JPH05198296A - 密閉型鉛蓄電池 - Google Patents

密閉型鉛蓄電池

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JPH05198296A
JPH05198296A JP4008237A JP823792A JPH05198296A JP H05198296 A JPH05198296 A JP H05198296A JP 4008237 A JP4008237 A JP 4008237A JP 823792 A JP823792 A JP 823792A JP H05198296 A JPH05198296 A JP H05198296A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 モノブロック型電槽の各セル室内にそれぞれ
極板群を収納し、隣接するセルの異極性端子間を前記電
槽の隔壁上を横切るセル間接続体で接続した密閉型鉛蓄
電池において、電池構成が簡単、容易であり、出入力端
子の硫酸電解液による腐食を防止することができる密閉
型鉛蓄電池を提供する。 【構成】 各セルの極板群は、その正、負極端子が全て
極板群の上部の同一位置に設けられた単一種類からな
り、電池両端の出入力端子は前記極板群の正、負極端子
に接続された端子用リード板により所定の位置に取り出
す。この構成により、簡単、容易に密閉型鉛蓄電池を構
成することができるとともに、端子用リード板を長く
し、これを液密に接着剤中に埋め込んで出入力端子の硫
酸電解液による腐食を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、密閉型鉛蓄電池の、と
くにその極板群に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来の密閉型鉛蓄電池のモノブロック型
電槽内の極板群について図７を用いて説明する。
【０００３】図７に示したように、極板群は電槽１の各
セル室内に収納され、各セルはＩ〜VIの順にセル間接続
体（図示せず）でＵ字型に接続される。
【０００４】また、この電池の出入力端子に接続される
両端のセル室ＩおよびVI内の極板群の極柱２の引き出し
位置は、図のように右端に寄っており、この電池の使用
機器の端子部との関係から正極と負極の出入力端子は両
角部に近い位置に配置されている。
【０００５】このような構造により、このモノブロック
型電槽内に収納される極板群の種類は、各極板群の正極
端子３および負極端子４の設置構造の違いによって図中
のＡ群、Ｂ群、Ｃ群のように３種類になっていた。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】このように１種類の密
閉型鉛蓄電池に対して多種類の極板群が必要であること
は、電池組立設備とくに極板群組立設備や組立工数を増
加させるとともに、これらの極板群が電池構成時に正、
負極が逆に挿入されたり、極板群の種類を間違えること
により、不良電池が発生する危険性があった。
【０００７】さらに、電池の出入力端子は極柱２の真上
に延長状態で接続されていたが、このような従来の構造
では出入力端子と極柱との距離が短いため、硫酸電解液
が極柱を這い上がり、出入力端子の裏側に入り込んです
ぐに出入力端子を腐食させる恐れがあった。
【０００８】本発明は、このような課題を解決するため
のもので、モノブロック型電槽を用いた密閉型鉛蓄電池
の電池構成時に、１種類のみの極板群を使用することに
より不良電池を発生することなく、簡単かつ容易に電池
を構成することができるとともに、出入力端子とそれに
接続する両端セルの極板群の極柱との距離を長くするこ
とにより、硫酸電解液による出入力端子の腐食を防止す
ることができる密閉型鉛蓄電池を提供することを目的と
するものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために本発明の密閉型鉛蓄電池は、モノブロック型電
槽の各セル室内にそれぞれ極板群を収納し、隣接するセ
ルの異極性端子間を前記電槽の隔壁上を横切るセル間接
続体で接続した密閉型鉛蓄電池において、各セルの極板
群は、その正、負極端子が全て極板群の上部の同一位置
に設けられた単一種類からなり、両端の出入力端子は、
該当する極板群の正、負極端子と端子用リード板により
