JPH05202367A - 抽出による軽油の脱硫および脱硝方法 - Google Patents
抽出による軽油の脱硫および脱硝方法Info
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- JPH05202367A JPH05202367A JP4298076A JP29807692A JPH05202367A JP H05202367 A JPH05202367 A JP H05202367A JP 4298076 A JP4298076 A JP 4298076A JP 29807692 A JP29807692 A JP 29807692A JP H05202367 A JPH05202367 A JP H05202367A
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- C10G—CRACKING HYDROCARBON OILS; PRODUCTION OF LIQUID HYDROCARBON MIXTURES, e.g. BY DESTRUCTIVE HYDROGENATION, OLIGOMERISATION, POLYMERISATION; RECOVERY OF HYDROCARBON OILS FROM OIL-SHALE, OIL-SAND, OR GASES; REFINING MIXTURES MAINLY CONSISTING OF HYDROCARBONS; REFORMING OF NAPHTHA; MINERAL WAXES
- C10G21/00—Refining of hydrocarbon oils, in the absence of hydrogen, by extraction with selective solvents
- C10G21/06—Refining of hydrocarbon oils, in the absence of hydrogen, by extraction with selective solvents characterised by the solvent used
- C10G21/12—Organic compounds only
- C10G21/20—Nitrogen-containing compounds
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- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】軽油を窒素含有複素環式化合物(ピロリドン、
イミダゾリジノン、ピリミジノン、ピリジニウム塩等)
または酸アミド等の窒素含有有機溶剤で抽出することか
らなる軽油の脱硫および脱硝方法、上記方法で脱硫およ
び脱硝された軽油、および抽出に用いる窒素含有有機溶
剤。 【効果】本発明の抽出と通常の水添脱硫と組み合わせて
行うことにより、硫黄含有量0.01重量%以下の軽油
を得ることができる。新たな水添脱硫装置を必要とせず
に、簡単な抽出操作により、水添脱硫で残留するベンゾ
チオフェンやジベンゾチオフェン誘導体の脱硫が可能
で、脱硫後の軽油に着色や悪臭が残らない。また、同じ
操作で脱硝、脱芳香族および脱色も行われ得る。さら
に、抽出後の溶剤から硫黄化合物の再抽出、または溶剤
の分離が容易であり、溶剤の再利用が可能である。脱硫
された軽油はパーティキュレートを低減でき、セタン価
が高い。
イミダゾリジノン、ピリミジノン、ピリジニウム塩等)
または酸アミド等の窒素含有有機溶剤で抽出することか
らなる軽油の脱硫および脱硝方法、上記方法で脱硫およ
び脱硝された軽油、および抽出に用いる窒素含有有機溶
剤。 【効果】本発明の抽出と通常の水添脱硫と組み合わせて
行うことにより、硫黄含有量0.01重量%以下の軽油
を得ることができる。新たな水添脱硫装置を必要とせず
に、簡単な抽出操作により、水添脱硫で残留するベンゾ
チオフェンやジベンゾチオフェン誘導体の脱硫が可能
で、脱硫後の軽油に着色や悪臭が残らない。また、同じ
操作で脱硝、脱芳香族および脱色も行われ得る。さら
に、抽出後の溶剤から硫黄化合物の再抽出、または溶剤
の分離が容易であり、溶剤の再利用が可能である。脱硫
された軽油はパーティキュレートを低減でき、セタン価
が高い。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抽出による軽油の脱硫お
よび脱硝方法に関する。
よび脱硝方法に関する。
【0002】
【従来の技術】軽油という用語は石油精製工程で生じる
中間製品および最終製品の両方について用いられる。中
間製品としての軽油は通常1重量%内外の硫黄化合物を
含有し、これが石油製品に悪影響を及ぼすばかりでな
く、燃焼時に硫黄酸化物となり環境汚染につながるの
で、脱硫操作を施し、製品としての軽油とされ、洗浄
剤、ディーゼル燃料、バーナー燃料、吸収油、油ガス製
造用、熱または接触分解ガソリン製造用などとして広く
利用されている。現在、軽油の脱硫はほとんどが水添脱
硫により行われている。水添脱硫は、触媒を用い高温高
圧下で、軽油中の硫黄化合物を硫化水素と炭化水素に変
えて除去するものであり、例えばアルミナ担持コバルト
−モリブデン触媒を用い、約280〜340℃および2
0〜50バールの条件下で行われる。上記現行の水添脱
硫では、硫黄含有量0.07〜0.08重量%まで脱硫
することができる。現在、軽油中の硫黄含有量は0.5
重量%以下に規制されているが、環境保護等の観点から
近い将来、この規制値が0.05重量%以下に引き下げ
られることが予測されており、この場合現在の水添脱硫
法では対処できないことになる。なお、水添脱硫により
軽油中の硫黄含有量を0.05重量%以下にすることは
技術的には可能であるが、現行の操作よりはるかに高温
高圧条件下で行う必要があり、新しい設備を必要とし、
多量のエネルギーおよび水素を消費するばかりか、精製
した軽油が黒色化しそのまま製品として使用できず、脱
色工程が必要となる。また、通常の水添脱硫により得ら
れた軽油は悪臭があり、しかも硫黄含有量を低下させる
につれて着色の度合いが高まり、製品として望ましくな
いという問題もある。さらに、軽油には百数十ないし数
百ppmの濃度で窒素化合物も含まれており、これらも
また燃焼により環境汚染源であるNOx となるので、軽
油から窒素化合物をできるだけ除去しておくことが望ま
しい。しかしながら、軽油から効率の良い脱硝方法はこ
れまで報告されていない。
中間製品および最終製品の両方について用いられる。中
間製品としての軽油は通常1重量%内外の硫黄化合物を
含有し、これが石油製品に悪影響を及ぼすばかりでな
く、燃焼時に硫黄酸化物となり環境汚染につながるの
で、脱硫操作を施し、製品としての軽油とされ、洗浄
剤、ディーゼル燃料、バーナー燃料、吸収油、油ガス製
造用、熱または接触分解ガソリン製造用などとして広く
利用されている。現在、軽油の脱硫はほとんどが水添脱
硫により行われている。水添脱硫は、触媒を用い高温高
圧下で、軽油中の硫黄化合物を硫化水素と炭化水素に変
えて除去するものであり、例えばアルミナ担持コバルト
−モリブデン触媒を用い、約280〜340℃および2
0〜50バールの条件下で行われる。上記現行の水添脱
硫では、硫黄含有量0.07〜0.08重量%まで脱硫
することができる。現在、軽油中の硫黄含有量は0.5
重量%以下に規制されているが、環境保護等の観点から
近い将来、この規制値が0.05重量%以下に引き下げ
られることが予測されており、この場合現在の水添脱硫
法では対処できないことになる。なお、水添脱硫により
軽油中の硫黄含有量を0.05重量%以下にすることは
技術的には可能であるが、現行の操作よりはるかに高温
高圧条件下で行う必要があり、新しい設備を必要とし、
多量のエネルギーおよび水素を消費するばかりか、精製
した軽油が黒色化しそのまま製品として使用できず、脱
色工程が必要となる。また、通常の水添脱硫により得ら
れた軽油は悪臭があり、しかも硫黄含有量を低下させる
につれて着色の度合いが高まり、製品として望ましくな
いという問題もある。さらに、軽油には百数十ないし数
百ppmの濃度で窒素化合物も含まれており、これらも
また燃焼により環境汚染源であるNOx となるので、軽
