JPH05210206A - レンズ付きフィルムユニットの包装体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 レンズ付きフィルムユニットを収容した包装
体を突出部のない小型な形態にして、全体としてコンパ
クトな外観を与えるとともに、店頭陳列スペースや梱包
スペースを縮小する。また、自動販売機装填時の機内収
容スペースの縮小による収納個数増や機内搬送不良の防
止を計る。 【構成】 レンズ付きフィルムユニットを筒状をなした
防湿包装体に収め、該筒状包装体の両端開口部をシール
して密封包装するレンズ付きフィルムユニットの包装体
において、前記フィルムユニットを収容した包装体の一
方の開口を封止したシール平坦部が、折り曲げられてフ
ィルムユニット収容部の外表面に、接合手段により固定
されていることを特徴とするレンズ付きフィルムユニッ
トの包装体。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、未露光のロール状写
真フィルムが予め装填され、撮影用露光機能を備えたレ
ンズ付きフィルムユニット（フィルム一体型カメラ）に
関し、特にその包装体に関するものである。

【０００２】

【発明の背景】カメラを携帯していない場合に写真を撮
りたいようなときに便利なものとして、レンズ付きフィ
ルムユニットが普及している。これは、撮影レンズとシ
ャッタとを備えた暗箱状本体内に予めパトローネ入り未
露光フィルムを装填したもので、フィルム販売店などで
広く市販されている。

【０００３】このレンズ付きフィルムユニットは、撮影
後にはフィルムを内蔵したままの状態で、該フィルムユ
ニットでと現像、プリントを現像所に依頼する。現像所
では上記フィルムユニットから撮影済みフィルムを取り
出して現像処理を行なう。そして該フィルムユニット本
体は現像所において廃棄または一部リサイクル使用され
る。

【０００４】従来、このレンズ付きフィルムユニット
は、安価に提供するためにプラスチック成型したユニッ
ト本体に撮影レンズや簡単なシャッタを装着するととも
に、フィルムおよびパトローネを内蔵している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記のような撮りっき
りのレンズ付きフィルムユニットは、湿気等によるフィ
ルムの変質を防止するため防湿性の包装体に覆われた状
態で市販される。

【０００６】この包装体は両端を開口した筒状をなして
いて、前記フィルムユニットを収めたあと両端をシール
して気密状態としたもので通常一方のシール部に設けた
穴部を利用して店頭に吊り下げて陳列される。

【０００７】上記包装体の他方のシール部は、中央のレ
ンズ付きフィルムユニット収容部から突出した平坦状を
なしている。このため包装体全体が大きく見えて、コン
パクトに構成したフィルムユニットのイメージが損なわ
れる。また、この包装体に入ったフィルムユニットを梱
包するとき、この突出したシール部が邪魔になる。さら
に、この包装体に入ったフィルムユニットを自動販売機
に装填するとき、このシール部があるため、機内搬送ス
ペースを余分に必要として機内収容数の低下や機体容積
の拡大等の問題がある。また、このフィルムユニットを
両シール部を結ぶ方向と直交する方向に搬送する場合
に、前記シール部が機内の搬送路の部材に引っ掛って搬
送不良を発生する。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するこ
の発明のレンズ付きフィルムユニットの包装体は、レン
ズ付きフィルムユニットを筒状をなした防湿包装体に収
め、該筒状包装体の両端開口部をシールして密封包装す
るレンズ付きフィルムユニットの包装体において、前記
フィルムユニットを収容した包装体の一方の開口を封止
したシール平面部が、折り曲げられてフィルムユニット
収容部の外表面に、接合手段により固定されていること
を特徴とするものである。

【０００９】また、この発明は前記接合手段が接着剤付
きラベルであり、該ラベルを前記折り曲げられたシール
平坦部とフィルムユニット収容部との当接部に貼着して
固定したことを特徴とするレンズ付きフィルムユニット
の包装体である。

【００１０】さらに、この発明のレンズ付きフィルムユ
ニットの包装体は、前記接合手段がホットメルト手段で
あり、前記折り曲げられたシール平坦部とフィルムユニ
ット収容部との接合部に前記ホットメルト手段により接
着剤を吹き付けて固定したことを特徴とする。