所定の位置に配置されることを特徴とするものである。
【００１０】
【作用】本発明の密閉型鉛蓄電池は、各セルの極板群が
その正、負極端子を全て極板群の上部の同一位置に設け
ており、各セルの極板群が単一種類であるので、電池組
立構成時に極板群の種類を間違えることなどによる不良
電池の発生を防止することができるとともに、電池構成
に必要な設備、工数を減らして簡単、容易に電池の組立
構成を行うことができる。
【００１１】さらに、電池としての両端の出入力端子
は、両端セルの極板群に設けた極柱と接続した端子用リ
ード板により所定の位置に配置されるため、出入力端子
とこれに接続された極板群の極柱との距離を長くするこ
とができるので、硫酸電解液の這い上がりによる出入力
端子の腐食を抑制あるいは防止することができる。
【００１２】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照にしながら説明
する。
【００１３】本発明の密閉型鉛蓄電池を図１〜６に示
す。図１に本発明の密閉型鉛蓄電池のモノブロック型電
槽１の上面図を示す。図１に示したようにモノブロック
型電槽１の６個のセル室内には、極柱２で構成された正
極端子３と負極端子４が全て極板群の上部の同一位置に
設けられている単一種類の極板群（Ａ群）がそれぞれ収
納されている。これら各セル室内の極板群はセル室Ｉ〜
VIの順にＵ字型に直列接続される。また、図１からわか
るように、本発明の密閉型鉛蓄電池では単一種類の極板
群（Ａ群）を使用していることにより、電池の出入力端
子に接続される両端のセル室ＩおよびVIの極板群の極柱
２の引き出し位置は接近している。
【００１４】図２（Ａ），（Ｂ）に本発明の隣接するセ
ル室内の極板群相互間の接続の様子を示す。
【００１５】図２（Ｂ）に示したように、各極板群は所
定の寸法の３枚の正極板５と４枚の負極板６をＵ字型セ
パレータ７を介して交互に重ね合わせ、正極板５と負極
板６の各耳部８はそれぞれ同じ側（手前側）に並ぶよう
にした。
【００１６】ついで、正、負極板の各耳部８の上部に棚
部９と端子極柱２を形成して極板群を構成した。そし
て、図２（Ａ）のように隣接するセルの極板群の正、負
極端子極柱をモノブロック型電槽の隔壁上でセル間接続
体１０により接続した。
【００１７】図３に本発明の密閉型鉛蓄電池で用いた両
端セルの極板群の端子極柱２を示す。この極柱２は柱状
部分２ａと棚部９に溶接一体化される基部２ｂとから構
成されている。
【００１８】図４（Ａ），（Ｂ）に本発明の密閉型鉛蓄
電池で用いた左右の端子用リード板１１を示す。この端
子用リード板１１において、１１ａはリード部で、スリ
ット１１ｂが極柱２にはめ込まれてかしめられるもので
あり、必要であればその後溶接してもよい。１１ｃはＬ
字状に立ち上がった端子部で出入力端子として所定の位
置に配置される。この端子用リード板は左右対称に作製
し、それぞれを正極および負極の端子用リード板として
用いた。
【００１９】図５（Ａ），（Ｂ）は本発明の密閉型鉛蓄
電池の中蓋１２であり、（Ａ）は中蓋１２の表面、
（Ｂ）は中蓋１２の裏面を示す図である。
【００２０】図５（Ａ）に示したように、本発明の密閉
型鉛蓄電池の中蓋１２では、極柱貫通穴１３は右端中央
部分において接近しており、かつそれぞれの極柱貫通穴
１３を含んで前記端子用リード板１１を固定するための
接着剤充填用溝部１４が中蓋１２の表側に形成されてい
る。
【００２１】また、安全弁１５が電槽１の各セル室の上
部に対応して中蓋１２に設けられている。
【００２２】図６に極柱２に正、負極の端子用リード板
１１を接続して電池の出入力端子を形成した状態を示
す。図６に示したように、モノブロック型電槽１に中蓋
１２を接着して両端セルの極板群に接続された極柱２を
極柱貫通穴１３に通し、この極柱２の上部に端子用リー
ド板１１を接続した。ここで、本発明の極柱２の引き出
し位置は接近しているので、端子用リード板１１は、
正、負極の出入力端子部１１ｃが機器端子部と対応し、
かつ相互に接触しないように配置して極板２の上部に接
続した。ついで、この端子用リード板１１の設置されて
いる中蓋１２の溝部１４に接着剤（斜線部）を充填し、
リード板１１を固定するとともに電池を密閉化した。
【００２３】このようにして本発明の密閉型鉛蓄電池
（１２Ｖ ６．５Ａｈ）を１００個作製した。
