JPH05198005A - 光記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

光記録媒体およびその製造方法

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JPH05198005A
JPH05198005A JP4272878A JP27287892A JPH05198005A JP H05198005 A JPH05198005 A JP H05198005A JP 4272878 A JP4272878 A JP 4272878A JP 27287892 A JP27287892 A JP 27287892A JP H05198005 A JPH05198005 A JP H05198005A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、反射層の組成が、次式で表される相
変化型光記録媒体および製造方法に関する。 式 Pdx Hfy Al1-x-y 0.001<x<0.01 0.005<y<0.10 但しx,y,1−x−yは、各元素の原子数比(モル
比)をあらわす。 【効果】本発明によると、多数回の記録消去を繰り返し
ても、動作が安定しており、特性の劣化、欠陥の発生が
ほとんどなく、耐湿熱性、耐酸化性に優れ、長寿命であ
る。また、消去率、c/nが高く、かつ高感度である。
さらに、反射層の膜形成速度が速い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光の照射により、情報
の記録、消去、再生が可能である光情報記録媒体及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】特に、本発明は、記録情報の消去、書換機
能を有し、情報信号を高速かつ、高密度に記録可能な光
ディスク、光カード、光テープなどの書換可能相変化型
光記録媒体及びその製造方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来の書換可能相変化型光記録媒体の技
術は、以下のごときものである。
【0004】これらの光記録媒体は、テルルを主成分と
する記録層を有し、記録時は、結晶状態の記録層に集束
したレーザー光パルスを短時間照射し、記録層を部分的
に溶融する。溶融した部分は熱拡散により急冷され、固
化し、アモルファス状態の記録マークが形成される。こ
の記録マークの光線反射率は、結晶状態より低く、光学
的に記録信号として再生可能である。
【0005】また、消去時には、記録マーク部分にレー
ザー光を照射し、記録層の融点以下、結晶化温度以上の
温度に加熱することによって、アモルファス状態の記録
マークを結晶化し、もとの未記録状態にもどす。
【0006】この光記録媒体では、通常、記録層の両面
に耐熱性と透光性を有する誘電体層を設け、記録時に記
録層に変形、開口が発生することを防いでいる。さら
に、光ビーム入射方向と反対側の誘電体層に、光反射性
のAu(金)などの金属反射層を設け、光学的な干渉効
果により、再生時の信号コントラストを改善すると共
に、冷却効果により、非晶状態の記録マークの形成を容
易にし、かつ消去特性、繰り返し特性を改善する技術が
知られている(M.Terao et al,SPIE Vol.1078 p2-10 (1
989))。
【0007】一方、従来の追記型の相変化型光ディスク
の反射層の例としては、AlにTa,Tiなどの添加元
素を加えた合金を反射層とするものがある(特開昭62
−137743号公報、特開平1−169751号公
報、特開平2−128332号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述のような書換可能
相変化型光記録媒体における課題は、記録、消去動作の
繰り返しに伴う加熱、冷却の繰り返しによって記録、消
去感度、消去率などの記録消去特性やc/nなどの再生
信号品質に劣化、変動が発生することである。この原因
の1つとして、Alなどの反射層が、記録時の加熱、冷
却サイクルによって、結晶粒形の粗大化などの結晶状態
の変化が生じ、さらにはそれに伴い、反射層の熱伝導率
などの変化、反射層の変形などが生じること、あるい
は、誘電体層との接着性が悪くなり剥離が生じることな
どがあげられる。また、長時間の保存中に、同様にAl
の結晶状態などが変化し、ヒロックなどの変形を生じた
り、誘電体層からはがれたりするため欠陥が生じる問
題、あるいはZnS−SiO2 などの誘電体層との界面
の固相反応、Al合金層自体の酸化などによる反射層の
反射率低下の問題などがある。
【0009】本発明の目的は、このような記録、消去繰
り返しによる熱的な劣化が低減された反射層を有し、多
数回の記録、消去あるいは書換動作を行っても、記録特
性の劣化の少ない光記録媒体を提供することである。
【0010】本発明の別の目的は、耐酸化性、耐湿熱性
に優れ長期の保存においても欠陥の生じない長寿命の光
記録媒体を提供することである。
【0011】本発明のさらに、別の目的は、記録感度が
高く、かつキャリア対ノイズ比、消去率などの記録特性
に優れた光記録媒体を提供することである。
【0012】本発明のさらに、別の目的は、スパッタ速
度が速く、生産性に優れた光記録媒体の製造方法を提供
することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に形成
された記録層に光を照射することによって、情報の記
録、消去、再生が可能であり、情報の記録及び消去が、
非晶相と結晶相の間の相変化により行われる光記録媒体
であって、前記光記録媒体が少なくとも記録層と誘電体
層と反射層を有し、反射層の組成が、パラジウム、ハフ
ニウムおよびアルミニウムからなり、その組成が、次式
で表される光記録媒体に関する。
【0014】式 Pdx Hfy Al1-x-y 0.001<x<0.01 0.005<y<0.10 但しx,y,1−x−yは、各元素の原子数比(モル
比)をあらわす。
【0015】また、本発明は、組成が上記式で表される
Al合金ターゲットをスパッタリングすることにより反
射層を形成することを特徴とする光記録媒体の製造方法
に関する。
【0016】さらに、本発明は、組成が上記式で表され
る光記録媒体の反射層形成用のスパッタリングターゲッ
ト用Al合金に関する。
【0017】本発明の光記録媒体の反射層の主成分のA
lは、光の反射率が高く光学的な干渉を利用して、再生
信号のコントラストを改善するのに有効である。また熱
伝導率が高く、冷却効果により、非晶状態の記録マーク
の形成を容易にし、かつ消去時の熱分布を平坦化するこ
とにより消去特性を改善することができる。また、Al
は金などの貴金属に比べ安価であり、製造コストを低減
することができる。
【0018】本発明の反射層の添加元素Pd(パラジウ
ム)は、Alに添加することにより、Alの再結晶化温
度を高める、Al反射層の結晶状態の熱的安定性を改善
し、結晶粒径の粗大化を抑制する。そのため記録消去繰
り返しによる加熱による記録特性、再生信号品質の変
動、低下を低減する効果がある。
【0019】また、本発明の反射層の添加元素Hfは、
Alの耐酸化性、耐湿熱性を著しく改善し、光記録媒体
を長寿命化できる。
【0020】また、これら本発明の添加元素Pdおよび
Hfは、Alに添加することにより反射層のAl合金の
熱伝導率をAlに比べ若干低下させ、その結果、光記録
媒体の記録、消去感度を向上させる効果、および記録時
に記録マークを大きくし、再生信号コントラスト、c/
nを向上する効果もある。
【0021】さらに、これらPd,Hfを添加した本発
明のAl合金反射層は、反射率が高く、純Alと殆ど変
わらない。そのため、反射層に吸収される無駄な光エネ
ルギーが少なく、照射した光エネルギーは、効率よく記
録層に吸収され高感度の記録媒体を構成できる。
【0022】本発明の反射層に含まれるPd量及びHf
量は微量であるため、Hf及びPdを使用することによ
る製造コストの上昇は、殆ど問題にならない。
【0023】本発明の反射層の添加元素Pdの量xが
0.001以下の場合、前述の有意な添加効果が発現せ
ず、0.01以上の場合には、PdとAlの化合物相が
多量に合金中に存在することなどの原因から、合金の機
械的強度、結晶状態の熱安定性、耐湿熱性などの特性が
低下する。
【0024】本発明の反射層の添加元素Hfの量yが
0.005以下の場合、前述の有意な添加効果が発現せ
ず、0.10以上の場合には、HfとAlの金属化合物
相が多量に合金中に存在することなどの原因から、合金
の機械的強度、結晶状態の熱安定性、耐湿熱性などの特
性が低下するとともに、反射層の熱伝導率が低くなりす
ぎて、消去特性および書換の繰返し可能回数が著しく低
下する。
【0025】記録、消去の繰返しによるAl合金の結晶
状態の変化を防止する効果が高いことから、添加元素P
dの量xが0.001以上,0.005以下であり、H
fの添加量yが0.005以上0.05以下であること
が好ましい。
【0026】本発明の光記録媒体の構成部材は、例え
ば、基板側から光を入射して使用する構成では、基板/
第一の誘電体層/記録層/第二の誘電体層/反射層の積
層構造とすることができる。但しこれに限定するもので
はなく、反射層上に本発明の効果を損なわない範囲で紫
外線硬化樹脂などの樹脂層や、他の基板と張り合わせる
ための接着剤層などを設けてもよい。
【0027】本発明の反射層の厚さとしては、特に限定
するものではないが、通常、30nmから300nmで
ある。特に記録、消去感度が高く、かつ消去率などの消
去特性に優れることから50nm以上150nm以下が
好ましい。
【0028】本発明の記録層としては、特に限定するも
のではないが、Pd−Ge−Sb−Te合金、Pt−G
e−Sb−Te合金、Ni−Ge−Sb−Te合金、G
e−Sb−Te合金、Co−Ge−Sb−Te合金、I
n−Sb−Te合金、In−Se合金などがある。
【0029】Pd−Ge−Sb−Te合金、Pt−Ge
−Sb−Te合金、Ge−Sb−Te合金は、消去時間
が短く、かつ多数回の記録、消去の繰り返しが可能であ
ることから好ましく、特にPd−Ge−Sb−Te合
金、Pt−Ge−Sb−Te合金が、前述の特性に優れ
ることから好ましい。
【0030】本発明の記録層の厚さとしては、特に限定
するものではないが10〜150nmである。特に記
録、消去感度が高く、多数回の記録消去が可能であるこ
とから10nm以上30nm以下とすることが好まし
い。
【0031】本発明の誘電体層は、記録時に基板、記録
層などが熱によって変形し記録特性が劣化することを防
止するためのものである。この誘電体層としては、Zn
S,SiO2 などの無機薄膜がある。特にZnSの薄
膜、Si,Ge,Ti,Zr,Teなどの金属の酸化物
薄膜、及びこれらの混合物の膜が、耐熱性が高いことか
ら好ましい。特にZnSとSiO2 の混合膜は、記録、
消去の繰り返しによっても、記録感度、c/n、消去率
などの劣化が起きにくいことから好ましい。誘電体層の
厚さは、およそ10〜500nmである。誘電体層が、
基板や記録層から剥離し難く、クラックなどの欠陥が生
じ難いことから、10〜400nmが好ましい。
【0032】特に、高速でワンビーム・オーバーライト
が可能であり、かつ消去率が大きく消去特性が良好であ
ることから、次のごとく、光記録媒体の主要部を構成す
ることが好ましい。
【0033】すなわち、第1の誘電体層の厚さを100
nm〜400nmであり、第2の誘電体層の厚さを10
nm〜30nmであり、かつ記録層の厚さを10nm〜
30nm、反射層の厚さを50nm〜150nmとし
た、記録、消去動作時に記録層が急冷される構造であ
り、誘電体層がZnSとSiO2 の混合膜であり、かつ
記録層の組成が次式で表される範囲にあることが好まし
い。
【0034】 (Mx Sby Te1-x-y 1-z (Te0.5 Ge0.5 z 0.0005≦x≦0.01 0.35≦y≦0.65 0.2≦z≦ 0.5 但しx,y,z、0.5は各元素の原子数比をあらわ
す。
【0035】Mは、Pd、Ptの少なくとも一種の元素
を表す。
【0036】本発明の基板としては、プラスチック、ガ
ラス、アルミニウムなど従来の記録媒体の基板と同様な
ものでよい。ほこり、基板の傷などの影響をさける目的
で、集束した光ビームを用いて、基板側から記録を行な
う場合には、基板として透明材料を用いることが好まし
い。この様な材料としては、ガラス、ポリカーボネー
ト、ポリメチル・メタクリレート、ポリオレフィン樹
脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などがあげられる。
