JPH05209549A - アルコールエンジンの空燃比制御機構 - Google Patents

アルコールエンジンの空燃比制御機構

Info

Publication number
JPH05209549A
JPH05209549A JP4016799A JP1679992A JPH05209549A JP H05209549 A JPH05209549 A JP H05209549A JP 4016799 A JP4016799 A JP 4016799A JP 1679992 A JP1679992 A JP 1679992A JP H05209549 A JPH05209549 A JP H05209549A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
fuel ratio
fuel
alcohol
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4016799A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyotaka Mamiya
清孝 間宮
Katsuhiro Yokomizo
克広 横溝
Toru Shiraishi
徹 白石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP4016799A priority Critical patent/JPH05209549A/ja
Publication of JPH05209549A publication Critical patent/JPH05209549A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルコールエンジンの空燃比制御機構におい
て、燃料中のアルコール濃度の変動に拘らず常に正しい
空燃比制御を行うことができるようにする。 【構成】 排気通路5に排気ガス中の水素、アルコール
およびアルデヒドを除去する酸化手段としての第一触媒
層51が設けられたアルコール含有燃料を使用するアル
コールエンジン3において、上記第一触媒層51の上流
側および下流側にそれぞれ設けられた第一空燃比検出セ
ンサ81および第二空燃比センサ82と、これらの空燃
比センサ81、82の検出結果を基にアルコール含有燃
料の噴射量を決定し制御する制御装置6とが設けられ、
この制御装置6には上記第二空燃比センサ82による検
出信号を用いて学習値を作成する学習値作成手段61が
設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空燃比センサを用いて
燃料の噴射量を制御するアルコールエンジンの空燃比制
御機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、エンジンに対する燃料の供給量
は、供給される燃焼空気の量に対して、所定の空燃比が
達成されるように計算され、その計算値に見合う量の燃
料が噴射供給される。基本的には、燃料の噴射量(燃料
基本噴射量Tpk(kg/cycle))は、吸入空気量Q(kg)を
エンジン回転数N(rpm)で除した値に、空燃比(通常
は理論空燃比)に応じた所定の係数αを乗じた値、つま
り次式で求められる。
【0003】 燃料基本噴射量Tpk(kg/cycle)=α×(Q/N)(kg/cycle)・・・・・・ そして、冷却水温に応じた補正を加味した上で、理論空
燃比に制御すべき領域では、排気管に設けた空燃比セン
サからの信号に基づき実際の空燃比が目標空燃比となる
ようにフィードバック制御による補正を行っている。
【0004】ところで、エンジンの燃料として、アルコ
ール含有燃料を使用する場合には、燃料の噴射量制御の
面から見た場合、ガソリン燃料のみを使用する場合に比
べて、以下のような問題点が存在する。
【0005】すなわち、アルコールは完全燃焼すると、
以下のメタノールによって例示するように、 2CH3OH+3O2→4H2O+2CO2 の反応式に基づいて水と炭酸ガスとを生成するから全く
問題はない。ところが、すべてのメタノールが上記のよ
うな完全燃焼をするわけではなく、未燃のままで排出さ
れたり、不完全な燃焼によってアルデヒドが生成したり
する。最もやっかいな問題は、未燃のものが、 CH3OH(heat)→CO+2H2 のように熱分解を起こして水素を発生することである。
【0006】上記空燃比検出センサは、いわゆる酸素濃
度検出センサであり、検出端として白金電極が使用され
ているが、このセンサのまわりに水素が存在すると、酸
素の検出を妨げることにより、上記センサは実際の酸素
量より少ない酸素の値を検出することになる。排気ガス
中の酸素の量が見掛け上少なく検出されると、実際はそ
うではないにも拘らず、供給された燃焼空気の量が少な
いと判断されて自動制御が作用し、相対的に燃料に対し
て空気を多くするようなアクションを行う。
