JP2970106B2 - 複合発泡成形体及びその製法 - Google Patents

複合発泡成形体及びその製法

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JP2970106B2 JP3218523A JP21852391A JP2970106B2 JP 2970106 B2 JP2970106 B2 JP 2970106B2 JP 3218523 A JP3218523 A JP 3218523A JP 21852391 A JP21852391 A JP 21852391A JP 2970106 B2 JP2970106 B2 JP 2970106B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性エラストマー
パウダーからなる非発泡層とエチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂パウダーからなる発泡層とを一体化してなる複合
発泡成形体及びその製法に関する。
【0002】さらに詳細には、本発明は残留歪がなく複
雑な形状や軽量でかつ、ソフト感に優れ、しかも高級感
のある皮しぼ模様やスティッチ模様が容易にできる非発
泡層と、大型でセルが均一かつ表面が平滑な高発泡倍率
の発泡層とが簡単な成形操作で一体成形されてなる、複
合発泡成形体及びその製法に関するものである。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
自動車内装材としてのカバーリング材料においては、軽
量で、かつソフト感に優れ、しかも高級感のある皮しぼ
模様やスティッチ模様等を施したものが一段と求められ
るようになってきた。
【0004】従来、これらのカバーリング材料として
は、塩化ビニル系樹脂粉末組成物を用いた粉末成形法が
脚光を浴びている。
【0005】この粉末成形の特徴は180℃以上の温度
にある金型と粉末供給ボックスとを一体化させて回転又
は揺動・或いは噴射させて金型内面に粉末を溶着させ、
未溶着粉末は自動的或いは強制的に粉末供給ボックスに
回収することにある(特開昭58−132507号公
報)。
【0006】次に、かかる粉末成形法において作られた
カバーリング材料は、従来の真空成形品と同様にウレタ
ン原料を注入発泡して貼合され、最終成形品とされてい
る。このウレタン発泡体がクッション性付与の役目を果
たしている。しかしながら、このウレタン貼合品はウレ
タン発泡時のアミン化合物の作用で塩化ビニル系樹脂の
カバーリング材料の変色を著しく助長すること、ウレタ
ン原料が高価であることなどの好ましくない面がある。
【0007】また、粉末成形法で塩化ビニル系樹脂から
なる非発泡層と塩化ビニル系樹脂からなる発泡層とを同
時一体成形したクッション性カバーリング材料をつくる
ことが試みられている。このカバーリング材料は、ソフ
ト感に優れ、しかも高級感のある皮しぼ模様やスティッ
チ模様が容易に成形されるという目的は達成するもの
の、廃車を処分する際、リサイクル問題、廃棄物処理問
題、さらに内装材の焼却により生ずる酸性物質の大気汚
染の問題等不都合を有する。
【0008】このような背景から、また最近、オレフィ
ン系熱可塑性エラストマー(以下TPOと称する)シー
トを真空成形したカバーリング材料が開発されつつあ
る。TPO真空成形品は、軽量性、クリーン材料という
点で、塩化ビニル系樹脂よりも優れた効果を奏し、目的
を達成しているものの、高級感のある皮しぼ模様或いは
スティッチ模様等を施した複雑な形状性のあるものを賦
形させることは困難であり、また真空成形時の残留歪も
大きく長期に使用すると亀裂が生ずることもある。さら
に、真空成形品は、シートから成形するため製品歩留り
が悪く、コスト高につながっていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる事情に鑑み、本発
明者らは、賦形時の圧力及び剪断力がほとんどかからな
い状態でも高流動性を保つクリーンな材料を用いて、非
発泡層と発泡層が一体化してなる複合発泡成形体を製造
することについて鋭意検討した結果、粉末成形法によっ
て成形体の残留歪やそりがなく、シャープなエッジやオ
ーバーハングのような複雑な形状をし、大型でセルが均
一で、かつ表面が平滑な高発泡倍率の複合発泡成形体を
製造できることを見出し、さらに種々の検討を加えて本
発明を完成させたものである。
【0010】すなわち、本発明は、非発泡層と発泡層が
一体化してなる複合発泡成形体において、非発泡層が下
記(A)の熱可塑性エラストマーパウダーから成形され
てなる層であり、発泡層が下記(B)のエチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂パウダーに、(C)熱分解型発泡剤
を、または(C)熱分解型発泡剤と(D)液状コーティ
ング剤を、配合して発泡してなる層であることを特徴と
する複合発泡成形体を提供するものである。 (A)エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとポリ
オレフィン系樹脂とのエラストマー組成物からなる熱可
塑性エラストマーパウダー、またはエチレン・α−オレ
フィン系共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂との混合
物を架橋剤の存在下で動的架橋してなる部分架橋型エラ
ストマー組成物からなる熱可塑性エラストマーパウダー
であり、250℃での動的粘弾性測定において周波数1
ラジアン/秒で測定した複素動的粘度η* (1)が1.