油から窒素化合物をできるだけ除去しておくことが望ま
しい。しかしながら、軽油から効率の良い脱硝方法はこ
れまで報告されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような状況を考慮
して本発明はなされたものであり、その課題とするとこ
ろは、新たな水添脱硫装置を必要とせずに、抽出という
簡単な操作で脱硫が可能で、しかも脱硫後の軽油に着色
や悪臭が残らない、軽油の脱硫方法を提供することであ
る。本発明はまた、抽出操作による軽油の脱硝方法の提
供をも課題とする。本発明の課題はさらに、脱硫または
脱硝された軽油、および軽油の脱硫または脱硝に用いる
溶剤の提供である。
して本発明はなされたものであり、その課題とするとこ
ろは、新たな水添脱硫装置を必要とせずに、抽出という
簡単な操作で脱硫が可能で、しかも脱硫後の軽油に着色
や悪臭が残らない、軽油の脱硫方法を提供することであ
る。本発明はまた、抽出操作による軽油の脱硝方法の提
供をも課題とする。本発明の課題はさらに、脱硫または
脱硝された軽油、および軽油の脱硫または脱硝に用いる
溶剤の提供である。
【0004】
【課題を解決するための手段】未処理の軽油中には脂肪
族および芳香族の硫黄化合物が含有されているが、本発
明者等は水添脱硫後に残留する硫黄成分が主として芳香
族硫黄化合物であることを突き止め、これらの除去のた
め、種々の研究を行った結果、これまで軽油の脱硫には
試みられたことのなかった抽出が操作が容易で、中でも
特定の有機溶剤による抽出が脱硫に有効であること、お
よび上記特定の溶剤が軽油の脱硝にも有効であることを
見出し、本発明を完成させた。
族および芳香族の硫黄化合物が含有されているが、本発
明者等は水添脱硫後に残留する硫黄成分が主として芳香
族硫黄化合物であることを突き止め、これらの除去のた
め、種々の研究を行った結果、これまで軽油の脱硫には
試みられたことのなかった抽出が操作が容易で、中でも
特定の有機溶剤による抽出が脱硫に有効であること、お
よび上記特定の溶剤が軽油の脱硝にも有効であることを
見出し、本発明を完成させた。
【0005】すなわち、本発明は、軽油を窒素含有有機
溶剤で抽出することからなる軽油の脱硫方法に関する。
また、本発明は、軽油を窒素含有有機溶剤で抽出するこ
とからなる軽油の脱硝方法に関する。さらに本発明は、
窒素含有有機溶剤での抽出により脱硫された軽油、およ
び窒素含有有機溶剤での抽出により脱硝された軽油に関
する。本発明はまた、窒素含有有機化合物からなる抽出
により軽油を脱硫するための溶剤、および窒素含有有機
化合物からなる抽出により軽油を脱硝するための溶剤に
関する。本発明はさらに、軽油を窒素含有有機溶剤で抽
出することからなる軽油の脱色方法に関する。
溶剤で抽出することからなる軽油の脱硫方法に関する。
また、本発明は、軽油を窒素含有有機溶剤で抽出するこ
とからなる軽油の脱硝方法に関する。さらに本発明は、
窒素含有有機溶剤での抽出により脱硫された軽油、およ
び窒素含有有機溶剤での抽出により脱硝された軽油に関
する。本発明はまた、窒素含有有機化合物からなる抽出
により軽油を脱硫するための溶剤、および窒素含有有機
化合物からなる抽出により軽油を脱硝するための溶剤に
関する。本発明はさらに、軽油を窒素含有有機溶剤で抽
出することからなる軽油の脱色方法に関する。
【0006】本発明において軽油とは、灯油と重油の中
間の沸点範囲を有する石油留分であって、チオール類、
スルフィド類、チオフェン類などの硫黄化合物および/
またはカルバゾール類などの窒素化合物を含有し脱硫お
よび/または脱硝の必要あるものを意味し、通常の水添
脱硫を既に施したものであっても、未だ施していないも
のであってもよい。なお、後者の場合、より十分な脱硫
のために本発明による抽出操作後、水添脱硫を行うこと
が必要である。
間の沸点範囲を有する石油留分であって、チオール類、
スルフィド類、チオフェン類などの硫黄化合物および/
またはカルバゾール類などの窒素化合物を含有し脱硫お
よび/または脱硝の必要あるものを意味し、通常の水添
脱硫を既に施したものであっても、未だ施していないも
のであってもよい。なお、後者の場合、より十分な脱硫
のために本発明による抽出操作後、水添脱硫を行うこと
が必要である。
【0007】本発明における脱硫・脱硝のための抽出溶
剤である窒素含有有機溶剤は軽油中の芳香族チオフェン
類およびカルバゾール類を主に抽出するものであり、好
ましくは窒素含有複素環式化合物または酸アミド化合物
からなる。本発明の窒素含有有機溶剤は単一成分からな
っていても、複数成分からなっていてもよく、さらに別
の窒素非含有溶剤と混合されたものであってよい。上記
の窒素含有複素環式化合物としては、窒素含有複素環式
ケトン、例えばピロリドン、イミダゾリジノン、ピリミ
ジノン、ピペリドン、ピラゾリジノンおよびピペラジノ
ン等を挙げることができ、これらは非置換でもアルキル
置換されていてもよく、中でもピロリドン例えばN−メ
チル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、
イミダゾリジノン例えば1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノ
ン、およびピリミジノン例えば1,3−ジメチル−3,
4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジノンが好まし
い。さらに、窒素含有複素環式化合物としてピリジニウ
ム塩、例えばトリメチルピリジニウムハイドロブロマイ
ド、1,2,4,6−テトラメチルピリジニウムヨーダ
イド、N−エチルピリジニウムブロマイド等を挙げるこ
とができるが、これらのピリジニウム塩を抽出溶剤とし
て使用する場合、水酸基を有する溶媒、例えばメタノー
ル、エタノール、エチレングリコールまたはグリセロー
ル等の溶液として使用すると抽出効率が高まり好まし
い。酸アミド化合物としては、例えばジメチルフォルム
アミド、ジエチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド等を挙げることができる。
剤である窒素含有有機溶剤は軽油中の芳香族チオフェン
類およびカルバゾール類を主に抽出するものであり、好
ましくは窒素含有複素環式化合物または酸アミド化合物
からなる。本発明の窒素含有有機溶剤は単一成分からな
っていても、複数成分からなっていてもよく、さらに別
の窒素非含有溶剤と混合されたものであってよい。上記
の窒素含有複素環式化合物としては、窒素含有複素環式
ケトン、例えばピロリドン、イミダゾリジノン、ピリミ
ジノン、ピペリドン、ピラゾリジノンおよびピペラジノ
ン等を挙げることができ、これらは非置換でもアルキル
置換されていてもよく、中でもピロリドン例えばN−メ
チル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、
イミダゾリジノン例えば1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノ
ン、およびピリミジノン例えば1,3−ジメチル−3,
4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジノンが好まし
い。さらに、窒素含有複素環式化合物としてピリジニウ
ム塩、例えばトリメチルピリジニウムハイドロブロマイ
ド、1,2,4,6−テトラメチルピリジニウムヨーダ
イド、N−エチルピリジニウムブロマイド等を挙げるこ
とができるが、これらのピリジニウム塩を抽出溶剤とし
て使用する場合、水酸基を有する溶媒、例えばメタノー
ル、エタノール、エチレングリコールまたはグリセロー
ル等の溶液として使用すると抽出効率が高まり好まし
い。酸アミド化合物としては、例えばジメチルフォルム
アミド、ジエチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド等を挙げることができる。
【0008】本発明の脱硫および脱硝方法における軽油
の窒素含有有機溶剤での抽出は、通常の液−液抽出で行
われる操作が適用できる。すなわち、脱硫および脱硝す
べき軽油と窒素含有有機溶剤とを適当な比率で混ぜ、室
温で適当時間震盪した後、2相に分離させ、溶剤相を除