【0007】結局、上記のようなλコントロールにおい
ては、アルコールが混入されている燃料を使用すれば、
常に目標空燃比よりも空気が過剰な、いわゆるリーンシ
フト現象が起こりやすく、エンジン出力の低下につなが
ると共に、過剰空気であるため窒素酸化物の発生も多く
なるという問題も発生する。
【0008】このようなことから、特開平1−1215
39号公報において、排気系に二基の空燃比検出センサ
(O2センサ)を使用することが提案されている。すな
わち、特開平1−121539号公報に開示あるもの
は、二基のO2センサのうち第一O2センサは通常の空燃
比制御点を有するものとし、第二O2センサは上記制御
点が通常のものより燃料リッチ側に存在するものとし、
燃焼温度の低いエンジンの運転状態(車速が遅いとき)
では第一O2センサを用い、燃焼温度の高いエンジンの
運転状態(車速が速いとき)では第二O2センサを用い
るように二基のO2センサを使い分けるものである。
【0009】こうすることによって、高温燃焼時に熱分
解して生成した水素で酸素が消費されることにより、O
2センサの酸素濃度検出値が実際の排気ガスの酸素濃度
よりも少なくなっていても(すなわち、燃料リッチ側の
検出結果であっても)、このとき使用している第二O2
センサは通常のものより燃料リッチ側に制御点を有する
ため、燃料がリッチであるとは判断せず、従って、更に
空気を導入するようなアクションは行われず、エンジン
の高温燃焼により発生する自動制御の錯誤動作が解消す
ると記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平1−121539号公報によって開示された制御方
式は、通常の第一O2センサと、わざわざバイアスをも
たせて検出端周辺の実際の酸素濃度よりも大目の酸素濃
度値を表示する第二O2センサの二基のO2センサを使用
するものであり、通常このようなバイアス補正を行った
2センサは市販されていないため、別注しなければな
らず入手は困難である。また、アルコール濃度に応じた
リーンシフト量に対して、精度を確保することが難し
い。
【0011】ところで、空燃比制御において制御量の適
正化を図るための手法として、フィード制御量を基にし
て、学習値を求める学習制御が知られているが、この手
法による場合も、上記のようにセンサ出力の精度が乏し
いと誤学習のおそれがある。
【0012】本発明は、上記のような従来の不都合を解
消するためになされたものであり、燃料中のアルコール
濃度の変動に拘らず常に正しい空燃比制御を行うことが
できるアルコールエンジンの空燃比制御機構を提供する
ことを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
アルコールエンジンの空燃比制御機構は、排気通路に排
気ガス中の水素、アルコールおよびアルデヒドを除去す
る酸化手段が設けられたアルコール含有燃料を使用する
アルコールエンジンにおいて、上記酸化手段の上流側お
よび下流側にそれぞれ設けられた第一空燃比検出センサ
および第二空燃比センサと、これらの空燃比センサの検
出結果を基にアルコール含有燃料の噴射量を決定し制御
する制御装置とが設けられ、この制御装置には上記第二
空燃比センサによる検出信号を用いて学習値を作成する
学習値作成手段が設けられていることを特徴とするもの
である。
【0014】本発明の請求項2に係るアルコールエンジ
ンの空燃比制御機構は、請求項1記載のアルコールエン
ジンの空燃比制御機構において、上記制御装置によって
空燃比のフィードバック制御を行う運転状態のうちの特
定運転時に上記学習値作成手段が作動し、少なくとも学
習値作成時に第二空燃比センサの出力を用いる一方、フ
ィードバック制御のみを行うときに第一空燃比センサの
出力を用いる切換手段を有することを特徴とするもので
ある。
【0015】本発明の請求項3に係るアルコールエンジ
ンの空燃比制御機構は、請求項1または2記載のアルコ
ールエンジンの空燃比制御機構において、エンジン低負
荷時には第一空燃比センサが用いられ、エンジン高負荷
時には第二空燃比センサが用いられることを特徴とする
ものである。
【0016】本発明の請求項4に係るアルコールエンジ
ンの空燃比制御機構は、請求項1、2または3記載のア
ルコールエンジンの空燃比制御機構において、第一空燃
比センサ使用時にはアルコール含有燃料中のアルコール
濃度に応じた燃料リーン側から燃料リッチ側移行時のフ
ィードバックディレーが設定され、第二空燃比センサ使
用時には上記フィードバックディレー値は一定に設定さ
れることを特徴とするものである。
【0017】
【作用】上記請求項1記載のアルコールエンジンの空燃
比制御機構によれば、第一空燃比検出センサおよび第二
空燃比センサの検出結果を基にアルコール含有燃料の噴
射量を決定し制御する制御装置に学習値作成手段が設け
られて学習により制御量が適正化され、特に、上記第二
空燃比センサを用いて学習が行われることにより、誤学
