JPH05201920A - ホルミル安息香酸の製造方法 - Google Patents

ホルミル安息香酸の製造方法

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JPH05201920A
JPH05201920A JP1212592A JP1212592A JPH05201920A JP H05201920 A JPH05201920 A JP H05201920A JP 1212592 A JP1212592 A JP 1212592A JP 1212592 A JP1212592 A JP 1212592A JP H05201920 A JPH05201920 A JP H05201920A
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JP
Japan
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acid
formylbenzoic acid
hydrolysis
formylbenzoic
product
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JP1212592A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Sato
和広 佐藤
Hideo Hasegawa
英雄 長谷川
Eiji Mine
英司 峯
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 テレフタル酸ジメチルの製造過程で、副生さ
れる4―ホルミル安息香酸メチルエステルから低コスト
で高純度のホルミル安息香酸を効率よく製造すること。 【構成】 4―ホルミル安息香酸メチルエステルで代表
されるホルミル安息香酸アルキルエステルを加水分解し
てホルミル安息香酸を製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明方法は、医薬品、液晶及び
高分子材料等の原料として有用であるホルミル安息香酸
の製造方法に関するものである。
【0002】ホルミル安息香酸は、カルボキシル基とホ
ルミル基を有する芳香族化合物であり、その構造上種々
の化学品の中間原料として利用されている工業的に極め
て有用な化合物である。例えば、止血剤であるトラネキ
サム酸の原料、液晶原料のn―アルキル安息香酸の原
料、また耐熱性架橋高分子のレジン原料等として、最近
その用途が拡大している。
【0003】従って、ホルミル安息香酸を効率よく製造
できれば、その工業的価値は極めて大きい。
【0004】本発明方法は、この工業的に極めて有用な
ホルミル安息香酸を、ホルミル安息香酸アルキルエステ
ル(例えばテレフタル酸ジメチル製造プロセスで副生成
する容易に入手可能な4―ホルミル安息香酸メチルエス
テル等)を加水分解して、効率よく製造する方法に関す
るものである。
【0005】
【従来の技術】従来のホルミル安息香酸の製造方法は、 1.パラキシレンの酸化生成物からホルミル安息香酸を
回収する方法、 2.パラキシレンの側鎖メチル基を塩素化し、得られた
塩素化物を硝酸にて分解し、さらに水で再結晶し、4―
ホルミル安息香酸を単離する方法(チェコスロバキヤ共
和国特許191428)、 3.パラトルイル酸の側鎖メチル基を塩素化し、得られ
た塩素化物をスチーム蒸留し、4―ホルミル安息香酸を
得る方法(特開昭53―50133)、 等が用いられているが、製品純度面、環境保護面、コス
ト面に問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明方法は、前述の
課題を解決し、製品純度面、環境保護面、コスト面に問
題のないホルミル安息香酸を効率よく製造する方法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明方法は、ホルミル
安息香酸アルキルエステルを高選択性反応である加水分
解反応を用いて、ホルミル安息香酸を製造する方法であ
る。
【0008】本発明方法で用いるホルミル安息香酸アル
キルエステルは、特に限定されず、例えば、フタル酸の
ハーフエステルであるフタル酸モノアルキルエステルの
酸クロライドを水素添加して得られるホルミル安息香酸
アルキルエステルがあげられる。
【0009】もっとも、ホルミル安息香酸アルキルエス
テルとしては、テレフタル酸ジメチル製造プロセスで副
生成する4―ホルミル安息香酸メチルエステルが容易に
入手可能な最も好ましいものである。即ち、従来のテレ
フタル酸ジメチル製造プロセスでは、その構造異性体で
あるフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチルのプロセ
ス内蓄積を防ぐため、これらの異性体を含む薬液を一部
プロセス系外にパージする必要があり、4―ホルミル安