くことにより行われ、必要に応じて油相を水等でさらに
洗浄してもよい。なお、抽出操作は通常室温で行うが、
抽出効率を高めるために加温してもよい。軽油と溶剤の
混合比率は軽油の硫黄含量および窒素含量や溶剤の種類
に応じて適宜選択されるが、一般に軽油:溶剤=1:
0.5〜4.0(重量比)が好ましい。操作コストを考
慮すると溶剤はなるべく少ない方が有利であるが、多段
抽出を行うことにより、溶剤比(軽油の重量1に対する
溶剤の重量)を小さくしても高い脱硫・脱硝効果が得ら
れる。また、本発明の溶剤に水を添加することにより、
ラフィネートオイル収率の向上を図ることもできる。
の窒素含有有機溶剤での抽出は、通常の液−液抽出で行
われる操作が適用できる。すなわち、脱硫および脱硝す
べき軽油と窒素含有有機溶剤とを適当な比率で混ぜ、室
温で適当時間震盪した後、2相に分離させ、溶剤相を除
くことにより行われ、必要に応じて油相を水等でさらに
洗浄してもよい。なお、抽出操作は通常室温で行うが、
抽出効率を高めるために加温してもよい。軽油と溶剤の
混合比率は軽油の硫黄含量および窒素含量や溶剤の種類
に応じて適宜選択されるが、一般に軽油:溶剤=1:
0.5〜4.0(重量比)が好ましい。操作コストを考
慮すると溶剤はなるべく少ない方が有利であるが、多段
抽出を行うことにより、溶剤比(軽油の重量1に対する
溶剤の重量)を小さくしても高い脱硫・脱硝効果が得ら
れる。また、本発明の溶剤に水を添加することにより、
ラフィネートオイル収率の向上を図ることもできる。
【0009】脱硫および脱硝された軽油の硫黄含量およ
び窒素含量は、処理前の軽油の硫黄含量および窒素含量
ならびに用いた溶剤に応じて広範囲に変化する。いずれ
の含量も少ない方が好ましいが、本発明の方法により、
通常の水添脱硫を施した軽油を抽出処理した場合、硫黄
含量および窒素含量をそれぞれ0.1重量%以下および
100ppm以下、特に0.01重量%以下および20
ppm以下とすることができる。
び窒素含量は、処理前の軽油の硫黄含量および窒素含量
ならびに用いた溶剤に応じて広範囲に変化する。いずれ
の含量も少ない方が好ましいが、本発明の方法により、
通常の水添脱硫を施した軽油を抽出処理した場合、硫黄
含量および窒素含量をそれぞれ0.1重量%以下および
100ppm以下、特に0.01重量%以下および20
ppm以下とすることができる。
【0010】
【作用】本発明の抽出による脱硫方法は、水添脱硫では
除去しにくいベンゾチオフェンやジベンゾチオフェン誘
導体を主とする硫黄化合物を抽出操作により分離除去す
るものである。従って、本発明を水添脱硫法と組み合わ
せることにより、すなわち本発明の抽出を行った後に水
添脱硫を行うか、または水添脱硫した後に本発明の抽出
を行うことにより、硫黄含有量0.01重量%以下とい
う極めて硫黄分の低い軽油を得ることが可能である。ま
た、本発明の脱硫方法により得られた軽油は悪臭の原因
だったチオフェン類が除去されていることにより悪臭を
発することがない。しかも、本発明の方法では軽油に着
色することがなく、水添脱硫により着色された軽油を脱
色する作用も示す。本発明の脱硝方法は、抽出という簡
便な操作のみで軽油中の窒素化合物を除去するものであ
り、軽油燃焼時の燃料由来のNOx 排出に対する抜本的
な対策となり得る。さらに、本発明の溶剤抽出による脱
硫・脱硝において、以下の順の選択性:窒素化合物>硫
黄化合物>芳香族化合物があることが見出されているの
で、より選択的な脱硫・脱硝が本発明方法により行われ
得る。
除去しにくいベンゾチオフェンやジベンゾチオフェン誘
導体を主とする硫黄化合物を抽出操作により分離除去す
るものである。従って、本発明を水添脱硫法と組み合わ
せることにより、すなわち本発明の抽出を行った後に水
添脱硫を行うか、または水添脱硫した後に本発明の抽出
を行うことにより、硫黄含有量0.01重量%以下とい
う極めて硫黄分の低い軽油を得ることが可能である。ま
た、本発明の脱硫方法により得られた軽油は悪臭の原因
だったチオフェン類が除去されていることにより悪臭を
発することがない。しかも、本発明の方法では軽油に着
色することがなく、水添脱硫により着色された軽油を脱
色する作用も示す。本発明の脱硝方法は、抽出という簡
便な操作のみで軽油中の窒素化合物を除去するものであ
り、軽油燃焼時の燃料由来のNOx 排出に対する抜本的
な対策となり得る。さらに、本発明の溶剤抽出による脱
硫・脱硝において、以下の順の選択性:窒素化合物>硫
黄化合物>芳香族化合物があることが見出されているの
で、より選択的な脱硫・脱硝が本発明方法により行われ
得る。
【0011】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいて説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。 A.抽出による脱硫 以下の実施例1〜10および比較例1〜5において使用
した脱硫すべき軽油は硫黄含量0.191重量%および
0.045重量%のものであり、それぞれ軽油Aおよび
軽油Bと記載する。いずれも水添脱硫を施したもので、
軽油全体の芳香族成分は26〜27容量%である。 A−1:脱硫試験 実施例1 分液ロート中に抽出溶剤N−メチル−2−ピロリドン
(NMP)と軽油Aとを2.55:1の重量比で混合
し、十分震盪した後、静置し、2相に分離させ、油相を
回収し、次いで油相を水で3回洗浄する。処理軽油は脱
色され、チオフェン類特有の悪臭はなかった。次に、処
理軽油中の硫黄含量をJIS K2541に準拠した放
射線式励起法により測定する。
本発明はこれらに限定されるものではない。 A.抽出による脱硫 以下の実施例1〜10および比較例1〜5において使用
した脱硫すべき軽油は硫黄含量0.191重量%および
0.045重量%のものであり、それぞれ軽油Aおよび
軽油Bと記載する。いずれも水添脱硫を施したもので、
軽油全体の芳香族成分は26〜27容量%である。 A−1:脱硫試験 実施例1 分液ロート中に抽出溶剤N−メチル−2−ピロリドン
(NMP)と軽油Aとを2.55:1の重量比で混合
し、十分震盪した後、静置し、2相に分離させ、油相を
回収し、次いで油相を水で3回洗浄する。処理軽油は脱
色され、チオフェン類特有の悪臭はなかった。次に、処
理軽油中の硫黄含量をJIS K2541に準拠した放
射線式励起法により測定する。
【0012】実施例2 抽出溶剤1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(D
MI)と軽油Aとを3.06:1の重量比で混合する以
外は実施例1と同様の操作を行う。処理軽油は実施例1
と同様に、脱色され、悪臭はなかった。
MI)と軽油Aとを3.06:1の重量比で混合する以
外は実施例1と同様の操作を行う。処理軽油は実施例1
と同様に、脱色され、悪臭はなかった。
【0013】実施例3 抽出溶剤ジメチルフォルムアミド(DMF)と軽油Aと
を2.59:1の重量比で混合する以外は実施例1と同
様の操作を行う。処理軽油は実施例1と同様に、脱色さ
れ、悪臭はなかった。
を2.59:1の重量比で混合する以外は実施例1と同
様の操作を行う。処理軽油は実施例1と同様に、脱色さ
れ、悪臭はなかった。
【0014】比較例1〜3 慣用の抽出溶剤であるスルフォラン(SULF)、ジメ
チルスルフォキシド(DMSO)またはエチレングリコ
ール(EG)の各々と軽油Aとを表1に示した重量比で
混合し、十分震盪した後、静置し、2相に分離させ、油
相を回収し、次いで油相を水で3回洗浄する。処理軽油
は脱色効果が見られず、チオフェン類特有の悪臭が残っ
ていた。次に、処理軽油中の硫黄含量をJIS K25
41に準拠した放射線式励起法により測定する。
チルスルフォキシド(DMSO)またはエチレングリコ
ール(EG)の各々と軽油Aとを表1に示した重量比で
混合し、十分震盪した後、静置し、2相に分離させ、油
相を回収し、次いで油相を水で3回洗浄する。処理軽油
は脱色効果が見られず、チオフェン類特有の悪臭が残っ
ていた。次に、処理軽油中の硫黄含量をJIS K25
41に準拠した放射線式励起法により測定する。
【0015】実施例1〜3および比較例1〜3の硫黄含
量測定結果を表1にまとめて示す。なお、表中、溶剤比