習が防止される。
【0018】上記請求項2記載のアルコールエンジンの
空燃比制御機構によれば、上記制御装置によって空燃比
のフィードバック制御を行う運転状態のうちの特定運転
時に上記学習値作成手段が作動し、少なくとも学習値作
成時に第二空燃比センサの出力を用いる一方、フィード
バック制御のみを行うときに第一空燃比センサの出力を
用いる切換手段を有するため、適宜この切換手段を作動
させ、迅速なアクションは第一空燃比センサの検出結果
により、また、安定した制御のための制御量の設定は実
際の排気ガス中の酸素濃度が検出可能な第二空燃比セン
サの検出値を基にした学習値により行うように使い分け
が可能であるから、より良好な燃料噴射量の制御が実現
する。
【0019】上記請求項3記載のアルコールエンジンの
空燃比制御機構によれば、エンジン低負荷時には第一空
燃比センサが用いられ、エンジン高負荷時の生成水素を
多く含んだ排気ガスに対しては酸化手段の下流側で第二
空燃比センサが用いられるため、この第二空燃比センサ
によってすでに水素が存在しない状態の排気ガスの酸素
濃度を検出することができ、正しい空燃比制御が実現す
る。
【0020】上記請求項4記載のアルコールエンジンの
空燃比制御機構によれば、第一空燃比センサ使用時には
アルコール含有燃料中のアルコール濃度に応じた燃料リ
ーン側から燃料リッチ側移行時のフィードバックディレ
ーが設定されているため、空燃比のリーンシフト傾向が
燃料のアルコール濃度に応じて適切に抑止される。第二
空燃比センサ使用時には空燃比制御は安定しているた
め、上記フィードバックディレー値は一定に設定されて
も問題はない。
【0021】
【実施例】図1は本発明のアルコールエンジンの空燃比
制御機構を適用した一例を示す全体説明図である。この
図に示すように、燃料タンク1には、ガソリン燃料とア
ルコール燃料とが混合されたアルコール含有燃料が貯溜
されている。このアルコール含有燃料のアルコール濃度
についてはアルコールを混入する目的に応じて種々雑多
であり、5%乃至95%まで変動するが、一般にアルコ
ール含有燃料といった場合は85%程度のものを指すこ
とが多い。
【0022】燃料タンク1の上部先端は給油管11に接
続している。系外から給油管11を介して燃料タンク1
に供給されたアルコール含有燃料は、フューエルポンプ
12の駆動によって汲み上げられ、燃料供給配管2を経
由し、フィルター21、アルコール濃度検出手段22お
よびプレッシャーレギュレータ23を介してインジェク
タ24に到り、このインジェクタ24から吸気通路(吸
気マニホルド31)に噴射され、霧化されて空気と混合
した状態でエンジン3に供給される。インジェクタ24
としては、いわゆるエアミクスチャ式のサイドフィード
インジェクタが採用されている上記フィルター21は、
燃料タンク1から供給されるアルコール含有燃料中の異
物を濾過して除去する濾過器であり、このフィルター2
1を通過して清浄となった燃料を対象としてアルコール
濃度検出手段22によりアルコール濃度が検出される。
このアルコール濃度検出手段22としては、ガソリンと
アルコールとが有する固有の電気抵抗値(アルコールの
方がガソリンよりも抵抗値は小さい)を基にアルコール
濃度を検出するものが実用的である。すなわち、一対の
電極を互いに対向させて配置し、この電極間に燃料を導
いて所定の電圧を印加し、電極間の抵抗値を測定するこ
とによって燃料供給配管2内を通過中の燃料のアルコー
ル濃度が検出される。プレッシャーレグレータ23は吸
気マニホルド31内の圧力を制御圧として導くことによ
り燃圧と吸気マニホルド31内圧力との差が常に一定に
なるようにするためのものである。
【0023】インジェクタ24の先端部に、燃料加熱手
段としてのPCTヒータ7(positive temperature coe
fficient heater)を付設してもよい。PTCヒータ7
は、温度変化によって電気抵抗が大幅に変化する半導体
感温素子を利用したヒータであり、温度の上昇に比例し
て電気抵抗が大きくなる。PCTヒータ7に通電させた
状態でインジェクタ24から燃料を噴射すると、このP
CTヒータ7は発熱して、燃料が燃焼室3aに到達する
前に加熱された状態になるため冷間時のエンジン始動に
効力を発揮する。
【0024】一方、吸気マニホルド31の上流側にはエ
アフローメータ37が設けられており、吸入された燃焼
空気の流量はこのエアフローメータ37で検出される。
吸気マニホルド31内のエアフローメータ37とインジ
ェクタ24との間にはアクセルペダルに連設されたスロ
ットル弁38が設けられており、この開閉操作によって
燃焼空気の供給量が調節される。
【0025】吸気マニホルド31内に燃焼用の空気と混
合されて霧化した燃料は、吸気バルブ32を介してエン
ジン3の燃焼室3a内に供給され、点火プラグ34から
発する火花を得て爆発し、ピストン3bを下方に押し下
げ、折り返しての上方への移動に伴い、生成した排気ガ