【0037】特に、光学的複屈折が小さく、吸湿性が小
さく、成形が容易であることからポリカーボネート樹
脂、エポキシ樹脂が好ましい。特に耐熱性が要求される
場合には、エポキシ樹脂が好ましい。
【0038】基板の厚さは特に限定するものではない
が、0.01mm〜5mmが実用的である。0.01m
m未満では、基板側から集束した光ビ−ムで記録する場
合でも、ごみの影響を受け易くなり、5mm以上では、
対物レンズの開口数を大きくすることが困難になり、照
射光ビームスポットサイズが大きくなるため、記録密度
をあげることが困難になるからである。基板はフレキシ
ブルなものであっても良いし、リジッドなものであって
も良い。フレキシブルな基板は、テープ状、シート状、
カ−ド状で使用する。リジッドな基板は、カード状、あ
るいはディスク状で使用する。また、これらの基板は、
記録層などを形成した後、2枚の基板を用いて、エアー
サンドイッチ構造、エアーインシデント構造、密着張合
せ構造としてもよい。
【0039】本発明の光記録媒体の記録に用いる光源と
しては、レーザー光、ストロボ光のごとき高強度の光源
であり、特に半導体レーザー光は、光源が小型化できる
こと、消費電力が小さいこと、変調が容易であることか
ら好ましい。
【0040】記録は結晶状態の記録層にレーザー光パル
スなどを照射してアモルファスの記録マークを形成して
行う。また、反対に非晶状態の記録層に結晶状態の記録
マークを形成してもよい。消去はレーザー光照射によっ
て、アモルファスの記録マークを結晶化するか、もしく
は、結晶状態の記録マークをアモルファス化して行うこ
とができる。
【0041】記録速度を高速化でき、かつ記録層の変形
が発生しにくいことから記録時はアモルファスの記録マ
ークを形成し、消去時は結晶化を行う方法が好ましい。
【0042】また、記録マーク形成時は光強度を高く、
消去時はやや弱くし、1回の光ビームの照射により書換
を行う1ビーム・オーバーライトは、書換の所要時間が
短くなることから好ましい。
【0043】次に、本発明の光記録媒体の製造方法につ
いて述べる。反射層、記録層などを基板上に形成する方
法としては、公知の真空中での薄膜形成法、例えば真空
蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法な
どがあげられる。特に組成、膜厚のコントロールが容易
であることから、スパッタリング法が好ましい。
【0044】本発明の反射層を構成するAl合金は、従
来の純AlやAlに少量のTiを添加した合金などに比
べ、スパッタリング速度が大きく生産性に優れるため、
本発明の反射層の組成のAl合金をターゲットに用い
て、スパッタ法により反射層を形成することが好まし
い。この場合にターゲットとして用いる合金は、次式に
示す組成である。
【0045】式 Pdx Hfy Al1-x-y 0.001<x<0.01 0.005<y<0.10 但しx,y,1−x−yは、各元素の原子数比(モル
比)をあらわす。
【0046】形成する反射層、記録層などの厚さの制御
は、公知の技術である水晶振動子膜厚計などで、堆積状
態をモニタリングすることで、容易に行える。
【0047】反射層、記録層などの形成は、基板を固定
したまま、あるいは移動、回転した状態のどちらでもよ
い。膜厚の面内の均一性に優れることから、基板を自転
させることが好ましく、さらに公転を組合わせること
が、より好ましい。
【0048】また、本発明の効果を著しく損なわない範
囲において、記録層、誘電体層などを形成した後、傷、
変形の防止などのため、公知の紫外線硬化樹脂などの樹
脂保護層などを必要に応じて設けてもよい。また、記録
層、誘電体層などを形成した後、あるいはさらに前述の
樹脂保護層を形成した後、2枚の基板を対向して、公知
の接着剤で張り合わせてもよい。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。 (分析,測定方法)反射層、記録層の組成は、ICP発
光分析(セイコー電子工業(株)製)により確認した。
またキャリア対ノイズ比および消去率(記録後と消去後
の再生キャリア信号強度の差)は、スペクトラムアナラ
イザにより測定した。
