JPH0520037Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、一定の間隔をあけて配置された２つ
のギアへ回転力を伝達するギアの切り換え機構に
関するものである。

〔従来の技術〕

例えば、フアクシミリ装置においては、原稿送
りを行う原稿送り用ローラと、記録紙送りを行う
記録紙送り用ローラが用いられるが、この原稿送
り用ローラを回転させるための原稿送り用ギアと
記録紙送り用ローラを回転させるための記録紙送
り用ギアとを同一の駆動源により駆動するための
機構として前記の原稿送り用と記録紙送り用の２
つのギアを一定の間隔で配置し、この両ギアへの
回転力の伝達を送信、受信に応じて切り換えるギ
ア切り換え機構がある。

第２図は従来のこの種のギア切り換え機構を示
す側面図である。

図において１はフアクシミリ装置の送信時に原
稿送りを行う図示しない原稿送り用ローラと同軸
に設けられた原稿送り用ギア（第１のギア）、２
は受信時に記録紙送りを行う図示しない記録紙送
り用ローラと同軸に設けられた記録紙送り用ギア
（第２のギア）であり、この両ギア１と２は同一
平面上において上下方向に一定の間隔をあけて配
置されている。

３は中間部が支軸４に支持された切り換えアー
ムで、この切り換えアーム３は前記支軸４を中心
に回動するものとなつている。

５はアーム回転手段としてのソレノイドで、こ
のソレノイド５は前記切り換えアーム３の一端に
連結されている。

７は伝達ギア、８は伝達プーリで、この伝達ギ
ア７と伝達プーリ８は一体に回転すると共に、前
記切り換えアーム３に対して独立して回転するよ
うに前記支軸４に同軸に取り付けられている。

６は切り換えギアで、この切り換えギア６は前
記伝達ギア７は前記切り換えギア６と噛み合うよ
うに前記切り換えアーム３の他端に回転自在に支
持され、切り換えアーム３の回動により前記切り
換えギア６との噛み合いを確保しつつ上下に移動
してよう前記原稿送り用ギア１と記録紙送り用ギ
ア２の一方に噛み合うになつている。

９は駆動源としてのモーター、１０はこのモー
ター９の回転軸に取り付けられたドライブプー
リ、１１は前記ドライブプーリ１０及び伝達プー
リ８に巻き掛けられた無端状のベルトである。

この構成の作用は以下の通りである。

まず、送信時においてはソレノイド５がONに
なり、該ソレノイド５により切り換えアーム３の
一端が引き下げられて、切り換えアーム３が支軸
４を中心に回動する。

これにより切り換えアーム３の他端が上昇し、
該他端に支持されている切り換えギア６が伝達ギ
ア７との噛み合いを確保しつつ上方に移動して実
線で示したように原稿送り用ギア１と噛み合う。

この状態でモーター９を所定の方向例えば時計
方向に回転させると、その回転力がドライブプー
リ１０及びベルト１１を介して伝達プーリ８に伝
達されて、該伝達プーリ８と一体に伝達ギア７が
回転し、この伝達ギア７の回転が切り換えギア６
を介して原稿送り用ギア１に伝達されるので、原
稿送り用ギア１が所定の方向例えば時計方向に回
転する。

次に、受信時にはソレノイド５がOFFに切り
換えられ、図示しないバネにより切り換えアーム
３の一端が引き上げられて、切り換えアーム３が
支軸４を中心に回動する。

これにより切り換えアーム３の他端が下降し、
該他端に支持されている切り換えギア６が伝達ギ
ア７との噛み合いを確保しつつ下方に移動して２
点鎖線で示したように記録紙送り用ギア２と噛み
合う。

従つて、この状態でモーター９を所定の方向例
えば時計方向に回転させると、前記送信時の場合
と同様にその回転力がドライブプーリ１０、ベル
ト１１、伝達プーリ８、伝達ギア７、及び切り換
えギアを介して記録紙送り用ギア２に伝達される
ので、記録紙送り用ギア２が所定の方向例えば時
計方向に回転する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上述した従来のギア切り換え機
構では、アーム回転手段としてソレノイドを用い
ているために高価なものとなり、かつソレノイド
とモーターのそれぞれの制御を行うため、制御回
路も複雑化するという問題もある。