5×105 ポイズ以下であり、かつ周波数1ラジアン/
秒での複素動的粘度η* (1)と周波数100ラジアン
/秒での複素動的粘度η* (100)とを用いて次式で
算出されるニュートン粘性指数nが0.67以下である
熱可塑性エラストマーパウダー。 n={logη* (1)−logη* (100)}/2 (B)エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂からなるパウダ
ーであり、JIS K6730に準拠する方法で測定し
たMFR(メルトフローレート)が10g/10分以上
であり、かつ酢酸ビニル含有量が5〜40重量%である
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂パウダー。
【0011】また、本発明は、粉末成形法により非発泡
層と発泡層とを一体成形し、加熱してなる複合発泡成形
体の製造方法において、非発泡層として下記(A)の熱
可塑性エラストマーパウダーを用い、発泡層として下記
(B)のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂パウダーに、
(C)熱分解型発泡剤、または(C)熱分解型発泡剤と
(D)液状コーティング剤を配合してなる発泡性エチレ
ン−酢酸ビニル共重合樹脂組成物パウダーを用いること
を特徴とする複合発泡成形体の製法を提供するものであ
る。 (A)エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとポリ
オレフィン系樹脂とのエラストマー組成物からなる熱可
塑性エラストマーパウダー、またはエチレン・α−オレ
フィン系共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂との混合
物を架橋剤の存在下で動的架橋してなる部分架橋型エラ
ストマー組成物からなる熱可塑性エラストマーパウダー
であり、250℃での動的粘弾性測定において周波数1
ラジアン/秒で測定した複素動的粘度η* (1)が1.
5×105 ポイズ以下であり、かつ周波数1ラジアン/
秒での複素動的粘度η* (1)と周波数100ラジアン
/秒での複素動的粘度η* (100)とを用いて次式で
算出されるニュートン粘性指数nが0.67以下である
熱可塑性エラストマーパウダー。 n={logη* (1)−logη* (100)}/2 (B)エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂からなるパウダ
ーであり、JIS K6730に準拠する方法で測定し
たMFR(メルトフローレート)が10g/10分以上
であり、かつ酢酸ビニル含有量が5〜40重量%である
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂パウダー。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いるエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとは、
オレフィンを主成分とするゴムであり、例えば、エチレ
ン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・
非共役ジエン共重合体ゴム等である。非共役ジエンの例
としては、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボル
ネン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メ
チレンノルボルネン等がある。なかでも、エチレン・プ
ロピレン・エチリデンノルボルネンゴム(以下EPDM
と称する)を用いると、耐熱性、引張特性等に優れたエ
ラストマーパウダーが得られる。特に、ASTMD−9
27−57Tに準じて100℃で測定したムーニー粘度
(ML1+4 100℃)が130以上350以下、好まし
くは200以上300以下であるエチレン・α−オレフ
ィン系共重合体ゴム100重量部あたり、パラフィン系
プロセスオイル等の鉱物油系軟化剤を30〜120重量
部含有する油展オレフィン系共重合体ゴムが引張特性と
流動性のバランスが取れる点で好ましい。
【0013】ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロ
ピレン又はプロピレンとα−オレフィンの共重合体が好
ましく用いられる。特に、プロピレンとα−オレフィン
共重合体樹脂を用いると成形体の硬度を下げることが可
能である。JIS K−7210に準拠して230℃、
2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MF
R)が20g/10分以上、特に50g/10分以上が
好ましい。メルトフローレートが20g/10分未満の
ポリオレフィン系樹脂を用いて製造した熱可塑性エラス
トマーパウダーは、粉末成形時にパウダーが軟化するの
みで、そのためパウダー同士が溶融付着し難く、強度の
強い成形体が得られない。エチレン・α−オレフィン系
共重合体ゴムとオレフィン系樹脂の配合比率はエチレン
・α−オレフィン系共重合体ゴムが5重量%以上80重
量%以下、オレフィン系樹脂が20重量%以上95重量
%以下であることが好ましい。
【0014】エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム
とポリオレフィン系樹脂との混合物を動的架橋する際の
架橋剤は、有機過酸化物が用いられる。有機過酸化物と
してはジアルキルパーオキサイドが好ましく用いられ
る。さらに、ビスマレイミド化合物のごとく架橋助剤の
存在下で極く少量の有機過酸化物を用いて動的架橋を行
なうことが好ましい。そうすることで、エチレン・α−
オレフィン系共重合体ゴムを適度に架橋し耐熱性を持た
せると同時に、高流動性を実現することができる。この
時、架橋助剤はエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴ
ムとポリオレフィン系樹脂との混合物100重量部あた
り、1.5重量部以下、好ましくは0.6重量部以下で
用いられる。また架橋剤としての有機過酸化物は同様に
0.2重量部以下、好ましくは0.1重量部以下、より
好ましくは0.07重量部以下で用いられる。
【0015】動的架橋に使用する装置としては、一軸混
