JPH05208467A - 多層成形体及びその製造方法 - Google Patents

多層成形体及びその製造方法

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JPH05208467A
JPH05208467A JP4275769A JP27576992A JPH05208467A JP H05208467 A JPH05208467 A JP H05208467A JP 4275769 A JP4275769 A JP 4275769A JP 27576992 A JP27576992 A JP 27576992A JP H05208467 A JPH05208467 A JP H05208467A
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layer
powder
resin
ethylene
thermoplastic elastomer
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Application number
JP4275769A
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English (en)
Inventor
Toshiro Igarashi
敏郎 五十嵐
Nobuhiro Usui
信裕 臼井
Sueji Shinohara
寿恵治 篠原
Masayuki Tatsumi
雅之 辰巳
Hiroaki Tsumadori
浩昭 妻鳥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】外観に優れるのみならずクリーン性にも優れた
表皮層を有する多層成形体を提供する。 【構成】表皮層と熱可塑性樹脂層とからなる多層成形体
であって、表皮層が特定の熱可塑性エラストマーを含む
パウダー組成物を粉末成形して得られる層、または上記
層にさらに粉末成形法により発泡層を裏打ちしてなる複
合層であることを特徴とする多層成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の熱可塑性エラス
トマーを含むパウダー組成物から成形された表皮層と熱
可塑性樹脂層とからなる多層成形体及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、皮しぼ、ステッチ等の複雑な
模様を有する表皮層と熱可塑性樹脂層とからなる多層成
形体は、自動車内装材等として使用されており、塩化ビ
ニル系樹脂パウダー組成物を粉末成形することにより、
複雑な模様を賦形した表皮層を成形した後、熱可塑性樹
脂を積層して製造することも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題、課題を解決するための
手段】しかしながら、この多層成形体においては、表皮
層原料として、塩化ビニル系樹脂を用いているため、軽
量性に劣るのみならず廃棄時の焼却処分により酸性物質
を発生し、大気汚染、酸性雨等を惹起し、クリーン性に
劣るという欠点があり、十分満足し得るものではない。
【0004】本発明者らは、かかる問題を解決し、上記
欠点のない多層成形体を開発すべく鋭意検討を重ねた結
果、特定の熱可塑性エラストマーを含むパウダー組成物
を粉末成形することにより、局部的薄肉化、ピンホール
等がなくしかも成形金型内の模様が正確に転写された表
皮層が得られることを見出すとともに、これに熱可塑性
樹脂を積層した多層成形体が、美観に優れるのみならず
軽量性、クリーン性にも優れることを見出し本発明を完
成した。
【0005】すなわち、本発明は、表皮層と熱可塑性樹
脂層とからなる多層成形体であって、表皮層が下記
(A)の熱可塑性エラストマーを含むパウダー組成物を
粉末成形して得られる層、または上記層にさらに粉末成
形法により発泡層を裏打ちしてなる複合層であることを
特徴とする多層成形体及びその製造方法を提供するもの
である。 (A)エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとポリ
オレフィン系樹脂との組成物からなる熱可塑性エラスト
マー、またはエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム
とポリオレフィン系樹脂との部分架橋型組成物からなる
熱可塑性エラストマーであって、250 ℃における周波数
1ラジアン/秒での複素動的粘度η* (1) が 1.5×105
ポイズ以下であり、かつ上記複素動的粘度η* (1) と周
波数100 ラジアン/秒での複素動的粘度η* (100) とを
用いて次式で算出されるニュートン粘性指数nが0.6 未
満である熱可塑性エラストマー。 n={logη* (1) −logη* (100) }/2
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
多層成形体は、熱可塑性樹脂を基材とし、表皮層とし
て、上記の特定の熱可塑性エラストマーを含むパウダー