スは排気バルブ33を介して排気マニホルド35に導出
される。図示のないクランクシャフトの近傍にはエンジ
ン3の回転数を検出する回転数センサ39が設けられて
いる。
【0026】また、エンジン3の外周に設けられたジャ
ッケット36内の冷却水の水温は、ジャッケット36に
付設された温度計4によって検出される。
【0027】排気マニホルド35に続く排気通路(排気
管5)には、排気ガスを清浄化するための第一触媒層5
1および第二触媒層52が直列に設けられている。これ
ら触媒層51、52は排気ガス中の有害成分を除去する
ためのものであり、特に第一触媒層51は排気ガス中の
未燃アルコール、生成アルデヒドおよび生成水素を酸化
するための酸化手段として用いられる。
【0028】第一触媒層51の上流側および下流側に
は、それぞれ第一空燃比センサ81および第二空燃比セ
ンサ82が設けられている。これら空燃比センサ81、
82は、いわゆるガス中の酸素濃度を検出するO2セン
サであり、セラミック管の内外表面に白金電極が設けら
れたものである。セラミック管の内側には清浄空気が導
入され、セラミック管の外側は排気ガスと接触させ、こ
の状態で上記白金の両電極間の電位差を測定することに
よって酸素濃度が検出される。
【0029】この場合、第一空燃比センサ81は第一触
媒層51の上流側に設けられているため、排気ガス中の
水素がセンサ81の検出端を被覆した状態で酸素濃度が
測定される。従って、この水素が酸素の検出を妨げるた
め、正確な酸素濃度、引いては空燃比が検出されない嫌
いがある。これに対して、第二空燃比センサ82は酸化
手段としての第一触媒層51の下流側に設けられている
ため、すでに排気ガス中には水素は存在せず、より正確
に空燃比を検出することができる。
【0030】本実施例においては、エンジン3の低負荷
時、エンリッチ補正が行われるような運転領域を除く所
定運転領域でフィードバック制御が行われるが、このう
ちの低回転、低負荷領域、すなわちエンジン始動領域や
アイドリング領域、低速運転領域では、第一空燃比セン
サ81の空燃比検出結果に基づいてフィードバック制御
が行われ、フィードバック制御領域のうちで高負荷側、
すなわち高速回転側の領域では、第二空燃比センサ82
の空燃比検出結果に基づいて学習制御を伴うフィードバ
ック制御が行われる。
【0031】このように制御される理由は、まず第一に
エンジン低負荷時は燃料の燃焼温度もそれほど高温では
なく、従って、アルコールの熱分解による水素の生成も
多くはないから、水素が除去された状態でなくてもそれ
ほど不都合がないからである。第二にエンジン始動時な
どの低負荷時には、エンジン3の駆動状態は不安定で刻
々変化するため、それに対処すべくフィードバック制御
の応答性はなるだけ良好であることが要求されるからで
ある。エンジン低負荷時に第一触媒層51の後で酸素濃
度を検出したのではタイムラグが大きくなって応答性の
良好な空燃比制御が行い得ない。これに対して、高負荷
時には、エンジン3の駆動状態は安定しており、フィー
ドバック制御の応答性よりむしろ安定性が要求されるか
ら、高負荷時には学習制御が付加されるのである。
【0032】本発明においては、制御装置6に予め入力
されたプログラムを基に上記空燃比制御が実行される。
この空燃比制御のために必要なデータとしては、回転数
センサ39が検出するエンジン回転数(N)、エアフロ
ーメータ37が検出する吸入空気量(Tpk)、温度計4
が検出する冷却水の水温(Tw)、アルコール濃度検出
手段22が検出する燃料中のアルコール濃度(MD)、
第一空燃比センサ81が検出する第一触媒層51上流側
の酸素濃度(O1)および第二空燃比センサ82が検出
する第一触媒層51下流側の酸素濃度(O2)が挙げら
れる。
【0033】これらの検出値は逐一制御装置6に入力さ
れ、上記プログラムに従って所定の処理が実行されて燃
料噴射量(Ti)が計算されてインジェクタ24に出力
される。なお、具体的には燃料噴射量(Ti)のインジ
ェクタ24に対する信号は、インジェクタ24が作動す
るためのパルス信号のパルス幅として出力される。イン
ジェクタ24はこのパルス幅に見合った時間だけ燃料噴
射を行い、所定量の燃料をエンジン3に供給する。
【0034】そして、本発明において最も特徴とされる
ものは、この制御装置6の中に学習値作成手段61が設
けられていることである。この学習値作成手段61は、
燃料噴射制御の実施に際し、各種制御量が予め設定され
た所定の条件を満足する状態で、燃料噴射に関する特定
の制御量(具体的にはフィードバック制御による補正係
数の蓄積値)を学習しつつ蓄える働きをするものであ
り、常に新たに経験する新しい環境に応じて上記蓄積値
が計算されて古いものと置き代わるようにプログラミン
グされているため、そのときそのときの状況に応じた最
適の燃料噴射量制御が実現する。
【0035】また、制御装置6の中には第一空燃比セン
サ81の使用と第二空燃比センサ82の少との切り換え