練押出機あるいは二軸混練押出機等の連続混練押出機が
好適に用いられる。特に、二軸混練押出機を用いて剪断
速度≧103 sec-1で連続押出架橋を行なうことが好
ましい。剪断速度<103 sec-1で押出架橋を行なう
とエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムの分散粒子
径が大きくなり低粘度を実現することが難しくなる。
【0016】かかる条件で製造した部分架橋型エラスト
マー組成物は250℃での動的粘弾性測定において周波
数1ラジアン/秒で測定した複素動的粘度η* (1)が
1.5×105 ポイズ以下、好ましくは1.0×105
ポイズ以下である。
【0017】周波数1ラジアン/秒で測定した複素動的
粘度η* (1)が1.5×105 ポイズを超えるとかか
るエラストマー組成物を用いて製造したエラストマーパ
ウダーは、金型面上で溶融しなくなり加工時の剪断速度
が1/sec-1以下と非常に低い粉末スラッシュ成形法
では成形ができなくなる。
【0018】また、かかる条件で製造した部分架橋型エ
ラストマー組成物は250℃での動的粘弾性測定におい
て周波数1ラジアン/秒で測定した複素動的粘度η
* (1)と周波数100ラジアン/秒で測定した複素動
的粘度η* (100)とを用いて次式で算出されるニュ
ートン粘性指数nが0.67以下、好ましくは0.60
以下である。 n={logη* (1)−logη* (100)}/2
【0019】ニュートン粘性指数nが0.67を超える
と、仮に周波数1ラジアン/秒で測定した複素動的粘度
η* (1)が1.5×105 ポイズ以下であっても、複
素動的粘度の周波数依存性が大きくなり、粉末成形のよ
うに成形時の賦形圧力が1kg/cm2 以下と非常に小さい
成形法では溶融したエラストマーパウダー粒子同士の熱
融着が不完全になり機械的物性の低い成形体しか得られ
ない。
【0020】本発明に用いるエラストマーは、未架橋の
エチレン−α−オレフィン共重合体ゴムあるいはエチレ
ン−α−オレフィン共重合体樹脂を、エラストマー10
0重量部に対し50重量部以下でブレンドすることによ
り、柔軟性の優れたエラストマーとすることが可能であ
る。この場合のα−オレフィンは、プロピレン及びブテ
ン等が単独または併用して用いられる。特にエチレン含
有量が40〜90重量%、好ましくは70〜85重量%
のエチレン−プロピレン共重合体ゴムでML1+ 4 100
℃が50以下のものが好ましい。
【0021】本発明においてエラストマー組成物の粉砕
は、液体窒素による冷凍粉砕法が好適に用いられる。−
70℃以下、好ましくは−90℃以下まで冷却したエラ
ストマー組成物ペレットをボールミルその他を用いた機
械的粉砕法により得ることができる。−70℃より高い
温度で粉砕すると、粉砕したエラストマーパウダーの粒
径が粗くなり、粉末成形性が低下するので好ましくな
い。粉砕操作中にポリマー温度がガラス転移温度以上に
なるのを防ぐため、発熱が少なく、粉砕効率の高い方法
が好ましい。また、粉砕装置そのものが外部冷却によっ
て冷却されていることが好ましい。
【0022】得られたエラストマーパウダーは、タイラ
ー標準篩の32メッシュを全重量の95%以上が通過す
る程度にまで粉砕されていることが好ましい。32メッ
シュの篩上累積率が5%を越えると、粉砕成形時に厚み
ムラが生じる原因の1つとなる。この厚みムラは成形品
の柔軟性にムラを与え、折れジワを起こし易くなるなど
成形体の商品価値をそこなう要因となる。
【0023】次に、本発明に用いるエチレン−酢酸ビニ
ル共重合樹脂パウダーとは、JISK6730に準拠し
て190℃、2.16kg荷重で測定したMFR(メルト
フローレート)が10g/10分以上を示し、かつJI
S K6730に準拠して測定したエチレン−酢酸ビニ
ル共重合樹脂中の酢酸ビニル含有量が5〜40重量%で
あるパウダーである。より好ましくは、エチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂パウダーとしては、MFRが10〜8
0g/10分を示し、酢酸ビニル含有量が5〜30重量
%である。
【0024】メルトフローレートが10g/10分未満
になると該パウダーの溶融性が低下し、パウダーが融着
せず、成形性も低下するので発泡性も悪くなる。また、
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂中の酢酸ビニル含有量
は、該パウダーの粉体流動性、成形性および成形品の柔
軟性に影響する。エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂中の
酢酸ビニル含有量が、5重量%未満では粉体流動性は良
くなるが、溶融性が低下するので好ましくなく、40重
量%を超えると溶融性と柔軟性は良好となるが、粉体流
動性が低下し、均一な成形体が得られないという不都合
を有する。
【0025】また、本発明に用いるエチレン−酢酸ビニ
ル共重合樹脂パウダーの平均粒径は、タイラー標準篩で
平均粒径32メッシュ以下、好ましくは平均粒径40〜
100メッシュである。該パウダーの平均粒径が32メ
ッシュを超えると成形品表面の凹凸や着色剤の分散不良
による色むらが発生する。
【0026】本発明に用いるエチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂の粉砕は、低温による粉砕法を挙げられる。例え
ば、液体窒素による冷凍粉砕法であり、通常−120℃
で粉砕される。
【0027】本発明の特徴のひとつは、上記のとおり、
粉末成形できる特定の粘弾性を有するエラストマーを、
例えば、ガラス転移温度以下の低温で粉砕してパウダー
とし、該パウダーを非発泡層とし、一方、粉末成形でき
るエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂パウダーに熱分解型
発泡剤を、または熱分解型発泡剤と液状コーティング剤
を配合することにより発泡層として、非発泡層と発泡層
を一体化してなる複合発泡成形体にある。
【0028】本発明に用いる熱分解型発泡剤は、粉末成
形での加熱溶融時に分解してガスを発生するものであれ
ば特に制限はなく、一般の有機系または無機系の化学発
泡剤が使用できる。具体的には、アゾジカルボンアミ
ド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、アゾヘキ
