JPH05209251A - 高剛性Ti合金とその製造方法 - Google Patents

高剛性Ti合金とその製造方法

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JPH05209251A JP4212880A JP21288092A JPH05209251A JP H05209251 A JPH05209251 A JP H05209251A JP 4212880 A JP4212880 A JP 4212880A JP 21288092 A JP21288092 A JP 21288092A JP H05209251 A JPH05209251 A JP H05209251A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱間加工が可能でかつ引張強さ90kgf/mm2
上、ヤング率13000 kgf/mm2 以上の高剛性チタン合金を
提供する。 【構成】 Al:5.5 〜10%、B:0.5〜3.0 %、酸素:0.0
7 〜0.25%、所望により、さらにSn、ZrおよびHfの一種
または二種以上合計20%以下、および/ または少なくと
も一種のβ相安定化元素をV当量で15%以下を配合す
る。Ti合金マトリックスには金属ホウ化物が晶出および
/または析出している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量でかつ高剛性が要
求される機械部品、例えば自動車エンジン部品のコンロ
ッド、カムシャフト、クランクシャフト、プッシュロッ
ドや、航空機部品、特に脚部品に有用な軽量かつ高剛性
Ti合金とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】チタン合金は軽量で強度が高く、耐食性
や耐熱性にも優れることから種々の機械部品への適用が
進められている。しかしヤング率が鉄鋼材料の約1/2 の
約9000〜11500 kgf/mm2 と小さいため、そのままでは座
屈が発生したり、たわみが大きくなってしまう。したが
って、シャフトやコンロッド等の長尺部品へチタン合金
を適用する場合はその断面積を増加させて、座屈、たわ
みを防止することしかその対策はなく、そのため使用重
量が大きくなってしまい、チタンのもつ軽量で比強度が
高いという特性を十分に利用できないでいた。
【0003】従来、チタンの剛性 (ヤング率) を高める
方法として、複合化、例えば、高ヤング率の繊維 (例え
ばSiC 繊維、炭素繊維、Al2O3 繊維) をチタン中に配合
した複合材料が検討されているが、この方法では繊維の
コストが高く、かつ活性チタンと繊維とが反応してもろ
い反応層が生成してしまい機械的性質がかえって劣った
複合材料しか得られていなかった。また、合金成分を調
整して剛性を増大させるという方向での検討はされてい
なかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、純Tiのヤン
グ率は10400kgf/mm2、 (α+β) 型Ti合金であるTi−6
Al−4V合金のヤング率は11500kgf/mm2、β型Ti合金であ
るTi−3Al−8V−6Cr−4Mo−4Zr合金は溶体化状態
(β単相状態) では8200kgf/mm2 、時効状態では10600kg
f/mm2と、現状の実用合金はこの程度のヤング率しか有
していない。
【0005】このように、鉄 (ヤング率21000kgf/mm2)
に比べて著しく低いチタン合金のヤング率を高くするこ
とが、長尺部品へチタン合金を適用する際の最大の課題
であるが、現状では、熱間加工性が良く、かつ常温の延
性、靱性が十分あり、さらに低コストの高剛性チタン合
金は開発されていない。
【0006】本発明の目的は、このような状況に鑑み、
熱間加工が可能で、かつ機械的性質に優れた高剛性チタ
ン合金とその製造方法を提供することである。本発明の
より具体的な目的は、熱間加工が可能で、かつ引張強さ
90kgf/mm2 以上、ヤング率13000 kgf/mm2 以上の高剛性
チタン合金とその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、チタン合金
のヤング率を向上させるために配合成分および微細分散
粒子のヤング率への影響を詳細に検討した結果、以下の
知見を得、本発明を完成した。
