JPH05206534A - 積層型圧電素子 - Google Patents

積層型圧電素子

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JPH05206534A
JPH05206534A JP4014010A JP1401092A JPH05206534A JP H05206534 A JPH05206534 A JP H05206534A JP 4014010 A JP4014010 A JP 4014010A JP 1401092 A JP1401092 A JP 1401092A JP H05206534 A JPH05206534 A JP H05206534A
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JP
Japan
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piezoelectric
porosity
piezoelectric element
piezoelectric plate
insulating material
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Application number
JP4014010A
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English (en)
Inventor
Yukihiro Kato
幸宏 加藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】高荷重・高電圧下での連続駆動時などにおける
圧電板の破壊を防止し、かつ変位量も確保する。 【構成】圧電板と電極板とを交互に複数枚積層してなる
積層型圧電素子において、圧電板は10〜30%の空孔
率を占める空孔をもち、空孔内には絶縁物質が充填され
ていることを特徴とする。空孔率が10%以上の空孔内
の絶縁物質によりクラックの進展が阻止され、空孔率を
30%未満とすることにより変位量も確保される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクチュエータなどに
用いられる積層型圧電素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電磁力を利用したアクチュエータ
に代わって、例えば特開昭62−291187号公報、
実開昭64−30865号公報などに開示されているよ
うに、圧電効果を利用した圧電アクチュエータが多用さ
れている。この圧電アクチュエータは発熱が少なく、ま
た小型で高速駆動が可能なため、各種の機械的駆動素子
として極めて有望である。ただ圧電効果による機械的変
位は本質的に極めて小さいので、大きな変位量を得るた
めに圧電板と電極板とを交互に多重に積層し絶縁保護層
で被覆された構造の積層型圧電素子として提供されてい
る。
【0003】この圧電板は、一般にPbO2 、Zr
2 、TiO2 などの酸化物の粉末を混粉し、ポリビニ
ルアルコールなどのバインダーを添加して円板状に成形
し、焼成後所定形状に加工して形成されている。そして
圧電板と電極板との導通を確実とするために、圧電板の
表裏両面にスクリーン印刷などで銀ペーストを付着さ
せ、700〜800℃で焼成して内部電極層を形成して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、積層型圧電
素子に電圧を印加して駆動する場合、例えば高荷重・高
電圧の条件で連続駆動すると、圧電板内にクラックが生
じる場合があった。このようにクラックが生じそれが進
行すると、所望の変位量が得られなくなったり、短絡が
生じたりする場合がある。なお、このクラックの発生原
因としては、発生応力のばらつき、温度のばらつきによ
る体積変化のばらつき、などが考えられている。
【0005】また、上記製法で製造されたセラミック圧
電板には、焼成の過程でバインダーが焼失しその跡に空
孔が生じる。このように空孔が生じると、空孔を介して
圧電板の両側の電極間で放電が起こり、短絡が生じる場
合がある。そこで本願出願人は特開平2−188074
号公報に、空孔中に絶縁物質が含浸された圧電板をもつ
積層型圧電素子を開示している。このような積層型圧電
素子によれば、短絡が防止されるため素子の耐電圧性が
向上する。
【0006】しかしながら、空孔中に絶縁物質を含浸さ
せた素子であっても、高荷重・高電圧下での連続駆動時
にはクラックが発生する場合があり、一旦クラックが生
じると短絡を防止することは困難であった。またクラッ
クが進展して圧電板が破壊される場合もある。そこで本
発明者は、特開平2−188074号公報に開示された
積層型圧電素子の耐クラック性を改良するべく鋭意検討
した結果、圧電板中の空孔率がクラックの発生と変位特
性に大きく影響していることを発見し本発明を完成した
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の積層型圧電素子
は、圧電板と電極板とを交互に複数枚積層してなる積層
型圧電素子において、圧電板は10〜30%の空孔率を
占める空孔をもち、空孔内には絶縁物質が充填されてい
ることを特徴とする。本発明にいう空孔率とは、圧電板
の見掛けの体積に対する全空孔合計容積の占める割合を
いう。
【0008】特開平2−188074号公報に開示され
たような従来の製法で形成された圧電板の空孔率は、一
般に1%前後と小さい値であった。しかし本発明では、
圧電板の空孔率を10〜30%としている。このように
空孔率を大きくすることにより、空孔内に充填された絶
縁物質がクラックを効果的に防止する。したがって空孔
率が10%より小さいと、クラックの発生を防止するこ
とが困難となる。
【0009】一方、空孔率が30%より大きくなると相
対的に圧電材料が減少し、変位量が低下する。また絶縁
物質の量が増大することにより変位を吸収する作用が生