サヒドロベンゾニトリル、ジアゾアミノベンゼン等のア
ゾ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ベンゼン−
1,3−スルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−
3,3’−ジスルホニルヒドラジド、ジフェニルオキシ
ド−4,4’−ジスルホニルヒドラジド、4,4’−オ
キシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、パラトル
エンスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド化
合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミ
ン、N,N’−ジニトロソ−N,N’−ジメチルテレフ
タルアミド等のニトロソ化合物、テレフタルアジド、p
−第3ブチルベンズアジド等のアジド化合物、重炭酸ナ
トリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム等の
無機化合物が挙げられ、これらの少なくとも一種が用い
られる。この中でもアゾジカルボンアミド及び4,4’
−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)が好ま
しい。本発明に用いる熱分解型発泡剤は、その分解温度
が通常120〜200℃であり、120〜180℃が好
ましい。
【0029】また、熱分解型発泡剤の分解温度を低下さ
せる目的で発泡促進剤または発泡助剤を用いることもで
きる。発泡促進剤または発泡助剤としては、例えば、亜
鉛華、硝酸亜鉛、フタル酸鉛、炭酸鉛、三塩化リン酸
塩、三塩基性硫酸鉛等の無機塩、亜鉛脂肪酸石けん、鉛
脂肪酸石けん、カドミウム脂肪酸石けん等の金属石け
ん、ホウ砂、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸等の酸
類、尿素、ビウレア、エタノールアミン、グルコース及
びグリセリン等が挙げられる。
【0030】一方、熱分解型発泡剤の分解温度を上げる
目的で発泡抑制剤を用いることもできる。発泡抑制剤と
しては、例えば、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、無
水マレイン酸、無水フタル酸等の有機酸、ステアロイル
クロリド、フタロイルクロリド等のハロゲン化有機酸、
ハイドロキノン等の多価アルコール、脂肪酸アミン、ア
ミド、オキシム、イソシアネート等の含有機窒素化合
物、メルカプタン、硫化物等の含有機イオウ化合物、亜
リン酸塩化物等のリン酸塩、ジブチルスズマレート、塩
化スズ、硫酸スズ等のスズ化合物、その他ヘキサクロロ
シクロペンタジエン等が挙げられる。
【0031】熱分解型発泡剤は、エチレン−酢酸ビニル
共重合樹脂パウダー100重量部に対して、通常1〜9
重量部、好ましくは2〜8重量部配合される。
【0032】本発明は、上記熱分解型発泡剤と同時に液
状コーティング剤を用いることもできる。本発明に用い
る液状コーティング剤は、常温〜220℃で硬化するコ
ーティング剤がよい。具体的には、ポリシロキサン、メ
ラミン系、ウレタン系、含フッ素系等のプラスチック等
の表面を保護する熱硬化性コーティング剤、不飽和ポリ
エステル、アルキッド、オイルフリーアルキッド、線状
ポリエステル樹脂等のポリエステル樹脂、メラミン樹
脂、変性メラミン樹脂等のアミノ樹脂、ノボラック型、
β−メチルエピクロ型、環状脂肪族型、非環状脂肪族
型、エポキシ化脂肪酸エステル型、多価カルボン酸エス
テル型、アミノグリシジル型、塩素化型、レゾルシン型
等のエポキシ樹脂、油変性、湿気硬化ブロック化ポリウ
レタン樹脂の一液型、触媒硬化ポリオール硬化ポリウレ
タン樹脂の二液型等のポリウレタン樹脂、有機溶剤型、
水性型、無溶媒型等のアクリル酸エステル、メタクリル
酸エステルを主単量体とするアクリル樹脂が挙げられ
る。これらの液状コーティング剤のうちポリシロキサ
ン、非環状脂肪族型及び環状脂肪族型のエポキシ樹脂、
アクリルシロップのような無溶媒型のアクリル樹脂が好
ましく、その中でも、常温〜150℃で硬化するエポキ
シ樹脂が特に好ましい。
【0033】液状コーティング剤は、25℃で通常50
〜50000cps程度の粘度を有するものが使用でき
るが、使用に際して溶剤で希釈することもできる。ま
た、本発明は、液状コーティング剤の硬化を促進する目
的で、通常の硬化剤を併用することもできる。エポキシ
樹脂の硬化剤としては、例えば、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェ
ノール、メタキシリレンジアミン等のアミン系、無水フ
タル酸、無水ヘキサヒドロフタール酸、無水メチルナジ
ック酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物、ポリアミド
樹脂およびこれら混合物等が挙げられる。またアクリル
樹脂の硬化剤としては、例えば、ジクルミルペルオキシ
ド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、ベ
ンゾイルペルオキシド、ラウロクルペルオキシ等の有機
ペルオキシドを少なくとも1種使用することができる。
【0034】液状コーティング剤は、粉末成形用熱可塑
性エラストマーパウダー100重量部に対して、通常
0.1〜3重量部、好ましくは0.2〜2重量部配合さ
れる。液状コーティング剤に併用する硬化剤は、液状コ
ーティング剤100重量部に対して、通常100重量部
以下配合される。
【0035】本発明の製造方法は、粉末成形法、すなわ
ち流動浸漬法、静電塗装法、粉末溶射法、粉末回転成形
法、粉末スラッシュ成形法を改良した方法であり、特に
粉末スラッシュ成形法を改良した方法が好ましく、粉末
スラッシュ成形法とは、特開昭58−132507号公
報に記載された成形法をいう。
【0036】すなわち、本発明の製造方法は、例えば、
(1)特定の熱可塑性エラストマーパウダーを必要量入
れた開口部を有する容器を、パウダーの溶融温度より充
分高温に加熱された開口部を有する金型と、開口部を合
わせて固定するか、金型内中空部へ固定して一体化し、
回転および/または揺動とともにパウダーを容器から金
型内各部へ迅速に供給し、付着、溶融させ、余剰のパウ