組成物を粉末成形して得られる層、またはこの層に熱可
塑性樹脂パウダーを粉末成形法してなる発泡層を裏打し
た複合層を使用することを特徴とするものである。熱可
塑性エラストマーを構成する一成分であるエチレン・α
−オレフィン系共重合体ゴムとしては、例えば、エチレ
ン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・
非共役ジエン共重合体ゴム等のオレフィンを主成分とし
たゴムが挙げられる。非共役ジエンとしては、例えばジ
シクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、1,4
−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボ
ルネン等が挙げられる。このようなエチレン・α−オレ
フィン系共重合体ゴムの中でも、エチレン・プロピレン
・エチリデンノルボルネンゴム(以下EPDMと称す
る)がより好ましく使用され、これを用いると、耐熱
性、引張特性等に優れたエラストマーが得られる。
【0007】エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム
のムーニー粘度(ASTM D-927-57Tに準じて100 ℃で測
定したムーニー粘度(ML1+4 100 ℃))は、通常130 以
上350 以下、好ましくは200 以上300 以下である。また
エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムは、これにパ
ラフィン系プロセスオイル等の鉱物油系軟化剤を添加
し、油展オレフィン系共重合体ゴムの形で使用すること
もできる。この場合には溶融流動性が向上するのみなら
ず成形体の柔軟性が向上するので好ましい。鉱物油系軟
化剤の添加量は、エチレン・α−オレフィン系共重合体
ゴム 100重量部当たり、通常120 wt部以下、好ましくは
30〜120wt 部である。
【0008】また熱可塑性エラストマーを構成する他の
成分であるポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピ
レン、プロピレンとエチレンの共重合体、プロピレンと
プロピレン以外のα−オレフィンの共重合体が好ましく
用いられる。特に、プロピレンとブテンとの共重合体樹
脂を用いることにより、成形体の硬度を下げることも可
能である。
【0009】ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレー
ト(MFR、JIS K-7210に準拠し、230 ℃、2.16kg荷重
で測定)が、20g /10分未満の場合は、粉末成形時にパ
ウダー同士が溶融付着し難くなり成形体の強度が低下す
るので、通常20g /10分以上のものが使用される。好ま
しくは50g /10分以上である。
【0010】本発明で使用される熱可塑性エラストマー
は、上記のようなエチレン・α−オレフィン系共重合体
ゴムとポリオレフィン系樹脂との組成物、または該組成
物を動的架橋した部分架橋型組成物を含むものである
が、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとオレフ
ィン系樹脂の比率は、重量比で通常5:95〜80:20であ
ることが好ましい。
【0011】部分架橋型組成物を製造するに当たって
は、架橋剤として有機過酸化物が通常用いられる。有機
過酸化物としては、ジアルキルパーオキサイドが好まし
く用いられる。また、ビスマレイミド化合物などの架橋
助剤の存在下、ごく少量の有機過酸化物を用いて動的架
橋することが好ましく、この場合には、エチレン・α−
オレフィン系共重合体ゴムが適度に架橋されて耐熱性が
向上すると同時に高流動が得られる。 架橋剤は、エチ
レン・α−オレフィン系共重合体ゴムとポリオレフィン
系樹脂との合計量100 重量部あたり、1.5 重量部以下、
好ましくは0.6 重量部以下用いられ、有機過酸化物は、
0.2 重量部以下、好ましくは0.1 重量部以下、より好ま
しくは0.07重量部以下用いられる。動的架橋は、一軸混
練押出あるいは二軸混練押出等の連続混練押出による方
法が好適である。二軸混練押出による場合は、剪断速度
<103sec-1で押出架橋を行なうとエチレン・α−オレフ
ィン系共重合体ゴムの分散粒子径が大きくなり本発明の
粘度条件を実現することが難しくなるので、剪断速度≧
103sec-1で連続押出架橋を行なうことが好ましい。
【0012】本発明における熱可塑性エラストマーは、
250 ℃、周波数1ラジアン/秒で測定した複素動的粘度
η* (1) が1.5 ×105 ポイズ以下、好ましくは1.0 ×10
5 ポイズ以下である。1.5 ×105 ポイズを超えると該エ
ラストマーのパウダーは、金型面上で溶融流動しなくな
り、加工時の剪断速度が1sec -1以下の非常に低い粉末
成形法では成形ができなくなる。また、250 ℃、周波数
1ラジアン/秒で測定した複素動的粘度η* (1) と周波
数100 ラジアン/秒で測定した複素動的粘度η* (100)
とを用いて次式で算出されるニュートン粘性指数nが0.