【0008】(1) α相を安定化する元素であるAl、酸素
はヤング率を著しく向上させる効果をある。しかし、酸
素はTi合金の常温延性を著しく低下させるので、0.25wt
%以下でなければならない。中性型元素Sn、Zr、Hfはヤ
ング率向上効果は小さく、ほとんど変化させないが、高
温強度・耐クリープ性を向上させる効果がある。β相安
定化元素、特に全率固溶型のV、Moはヤング率を著しく
低下させる効果がある。共析型のFe、Crはヤング率を低
下させるが、全率型ほど著しくはない。
【0009】(2) ヤング率をさらに向上させるために
は、高ヤング率の粒子を分散させることが特に効果的で
ある。そのような分散粒子としては、チタンマトリック
ス中に晶出および/または析出反応によって生成する炭
化チタン、ホウ化チタンがあるが、炭化チタンに比べ粒
子としてのヤング率が1.3 倍以上大きいホウ化チタンが
好ましい。
【0010】このとき、ホウ化チタンをマトリックス中
に均一に分散させる方法として、高融点のホウ化チタン
あるいはホウ素単体を用いて、Ti合金と混合溶解させる
よりも、ホウ素との反応の自由エネルギーがチタンより
も高く、不安定なホウ化物で、かつ融点の低いアルミニ
ウムホウ化物および/またはFeホウ化物を用いて、混合
溶解させ、凝固および冷却時に新たにホウ化チタンを晶
出および/または析出させる方法が溶解の容易性、安全
性の観点から好ましい。 (3) 熱間加工性、熱処理性を向上させるために、ヤング
率を少し減じてもβ相安定化元素を加えることも必要で
ある。
【0011】ここに、本発明は、重量%で、Al:5.5〜10
%、B:0.5 〜3.0 %、酸素:0.07 〜0.25%、残部Tiおよ
び不可避不純物からなり、所望により、さらにSn、Zrお
よびHfの一種または二種以上合計20%以下、および/ま
たは少なくとも一種のβ相安定化元素を下記式で示され
るV当量で合計15%以下含有し、Ti合金マトリックス中
に金属ホウ化物が晶出および/または析出していること
を特徴とする高剛性Ti合金である。
【0012】
【数2】
【0013】また、本発明は、ホウ化Tiなどの金属ホウ
化物をマトリックス中に分散させるために、低融点のア
ルミニウムホウ化物および/またはFeホウ化物を原料中
のB源として混合溶解し、凝固時に晶出および/または
析出反応によりホウ化Tiなどの金属ホウ化物をマトリッ
クス中に分散させる高剛性Ti合金の製造方法である。
【0014】
【作用】本発明は、Tiにα相安定化元素のAlを多量に、
かつ酸素を適当量添加し、さらに金属ホウ化物をマトリ
ックス中に微細に晶出/析出させ均一分散させること
で、Ti合金のヤング率を向上させるものである。さらに
必要に応じて、中性型元素のSn、Zr、Hfを添加して、少
なくとも1部を固溶させることで高温強度を向上させた
り、および/またはβ相安定化元素をβ相単相とならな
い程度に添加して、βトランザスを下げて熱間加工性を
向上 (ヤング率は少し下がるが) させたり、熱処理性の
付与を図るものである。
【0015】このように、本発明においてTi合金マトリ
ックス中に晶出および/または析出する金属ホウ化物は
一般にはホウ化チタン(TiB) であるが、その他Zr、Hfを
添加した場合にはホウ化ジルコニウム、ホウ化ハフニウ
ムが微量ながら晶出および/または析出する。本発明に
おける成分組成を上述のように限定した理由を以下に述
べる。
【0016】Al、酸素:Al、酸素はα相安定化元素であ
り、固溶硬化効果が大きく、ヤング率向上効果が極めて
大である。その効果はAlについては5.5 wt%未満、酸素
については0.07wt%未満ではヤング率向上効果があまり
なく、一方10wt%超のAlまたは0.25wt%超の酸素では、
延性 (冷間・熱間) を劣化させるので望ましくない。本
発明では5.5 〜10wt%、好ましくは6.5 〜8.5 %であ
る。
【0017】なお、他のα相安定化元素として、C、
H、Nがあるが、本発明にあってはそれらは可能な限り
少ないほうが望ましく、特に常温延性低下の理由から炭
素は0.1 %未満、H:0.05 %以下、N:0.1%以下に制限
するのが好ましい。
【0018】B:Bは凝固および冷却時にホウ化チタン
(TiB)として、晶出および/または析出し、Ti合金のヤ
ング率を向上させる働きがある。ホウ化チタンはヤング
率が50000 kgf/mm2 以上で、Tiに比べてヤング率が極め
