JPH05198401A - 抵抗器 - Google Patents
抵抗器Info
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- JPH05198401A JPH05198401A JP2911192A JP2911192A JPH05198401A JP H05198401 A JPH05198401 A JP H05198401A JP 2911192 A JP2911192 A JP 2911192A JP 2911192 A JP2911192 A JP 2911192A JP H05198401 A JPH05198401 A JP H05198401A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電流検出用の抵抗器において、高周波電流に
よる残留インダクタンスを小さくして電流を正確に測定
すると共に小形化を図る。 【構成】 薄い帯板状の抵抗体材料71の長手方向の両
側辺に、外側方から交互に内方に向かうスリット1をそ
の長手方向に直角に等ピッチで所定の奥行きだけ入れて
連続コ字形の電流通路を形成し、この抵抗体材料71の
長手方向の中央部に形成されたコ字形部分の左右対称の
位置で略U字形に折り曲げて抵抗体2を形成し、この抵
抗体2の両端部にリード端子3,3を固定する。これに
より、上記電流通路を高周波電流が流れる場合は、その
電流通路の横断面における電流の方向は隣り合うもの同
士で反対方向となるため、電流が作る磁界も反対方向と
なり、互いに打ち消し合うようにすることができる。
よる残留インダクタンスを小さくして電流を正確に測定
すると共に小形化を図る。 【構成】 薄い帯板状の抵抗体材料71の長手方向の両
側辺に、外側方から交互に内方に向かうスリット1をそ
の長手方向に直角に等ピッチで所定の奥行きだけ入れて
連続コ字形の電流通路を形成し、この抵抗体材料71の
長手方向の中央部に形成されたコ字形部分の左右対称の
位置で略U字形に折り曲げて抵抗体2を形成し、この抵
抗体2の両端部にリード端子3,3を固定する。これに
より、上記電流通路を高周波電流が流れる場合は、その
電流通路の横断面における電流の方向は隣り合うもの同
士で反対方向となるため、電流が作る磁界も反対方向と
なり、互いに打ち消し合うようにすることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低抵抗値を有し主とし
て高周波電流を測定する電流検出用の抵抗器に関し、特
に高周波電流による残留インダクタンスを小さくして電
流を正確に測定することができると共に小形化を図るこ
とができる抵抗器に関する。
て高周波電流を測定する電流検出用の抵抗器に関し、特
に高周波電流による残留インダクタンスを小さくして電
流を正確に測定することができると共に小形化を図るこ
とができる抵抗器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の抵抗器は、例えば図9に
示すように、適切な組成のニクロム(Ni-Cr合金)又は
コンスタンタン(Cu-Ni合金)などから成る薄い帯板
状の抵抗体材料の長手方向の両側辺に、外側方から交互
に内方に向かうスリット1,1,…をその長手方向に直
角に等ピッチで所定の奥行きだけ入れて連続コ字形の電
流通路を形成して抵抗体2を形成し、この抵抗体2の左
右両端部にリード端子3,3を固定して成っていた。そ
して、このように形成された抵抗体2を、図10に示す
ように、例えば長方形の箱状に形成されたセラミックケ
ース4等に収納し、このセラミックケース4内に例えば
無機酸化物粉体とバインダとで作られた充てん剤5を充
てんして、上記抵抗体2及びリード端子3をセラミック
ケース4に固定することにより、抵抗器6を構成してい
た。
示すように、適切な組成のニクロム(Ni-Cr合金)又は
コンスタンタン(Cu-Ni合金)などから成る薄い帯板
状の抵抗体材料の長手方向の両側辺に、外側方から交互