【0050】記録層、誘電体層、反射層の膜厚は、水晶
振動子膜厚計によりモニターした。また、反射層などの
膜厚は、層形成後、断面を走査型もしくは透過型電子顕
微鏡で観察し測定した。
【0051】実施例1 厚さ1.2mm、直径13cm、1.6μmピッチのI
SO準拠プリフォーマットおよびスパイラルグルーブ付
きポリカーボネート製基板を毎分30回転で回転させな
がら、高周波スパッタ法により、記録層、誘電体層、反
射層を形成した。
【0052】まず、真空容器内を1×10-5Paまで排
気した後、2×10-1PaのArガス雰囲気中でSiO
2 を20mol%添加したZnSをスパッタし、基板上
に膜厚370nmの誘電体層を形成した。続いて、P
d、Ge、Sb、Teからなる合金ターゲットをスパッ
タして、組成Pd1 Ge17Sb26Te56(原子%)の膜
厚20nmの記録層を形成した。さらに前述の誘電体層
を20nm形成し、この上に、PdとHfの小片を配置
したAlターゲットを使用してスパッタし、Pd0.002
Hf0.02Al0.978 合金の膜厚100nmの反射層を形
成した。さらにこのディスクを真空槽より取り出した
後、この反射層上にアクリル系紫外線硬化樹脂をスピン
コートし、紫外線照射により硬化させて膜厚10μmの
樹脂層を形成し本発明の光記録媒体を得た。
【0053】この光記録媒体を線速度5.5m/秒で回
転させ、基板側から22×66μmの長円に集光した波
長820nmの半導体レーザー光を膜面強度1.1Wの
条件で照射して、記録層を結晶化し初期化した。
【0054】その後、半径30mmの位置で、回転数1
800rpmの条件で、対物レンズの開口数0.5、半
導体レーザーの波長830nmの光学ヘッドを使用し
て、周波数3.7MHz(2−7コードの1.5T相
当)、パルス幅50nsec、ピークパワー19mW、
ボトムパワー9mWに変調した半導体レーザー光を1ト
ラック上に照射し非晶マ−クを形成して記録した。この
トラックを再生パワー1.3mWの半導体レーザ光を照
射して再生したところ、バンド幅30kHzの条件で、
c/n比53dBと良好な、デジタル記録に十分な値が
得られ、欠陥もほとんど見られなかった。
【0055】さらにこの部分を1.4MHz(2−7コ
ードの4.0T相当)で、先と同様に変調した半導体レ
ーザ光を照射し、ワンビーム・オーバーライトした。こ
の部分を再度再生したところ3.7MHzの記録は1.
4MHzに完全に書換られていた。この時の3.7MH
zの消去率を測定したところ消去率は30dBであり、
必要とされる約20dBを十分上回る値が得られた。さ
らに3.7MHzの信号でワンビーム・オーバーライト
の繰り返しを1000回及び20万回行った後、同様の
測定を行ったが、c/n、消去率の変化は、いずれも2
dB以内でほとんど劣化が認められず、かつ記録の欠陥
の増加もほとんど見られなかった。
【0056】また、この光記録媒体を80℃、相対湿度
80%の環境に2000時間置いた後、記録部分を再生
したが、c/n比の変化は2dB未満でほとんど変化が
なかった。さらに再度、記録、消去を行いc/n比、消
去率を測定したところ、同様にほとんど変化がなく、か
つ欠陥の増加もほとんど見られなかった。この結果から
このディスクは、10年以上の媒体寿命があると推定で
きる。
【0057】実施例2 実施例1の反射層をそれぞれPd0.001 Hf0.03Al
0.969 合金,Pd0.003 Hf0.01Al0.987 合金,膜厚
100nmの膜とした他は、実施例1と同じ構成2種類
の光記録媒体を作製した。この光記録媒体を実施例1と
同様に記録、書換、再生を行ったところ、20万回の書
換の繰り返しの後も100回目に比べc/n、消去率の
変化は2dB未満と、ほとんど見られず、c/n52d
B、消去率30dBの良好な値が得られ、かつ記録部の
欠陥の発生もほとんどなかった。
【0058】比較例1 実施例1の反射層を純度99.99%のAlの膜厚70
nmの膜とした他は、実施例1と同じ構成の光記録媒体
を作製した。この光記録媒体を実施例1と同様の条件で
記録、書換を10万回行ったところ、欠陥部分が増加し
た。
【0059】また、この光記録媒体を80℃、相対湿度
80%の環境に2000時間置いた後、記録部分を再生