【００１１】

【実施例】以下、この発明に係るレンズ付きフィルムユ
ニットの包装体を図示した実施例に基づいて具体的に説
明する。

【００１２】図１はこの発明に係る包装体１と、該包装
体１内に納められているレンズ付きフィルムユニット10
を示す斜視図、図２は該フィルムユニット10と包装体１
の斜視図、図３（Ａ）は包装体１の平面図、図３（Ｂ）
はフィルムユニット10を収容してパックした状態の包装
体の断面図である。

【００１３】該レンズ付きフィルムユニット（フィルム
一体型カメラ）10のユニット本体は、前カバー、本体、
裏蓋などから成り、それぞれプラスチックなどで成型加
工され、さらにレンズ、シャッタを取り付けて組み立て
られる。さらに未露光フィルムおよびフィルム巻き取り
収容用パトローネ等が所定位置に装填したのち、裏蓋を
閉じて外箱（カートン）14により被覆しレンズ付きフィ
ルムユニット10は完成する。

【００１４】前記フィルムユニット10は、その前面例に
僅かに突出したレンズマウント11と撮影レンズ12とファ
インダ13とストロボ発光器14とを、また上面側に図示し
ないシャッタレリーズボタンとフィルムカウンタ窓とス
トロボ充電パイロットランプを、さらに背面側にはフィ
ルム巻上げノブとファインダーアイピースと裏蓋を備え
ていて１コマ撮影の都度フィルム巻上げを行って露光済
のフィルムをパトローネ内に巻込み、所定枚数の撮影を
終了した段階ではフィルムはすべてパトローネ内に収容
される構造になっている。

【００１５】露光済のフィルムはフィルムユニットに収
めたままの状態でユーザから処理業者に送られ、業者は
明室にて前記ユニットよりパトローネを取出し、以降通
常のＤ．Ｐ．Ｅ作業と同様の処理作業が行えるシステム
になっている。

【００１６】また、前記レンズ付きフィルムユニットは
カートン形式の外装部材を兼ねた保護カバーに収めて使
用され、さらに市販に際しては防湿性の包装体１に収め
てシールされた状態で出荷される。

【００１７】この発明の包装体１に用いられるシート材
は、一例として７μｍ厚のアルミ箔の両面に12μｍ厚の
ＰＥＴ材（ポリエチレンテレフタレート）と70μｍ厚の
ＥＶＡ材（エチレン酢酸ビニール）を接着剤を用いてサ
ンドイッチ状にドライラミネートしたものであって、Ｐ
ＥＴ材の表面に印刷がなされその面を外側として使用さ
れる。

【００１８】このシート材を用いての包装工程として
は、長尺のシート材の上にカメラを載置し、両側のシー
ト材を折返し部（センターシール）２により重ね合わせ
て筒状にフィルムユニットを包囲させ、該折返し部２の
両側端の内面を互いに対向させてむしろ状のゴザ目で押
圧加熱してヒートシールする方法がとられる。

【００１９】さらに筒状とされたシート材は、フィルム
ユニットの前後に相当する部分を横目の縞状にヒートシ
ールしてカメラを気密状態とした上で１パック毎に切断
される。なお、縞目のピッチは１mm見当で百数十度の温
度でヒートシールされる。

【００２０】前記包装体１の上方のシール部３は、Ａ部
に示すように折込まれ密封できる形状とされた上、図示
のようにヒートシールされている。同様にして下方のシ
ール部４もフィルムユニットを収容後にヒートシールさ
れて内部のフィルムユニット10を気密状態に保ってい
る。

【００２１】前記上方のシール部３には、吊下げ用の穴
部５が設けられている。

【００２２】一方、前記折返し部（センターシール部）
２には、そのヒートシール時またはその後に楔状に切り
込まれた切欠き部６が形成されている。包装体１の開封
には、前記切欠き部６が利用され、該切欠き部６から折
返し部２のシート材を切り裂くと、裂け目は一動作でフ
ィルムユニット10の前面側を露呈し、容易かつ迅速に該
フィルムユニットを取り出すことができる。