じ、変位量が極端に低下することが明らかとなってい
る。空孔率を上記範囲に制御するには、セラミック粉末
の混粉時に樹脂などの有機物粉末を所定量範囲で混合し
て成形し、焼成時に焼失させることで容易に行うことが
できる。また絶縁物質としては、樹脂、シリコンオイル
など従来と同様のものを利用できる。
【0010】
【作用】本発明の積層型圧電素子では、圧電板は10〜
30%の空孔率の空孔をもち、空孔内には絶縁物質が充
填されている。したがって高荷重・高電圧下での連続駆
動時にマイクロクラックが発生しても、10%以上の空
孔率の空孔内の絶縁物質でクラックの進展が阻止される
ため、大きなクラックに成長するのが阻止され、破壊が
防止される。
【0011】また空孔率は30%未満に制御されている
ため、素子の変位量が確保されている。
【0012】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。 (積層型圧電素子の製造)PbO:60重量部、ZrO
2 :22重量部、TiO2 :13重量部、焼結助剤とし
てのSrCO3 :5重量部に、平均粒径30〜50μm
のポリメチルメタクリレート粉末(PMMA)を加えて
混粉した。PMMA粉末の混合量は、酸化物粉末全体に
対して0〜15重量%の範囲で変化させ、複数種類の圧
電板原料粉末を調製した。
【0013】それぞれの圧電板原料粉末に対して0.1
重量%のポリビニルブチラール(PVB)を加え、スプ
レードライヤにて造粒後、金型プレス装置にて面圧10
0MPaをかけて直径20mm、厚さ1.1〜1.2m
mの円板状成形体をそれぞれ形成した。それぞれの成形
体を、PbOを10重量%含有する100メッシュのZ
rO2 粉末中に埋設し、図3に示す焼成パターンで加熱
して大気中で焼成した。その後直径15.0mm、厚さ
0.5mmとなるように研削加工し、それぞれの圧電板
を形成した。得られたそれぞれの圧電板は、その寸法と
重量及び真比重から空孔率が算出され、結果を表1に示
す。
【0014】それぞれの圧電板を、粘度50cpのアク
リル樹脂系含浸剤(「SKダイン1720」綜研化学
(株)製)中に浸漬し、100Pa以下の減圧下で5分
間保持して、アクリル樹脂系含浸剤を空孔中に完全に含
浸させた。常圧に戻した後引き上げて表面を拭い、90
℃で加熱して含浸剤を熱硬化させた。そして硬化後表面
を片面10〜20μm程度研磨して、空孔中に絶縁物質
が充填された圧電板を形成した。得られた圧電板の模式
的断面図を図2に示す。この圧電板1は、PZT圧電材
料からなる基部10と、基部10中に所定の空孔率で存
在する空孔11と、空孔11内を充填する絶縁物質12
とから構成されている。
【0015】次に圧電板の両表面に銀ペーストを印刷
し、焼き付けて内部電極層を形成した。印刷パターン
は、外周端部から0.5mmほど無印刷部をリング状に
残すようにした。これは電圧印加時の縁面放電を防止す
るためである。内部電極層が形成された圧電板1は、そ
れぞれ100℃のシリコンオイル中で1kV/mmの直
流電圧を10分間印加され、分極された。これを直径1
5mm、厚さ0.03mmの銅製電極板2とともに交互
に50層積層し、電極板2が一つおきに同極となるよう
に一対の外部電極3を形成して、図1に示すような積層
型圧電素子を空孔率の異なるそれぞれの圧電板について
それぞれ形成した。 (試験・評価)それぞれの積層型圧電素子について、5
00V−100Hzの矩形電圧を印加し、圧電素子に加
わる圧力を10〜15MPaの間で変化させた。この時
のそれぞれの圧電素子の変位量を計測し、結果を表1に
示す。また、その後それぞれ1×107 回駆動し、圧電
板1のクラックの有無を表面から観察した。その結果も
表1に併せて示す。また空孔率と変位量の関係をグラフ
化して図4に示す。
【0016】
【表1】 表1及び図4より、空孔率が増大するにつれて変位量が
減少し、空孔率が30%を超えると変位量が急激に低下
して一桁となっていることがわかる。また空孔率が10
%より小さいと圧電板にクラックが発生している。した
がってクラックの発生が無く、変位量も満足できる範囲
としては、空孔率が10〜30%の範囲であることが明
らかである。
【0017】
【発明の効果】すなわち本発明の積層型圧電素子によれ
ば、高荷重・高電圧下での連続駆動時においても大きな
クラックの発生がないので、耐久性に優れ長期間の使用
に耐え得る。また変位量が小さくなり過ぎるような不具
合もない。さらに、積層型圧電素子を製造する場合など
に圧電板を床面に落とした場合には、従来の圧電板では
衝撃で破損する場合が多かった。しかし本発明の素子に
よれば、絶縁物質により衝撃が緩衝され破損が防止され
る。ちなみに圧電板を1mの高さからコンクリート面に
落下させた場合には、従来のものでは必ず破損するが本
発明のものではほとんど破損しない。このように本発明
の積層型圧電素子によれば、圧電板の歩留りを向上させ
る効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の積層型圧電素子の模式的な
構造図である。
【図2】実施例で用いた圧電板の模式的拡大断面図であ
る。
【図3】実施例における焼成条件を示す線図である。
【図4】空孔率と変位量の関係を示すグラフである。
【符号の説明】 1:圧電板 2:電極板 3:外部電
極 10:基部 11:空孔 12:絶縁
物質

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電板と電極板とを交互に複数枚積層し
    てなる積層型圧電素子において、 該圧電板は10〜30%の空孔率を占める空孔をもち、
    該空孔内には絶縁物質が充填されていることを特徴とす
    る積層型圧電素子。
JP4014010A 1992-01-29 1992-01-29 積層型圧電素子 Pending JPH05206534A (ja)

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