JPH0520808U - チヤツク装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 迅速・強固に工作物や工具類を着脱できるチ
ャック装置を提供する。 【構成】 チャック本体１の前部にワークを挾持開放す
るチャック部材２を設けたチャック装置において、チャ
ック本体１に回動自在且つ摺動自在なチャックスリーブ
３を螺着し、このチャックスリーブ３の内孔にチャック
部材２を嵌螺着し、このチャック部材２の外周面の螺子
部とチャックスリーブ３の内周面の螺子部とから成る螺
合部ａと前記チャックスリーブ３の外周面の螺子部とチ
ャック本体１の内周面の螺子部とから成る螺合部ｂとを
逆螺子の関係に設定したチャック装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は迅速・強固に工作物や工具類を着脱できるチャック装置に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】

従来よりコレットチャックに工作物や工具類を迅速・強固にチャッキングする ため、種々のコレットチャックの機構が考案され販売されているが、本考案は螺 子の理を応用してコレットチャックに工作物や工具類を迅速強固に着脱できるコ レットチャック装置を提供するのが技術的課題である。

【０００３】

【課題を解決するための手段】

添付図面を参照して本考案の要旨を説明する。

【０００４】 チャック本体１の前部にワークを挾持開放するチャック部材２を設けたチャッ ク装置において、チャック本体１に回動自在且つ摺動自在なチャックスリーブ３ を螺着し、このチャックスリーブ３の内孔にチャック部材２を嵌螺着し、このチ ャック部材２の外周面の螺子部とチャックスリーブ３の内周面の螺子部とから成 る螺合部ａと前記チャックスリーブ３の外周面の螺子部とチャック本体１の内周 面の螺子部とから成る螺合部ｂとを逆螺子の関係に設定したことを特徴とするチ ャック装置に係るものである。

【０００５】

【作用】

本考案の作用について説明する。

【０００６】 チャックスリーブ３を回動させると、チャックスリーブ３の外周面の螺子部と チャック本体１の内周面の螺子部の螺合部ｂにより、チャックスリーブ３はチャ ック本体１に対してＬ₁だけ移動すると同時に、チャックスリーブ３が回転する ことにより、チャックスリーブ３の内周面の螺子部とチャック部材２の外周面の 螺子部の螺合部ａは上記螺合部ｂと逆螺子の関係に設けられているので、チャッ ク部材２はチャックスリーブ３に対してＬ₁の移動方向にＬ₂だけ移動し、結果的 にチャック部材２はチャック本体１に対してＬ₁＋Ｌ₂だけ移動することになる。

【０００７】

【実施例】

図面は、本考案に係る好適な実施例を示したものである。以下に説明する。

【０００８】 チャック基体４の前方にチャックボデー５を止着ボルト（図示省略）で止着し 、このチャックボデー５の前寄りの内側にテーパー孔６を設け、このテーパー孔 ６にチャック部材２を内設した場合を図示している。

【０００９】 チャック部材２の基端部寄り外周面と、径小部７と径大部８とを段部を介して 連設したチャックスリーブ３の径小部７の内周面とを右螺子の螺合部ａで螺合し 、チャックスリーブ３の径大部８にキー溝９を設け、このキー溝９に係止片10に よりチャックスリーブ３を駆動する大傘歯車体11を被嵌し、この大傘歯車体11の 傘歯車と噛み合う小傘歯車軸12をチャック基体４に付設し、チャックスリーブ３ の径小部７の外周面とチャック基体４の基端の内周面とを左螺子の螺合部ｂで螺 合する。

【００１０】 図面では小傘歯車軸12をチャック基体４に１セット付設した場合を図示してい るが、２セット以上付設しても良い。

【００１１】 符号13は係止片10を大傘歯車体11に止着する止着ボルト、14はチャック部材２ の回動を不能にして左右動を許容する係止体、15は上記係止体14に係合する係合 溝、16はスピンドル、17はスピンドル16にチャック装置を取り付ける取付ボルト である。

【００１２】 工作物をチャック部材２の内径に挿入して、小傘歯車軸12をチャックレンチで 時計廻りに回転すると、この小傘歯車軸12に噛合っている大傘歯車体11が図１の 右方より見て反時計廻りに回転するので、係止片10を介してチャックスリーブ３ が同様に反時計廻りに回転する。

【００１３】 チャックスリーブ３が反時計廻りに回転すると、このチャックスリーブ３の径 小部７の外周面と、チャック基体４の基端内周面との螺合部ｂの左螺子作用によ りチャックスリーブ３を左方に移動せしめると同時に、チャックスリーブ３が反 時計方向に回転することにより、チャック部材２はチャックスリーブ３の径小部 ７の内周面とチャック部材２の基端部外周面との螺合部ａの右螺子作用によりチ ャック部材２を更に左方に移動させるので、チャック部材２の移動量は、チャッ クスリーブ３の径小部７の外周面の左螺子の螺合部ｂによる移動量と、内周面の 右螺子の螺合部ａによる移動量とが加算された移動量となり、それだけ早くチャ ック部材２の他端部の外周がチャックボデー５のテーパー孔６に当接して挟まり 、それだけ速く工作物がチャッキングされる。

【００１４】 チャック部材２は、上記チャックスリーブ３の外周の左螺子の螺合部ｂによる 移動量（例えばピッチ１ｍｍとする）と内周の右螺子の螺合部ａによる移動量（ 例えばピッチ１.５ｍｍとする）のそれぞれの螺動作用の移動量が加算された移 動量（この場合１回転当たり１＋１.５＝２.５ｍｍピッチ）で移動するので、そ れだけ速く工作物のチャッキングが行われる。

【００１５】 逆に工作物をチャッキングしたチャック装置の小傘歯車軸12を、チャックレン チで反時計廻りに作動させると、上記とは逆の作動で、大傘歯車体11は時計廻り に回転し、チャックスリーブ３の径小部７は、チャック基体４の基端内周面の左 螺子部との螺子作用により右方に移動すると同時に、このチャックスリーブ３の 内周面の右螺子部の螺子作用によりチャック部材２を更に右方に移動させるので 、チャック部材２は、上記と同様にチャックスリーブ３の径小部７の外周の左螺 子による移動量と、内周の右螺子による移動量とが加算された移動量となり、そ れだけ速くチャック部材２の外周がチャックボデー５のテーパー孔６と離反し、 それだけ速く工作物のチャッキングが解除される。

【００１６】 尚、本考案はコレットチャック装置に限らず、どのようなチャック装置にも適 用可能である。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は上述のように構成したから、螺子の理によりそれだけ迅速に工作物や 工具類の着脱が可能になる実用上秀れたコレットチャック装置となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す断面図である。

【図２】本考案の一実施例を示す正面図である。

【図３】本考案の一実施例の要部の拡大断面図である。

【符号の説明】

１ チャック本体 ２ チャック部材 ３ チャックスリーブ ａ 螺合部 ｂ 螺合部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 チャック本体の前部にワークを挾持開放
   するチャック部材を設けたチャック装置において、チャ
   ック本体に回動自在且つ摺動自在なチャックスリーブを
   螺着し、このチャックスリーブの内孔にチャック部材を
   嵌螺着し、このチャック部材の外周面の螺子部とチャッ
   クスリーブの内周面の螺子部とから成る螺合部と前記チ
   ャックスリーブの外周面の螺子部とチャック本体の内周
   面の螺子部とから成る螺合部とを逆螺子の関係に設定し
   たことを特徴とするチャック装置。