6 未満、好ましくは0.59以下である。 n={logη* (1) −logη* (100) )}/2 ニュートン粘性指数nが0.6 を超えると、仮に周波数1
ラジアン/秒で測定した複素動的粘度η* (1) が1.5 ×
105 ポイズ以下であっても、複素動的粘度の周波数依存
性の度合いが大きくなり、粉末成形のように成形時の賦
形圧力が1kg/cm2 以下と非常に小さい成形法では溶融
したエラストマーパウダー粒子同士の熱融着が不完全に
なり機械的物性の低い成形体が得られる傾向にあり好ま
しくない。
【0013】本発明においては、熱可塑性エラストマー
組成物として、部分架橋型組成物を用いる場合は、未架
橋のエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムあるいはエ
チレン−α−オレフィン共重合体樹脂を、エラストマー
100 重量部に対し50重量部以下ブレンドして使用し、成
形体の柔軟性をより向上させることもできる。この場合
のα−オレフィンは、プロピレン及びブテン等が単独ま
たは併用して用いられる。特にエチレン含有量が40〜90
重量%、好ましくは70〜85重量%のエチレン−プロピレ
ン共重合体ゴムでML1+4 100 ℃が50以下のものが好ま
しい。
【0014】本発明における熱可塑性エラストマーを含
むパウダー組成物は、上記のような熱可塑性エラストマ
ーを含む組成物を、ガラス転移温度以下の低温で粉砕す
ることにより通常製造される。例えば液体窒素による冷
凍粉砕法が好適に用いられる。−70℃以下、好ましくは
−90℃以下まで冷却したエラストマー組成物ペレットを
ボールミル等の衝撃式粉砕機を用いた機械的粉砕法によ
り得ることができる。−70℃より高い温度で粉砕する
と、粉砕したエラストマーパウダーの粒径が粗くなり、
粉末成形性が低下するので好ましくない。粉砕操作中に
ポリマー温度がガラス転移温度以上になるのを防ぐた
め、発熱が少なく、粉砕効率の高い方法が好ましい。ま
た、粉砕装置はそのものが外部冷却によって冷却されて
いることが好ましい。 得られたエラストマーパウダー
は、全重量の95%以上がタイラー標準篩の32メッシュを
通過する程度にまで粉砕されていることが好ましい。32
メッシュの篩上累積率が5%を越えると、粉砕成形時に
厚みムラが生じる原因の1つとなり得る。この厚みムラ
は成形品の柔軟性にムラを与え、折れジワを起こし易く
なるなど成形体の商品価値をそこなう要因となり得る。
【0015】また本発明におけるパウダー組成物は、内
部添加離型剤を含有しても良く、その内部添加離型剤と
して好適にはメチルポリシロキサン化合物が使用され
る。この場合のメチルポリシロキサン化合物は、25℃に
おける粘度が20センチストークス以上であることが好ま
しく、より好適には50〜5000センチストークスである。
粘度が大きくなりすぎると、離型剤としての効果が減少
する。内部添加離型剤の含有量は、パウダー組成物10
0重量部あたり2重量部以下であり、2重量部より多く
なると、エラストマーパウダー間の熱融着を阻害し、機
械的物性に劣った成形体しか得られなくなる恐れがあ
り、また金型表面に離型剤がブリードし、金型が汚染さ
れ恐れもあり好ましくない。
【0016】内部添加離型剤を含有せしめるに当たって
は、粉末化前後のいずれの時点で実施することができ
る。また、本発明におけるパウダー組成物は、フェノー
ル系、サルファイト系、フェニルアルカン系、フォスフ
ァイト系、アミン系またはアミド系安定剤のような公知
の耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、
金属石けん、ワックス等の滑剤、着色用顔料等を含有す
ることができる。含有させるにあたっては、粉末化前後
のいずれの時点で実施しても良い。
【0017】本発明の多層成形体は、上記のパウダー組
成物を粉末成形して得られる層を表皮層とするものであ
るが、この層 (非発泡層) に、発泡剤を含有する熱可塑
性合成樹脂パウダーを粉末成形してなる発泡層を裏打し
た複合層を表皮層とすることもできる。この場合の複合
層は、上記のパウダー組成物を粉末成形して得られた層
の裏面に、熱可塑性合成樹脂パウダーと熱分解型発泡剤
からなる発泡性組成物、またはこれにさらに液状コーテ
イング剤を含有させた発泡性組成物を用いて粉末成形し
た後、発泡することにより製造できる。
【0018】ここで熱可塑性合成樹脂パウダーとして
は、例えば熱可塑性エラストマー、ポリエチレン系樹
脂、ポリプロピレン系樹脂等のパウダーが挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば前記非発泡層で
用いたと同じエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム
とポリオレフィン系樹脂とのエラストマー組成物からな
るエラストマー、エチレン・α−オレフィン系共重合体
ゴムとポリオレフィン系樹脂との部分架橋型組成物から
なるエラストマー等の他にスチレン系、ウレタン系、ポ
リエステル系等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。