【００２３】図４は本発明によるレンズ付きフィルムユ
ニットを内蔵した包装体１の斜視図、図５（Ａ）はその
平面図、図５（Ｂ）はＡ−Ａ′断面図をそれぞれ示す。

【００２４】前述の包装体１はユニット収容部（袋体
部）７の上下方に延長した上方のシール部３と下方のシ
ール部４とが、ほぼ平面状に張り出しているため、包装
体１の平面積が大きく、包装体１内に収容された小型の
レンズ付きフィルムユニット10の本体サイズのコンパク
ト観を損なう。また、包装体１の上方のシール部３は販
売店の店頭で吊下げ陳列するために必要であるが、下方
のシール部４は上記コンパクトな外観上から、また自動
販売機内の搬送トラブル防止上からも最小にすることが
望ましい。

【００２５】そこで、本発明では、前記平坦な下方のシ
ール部４を上方に折り曲げて、その先端付近とフィルム
ユニット収容部（袋体部）７の下方外表面とを当接させ
て、接着剤付きラベル８によって両者を接合して固定し
た。これによって下方のシール部４はフィルムユニット
収容部７の下方側面に接合されて、下方の突出部はなく
なり、上述の問題は解決される。

【００２６】また、上記下方のシール部の接合手段とし
て、ラベル８を用いず、図６の斜視図に示すように、折
り曲げた下方のシール部４とフィルムユニット収容部７
との当接部の隙間に、ホットメルトアプリケータの吹き
付けガンによって加熱溶接された接着剤を注入して、接
着固定してもよい。

【００２７】自動販売機専用に、さらに包装体１を小型
にする必要のある場合には、前記包装体１の上方のシー
ル部３を、下方のシール４と同様に上方にほぼ直角に折
り曲げてフィルムユニット収容部７の上方外表面に当接
させ、ラベルまたは接着剤を用いて接合・固定する。

【００２８】あるいは、上記折り曲げた上方のシール部
３をさらにもう一回折り曲げて、フィルムユニット収容
部７の上部表面に巻回してその先端部をラベル等により
固定すれば、包装体１はほぼ直方体になり最もコンパク
トに形成される。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように、この発明に係るレ
ンズ付きフィルムユニットの包装体によれば、小型のレ
ンズ付きフィルムユニットを収容した包装体はコンパク
トな外観を呈し、携帯に便利で梱包も小さくできるばか
りでなく、店頭で重ねて並べる時にも、狭い陳列台に沢
山ならべて販売することができる。さらにこのコンパク
トな包装体に収容されたレンズ付きフィルムユニットを
自動販売機に装填して販売するときには、各包装体の機
内スペースを小さくできるから、機内に多数のフィルム
ユニットを収納することができ、また、この包装体は、
下方のシール部および上方のシール部の突出部がないか
ら、フィルムユニット搬送路における搬送不良を発生す
ることがない等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る包装体と、該包装体内に納めら
れているレンズ付きフィルムユニットを示す斜視図。

【図２】上記フィルムユニットと包装体の斜視図。

【図３】上記フィルムユニットを収容した包装体の平面
図および断面図。

【図４】本発明による包装体の斜視図。

【図５】上記包装体の平面図およびＡ−Ａ′断面図。

【図６】上記包装体の他の実施例の斜視図。

【符号の説明】

１ 包装体 ２ 折返し部（センターシール部） ３ 上方のシール部 ４ 下方のシール部（シール平坦部） ５ 穴部 ６ 切欠き部 ７ フィルムユニット収容部（袋体部） ８ 接着剤付きラベル 10 レンズ付きフィルムユニット（フィルム一体型カメ
ラ）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 レンズ付きフィルムユニットを筒状をな
   した防湿包装体に収め、該筒状包装体の両端開口部をシ
   ールして密封包装するレンズ付きフィルムユニットの包
   装体において、前記フィルムユニットを収容した包装体
   の一方の開口を封止したシール平坦部が、折り曲げられ
   てフィルムユニット収容部の外表面に、接合手段により
   固定されていることを特徴とするレンズ付きフィルムユ
   ニットの包装体。
2. 【請求項２】 前記接合手段が接着剤付きラベルであ
   り、該ラベルを前記折り曲げられたシール平坦部とフィ
   ルムユニット収容部との当接部に貼着して固定したこと
   を特徴とする請求項１に記載のレンズ付きフィルムユニ
   ットの包装体。
3. 【請求項３】 前記接合手段がホットメルト手段であ
   り、前記折り曲げられたシール平坦部とフィルムユニッ
   ト収容部との接合部に前記ホットメルト手段により接着
   剤を吹き付けて固定したことを特徴とする請求項１に記
   載のレンズ付きフィルムユニットの包装体。