に内方に向かうスリット1,1,…をその長手方向に直
角に等ピッチで所定の奥行きだけ入れて連続コ字形の電
流通路を形成して抵抗体2を形成し、この抵抗体2の左
右両端部にリード端子3,3を固定して成っていた。そ
して、このように形成された抵抗体2を、図10に示す
ように、例えば長方形の箱状に形成されたセラミックケ
ース4等に収納し、このセラミックケース4内に例えば
無機酸化物粉体とバインダとで作られた充てん剤5を充
てんして、上記抵抗体2及びリード端子3をセラミック
ケース4に固定することにより、抵抗器6を構成してい
た。
【0003】そして、このように構成された抵抗器6
は、例えばその抵抗値が1mΩ〜1Ωと小さく、10〜100
A程度の大電流が流れる回路に挿入してその抵抗体2で
発生する数ボルト以下の電圧降下によって、上記回路に
流れる電流を正確に測定しようとする電流検出用の抵抗
器としてよく用いられていた。
は、例えばその抵抗値が1mΩ〜1Ωと小さく、10〜100
A程度の大電流が流れる回路に挿入してその抵抗体2で
発生する数ボルト以下の電圧降下によって、上記回路に
流れる電流を正確に測定しようとする電流検出用の抵抗
器としてよく用いられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の抵抗器6においては、上記抵抗体2の電流通路が10
0mm以下と短く抵抗値が低いものであっても、高周波電
流を測定した場合は、その電流通路に生じる磁束の逆起
電力によって残留インダクタンスが発生し、その残留イ
ンダクタンスは例えば0.1μH程度になるものであっ
た。ここで、交流又は高周波電流の周波数が例えば1M
Hz以上に達すると、上記の0.1μHの残留インダクタン
スによるインピーダンスは、 となり、直流抵抗が0.1〜0.01Ωの電流検出用の抵抗器
では、その残留インダクタンスを無視できなくなる。
来の抵抗器6においては、上記抵抗体2の電流通路が10
0mm以下と短く抵抗値が低いものであっても、高周波電
流を測定した場合は、その電流通路に生じる磁束の逆起
電力によって残留インダクタンスが発生し、その残留イ
ンダクタンスは例えば0.1μH程度になるものであっ
た。ここで、交流又は高周波電流の周波数が例えば1M
Hz以上に達すると、上記の0.1μHの残留インダクタン
スによるインピーダンスは、 となり、直流抵抗が0.1〜0.01Ωの電流検出用の抵抗器
では、その残留インダクタンスを無視できなくなる。
【0005】すなわち、0.1Ωの電流検出用の抵抗器に
よって、1MHz程度の高周波電流を測定する際には、抵
抗値0.1Ωに対して(0.1+0.628)Ωまでインピーダン
スが上昇してしまうものであった。従って、このような
抵抗器6においては、測定しようとする高周波電流に対
して大きな誤差を生じることとなり、正確な電流測定が
できないことがあった。また、電流通路が長くなるとそ
れだけ抵抗体2も大きくなり、抵抗器6の全体を十分に
小形化することができないものであった。このことか
ら、抵抗器6の実装スペースを十分に節約できないこと
があった。
よって、1MHz程度の高周波電流を測定する際には、抵
抗値0.1Ωに対して(0.1+0.628)Ωまでインピーダン
スが上昇してしまうものであった。従って、このような
抵抗器6においては、測定しようとする高周波電流に対
して大きな誤差を生じることとなり、正確な電流測定が
できないことがあった。また、電流通路が長くなるとそ
れだけ抵抗体2も大きくなり、抵抗器6の全体を十分に
小形化することができないものであった。このことか
ら、抵抗器6の実装スペースを十分に節約できないこと
があった。
【0006】そこで、本発明は、このような問題点に対
処し、高周波電流による残留インダクタンスを小さくし
て電流を正確に測定することができると共に小形化を図
ることができる抵抗器を提供することを目的とする。
処し、高周波電流による残留インダクタンスを小さくし
て電流を正確に測定することができると共に小形化を図