とは被処理軽油の重量1に対する溶剤の重量比であり、
脱硫率とは処理前の軽油中の硫黄分を100%とした場
合の抽出により溶剤に移行した硫黄分の重量を基準とし
た百分率(%)である。
量測定結果を表1にまとめて示す。なお、表中、溶剤比
とは被処理軽油の重量1に対する溶剤の重量比であり、
脱硫率とは処理前の軽油中の硫黄分を100%とした場
合の抽出により溶剤に移行した硫黄分の重量を基準とし
た百分率(%)である。
【表1】 表1に示された結果からわかるように、本発明の窒素含
有有機溶剤を用いた抽出脱硫は、慣用の抽出溶剤による
ものに比べ、非常に高い脱硫率を示す。
有有機溶剤を用いた抽出脱硫は、慣用の抽出溶剤による
ものに比べ、非常に高い脱硫率を示す。
【0016】実施例4 分液ロート中に抽出溶剤NMPと軽油Bとを2.51:
1の重量比で混合し、十分震盪した後、静置し、2相に
分離させ、油相を回収し、次いで油相を水で3回洗浄す
る。処理軽油は脱色され、チオフェン類特有の悪臭はな
かった。次に、処理軽油中の硫黄含量をJIS K25
41に準拠した放射線式励起法により測定する。
1の重量比で混合し、十分震盪した後、静置し、2相に
分離させ、油相を回収し、次いで油相を水で3回洗浄す
る。処理軽油は脱色され、チオフェン類特有の悪臭はな
かった。次に、処理軽油中の硫黄含量をJIS K25
41に準拠した放射線式励起法により測定する。
【0017】実施例5 抽出溶剤DMIと軽油Bとを3.07:1の重量比で混
合する以外は実施例4と同様の操作を行う。処理軽油は
実施例4と同様に、脱色され、悪臭はなかった。
合する以外は実施例4と同様の操作を行う。処理軽油は
実施例4と同様に、脱色され、悪臭はなかった。
【0018】実施例6 抽出溶剤DMFと軽油Bとを2.51:1の重量比で混
合する以外は実施例4と同様の操作を行う。処理軽油は
実施例4と同様に、脱色され、悪臭はなかった。
合する以外は実施例4と同様の操作を行う。処理軽油は
実施例4と同様に、脱色され、悪臭はなかった。
【0019】実施例4〜6の硫黄含量測定結果を表2に
まとめて示す。なお、表中、溶剤比、脱硫率および回収
率は表1と同じ意味を表し、回収率とは処理前の軽油の
重量を100%とした場合の脱硫後に得られた軽油の百
分率(%)である。
まとめて示す。なお、表中、溶剤比、脱硫率および回収
率は表1と同じ意味を表し、回収率とは処理前の軽油の
重量を100%とした場合の脱硫後に得られた軽油の百
分率(%)である。
【表2】 表2に示された結果から、硫黄含量が低い軽油に対して
も、本発明の抽出溶剤は非常に高い脱硫率を示すことが
明らかである。
も、本発明の抽出溶剤は非常に高い脱硫率を示すことが
明らかである。
【0020】実施例7 メタノール100g中にトリメチルピリジニウムハイド
ロブロマイド(TMPB)を20.06g含有する抽出
溶剤と軽油Aとを2.49:1の重量比で分液ロート中
に混合し、十分震盪した後、静置し、2相に分離させ、
油相を回収し、次いで油相を水で3回洗浄する。処理軽
油は悪臭がなかった。次に、処理軽油中の硫黄含量をJ
IS K2541に準拠した放射線式励起法により測定
する。
ロブロマイド(TMPB)を20.06g含有する抽出
溶剤と軽油Aとを2.49:1の重量比で分液ロート中
に混合し、十分震盪した後、静置し、2相に分離させ、
油相を回収し、次いで油相を水で3回洗浄する。処理軽
油は悪臭がなかった。次に、処理軽油中の硫黄含量をJ
IS K2541に準拠した放射線式励起法により測定
する。
【0021】比較例4 分液ロート中でメタノール(MeOH)と軽油Aとを
2.62:1の重量比で混合し、十分震盪した後、静置
し、2相に分離させ、油相を回収し、次いで油相を水で
3回洗浄する。処理軽油は脱色効果が見られず、チオフ
ェン類特有の悪臭が残っていた。次に、処理軽油中の硫
黄含量をJIS K2541に準拠した放射線式励起法
により測定する。
2.62:1の重量比で混合し、十分震盪した後、静置
し、2相に分離させ、油相を回収し、次いで油相を水で
3回洗浄する。処理軽油は脱色効果が見られず、チオフ
ェン類特有の悪臭が残っていた。次に、処理軽油中の硫
黄含量をJIS K2541に準拠した放射線式励起法
により測定する。
【0022】実施例7および比較例4の硫黄含量測定結
果を表3にまとめて示す。なお、表中、溶剤比および脱
硫率は表1と同じ意味を表す。
果を表3にまとめて示す。なお、表中、溶剤比および脱
硫率は表1と同じ意味を表す。
【表3】 表3に示された結果から、本発明の抽出溶剤のピリジニ
ウム塩は対照のメタノールに比べ高い脱硫率を示すこと
が明らかである。
ウム塩は対照のメタノールに比べ高い脱硫率を示すこと
が明らかである。
【0023】実施例8 メタノール100g中にTMPBを19.89g含有す
る抽出溶剤と軽油Bとを3.02:1の重量比で分液ロ
ート中に混合し、十分震盪した後、静置し、2相に分離
させ、油相を回収し、次いで油相を水で3回洗浄する。
処理軽油は悪臭がなかった。次に、処理軽油中の硫黄含
量をJIS K2541に準拠した放射線式励起法によ
り測定する。
る抽出溶剤と軽油Bとを3.02:1の重量比で分液ロ
ート中に混合し、十分震盪した後、静置し、2相に分離
させ、油相を回収し、次いで油相を水で3回洗浄する。
処理軽油は悪臭がなかった。次に、処理軽油中の硫黄含
量をJIS K2541に準拠した放射線式励起法によ
り測定する。
【0024】実施例9 メタノール100g中に1,2,4,6−テトラメチル
ピリジニウムヨーダイド(TMPI)を71.66g含
有する抽出溶剤と軽油Bとを3.00:1の重量比で分
液ロート中に混合する以外は実施例8と同様の操作を行
う。処理軽油は実施例8と同様に、悪臭がなかった。
ピリジニウムヨーダイド(TMPI)を71.66g含
有する抽出溶剤と軽油Bとを3.00:1の重量比で分
液ロート中に混合する以外は実施例8と同様の操作を行
う。処理軽油は実施例8と同様に、悪臭がなかった。
【0025】実施例10 メタノール100g中にN−エチルピリジニウムブロマ
イド(NEPB)を49.99g含有する抽出溶剤と軽
油Bとを2.58:1の重量比で分液ロート中に混合す
る以外は実施例8と同様の操作を行う。処理軽油は実施
例8と同様に、悪臭がなかった。
イド(NEPB)を49.99g含有する抽出溶剤と軽
油Bとを2.58:1の重量比で分液ロート中に混合す
る以外は実施例8と同様の操作を行う。処理軽油は実施
例8と同様に、悪臭がなかった。
【0026】比較例5 分液ロート中でMeOHと軽油Bとを2.44:1の重
量比で混合し、十分震盪した後、静置し、2相に分離さ
せ、油相を回収し、次いで油相を水で3回洗浄する。処
理軽油は脱色効果が見られず、チオフェン特有の悪臭が
残っていた。次に、処理軽油中の硫黄含量をJIS K
2541に準拠した放射線式励起法により測定する。
量比で混合し、十分震盪した後、静置し、2相に分離さ
せ、油相を回収し、次いで油相を水で3回洗浄する。処
理軽油は脱色効果が見られず、チオフェン特有の悪臭が
残っていた。次に、処理軽油中の硫黄含量をJIS K
2541に準拠した放射線式励起法により測定する。
【0027】実施例8〜10および比較例5の硫黄含量
測定結果を表4にまとめて示す。なお、表中、溶剤比、
脱硫率および回収率は表1および表2と同じ意味を表
す。
測定結果を表4にまとめて示す。なお、表中、溶剤比、
脱硫率および回収率は表1および表2と同じ意味を表
す。
【表4】 表4に示された結果から、本発明の抽出溶剤のピリジニ
ウム塩は対照のメタノールに比べ高い脱硫率を示すこと
が明らかであり、ピリジニウム塩による抽出は回収率が
非常に高いことがわかる。
ウム塩は対照のメタノールに比べ高い脱硫率を示すこと
が明らかであり、ピリジニウム塩による抽出は回収率が
非常に高いことがわかる。
【0028】A−2:逆抽出 実施例1〜10から得られた抽出後の溶剤相をヘキサン
で逆抽出したところ、軽油から溶剤相に移行した硫黄化
合物のほとんどがヘキサンに移行した。これにより、抽
出溶剤は再び脱硫溶剤として使用可能となる。
で逆抽出したところ、軽油から溶剤相に移行した硫黄化
合物のほとんどがヘキサンに移行した。これにより、抽
出溶剤は再び脱硫溶剤として使用可能となる。
