせた誤差信号入力手段を通して入力させ
ることにより、誤差信号入力用の信号線は逆伝播される
信号処理手段の個数に関係なく正負用の2本で済むもの
となる。また、誤差信号出力手段において記憶手段とと
もに伝達制御手段を設けることにより、1つの信号処理
手段から複数の信号処理手段に対して誤差信号を出力す
るために、信号線を時分割で共用でき、必要な信号線の
本数が減る。入力信号入力手段においても記憶手段とと
もに伝達制御手段を設けることにより、3種類の信号を
2本の信号線の切換えにより共用でき、必要な信号線の
本数が大幅に減るものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1ないし3記載の発明の一実施例の要旨
を示すもので、(a)はブロック図、(b)は第1信号切換
え装置の回路図、(c)は第2信号切換え装置の回路図で
ある。
【図2】既提案例における基本的な信号処理を行なうた
めの論理回路図である。
【図3】ネットワーク構成例を示す模式図である。
【図4】論理演算例を示すタイミングチャートである。
【図5】論理演算例を示すタイミングチャートである。
【図6】論理演算例を示すタイミングチャートである。
【図7】論理演算例を示すタイミングチャートである。
【図8】論理演算例を示すタイミングチャートである。
【図9】論理演算例を示すタイミングチャートである。
【図10】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図11】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図12】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図13】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図14】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図15】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図16】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図17】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図18】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図19】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図20】各部の構成例を示す論理回路図である。
【図21】各部の構成例を示す論理回路図である。
【図22】各部の構成例を示す論理回路図である。
【図23】各部の構成例を示す論理回路図である。
【図24】変形例を示す論理回路図である。
【図25】変形例を示す論理回路図である。
【図26】異なる構成例を示す回路図である。
【図27】さらに異なる構成例を示す回路図である。
【図28】回路図である。
【図29】回路図である。
【図30】別の構成例を示すブロック図である。
【図31】フォワードプロセスにおける処理を示すフロ
ーチヤートである。
【図32】学習プロセスにおける処理を示すフローチヤ
ートである。
【図33】ニユーロンの前後関係を示す模式図である。
【図34】ニユーロンの前後関係を示す模式図である。
【図35】さらに別の構成例を示すブロック図である。
【図36】別の構成例を示すブロック図である。
【図37】ネットワーク構造の変形例を示す概念図であ
る。
【図38】ネットワーク構造の異なる変形例を示す概念
図である。
【図39】フォワードプロセスと学習プロセスとの結線
状態を示す配線図である。
【図40】請求項4記載の発明の構成例を示す回路図で
ある。
【図41】請求項5記載の発明の構成例を示す回路図で
ある。
【図42】請求項6ないし9記載の発明の構成例を示す
ブロック図である。
【図43】第1信号切換え装置の回路図である。
【図44】第2信号切換え装置の回路図である。
【図45】請求項10ないし18記載の発明の一実施例
を示す回路図である。
【図46】回路図である。
【図47】結線状態を示す模式図である。
【図48】階層構造に対する結線状態を示す模式図であ
る。
【図49】請求項19記載の発明対応の一実施例を示す
ブロック図である。
【図50】請求項21記載の発明対応の一実施例を示す
ブロック図である。
【図51】請求項20記載の発明対応の一実施例を示す
ブロック図である。
【図52】請求項20記載の発明対応の一実施例を示す
ブロック図である。
【図53】従来例を示すニューラルネットワーク構成の