したところ、反射率の低下および著しい欠陥の増加が見
られた。
【0060】比較例2 実施例1の反射層を純度99.99%のAlの膜厚10
0nmの膜とした他は、実施例1と同じ構成の光記録媒
体を作製した。実施例1と同様の記録パワー条件で記
録、書換を試みたところ、記録感度が低く記録が困難で
あった。
【0061】実施例3 実施例1の反射層用のスパッタ・ターゲットを組成Pd
0.002 Hf0.02Al0. 978 の合金タ−ゲットにした他
は、実施例1と同様の作製条件で、同様の構成の光記録
媒体を作製した。この光記録媒体を実施例1と同様に記
録、書換、再生を行ったところ、20万回の書換の繰り
返しの後も100回目に比べc/n、消去率の変化は2
dB未満と、ほとんど見られず、c/n52dB、消去
率30dBの良好な値が得られ、かつ記録部の欠陥の発
生もほとんどなかった。
【0062】実施例4 実施例1と同様のプレーナー・マグネトロン高周波スパ
ッタ法により、反射層のみを形成して、反射層の形成速
度を測定した。
【0063】まず、真空容器内を1×10-5Paまで排
気した後、2×10-1PaのArガス雰囲気中で、毎分
30回転で公転させた厚さ1.1mmのガラス板上に、
反射層を形成した。スパッタ・ターゲットには実施例3
と同様の直径5インチ、厚さ6mmの円盤形状の組成P
0.002 Hf0.02Al0.978 合金の焼結材ターゲットを
使用した。スパッタ電力は、高周波入力(進行波)60
0W、反射波40Wであった。この条件で253秒スパ
ッタを行い、反射層を形成し、真空容器より取りだした
後反射層の膜厚を調べたところ100nmであった。従
って、この条件での反射層の形成速度は、0.395n
m/秒であった。
【0064】比較例3 実施例4のスパッタ・ターゲットを同様のサイズのTi
0.03Al0.97合金の焼結材ターゲットとした他は、実施
例4と同様の方法で、従来のTi添加Al合金の反射層
を形成し、反射層の形成速度を測定した。スパッタ電力
は、高周波入力(進行波)600W、反射波40Wと実
施例4と同一であった。この反射層の形成速度は、0.
244nm/秒であり、実施例4に比べ38%も遅く、
生産性が劣っていた。
【0065】
【発明の効果】本発明は、光記録媒体の構成を特定の材
質の反射層を有する構成としたので、以下の効果が得ら
れた。 (1) 多数回の記録消去を繰り返しても、動作が安定し
ており、特性の劣化、欠陥の発生がほとんどない。 (2) 耐湿熱性、耐酸化性に優れ、長寿命である。 (3) 消去率、c/nが高く、かつ高感度である。 (4) スパッタ法により生産性良く作製できる。 (5) 低コストの光記録媒体にできる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された記録層に光を照射す
    ることによって、情報の記録、消去、再生が可能であ
    り、情報の記録及び消去が、非晶相と結晶相の間の相変
    化により行われる光記録媒体であって、前記光記録媒体
    が少なくとも記録層と誘電体層と反射層を有し、反射層
    の組成が、パラジウム、ハフニウムおよびアルミニウム
    からなり、その組成が、次式で表される光記録媒体。 式 Pdx Hfy Al1-x-y 0.001<x<0.01 0.005<y<0.10 但しx,y,1−x−yは、各元素の原子数比(モル
    比)をあらわす。
  2. 【請求項2】 組成が次式で表されるAl合金ターゲッ
    トをスパッタリングすることにより反射層を形成するこ
    とを特徴とする光記録媒体の製造方法。 式 Pdx Hfy Al1-x-y 0.001<x<0.01 0.005<y<0.10 但しx,y,1−x−yは、各元素の原子数比(モル
    比)をあらわす。
  3. 【請求項3】 組成が次式で表される光記録媒体の反射
    層形成用のスパッタリングターゲット用Al合金。 式 Pdx Hfy Al1-x-y 0.001<x<0.01 0.005<y<0.10 但しx,y,1−x−yは、各元素の原子数比(モル
    比)をあらわす。
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