【0029】A−3:ガスクロマトグラフィー分析 上記の抽出操作前の軽油、および抽出後の油相および溶
剤相の硫黄成分に関してガスクロマトグラフィー分析を
行った。検出には硫黄成分検出可能な炎色光度検出器を
用いた。結果のクロマトグラムは図1ないし9に示して
おり、図1は種々のベンゾチオフェン誘導体の保持時間
を確認するための標準試料による標準クロマトグラムで
あり、図2ないし9はそれぞれ以下のクロマトグラムで
ある:図2=未処理の軽油A,図3=実施例2で得られ
た油相,図4=実施例2で得られた溶剤相,図5=未処
理の軽油B,図6=実施例4で得られた油相,図7=実
施例5で得られた油相,図8=実施例6で得られた油
相,図9=実施例9で得られた油相。なお、図中の記号
は各ピークの帰属を示し、それぞれ以下の意味を表す:
C2 BT=ジメチルベンゾチオフェン,C3 BT=トリ
メチルベンゾチオフェン,DBT=ジベンゾチオフェ
ン,C1 DBT=メチルジベンゾチオフェン,4−Me
DBT=4−メチルジベンゾチオフェン,C2 DBT=
ジメチルジベンゾチオフェン,4,6−Me2 DBT=
4,6−ジメチルジベンゾチオフェン。図2〜図4か
ら、種々のチオフェン類を含む軽油A(図2)を本発明
の窒素含有有機溶剤で抽出することにより軽油中の硫黄
成分はほとんど消失し(図3)、逆に溶剤相(図4)に
その硫黄成分が移行していることが明らかである。図5
〜図8から、種々のチオフェン類を含む軽油B(図5)
を本発明の窒素含有有機溶剤で抽出することにより軽油
中の硫黄成分はほとんど消失している(図6,図7およ
び図8)ことが明らかである。図5および図9から、同
様に、種々のチオフェン類を含む軽油B(図5)を本発
明の別の窒素含有有機溶剤で抽出することにより軽油中
の硫黄成分はほとんど消失している(図9)ことが明ら
かである。なお、図5〜図9のクロマトグラムにはほぼ
一定間隔で小さいピークが現れているが、これはノルマ
ル炭化水素に相当する。これらのガスクロマトグラフィ
ー分析から、本発明の抽出操作により、軽油中の硫黄成
分であるベンゾチオフェン類は明らかに溶剤相に移行し
ていることがわかる。
剤相の硫黄成分に関してガスクロマトグラフィー分析を
行った。検出には硫黄成分検出可能な炎色光度検出器を
用いた。結果のクロマトグラムは図1ないし9に示して
おり、図1は種々のベンゾチオフェン誘導体の保持時間
を確認するための標準試料による標準クロマトグラムで
あり、図2ないし9はそれぞれ以下のクロマトグラムで
ある:図2=未処理の軽油A,図3=実施例2で得られ
た油相,図4=実施例2で得られた溶剤相,図5=未処
理の軽油B,図6=実施例4で得られた油相,図7=実
施例5で得られた油相,図8=実施例6で得られた油
相,図9=実施例9で得られた油相。なお、図中の記号
は各ピークの帰属を示し、それぞれ以下の意味を表す:
C2 BT=ジメチルベンゾチオフェン,C3 BT=トリ
メチルベンゾチオフェン,DBT=ジベンゾチオフェ
ン,C1 DBT=メチルジベンゾチオフェン,4−Me
DBT=4−メチルジベンゾチオフェン,C2 DBT=
ジメチルジベンゾチオフェン,4,6−Me2 DBT=
4,6−ジメチルジベンゾチオフェン。図2〜図4か
ら、種々のチオフェン類を含む軽油A(図2)を本発明
の窒素含有有機溶剤で抽出することにより軽油中の硫黄
成分はほとんど消失し(図3)、逆に溶剤相(図4)に
その硫黄成分が移行していることが明らかである。図5
〜図8から、種々のチオフェン類を含む軽油B(図5)
を本発明の窒素含有有機溶剤で抽出することにより軽油
中の硫黄成分はほとんど消失している(図6,図7およ
び図8)ことが明らかである。図5および図9から、同
様に、種々のチオフェン類を含む軽油B(図5)を本発
明の別の窒素含有有機溶剤で抽出することにより軽油中
の硫黄成分はほとんど消失している(図9)ことが明ら
かである。なお、図5〜図9のクロマトグラムにはほぼ
一定間隔で小さいピークが現れているが、これはノルマ
ル炭化水素に相当する。これらのガスクロマトグラフィ
ー分析から、本発明の抽出操作により、軽油中の硫黄成
分であるベンゾチオフェン類は明らかに溶剤相に移行し
ていることがわかる。
【0030】B.抽出による脱硫・脱硝 次に上記軽油AおよびBとは異なる軽油を溶剤により脱
硫・脱硝する試験を行った。 B−1:溶剤比による脱硫率・脱硝率の変化 軽油として中間製品である、硫黄含量0.198重量
%、窒素含量202ppmのものを用いた(IGOと呼
ばれる)。この軽油と抽出溶剤N−メチル−2−ピロリ
ドン(NMP)とを1:0.5〜4.0の種々の重量比
で分液ロート中で混合し、十分震盪した後、静置し、2
相(ラフィネート相と抽出相)に分離させ、これらの両
相から油分を回収し、それぞれの油分について、硫黄含
量および窒素含量を測定し、そしてFIA分析を行っ
た。なお、硫黄含量および窒素含量はそれぞれJIS
K2541に準拠した放射線式励起法およびJIS K
2609に準拠した化学発光法による窒素分試験法によ
り測定し、FIA分析はJISK2536に準拠して行
った。また、ラフィネート相からのラフィネートオイル
については色度の測定(JIS K2580に準拠した
セイボルト色試験法による)および芳香族分の分析(シ
リカゲルカラムを備えた液体クロマトグラフィーによ
る)も行った。結果を表5にまとめて示す。
硫・脱硝する試験を行った。 B−1:溶剤比による脱硫率・脱硝率の変化 軽油として中間製品である、硫黄含量0.198重量
%、窒素含量202ppmのものを用いた(IGOと呼
ばれる)。この軽油と抽出溶剤N−メチル−2−ピロリ
ドン(NMP)とを1:0.5〜4.0の種々の重量比
で分液ロート中で混合し、十分震盪した後、静置し、2
相(ラフィネート相と抽出相)に分離させ、これらの両
相から油分を回収し、それぞれの油分について、硫黄含
量および窒素含量を測定し、そしてFIA分析を行っ
た。なお、硫黄含量および窒素含量はそれぞれJIS
K2541に準拠した放射線式励起法およびJIS K
2609に準拠した化学発光法による窒素分試験法によ
り測定し、FIA分析はJISK2536に準拠して行
った。また、ラフィネート相からのラフィネートオイル
については色度の測定(JIS K2580に準拠した
セイボルト色試験法による)および芳香族分の分析(シ
リカゲルカラムを備えた液体クロマトグラフィーによ
る)も行った。結果を表5にまとめて示す。
【表5】 (表の脚注:以下の表においても同様である) 溶剤比:被処理軽油の重量1に対する溶剤の重量 RAFF:ラフィネートオイル EXT :エキストラクトオイル FIA :FIA 分析の結果を表すもので、 SATは飽和炭化水
素含量を、そしてAROMは芳香族炭化水素含量を意味す
る。 選択率:それぞれ以下の式に従って計算される S vs AROM=〔(EXT 相中の硫黄含量)÷(RAFF相中の
硫黄含量)〕÷〔(EXT相中のAROM)÷(RAFF相中のARO
M)〕 N vs AROM=〔(EXT 相中の窒素含量)÷(RAFF相中の
窒素含量)〕÷〔(EXT相中のAROM)÷(RAFF相中のARO
M)〕 S vs OIL =〔(EXT 相中の硫黄含量)÷(RAFF相中の
硫黄含量)〕÷〔(EXT相中のエキストラクトオイル含
量)÷(RAFF相中のラフィネートオイル含量)〕 N vs OIL =〔(EXT 相中の窒素含量)÷(RAFF相中の
窒素含量)〕÷〔(EXT相中のエキストラクトオイル含
量)÷(RAFF相中のラフィネートオイル含量)〕 この結果から、溶剤比が高まるにつれ、ラフィネートの
収率は低下するものの、脱硫率および脱硝率はともに高
まり、特に溶剤比2.5以上では脱硫率が80%を越
え、そして脱硝率が90%を越えることがわかる。ま
た、本発明の溶剤の顕著な脱色効果が認められた。さら
に、本発明の溶剤は多環芳香族成分を単環芳香族成分に
比べより抽出しやすいことも明らかとなった。なお、多
環芳香族成分はディーゼルエンジンから排出されるパー
ティキュレートの主要因子であるので、本発明の溶剤は
軽油燃焼時のパーティキュレート排出を低下させ得るも
のである。また、この試験に用いられた軽油および抽出
処理により得られた各ラフィネートオイルの性状を表6
にまとめて示す。
素含量を、そしてAROMは芳香族炭化水素含量を意味す