を司る切換手段62が設けられている。
【0036】図2は本発明に係る空燃比制御の一例を示
すフローチャートである。以下この図を基に、本発明の
アルコールエンジンの空燃比制御機構の制御について説
明する。
【0037】まず、この制御においては、以下の燃料噴
射量算出式を使用する。
【0038】 Ti=Tpk×K×(1+Cw+Cen+Cfb+Cern+Cacc)+Tv・・・ ここに、Tiはエンジン1サイクルの回転での燃料噴射
量(噴射パルス幅)、Tpkはエアフローメータ37が検
出した吸入空気量、KはTpkに基づいて基本噴射量を求
める係数、Cwはジャッケット36内の水温に応じた補
正係数、Cenは燃料のエンリッチ補正係数、Cfbはフィ
ードバック制御による補正係数、Clrnは学習制御によ
って算出された補正係数、Caccはエンジン加速に対す
る補正係数、Tvはバッテリー電圧に対応した制御用の
バイアス電圧値である。
【0039】上記の各補正係数のうち、Cwは水温に対
する特性が当初から設定されて制御装置6に入力されて
いる。また、Cenの値はフィードバック領域外(高負荷
側、高回転側)でのエンリッチ補正用の係数であり、図
外のルーチンでエンリッチ領域の判定に基づいて設定さ
れる。同様にCaccについても図外のルーチンで設定さ
れて入力される。
【0040】まず、ステップS1において、回転数セン
サ39が検出するエンジン回転数(N)、エアフローメ
ータ37が検出する吸入空気量(Tpk)、温度計4が検
出する冷却水の水温(Tw)、アルコール濃度検出手段
22が検出する燃料中のアルコール濃度(MD)、第一
空燃比センサ81の出力、および第二空燃比センサ82
の出力のそれぞれの値が制御装置6に入力される。
【0041】そして次にステップS2、ステップS3が
実行されるが、これらのステップはフィードバック制御
を実施するか否かの判断を行うステップであり、いずれ
のステップの条件をも満足したときに始めてフィードバ
ック制御が実行される。まず、ステップS2は冷却水の
水分(Tw)が、予め設定された温度(T1、通常60
℃前後に設定される)よりも高いかどうかが判別され、
高いときは更につぎのステップS3の条件、エンリッチ
補正係数(Cen)が0であるか否かが問われて、いずれ
の条件をも満足した場合にステップS5から始まる燃料
噴射量制御が実行される。従って、いずれかの条件を満
足していない場合には、フィードバック制御に関する補
正係数(Cfb)に0が設定され、(Cen)に補正係数と
してはかなり大きな値が設定された状態でステップS1
6まで飛ばされ、それ以後のステップが実行される。
【0042】つぎのステップS5からステップS7まで
は、本発明に係る燃料噴射制御において、第一空燃比セ
ンサを用いた制御を行うか、第二空燃比センサを用いた
制御を行うかの判断が行われる。このステップS5乃至
ステップS7のフローを実行するものとして制御装置6
内に切換手段62が形成されている。
【0043】まず、ステップS5においては、エアフロ
ーメータ37によって検出された吸入空気量(Tpk)
が、予め設定された基準空気量(Tpo)より大きいかど
うかが判別され、ステップS6においてはエンジン回転
数(N)が予め設定された基準エンジン回転数(N1)
よりも大きいかどうかが判別され、ステップS7におい
てエンジン始動後の経過時間(t)が予め設定された基
準時間(t1)よりも大きいかどうかが判別され、いず
れの条件をも満足している場合、すなわち、学習制御を
行うに適した運転状態にある場合には、ステップS11
からのステップが実行されるが、いずれかの条件に適合
していない場合には、ステップS8からの第一空燃比セ
ンサの出力を用いたフィードバック制御が実行される。
【0044】すなわち、まずステップS8においては、
燃料のアルコール濃度(MD)に応じて決まるフィード
バック制御の場合の空燃比リーン側から空燃比リッチ側
へのディレー値(D)が設定される。このディレー値
(D)は、空燃比センサ出力のリーン側からリッチ側へ
の変化に対し、フィードバック補正係数Cfbの燃料増量
方向から燃料減少への変更を遅延させるものである。こ
の値の設定のために、D=f(MD)なる関係式が予め
制御装置6に入力されており、この関係式から上記ディ
レー値(D)が計算され、アルコール濃度が高くなるほ
ど大きくされる。
【0045】つぎのステップS9において、第一触媒層
51の上流側に設けられた第一空燃比センサ81の酸素
濃度の検出結果に基づいてフィードバック制御が実行さ
れる。そして、このときの第一空燃比センサ81による
フィードバック制御に対する補正係数Cfb1が計算さ
れ、つぎのステップS10においてこの補正係数Cfb1
の値が記憶場所Cfbに収納される。
【0046】そして、ステップS16において上記式
によって燃料噴射量(Ti)(具体的には噴射パルス
幅)が計算され、ステップS17で噴射時期が判断さ
れ、ステップS18が実行されて所定のパルス幅の信号