概念図である。
【図54】その1つのユニット構成を示す概念図であ
る。
【図55】シグモイド関数を示すグラフである。
【図56】1つのユニットの具体的構成を示す回路図で
ある。
【図57】デジタル構成例を示すブロック図である。
【図58】その一部の回路図である。
【図59】異なる一部の回路図である。
【符号の説明】
20 神経細胞模倣素子 26 メモリ 28 結合係数可変回路 38,39 入力誤差信号 42 誤差信号出力手段 43,44 出力誤差信号 45,46 入力誤差信号 50 結合係数生成回路 99 信号切換え手段(=第1信号切換え手
段) 100 信号切換え手段(=第2信号切換え手
段) 103 出力信号 104 入力信号 105,106 出力誤差信号 107,108 入力誤差信号 118 誤差信号出力手段 123 誤差信号入力手段 129 信号切換え手段(=第1信号切換え手
段) 130 信号切換え手段(=第2信号切換え手
段) 131 出力信号 132 入力信号 140 メモリ 141 結合係数可変回路 144 バス 145,146 結線 150,151 メモリ 152,153 論理和回路 154,155 信号入力手段 156 メモリ 159 信号出力手段 160,161 メモリ 162,163 論理和回路 164,165 信号入力手段 166,167 メモリ 171 信号出力手段 181,182 ワイヤードOR 189 誤差信号出力手段 190 記憶手段 191 伝達制御手段 193 記憶手段 194 伝達制御手段 196 記憶手段 198 伝達制御手段 199 入力信号入力手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平3−100236 (32)優先日 平3(1991)5月2日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−109077 (32)優先日 平3(1991)5月14日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 本村 修二 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 竹平 修 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 矢野 隆志 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結合係数可変回路とこの結合係数可変回
    路の可変結合係数値を教師信号に対する誤差信号に基づ
    いて生成する結合係数生成回路とを有する自己学習回路
    を付設したデジタル論理回路による神経細胞模倣素子よ
    りなる信号処理手段を設け、この信号処理手段の入力側
    に信号処理手段への入力信号と信号処理手段からの出力
    誤差信号とを切換える信号切換え手段を設けたことを特
    徴とする信号処理装置。
  2. 【請求項2】 結合係数可変回路とこの結合係数可変回
    路の可変結合係数値を教師信号に対する誤差信号に基づ
    いて生成する結合係数生成回路とを有する自己学習回路
    を付設したデジタル論理回路による神経細胞模倣素子よ
    りなる信号処理手段を設け、この信号処理手段の出力側
    に信号処理手段からの出力信号と信号処理手段への入力
    誤差信号とを切換える信号切換え手段を設けたことを特
    徴とする信号処理装置。
  3. 【請求項3】 結合係数可変回路とこの結合係数可変回
    路の可変結合係数値を教師信号に対する誤差信号に基づ
    いて生成する結合係数生成回路とを有する自己学習回路
    を付設したデジタル論理回路による神経細胞模倣素子よ
    りなる複数の信号処理手段を設け、各信号処理手段の入
    力側に信号処理手段への入力信号と信号処理手段からの
    出力誤差信号とを切換える第1信号切換え手段を設け、
    各信号処理手段の出力側に信号処理手段からの出力信号
    と信号処理手段への入力誤差信号とを切換える第2信号
    切換え手段を設け、これらの第1信号切換え手段と第2
    信号切換え手段とを有する前記信号処理手段を網状に接
    続したことを特徴とする信号処理装置。
  4. 【請求項4】 結合係数可変回路とこの結合係数可変回
    路の可変結合係数値を教師信号に対する誤差信号に基づ
    いて生成する結合係数生成回路とを有する自己学習回路
    を付設したデジタル論理回路による神経細胞模倣素子よ
    りなる信号処理手段を設け、正負2種類の誤差信号を時
    分割出力する誤差信号出力手段をこの信号処理手段に設