ることができる抵抗器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による抵抗器は、薄い帯板状の抵抗体材料の
長手方向の両側辺に、外側方から交互に内方に向かうス
リットをその長手方向に直角に等ピッチで所定の奥行き
だけ入れて連続コ字形の電流通路を形成し、この抵抗体
材料の長手方向の中央部に形成されたコ字形部分の左右
対称の位置で略U字形に折り曲げて抵抗体を形成し、こ
の抵抗体の両端部にリード端子を固定したものである。
に、本発明による抵抗器は、薄い帯板状の抵抗体材料の
長手方向の両側辺に、外側方から交互に内方に向かうス
リットをその長手方向に直角に等ピッチで所定の奥行き
だけ入れて連続コ字形の電流通路を形成し、この抵抗体
材料の長手方向の中央部に形成されたコ字形部分の左右
対称の位置で略U字形に折り曲げて抵抗体を形成し、こ
の抵抗体の両端部にリード端子を固定したものである。
【0008】また、上記抵抗体材料のスリットは、奥行
きの行止まり部を略円形に打ち抜き、ここから外側辺に
至るまでは上記の円の直径よりも細幅の直線溝として打
ち抜いて形成すると効果的である。
きの行止まり部を略円形に打ち抜き、ここから外側辺に
至るまでは上記の円の直径よりも細幅の直線溝として打
ち抜いて形成すると効果的である。
【0009】さらに、上記抵抗体材料の折曲げ部は、外
方へ略円形にふくらませて略U字形に折り曲げると効果
的である。
方へ略円形にふくらませて略U字形に折り曲げると効果
的である。
【0010】
【作用】このように構成された抵抗器は、連続コ字形の
電流通路を形成した抵抗体材料の長手方向の中央部に形
成されたコ字形部分の左右対称の位置で略U字形に折り
曲げて抵抗体を形成したことにより、上記電流通路を高
周波電流が流れる場合は、その電流通路の横断面におけ
る電流の方向は隣り合うもの同士で反対方向となるた
め、電流が作る磁界も反対方向となり、互いに打ち消し
合うように動作する。これにより、上記高周波電流によ
る抵抗器の残留インダクタンスを小さくして、この残留
インダクタンスによるインピーダンスを抑えることがで
きる。
電流通路を形成した抵抗体材料の長手方向の中央部に形
成されたコ字形部分の左右対称の位置で略U字形に折り
曲げて抵抗体を形成したことにより、上記電流通路を高
周波電流が流れる場合は、その電流通路の横断面におけ
る電流の方向は隣り合うもの同士で反対方向となるた
め、電流が作る磁界も反対方向となり、互いに打ち消し
合うように動作する。これにより、上記高周波電流によ
る抵抗器の残留インダクタンスを小さくして、この残留
インダクタンスによるインピーダンスを抑えることがで
きる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。図1(a),(b)は本発明による抵
抗器の実施例を示す正面図及び側面図である。この抵抗
器は、例えば1mΩ〜1Ωの低抵抗値を有し主として高
周波電流を測定する電流検出用のもので、図に示すよう
に、抵抗体2と、リード端子3とを備えて成る。
詳細に説明する。図1(a),(b)は本発明による抵
抗器の実施例を示す正面図及び側面図である。この抵抗
器は、例えば1mΩ〜1Ωの低抵抗値を有し主として高
周波電流を測定する電流検出用のもので、図に示すよう
に、抵抗体2と、リード端子3とを備えて成る。
【0012】上記抵抗体2は、測定対象の電流を流すこ
とによって発生する電圧降下によりその回路の電流を検
出する素子となるもので、図2に示すようにして製造さ
れる。まず、図2(a)に示すように、例えばニクロム
(Ni-Cr合金)又はコンスタンタン(Cu-Ni合金)な
どから成る薄い帯板状の抵抗体材料7の長手方向の両側
辺に、外側方から交互に内方に向かうスリット1,1,
…を、その長手方向に直角に等ピッチpで所定の奥行き
だけ入れて、連続コ字形の電流通路を形成する。このと
き、上記抵抗体材料7の厚さは、例えば0.02〜1.0mm程
度であり、帯板状の幅は1〜50mm程度である。また、上
記スリット1,1,…を入れるには、電解エッチングあ
るいは冷間プレス切断によって打ち抜けばよい。この状
態で、図2(a)に示すように、所望の抵抗値を得るの
に必要な適宜の間隔だけ離れた位置AとBとにおいて、
上記抵抗体材料7を切断し、同図(b)に示すように、
単位素子としての抵抗体材料71を形成する。
とによって発生する電圧降下によりその回路の電流を検
出する素子となるもので、図2に示すようにして製造さ
れる。まず、図2(a)に示すように、例えばニクロム
(Ni-Cr合金)又はコンスタンタン(Cu-Ni合金)な
どから成る薄い帯板状の抵抗体材料7の長手方向の両側
辺に、外側方から交互に内方に向かうスリット1,1,
…を、その長手方向に直角に等ピッチpで所定の奥行き
だけ入れて、連続コ字形の電流通路を形成する。このと
き、上記抵抗体材料7の厚さは、例えば0.02〜1.0mm程
度であり、帯板状の幅は1〜50mm程度である。また、上
記スリット1,1,…を入れるには、電解エッチングあ
るいは冷間プレス切断によって打ち抜けばよい。この状
態で、図2(a)に示すように、所望の抵抗値を得るの
に必要な適宜の間隔だけ離れた位置AとBとにおいて、
上記抵抗体材料7を切断し、同図(b)に示すように、
単位素子としての抵抗体材料71を形成する。
【0013】次に、図2(b)に示すように、上記のよ
うに切断された抵抗体材料71の長手方向の中央部に形
成されたコ字形部分Cの中心にて左右対称の位置Dで、
図1(b)に示すように略U字形に折り曲げて、抵抗体
2を形成する。このとき、上記折曲げ位置Dは、抵抗体
材料71の中心にて左右対称の位置となっているので、
上記のように略U字形に折り曲げた後の各スリット1,
1,…は、図1(a)に示すように、折り曲げた一片側
と他片側とで同一位置に対応している。そして、この状
態で、図1(a),(b)に示すように、上記のように
形成された抵抗体2の両端部にリード端子3,3を溶接
又はネジ止めなどにより固定する。このリード端子3,
3は、上記の抵抗体2をプリント基板8等に実装するた
めのものである。これにより、抵抗器が形成される。
うに切断された抵抗体材料71の長手方向の中央部に形
成されたコ字形部分Cの中心にて左右対称の位置Dで、
図1(b)に示すように略U字形に折り曲げて、抵抗体
2を形成する。このとき、上記折曲げ位置Dは、抵抗体
材料71の中心にて左右対称の位置となっているので、
上記のように略U字形に折り曲げた後の各スリット1,
1,…は、図1(a)に示すように、折り曲げた一片側
と他片側とで同一位置に対応している。そして、この状
態で、図1(a),(b)に示すように、上記のように
形成された抵抗体2の両端部にリード端子3,3を溶接
又はネジ止めなどにより固定する。このリード端子3,
3は、上記の抵抗体2をプリント基板8等に実装するた
めのものである。これにより、抵抗器が形成される。
【0014】図3は抵抗体2へのリード端子3,3の取
り付け方の他の実施例を示す正面図及び側面図である。
この実施例は、図3(b)に示すように、略U字形に折
り曲げた抵抗体2の下端部をそれぞれ外側方へ略直角に
折り曲げ、この折り曲げた部位に側面視で倒L字形のリ
ード端子3′,3′を固定したものである。また、図4
は抵抗体2へのリード端子3,3の取り付け方の更に他
の実施例を示す正面図及び側面図である。この実施例
は、図4(a)に示すように、図1(a)に示す抵抗体
2を側方へ略90度倒した状態で上記抵抗体2の一側端部
に下方へ突出して水平に伸びるリード端子3″,3″を
固定したものである。
り付け方の他の実施例を示す正面図及び側面図である。
この実施例は、図3(b)に示すように、略U字形に折
り曲げた抵抗体2の下端部をそれぞれ外側方へ略直角に
折り曲げ、この折り曲げた部位に側面視で倒L字形のリ
ード端子3′,3′を固定したものである。また、図4
は抵抗体2へのリード端子3,3の取り付け方の更に他