が制御装置6からインジェクタ24に発信され、計算さ
れた通りの燃料がエンジン3に供給される。
【0047】また、上記ステップS5乃至ステップS7
の条件をすべて満足しているとき、すなわち、ジャッケ
ット36の水温は所定の基準温度よりも上昇し、エンジ
ンの回転数は基準回転数よりも多くなり、エンジン始動
後所定の基準時間が経過した制御装置6の安定駆動状態
に到達したときは、ステップS11乃至ステップS15
で第二空燃比センサの出力を用いたフィードバック制御
が実行され、かつ、特定条件下で学習制御が行われる。
ステップS15を実行するものとして学習値作成手段6
1が制御装置6内に設けられている。
【0048】すなわち、まずステップS11が実行さ
れ、上記ディレー値(D)としては予め設定された一定
値が採用される。そして、ステップS12において第二
触媒層52の下流側に設けられた第二空燃比センサ82
の酸素濃度検出結果に基づくフィードバック制御が実行
され、このときの第二空燃比センサ82によるフィード
バック制御に対する補正係数Cfb2が計算され、つぎの
ステップS13においてこの補正係数Cfb2の値が記憶
場所Cfbに収納される。
【0049】そして、つぎのステップS14において、
学習制御を行うかどうかが判別される。この判別は、ジ
ャッケット36内の冷却水の水温(Tw)が予め設定さ
れた学習制御開始基準温度(T1)よりも高いかどうか
によって判断される。この温度は通常80℃前後に設定
されている。この条件が満足されていない場合はステッ
プS16以降が実行され、上記条件を満足している場合
は、つぎのステップS15が実行される。このステップ
においては、Cfbの値が用いられて学習制御が実行さ
れ、この学習制御によって算出された補正係数(Clr
n)が算出される。
【0050】以上説明したように、本発明のアルコール
エンジンの空燃比制御機構は、酸化手段である第一触媒
層51の上流側と下流側とにそれぞれ第一空燃比センサ
81と第二空燃比センサ82とを設けて、エンジンの駆
動が不安定なときは良好な制御応答性を確保するために
第一空燃比センサ81を用いてフィードバック制御を行
うようにし、エンジンの駆動が定常状態に到達した場合
には、排気ガス中に水素が存在しない状態、すなわち第
二空燃比センサ82が錯誤検知を行わない状態となるた
め、このセンサの出力を用いることで制御の精度が高め
られる。そして、この場合に、学習制御との併用でフィ
ードバック制御を実施することにより、誤学習を防止
し、良好な燃料噴射量の制御が実現する。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のアルコー
ルエンジンの空燃比制御機構は、第一空燃比検出センサ
および第二空燃比センサの検出結果を基にアルコール含
有燃料の噴射量を決定し制御する制御装置に学習値作成
手段が設けられて学習により制御量が適正化され、特
に、上記第二空燃比センサを用いて学習が行われること
により、誤学習が防止される。
【0052】上記制御装置によって空燃比のフィードバ
ック制御を行う運転状態のうちの特定運転時に上記学習
値作成手段を作動させ、少なくとも学習値作成時に第二
空燃比センサの出力を用いる一方、フィードバック制御
のみを行うときに第一空燃比センサの出力を用いる切換
手段を備えるようにすれば、適宜この切換手段を作動さ
せて、迅速なアクションは第一空燃比センサの検出結果
により、また、安定した制御のための制御量の設定は実
際の排気ガス中の酸素濃度が検出可能な第二空燃比セン
サの検出値を基にした学習値により行うように使い分け
が可能であるから、より良好な燃料噴射量の制御が実現
する。
【0053】エンジン低負荷時には第一空燃比センサが
用いられ、エンジン高負荷時の生成水素を多く含んだ排
気ガスに対しては酸化手段の下流側で第二空燃比センサ
が用いられるようにすれば、この第二空燃比センサによ
ってすでに水素が存在しない状態の排気ガスの酸素濃度
を検出することができ、正しい空燃比制御が実現する。
【0054】第一空燃比センサ使用時にはアルコール含
有燃料中のアルコール濃度に応じた燃料リーン側から燃
料リッチ側移行時のフィードバックディレーが設定され
るようにすれば、空燃比のリーンシフト傾向が燃料のア
ルコール濃度に応じて適切に抑止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアルコールエンジンの空燃比制御機構
の一例を示す説明図である。
【図2】本発明に係る空燃比制御の一例を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