ダーを容器中へ排出する工程、及び(2)次いで、エチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂パウダーに対して、熱分解
型発泡剤、または熱分解型発泡剤と液状コーティング剤
を配合してなる発泡性エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
パウダー組成物を必要量入れた開口部を有する容器を、
パウダー組成物の溶融温度より充分高温に加熱された前
記(1)工程にて得られた非発泡層を有する金型と、開
口部を合わせて固定するか、金型内中空部へ固定して一
体化し、回転および/または揺動とともに発泡性エチレ
ン−酢酸ビニル共重合樹脂パウダー組成物を容器から非
発泡層内の各部へ迅速に供給し、付着、溶融させ、余剰
のパウダー組成物を容器中へ排出する工程、及び(3)
前記工程により得られた成形体を加熱発泡させる工程、
とからなることを特徴とする複合発泡成形体の製造方法
を提供することができる。
【0037】したがって、かかる粉末成形法に使用され
る熱可塑性エラストマーパウダー並びに発泡性エチレン
−酢酸ビニル共重合樹脂パウダー組成物は、粉体流動性
に優れ、低剪断速度かつ低圧力下で主として金型から供
給される熱で容易に溶融しなければならない。
【0038】本発明による粉末成形法に使用される金型
加熱方式は、特に制限されるものではなく、例えば、ガ
ス加熱炉方式、熱媒体油循環方式、熱媒体油または熱流
動砂内への浸漬方式あるいは高周波誘導加熱方式等が挙
げられ、溶融したパウダー組成物を発泡させる際にも、
これらの加熱源を利用することができる。
【0039】本発明の非発泡層の成形温度は、通常16
0〜300℃であり、好ましくは、180〜280℃で
ある。成形時間は、特に制限されるものではなく、成形
体の大きさ、成形体の厚み等により適宜選択される。ま
た本発明の発泡層を発泡させる温度は、通常180〜2
80℃であり、好ましくは160〜250℃である。発
泡時間は、特に制限されるものではなく、発泡層の厚み
や発泡倍率により適宜選択される。
【0040】エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂パウダー
に熱分解型発泡剤、または熱分解型発泡剤及び液状コー
ティング剤を配合する方法としては、特に限定されるも
のではないが、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
パウダーに予め熱分解型発泡剤を配合し、次いでこれら
組成物に液状コーティング剤を配合する方法が好まし
い。
【0041】また本発明に用いる熱可塑性エラストマー
パウダー組成物で粉末成形を行なった成形体を脱型する
際、金型内面との密着が強く、無理に脱型を試みると折
れジワや白化トラブルが発生することがある。このた
め、一般的に用いられる離型剤、例えばジメチルポリシ
ロキサンのスプレー吹き付け等により成形前の金型内面
をコートする必要が生じることもある。しかしながら、
多数個を連続生産するには、数個成形の度に離型剤のコ
ートが必要となり、成形コストの上昇に結びつく。この
ような場合には金型材質を改良する方法も考えられる
が、エラストマーパウダー組成物中に内部添加離型剤と
してメチルポリシロキサン化合物をエラストマパウダー
組成物100重量部あたり2重量部以下で添加しておく
方法が効果的である。この場合の添加時期は粉末化前後
のいずれでもよい。この場合のメチルポリシロキサン化
合物としては、25℃における粘度が20センチストー
クス以上であればよい。好ましい粘度範囲は50〜50
00センチストークスである。粘度が大きくなりすぎる
と、離型剤としての効果が減少する。また、内部添加離
型剤が2重量部より多くなると、エラストマーパウダー
間の熱融着を阻害し、機械的物性に劣った成形体しか得
られない。しかも、金型表面に内部添加離型剤がブリー
ドし、金型が汚染され好ましくない。
【0042】また、本発明ではフェノール系、サルファ
イト系、フェニルアルカン系、フォスファイト系、アミ
ン系またはアミド系安定剤のような公知の耐熱安定剤、
老化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、金属石けん、ワ
ックス等の滑剤、着色用顔料等を必要量配合することが
できる。
【0043】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明は、粉末成
形法により、成形品の残留歪が小さく、複雑な形状性の
あるものを賦形することが可能な熱可塑性エラストマー
パウダーからなる非発泡層と、大型でセルが均一、かつ
表面が平滑な高発泡倍率のエチレン−酢酸ビニル共重合
樹脂パウダーからなる発泡層とが一体化された複合発泡
成形体を容易に製造できる。
【0044】また、本発明は軽量性、クリーン性に優れ
た複合発泡成形体を提供できる。本発明の複合発泡成形
体は、例えば自動車分野では、インストルメントパネ
ル、コンソールボックス、アームレスト、ヘッドレス
ト、ドアトリム、リアパネル、ピラートリム、サンバイ
ザー、トランクルームトリム、トランクリッドトリム、
エアーバック収納ボックス、シートバックル、ヘッドラ
イナー、グローブボックス、ステアリングホイールカバ
ー、天井材等の内装表皮材、キッキングプレート、チェ
ンジレバーブーツ、天井材等の内装成形体、スポイラ
ー、サイドモール、ナンバープレートハウジング、ミラ
ーハウジング、エアダムスカート、マッドガード等の自
動車外装部品に適する。
【0045】さらに、本発明の複合発泡成形体は、家電
・OA機器分野においては、例えば、テレビ、ビデオ、
洗濯機、乾燥機、掃除機、クーラー、エアコン、リモコ
ンケース、電子レンジ、トースター、コーヒーメーカ
ー、ポット、ジャー、食器洗い器、電気カミソリ、ヘア
ードライヤー、マイク、ヘッドホーン、ビューティー器
具、CD・カセット収納箱、パーソナルコンピュータ
ー、タイプライター、映写機、電話、コピー機、ファク
シミリ、テレックス等の表皮材及びハウジングに適す
る。
【0046】本発明の複合発泡成形体は、スポーツ用品
分野においては、例えば、スポーツシューズ装飾部品、
各種球技のラケット、スポーツ機器・用品のグリップ、
自転車、二輪車、三輪車のサドル表皮及びハンドルグリ
ップ等に適する。
【0047】本発明の複合発泡成形体は、建築・住宅分
野において、例えば、家具、机、椅子等の表皮材、門、
扉、塀等の表皮材、壁装飾材料、天井装飾材料、カーテ