の実施例を示す正面図及び側面図である。この実施例
は、図4(a)に示すように、図1(a)に示す抵抗体
2を側方へ略90度倒した状態で上記抵抗体2の一側端部
に下方へ突出して水平に伸びるリード端子3″,3″を
固定したものである。
【0015】なお、図1及び図3並びに図4に示すよう
に形成された抵抗体2及びリード端子3(3′,3″)
は、従来例の図10に示すと同様に、例えばセラミック
ケース4等に収納され、このセラミックケース4内に充
てん剤5を充てんして、上記抵抗体2及びリード端子3
(3′,3″)をセラミックケース4に固定することに
より、抵抗器が完成される。
に形成された抵抗体2及びリード端子3(3′,3″)
は、従来例の図10に示すと同様に、例えばセラミック
ケース4等に収納され、このセラミックケース4内に充
てん剤5を充てんして、上記抵抗体2及びリード端子3
(3′,3″)をセラミックケース4に固定することに
より、抵抗器が完成される。
【0016】次に、このように構成された抵抗器に高周
波電流を流した場合について、図5を参照して説明す
る。まず、図5(a)に示すように、略U字形に折り曲
げられた抵抗体2に対して、リード端子3(図示省略)
を介して矢印E,Fの方向に電流を流したとする。この
とき、図2(b)に示すように、上記抵抗体2には連続
コ字形の電流通路が形成されているので、図5(b)に
示すように、上記電流通路の各部分2a,2b,2cに
おいて流れる電流の向きは、図示の矢印のように互いに
反対向きとなる。そして、図5(a)に示すように抵抗
体2は略U字形に折り曲げられているので、図5(b)
に示す側片と対向する側片においては、それと全く逆の
関係になる。すなわち、図5(c)に示すように、同図
(b)のG−G線断面を考えると、上記両側片の隣り合
う電流通路2a,2b,2c;2a′,2b′,2c′
において、電流の方向は互いに反対向きとなる。従っ
て、いま、電流通路2bと2b′とに着目すると、その
部分を流れる電流によって発生する磁界φ1,φ2も反対
方向となり、互いに打ち消し合うこととなる。同様に、
電流通路2aと2a′との間、2cと2c′との間にお
いても、発生する磁界を互いに打ち消し合うこととな
る。そして、この磁界の打消し効果は、抵抗体2のいず
れの場所においても発生する。
波電流を流した場合について、図5を参照して説明す
る。まず、図5(a)に示すように、略U字形に折り曲
げられた抵抗体2に対して、リード端子3(図示省略)
を介して矢印E,Fの方向に電流を流したとする。この
とき、図2(b)に示すように、上記抵抗体2には連続
コ字形の電流通路が形成されているので、図5(b)に
示すように、上記電流通路の各部分2a,2b,2cに
おいて流れる電流の向きは、図示の矢印のように互いに
反対向きとなる。そして、図5(a)に示すように抵抗
体2は略U字形に折り曲げられているので、図5(b)
に示す側片と対向する側片においては、それと全く逆の
関係になる。すなわち、図5(c)に示すように、同図
(b)のG−G線断面を考えると、上記両側片の隣り合
う電流通路2a,2b,2c;2a′,2b′,2c′
において、電流の方向は互いに反対向きとなる。従っ
て、いま、電流通路2bと2b′とに着目すると、その
部分を流れる電流によって発生する磁界φ1,φ2も反対
方向となり、互いに打ち消し合うこととなる。同様に、
電流通路2aと2a′との間、2cと2c′との間にお
いても、発生する磁界を互いに打ち消し合うこととな
る。そして、この磁界の打消し効果は、抵抗体2のいず
れの場所においても発生する。
【0017】上記の抵抗体2における磁界の打消し効果
によって、該抵抗体2に発生する高周波電流による残留
インダクタンスを小さくすることができる。従って、本
発明による抵抗器によれば、上記残留インダクタンスに
よるインピーダンスも小さくすることができる。ここ
で、上記抵抗器のインピーダンスの周波数特性を示す
と、図6のグラフのようになる。このグラフで、カーブ
C1は図9に示す従来の抵抗器6のようにその抵抗体2
を折り曲げていないものの場合を示し、カーブC2は図
1,図3,図4に示す本発明の抵抗器のようにその抵抗
体2を略U字形に折り曲げたものの場合を示し、カーブ
C3は本発明の抵抗器において抵抗体2を深く折り曲げ
たものの場合を示している。この図6に示すグラフから
明らかなように、抵抗体2を略U字形に折り曲げたもの
の場合は、高い周波数においてもインピーダンスを低く
抑えることができ、インピーダンスの高周波特性を改善
することができる。
によって、該抵抗体2に発生する高周波電流による残留
インダクタンスを小さくすることができる。従って、本
発明による抵抗器によれば、上記残留インダクタンスに
よるインピーダンスも小さくすることができる。ここ
で、上記抵抗器のインピーダンスの周波数特性を示す
と、図6のグラフのようになる。このグラフで、カーブ
C1は図9に示す従来の抵抗器6のようにその抵抗体2
を折り曲げていないものの場合を示し、カーブC2は図
1,図3,図4に示す本発明の抵抗器のようにその抵抗
体2を略U字形に折り曲げたものの場合を示し、カーブ
C3は本発明の抵抗器において抵抗体2を深く折り曲げ
たものの場合を示している。この図6に示すグラフから
明らかなように、抵抗体2を略U字形に折り曲げたもの
の場合は、高い周波数においてもインピーダンスを低く
抑えることができ、インピーダンスの高周波特性を改善
することができる。
【0018】図7は本発明の第二の実施例を示す要部拡
大説明図である。この実施例は、抵抗体材料7に等ピッ
チで入れるスリット1,1,…を、その奥行きの行止ま
り部を適宜の大きさの直径の略円形に打ち抜き、この円
形打抜き部9から外側辺に至るまでは上記円形の直径よ
りも細幅の直線溝10として打ち抜いて形成したもので
ある。この場合は、上記スリット1,1,…を入れるこ
とにより形成される連続コ字形の電流通路において、上
記円形打抜き部9の周りを電流が円弧状に伝わって流
れ、一部分に集中することなく、電流密度を下げること
ができる。また、直線溝10を細幅にしたことにより、
抵抗体2がセラミックケース4の中で充てん剤5と接触
する面積を大きくして、上記抵抗体2の放熱効果を高め
ることができる。これらのことから、許容電流を大きく
することができる。
大説明図である。この実施例は、抵抗体材料7に等ピッ
チで入れるスリット1,1,…を、その奥行きの行止ま
り部を適宜の大きさの直径の略円形に打ち抜き、この円
形打抜き部9から外側辺に至るまでは上記円形の直径よ
りも細幅の直線溝10として打ち抜いて形成したもので
ある。この場合は、上記スリット1,1,…を入れるこ
とにより形成される連続コ字形の電流通路において、上
記円形打抜き部9の周りを電流が円弧状に伝わって流
れ、一部分に集中することなく、電流密度を下げること
ができる。また、直線溝10を細幅にしたことにより、
抵抗体2がセラミックケース4の中で充てん剤5と接触
する面積を大きくして、上記抵抗体2の放熱効果を高め
ることができる。これらのことから、許容電流を大きく
することができる。
【0019】図8は本発明の第三の実施例を示す側面図
である。この実施例は、図2(b)に示すように切断し
た抵抗体材料71の対称位置Dにおける折曲げ部11
を、外方へ略円形にふくらませた状態で略U字形に折り
曲げたものである。この場合は、上記折曲げ部11にお
いて抵抗体材料71がひびわれをしたり、組成が再結晶
をおこしたりするのを防止して、経時変化による抵抗値
の微妙な変化を抑えることができる。従って、抵抗器と
しての寿命を延ばすことができると共に、電流検出の精
度を向上することもできる。
である。この実施例は、図2(b)に示すように切断し
た抵抗体材料71の対称位置Dにおける折曲げ部11
を、外方へ略円形にふくらませた状態で略U字形に折り
曲げたものである。この場合は、上記折曲げ部11にお
いて抵抗体材料71がひびわれをしたり、組成が再結晶
をおこしたりするのを防止して、経時変化による抵抗値
の微妙な変化を抑えることができる。従って、抵抗器と
しての寿命を延ばすことができると共に、電流検出の精
度を向上することもできる。
【0020】なお、以上の説明では、本発明の抵抗器
は、主として高周波電流を測定するものとして述べた
が、これに限らず通常の抵抗器として用いることもでき
る。
は、主として高周波電流を測定するものとして述べた
が、これに限らず通常の抵抗器として用いることもでき
る。
【0021】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されたので、
連続コ字形の電流通路を形成した抵抗体材料71の長手
方向の中央部に形成されたコ字形部分Cの左右対称の位
置Dで略U字形に折り曲げて抵抗体2を形成したことに
より、上記電流通路を高周波電流が流れる場合は、その
電流通路の横断面における電流の方向は隣り合うもの同
士で反対方向となるため、電流が作る磁界も反対方向と
なり、互いに打ち消し合うようにすることができる。こ
れにより、上記高周波電流による抵抗器の残留インダク
タンスを小さくして、この残留インダクタンスによるイ
ンピーダンスを抑えることができる。従って、高周波電
流の測定に際して、上記抵抗器のインピーダンスをほと
んど無視することができ、正確な電流測定を行うことが
できる。また、抵抗体材料を略U字形に折り曲げて抵抗
体2を形成するので、完成した抵抗器の全体を小形化す
ることができ、実装スペースを節約することができる。
連続コ字形の電流通路を形成した抵抗体材料71の長手
方向の中央部に形成されたコ字形部分Cの左右対称の位
置Dで略U字形に折り曲げて抵抗体2を形成したことに
より、上記電流通路を高周波電流が流れる場合は、その
電流通路の横断面における電流の方向は隣り合うもの同
士で反対方向となるため、電流が作る磁界も反対方向と
なり、互いに打ち消し合うようにすることができる。こ
れにより、上記高周波電流による抵抗器の残留インダク
タンスを小さくして、この残留インダクタンスによるイ
ンピーダンスを抑えることができる。従って、高周波電
流の測定に際して、上記抵抗器のインピーダンスをほと
んど無視することができ、正確な電流測定を行うことが
できる。また、抵抗体材料を略U字形に折り曲げて抵抗
体2を形成するので、完成した抵抗器の全体を小形化す
ることができ、実装スペースを節約することができる。
【0022】また、図7に示す第二の実施例において
は、連続コ字形の電流通路において、電流が一部分に集
中することなく電流密度を下げることができると共に、
抵抗体2の放熱効果を高めることができる。従って、抵
抗器の許容電流を大きくすることができる。
は、連続コ字形の電流通路において、電流が一部分に集
中することなく電流密度を下げることができると共に、
抵抗体2の放熱効果を高めることができる。従って、抵
抗器の許容電流を大きくすることができる。
【0023】さらに、図8に示す第三の実施例において
は、抵抗体2の経時変化による抵抗値の微妙な変化を抑
えることができ、抵抗器としての寿命を延ばすことがで
きると共に、電流検出の精度を向上することができる。
は、抵抗体2の経時変化による抵抗値の微妙な変化を抑
えることができ、抵抗器としての寿命を延ばすことがで
きると共に、電流検出の精度を向上することができる。
【図1】 本発明による抵抗器の実施例を示す正面図及
び側面図、
び側面図、
【図2】 上記抵抗器の製造工程を示す説明図、
【図3】 抵抗体へのリード端子の取り付け方の他の実
施例を示す正面図及び側面図、
施例を示す正面図及び側面図、
【図4】 抵抗体へのリード端子の取り付け方の更に他
の実施例を示す正面図及び側面図、
の実施例を示す正面図及び側面図、
【図5】 本発明の抵抗器に高周波電流を流した場合の
動作を説明するための図であり、(a)は抵抗体の側面
図、(b)は上記抵抗体の正面図、(c)は(b)のG
−G線断面図、
動作を説明するための図であり、(a)は抵抗体の側面
図、(b)は上記抵抗体の正面図、(c)は(b)のG
−G線断面図、
【図6】 本発明の抵抗器によるインピーダンスの周波
数特性を示すグラフ、
数特性を示すグラフ、
【図7】 本発明の第二の実施例を示す要部拡大説明
図、
図、
【図8】 本発明の第三の実施例を示す側面図、
【図9】 従来の抵抗器を示す正面図、
【図10】 従来の抵抗器において抵抗体をセラミック
ケース内に収容した完成状態を示す正面図及び側面図。
ケース内に収容した完成状態を示す正面図及び側面図。
1…スリット、 2…抵抗体、 3,3′,3″…リー
ド端子、 7,71…抵抗体材料、 C…コ字形部分、
D…左右対称の位置、 9…円形打抜き部、 10…
直線溝、 11…折曲げ部。
ド端子、 7,71…抵抗体材料、 C…コ字形部分、
D…左右対称の位置、 9…円形打抜き部、 10…
直線溝、 11…折曲げ部。
Claims (3)
- 【請求項1】 薄い帯板状の抵抗体材料の長手方向の両
側辺に、外側方から交互に内方に向かうスリットをその
長手方向に直角に等ピッチで所定の奥行きだけ入れて連
続コ字形の電流通路を形成し、この抵抗体材料の長手方
向の中央部に形成されたコ字形部分の左右対称の位置で
略U字形に折り曲げて抵抗体を形成し、この抵抗体の両
端部にリード端子を固定したことを特徴とする抵抗器。 - 【請求項2】 上記抵抗体材料のスリットは、奥行きの
行止まり部を略円形に打ち抜き、ここから外側辺に至る
までは上記の円の直径よりも細幅の直線溝として打ち抜
いて形成したことを特徴とする請求項1記載の抵抗器。 - 【請求項3】 上記抵抗体材料の折曲げ部は、外方へ略
円形にふくらませて略U字形に折り曲げたことを特徴と
する請求項1又は2記載の抵抗器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2911192A JPH05198401A (ja) | 1992-01-21 | 1992-01-21 | 抵抗器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2911192A JPH05198401A (ja) | 1992-01-21 | 1992-01-21 | 抵抗器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05198401A true JPH05198401A (ja) | 1993-08-06 |
Family
ID=12267219
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2911192A Pending JPH05198401A (ja) | 1992-01-21 | 1992-01-21 | 抵抗器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05198401A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001260628A (ja) * | 2000-03-22 | 2001-09-26 | Japan Climate Systems Corp | 車両用空調装置の送風制御用抵抗器 |
-
1992
- 1992-01-21 JP JP2911192A patent/JPH05198401A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001260628A (ja) * | 2000-03-22 | 2001-09-26 | Japan Climate Systems Corp | 車両用空調装置の送風制御用抵抗器 |
JP4588157B2 (ja) * | 2000-03-22 | 2010-11-24 | 株式会社日本クライメイトシステムズ | 車両用空調装置の送風制御用抵抗器及びその加工方法 |
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