本考案はこのような問題を解決するためになさ
れたもので、安価で制御が容易なギア切り換え機
構を実現することを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するため、本考案は、一定の間
隔をあけて配置された第１のギア及び第２のギア
と、中間部を支持する支軸を中心に回動する切り
換えアームと、この切り換えアームに一端に連結
して該切り換えアームを回動させるアーム回動手
段と、前記切り換えアームに対して独立して回転
するように前記支軸に設けられた伝達ギアと、該
伝達ギアに噛み合うように前記切り換えアームの
他端に支持され、かつ前記切り換えアームの回動
により前記伝達ギアとの噛み合いを確保しつつ移
動して前記第１のギアまたは第２のギアに噛み合
う切り換えギアと、前記伝達ギア及び切り換えギ
アを介して前記第１のギアまたは第２のギアを一
方向に回転させる駆動源とを備えたギア切り換え
機構において、前記アーム回動手段は、前記伝達
ギアに噛み合うように配置されたカムドライブギ
アと、該カムドライブギアと同軸に設けられたカ
ム板と、前記カムドライブギアとカム板との間に
設けられ、前記駆動源が前記第１のギアまたは第
２のギアを回転させるときの回転方向と逆の方向
に回転したときのカムドライブギアの回転のみを
前記カム板に伝達するワンウエイクラツチと、一
端を前記切り換えアームの一端に回転自在に結合
し、他端を前記カム板に回転自在に取り付けて、
前記カム板の回転により前記切り換えアームを前
記切り換えギアが前記第１のギアまたは第２のギ
アに噛み合うように回動させるリンクにより成る
ことを特徴とする。

〔作用〕

このような構成を有する本考案は、例えば駆動
源を第１のギアまたは第２のギアを回転させると
きの回転方向と逆の方向、例えば反時計方向に一
定量回転させると、その回転力が伝達ギア、カム
ドライブギア、及びワンウエイクラツチを介して
カム板に伝達されるため、該カム板が回転する。

このカム板の回転によりリンクを介して切り換
えアームの一端が押されるかまたは引かれて、切
り換えアームが支軸を中心に回動し、これにより
切り換えアームの他端の支持されている切り換え
ギアが前記伝達ギアとの噛み合いを確保しつつ移
動して第１のギアまたは第２のギアに噛み合うの
で、この状態で前記駆動源を例えば時計方向に回
転させると、その回転力が伝達ギア、及び切り換
えギアを介して第１のギアまたは第２のギアに伝
達され、これにより第１のギアまたは第２のギア
が回転する。

このとき、前記伝達ギアの回転はカムドライブ
ギアにも伝達され、これによりカムドライブギア
も回転するが、この場合のカムドライブギアの回
転方向はワンウエイクラツチがカム板に回転を伝
えない方向であるので、切り換えアームは回動せ
ず、そのため第１のギアまたは第２のギアと切り
換えギアとの噛み合いが保持される。

従つてこれによれば、従来のような高価なソレ
ノイドを用いる必要がなくなり、アーム回転手段
をカムドライブギア、ワンウエイクラツチ、カム
板、及びリンクから成る安価なものとすることが
できると共に、１つの駆動源のみを制御すればす
むので制御回路も簡素化することができる。

〔実施例〕

以下に図面を参照して実施例を説明する。

第１図は本考案によるギア切り換え機構の一実
施例を示す側面図で、ここではフアクシミリ装置
に適用したものとして説明する。

図において１は原稿送り用ギア（第１のギア）、
２は記録紙送り用ギア（第２のギア）、３は切り
換えアーム、４は支軸、６は切り換えギア、７は
伝達ギア、８は伝達プーリ、９はギア回転用駆動
源としてのモーター、１０はドライブプーリ、１
１はベルトであり、これらは従来のものと同等の
部品であつて、同様に構成されているので第２図
と同一の符号で示しているが、前記モーター９は
矢印Ａで示した反時計方向と矢印Ｂで示した時計
方向の両方向に回転するようになつている。

１２は前記切り換えギア６とほぼ反対側の位置
で前記伝達ギア７と噛み合うように配置されたカ
ムドライブギア、１３はカム板で、このカムドラ
イブギア１２とカム板１３は軸１４を中心に回転
するように支持されており、更にこのカムドライ
ブギア１２とカム板１３との間には図示しないワ
ンウエイクラツチが設けられていて、このワンウ
エイクラツチにより矢印Ｃで示した時計方向の回
転力のみがカムドライブギア１２からカム板１３
へ伝わるようになつている。

１５はリンクで、このリンク１５の一端は前記
切り換えアーム３の一端に回転自在に結合され、
他端は前記カム板１３に平面上に回転自在に取り
付けられている。

次に上述した構成の作用について説明する。

いま、切り換えギア６が２点鎖線で示したよう
に記録紙送り用ギア２と噛み合つているものとす
る。

そこで、送信時においては、まずモーター９を
矢印でＡ示した反時計方向に一定量回転させる。

この回転はドライブプーリ１０及びベルト１１
を介して伝達プーリ８に伝達されるので、該伝達
プーリ８と一体に伝達ギア７が回転し、更にこの
伝達プーリ８の回転がカムドライブギア１２に伝
達されて、該カムドライブギア１２も回転する。

このときのカムドライブギア１２の回転方向は
矢印Ｃで示した時計方向であるため、このカムド
ライブギア１２の回転はワンウエイクラツチによ
りカム板１３に伝達され、これによりカム板１３
は前記モーター９の回転量に応じた角度だけ回転
し、そしてこのカム板１３の回転によつてリンク
１６が切り換えアーム３の一端を押し下げ、切り
換えアーム３が支軸４を中心に回動する。

これにより切り換えアーム３の他端が上昇し、
該他端に支持されている切り換えギア６が伝達ギ
ア７との噛み合いを確保しつつ上方に移動して実
線で示したように原稿送り用ギア１と噛み合う。

この状態でモーター９を矢印でＢ示した時計方
向に回転させると、その回転力がドライブプーリ
１０及びベルト１１を介して伝達プーリ８に伝達
されて、該伝達プーリ８と一体に伝達ギア７が回
転し、この伝達プーリ８の回転が切り換えギア６
を介して原稿送り用ギア１に伝達されるので、原
稿送り用ギア１が時計方向に回転する。

この場合、前記伝達プーリ８の回転がカムドラ
イブギア１２に伝達されて、該カムドライブギア
１２も回転するが、このときのカムドライブギア
１２の回転方向は矢印Ｃと逆の反時計方向である
ため、このカムドライブギア１２の回転はワンウ
エイクラツチの作用によりカム板１３に伝達され
ることはなく、従つて切り換えギア６と原稿送り
用ギア１との噛み合いは確保される。

次に、受信時には再びモーター９を矢印でＡ示
した反時計方向に一定量回転させる。

これにより回転力が前記と同様にドライブプー
リ１０、ベルト１１、及び伝達プーリ８を介して
カムドライブギア１２に伝達されるため、該カム
ドライブギア１２も回転し、このときのカムドラ
イブギア１２の回転方向は矢印Ｃで示した時計方
向であるため、このカムドライブギア１２の回転
はワンウエイクラツチによりカム板１３に伝達さ
れる。

従つてカム板１３は前記モーター９の回転量に
応じた角度だけ回転し、そしてこのカム板１３の
回転によつてリンク１６が切り換えアーム３の一
端を引き上げ、切り換えアーム３が支軸４を中心
に回動する。

これにより切り換えアーム３の他端が下降し、
該他端に支持されている切り換えギア６が伝達ギ
ア７との噛み合いを確保しつつ下方に移動して２
点鎖線で示したように記録紙送り用ギア２と噛み
合う。