ンウォールの表皮材、台所、洗面所、トイレ等の屋内用
床材、ベランダ、テラス、バルコニー、カーポート等の
屋外床材、玄関マット、テーブルクロス、コースター、
灰皿敷等の敷物に適する。
【0048】本発明の複合発泡成形体は、工業用品分野
においては、例えば、電動工具類のグリップ、ホース及
びその表皮材、パッキング材料に適する。
【0049】上記以外にも、本発明の複合発泡成形体
は、例えば、かばん、ケース類、ファイル、手帳、アル
バム、文房具、カメラボディー、人形やその他玩具等の
表皮材、また時計バンド等の成形体、額の外枠及びその
表皮材に適する。
【0050】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0051】なお、実施例、比較例における複合発泡成
形体の外観、複合発泡成形体の厚み、発泡層セルの状態
及び発泡層の発泡倍率は次のとおり評価した。複合発泡成形体の外観 発泡層を目視により観察し、下記のように評価した。 ○: 厚みのむらがなく、均一に発泡している。 △: 厚みのむらがあるが、ほぼ均一に発泡している。 ×: 厚みのむらが大きく、不均一に発泡している。 ××: ほとんど発泡していない。複合発泡成形体の厚み 非発泡層と発泡層の厚みを東洋精機製ダイヤルゲージに
より測定した。発泡層セルの状態 発泡体断面を目視により観察し、下記のように評価し
た。 ○: セルが均一である。 △: セルがやや不均一である。 ×: セルが不均一である。 ××: セルがほとんど存在しない。発泡層の発泡倍率 発泡倍率は次式により算出した。 発泡倍率=非発泡時の密度/発泡時の密度 なお、発泡層の密度は東洋精機製作所製の密度計(Dens
imeter-H)を用いて水中で測定した。
【0052】また、熱分解型発泡剤の分解温度は、次の
とおり測定した。毛細管に試料を入れ、融点測定装置
(柳本製作所MP型)で2℃/分で昇温し、試料が発泡
を開始する温度を分解温度として測定した。
【0053】実施例1 EPDM(ML1+4 100℃=242、プロピレン含量
=28重量%、ヨウ素価=12)100重量部あたり鉱
物油系軟化剤(出光興産製、登録商標ダイアナプロセス
PW─380)100重量部を添加した油展EPDM
(ML1+4 100℃=53)40重量部と、プロピレン
─エチレンランダム共重合体樹脂(エチレン含量=5重
量%、MFR=85g/10分)60重量部及び架橋助
剤(住友化学製、登録商標スミファインBM─ビスマレ
イミド化合物)0.4重量部をバンバリーミキサーを用
いて10分間混練した後、押出機を用いてペレット状の
架橋用のマスターバッチ(以下M.B.と称する)とし
た。
【0054】このM.B.100重量部に対し、有機過
酸化物(三建化工製、登録商標サンペロックスAPO、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ
ノヘキサン)0.04重量部を添加し、2軸混練機(日
本製鋼所製、登録商標TEX─44)を用いて220℃
で動的架橋を行ない、エラストマー組成物ペレットを得
た。このペレットを液体窒素を用いて−100℃の温度
に冷却後、冷凍粉砕を行ない複素動的粘度η* (1)が
3.1×103 ポイズ、ニュートン粘性指数nが0.2
4である粉末成形用熱可塑性エラストマーパウダーを得
た。このパウダーはタイラー標準篩の32メッシュ篩を
99重量%通過した。
【0055】300℃のギヤーオーブン中でニッケル製
平板シボ付金型(30cm×30cm)を加熱した。金型の
表面温度が220℃になった時、上記粉末成形用熱可塑
性エラストマーパウダーを5秒間ふりかけた。過剰のパ
ウダーを排出した後、直ちにエチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂パウダー(住友精化製、フローバック H400
1N、酢酸ビニル含有量20重量%、MFR=20g/
10分、平均粒径55±5メッシュ)100重量部に対
して熱分解型発泡剤アゾジカルボンアミド(三協化成
製、セルマイクCAP−250、分解温度145℃)3
重量部配合してなる発泡性エチレン−酢酸ビニル共重合
樹脂パウダー組成物を20秒間ふりかけ、過剰のパウダ
ー組成物を排出した。さらに、この金型を雰囲気温度2
00℃のギヤーオーブンに入れ、60秒間加熱し、組成
物を発泡させた。次に金型をギヤーオーブンから取り出
し、水冷して複合発泡成形体を金型から脱型させた。複
合発泡成形体の評価結果を表1に示す。
【0056】実施例2 実施例1における熱分解型発泡剤の代わりに、アゾジカ
ルボンアミド(三協化成製、セルマイクCAP−50
0、分解温度150℃)を5重量部用いた以外は、実施
例1と同様にして複合発泡成形体を製造した。複合発泡
成形体の評価結果を表1に示す。
【0057】実施例3 実施例1におけるエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂パウ
ダーの代わりに、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂パウ
ダー(住友精化製、フローバックD5020、酢酸ビニ
ル含有量10重量%、MFR=75g/10分、平均粒
径50±5メッシュ)を用いる以外は、実施例1と同様
にして複合発泡成形体を製造した。複合発泡成形体の評
価結果を表1に示す。
【0058】比較例1 実施例1におけるエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂パウ
ダーの代わりに、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂パウ
ダー(住友精化製、フローバックK2010、酢酸ビニ
ル含有量25重量%、MFR=3g/10分、平均粒径
40±5メッシュ)を用いる以外は、実施例1と同様に
して複合発泡成形体を製造した。複合発泡成形体の評価
結果を表1に示す。
【0059】実施例4 プロピレン−ブテンランダム共重合体樹脂(ブテン含量
=24重量%、MFR=90g/10分)60重量部用
い、また実施例1における油展EPDMを40重量部用
いた以外は、実施例1と同一条件で、複素動的粘度η*
(1)が6.9×103 ポイズ、ニュートン粘性指数n
が0.39である粉末成形用熱可塑性エラストマーパウ
ダーを得た。このパウダーはタイラー標準篩の32メッ
シュ篩を99重量%通過した。このパウダーを用いる以