る。 選択率:それぞれ以下の式に従って計算される S vs AROM=〔(EXT 相中の硫黄含量)÷(RAFF相中の
硫黄含量)〕÷〔(EXT相中のAROM)÷(RAFF相中のARO
M)〕 N vs AROM=〔(EXT 相中の窒素含量)÷(RAFF相中の
窒素含量)〕÷〔(EXT相中のAROM)÷(RAFF相中のARO
M)〕 S vs OIL =〔(EXT 相中の硫黄含量)÷(RAFF相中の
硫黄含量)〕÷〔(EXT相中のエキストラクトオイル含
量)÷(RAFF相中のラフィネートオイル含量)〕 N vs OIL =〔(EXT 相中の窒素含量)÷(RAFF相中の
窒素含量)〕÷〔(EXT相中のエキストラクトオイル含
量)÷(RAFF相中のラフィネートオイル含量)〕 この結果から、溶剤比が高まるにつれ、ラフィネートの
収率は低下するものの、脱硫率および脱硝率はともに高
まり、特に溶剤比2.5以上では脱硫率が80%を越
え、そして脱硝率が90%を越えることがわかる。ま
た、本発明の溶剤の顕著な脱色効果が認められた。さら
に、本発明の溶剤は多環芳香族成分を単環芳香族成分に
比べより抽出しやすいことも明らかとなった。なお、多
環芳香族成分はディーゼルエンジンから排出されるパー
ティキュレートの主要因子であるので、本発明の溶剤は
軽油燃焼時のパーティキュレート排出を低下させ得るも
のである。また、この試験に用いられた軽油および抽出
処理により得られた各ラフィネートオイルの性状を表6
にまとめて示す。
【表6】 (表の脚注)セタン指数の欄中、JISとあるのはJI
S K2536に準拠して得られた値であり、そしてセ
タン指数および色相の欄中、ASTMとあるのはAST
Mの基準に従って測定された値である。
S K2536に準拠して得られた値であり、そしてセ
タン指数および色相の欄中、ASTMとあるのはAST
Mの基準に従って測定された値である。
【0031】B−2:種々の溶剤による脱硫・脱硝 前項B−1で用いた軽油と本発明の種々の溶剤〔1,3
−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、ジメチ
ルアセトアミド(DMA)、ジメチルフォルムアミド
(DMF)、エチルサクシニルイミド(ESI)または
1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2
−ピリミジノン(DTP)〕とを1:1の重量比で分液
ロート中で混合し、十分震盪した後、静置し、2相(ラ
フィネート相と抽出相)に分離させ、これらの両相から
油分を回収し、それぞれの油分について、硫黄含量およ
び窒素含量の測定ならびにFIA分析を前項と同様に行
った。また、ラフィネートオイルのセイボルト色度も同
様に測定した。結果を表7にまとめて示す(なお、表7
には前項で行ったNMPを用いた同様の溶剤比での試験
結果を併記した)。また、対照溶剤〔ジエチレングリコ
ール(DEG)、フルフラール(FURF)、スルフォ
ラン(SULF)またはジメチルスルフォキシド(DM
SO)〕を用いて同様に行った試験結果を表8にまとめ
て示す。
−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、ジメチ
ルアセトアミド(DMA)、ジメチルフォルムアミド
(DMF)、エチルサクシニルイミド(ESI)または
1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2
−ピリミジノン(DTP)〕とを1:1の重量比で分液
ロート中で混合し、十分震盪した後、静置し、2相(ラ
フィネート相と抽出相)に分離させ、これらの両相から
油分を回収し、それぞれの油分について、硫黄含量およ
び窒素含量の測定ならびにFIA分析を前項と同様に行
った。また、ラフィネートオイルのセイボルト色度も同
様に測定した。結果を表7にまとめて示す(なお、表7
には前項で行ったNMPを用いた同様の溶剤比での試験
結果を併記した)。また、対照溶剤〔ジエチレングリコ
ール(DEG)、フルフラール(FURF)、スルフォ
ラン(SULF)またはジメチルスルフォキシド(DM
SO)〕を用いて同様に行った試験結果を表8にまとめ
て示す。
【表7】
【表8】 上記の結果から、本発明の溶剤はラフィネート収率、脱
硫率および脱硝率がバランスよく、そして総じて比較的
高い値を示しているが、対照のものはラフィネート収率
は高いものの、脱硫率および脱硝率が低く、特に脱硫率
が低い。
硫率および脱硝率がバランスよく、そして総じて比較的
高い値を示しているが、対照のものはラフィネート収率
は高いものの、脱硫率および脱硝率が低く、特に脱硫率
が低い。
【0032】B−3:水添加溶剤による脱硫・脱硝 NMPと水との1:2.0〜20.2(重量比)の混合
物を溶剤として用い、この水添加溶剤とB−1で用いた
軽油とを、NMP:軽油が1:1の重量比となるように
分液ロート中で混合し、十分震盪した後、静置し、2相
(ラフィネート相と抽出相)に分離させ、これらの両相
から油分を回収し、それぞれの油分について、硫黄含量
および窒素含量の測定ならびにFIA分析をB−1と同
様に行った。また、ラフィネートオイルのセイボルト色
度も同様に測定した。結果は水を添加しない場合と対比
して表9にまとめて示す。
物を溶剤として用い、この水添加溶剤とB−1で用いた
軽油とを、NMP:軽油が1:1の重量比となるように
分液ロート中で混合し、十分震盪した後、静置し、2相
(ラフィネート相と抽出相)に分離させ、これらの両相
から油分を回収し、それぞれの油分について、硫黄含量
および窒素含量の測定ならびにFIA分析をB−1と同
様に行った。また、ラフィネートオイルのセイボルト色
度も同様に測定した。結果は水を添加しない場合と対比
して表9にまとめて示す。
【表9】 このように、溶剤に水を添加することにより、脱硫率お
よび脱硝率は低下するものの、ラフィネートの収率が水
の添加量の増加につれ高まることがわかる。
よび脱硝率は低下するものの、ラフィネートの収率が水
の添加量の増加につれ高まることがわかる。
【0033】B−4:IGO留分に対する溶剤抽出 これまで用いてきた軽油を3留分〔初留点〜290℃
(留分A),290℃〜310℃(留分B),310℃
〜終留点(留分C)〕に分留し、各留分と溶剤NMPと
を1:1の重量比で分液ロート中で混合し、十分震盪し
た後、静置し、2相(ラフィネート相と抽出相)に分離
させ、これらの両相から油分を回収し、それぞれの油分
について、硫黄含量および窒素含量の測定ならびにFI
A分析をB−1と同様に行った。また、ラフィネートオ
イルのセイボルト色度も同様に測定した。結果を表10
にまとめて示す。
(留分A),290℃〜310℃(留分B),310℃
〜終留点(留分C)〕に分留し、各留分と溶剤NMPと
を1:1の重量比で分液ロート中で混合し、十分震盪し
た後、静置し、2相(ラフィネート相と抽出相)に分離
させ、これらの両相から油分を回収し、それぞれの油分
について、硫黄含量および窒素含量の測定ならびにFI
A分析をB−1と同様に行った。また、ラフィネートオ
イルのセイボルト色度も同様に測定した。結果を表10
にまとめて示す。
【表10】 ラフィネート収率、脱硫率および脱硝率ともに、沸点が
高い留分ほど高い。また、硫黄分および窒素分の多くが
沸点の高い留分に集中していることから、まず軽油を分
留し、その高沸点留分に対して溶剤抽出すると、効率よ
く脱硫・脱硝を行い得ることがわかる。
高い留分ほど高い。また、硫黄分および窒素分の多くが
沸点の高い留分に集中していることから、まず軽油を分
留し、その高沸点留分に対して溶剤抽出すると、効率よ
く脱硫・脱硝を行い得ることがわかる。
【0034】B−5:低硫黄含量軽油に対する溶剤抽出 低硫黄含量軽油(硫黄含量0.064重量%,窒素含量
186ppm)と溶剤NMPとを1:1または1:2.
5の重量比で分液ロート中で混合し、十分震盪した後、
静置し、2相(ラフィネート相と抽出相)に分離させ、
これらの両相から油分を回収し、それぞれの油分につい
て、硫黄含量および窒素含量の測定ならびにFIA分析
をB−1と同様に行った。また、ラフィネートオイルの
セイボルト色度も同様に測定した。結果を表11にまと
めて示す。
186ppm)と溶剤NMPとを1:1または1:2.