この状態でモーター９を前記送信時と同様に矢
印Ｂで示した時計方向に回転させると、その回転
力がドライブプーリ１０、ベルト１１、伝達プー
リ８、伝達ギア７、及び切り換えギア６を介して
記録紙送り用ギア２に伝達されるので、記録紙送
り用ギア２が時計方向に回転する。

この場合も、前記伝達プーリ８の回転がカムド
ライブギア１２に伝達されて、該カムドライブギ
ア１２も回転するが、カムドライブギア１２の回
転方向は矢印Ｃと逆の反時計方向であるため、こ
のカムドライブギア１２の回転はワンウエイクラ
ツチの作用によりカム板１３に伝達されることは
なく、従つて切り換えギア６と記録紙送り用ギア
２との噛み合いは保持される。

尚、上述した実施例はフアクシミリ装置の原稿
送り用ギア１と記録紙送り用ギア２をモーター９
により回転させるものとして説明したが、一定間
隔をあけて配置した第１、第２のギアの一方を同
一駆動源により回転させる装置であれば、いずれ
の装置にも適用可能である。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案は、アーム回動手段
を、伝達ギアに噛み合うカムドライブギアと、カ
ム板と、前記カムドライブギアとカム板との間に
設けられたワンウエイクラツチと、一端を、切り
換えアームの一端に回転自在に結合し他端を前記
カム板に回転自在に取り付けたリンクから成る構
成として、駆動源が前記第１のギアまたは第２の
ギアを回転させるときの回転方向と逆の方向に一
定量回転したときのカムドライブギアの回転のみ
を前記カム板に伝達することで切り換えアームを
切り換えギアが前記第１のギアまたは第２のギア
に噛み合うように回動させるようにしている。

従つてこれによれば、従来のような高価なソレ
ノイドを用いる必要がなくなり、アーム回転手段
をカムドライブギア、ワンウエイクラツチ、カム
板、及びリンクから成る安価なものとすることが
できると共に、１つの駆動源のみを制御すればす
むので制御回路も簡素化することができるという
効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるギア切り換え機構の一実
施例を示す側面図、第２図は従来のギア切り換え
機構を示す側面図である。 １……原稿送り用ギア（第１のギア）、２……
記録紙送り用ギア（第２のギア）、３……切り換
えアーム、６……切り換えギア、７……伝達ギ
ア、９……モーター（駆動源）、１２……カムド
ライブギア、１３……カム板、１４……リンク。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一定の間隔をあけて配置された第１のギア及び
   第２のギアと、 中間部を支持する支軸を中心に回動する切り換
   えアームと、 この切り換えアームの一端に連結して該切り換
   えアームを回動させるアーム回動手段と、 前記切り換えアームに対して独立して回転する
   ように前記支軸に設けられた伝達ギアと、 該伝達ギアに噛み合うように前記切り換えアー
   ムの他端に支持され、かつ前記切り換えアームの
   回動により前記伝達ギアとの噛み合いを確保しつ
   つ移動して前記第１のギアまたは第２のギアに噛
   み合う切り換えギアと、 前記伝達ギア及び切り換えギアを介して前記第
   １のギアまたは第２のギアを一方向に回転させる
   駆動源とを備えたギア切り換え機構において、 前記アーム回動手段は、 前記伝達ギアに噛み合うように配置されたカム
   ドライブギアと、 該カムドライブギアと同軸に設けられたカム板
   と、 前記カムドライブギアとカム板との間に設けら
   れ、前記駆動源が前記第１のギアまたは第２のギ
   アを回転させるときの回転方向と逆の方向に回転
   したときのカムドライブギアの回転のみを前記カ
   ム板に伝達するワンウエイクラツチと、 一端を前記切り換えアームの一端に回転自在に
   結合し、他端を前記カム板に回転自在に取り付け
   て、前記カム板の回転により前記切り換えアーム
   を前記切り換えギアが前記第１のギアまたは第２
   のギアに噛み合うように回動させるリンクと、 より成ることを特徴とするギア切り換え機構。