1 燃料貯溜装置 11 給油管 12 フューエルポンプ 2 燃料供給配管 21 フィルター 22 第二アルコール濃度検出手段 23 プレッシャーレグレータ 24 インジェクタ 3 エンジン 3a 燃焼室 3b ピストン 31 吸気マニホルド 32 吸気バルブ 33 排気バルブ 34 点火プラグ 35 排気マニホルド 4 温度計 5 排気管 5a エルボ 51 第一触媒層 52 第二触媒層 6 制御装置 61 学習値作成手段 7 PTCヒータ 81 第一空燃比センサ 82 第二空燃比センサ
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 45/00 364 K 7536−3G

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気通路に排気ガス中の水素、アルコー
    ルおよびアルデヒドを除去する酸化手段が設けられたア
    ルコール含有燃料を使用するアルコールエンジンにおい
    て、上記酸化手段の上流側および下流側にそれぞれ設け
    られた第一空燃比検出センサおよび第二空燃比センサ
    と、これらの空燃比センサの検出結果を基にアルコール
    含有燃料の噴射量を決定し制御する制御装置とが設けら
    れ、この制御装置には上記第二空燃比センサによる検出
    信号を用いて学習値を作成する学習値作成手段が設けら
    れていることを特徴とするアルコールエンジンの空燃比
    制御機構。
  2. 【請求項2】 上記制御装置によって空燃比のフィード
    バック制御を行う運転状態のうちの特定運転時に上記学
    習値作成手段が作動し、少なくとも学習値作成時に第二
    空燃比センサの出力を用いる一方、フィードバック制御
    のみを行うときに第一空燃比センサの出力を用いる切換
    手段を有することを特徴とする請求項1記載のアルコー
    ルエンジンの空燃比制御機構。
  3. 【請求項3】 エンジン低負荷時には第一空燃比センサ
    が用いられ、エンジン高負荷時には第二空燃比センサが
    用いられることを特徴とする請求項1または2記載のア
    ルコールエンジンの空燃比制御機構。
  4. 【請求項4】 第一空燃比センサ使用時にはアルコール
    含有燃料中のアルコール濃度に応じた燃料リーン側から
    燃料リッチ側移行時のフィードバックディレーが設定さ
    れ、第二空燃比センサ使用時には上記フィードバックデ
    ィレー値は一定に設定されることを特徴とする請求項
    1、2または3記載のアルコールエンジンの空燃比制御
    機構。
JP4016799A 1992-01-31 1992-01-31 アルコールエンジンの空燃比制御機構 Pending JPH05209549A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4016799A JPH05209549A (ja) 1992-01-31 1992-01-31 アルコールエンジンの空燃比制御機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4016799A JPH05209549A (ja) 1992-01-31 1992-01-31 アルコールエンジンの空燃比制御機構

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05209549A true JPH05209549A (ja) 1993-08-20

Family

ID=11926204

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4016799A Pending JPH05209549A (ja) 1992-01-31 1992-01-31 アルコールエンジンの空燃比制御機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05209549A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6997172B2 (en) * 2003-03-18 2006-02-14 Nissan Motor Co., Ltd. Fuel properties estimation for internal combustion engine
JP2008095662A (ja) * 2006-10-16 2008-04-24 Toyota Motor Corp 空燃比制御装置
US20110010075A1 (en) * 2009-07-10 2011-01-13 Noah Rogers Method, apparatus, and system to measure, record, and control exhaust products from an ice
WO2012066645A1 (ja) 2010-11-17 2012-05-24 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6997172B2 (en) * 2003-03-18 2006-02-14 Nissan Motor Co., Ltd. Fuel properties estimation for internal combustion engine