息香酸メチルエステルも一部このパージ成分に同伴しプ
ロセス内で燃料として自己消費するか、産業廃棄物とし
て処分されている。従って、この4―ホルミル安息香酸
メチルエステルを有効に使用することは、資源活用、環
境保護面、コスト面で極めて有用である。
【0010】本発明方法で用いるホルミル安息香酸アル
キルエステルの純度は、特に限定されないが、製品ホル
ミル安息香酸の純度を考慮した場合は50%以上のもの
が好ましい。これは、原料ホルミル安息香酸アルキルエ
ステルの精製の方が、製品ホルミル安息香酸の精製に比
較して容易であるためである。原料ホルミル安息香酸ア
ルキルエステルの精製方法には、公知の方法、例えば亜
硫酸水素ナトリウムあるいは亜硫酸水素カリウムと付加
体を形成させ分離濃縮する方法、蒸留操作でホルミル安
息香酸アルキルエステルより低沸点及び高沸点成分を除
去し純度を向上する方法などがあげられる。また、これ
らの方法を組み合わせた方法を用いてもよい。
【0011】本発明方法のホルミル安息香酸アルキルエ
ステルからホルミル安息香酸を製造する加水分解方法と
して、特に限定されるものではないが、酸加水分解、ア
ルカリ加水分解及び無触媒加水分解の3つの方法があげ
られる。
【0012】酸加水分解方法の場合は、酸触媒として、
特に限定されるものではないが、例えば塩酸、臭化水素
酸等のハロゲン化水素酸及び/または硫酸等が用いられ
る。また溶媒を用いる場合は、例えば水及び/または酢
酸、蟻酸等の低級脂肪酸が用いられる。
【0013】アルカリ加水分解方法の場合は、アルカリ
触媒として、特に限定されるものではないが、例えば水
酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸
化物及び/または炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のア
ルカリ金属炭酸塩等が用いられる。また溶媒を用いる場
合は、例えば水及び/またはエタノール、メタノール等
の低級アルコール等が用いられる。さらに、この場合
は、得られるホルミル安息香酸の塩を、例えば塩酸、臭
化水素酸等のハロゲン化水素酸及び/または硫酸等の鉱
酸によって処理し、遊離ホルミル安息香酸として回収す
ることができる。
【0014】無触媒加水分解方法の場合は、特に限定さ
れるものではないが、溶媒として、例えば水及び/また
はエタノール、メタノール等の低級アルコール含有水が
用いられる。また無触媒といえども自己触媒反応を促進
するために、鉱酸以外の例えばホルミル安息香酸及び/
または酢酸、蟻酸等の低級脂肪酸等を反応系に添加して
もさしつかえない。
【0015】本発明方法のホルミル安息香酸アルキルエ
ステルからホルミル安息香酸を製造する加水分解反応に
おいては、これらの取り扱う化合物が酸化され易いこと
もあって、不活性ガスの雰囲気下で反応が進められるの
が好ましい。しかし、他の方法でホルミル安息香酸アル
キルエステル及びホルミル安息香酸の酸化による劣化を
防止できるのであれば、この方法に限定されるものでは
ない。
【0016】本発明方法のホルミル安息香酸アルキルエ
ステルからホルミル安息香酸を製造する加水分解反応の
反応形式は、回分式または連続式のいずれの形式でも用
いることができる。
【0017】本発明方法によって得られたホルミル安息
香酸は、その必要に応じて例えば溶媒による再結晶方法
等により、純度を上げることができる。この場合、溶媒
として、例えば水、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素、エタノール、メタノール等の低級アルコール、酢
酸、蟻酸等の低級脂肪酸及びこれらの混合物を用いるこ
とができる。
【0018】
【発明の効果】従来のホルミル安息香酸の製造方法は、
製品純度面、環境保護面、コスト面に問題があり、実質
的に工業的製造方法と言えるものはなかった。
【0019】本発明方法は、前述の課題を解決し、製品
純度、環境保護、コストに問題のないホルミル安息香酸
を効率よく工業的に製造する方法を開示したものであ
る。
【0020】本発明方法は、ホルミル安息香酸アルキル
エステルを加水分解してホルミル安息香酸を製造する方
法であって、反応に伴う有害な副成生物を発生しないす
ぐれた方法である。殊に、テレフタル酸ジメチル製造プ
ロセスで副生成する安価な4―ホルミル安息香酸メチル
エステルを、高選択性反応である加水分解反応を用い
て、4―ホルミル安息香酸を効率よく製造するものであ
る。
【0021】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳述する。
【0022】
【実施例1】テレフタル酸ジメチル製造プロセスで副生
成した4―ホルミル安息香酸メチル含有物から、蒸留操
作で低沸点及び高沸点成分を除去して得られた下記組成
の留分を原料とした。
【0023】 4―ホルミル安息香酸メチル ;96.0重量% 4―カルボメトキシベンジルメチルエーテル; 2.0
重量% テレフタル酸ジメチル ; 1.0重量% その他 ; 1.0重量%。
【0024】上記組成の原料3kg及び水12kgを、内容
積20リットルのステンレス鋼製オートクレーブに仕込
み、オートクレーブ内部を窒素ガス雰囲気とした。次
に、攪拌しながら昇温、昇圧し、反応温度200℃、反
応圧力20atm (ゲージ圧力)の条件下、5時間に亘り
反応を続けた。次いで、50℃まで冷却後、オートクレ
ーブ内容物を取出し、No.5Cの濾紙を用いてブフナ
ーで減圧濾過した。
【0025】更に、得られたケークを水で再結晶し、再
びNo.5Cの濾紙を用いてブフナーで減圧濾過した。
しかる後、得られたケークを減圧下、50℃で5時間乾
燥し、2.45kgの製品4―ホルミル安息香酸を得た。
この組成を分析した結果、 4―ホルミル安息香酸メチル ;98.0重量% テレフタル酸 ; 0.5重量% テレフタル酸モノメチル ; 0.1重量% その他 ; 1.4重量% であった。
【0026】この実施例では、純4―ホルミル安息香酸
メチルから純4―ホルミル安息香酸への単離収率は9
1.1mol %であった。
【0027】
【実施例2】実施例1と同様に原料3kg、酢酸3kg及び
5%塩酸水9kgを、内容積20リットルのステンレス鋼
製オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内部を窒素
ガス雰囲気とした。次に、攪拌しながら昇温し、反応温
度約120℃、常圧条件下、5時間に亘り反応を続け
た。次いで、50℃まで冷却後、オートクレーブ内容物
を取出し、No.5Cの濾紙を用いてブフナーで減圧濾
過した。更に、得られたケークを水で再結晶し、再びN
o.5Cの濾紙を用いてブフナーで減圧濾過した。最後
にケークを減圧下、50℃で5時間乾燥し、2.56kg
の製品4―ホルミル安息香酸を得た。この組成を分析し
た結果、 4―ホルミル安息香酸メチル ;98.1重量% テレフタル酸 ; 0.7重量% テレフタル酸モノメチル ; 0.2重量% その他 ; 0.4重量% であった。
【0028】この実施例では、純4―ホルミル安息香酸
メチルから純4―ホルミル安息香酸への単離収率は9
5.3mol %であった。
【0029】
【実施例3】原料2kg、水酸化カリウム0.75kgを溶
解したメタノール9kgを、内容積20リットルのステン
レス鋼製オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内部
を窒素ガス雰囲気とした。次に、攪拌しながら昇温し、
反応温度約64℃、常圧条件下、5時間に亘り反応を続
けた。しかる後、メタノール約7kgを系外に留出させな
がら、ポンプにより7%塩酸水7.5kgを約1時間かけ
て供給した。その後常温まで冷却した後、オートクレー
ブ内容物を取出し、No.5Cの濾紙を用いてブフナー
で減圧濾過した。更に、得られたケークを水で洗浄し、
再びNo.5Cの濾紙を用いてブフナーで減圧濾過し
た。得られたケークを減圧下、50℃で5時間乾燥し、
1.65kgの製品4―ホルミル安息香酸を得た。この組
成を分析した結果、 4―ホルミル安息香酸メチル ;98.4重量% テレフタル酸 ; 1.1重量% テレフタル酸モノメチル ; 0.0重量% その他 ; 0.5重量% であった。
【0030】この実施例では、純4―ホルミル安息香酸
メチルから純4―ホルミル安息香酸への単離収率は9
2.5mol %であった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホルミル安息香酸アルキルエステルを加
    水分解してホルミル安息香酸を製造する方法。
  2. 【請求項2】 ホルミル安息香酸アルキルエステルが、
    テレフタル酸ジメチル製造プロセスで副生成する4―ホ
    ルミル安息香酸メチルエステルである請求項1に記載の
    ホルミル安息香酸の製造方法。
JP1212592A 1992-01-27 1992-01-27 ホルミル安息香酸の製造方法 Pending JPH05201920A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012240982A (ja) * 2011-05-23 2012-12-10 Toray Fine Chemicals Co Ltd 光学活性ピペリジン誘導体のベンゼンスルホン酸塩の製造方法

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JP2012240982A (ja) * 2011-05-23 2012-12-10 Toray Fine Chemicals Co Ltd 光学活性ピペリジン誘導体のベンゼンスルホン酸塩の製造方法

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