また、ポリエチレン系樹脂としては、例えば高圧法ポリ
エチレン、低圧法ポリエチレン、鎖状低密度ポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタク
リル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル−無水
マレイン酸三元共重合体、エチレン−グリシジルメタク
リレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレー
ト−酢酸ビニル三元共重合体、エチレン−グリシジルメ
タクリレート−メタアクリレート三元共重合体、エチレ
ン−α−オレフィン共重合体、変成ポリオレフィンのエ
チレンを主成分とする熱可塑性合成樹脂が挙げられる。
【0019】ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、
ホモポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共
重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロ
ピレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレ
ン−ブテン三元共重合体等が挙げられる。熱可塑性合成
樹脂パウダーとしては、上記の他にアクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン共重合体、メタアクリル酸メチル
−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエ
ン−スチレンブロック共重合体、アクリロニトリル−ス
チレン共重合体等のビニル系樹脂パウダーも使用でき
る。熱可塑性合成樹脂パウダーは2種以上混合して使用
することもできる。
【0020】また熱分解型発泡剤としては、粉末成形後
の加熱溶融時に分解してガスを発生するものであれば特
に制限はなく、一般の有機系または無機系の化学発泡剤
が使用できる。具体的には、アゾジカルボンアミド、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、アゾヘキサヒ
ドロベンゾニトリル、ジアゾアミノベンゼン等のアゾ化
合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ベンゼン−1,
3−スルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,
3’−ジスルホニルヒドラジド、ジフェニルオキシド−
4,4’−ジスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシ
ビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、パラトルエン
スルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド化合
物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、
N,N’−ジニトロソ−N,N’−ジメチルテレフタル
アミド等のニトロソ化合物、テレフタルアジド、p−第
3ブチルベンズアジド等のアジド化合物、重炭酸ナトリ
ウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム等の無機
化合物が挙げられ、これらは混合して使用することもで
きる。この中でもアゾジカルボンアミド及び4,4’−
オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)が好まし
い。熱分解型発泡剤は、その分解温度が通常120〜2
00℃であり、120〜180℃であることが好まし
い。 熱分解型発泡剤は、熱可塑性合成樹脂パウダー1
00重量部に対して、2〜11重量部配合され、好まし
くは3〜7重量部配合される。
【0021】また、熱分解型発泡剤の分解温度を低下さ
せる目的で発泡促進剤または発泡助剤を併用することも
できる。発泡促進剤または発泡助剤としては、例えば、
亜鉛華、硝酸亜鉛、フタル酸鉛、炭酸鉛、三塩化リン酸
塩、三塩基性硫酸鉛等の無機塩、亜鉛脂肪酸石けん、鉛
脂肪酸石けん、カドミウム脂肪酸石けん等の金属石け
ん、ホウ砂、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸等の酸
類、尿素、ビウレア、エタノールアミン、グルコース及
びグリセリン等が挙げられる。一方、熱分解型発泡剤の
分解温度を上げる目的で発泡抑制剤を用いることもでき
る。発泡抑制剤としては、例えば、マレイン酸、フマル
酸、フタル酸、無水マレイン酸、無水フタル酸等の有機
酸、ステアロイルクロリド、フタロイルクロリド等のハ
ロゲン化有機酸、ハイドロキノン等の多価アルコール、
脂肪酸アミン、アミド、オキシム、イソシアネート等の
含有機窒素化合物、メルカプタン、硫化物等の含有機イ
オウ化合物、亜リン酸塩化物等のリン酸塩、ジブチルス
ズマレート、塩化スズ、硫酸スズ等のスズ化合物、その
他ヘキサクロロシクロペンタジエン等が挙げられる。
【0022】また上記熱分解型発泡剤とともに液状コー
ティング剤を用いることにより、発泡セルの安定性を向
上せしめることもできる。液状コーティング剤として
は、常温〜220℃で硬化するコーティング剤が好まし
く使用される。例えば、ポリシロキサン、メラミン系、
ウレタン系、含フッ素系等の熱硬化性コーティング剤、
不飽和ポリエステル、アルキッド、オイルフリーアルキ
ッド、線状ポリエステル樹脂等のポリエステル樹脂、メ
ラミン樹脂、変性メラミン樹脂等のアミノ樹脂、ノボラ
ック型、β−メチルエピクロ型、環状脂肪族型、非環状
脂肪族型、エポキシ化脂肪酸エステル型、多価カルボン
酸エステル型、アミノグリシジル型、塩素化型、レゾル
シン型等のエポキシ樹脂、油変性、湿気硬化ブロック化
ポリウレタン樹脂の一液型、触媒硬化ポリオール硬化ポ
リウレタン樹脂の二液型等のポリウレタン樹脂、有機溶
剤型、水性型、無溶媒型等のアクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステルを主単量体とするアクリル樹脂が挙げ
られる。これらの液状コーティング剤のうちポリシロキ
サン、非環状脂肪族型及び環状脂肪族型のエポキシ樹
脂、メタクリル酸エステルのような無溶媒型のアクリル
樹脂が好ましく、その中でも、常温〜150℃で硬化す
る環状脂肪族型のエポキシ樹脂、メタクリル酸エステル
のような無溶媒型のアクリル樹脂が特に好ましい。液状
コーティング剤は、25℃で通常50〜50000cp
s程度の粘度を有するものが使用できるが、使用に際し
て溶剤で希釈することもできる。
【0023】また、本発明は、液状コーティング剤の硬
化を促進する目的で、通常の硬化剤を併用することもで
きる。例えば、エポキシ樹脂の硬化剤としては、ジエチ
レントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチ
レンペンタミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノ
メチル)フェノール、メタキシリレンジアミン等のアミ
ン系、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタール酸、無
水メチルナジック酸、無水ピロメリット酸等の酸無水
物、ポリアミド樹脂およびこれら混合物等が挙げられ
る。またアクリル樹脂の硬化剤としては、ジクミルペル
オキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサ
ン、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド
等の有機ペルオキシドこれらの混合物が挙げられる。液
状コーティング剤は、熱可塑性合成樹脂パウダー100
重量部に対して、0.1〜8重量部、好ましくは0.2
〜5重量部配合され、併用する硬化剤は、液状コーティ
ング剤100重量部に対して、酸無水物は通常100重
量部以下、アミン系、ペルオキシド系は通常3重量部以
下配合される。
【0024】上記のような薬剤を配合して発泡性組成物
を製造するに当たっては、通常、熱可塑性合成樹脂パウ
ダーに熱分解型発泡剤を配合し、次いで液状コーティン
グ剤を配合する。
【0025】本発明の多層成形体は、表皮層として、前
記パウダー組成物を粉末成形して得られる層、またはこ
の層 (非発泡層) にさらに、上記発泡性組成物を粉末成
形して得られる発泡層を、裏打してなる複合層を有する
ことを特徴とするものであるが、粉末成形するに当たっ
ては、例えば流動浸漬法、粉末焼結法、静電塗装法、粉
末溶射法、粉末回転成形法、粉末スラッシュ成形法(特
開昭58-132507 号公報) 等が採用される。なかでも粉末
スラッシュ成形法が好ましい。例えば表皮層が、非発泡
層に発泡層を裏打ちした複合層の場合は、(1)熱可塑
性エラストマーパウダー組成物を入れた容器と、パウダ
ーの溶融温度より充分高温に加熱された内部に複雑な模
様を有する金型とを、合わせて一体化し、これを回転お
よび/または揺動させながらパウダーをキャビティーに
付着、溶融させ、余剰のパウダーを容器中へ排出する、
(2)次いで、該容器を取り外し、発泡性組成物を入れ
た容器を、発泡性組成物の溶融温度より充分高温に加熱
された前記で得られた非発泡層を有する金型に、上記と
同様に一体化し、これを上記と同様にして発泡性組成物
を容器から非発泡層内に付着、溶融させ、余剰のパウダ
ー組成物を容器中へ排出し、(3)しかる後、該容器を
取り外し、得られた成形体を加熱発泡させることにより
製造し得る。発泡層を必要としない場合は、上記(1)
を実施することにより表皮層を製造し得る。また本発明
の多層成形体は、表皮層として、非発泡層に発泡層を裏
打ちし、さらにこれに非発泡層を裏打ちしてなる複合層
を有することもできる。この場合は、上記(1)、
(2)を実施した後、(1)を再度実施し、しかる後に
(3)を実施することにより表皮層を製造し得る。
【0026】粉末成形に使用される金型加熱方式は、特
に制限されるものではなく、例えば、ガス加熱炉方式、
電気加熱炉方式、熱媒体油循環方式、熱媒体油または熱
流動砂内への浸漬方式あるいは高周波誘導加熱方式等が
挙げられ、溶融したパウダー組成物を発泡させる際に
も、これらの加熱源を利用することができる。また粉末
成形温度は、通常160〜300℃であり、好ましく
は、180〜280℃である。成形時間は、特に制限さ
れるものではなく、成形体の大きさ、成形体の厚み等に
より適宜選択される。発泡層を発泡させる温度は、通常
180〜280℃であり、好ましくは180〜260℃
である。発泡時間は、特に制限されるものではなく、発
泡層の厚みや発泡倍率により適宜選択される。
【0027】本発明の多層成形体は、上記のようにして
得られる表皮層に熱可塑性樹脂層を貼合一体化させるこ
とにより製造されるが、熱可塑性樹脂としては、例えば
ポリプロピレン、プロピレン−αオレフィン共重合体、
プロピレン−エチレン共重合体、ポリスチレン系樹脂、
ポリエチレン系樹脂、メタクリル樹脂等が挙げられる。
なかでも熱可塑性エラストマーとの熱融着性やリサイク
ルが容易なことからポリプロピレンが好ましく使用され
る。また、本発明で用いる熱可塑性樹脂には、無機充填
剤、ガラス繊維等の各種充填剤、顔料、滑剤、帯電防止
剤、安定剤等の各種添加剤を必要に応じて含有せしめる
ことができる。
【0028】表皮層と熱可塑性樹脂層とを貼合一体化す
る方法としては、例えば、粉末成形法により得られた表
皮層を、粉末成形用の金型キャビティー面に保持したま
ま、圧縮成形用の雌または雄金型内のモールドベースと
一体化し、該表皮層内面(発泡層を有する場合は、発泡
層側)と雌または雄金型間に熱可塑性樹脂溶融体を供給
し、雌雄金型を型締して表皮層と熱可塑性樹脂とを貼合
一体化する方法が挙げられる。この方法によれば、金型
の模様が転写された表皮層が該金型に保持されたまま熱
可塑性樹脂の成形に供されるので、模様がくずれること
ない多層成形体が得られる。また、表皮層を成形するた
めの金型と熱可塑性樹脂を成形するための金型とは、必
ずしも同一のものを使用する必要はなく、例えば表皮層
を金型から脱型して、これを別の雌雄金型の一方に保持
し、該表皮層ともう一方の金型間に熱可塑性樹脂溶融体
を供給し、雌雄金型を型締して表皮材と熱可塑性樹脂と
を貼合一体化することもできる。
【0029】熱可塑性樹脂の溶融体を供給するにあたっ
ては、雌雄金型が未閉鎖の間に供給しながらまたは供給
した後金型を型締する方法が好ましく、金型を型締した
状態で樹脂を供給する方法と比較して表皮層のずれがす
くなく、模様の転写度も向上した多層成形体が得られ
る。熱可塑性樹脂溶融体の供給方法は、特に限定される
ものではなく、例えば、雌雄金型のうちの表皮層の裏面
と対向する金型内に設けた樹脂通路から供給することが
できる。また、溶融樹脂の供給ノーズを雌・雄金型間に
挿入して、溶融樹脂を供給し、供給後、供給ノーズを系
外に後退させて雌雄金型を閉鎖して成形してもよい。ま
た横型締めの成形装置を用いてもよい。
【0030】雌雄金型としては、雌雄金型の外周が摺動
して閉鎖するタイプの金型を用いることもできる。この
ような雌雄金型の摺動面のクリアランスを表皮層の厚と
略等しくすることにより、成形品の端末で表皮材を余ら
せた形で成形し、成形後、余った表皮材を成形品の裏面
に折り返し、成形品外周部を完全に表皮材で覆ったもの
とすることもできる。また、表皮層と熱可塑性樹脂とが
熱融着しない場合は、両者に対して接着性を有する接着
層を表皮層と熱可塑性樹脂との間に介在させることもで
きるし、両者が熱融着可能である場合でも、両者に対し
て接着性を有する中間層を介在させることにより、表皮
層が熱可塑性樹脂溶融体により過度の熱の影響を受ける
ことを防止することもできる。
【0031】かくして、本発明の多層成形体が得られる
が、本発明の多層成形体は高級感に優れるのみならず、
軽量性、クリーン性にも優れ、種々の分野で使用され
る。例えば自動車分野では、インストルメントパネル、
コンソールボックス、アームレスト、ヘッドレスト、ド
アトリム、リアパネル、ピラートリム、サンバイザー、
トランクルームトリム、トランクリッドトリム、エアー
バック収納ボックス、シートバックル、ヘッドライナ
ー、グローブボックス、ステアリングホイールカバー、
天井材等の内装表皮材、キッキングプレート、チェンジ
レバーブーツ、天井材等の内装成形体、スポイラー、サ
イドモール、ナンバープレートハウジング、ミラーハウ
ジング、エアダムスカート、マッドガード等の自動車外
装部品に適する。
【0032】家電・OA機器分野においては、例えば、
テレビ、ビデオ、洗濯機、乾燥機、掃除機、クーラー、
エアコン等の外装部材として適する。スポーツ用品分野
においては、例えば、ボートの内装材、マリンスポーツ
部品等に適し、建築・住宅分野においては、例えば、家
具、机、椅子、門、扉、塀、壁装飾材料、天井装飾材
料、台所、洗面所、トイレ等の屋内用床材等に適し、工
業用品、雑貨品等にも使用できる。
【0033】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0034】実施例1 (熱可塑性エラストマーパウダーの調製)EPDM(M
1+4 100℃=242、プロピレン含量=28重量
%、ヨウ素価=12)100重量部あたり鉱物油系軟化
剤(出光興産製、登録商標ダイアナプロセスPW─38
0)100重量部を添加した油展EPDM(ML1+4
00℃=53)40重量部と、プロピレン─エチレンラ
ンダム共重合体樹脂(エチレン含量=5重量%、MFR
=85g/10分)60重量部及び架橋助剤(住友化学
製、登録商標スミファインBM─ビスマレイミド化合
物)0.4重量部をバンバリーミキサーを用いて10分
間混練した後、押出機を用いてペレット状の架橋用のマ
スターバッチ(以下M.B.と称する)とした。
【0035】このM.B.100重量部に対し、有機過
酸化物(三建化工(株)製、サンペロックスAPO、
2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキ
シ)ヘキサン)0.04重量部を添加し、2軸混練機
(日本製鋼所製、登録商標TEX─44)を用いて22
0℃で動的架橋を行ない、エラストマー組成物ペレット
を得た。このペレットを液体窒素を用いて−100℃の
温度に冷却後、冷凍粉砕を行ない複素動的粘度η
* (1)が3.1×103 ポイズ、ニュートン粘性指数
nが0.24である粉末成形用熱可塑性エラストマーパ
ウダーを得た。このパウダーはタイラー標準篩の32メ
ッシュ篩を99重量%通過した。
【0036】(多層成形体の製造)図1に示すように、
上記で得られた粉末成形用熱可塑性エラストマーパウダ
ー3を容器1に投入し、250℃に加熱したしぼ模様を
有する粉末成形用金型2をその開口部を該容器の開口部
に合わせ置き、双方の開口部のまわりに取付けられてい
る外枠を密着させて固定、一体化した。直ちに該一体化
した容器と金型を二軸回転装置により5秒間回転させ、
該パウダー3を粉末成形用金型2内に供給し、しぼ模様
を有する成形型面に付着させて回転を止めた後、余剰の
パウダーを容器1に排出した。次いで、該容器から金型
をとりはずし、金型を250℃で60秒間加熱した後冷
却固化して表皮層4を形成させたた(図2)。
【0037】次に、図3に示すように、表皮層4を保持
したままの粉末成形用金型2を熱可塑性樹脂成形ステー
ジに移行し、モールドベース5と一体化して熱可塑性樹
脂成形用雌金型6とした。続いて、図3に示すように、
熱可塑性樹脂成形用雌金型6と熱可塑性樹脂成形用雄金
型7が未閉鎖の間に、雌金型6内に保持した表皮材4と
雄金型7との間に樹脂通路8を通じて、熱可塑性樹脂溶
融体9として180℃に加熱したポリプロピレン樹脂
(住友化学工業(株)製、住友ノーブレンAZ564、
MFR30g/10分)を供給し、次いで成形面圧力5
5kg/cm2 のプレス圧で金型を閉鎖して、熱可塑性樹脂
10の成形を完了した。図4に示すような表皮層4と熱
可塑性樹脂10とが一体化した多層成形体11が得られ
た。得られた多層成形体の断面を図5に示した。このも
のは、表皮層が0.7mm厚み、熱可塑性樹脂が2.3mm
厚みであり、しぼ模様が転写された外観の良好な多層成
形体であった。
【0038】実施例2 実施例1と同様して非発泡層を形成した後、直ちに発泡
性組成物(実施例1と同じ粉末成形用熱可塑性エラスト
マーパウダー100重量部に対して、熱分解型発泡剤ア
ゾジカルボンアミド(三協化成製、セルマイクCAP−
500、分解温度150℃)5重量部配合)を入れた容
器を取り付けて該容器と金型を一体化し、これを二軸回
転装置により20秒間回転させ、発泡性組成物を溶融付
着せしめ、余剰の発泡性組成物を容器に排出した。次い
で、該容器から金型をとりはずし、金型を250℃で6
0秒間加熱することにより、発泡層を形成させた。これ
を冷却固化して非発泡層と発泡層からなる表皮層を製造
した。以下、実施例1と同様にして多層成形体を製造し
た。このものは、表皮層における非発泡層の厚みが0.
7mm、発泡層の厚みが2.5mmであり、熱可塑性樹脂層
の厚みが2.0mmであり、表面に金型のしぼ模様が転写
された外観の優れた多層成形体であった。
【0039】実施例3 実施例1において、プロピレン−エチレンランダム共重
合体樹脂の代わりにプロピレン−ブテンランダム共重合
体樹脂(ブテン含量=24重量%、MFR=90g/1
0分)60重量部用いる以外は、実施例1と同様にし
て、熱可塑性エラストマーパウダーを得た。 このも
のは、複素動的粘度η* (1)が6.9×103 ポイ
ズ、ニュートン粘性指数nが0.39であり、99重量
%がタイラー標準篩の32メッシュ篩を通過した。この
パウダー100重量部に対して、実施例2と同じ熱分解
型発泡剤を5重量部配合し、さらに液状コーティング剤
(住友化学工業(株)製、登録商標スミエポキシ EL
A115、エピクロヒドリンとビスフェノールAから重
合した環状脂肪族型エポキシ樹脂)0.5重量部及びト
リエチレンテトラミン0.05重量部配合することによ
り発泡性熱可塑性エラストマーパウダー組成物を得た。
次いで、この発泡性組成物を用いる以外は、実施例2と
同様にして非発泡層と発泡層とからなる表皮層を製造し
た後、実施例2と同様にして多層成形体を製造した。こ
のものは、表面に金型のしぼ模様が転写された、外観に
優れたものであり、表皮層おける非発泡層の厚みが0.