    けたことを特徴とする信号処理装置。
  5. 【請求項5】 結合係数可変回路とこの結合係数可変回
    路の可変結合係数値を教師信号に対する誤差信号に基づ
    いて生成する結合係数生成回路とを有する自己学習回路
    を付設したデジタル論理回路による神経細胞模倣素子よ
    りなる信号処理手段を設け、時分割入力される正負2種
    類の誤差信号を並列信号に変換する誤差信号入力手段を
    この信号処理手段に設けたことを特徴とする信号処理装
    置。
  6. 【請求項6】 結合係数可変回路とこの結合係数可変回
    路の可変結合係数値を教師信号に対する誤差信号に基づ
    いて生成する結合係数生成回路とを有する自己学習回路
    を付設したデジタル論理回路による神経細胞模倣素子よ
    りなる複数の信号処理手段を設け、正負2種類の誤差信
    号を時分割出力する誤差信号出力手段と、時分割入力さ
    れる正負2種類の誤差信号を並列信号に変換する誤差信
    号入力手段とを各信号処理手段に設け、これらの誤差信
    号出力手段と誤差信号入力手段とを有する前記信号処理
    手段を網状に接続したことを特徴とする信号処理装置。
  7. 【請求項7】 信号処理手段の入力側に信号処理手段へ
    の入力信号と誤差信号出力手段から出力される出力誤差
    信号とを切換える信号切換え手段を設けたことを特徴と
    する請求項4記載の信号処理装置。
  8. 【請求項8】 信号処理手段の出力側に信号処理手段か
    らの出力信号と誤差信号入力手段へ入力される入力誤差
    信号とを切換える信号切換え手段を設けたことを特徴と
    する請求項5記載の信号処理装置。
  9. 【請求項9】 結合係数可変回路とこの結合係数可変回
    路の可変結合係数値を教師信号に対する誤差信号に基づ
    いて生成する結合係数生成回路とを有する自己学習回路
    を付設したデジタル論理回路による神経細胞模倣素子よ
    りなる複数の信号処理手段を設け、各信号処理手段に正
    負2種類の誤差信号を時分割出力する誤差信号出力手段
    と、時分割入力される正負2種類の誤差信号を並列信号
    に変換する誤差信号入力手段とを設け、各信号処理手段
    の入力側に信号処理手段への入力信号と誤差信号出力手
    段から出力される出力誤差信号とを切換える第1信号切
    換え手段を設け、各信号処理手段の出力側に信号処理手
    段からの出力信号と誤差信号入力手段へ入力される入力
    誤差信号とを切換える第2信号切換え手段を設け、これ
    らの第1信号切換え手段と第2信号切換え手段とを有す
    る前記信号処理手段を網状に接続したことを特徴とする
    信号処理装置。
  10. 【請求項10】 結合係数可変回路とこの結合係数可変
    回路の可変結合係数値を教師信号に対する誤差信号に基
    づいて生成する結合係数生成回路とを有する自己学習回
    路を付設したデジタル論理回路による神経細胞模倣素子
    よりなる複数の信号処理手段を設け、メモリを有して出
    力信号及び正負2種類の誤差信号の各々を時分割出力す
    る信号出力手段と、メモリと論理和回路とを有して時分
    割入力される信号の論理和を演算する信号入力手段とを
    各信号処理手段に設け、全ての信号処理手段間又は一部
    の信号処理手段間を共通なバスにより結合し、バスに対
    する入出力信号用結線と正負2種類の誤差信号用結線と
    の内の少なくとも2本を時分割により共用させたことを
    特徴とする信号処理装置。
  11. 【請求項11】 結合係数可変回路とこの結合係数可変
    回路の可変結合係数値を教師信号に対する誤差信号に基
    づいて生成する結合係数生成回路とを有する自己学習回
    路を付設したデジタル論理回路による神経細胞模倣素子
    よりなる複数の信号処理手段を設け、前段の信号処理手
    段に対する結合係数値と後段の信号処理手段に対する結
    合係数値とを保持したメモリを有する2つの前記結合係
    数可変回路を各信号処理手段に設け、メモリを有して出
    力信号及び正負2種類の誤差信号の各々を時分割出力す
    る信号出力手段を信号処理手段に設けたことを特徴とす
    る信号処理装置。
  12. 【請求項12】 前段の信号処理手段に対する結合係数
    値と後段の信号処理手段に対する結合係数値とを保持し
    たメモリを有する2つの前記結合係数可変回路を各信号
    処理手段に設けたことを特徴とする請求項10記載の信
    号処理装置。
  13. 【請求項13】 結合係数可変回路とこの結合係数可変
    回路の可変結合係数値を教師信号に対する誤差信号に基
    づいて生成する結合係数生成回路とを有する自己学習回
    路を付設したデジタル論理回路による神経細胞模倣素子
    よりなる複数の信号処理手段を設け、メモリを有して出
    力信号及び正負2種類の誤差信号の各々を時分割出力す
    る信号出力手段と、メモリと論理和回路とを有して時分
    割入力される信号の論理和を演算する信号入力手段とを
    各信号処理手段に設け、全ての信号処理手段間又は一部
    の信号処理手段間を共通なバスにより結合したことを特
    徴とする信号処理装置。
  14. 【請求項14】 前段の信号処理手段に対する結合係数
    値と後段の信号処理手段に対する結合係数値とを保持し
    たメモリを有する2つの前記結合係数可変回路を各信号
    処理手段に設けたことを特徴とする請求項13記載の信
    号処理装置。
  15. 【請求項15】 結合係数可変回路とこの結合係数可変
    回路の可変結合係数値を教師信号に対する誤差信号に基
    づいて生成する結合係数生成回路とを有する自己学習回
    路を付設したデジタル論理回路による神経細胞模倣素子
    よりなる信号処理手段を設け、メモリと論理和回路とを
    有して時分割入力される信号の論理和を演算する信号入
    力手段を信号処理手段に設けたことを特徴とする信号処
    理装置。
  16. 【請求項16】 結合係数可変回路とこの結合係数可変
    回路の可変結合係数値を教師信号に対する誤差信号に基
    づいて生成する結合係数生成回路とを有する自己学習回
    路を付設したデジタル論理回路による神経細胞模倣素子
    よりなる信号処理手段を設け、メモリを有して出力信号
    及び正負2種類の誤差信号の各々を時分割出力する信号
    出力手段を信号処理手段に設けたことを特徴とする信号
    処理装置。
  17. 【請求項17】 結合係数可変回路とこの結合係数可変
    回路の可変結合係数値を教師信号に対する誤差信号に基
    づいて生成する結合係数生成回路とを有する自己学習回
    路を付設したデジタル論理回路による神経細胞模倣素子
    よりなる複数の信号処理手段を設け、前段の信号処理手
    段に対する結合係数値と後段の信号処理手段に対する結
    合係数値とを保持したメモリを有する2つの前記結合係
    数可変回路を各信号処理手段に設け、メモリと論理和回
    路とを有して時分割入力される信号の論理和を演算する
    信号入力手段を信号処理手段に設けたことを特徴とする
    信号処理装置。
  18. 【請求項18】 結合係数可変回路とこの結合係数可変
    回路の可変結合係数値を教師信号に対する誤差信号に基
    づいて生成する結合係数生成回路とを有する自己学習回
    路を付設したデジタル論理回路による神経細胞模倣素子
    よりなる信号処理手段を設け、前段の信号処理手段に対
    する結合係数値と後段の信号処理手段に対する結合係数
    値とを保持したメモリを有する2つの前記結合係数可変
    回路を各信号処理手段に設け、メモリを有して出力信号
    及び正負2種類の誤差信号の各々を時分割出力する信号
    出力手段を信号処理手段に設けたことを特徴とする信号
    処理装置。
  19. 【請求項19】 結合係数可変回路とこの結合係数可変
    回路の可変結合係数値を教師信号に対する誤差信号に基
    づいて生成する結合係数生成回路とを有する自己学習回
    路を付設したデジタル論理回路による神経細胞模倣素子
    よりなる信号処理手段を設け、誤差信号と前記結合係数
    との論理演算により得られた誤差信号を出力する誤差信
    号出力手段を設けるとともに、信号処理手段へ入力させ
    る複数の信号処理手段からの誤差信号をワイヤードOR
    させた誤差信号入力手段を設けたことを特徴とする信号
    処理装置。
  20. 【請求項20】 誤差信号出力手段に誤差信号を記憶す
    る記憶手段と記憶された誤差信号の伝達を制御する伝達
    制御手段とを有することを特徴とする請求項19記載の
    信号処理装置。
  21. 【請求項21】 入力信号入力手段に入力信号を記憶す
    る記憶手段と記憶された入力信号の伝達を制御する伝達
    制御手段とを有することを特徴とする請求項20記載の
    信号処理装置。
  22. 【請求項22】 複数の信号処理手段を網状に接続した
    ことを特徴とする請求項19,20又は21記載の信号
    処理装置。
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