JPH05198435A - 着磁体およびその製造方法 - Google Patents

着磁体およびその製造方法

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JPH05198435A
JPH05198435A JP4030066A JP3006692A JPH05198435A JP H05198435 A JPH05198435 A JP H05198435A JP 4030066 A JP4030066 A JP 4030066A JP 3006692 A JP3006692 A JP 3006692A JP H05198435 A JPH05198435 A JP H05198435A
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magnetized
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magnetic body
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Tadashi Sugihara
忠 杉原
Kazufumi Yoshida
和史 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 着磁治具の鉄製の棒の加工精度に左右され
ず、それ以上に着磁幅を小さくすることにより、例えば
磁気式リニアエンコーダとしての位置分解能を高めるこ
とができる着磁体およびその製造方法を提供する。 【構成】 シリコンウェーハ1の面上に不連続の磁性体
膜2を形成し、この磁性体膜2をパルス着磁法を用いて
磁化させる。この結果、各磁性体膜2が不連続膜として
形成されているので、一つの磁性体膜2を磁化すると
き、隣の磁性体膜はその磁化による影響を受けにくい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動焦点カメラ
のレンズの位置をミクロン単位で精密に検出する直線位
置センサとして用いられる磁気式リニアエンコーダの着
磁体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】直線位置センサは、機械の可動部の位置
を検出するもので、リニアセンサとも呼ばれている。こ
のリニアセンサは、自動焦点カメラのレンズ位置制御の
他、工作機械の送り軸・XYテーブル・組立ロボット等
の産業機械、記録計・プロッタ・磁気ディスク等のOA
機器などに広く使用されている。リニアセンサの検出原
理を大別すると、デジタル式とアナログ式の2種類に分
類することができる。そして、このデジタル式リニアセ
ンサは、スケールに記録した規則的な模様を読み取っ
て、位置信号を出力するものである。さらに、スケール
の模様の記録や読み取り原理によって、デジタル式リニ
アセンサは光学式と磁気式、電磁誘導式の三つに分けら
れる。
【0003】デジタル式の代表格の一つである磁気式の
直線位置センサは、磁気式リニアエンコーダとも呼ばれ
ている。この磁気式リニアエンコーダは、以下のように
製造される。まず、保磁力(抗磁力)Hcと、残留応力
r、角形比Rがともに大きなFeCoやNiCoなど
の強磁性体やプラスチックマグネットが、平板状の基板
の表面に塗布またはメッキされ、10〜15μmの厚さ
の磁性体膜が平板状の基板表面に形成される。次に、こ
の磁性体膜を一定間隔に磁化してスケール(着磁体)が
作られる。この着磁体の磁極の読み取りには、磁束応答
型の磁気ヘッドが用いられている。
【0004】ところで、着磁体の製造方法は、従来、パ
ルス着磁法等を用いて行われていた。パルス着磁法は、
先端が突起形状に加工された鉄製の棒と、この鉄製の棒
の周囲に巻かれたコイルを有した着磁治具により行われ
る方法である。例えば、基体上面全体に均一厚さに被着
された磁性体膜の上方に鉄製の棒を接近して保持し、コ
イルにパルス電流を流す。この結果、この磁性体膜の一
部、すなわち棒に近接した部分は、例えばその表面がN
極に着磁される。さらに、この着磁部分から一定間隔離
れた位置に、棒を移動して、パルス電流を流す。この結
果、この磁性体膜の上記N極着磁部分に隣接した部分
は、その表面がS極となるように着磁される。この操作
を磁性体膜上で一定間隔毎に繰り返すことにより、磁性
体膜は一定間隔毎に交互に着磁されるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
パルス着磁法を用いた着磁体の製造方法にあっては、着
磁治具の鉄製の棒の先端の突起の曲率半径が100μm
程度までしか細く加工することができなかった。その結
果、着磁幅が200μmの間隔までしか磁性体膜につい
て磁化できないという課題があった。
【0006】そこで、本発明は、着磁治具の鉄製の棒の
加工精度に左右されず、それ以上に着磁幅を小さくする
ことにより、例えば磁気式リニアエンコーダとしての位
置分解能を高めることができる着磁体およびその製造方
法を提供することを、その目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
着磁体においては、非磁性体の材料からなる基体上に着
磁部が不連続に位置するものである。
【0008】本発明の請求項2に係る着磁体の製造方法
においては、非磁性体の材料からなる基体上に不連続の
磁性体を形成し、着磁治具を接近させて上記磁性体を磁
化するものである。
【0009】
【作用】上記のように構成された着磁体およびその製造
方法にあっては、磁性体が不連続膜、例えば磁性体膜は
複数部分に分割されて、その分割部分間には非磁性体部
分が存在する。このため、その磁性体膜の一部を磁化す
るとき、隣の膜部分まで磁化することはない。したがっ
て、磁性体膜の各分割部分の間隔を小さくすることによ
り、着磁幅を小さくすることができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明に係る着磁体およびその製造方
法の実施例について、図面を参照して説明する。図1は
本発明の一実施例に係る着磁体を製造するための装置の
概略を示す断面図である。
【0011】まず、図1に示すように、表面に複数の溝
が形成されたシリコンウェーハ1を準備する。これらの
溝は、その幅を50μmに、その深さを50μmに形成
してある。また、これらの溝間の間隔は50μmであ
り、したがって溝のピッチは100μmとなる。これら
の溝は、例えば周知のレジストプロセスを用いたエッチ
ング法で形成してもよく、また、切削等の機械的加工に
よって形成してもよい。次に、シリコンウェーハ1の上
面(これらの溝を除いた部分)にレジストを被着する。
そして、シリコンウェーハ1の上面全体に、プラスチッ
クマグネットの磁性体膜を所定の厚さに被着する。そし
て、レジストとともにレジスト上に被着された磁性体膜
をリフトオフする。この結果、シリコンウェーハ1上に
は各磁性体膜2同士の間隔が50μmに形成され、磁性
体膜2は不連続に被着できるものである。そして、この
方法は、メッキ等の厚膜法でも、イオンプレーティング
法等の薄膜法でもよい。
【0012】次いで、着磁治具5を準備する。この着磁
治具5は、その先端の突起部の曲率半径が100μmの
鉄製の棒3と、この鉄製の棒3の周りに3ターンで巻か
れたコイル4と、を有している。また、このコイル4の
両端はそれぞれパルス発生用電源(図示していない)に
接続されている。そして、この着磁治具5をシリコンウ
ェーハ1の上方で移動し、各磁性体膜2の上方に所定間
隔離して位置させて、各磁性体膜2の着磁方向がそれぞ
れ交互に変化するように、パルス発生用電源のパルス電
流をコイル4に流す。この結果、各磁性体膜2は100
μmの間隔に着磁できるものである。図中矢印はN極か
らS極への磁力線の向きを示している。これは、各磁性
体膜2が不連続膜として形成されているので、一つの磁
性体膜2を磁化するとき、隣の磁性体膜はその磁化によ
る影響を受けにくいからである。なお、永久磁石を用い
た着磁治具により磁性体膜を着磁してもよい。
【0013】このようにして作製された着磁体は、例え
ば磁気式リニアエンコーダに用いられる。磁気式リニア
エンコーダでは、読み取りヘッドによりこの着磁体の磁
極を読み取るものである。この読み取りヘッドには、M
R素子(磁気抵抗素子)を配列したものを用いている。
MR素子は自動焦点カメラのレンズが静止状態でも、そ
の位置を読み取ることができるものである。
【0014】次に、MR素子で読み取った位置信号に
は、各磁性体膜2の着磁体の100μmのピッチ以上に
高い分解能を得ることができる内挿処理を施す。この内
挿処理はデジタル回路によって位置信号を加工すること
により行うものである。詳しくは、MR素子に一定周波
数の信号を与え、この信号の周波数が位置によって変化
することを利用して位置情報を位相情報に変換し、この
変換値をデジタル的に分割したものである。本実施例で
は着磁ピッチを従来の半分としているのでより位置分解
能を高めることができる。
【0015】なお、シリコンウェーハの面上への磁性体
膜の形成は、図2に示すように、シリコンウェーハ1の
溝以外の部分に磁性体膜6を形成してもよい。または、
図3に示すように、シリコンウェーハ7上面に溝を形成
することなく、シリコンウェーハ7の上面に等間隔に磁
性体膜8を形成してもよい。さらに、鉄製の棒の突起部
分の曲率半径が100μm未満に加工できれば、それに
合わせて不連続の磁性体膜のピッチを短くすることによ
り、より高い位置分解能を得ることができる。なお、不
連続の磁性体膜のピッチを短くし、かつ、磁性体膜の膜
厚(溝の深さ)を大きくすることにより、着磁体の幅を
長くしたときと同様に、着磁体による磁界強度を保持で
きるとともに、外部の磁界からの影響を受け難くするこ
ともできる。
【0016】同様に、磁気式ロータリエンコーダの回転
ドラムも、図4に示すように、円板形の基板の外周に不
連続に着磁したスケール(着磁体)を製造することがで
きる。この結果、磁気式ロータリエンコーダの分解能を
上げることができる。また、ステップモータの回転子に
適用しモータのマイクロ化に応用できる。
【0017】また、本発明の着磁体は、超LSI製造用
シリコンウェーハのデバイス形成領域以外の部分に形成
することもできる。このときの着磁体は、光、X線、電
子線、イオン線などのリソグラフィ工程に用いられる位
置合わせマークに使用することにより、このマークを磁
気的に計測できる。
【0018】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明に係る着
磁体およびその製造方法によれば、着磁治具の鉄製の棒
の加工精度に左右されず、それ以上に着磁幅を小さくす
ることにより、例えば磁気式リニアエンコーダとしての
位置分解能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る着磁体の製造装置を示
す概略図である。
【図2】本発明の一実施例に係る磁性体の形成工程を示
す断面図である。
【図3】本発明の一実施例に係る磁性体の形成工程を示
す断面図である。
【図4】本発明の一実施例に係る磁気式ロータリエンコ
ーダの回転ドラムの着磁体を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 シリコンウェーハ 2 磁性体膜 3 鉄製の棒 4 コイル 5 着磁治具

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性体の材料からなる基体上に着磁部
    が不連続に位置することを特徴とする着磁体。
  2. 【請求項2】 非磁性体の材料からなる基体上に不連続
    の磁性体を形成し、着磁治具を接近させて上記磁性体を
    磁化することを特徴とする着磁体の製造方法。
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