て高いが、その高ヤング率により粒子体積量に比例し
て、複合則に従い、Ti合金のヤング率を向上させる。
【0019】B量が0.5 wt%未満では、ホウ化チタンの
晶出および/または析出量が少なくヤング率向上量が小
さい。3.0 wt%超ではホウ化チタン分散量が多く、ヤン
グ率向上量は大きくなるが、冷間・熱間の延性が著しく
低下する。それゆえ、B量は0.5 〜3.0 wt%、好ましく
は 0.7〜2.0 %となる。
【0020】なお、B量1.0 wt%で約5体積%のホウ化
チタンがマトリックス中に晶出および/または析出によ
り分散することが判っている。3.0 wt%Bでは約15体積
% (ホウ化チタン) が分散する。
【0021】本発明によれば、後述するように、中性型
元素および/またはβ相安定化元素を配合する場合もあ
るが、そのような場合には各添加元素はマトリックス中
に固溶する。ただ、Zr、Hfについては、大部分はマトリ
ックス中に固溶するものの、微量ながら金属ホウ化物と
して晶出および/または析出する。そのときの金属ホウ
化物はホウ化ジルコニウム、ホウ化ハフニウムとなる。
ただし、その量が微量であること、ホウ化チタンに比べ
るとホウ化物自体のヤング率が低い理由により、これら
はヤング率向上には寄与することはない。
【0022】Sn、Zr、Hf:これらの元素は所望により少
なくとも一種配合される。2種以上配合する場合、好ま
しい組合せとしては、SnとZr( および/ またはHf) であ
る。Sn、Zr、Hfは中性型元素であり、固溶強化の働きが
ある。ヤング率向上効果は小さいが、高温強度を大きく
する。それゆえ、高耐熱性と高ヤング率の両方の性質を
向上させる場合に添加するのがよい。添加量が少ない場
合は、冷間・熱間の延性を劣化する効果は小さいが、S
n、Zr、Hfの一種または二種以上が20wt%を越えると冷
間・熱間加工性を低下させることおよび合金コストが高
くなるので、合計20wt%以下とする。
【0023】中性型元素であるこれらの添加元素は、本
発明にかかるチタン合金マトリックス中では大部分は固
溶した形態で存在する。ただし、Zr、Hfについてはわず
かではあるが、一部はホウ素と結びつき金属ホウ化物生
成に寄与する。Zrの場合、その含有量の約7/8 が固溶
し、約1/8 が金属ホウ化物生成に寄与する。同じくHfの
場合、3/4 が固溶し、約1/4 が金属ホウ化物生成に寄与
すると考えられる。
【0024】β相安定化元素:β相安定化元素として
は、例えばV、Mo、Cr、Fe、Nb、Ni、W等があり、これ
らは所望添加元素であり、少なくとも一種前述のV当量
が15%以下の量だけ所望により配合される。配合された
β相安定化元素はTi合金マトリックス中では固溶した形
態で存在する。
【0025】このようなβ相安定化元素を添加するとヤ
ング率は低下するが、Ti3Al の生成を抑制する作用があ
るため、Alをより多く含有させ得る効果がある。また、
熱処理性を向上させたり、βトランザスを下げ、熱間加
工性を改善する効果をも有する。
【0026】全率固溶型のV、Moはヤング率低下効果が
大きく、共析型のFe、Crはそれが小さい。しかし、いず
れのβ相安定化元素も、β相単相となるほど添加するこ
とはヤング率低下が大きく好ましくない。それゆえ、ヤ
ング率を極端に低下させない範囲、つまりβ相安定化元
素を少なくとも一種以上合計でV当量で15%以下は添加
してもよい。なお、V当量15%に対応する元素の量は、
例えばMoは10%、Cr 6.3%、Fe 4%である。
【0027】次に、本発明にかかるチタン合金の製造方
法について説明する。溶解原料であるTiスポンジ、純A
l、電解Sn、Zrスポンジ、純Hf、Al−V母合金、Al−Mo
母合金、そしてMo、Cr、Vの各単体を適宜選択してから
所定量配合し、さらに、ヤング率向上のためのホウ化チ
タンを晶出/析出させて分散させるために、原料中のB
源として未溶解が起こりにくい低融点のアルミニウムホ
ウ化物 (溶融点1720℃) および/またはFeホウ化物 (溶
融点1650℃) を混合し、次いでアーク溶解 (プラズマア
ーク溶解等の非消耗電極溶解またはVAR 溶解) にて溶融
体として合金化すればよい。酸素量については、Tiスポ
ンジの種類によって調整できるが、大量に添加する場合
にはTiO2を用いればよい。
【0028】B源としてTiB2を用いれば融点が3225℃で