5の重量比で分液ロート中で混合し、十分震盪した後、
静置し、2相(ラフィネート相と抽出相)に分離させ、
これらの両相から油分を回収し、それぞれの油分につい
て、硫黄含量および窒素含量の測定ならびにFIA分析
をB−1と同様に行った。また、ラフィネートオイルの
セイボルト色度も同様に測定した。結果を表11にまと
めて示す。
【表11】 B−1での高硫黄含量軽油の場合と同様に、溶剤比が高
い程、脱硫率および脱硝率が高かった。また、本発明の
溶剤の顕著な脱色効果を認められた。
い程、脱硫率および脱硝率が高かった。また、本発明の
溶剤の顕著な脱色効果を認められた。
【0035】B−6:多段抽出 B−1で用いた軽油(硫黄含量0.198重量%,軽油
Cと呼ぶ)またはB−5で用いた軽油(硫黄含量0.0
64重量%,軽油Dと呼ぶ)の溶剤NMPでの多段抽出
を行った。段数は3段で、最終的な溶剤比は1.0とし
て行った。結果を表12に示す。
Cと呼ぶ)またはB−5で用いた軽油(硫黄含量0.0
64重量%,軽油Dと呼ぶ)の溶剤NMPでの多段抽出
を行った。段数は3段で、最終的な溶剤比は1.0とし
て行った。結果を表12に示す。
【表12】 この結果から、多段抽出の場合、溶剤比が低くても、よ
り高い脱硫・脱硝効果が得られることがわかる。例え
ば、本実施例のように軽油:溶剤=1:1でも3段抽出
を行うと、高硫黄軽油(軽油C)の場合、軽油:溶剤=
1:4の単段抽出と同様の効果が得られ、低硫黄軽油
(軽油D)の場合、軽油:溶剤=1:2.5の単段抽出
と同様の抽出効果が得られる。また、階数が増す毎に脱
色効果が高まることが認めれた。本実施例においても、
B−1と同様に、本発明の溶剤は多環芳香族成分をより
抽出しやすいことが確認された。
り高い脱硫・脱硝効果が得られることがわかる。例え
ば、本実施例のように軽油:溶剤=1:1でも3段抽出
を行うと、高硫黄軽油(軽油C)の場合、軽油:溶剤=
1:4の単段抽出と同様の効果が得られ、低硫黄軽油
(軽油D)の場合、軽油:溶剤=1:2.5の単段抽出
と同様の抽出効果が得られる。また、階数が増す毎に脱
色効果が高まることが認めれた。本実施例においても、
B−1と同様に、本発明の溶剤は多環芳香族成分をより
抽出しやすいことが確認された。
【0036】B−7:抽出相の溶剤と抽出油との分離 項A−2では抽出相(溶剤相)からヘキサンを用いて抽
出油を直接逆抽出する試験を行ったが、本項では抽出相
に水を添加して、溶剤を水溶液とし、溶剤と抽出油を分
離し、その後、該水溶液から溶剤を再生する試験を行っ
た。まず、前項までのように軽油を溶剤NMPで抽出
し、抽出相を得る(抽出相の抽出油分は12.6重量
%、溶剤分は87.4重量%)。この抽出相に水を2
0、50または100重量%の量で添加し、震盪・静置
し、水相と油相に相分離させ、各相の成分分配を調べ
た。結果を表13に示す。
出油を直接逆抽出する試験を行ったが、本項では抽出相
に水を添加して、溶剤を水溶液とし、溶剤と抽出油を分
離し、その後、該水溶液から溶剤を再生する試験を行っ
た。まず、前項までのように軽油を溶剤NMPで抽出
し、抽出相を得る(抽出相の抽出油分は12.6重量
%、溶剤分は87.4重量%)。この抽出相に水を2
0、50または100重量%の量で添加し、震盪・静置
し、水相と油相に相分離させ、各相の成分分配を調べ
た。結果を表13に示す。
【表13】 抽出相は溶剤と抽出油とからなるが、この相に水を添加
すると、溶剤がNMPである場合、溶剤のほとんどが水
溶液となる。この水溶液中に抽出油が一部残存するが、
ほとんどは相分離して抽出油相を形成する。NMPと水
とは共沸混合物ではないので、沸点差を利用して蒸留に
よりNMPを回収でき、再度溶剤として利用できる。ま
た、油相へのNMPの混入はほとんどなく、混入の程度
は水添加量が多い程低かった。なお、上記のように水を
添加しNMPを抽出し蒸留により水を除去する方法は抽
出相をそのまま蒸留する方法に比べコスト的に有利であ
る。
すると、溶剤がNMPである場合、溶剤のほとんどが水
溶液となる。この水溶液中に抽出油が一部残存するが、
ほとんどは相分離して抽出油相を形成する。NMPと水
とは共沸混合物ではないので、沸点差を利用して蒸留に
よりNMPを回収でき、再度溶剤として利用できる。ま
た、油相へのNMPの混入はほとんどなく、混入の程度
は水添加量が多い程低かった。なお、上記のように水を
添加しNMPを抽出し蒸留により水を除去する方法は抽
出相をそのまま蒸留する方法に比べコスト的に有利であ
る。
【0037】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の軽
油の脱硫方法は、水添脱硫法で残存するベンゾチオフェ
ンおよびジベンゾチオフェン誘導体等を主とする硫黄成
分を溶剤抽出という極めて簡便な操作により除去するこ
とを可能としたものである。従って、本発明の方法と水
添脱硫法とを組み合わせて行うことにより、0.01重
量%以下というこれまでに比べ極めて低い硫黄含有量の
軽油を得ることが可能であり、近い将来の規制硫黄含有
量である0.05重量%以下に十分に対処できる。 ま
た、本発明の脱硫方法では、軽油の悪臭源だったチオフ
ェン類が除去されるため、においの面でも改善された軽
油が提供できる。さらに、これまで水添脱硫された軽油
は着色が問題となっていたが、本発明の方法によれば脱
色された軽油を得ることができ、特にピロリドン、イミ
ダゾリジノンおよび酸アミドを抽出溶剤とすれば大きな
脱色効果が得られる。なお、本発明は上記脱硫溶剤で、
脱硝および脱芳香族が行われ得ることを明らかにしたも
のである。従って、本発明によれば、同一溶剤による単
一の抽出操作により脱硫、脱硝および脱芳香族が可能で
あり、作業性を非常に向上させることができる。また、
本発明の方法では抽出後の溶剤相からの硫黄化合物の逆
抽出が容易であるので、抽出溶剤は再利用が可能であ
る。さらに、抽出後の溶剤に水を添加することにより、
より低コストで溶剤の再生が可能である。軽油中の芳香
族成分は排気ガスのパーティキュレートを増加させる主
要因の一つであるが、本発明の抽出による脱硫・脱硝は
軽油中の芳香族含量、特に多環芳香族含量を減少させる
ので、本発明の方法によれば、パーティキュレートを低
減しうる軽油が得られ、また結果としてセタン価の高い
品質の優れた軽油が得られる。さらに、本発明の方法に
多段抽出を適用することにより、溶剤比を低くすること
ができ、また脱硫率、脱硝率およびラフィネートオイル
収率を上げることができ、コストおよび作業効率の面で
さらに改善を図ることができる。
油の脱硫方法は、水添脱硫法で残存するベンゾチオフェ
ンおよびジベンゾチオフェン誘導体等を主とする硫黄成
分を溶剤抽出という極めて簡便な操作により除去するこ
とを可能としたものである。従って、本発明の方法と水
添脱硫法とを組み合わせて行うことにより、0.01重
量%以下というこれまでに比べ極めて低い硫黄含有量の
軽油を得ることが可能であり、近い将来の規制硫黄含有
量である0.05重量%以下に十分に対処できる。 ま
た、本発明の脱硫方法では、軽油の悪臭源だったチオフ
ェン類が除去されるため、においの面でも改善された軽
油が提供できる。さらに、これまで水添脱硫された軽油
は着色が問題となっていたが、本発明の方法によれば脱
色された軽油を得ることができ、特にピロリドン、イミ
ダゾリジノンおよび酸アミドを抽出溶剤とすれば大きな
脱色効果が得られる。なお、本発明は上記脱硫溶剤で、
脱硝および脱芳香族が行われ得ることを明らかにしたも
のである。従って、本発明によれば、同一溶剤による単
一の抽出操作により脱硫、脱硝および脱芳香族が可能で
あり、作業性を非常に向上させることができる。また、
本発明の方法では抽出後の溶剤相からの硫黄化合物の逆
抽出が容易であるので、抽出溶剤は再利用が可能であ
る。さらに、抽出後の溶剤に水を添加することにより、
より低コストで溶剤の再生が可能である。軽油中の芳香
族成分は排気ガスのパーティキュレートを増加させる主
要因の一つであるが、本発明の抽出による脱硫・脱硝は
軽油中の芳香族含量、特に多環芳香族含量を減少させる
ので、本発明の方法によれば、パーティキュレートを低
減しうる軽油が得られ、また結果としてセタン価の高い
品質の優れた軽油が得られる。さらに、本発明の方法に
多段抽出を適用することにより、溶剤比を低くすること
ができ、また脱硫率、脱硝率およびラフィネートオイル
収率を上げることができ、コストおよび作業効率の面で
さらに改善を図ることができる。
【図1】種々のベンゾチオフェン誘導体の標準試料によ
る標準クロマトグラムを示す図面。
る標準クロマトグラムを示す図面。
【図2】未処理の軽油Aのクロマトグラムを示す図面。
【図3】実施例2で得られた油相のクロマトグラムを示
す図面。
す図面。
【図4】実施例2で得られた溶剤相のクロマトグラムを
示す図面。
示す図面。
【図5】未処理の軽油Bのクロマトグラムを示す図面。
【図6】実施例4で得られた油相のクロマトグラムを示
す図面。
す図面。
【図7】実施例5で得られた油相のクロマトグラムを示
す図面。
す図面。
【図8】実施例6で得られた油相のクロマトグラムを示
す図面。
す図面。
【図9】実施例9で得られた油相のクロマトグラムを示
す図面。
す図面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 利淳 神奈川県川崎市川崎区浮島町6番1号 ゼ ネラル石油株式会社中央研究所内 (72)発明者 高取 武夫 神奈川県川崎市川崎区浮島町6番1号 ゼ ネラル石油株式会社中央研究所内 (72)発明者 佐藤 英明 神奈川県川崎市川崎区浮島町6番1号 ゼ ネラル石油株式会社中央研究所内 (72)発明者 大黒 強 神奈川県川崎市川崎区浮島町6番1号 ゼ ネラル石油株式会社中央研究所内 (72)発明者 菅原 徹 神奈川県川崎市川崎区浮島町6番1号 株 式会社ゼネテック内
Claims (8)
- 【請求項1】 軽油を窒素含有有機溶剤で抽出すること
からなる軽油の脱硫方法。 - 【請求項2】 窒素含有有機溶剤が窒素含有複素環式化
合物または酸アミド化合物からなる請求項1記載の脱硫
方法。 - 【請求項3】 軽油を窒素含有有機溶剤で抽出すること
からなる軽油の脱硝方法。 - 【請求項4】 窒素含有有機溶剤での抽出により脱硫さ
れた軽油。 - 【請求項5】 窒素含有有機溶剤での抽出により脱硝さ
れた軽油。 - 【請求項6】 窒素含有有機化合物からなる抽出により
軽油を脱硫するための溶剤。 - 【請求項7】 窒素含有有機化合物からなる抽出により
軽油を脱硝するための溶剤。 - 【請求項8】 軽油を窒素含有有機溶剤で抽出すること
からなる軽油の脱色方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4298076A JPH05202367A (ja) | 1991-10-15 | 1992-10-09 | 抽出による軽油の脱硫および脱硝方法 |
EP92117633A EP0538738B1 (en) | 1991-10-15 | 1992-10-15 | Desulfurization and Decolourizing of light oil by extraction |