7mm、発泡層の厚みが3.0mmであり、熱可塑性樹脂層
の厚みが1.8mmであった。
【0040】実施例4 実施例1において、プロピレン−エチレンランダム共重
合体樹脂として、ププロピレン−エチレンランダム共重
合体樹脂(エチレン含量=3重量%、MFR=60g/
10分)50重量部用い、油展EPDMをを50重量部
用いる以外は、実施例1と同様にして熱可塑性エラスト
マーパウダーを得た。 このものは、複素動的粘度η
* (1)が3.4×104 ポイズ、ニュートン粘性指数
nが0.59であり、99重量%がタイラー標準篩の3
2メッシュ篩を通過した。以下、この熱可塑性エラスト
マーパウダーを用いる以外は、実施例1と同様にして多
層成形体を製造した。このものは、表皮層が0.7mm厚
み、熱可塑性樹脂層が2.5mm厚みであり、表面にしぼ
模様が転写された外観の良好な多層成形体であった。
【0041】比較例1 実施例1において、プロピレン−エチレンランダム共重
合体樹脂として、プロピレン−エチレンランダム共重合
体樹脂(エチレン含量=3重量%、MFR=10g/1
0分)50重量部用い、油展EPDMを50重量部用い
る以外は、実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー
パウダーを得た。このものは、複素動的粘度η* (1)
が2.3×105 ポイズ、ニュートン粘性指数nが0.
76であり、99重量%がタイラー標準篩の32メッシ
ュ篩を通過した。以下、この熱可塑性エラストマーパウ
ダーを用いる以外は、実施例1と同様にして表皮層を製
造したが、得られた表皮層は、溶融性が悪く、ピンホー
ルも多く不均一な表層であった。次いで実施例1と同様
に多層成形体を製造したが、表面が均一で外観の良好な
多層成形体は製造できなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】粉末成形用樹脂組成物の入った容器と粉末成形
用金型の断面図である。
【図2】表皮材を保持した粉末成形用金型の断面図であ
る。
【図3】表皮材を保持したままの粉末成形用金型をモー
ルドベースと一体化し、熱可塑性樹脂成形用雄金型より
熱可塑性樹脂を供給している状態の断面図である。
【図4】熱可塑性樹脂成形用雄金型と熱可塑性樹脂成形
用雌金型を閉鎖した状態の断面図である。
【図5】表皮材と熱可塑性樹脂層とからなる多層成形体
の断面図である。
【符号の説明】
1・・・容器 2・・・粉末成形用金型 3・・・粉末成形用樹脂組成物 4・・・非発泡層からなる表皮材 5・・・モールドベース 6・・・熱可塑性樹脂成形用雌金型 7・・・熱可塑性樹脂成形用雄金型 8・・・熱可塑性樹脂供給通路 9・・・熱可塑性樹脂溶融体 10・・・熱可塑性樹脂層 11・・・多層成形体
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:04 B29L 9:00 4F (72)発明者 辰巳 雅之 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 妻鳥 浩昭 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表皮層と熱可塑性樹脂層とからなる多層成
    形体であって、表皮層が下記(A)の熱可塑性エラスト
    マーを含むパウダー組成物を粉末成形して得られる層、
    または上記層にさらに粉末成形法により発泡層を裏打ち
    してなる複合層であることを特徴とする多層成形体。 (A)エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとポリ
    オレフィン系樹脂との組成物からなる熱可塑性エラスト
    マー、またはエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム
    とポリオレフィン系樹脂との部分架橋型組成物からなる
    熱可塑性エラストマーであって、250 ℃における周波数
    1ラジアン/秒での複素動的粘度η* (1) が 1.5×105
    ポイズ以下であり、かつ上記複素動的粘度η* (1) と周
    波数100 ラジアン/秒での複素動的粘度η* (100) とを
    用いて次式で算出されるニュートン粘性指数nが0.6 未
    満である熱可塑性エラストマー。 n={logη* (1) −logη* (100) }/2
  2. 【請求項2】表皮層と熱可塑性樹脂層とからなる多層成
    形体の製造方法であって、表皮層を下記(A)の熱可塑
    性エラストマーを含むパウダー組成物を粉末成形するこ
    とにより形成せしめるか、または上記により得られた層
    にさらに粉末成形法により発泡層を裏打ちすることによ
    り形成せしめ、次いで、該表皮層を雌雄金型の一方に保
    持し、該表皮層ともう一方の金型間に熱可塑性樹脂溶融
    体を供給し、雌雄金型を型締して表皮層と熱可塑性樹脂
    とを貼合一体化することを特徴とする多層成形体の製造
    方法。 (A)エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとポリ
    オレフィン系樹脂との組成物からなる熱可塑性エラスト
    マー、またはエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム
    とポリオレフィン系樹脂との部分架橋型組成物からなる
    熱可塑性エラストマーであって、250 ℃における周波数
    1ラジアン/秒での複素動的粘度η* (1) が 1.5×105
    ポイズ以下であり、かつ上記複素動的粘度η* (1) と周
    波数100 ラジアン/秒での複素動的粘度η* (100) とを
    用いて次式で算出されるニュートン粘性指数nが0.6 未
    満である熱可塑性エラストマー。 n={logη* (1) −logη* (100) }/2
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