外は、実施例1と同様にして複合発泡成形体を製造し
た。複合発泡成形体の評価結果を表1に示す。
【0060】実施例5 実施例4における熱分解型発泡剤の添加量3重量部を5
重量部とした以外は、実施例4と同様にして複合発泡成
形体を製造した。複合発泡成形体の評価結果を表1に示
す。
【0061】実施例6 実施例4における熱分解型発泡剤の添加量3重量部を
7.5重量部とした以外は、実施例4と同様にして複合
発泡成形体を製造した。複合発泡成形体の評価結果を表
1に示す。
【0062】実施例7 実施例4における熱分解型発泡剤の代わりに、アゾジカ
ルボンアミド(三協化成製、セルマイクCAP、分解温
度125℃)3重量部を用いる以外は、実施例4と同様
にして複合発泡成形体を製造した。複合発泡成形体の評
価結果を表1に示す。
【0063】実施例8 粉末成形用熱可塑性エラストマーパウダーとして実施例
4と同様のパウダーを用いた。発泡性エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂パウダーとして実施例4と同様のパウ
ダーを用いた。300℃のギヤーオーブン中でニッケル
製平板しぼ付金型(30cm×30cm)を加熱した。金型
表面が250℃になった時、粉末成形用熱可塑性エラス
トマーパウダーを5秒間振り掛けた。過剰のパウダーを
排出した後、直ちに上記の発泡性エチレン−酢酸ビニル
共重合樹脂パウダー組成物を30秒間振り掛け、過剰の
のパウダー組成物を排出した。さらに、この金型を雰囲
気温度200℃のギヤーオーブン中に入れ、70秒間加
熱し、組成物を発泡させた。次に金型をギヤーオーブン
から取り出し、水冷して複合発泡成形体を金型から脱型
させた。複合発泡成形体の評価結果を表1に示す。
【0064】実施例9 粉末成形用熱可塑性エラストマーパウダーとして実施例
4と同様のパウダーを用いた。実施例4と同様にして得
られた発泡性エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂パウダー
組成物に、液状コーティング剤(住友化学製、登録商標
スミペックスセメント7主成分アクリル樹脂)1重量部
及び20mlの酢酸エチルで希釈したベンゾイルペルオキ
シドを含む硬化剤2滴を配合し、5リットルのスーパー
ミキサーで500rpmで2分間、1000rpmで3
分間混合し、発泡性エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂パ
ウダー組成物を得た。続いて、実施例8と同様にして複
合発泡成形体を製造した。複合発泡成形体の評価結果を
表1に示す。
【0065】実施例10 実施例9における液状コーティング剤1重量部の代わり
に、液状コーティング剤(住友化学製、登録商標スミエ
ポキシ ELA115 エピクロヒドリンとビスフェノ
ールAからなる環状脂肪族型エポキシ樹脂)0.5重量
部とトリエチレンテトラミン0.05重量部を配合する
以外は、実施例9と同様にして複合発泡成形体を製造し
た。複合発泡成形体の評価結果を表1に示す。
【0066】実施例11 実施例10における液状コーティング剤0.5重量部を
2重量部とし、さらにトリエチレンテトラミン0.05
重量部を0.2重量部とした以外は、実施例10と同様
にして複合発泡成形体を製造した。複合発泡成形体の評
価結果を表1に示す。
【0067】
【0068】実施例12 実施例4で得られた熱可塑性エラストマーパウダーと同
様のパウダーに白色顔料(住化カラー製、White PV-74
2)1.0重量部配合し、容量20リットルのスーパー
ミキサーに供給し、500rpmで10分間混合し、着
色した粉末成形用熱可塑性エラストマーパウダー組成物
(非発泡層用)5050gを得た。
【0069】また、実施例4で得られた発泡性エチレン
−酢酸ビニル共重合樹脂パウダー組成物と同様のパウダ
ー組成物に顔料(住化カラー製、White PV-742 0.7
重量部、Black PV-817 0.3重量部を混合)1.0重
量部配合し、グレーに着色した発泡性エチレン−酢酸ビ
ニル共重合樹脂パウダー組成物5150gを得た。
【0070】図1〜図3に示すステンレス製の角型容器
(粉末供給ボックス)を2台用意し、1台に非発泡層用
の熱可塑性エラストマーパウダー組成物を、また他の1
台に発泡性エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂パウダー組
成物をそれぞれ4000g供給した。この角型容器は6
00mm×220mmの長方形の開口部1を有し、深さが2
10mmであり、一軸回転装置3に取り付けたものであ
る。
【0071】一方、図1に示す粉末供給ボックスの開口
部1と、同じ大きさの開口部4を有する、図4〜図6に
示すニッケル電鋳金型を300℃のガス炉中で予備加熱
した。この金型は、厚さ3mmであり、内面がなわ目模様
5及び皮しぼ模様6の施された複雑形状を有するもので
ある。金型の表面温度が250℃になった時点で、直ち
に加熱された金型をその開口部4(600mm×220m
m)が下向きになるように、上記非発泡層用の熱可塑性
エラストマーパウダー組成物を充填した粉末供給ボック
スの開口部1に合わせて置き、双方の開口部のまわりに
取り付けられている外枠を密着させ、クリップ2で固定
し一体化した。
【0072】金型の表面温度が220℃になった時、直
ちに非発泡層用の熱可塑性エラストマーパウダー組成物
を充填した粉末供給ボックスを180°回転し、金型に
パウダーを3秒間接触させて融着させた。直ちに粉末供
給ボックスを180°回転して元に戻し、複雑形状部に
付着した過剰のパウダーを粉末供給ボックスに払い落と
した。
【0073】直ちに、非発泡層を形成した金型の開口部
4が下向きになるようにして、その金型の開口部4を、
発泡性エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂パウダー組成物
の入った粉末供給ボックスの開口部1に合わせて置き、
双方の開口部のまわりに取り付けられている外枠を密着
させ、クリップ2で固定し一体化した。この時の金型の
表面温度は193℃であった。
【0074】直ちに、発泡性エチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂パウダー組成物が入った粉末供給ボックスを18
0°回転し、金型にパウダー組成物を15秒間接触させ
て融着させた。次いで、粉末供給ボックスを180°回