EP95100698A EP0653477B1 (en) | 1991-10-15 | 1992-10-15 | Use of an organic solvent for denitrogenationation of light oil by extraction |
DE69218263T DE69218263T2 (de) | 1991-10-15 | 1992-10-15 | Verwendung eines organischen Lösungsmittels zur Denitrierung eines leichten Öls durch Extraktion |
DE69212107T DE69212107T2 (de) | 1991-10-15 | 1992-10-15 | Entschwefelung und Entfärbung eines leichten Öls durch Extraktion |
US08/458,554 US5494572A (en) | 1991-01-15 | 1995-06-02 | Desulfurization and denitration of light oil by extraction |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-295105 | 1991-10-15 | ||
JP29510591 | 1991-10-15 | ||
JP4298076A JPH05202367A (ja) | 1991-10-15 | 1992-10-09 | 抽出による軽油の脱硫および脱硝方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05202367A true JPH05202367A (ja) | 1993-08-10 |
Family
ID=26560122
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4298076A Pending JPH05202367A (ja) | 1991-01-15 | 1992-10-09 | 抽出による軽油の脱硫および脱硝方法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5494572A (ja) |
EP (2) | EP0538738B1 (ja) |
JP (1) | JPH05202367A (ja) |
DE (2) | DE69212107T2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006523255A (ja) * | 2003-03-21 | 2006-10-12 | ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド | 硫化カルボニルを含む酸性ガスからそれを除去する改良された組成物及び方法 |
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EP0769484B1 (en) * | 1995-10-20 | 2001-06-13 | Mitsubishi Chemical Corporation | Method for separating cyclohexene |
DE19623291A1 (de) * | 1996-06-11 | 1997-12-18 | Basf Ag | Verfahren zur Herstellung von schwefelarmen aliphatischen Verbindungen |
US6802959B1 (en) | 2000-06-23 | 2004-10-12 | Conocophillips Company | Separation of olefinic hydrocarbons from sulfur-containing hydrocarbons by use of a solvent |
US6444117B1 (en) | 2000-08-16 | 2002-09-03 | Texaco, Inc. | Sweetening of sour crudes |
DE10155281A1 (de) * | 2001-11-08 | 2003-06-05 | Solvent Innovation Gmbh | Verfahren zur Entfernung polarisierbarer Verunreinigungen aus Kohlenwasserstoffen und Kohlenwasserstoffgemischen durch Extraktion mit ionischen Flüssigkeiten |
WO2003040264A1 (en) * | 2001-11-06 | 2003-05-15 | Extractica, Llc | Method for extraction of organosulfur compounds from hydrocarbons using ionic liquids |
JP2004210945A (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-29 | Toshiba Corp | 芳香族ハロゲン化合物の分離方法 |
US8343336B2 (en) * | 2007-10-30 | 2013-01-01 | Saudi Arabian Oil Company | Desulfurization of whole crude oil by solvent extraction and hydrotreating |
BRPI0820313A2 (pt) * | 2007-11-14 | 2015-05-26 | Basf Se | Processos para detectar marcadores nos líquidos não-polares contaminados, e para marcar os líquidos não-polares contaminados |
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US8608952B2 (en) * | 2009-12-30 | 2013-12-17 | Uop Llc | Process for de-acidifying hydrocarbons |
US8608950B2 (en) * | 2009-12-30 | 2013-12-17 | Uop Llc | Process for removing metals from resid |
US8580107B2 (en) * | 2009-12-30 | 2013-11-12 | Uop Llc | Process for removing sulfur from vacuum gas oil |
US8608951B2 (en) * | 2009-12-30 | 2013-12-17 | Uop Llc | Process for removing metals from crude oil |
US8608943B2 (en) * | 2009-12-30 | 2013-12-17 | Uop Llc | Process for removing nitrogen from vacuum gas oil |
MX2012010027A (es) | 2010-03-01 | 2012-12-17 | Lucie B Wheeler | Proceso de extraccion de disolventes para estabilizar, desulfurizar y secar diesels de amplio rango, diesels de amplio rango estabilizados obtenidos y sus usos. |
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US8574427B2 (en) * | 2011-12-15 | 2013-11-05 | Uop Llc | Process for removing refractory nitrogen compounds from vacuum gas oil |
CN103173244B (zh) * | 2012-09-06 | 2014-12-10 | 上海博荟化工有限公司 | 一种环保型c9燃料油的制备方法 |
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US20180230389A1 (en) * | 2017-02-12 | 2018-08-16 | Magēmā Technology, LLC | Multi-Stage Process and Device for Reducing Environmental Contaminates in Heavy Marine Fuel Oil |
CA2973210A1 (en) | 2017-07-13 | 2019-01-13 | Louis Bertrand | Process for producing liquid fuel from waste hydrocarbon and/or organic material, managing system thereof |
CN111097258A (zh) * | 2019-11-11 | 2020-05-05 | 苏州仕净环保科技股份有限公司 | 一种油性助剂的脱硝工艺 |
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- 1992-10-15 DE DE69212107T patent/DE69212107T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1992-10-15 EP EP95100698A patent/EP0653477B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1992-10-15 DE DE69218263T patent/DE69218263T2/de not_active Expired - Fee Related
-
1995
- 1995-06-02 US US08/458,554 patent/US5494572A/en not_active Expired - Fee Related
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EP0538738B1 (en) | 1996-07-10 |
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DE69218263D1 (de) | 1997-04-17 |
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