JP2008095662A (ja) * 2006-10-16 2008-04-24 Toyota Motor Corp 空燃比制御装置
US20110010075A1 (en) * 2009-07-10 2011-01-13 Noah Rogers Method, apparatus, and system to measure, record, and control exhaust products from an ice
WO2012066645A1 (ja) 2010-11-17 2012-05-24 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
US8903627B2 (en) 2010-11-17 2014-12-02 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device of internal combustion engine

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5693877A (en) Evaluating method for NOx eliminating catalyst, an evaluating apparatus therefor, and an efficiency controlling method therefor
US6975933B2 (en) Fuel properties estimation for internal combustion engine
US5605138A (en) Method and apparatus for proportioning fuel upon the starting of an internal combustion engine
US6314944B1 (en) Fuel property determination from accumulated intake air amount and accumulated fuel supply amount
WO2006129198A1 (en) Fuel injection quantity control apparatus for an internal combustion engine
US7013214B2 (en) Air-fuel ratio feedback control apparatus and method for internal combustion engine
KR0147916B1 (ko) 내연 기관의 연료 성상 검출 장치
JP3005818B2 (ja) エンジンの始動燃料供給量制御装置
US6588409B2 (en) Engine cold start fuel control method having low volatility fuel detection and compensation
JP5115664B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3067217B2 (ja) 内燃機関用混合燃料のブレンド率検出方法
WO2009122829A1 (ja) 多種燃料エンジンの燃料噴射制御装置
JPH05209549A (ja) アルコールエンジンの空燃比制御機構
JP4075341B2 (ja) 直噴式火花点火機関の制御装置
US5492107A (en) Air fuel ratio control apparatus for an internal combustion engine
JP2005042638A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JPH07325066A (ja) 空燃比センサー用加熱手段の制御装置
US6976483B2 (en) Air-fuel ratio control apparatus for internal combustion engine and method thereof
JP3973387B2 (ja) 内燃機関の吸気圧検出方法
JP2551378Y2 (ja) 内燃機関の電子制御燃料噴射装置
JPH05106486A (ja) 空燃比センサの劣化判定装置
JP2505750B2 (ja) 多種燃料内燃エンジンの空燃比制御方法
JP3627417B2 (ja) 内燃機関の燃料性状検出装置
JP2511395B2 (ja) 内燃機関の制御装置
KR100746914B1 (ko) 차량의 연료량 보정방법

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees