JPH05199125A - 最尤系列推定装置 - Google Patents

最尤系列推定装置

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JPH05199125A
JPH05199125A JP4240809A JP24080992A JPH05199125A JP H05199125 A JPH05199125 A JP H05199125A JP 4240809 A JP4240809 A JP 4240809A JP 24080992 A JP24080992 A JP 24080992A JP H05199125 A JPH05199125 A JP H05199125A
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transmission path
maximum likelihood
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Hirotsugu Kubo
博嗣 久保
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 伝送路特性の変動に対する追随特性を改善す
るとともに、タップ数の増加につれて耐雑音特性や追随
特性が劣化することを緩和する。 【構成】 ブランチメトリック作成回路1はステート数
個存在する伝送路特性と受信信号を入力し各ステートに
対応するブランチメトリックを作成し、ステート数個存
在するACS回路2a,2mは各ステート毎に一時刻過
去の生き残りパスとパスメトリック及びブランチメトリ
ックを入力し現時刻の生き残りパスとパスメトリックを
出力する。ステート数個存在する伝送路推定回路3a,
3mは各ステート毎に受信信号と現時刻の生き残りパス
を入力し伝送路特性を推定し出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は自動車電話をはじめと
するディジタルデータ伝送に用いる最尤系列推定装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の技術を説明する前に、本発明に関
する技術的背景について説明する。
【0003】FIRフィルタを説明する。FIRフィル
タは有限インパルス応答(Finite Impuls
e Response)フィルタの略で、インパルス応
答が有限時間で終了するフィルタである。図8にFIR
フィルタの説明図を示す。FIRフィルタは入力される
信号に順次遅延を与え、タップ係数を乗算した後、複数
の乗算結果を加算するものである。該遅延量は通常一定
値とする。
【0004】次に、符号間干渉(ISI)を有した伝送
路モデルについて説明する。まず、フェージングにより
引き起こされる符号間干渉の概念について説明する。図
9に簡単なフェージング伝送路のモデルを示した。本モ
デルにおいて受信波は送信された信号が直接受信される
先行波と、反射して受信される時間遅延を有した遅延波
の合成波であるとする。本モデルでは先行波と遅延波の
時間差は遅延回路により与えられ、先行波及び遅延波は
それぞれタップ係数(タップC0 ,C1 ,・・・,C
L )を乗算され加算回路で合成される。更に該合成波は
雑音が加算されて受信信号となる。図10にフェージン
グ波形の時間変化の一例を示す。符号間干渉成分は、こ
のフェージングのように他のシンボルに影響を与える成
分のことである。
【0005】伝送路に対して{In }なる送信情報系列
を送信した場合、この送信情報系列は伝送路でISIと
加法的白色ガウス雑音(AWGN)wn を受けて、受信
側ではrn なる受信信号となる。ここで、サフィックス
nは時刻を表現する。通常、ISIのない場合、このr
n は、
【0006】
【数1】
【0007】と表現できる。この場合はC0 が既知で、
雑音が小さい時、rn からIn を容易に推定できる。し
かし、ISIを受けた場合にはrn の中に時刻nのみで
はなく、それより過去のIn が受信され、
【0008】
【数2】
【0009】と表現される。LはISIが影響を与える
時間長さ(伝送路メモリ長)を示す。図9に示した伝送
路モデルでは、時刻nから時刻(n‐L)までの送信系
列が含まれることになる。また、ci ,nは伝送路の特
性をFIRフィルタで表現した場合のタップ係数を示
す。ここで、rn からIn を容易に推定できないため、
等化という概念が重要となる。
【0010】次に、等化の一種である最尤系列推定につ
いて説明する。G.D.Forney,Jr著の“Ma
ximum−likelihoodsequence
estimation of digital seq
uence in the presence of
intersymbol interferenc
e,”(IEEE Trans.Inform.The
ory,vol.IT−18,pp.363−378,
May 1972)に述べられた、ビタビアルゴリズム
を用いた最尤系列推定の説明を順次行う。まずステート
とトレリス図について説明する。ステートとは状態を示
すもので、詳細にはビタビアルゴリズムのトレリス格子
について説明する必要があるが、ここでは説明を簡単に
するため概念のみについて述べる。図9にフェージング
のモデルを示しているが、フェージング波形は、先行波
を決定する現時刻の送信系列のみではなく、遅延波を決
定する過去の送信系列によっても決定される。そのため
に、現在の送信系列を推定するためには過去の送信系列
も考慮する必要がある。この過去の送信系列の組み合わ
せがステートに相当し、遅延回路が1シンボル周期であ
ればステート“0”とステート“1”の2種類、遅延回
路が2シンボル周期であればステート“00”,ステー
ト“01”,ステート“10”とステート“11”の4
種類が用意される。このように、ステートとは送信系列
の組合せで表現され、ビタビアルゴリズムのメモリ長を
Vとすると、時刻n及び時刻n−1のステートxn 及び
n-1 はそれぞれ、