あるので、VAR 溶解では未溶解となり、サイドアーク発
生等溶解上極めて問題がある。また、非消耗電極溶解に
おいても、TiB2が未溶解となる場合があり、金属ホウ化
物の晶出物および/または析出物が分散された良好な品
質のインゴットができない。
【0029】また、B単体も融点が2100℃であり、同様
の問題が生じる恐れがある。したがってこれらを用いる
場合には、エレクトロンビーム溶解のような、さらに高
いエネルギーを有する溶解法を使用する必要がある。
【0030】本発明にしたがって、少なくともB源の溶
解原料としてアルミニウムホウ化物および/またはFeホ
ウ化物を用いることで、溶解後、凝固・冷却中にホウ化
チタンあるいは微量のホウ化ジルコニウムあるいはホウ
化ハフニウムがマトリックス中に均一に晶出および/ま
たは析出する。
【0031】このようにして晶出/析出した分散粒子は
マトリックスの密度 (約4.5)とほぼ等しいため、偏析等
は起こらず、極めて均一に分散する。さらに、そのよう
な金属ホウ化物は晶出および/または析出した分散粒子
であるので、生成した粒子は極めて安定であり、熱間加
工、熱処理等の加熱処理によってもマトリックスと金属
ホウ化物との間に反応層を生じず、合金を劣化させな
い。
【0032】このようにして製造された合金インゴット
を、例えば1000〜1200℃の温度で熱間加工し、鍛伸、圧
延材とすることができる。さらに焼鈍等の熱処理により
機械的性質を希望する値に調整することも可能である。
【0033】
【実施例】実施例によって本発明をさらに具体的に説明
する。 (実施例1)表1および表2に示す組成の合金を容量15kg
の小型VAR 装置を使って2回溶解法で溶製し、直径140
×長さ220 (mm)のインゴットとした。使用した原料はTi
スポンジ、Zrスポンジ、電解Sn、Al−V母合金、Al−Mo
母合金、純Al、純Hf、純Cr、TiO2粉末およびアルミニウ
ムホウ化物、Feホウ化物粉末(平均粒径80〜200 μm)で
あった。
【0034】また、マトリックス中にホウ化Tiを分散さ
せるために、ホウ化Tiの粉末を用いてVAR 溶解を行った
が、インゴット中でホウ化Ti粉末が未溶解となり、均一
なインゴットが得られなかった。また、結晶ボロン粉末
を使用した場合もインゴット中でBは未溶解で存在して
いた。
【0035】表1および表2のNo.1〜21は本発明例、N
o.22 〜28は本発明範囲外の合金組成の比較例である。N
o.29 〜31は既存のα、 (α+β) 、β型合金の従来例
である。本発明例ではホウ化Tiの晶出が確認されたが、
No.28 の比較例および従来例ではそれらは認められなか
った。
【0036】上記のようにして得られたインゴットを11
50℃に加熱して1200〜900 ℃の間で熱間鍛伸する。900
℃を鍛伸中に下まわらなければ、1ヒートでの減面率、
加工度は自由である。鍛伸により直径30×長さ4500(mm)
の棒材とした。このときの熱間加工によって割れのみら
れなかった供試材については熱間加工性は良「○」とし
た。「×」は割れがみられた場合を示す。
【0037】このようにして得られた各供試材を、950
℃×1hr→ACの熱処理の後、直径6×標点間距離30(mm)
の引張試験片と直径12×長さ150(mm) のヤング率測定用
試験片とを切り出した。機械的性質は通常の常温引張試
験より求めた。結果を同じ表1、表2に示す。ヤング率
の測定は共振法を用いて、E=4ρL2f2 (L: 試料の長
さ、ρ: かさ密度、f: 共振振動数) により求めた。
【0038】表1および表2に示す結果からも分かるよ
うに、本発明にかかる合金は従来の合金に比べて、ヤン
グ率が高くなっており、分散粒子の増加により17000kgf
/mm2程度の高ヤング率が得られることが判った。また、
Sn、Zr、Hfをあわせて添加した場合は高温強度も高くな
っていたし、β相安定化元素を添加した場合は熱間加工
性の向上効果があった。
【0039】一方、比較例に示すように、本発明の範囲
外の組成の合金ではヤング率が低かったり、熱間延性に
乏しく、棒材の製造ができなかった。なお、従来例にあ
っては熱間延性は十分であったが、ヤング率はかなり低
い。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】(実施例2)実施例1と同様にして、Ti−7
Al−1.5B−0.15酸素成分系とTi−7Al−2V−1.5Mo −1.
5B−0.15酸素成分系の本発明にかかる合金をVAR 溶解に
て溶製し、直径140 ×長さ220(mm) のインゴットとし
た。金属ホウ化物としてホウ化チタンが7.5 %晶出して
いた。
【0043】次いで、これらインゴットを1150℃に加熱
して (加工温度範囲: 1200〜900 ℃) 、直径60mmに鍛伸
後空冷し、880 ℃に再加熱して (加工温度範囲: 900 〜
700℃) 、直径25mmに熱間圧延したところ、Ti−7Al−
1.5B−0.15酸素材は表面に小さい割れが認められ、Ti−
7Al−2V−1.5Mo −1.5B−0.15酸素材には割れは認めら
れなかった。
【0044】Ti−7Al−1.5B−0.15酸素材のβトランザ
スは約1030℃であったが、Ti−7Al−2V−1.5 Mo−1.5B
−0.15酸素材のそれは約960 ℃であり、β相安定化元素
が含まれているため、βトランザスが低下し、熱間加工
温度が低下しても、かなり変形能のよいβ相が残存し、
熱間加工割れが生じなかったと考えられる。
【0045】次に、上記直径60mm鍛伸材を1150℃に加熱
し、熱間圧延により直径25mmの棒を作成、しかる後に、
920 ℃に1hr加熱後水冷したもの、およびそれに次いで
500℃×8hr時効処理したものについて、常温引張試験
を実施した。結果を表3に示すが、時効処理により、Ti
−7Al−2V−1.5Mo −1.5B−0.15酸素材は高強度化する
が、Ti−7Al−1.5B−0.15酸素材はほとんど機械的性質
に変化はなかった。
【0046】
【表3】
【0047】以上のように、β相安定化元素を添加する
ことで、熱間加工性と熱処理性を向上させることが可能
である。
【0048】
【発明の効果】本発明のチタン合金は十分な機械的強度
と熱間加工性を保持しながら、極めて高ヤング率を呈す
るものである。したがって、自動車エンジン部品のコン
ロッド、カムシャフト、クランクシャフト、プッシュロ
ッドや、航空機部品例えば脚部品等の高比強度と高ヤン
グ率を要求する機械部品等に本発明合金を使用すること
ができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、Al:5.5〜10%、B:0.5 〜3.0
    %、酸素:0.07 〜0.25%、残部Tiおよび不可避不純物か
    ら成り、そのTi合金マトリックス中に金属ホウ化物が晶
    出および/または析出していることを特徴とする高剛性
    Ti合金。
  2. 【請求項2】 Ti合金マトリックス中に、Sn、Zrおよび
    Hfの一種または二種以上合計20重量%以下を少なくとも
    1部固溶させて含む請求項1記載の高剛性Ti合金。
  3. 【請求項3】 Ti合金マトリックス中に少なくとも一種
    のβ相安定化元素を、下記式で示されるV当量で15%以
    下を含むことを特徴とする請求項1または2記載の高剛
    性Ti合金。 【数1】
  4. 【請求項4】 原料中のB源として少なくともアルミニ
    ウムホウ化物および/またはFeホウ化物を用いて溶製
    し、凝固時に金属ホウ化物をTi合金マトリックス中に晶
    出および/または析出させることを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれかに記載する高剛性Ti合金の製造方
    法。
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