【００２４】また、比較例として図７に示したような従
来の密閉型鉛蓄電池を１００個作製した。
【００２５】この本発明と従来の密閉型鉛蓄電池の作製
時において、従来の密閉型鉛蓄電池では、使用する極板
群は３種類必要であるため電池製造工程が複雑になり、
不良電池が頻繁に発生したが、本発明の密閉型鉛蓄電池
では、使用する極板群は１種類のみであるので、製造工
程が簡素化でき、不良電池が発生することはなかった。
【００２６】次に、これらの本発明と従来の密閉型鉛蓄
電池を用いてヒートショック試験を行った。
【００２７】ヒートショック試験は、電池を４０℃の雰
囲気中で２時間放置した後、６５℃の雰囲気中で２時間
放置する操作を１サイクルとして、これを５００サイク
ル繰り返し行い、この時の硫酸電解液の出入力端子への
這い上がりを観察し、硫酸電解液が出入力端子まで這い
上がっていた電池の個数を調べることにより行った。
【００２８】ヒートショック試験の結果を（表１）に示
す。
【００２９】
【表１】
【００３０】（表１）に示したように従来の密閉型鉛蓄
電池では硫酸電解液が出入力端子まで這い上がり、端子
部に腐食層が形成されている電池が発生したが、本発明
の密閉型鉛蓄電池では硫酸電解液が出入力端子まで這い
上がった電池は全くなかった。
【００３１】これは、本発明の密閉型鉛蓄電池では両端
セルの極板群に接続された極柱と出入力端子との距離が
従来よりも長くなったため、硫酸電解液の出入力端子へ
の這い上がりを防止することができたことによると考え
られる。
【００３２】また、６０℃において１３．８Ｖの定電圧
充電を６ヶ月間行う高温トリクル試験と０．１ＣＡの電
流値で６ヶ月間充電を行う過充電試験においても、前記
とほぼ同様の結果が得られた。
【００３３】
【発明の効果】以上のように、本発明の密閉型鉛蓄電池
は、モノブロック型電槽内の各セルの極板群の正、負極
端子が全て極板群の上部の同一位置に設けられている単
一種類の極板群からなり、かつ電池としての出入力端子
が前記極板群の正、負極端子に接続された端子用リード
板により電池端部の所定の位置に配置されるため、簡単
かつ容易に電池を構成できるとともに、硫酸電解液によ
る出入力端子の腐食を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の密閉型鉛蓄電池の極板群を内部に収容
したモノブロック型電槽の上面図
【図２】（Ａ）本発明の密閉型鉛蓄電池の極板群の接続
を示す正面図 （Ｂ）本発明の密閉型鉛蓄電池の極板群の接続を示す側
面図
【図３】本発明の密閉型鉛蓄電池の両端セルの極板群の
極柱を示す図
【図４】（Ａ）本発明の密閉型鉛蓄電池の一方の端子用
リード板を示す図 （Ｂ）本発明の密閉型鉛蓄電池の他方の端子用リード板
を示す図
【図５】（Ａ）本発明の密閉型鉛蓄電池の中蓋の表面を
示す図 （Ｂ）同中蓋の裏面を示す図
【図６】本発明の密閉型鉛蓄電池の端子用リード板を用
いて構成した出入力端子部分を示す図
【図７】従来の密閉型鉛蓄電池の極板群を内部に収容し
たモノブロック型電槽の上面図
【符号の説明】
１ モノブロック型電槽 ２ 極板群の極柱 ３ 極板群の正極端子 ４ 極板群の負極端子 ５ 正極板 ６ 負極板 ７ セパレータ ８ 極板の耳部 ９ 棚部 １０ セル間接続体 １１ 端子用リード板 １２ 中蓋 １３ 極柱貫通穴 １４ 溝部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 健二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】モノブロック型電槽の各セル室内にそれぞ
    れ極板群を収納し、隣接するセルの異極性端子間を前記
    電槽の隔壁上を横切るセル間接続体で接続した密閉型鉛
    蓄電池であって、各セルの極板群はその正、負極端子が
    全て極板群の上部の同一位置に設けられた単一種類から
    なり、両端の出入力端子は前記極板群の正、負極端子に
    接続された端子用リード板により所定の位置に配置され
    る密閉型鉛蓄電池。
JP00823792A 1992-01-21 1992-01-21 密閉型鉛蓄電池 Expired - Lifetime JP3512816B2 (ja)

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