転して元に戻し、複雑形状部に付着した過剰のパウダー
組成物を粉末供給ボックスに払い落とした。金型の開口
部4が下向きの状態で、粉末供給ボックスから金型を取
外した。引続き、200℃の加熱炉中で金型を1分間、
後加熱したのち、直ちに水冷し成形体を脱型した。
【0075】得られた複合発泡成形体は、非発泡層が1
20g、厚み0.7mmであり、発泡層が170g、厚み
3.9mm、発泡倍率3.5倍であった。非発泡層は欠肉
やピンホールがなく、なわ目模様、皮しぼ模様が忠実に
再現されていた。また、発泡層は均一な発泡セルを有し
ていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】粉末供給ボックスの平面図である。
【図2】粉末供給ボックスの立面図である。
【図3】粉末供給ボックスの側面図である。
【図4】金型の平面図である。
【図5】金型の立面図である。
【図6】金型の側面図である。
【符号の説明】
1・・・開口部 2・・・クリップ 3・・・一軸回転装置(ハンドル) 4・・・開口部 5・・・金型内なわ目模様部 6・・・金型内皮しぼ模様部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:04 B29L 31:58 C08L 23:08 31:04 (72)発明者 日笠 忠 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学 工業株式会社内 (72)発明者 妻鳥 浩昭 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−253433(JP,A) 特開 平1−123744(JP,A) 特開 昭64−29443(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 41/04 B32B 25/14 C08J 9/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非発泡層と発泡層が一体化してなる複合発
    泡成形体において、非発泡層が下記(A)の熱可塑性エ
    ラストマーパウダーから成形されてなる層であり、発泡
    層が下記(B)のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂パウ
    ダーに、(C)熱分解型発泡剤を、または(C)熱分解
    型発泡剤と(D)液状コーティング剤を、配合して発泡
    してなる層であることを特徴とする複合発泡成形体。 (A)エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとポリ
    オレフィン系樹脂とのエラストマー組成物からなる熱可
    塑性エラストマーパウダー、またはエチレン・α−オレ
    フィン系共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂との混合
    物を架橋剤の存在下で動的架橋してなる部分架橋型エラ
    ストマー組成物からなる熱可塑性エラストマーパウダー
    であり、250℃での動的粘弾性測定において周波数1
    ラジアン/秒で測定した複素動的粘度η* (1)が1.
    5×105 ポイズ以下であり、かつ周波数1ラジアン/
    秒での複素動的粘度η* (1)と周波数100ラジアン
    /秒での複素動的粘度η* (100)とを用いて次式で
    算出されるニュートン粘性指数nが0.67以下である
    熱可塑性エラストマーパウダー。 n={logη* (1)−logη* (100)}/2 (B)エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂からなるパウダ
    ーであり、JIS K6730に準拠する方法で測定し
    たMFR(メルトフローレート)が10g/10分以上
    であり、かつ酢酸ビニル含有量が5〜40重量%である
    エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂パウダー。
  2. 【請求項2】粉末成形法により非発泡層と発泡層とを一
    体成形し、加熱してなる複合発泡成形体の製造方法にお
    いて、非発泡層として下記(A)の熱可塑性エラストマ
    ーパウダーを用い、発泡層として下記(B)のエチレン
    −酢酸ビニル共重合樹脂パウダーに、(C)熱分解型発
    泡剤、または(C)熱分解型発泡剤と(D)液状コーテ
    ィング剤を配合してなる発泡性エチレン−酢酸ビニル共
    重合樹脂組成物パウダーを用いることを特徴とする複合
    発泡成形体の製法。 (A)エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとポリ
    オレフィン系樹脂とのエラストマー組成物からなる熱可
    塑性エラストマーパウダー、またはエチレン・α−オレ
    フィン系共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂との混合
    物を架橋剤の存在下で動的架橋してなる部分架橋型エラ
    ストマー組成物からなる熱可塑性エラストマーパウダー
    であり、250℃での動的粘弾性測定において周波数1
    ラジアン/秒で測定した複素動的粘度η* (1)が1.
    5×105 ポイズ以下であり、かつ周波数1ラジアン/
    秒での複素動的粘度η* (1)と周波数100ラジアン
    /秒での複素動的粘度η* (100)とを用いて次式で
    算出されるニュートン粘性指数nが0.67以下である
    熱可塑性エラストマーパウダー。 n={logη* (1)−logη* (100)}/2 (B)エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂からなるパウダ
    ーであり、JIS K6730に準拠する方法で測定し
    たMFR(メルトフローレート)が10g/10分以上
    であり、かつ酢酸ビニル含有量が5〜40重量%である
    エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂パウダー。
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