【0011】
【数3】
【0012】
【数4】
【0013】と表現できる。つまり、2つのステートの
うちIn-1 からIn-V+1 のV−1個の送信系列は同一値
となる。この性質を利用して図11のトレリス図が作成
できる。このトレリス図は遅延回路が2シンボル周期
(L=2)である場合を示しており、また、信号が0と
1の2値(N=2)をとる場合を示している。したがっ
てステートの個数MはM=NL =22 =4となる。すな
わち、本例は、In を0,1とし、Vを2としたので、
n は00,10,01,11の4ステートでトレリス
が構成される。トレリス図における線分xn /xn-1
ブランチと呼ばれる。このブランチは一意的にIn から
n-V の送信系列を決定する。それゆえ、VをLと設定
した場合、数2で示されたrn を一意的に決定できる。
【0014】次にブランチメトリックについて説明す
る。ブランチメトリックとは、受信信号と各ステートで
再生された推定受信信号の誤差電力のことである。この
誤差電力は生起確率に関係している。ブランチxn /x
n-1 により決定されるIn からIn-V の送信系列In-i
[xn /xn-1 ] (0≦i≦L) から、rn のレプ
リカhn [xn /xn-1 ]を以下のように作成できる。
【0015】
【数5】
【0016】ここで、ci ,nの推定値はgi ,nとし
た。実際の受信信号rn とブランチxn /xn-1 により
決定されるレプリカhn [xn /xn-1 ]の差en [x
n /xn-1 ]は、一種の確からしさを表現し、このen
[xn /xn-1 ]の2乗はブランチメトリックEn [x
n /xn-1 ]と呼ばれ以下のように表現できる。
【0017】
【数6】
【0018】つまり、ブランチxn /xn-1 により一意
的にブランチメトリックEn [xn/xn-1 ]が決定す
る。
【0019】次にパスメトリックについて説明する。パ
スメトリックとは、生き残り系列上にあるステートに対
応するブランチメトリックをすべて合計したものであ
る。ブランチxn /xn-1 により一意的に決定されるブ
ランチメトリックEn [xn /xn-1 ]を全てのブラン
チについて加算したものをパスメトリックと呼び、時刻
nのパスメトリックFn [xn /xn-1 ]を以下のよう
に表現できる。
【0020】
【数7】
【0021】つまり、パスメトリックFn[xn /x
n-1 ]は、数7に示すような、逐次的な処理で算出可能
である。つまり現時刻がnである場合、「現在の受信信
号に対する確からしさ」はブランチメトリックEn [x
n /xn-1 ]、「過去のステートに繋がる生き残り系列
に対して計算されて保存された確からしさ」はパスメト
リックFn-1 [xn-1 /xn-2 ]、「現在のステートに
繋がる生き残り系列に対して計算される確からしさ」は
パスメトリックFn [xn /xn-1 ]に対応する。
【0022】次にACS処理について説明する。ACS
とはAdd−Compare−Select(加算比較
選択)の略である。加算処理とは、上記数7に示したパ
スメトリックにブランチメトリックを加算する操作であ
る。比較処理とは、各ステートに対して送信信号点(ア
ルファベットサイズ)数個(送信信号が0,1の場合は
2個)のパスメトリックが作成されるため、複数個のメ
トリックを比較する操作である。選択処理とは、比較処
理の結果からパスメトリックの小さい方を選択し、選択
したパスメトリックに対応する系列を選択する操作であ
る。たとえば、図11のトレリス格子には2つのブラン
チが入力されているが、まずこの2つのブランチに対し
て数7の加算処理を行う。次に、2つのパスメトリック
を比較して小さい方のブランチを選択する。これが比較
選択であり、選択されたブランチに繋がるパスが生き残
りパスと呼ばれ、選択されなかったパスは棄却される。
以上がビタビアルゴリズムを用いた最尤系列推定の説明
である。このように、G.D.Forneyにより提案
された最尤系列推定回路は、シンボルレートの受信信号
を入力して以下のように動作する。推定した伝送路特性
に基づいて、受信信号を入力し、生起する可能性のある
送信系列の組み合わせである各々の「ステート」に対す
る「確からしさ」と過去の「ステート」に繋がる「生き
残り系列」に対してすでに計算され記憶された「確から
しさ」から、現在の各々の「ステート」に対する最も生
起する可能性の高い系列を「生き残り系列」として記憶
するというACS処理をすべてのステートに対して行う
ビタビアルゴリズムを用いて、全ての入力信号系列を入
力した後、最終的に残った唯一の「生き残り系列」(最
尤系列)を送信した信号系列として判定する。
【0023】次に、伝送路特性の推定について説明す
る。伝送路特性の推定は、図9のような伝送路モデルの
タップ係数の推定に置き換えられる。通常はトレーニン
ング系列という既知の系列から伝送路特性を推定する。
長さがKで十分にランダムなトレーニンング系列が存在
する場合、タップ係数ci の推定値gi は、
【0024】
【数8】
【0025】として算出できる。ここで、*は複素数共
役を示す。ただし、トレーニンング系列が十分にランダ
ムでない場合はWiener−Hopfの方程式を解く
必要がある。また、タップ係数ci ,nが時間的に変動
する際には、LMS(Least Mean Squa
re)アルゴリズムやRLS(RecursiveLe
ast Squares)アルゴリズム等の適応アルゴ
リズムを用いる必要がある。
【0026】LMSアルゴリズムについて説明する。W
iener解の近似解を逐次的にもとめるアルゴリズム
の中にLMSアルゴリズムがある。これは、受信信号と
そのレプリカの2乗誤差値が最小になるように、タップ
係数を調整するものであり、以下のように表現できる。
【0027】
【数9】
【0028】
【数10】
【0029】ここで、特に、δはステップサイズ、In
は参照入力(referenceinput)と呼ばれ
る。
【0030】F.R.Magee,Jr.and J.
G.Proakis,著の“Adaptive max
imum−likelihood sequence
estimation for digital si
gnaling in the presence o
f intersymbol interferenc
e,”(IEEE Trans.Inform.The
ory,vol.IT−19,pp.120−124,
Jan.1973)に示された、最尤系列推定を適応化
する手法について述べる。伝送路が時間的に変化する場
合、最尤系列推定に供給する伝送路特性の値も適応的に
修正する必要がある。この修正に、LMSアルゴリズム
をはじめとする適応アルゴリズムが用いられる。ここ
で、伝送路推定には送信系列の推定値が必要となるが、
これは最もパスメトリックが小さいステートに繋がる生
き残りパスを数シンボル(qシンボル)遡った値を使用
する。つまり、伝送路推定は以下のように行われる。
【0031】
【数11】
【0032】
【数12】
【0033】P.R.Chevillat and
E.Elefthriou, 著の“Decoding
of trellis−encoded signa
lsin the presence of inte
rsymbol interference and
noise,”(IEEE Trans.Commu
n.,vol.COM−37,pp.669−676,
July 1989)、M.V.Eyuboglu a
nd S.U.H.Qureshi,著の“Reduc
ed−state sequence estimat
ion forcoded modulation o
n intersymbol interferenc
e channels,”(IEEE Journal
onSelected Areas in Comm
un.,vol.JSAC−7,pp.989−99
5,Aug.1989)等に述べられた、復号と等化を
同時にビタビアルゴリズムを用いて最尤系列推定する手
法について、順次説明する。簡単に、符号化の導入につ
いて説明する。伝送路に送信される信号In としては符
号化後の信号が送信される。いま、Yn を符号化前の情
報系列とし、P[・ ]をKシンボルまで過去のデータ
を使用して符号を作成する関数とすると、以下の関係が
成立する。
【0034】
【数13】
【0035】ここで、このKのことは拘束長と呼ばれ
る。ここで、関数P[ ・ ]を表現するFIRフィル
タのモデルは後述する図10の説明において述べる。こ
の符号化に対する復号もトレリス格子を導入することが
可能となり、ビタビアルゴリズムのステートxn は、数
14なる関係を有する。ここで、VはK−1と設定され
る。
【0036】
【数14】
【0037】符号化と等化の同時実現手法について説明
する。これは等化のみを行う場合のブランチメトリック
作成の前段に符号化が導入されたことになるので、符号
化前の情報系列Yn から送信系列In を作成することが
必要となる。伝送路メモリの長さLが存在する場合、送
信系列はLサンプル過去まで作成する必要がある。そこ
で、数15なる関係が導入され、VをK−1+Lとする
必要がある。こうして、符号化前の情報系列Yn から送
信系列In を作成しながら、ビタビアルゴリズムを使用
してデータ判定を行うものが、復号と等化を同時にビタ
ビアルゴリズムで処理する最尤系列推定である。
【0038】
【数15】
【0039】次に、従来の最尤系列推定装置の一例につ
いて述べる。図12は例えば、従来の最尤系列推定装置
を示すブロック図であり、図中、1はブランンチメトリ
ック作成回路、2aは第1のACS回路、2mは第Mの
ACS回路、3は伝送路推定回路、4は判定値作成回
路、5は受信信号入力端子、6は判定値出力端子、30
1は選択回路である。
【0040】図13は上記ブランチメトリック作成回路
の動作を説明するためのブロック図であり、図におい
て、先に述べた構成要素に対応するものには同一の符号
を付し、その説明を省略する。図中、7はパタンテーブ
ル保持回路、8aは第1のブランチメトリック計算回
路、8nは第Nのブランチメトリック計算回路、9iは
伝送路特性入力端子、10aは第1のブランチメトリッ
ク出力端子、10nは第Nのブランチメトリック出力端
子である。ここで通常N≧Mである。
【0041】図14は上記ブランチメトリック計算回路
の動作を説明するためのブロック図であり、図におい
て、先に述べた構成要素に対応するものには同一の符号
を付し、その説明を省略する。図中、9iは伝送路特性
入力端子、10iはブランチメトリック出力端子、11
はレプリカ作成回路、12は演算回路、13はパタン入
力端子である。
【0042】図15は上記レプリカ作成回路の動作を説
明するためのブロック図であり、図において、先に述べ
た構成要素構成要素に対応するものには同一の符号を付
し、その説明を省略する。図中、15はシフトレジス
タ、16は第0の可変タップ、17は第1の可変タッ
プ、18は第2の可変タップ、19は加算回路、20は
データ入力端子、21はレプリカ出力端子である。
【0043】図16は上記ACS回路の動作を説明する
ためのブロック図であり、図において、先に述べた構成
要素に対応するものには同一の符号を付し、その説明を
省略する。図中、25aは第1のメトリック加算回路、
25bは第2のメトリック加算回路、26はメトリック
・パス選択回路、27aは第1のブランチメトリック入
力端子、27bは第2のブランチメトリック入力端子、
28は生き残りパス出力端子、29はパスメトリック出
力端子である。
【0044】図17は上記伝送路推定回路の動作を説明
するためのブロック図であり、図において、先に述べた
構成要素に対応するものには同一の符号を付し、その説
明を省略する。図中、30は誤差作成回路、31はタッ
プ調整回路、32は送信候補入力端子、33は伝送路特
性出力端子である。
【0045】従来の最尤系列推定装置の動作について図
12を用いて説明する。ブランチメトリック作成回路1
は、受信信号と伝送路推定回路3が推定した伝送路特性
を入力して、ACS回路で使用する1からMのM個のス
テートに対応する複数Nのブランチメトリックを出力す
る。第1のACS回路2aから第MのACS回路2mの
M個のACS回路は、ステート数個存在する現時刻及び
一時刻過去のパスメトリックと生き残りパスを共有して
おり、互いにアクセス可能であるとする。第1のACS
回路2aは、ステートに対応した複数のブランチメトリ
ック、一時刻過去のパスメトリックと生き残りパスを入
力し、前述したACS処理を行い、一時刻過去のパスメ
トリックと生き残りパスを現時刻のパスメトリックと生
き残りパスに更新し、現時刻のパスメトリックと生き残
りパスを出力する。第MのACS回路2mも第1のAC
S回路2aと同様の操作を、ステートについて行う。伝
送路推定回路3は、受信信号、各ステートのパスメトリ
ック及び生き残りパスを入力し、選択回路301により
単一の系列を選択した後、伝送路特性を推定し出力す
る。判定値作成回路4は、各ステートのパスメトリック
及び生き残りパスを入力し、選択した系列を判定値とし
て出力する。
【0046】ブランチメトリック作成回路の動作につい
て図13を用いて説明する。パタンテーブル作成回路7
は、各ステートに対応するN個のパタンを第1のブラン
チメトリック計算回路8aから第Nのブランチメトリッ
ク計算回路8nのN個のブランチメトリック計算回路に
出力する。第1のブランチメトリック計算回路8aはス
テート1に対応するパタン、受信信号と伝送路特性を入
力し、ブランチメトリックを計算して出力する。第Nの
ブランチメトリック計算回路8nは、異なる入力パタン
に対して同様の処理を行う。
【0047】ブランチメトリック計算回路の動作につい
て図14を用いて説明する。図において、レプリカ作成
回路11は、パタンと伝送路特性を入力し、レプリカを
出力する。演算回路12はレプリカと受信信号を入力
し、ブランチメトリックの計算結果を出力する。
【0048】レプリカ作成回路の動作について図15を
用いて説明する。ここで、レプリカ作成回路はFIRフ
ィルタの構造をしている。シフトレジスタ15は、パタ
ンを入力しこれに順次遅延を与えて出力する。第0の可
変タップ16、第1の可変タップ17、第2の可変タッ
プ18はFIRフィルタのタップ係数で、シフトレジス
タ15出力とそれぞれ乗算した後、加算回路19で加算
されて出力される。
【0049】ACS回路の動作について図16を用いて
説明する。なお都合上、M個のACS回路は一時刻過去
及び現時刻のパスメトリック及び生き残りパスは共有し
ており、互いにアクセス可能であるとする。第1のメト
リック加算回路25aは、対応するブランチメトリック
と一時刻過去のパスメトリックを入力し、現時刻のパス
メトリックを出力する。第2のメトリック加算回路25
bも同様に対応する現時刻のパスメトリックを出力す
る。メトリック・パス選択回路26は、2系統の現時刻
のパスメトリックを入力し、一方の系統を選択し、相当
する一時刻過去の生き残りパスを入力しこれを更新した
後、現時刻のパスメトリック及び生き残りパスを出力す
る。
【0050】伝送路特性推定回路の動作について図17
を参照して説明する。レプリカ作成回路11は伝送路特
性と判定値の候補であるデータを入力し、レプリカを出
力する。誤差作成回路30はレプリカと受信信号を入力
し、誤差信号を出力する。タップ調整回路31は前述し
たLMSアルゴリズムをはじめとする適応アルゴリズム
に従って伝送路特性であるタップ係数を調整し出力す
る。
【0051】
【発明が解決しようとする課題】従来の最尤系列推定装
置における伝送路推定回路は、等化や復号及びその両方
を行う場合でも、通常複数のパスメトリックを入力し選
択回路により最尤の生き残りパスを選択する。次に、こ
の生き残りパスを数シンボル遡ったデータを用て伝送路
特性を推定する。この際に選択回路の選択動作により伝
送路推定遅延が発生する。従って、従来の等化や復号及
びその両方を行う最尤系列推定装置は、伝送路特性の変
動に対する追随特性が低いという問題点があった。ま
た、ステート数を増加させると、同時に伝送路特性のた
めのタップ数も増加するため、適応アルゴリズムの耐雑
音特性が劣化する。このため、タップ数の増加に従って
耐雑音特性や追随特性が劣化する等の問題点があった。
【0052】この発明が上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、伝送路特性の変動に対する追随
特性を改善するとともに、タップ数の増加につれて耐雑
音特性や追随特性が劣化することを緩和できる最尤系列
推定装置を提供することを目的とする。
【0053】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
わる最尤系列推定装置は、たとえば、伝送路特性の推定
値に基づいて、現時刻の受信信号に対して生起する可能
性のある送信信号の組合せである各々のステートに対す
る確からしさ(ブランチメトリック)と、一時刻過去の
ステートに繋がる生き残りパスに対して既に計算され記
憶された確からしさ(パスメトリック)とから、現時刻
のステートに対するパスメトリックを計算し、現時刻の
各々のステートに対する最も生起する可能性の高い系列
を生き残りパスとして記憶するビタビアルゴリズムを用
いて、最終的に残った生き残りパスを送信信号の推定値
として出力する最尤系列推定装置において、該受信信号
とステート数個存在する該伝送路特性とを入力し各ステ
ートに対応するブランチメトリック(ステート確からし
さ)を作成するブランチメトリック作成回路(ステート
確からしさ出力手段の一例)と、各ステート毎に一時刻
過去の生き残りパス(推定系列)とパスメトリック及び
ブランチメトリックを入力し現時刻の生き残りパス(推
定系列)とパスメトリック(推定系列確からしさ)を出
力するステート数個存在するACS回路(推定系列確か
らしさ出力手段の一例)と、各ステート毎に受信信号と
生き残りパスを入力し伝送路特性の推定値を推定し出力
するステート数個存在する伝送路推定回路(伝送路推定
手段の一例)とを備えたことを特徴とするものであり、
以下の要素を有するものである。 (a)伝送路を介して受信した受信信号を入力し、受信
信号に対して生起する可能性のある送信信号の組合せで
あるステート各々に対応して推定された伝送路特性の推
定値に基づいて、各々のステートに対する確からしさを
出力するステート確からしさ出力手段、(b)各々のス
テートに対応して設けられ、上記ステート確からしさ出
力手段により出力された各ステートの確からしさをそれ
ぞれ入力し、各ステートに対して送信信号の候補として
生き残っている送信信号の推定系列とその推定系列に対
する確からしさを出力する推定系列確からしさ出力手
段、(c)各々のステートに対応して設けられ、上記受
信信号と推定系列を入力し、各ステート毎に伝送路の特
性を推定して各ステートに対応した伝送路特性の推定値
を上記ステート確からしさ出力手段へ出力する伝送路推
定手段。
【0054】請求項2記載の発明に係わる最尤系列推定
装置は、上記請求項1記載の発明に係る最尤系列推定装
置に対して、ステート数個存在する伝送路推定手段につ
いて、更にステート数個存在する一時刻過去の伝送路特
性を入力できるようにしたものである。
【0055】請求項3記載の発明に係わる最尤系列推定
装置は、たとえば、伝送路推定手段が推定する特定の伝
送路特性のタップ(加重回路の一例)を削除、または特
定の伝送路特性のタップ係数(加重の一例)を特定の値
に固定するものである。
【0056】請求項4記載の発明に係わる最尤系列推定
装置は、たとえば、ブランチメトリック作成回路(ステ
ート確からしさ出力手段の一例)がブランチメトリック
(ステート確からしさ)を作成する際に、特定の伝送路
特性のタップ(加重手段の一例)を使用しないようにし
たものである。
【0057】請求項5記載の発明に係わる最尤系列推定
装置は、たとえば、ブランチメトリック作成回路(ステ
ート確からしさ出力手段の一例)がブランチメトリック
(ステート確からしさ)を作成する際の入力パタン及び
伝送路推定回路への入力系列に対して、符号変換を施す
ようにしたものである。
【0058】請求項6記載の発明に係わる最尤系列推定
装置は、周波数偏差に対する補正を各ステート毎に行う
ようにしたことである。
【0059】請求項7記載の発明に係わる最尤系列推定
装置は、位相偏差に対する補正を各ステート毎に行うよ
うにしたことである。
【0060】請求項8記載の発明に係わる最尤系列推定
装置は、伝送路推定の際に過去の誤差量のバイアス値を
考慮するようにしたことである。
【0061】
【作用】請求項1記載の発明において、ブランチメトリ
ック作成回路(ステート確からしさ出力手段の一例)
は、ステート数個存在する伝送路特性と受信信号を入力
し各ステートに対応するブランチメトリック(ステート
確からしさ)を作成する。ACS回路(推定系列確から
しさ出力手段の一例)は各ステート毎に一時刻過去の生
き残りパス(生き残っている推定系列)とパスメトリッ
ク(推定系列確からしさ)及びブランチメトリック(ス
テート確からしさ)を入力し、現時刻の生き残りパス
(現在の生き残り推定系列)とそのパスメトリック(推
定系列確からしさ)を出力する。伝送路推定回路は各ス
テート毎に受信信号と現時刻の生き残りパス(現在の生
き残り推定系列)を入力し、伝送路特性を推定し出力す
る。このようにステート毎に異なった複数の伝送路特性
を用意することにより、従来の選択回路による動作遅延
がなくなり伝送路特性の変動に対する追随特性が高ま
る。
【0062】請求項2記載の発明において、ステート数
個存在する伝送路推定回路に、更に一時刻過去の伝送路
特性の入力を追加することにより、演算量の削減が可能
となる。
【0063】請求項3記載の発明においては、伝送路特
性の特定のタップ(加重回路)を削除、または伝送路特
性の特定のタップ係数(加重)を特定の値に固定するこ
とにより、タップ数(加重回路数)の増加につれて耐雑
音特性や追随特性が劣化するという性質が緩和され、更
に演算量が削減できる。
【0064】請求項4記載の発明においては、特定のタ
ップ係数(加重)を使用しないことにより、使用するタ
ップ数(加重回路数)を削減でき、 雑音による推定誤
差が少なくなり、演算量が削減できる。
【0065】請求項5記載の発明においては、復号も同
時に行うことが可能となる。
【0066】請求項6記載の発明においては、周波数偏
差補正を行うため、周波数偏差を削減することが可能と
なる。
【0067】請求項7記載の発明においては、位相偏差
補正を行うため、位相偏差を削減することが可能とな
る。
【0068】請求項8記載の発明においては、伝送路特
性の過去における誤差量のバイアス値を利用ため、伝送
路特性推定誤差を削減することが可能となる。
【0069】
【実施例】実施例1.図1はこの発明の一実施例に係わ
る最尤系列推定装置の構成を示すブロック図である。図
1において、 先に述べた構成要素に対応するものには
同一の符号を付し、その説明を省略する。図1におい
て、1はステート数個の伝送路特性と受信信号を入力し
各ステートに対応するブランチメトリックを作成するブ
ランチメトリック作成回路、3a〜3mは各ステート毎
に受信信号と第1〜第MのACS回路2a〜2mからの
各現時刻の生き残りパスを入力し伝送路特性を推定し出
力するステート数個存在する第1〜第Mの伝送路推定回
路である。
【0070】図2はこの発明の一実施例に係わる上記ブ
ランチメトリック作成回路aを示すブロック図である。
図2において、先に述べた構成要素に対応するものには
同一の符号を付し、その説明を省略する。図2におい
て、9aは第1の伝送路特性入力端子、9mは第Mの伝
送路特性入力端子である。
【0071】次に動作について図1及び図2を用いて説
明する。なお、従来例と同一、または相当部分について
は重複説明を省略する。この実施例において、従来例と
相違する部分は、ブランチメトリック作成回路1が第1
の伝送路推定回路3aから第Mの伝送路推定回路3mの
M個の伝送路特性を入力してブランチメトリックを作成
すること、第1の伝送路推定回路3aが第1のACS回
路2aの出力する現時刻の生き残りパスを入力して伝送
路特性を推定し出力すること、同様に第Mの伝送路推定
回路3mが第MのACS回路2mの出力する現時刻の生
き残りパスを入力して伝送路特性を推定し出力すること
である。また、ブランチメトリック作成回路1につい
て、図13との相違は共通の伝送路特性を使用していた
のが、別々の伝送路特性を使用するようになった所であ
る。
【0072】従来の伝送路推定回路は複数のACS回路
から出力された複数のパスメトリックと生き残りパスを
入力し、選択回路によりその中から最も可能性の高いパ
スメトリックと生き残りパスを選択していたが、この実
施例によれば、伝送路推定回路をステートの個数分用意
し(即ちACS回路の数分だけ用意し)、各ACS回路
から出力されるパスメトリックと生き残りパスをそれぞ
れ入力する伝送路推定回路を設けることにより、伝送路
推定の動作が即時に行えることになる。また、伝送路推
定回路を複数設けた事により、各々の伝送路推定回路か
ら、伝送路特性が推定される事になる。これらの複数の
伝送路特性はブランチメトリック作成回路に入力される
ことになる。ブランチメトリック作成回路は、図2に示
すようにブランチメトリック計算回路にこれらの複数の
伝送路特性を入力する。このブランチメトリック計算回
路は第1から第Mの伝送路特性の中からそれぞれのブラ
ンチメトリックを計算するために必要な伝送路特性を選
択して使用することになる。ブランチメトリック計算回
路が使用する伝送路特性はアルゴリズムによって予め特
定されるものであり、この選択に関しては実質的に遅延
時間が発生することはない。以上のように、この実施例
は、伝送路特性に基づいて、現在の受信信号に対して生
起する可能性のある送信系列の組み合わせである各々の
ステートに対する確からしさと、過去のステートに繋が
る生き残り系列に対して既に計算され記憶された確から
しさとから、現在の各々のステートに対する最も生起す
る可能性の高い系列を生き残り系列として記憶するビタ
ビ・アルゴリズムを用いて、すべての受信信号を入力し
た後、最終的に残った唯一の生き残り系列である最尤系
列を送信信号の推定値として判定し出力する最尤系列推
定装置において、上記伝送路特性と上記受信信号を入力
し各ステートに対応するブランチメトリックを作成する
ブランチメトリック作成回路と、各ステート毎に一時刻
過去の生き残り系列とパスメトリック及びブランチメト
リックを入力し現在の生き残り系列とパスメトリックを
出力するステート数個存在するACS回路と、各ステー
ト毎に受信信号と上記現在の生き残り系列を入力し伝送
路特性を推定し出力するステート数個存在する伝送路推
定回路とを備えたことを特徴とする。
【0073】次に、この実施例の特徴は、第1の伝送路
推定回路3aから第Mの伝送路推定回路3mについて、
一時刻過去の伝送路特性を共有して、互いにアクセス可
能であるようにした所にあり、一時刻過去の伝送路特性
を用いて現時刻の伝送路特性を推定するようにしたた
め、演算量の削減が可能であることである。例えば第1
の伝送路推定回路において、一時刻過去の伝送路特性を
利用して現時刻の伝送路特性を推定する場合、一時刻過
去の伝送路特性が第1の伝送路推定回路によって推定さ
れた伝送路特性である場合には、自分自身が推定した伝
送路特性であるため、第1の伝送路推定回路がこの一時
刻過去の伝送路特性を用いて現時刻の伝送路特性を推定
する事が可能である。しかし、第1の伝送路推定回路が
第2の伝送路推定回路で推定された一時刻過去の伝送路
特性を利用したい場合には、第2の伝送路推定回路で推
定された一時刻過去の伝送路特性を第1の伝送路推定回
路に入力する必要が有る。従って、これら第1と第2の
伝送路推定回路は、一時刻過去に推定された伝送路特性
を他の伝送路推定回路が利用できるような入力手段をそ
れぞれ有することにしたものである。以上のように、こ
の実施例は、上記伝送路推定回路について、更にステー
ト数個存在する一時刻過去の伝送路特性の入力を追加し
たことを特徴とする。
【0074】上記実施例によれば、等化または復号及び
その両方を行う最尤系列推定器において、ステート毎に
伝送路推定回路を設け、ステート毎に異なった複数の伝
送路特性を用意することにより、従来のような伝送路特
性推定のための時間遅延が不要となり、その結果追随特
性の改善が期待できる。
【0075】また、上記実施例によれば、伝送路推定回
路に対して、更にステート数個存在する一時刻過去の伝
送路特性の入力を追加するので演算量が削減できる。
【0076】実施例2.図3はこの発明の一実施例に係
わるレプリカ作成回路を示すブロック図である。図にお
いて、先に述べた構成要素に対応するものには同一の符
号を付し、その説明を省略する。図において、18は第
2の固定タップである。ここで、図15との相違は第2
のタップを固定タップとした所である。
【0077】動作について図3を用いて説明する。な
お、従来例と同一、または相当部分にたういては重複説
明を省略する。この実施例において、従来例と相違する
部分は、ブランチメトリック計算回路と伝送路推定回路
中のレプリカ作成回路において、第2の可変タップ18
が第2の固定タップ18になったことである。特に、第
2の固定タップ18の係数を零とした場合は、第2のタ
ップを除去したことに相当する。つまり、調整するタッ
プ数を削減でき、雑音による伝送路特性推定誤差の削減
及び演算量の削減が期待できる。図3に示したレプリカ
作成回路は、ブランチメトリック計算回路と伝送路推定
回路の中に用いられるものである。ブランチメトリック
計算回路及び伝送路推定回路共に複数個存在しているた
め、例えば第1の伝送路推定回路においては第2の固定
タップ18の係数を0とし第2の伝送路推定回路におい
ては第2の固定タップ18の係数を1とすることが考え
られる。同様に第1と第2のブランチメトリック計算回
路においても、第2の固定タップ18の係数を一方を0
とし、他方を1とするような場合が考えられる。なお、
ブランチメトリック計算回路あるいは、伝送路推定回路
が複数存在する中でこれら複数の回路全てについて第2
の固定タップ18の係数を0とすることは第2の固定タ
ップを除去したことに相当する。即ち長さ2の(L=
2)のシフトレジスタが存在しており、第2の固定タッ
プが存在している場合でもこれら全ての係数が0である
場合にはシフトレジスタの長さが1(L=1)の場合に
相当する。
【0078】以上のように、この実施例は、各ステート
毎に受信信号と上記現在の生き残り系列を入力し伝送路
特性を推定し出力するステート数個存在する伝送路推定
回路を備え、上記伝送路推定回路が推定する特定の伝送
路特性のタップを削除、または特定の伝送路特性のタッ
プ係数を特定の値に固定するようにしたことを特徴とす
る。また、上記伝送路特性と上記受信信号を入力し各ス
テートに対応するブランチメトリックを作成するブラン
チメトリック作成回路を備え、上記ブランチメトリック
作成回路がブランチメトリックを作成する際に伝送路特
性の特定のタップを使用しないようにしたことを特徴と
する。この実施例によれば、伝送路特性の特定のタップ
を除去、または伝送路特性の特定のタップ係数を固定に
することにより、タップ数の増加につれて耐雑音特性や
追随特性が劣化してしまうという性質を緩和することが
できる。また、ブランチメトリック作成回路がブランチ
メトリックを作成する際に伝送路特性の特定のタップを
使用しないようにすれば、調整するタップ数が削減で
き、雑音による推定誤差が少なくなる。
【0079】実施例3.図4は復号も同時に行うブラン
チメトリック計算回路の動作を説明するためのブロック
図であり、図において、先に述べた構成要素に対応する
ものには同一の符号を付し、その説明を省略する。図
中、14は符号変換回路である。図5は同様に復号も同
時に行なう伝送路推定回路の動作を説明するためのブロ
ック図であり、図中14は符号変換回路である。
【0080】図6は上記符号変換回路の動作を説明する
ためのブロック図であり、図において、先に述べた構成
要素に対応するものには同一の符号を付し、その説明を
省略する。図中、22aは第1のmod2加算回路、2
2bは第2のmod2加算回路、23はマッピング回
路、24は符号変換データ出力端子である。
【0081】符号変換回路の動作について図6を用いて
説明する。シフトレジスタ15はパタンを入力し、順次
遅延を与えて出力する。第1のmod2加算回路22a
はシフトレジスタ15の出力する現時刻から2時刻過去
までの3つのデータを入力し、mod2の加算結果を出
力する。第2のmod2加算回路22bも同様に、現時
刻と2時刻過去の2つのデータを入力し、mod2の加
算結果を出力する。マッピング回路23は2系統のmo
d2加算結果を入力し、例えば複素数のマッピング結果
を出力する。
【0082】次に符号変換回路について図7を用いて、
説明する。図7には、一例として符号化率(レート)1
/2拘束長3の畳み込み符号化回路を示した。ここで
は、この符号化回路とマッパーを組み合わせて符号変換
回路とする。マッパーは2ビットのデータ系列から送信
信号を作成し、ビット入力と出力の関係は図7のように
なる。以上のように、この実施例は、更に、該ブランチ
メトリック作成回路がブランチメトリックを作成する際
に、入力する生き残りパスに対して予め決定しておいた
符号変換を施し、該符号変換系列を用いてブランチメト
リックを作成すること、該伝送路推定回路が入力する生
き残りパスに対して予め決定しておいた符号変換を施
し、該符号変換系列を用いて伝送路特性を推定すること
を特徴とする。
【0083】このように、この実施例のように復号も同
時に行った場合でも、前述した実施例1及び2の利点を
供与できる。
【0084】実施例4.次に、周波数偏差と位相偏差に
ついて説明する。変復調を行う通信系では、周波数f1
の搬送波周波数で変調され、周波数f2の搬送波周波数
で復調される。このf1 とf2 が同じ値であれば、時刻
nの受信信号rn は次のようになる。
【0085】
【数16】
【0086】しかし、f1 とf2 が異なる値である場合
は、時刻nのrn は次のようになる。
【0087】
【数17】
【0088】Θn =2π(f1 −f2 )n+θ ここで、f1 −f2 が周波数偏差、θが位相偏差に相当
し、周波数偏差を補正する場合は、 rn ←rn exp{−j(f1 −f2 )n} とすれば良く、位相偏差を補正する場合は、 rn ←rn exp{−jθ} とすれば良い。
【0089】このように、実施例1で述べた伝送路推定
を周波数偏差補正に置き換えることが可能であり、前述
した実施例の利点を供与できる。また、実施例1で述べ
た伝送路推定を位相偏差補正に置き換えることが可能で
あり、前述した実施例の利点を供与できる。また、実施
例1で述べた伝送路推定を周波数偏差補正に置き換える
ばかりでなく、伝送路推定回路に周波数偏差補正を加え
るようにしても構わない。さらに実施例1で述べた伝送
路推定を位相偏差補正に置き換えるばかりでなく、伝送
路推定回路に位相偏差補正を加えるようにしても構わな
い。
【0090】次に、伝送路特性の誤差のバイアス量につ
いて説明する。伝送路特性はci.n で表現できるが、仮
にci.n が、 ci.n =ci.n-1 +Δc であるとすると、ci.n は常時Δcだけ変化するもので
ある。時刻nの伝送路特性の推定値gi.n がci.n であ
ると、時刻n+1の伝送路特性と時刻nの伝送路特性の
推定値は常時Δcだけのバイアス値である誤差を有す
る。
【0091】したがって実施例1で述べた伝送路推定
を、例えば、数18,数19,数20なるアルゴリズム
を用いた構成もよい。
【0092】
【数18】
【0093】
【数19】
【0094】
【数20】
【0095】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、等化また
は復号及びその両方を行う最尤系列推定器において、伝
送路特性の変動に対する追随特性が向上する。また、タ
ップ数の増加に従って耐雑音特性や追随特性が劣化する
等の問題点を解決できる。更に、伝送路推定遅延のみで
なく、周波数推定偏差や位相推定偏差も削減が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すブロック図。
【図2】この発明のブランチメトリック作成回路の一実
施例を示すブロック図。
【図3】この発明のレプリカ作成回路の一実施例を示す
ブロック図。
【図4】この発明のブランチメトリック計算回路(復号
も同時に行う場合)の一実施例を示すブロック図。
【図5】この発明の伝送路推定回路(復号も同時に行う
場合)の一実施例を示すブロック図。
【図6】この発明の符号変換回路の一実施例を示すブロ
ック図。
【図7】この発明の符号変換回路の動作説明図。
【図8】FIRフィルタの説明図。
【図9】伝送路モデルの説明図。
【図10】フェージング波形の説明図。
【図11】トレリス図の説明図。
【図12】従来の実施例を示すブロック図。
【図13】従来のブランチメトリック作成回路の実施例
を示すブロック図。
【図14】ブランチメトリック計算回路の一実施例を示
すブロック図。
【図15】レプリカ作成回路の一実施例を示すブロック
図。
【図16】ACS回路の一実施例を示すブロック図。
【図17】伝送路推定回路の一実施例を示すブロック
図。
【符号の説明】
1 ブランチメトリック作成回路 2a 第1のACS回路 2m 第MのACS回路 3a 第1の伝送路推定回路 3m 第Mの伝送路推定回路 4 判定値作成回路 5 受信信号入力端子 6 判定値出力端子 7 パタンテーブル保持回路 8a 第1のブランチメトリック計算回路 8m 第Mのブランチメトリック計算回路 9a 第1の伝送路特性入力端子 9m 第Mの伝送路特性入力端子 9i 伝送路特性入力端子 10a 第1のブランチメトリック出力端子 10m 第Mのブランチメトリック出力端子 10i ブランチメトリック出力端子 11 レプリカ作成回路 12 演算回路 13 パタン入力端子 14 符号変換回路 15 シフトレジスタ 16 第0の可変タップ 17 第1の可変タップ 18 第2の可変タップ 18 第2の固定タップ 19 加算回路 20 データ入力端子 21 レプリカ出力端子 22a 第1のmod2加算回路 22b 第2のmod2加算回路 23 マッピング回路 24 符号変換出力端子 25a 第1のメトリック加算回路 25m 第Mのメトリック加算回路 26 メトリック・パス選択回路 27a 第1のブランチメトリック入力端子 27m 第Mのブランチメトリック入力端子 28 判定値候補出力端子 29 パスメトリック出力端子 30 誤差作成回路 31 タップ調整回路 32 生き残りパス入力端子 33 伝送路特性出力端子

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の要素を有する最尤系列推定装置 (a)伝送路を介して受信した受信信号を入力し、受信
    信号に対して生起する可能性のある送信信号の組合せで
    あるステート各々に対応して推定された伝送路特性の推
    定値に基づいて、各々のステートに対する確からしさを
    出力するステート確からしさ出力手段、 (b)各々のステートに対応して設けられ、上記ステー
    ト確からしさ出力手段により出力された各ステートの確
    からしさをそれぞれ入力し、各ステートに対して送信信
    号の候補として生き残っている送信信号の推定系列とそ
    の推定系列に対する確からしさを出力する推定系列確か
    らしさ出力手段、 (c)各々のステートに対応して設けられ、上記受信信
    号と推定系列を入力し、各ステート毎に伝送路の特性を
    推定して各ステートに対応した伝送路特性の推定値を上
    記ステート確からしさ出力手段へ出力する伝送路推定手
    段。
  2. 【請求項2】 上記最尤系列推定装置において、各伝送
    路推定手段は伝送路推定手段により推定された過去の伝
    送路特性の推定値を入力する手段を有することを特徴と
    する請求項1記載の最尤系列推定装置。
  3. 【請求項3】 上記最尤系列推定装置において、伝送路
    推定手段は、信号に順次遅延を与える遅延回路と、遅延
    回路により出力される信号に対して伝送路推定のための
    加重を加える複数の加重回路と、加重回路により加算さ
    れた信号を加算して加算信号を出力する加算回路を有
    し、受信信号と加算信号との差に基づいて上記加重回路
    の加重を調整することにより伝送路の特性を推定するも
    のであり、上記複数の加重回路のうち少なくともひとつ
    の加重回路の加重を固定すること、あるいは、少なくと
    もひとつの加重回路を削除することを特徴とする請求項
    1又は2記載の最尤系列推定装置。
  4. 【請求項4】 上記最尤系列推定装置において、ステー
    ト確からしさ推定手段は、信号に順次遅延を与える遅延
    回路と、遅延回路により出力される信号に対して伝送路
    推定のための加重を加える複数の加重回路と、加重回路
    により加算された信号を加算して加算信号を出力する加
    算回路を有し、加算信号を受信信号に対して生起する可
    能性のある送信信号とする場合のステートの確からしさ
    を出力するものであり、上記複数の加重回路のうち少な
    くともひとつの加重回路の加重を無視することを特徴と
    する請求項1、2、又は3記載の最尤系列推定装置。
  5. 【請求項5】 上記最尤系列推定装置において、推定系
    列確からしさ出力手段と伝送路推定手段は、送信信号の
    推定系列に対して符号変換を施す手段を備えていること
    を特徴とする請求項1、2、3、又は、4記載の最尤系
    列推定装置。
  6. 【請求項6】 上記最尤系列推定装置において、伝送路
    推定手段は送信信号の推定系列と受信信号から周波数偏
    差量を推定し、この周波数偏差量に基づいて伝送路特性
    の推定値を求めることを特徴とする請求項1、2、3、
    4、又は、5記載の最尤系列推定装置。
  7. 【請求項7】 上記最尤系列推定装置において、伝送路
    推定手段は送信信号の推定系列と受信信号から位相偏差
    量を推定しこの位相偏差量に基づいて伝送路特性の推定
    値を求めることを特徴とする請求項1、2、3、4、
    5、又は、6記載の最尤系列推定装置。
  8. 【請求項8】 上記最尤系列推定装置において、伝送路
    推定手段は送信信号の推定系列と受信信号から過去の誤
    差量のバイアス値を求め、この過去の誤差量のバイアス
    値に基づいて伝送路特性の推定値を求めることを特徴と
    する請求項1、2、3、4、5、6、又は、7記載の最
    尤系列推定装置。
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