JPH05197145A - 架橋硬化型樹脂組成物 - Google Patents

架橋硬化型樹脂組成物

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JPH05197145A
JPH05197145A JP15708791A JP15708791A JPH05197145A JP H05197145 A JPH05197145 A JP H05197145A JP 15708791 A JP15708791 A JP 15708791A JP 15708791 A JP15708791 A JP 15708791A JP H05197145 A JPH05197145 A JP H05197145A
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憲治 串
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健一 犬飼
Takayuki Izeki
隆幸 井関
Seiya Koyanagi
精也 小柳
Seiji Miyazaki
誠司 宮崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐めっき性に優れ、剥離時間が短く、剥離片が
剥離液に容易に溶解しないアルカリ現像型光重合性又は
放射線重合性の架橋硬化型樹脂組成物を提供する。 【構成】(a)1分子中にOH基を3個以上有する多価アル
コールに、プロピレンオキサイドの含有率67モル%以上
であるアルキレンオキサイドを、該多価アルコールのO
H基1モル当たり5〜12モルの範囲で付加した反応生成
物に、(メタ)アクリル酸を反応させて得られる1分子
中に平均して1.5 個以上の(メタ)アクリロイルオキシ
基を有する化合物の少なくとも一種 5〜30重量部、(b)1
分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有する上記
(a) 以外の少なくとも一種の架橋性単量体5 〜30重量
部、(c)3〜15個の炭素原子を有するα,β−不飽和カル
ボキシル基含有単量体の少なくとも一種を15〜35重量%
なる範囲で他の共重合可能な単量体85〜65重量%と共重
合したバインダー用熱可塑性重合体45〜75重量部、およ
び(d) 光重合開始剤 0〜10重量部なる範囲で総量100 重
量部とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルカリ性水溶液によっ
て現像可能な光重合性又は放射線重合性樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年プリント配線板作製用フオトレジス
トとして光重合性樹脂層を保護フイルムと支持フイルム
とでサンドイッチ状に挟んだ構造のいわゆるドライフイ
ルムレジストが広く使用されている。光重合性樹脂層と
しては未露光部を塩素系有機溶剤で現像除去する溶剤現
像型と、未露光部をアルカリ水溶液によって現像除去す
るアルカリ現像型とが知られているが、環境への影響お
よび製造コストの有利さからアルカリ現像型のドライフ
イルムレジストが主流になりつつある。
【0003】保護フイルムと支持フイルムとを有するア
ルカリ現像型ドライフイルムレジストの使用方法は、ま
ず、該ドライフイルムレジストより保護フイルムを剥離
しながら光重合性樹脂面を銅張積層板に熱にてラミネー
トし、次いでレジストフイルムの支持フイルム面にフオ
トツールを密着させ要硬化部を紫外線等で露光硬化させ
る。次いで支持フイルムを剥がした後、炭酸ナトリウム
等の弱アルカリ水溶液により未露光部を現像除去しレジ
ストの回路パターンを得る。この後、銅スルーホール法
の場合には、銅表面をエッチングした後、水酸化ナトリ
ウム等の強アルカリ水溶液によって硬化レジストを剥離
させ、プリント配線板を得る。また、半田スルーホール
法の場合には、銅めっきおよび半田めっきを施した後、
硬化レジストを強アルカリ水溶液で剥離し、さらに露出
した銅をエッチングすることによりプリント配線板を得
る。
【0004】半田スルーホール法は銅スルーホール法と
比較すると、エッチングして除去する銅の厚みが薄いた
め、不必要なサイドエッチによる銅パターンの細りが少
なく、ファインなパターンの製造に適している。
【0005】この半田スルーホール法で回路パターンの
形成を行う場合、ドライフイルムレジストはめっきレジ
ストとして十分な耐性を有していることが不可欠である
が、従来のアルカリ現像型ドライフイルムレジストの多
くは、銅めっきあるいは半田めっき時に硬化レジストが
剥離し、硬化レジストと銅面間にめっき液がしみ込み、
回路部分以外にもめっきされるいわゆるめっきもぐり現
象がしばしば発生し、導体間の短絡、導体幅の拡大、導
線周辺部の形状の乱れ等の問題を生じていた。
【0006】このため、耐めっき性を向上させる目的で
これまでにも種々の検討がなされてきた。しかしなが
ら、耐めっき性が改善されたアルカリ現像型ドライフイ
ルムレジストでは、耐めっき性を高めるため組成物の耐
薬品性を向上させることに主眼が置かれていたため、硬
化レジストを強アルカリ水溶液によって剥離させるのに
必要な時間(剥離時間)が長いという欠点を有するもの
が多かった。剥離時間が長いと回路パターンの製造に要
する時間が長くなり生産性が上がらないだけでなく、基
板の銅表面がアルカリによって酸化・変色し、その後の
エッチング工程に悪影響を与えたり、あるいは半田が強
アルカリ水溶液に長時間さらされることによって溶解す
るため、エッチング工程中にパターンの細りや断線が生
じたり、フェージングができなくなることがあった。
【0007】一方、従来のアルカリ現像型ドライフイル
ムレジストの中で剥離時間が短いものの多くは、耐めっ
き性が不十分なだけでなく、強アルカリ性の剥離液によ
って剥離した硬化レジストの剥離片が、その剥離液に溶
解しやすいという欠点を有していた。硬化レジスト剥離
片が剥離液に溶解しやすいと、剥離片が剥離槽中に滞留
している間に容易に膨潤してゲル状となり、このゲル状
物が剥離片を捕捉するために剥離機に設けられたフイル
ターの目を頻繁に詰まらせる。その結果、剥離液の循環
量が減少して硬化レジストの剥離が出来なくなったり、
剥離液が剥離槽からオーバーフローし、槽の周囲を汚染
することがあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
欠点を克服し、耐めっき性に優れ、しかも剥離時間が短
く、剥離片が剥離液に容易に溶解しないアルカリ現像型
光重合性または放射線重合性の架橋硬化型樹脂組成物を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは上
記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定のエチレン
性不飽和基含有単量体にカルボキシル基含有バインダー
用熱可塑性重合体および光重合開始剤を組み合わせて得
られる架橋硬化型樹脂組成物を使用することで、これら
の目的が達成されることを見いだし、本発明を完成する
に到った。
【0010】即ち本発明は、(a)1分子中にOH基を
3個以上有する多価アルコールに、プロピレンオキサイ
ド単独またはプロピレンオキサイドとエチレンオキサイ
ドとの組合わせからなり、かつプロピレンオキサイドの
含有率67モル%以上であるアルキレンオキサイドを、
前記多価アルコールのOH基1モル当たり5〜12モル
の範囲で付加した反応生成物に、(メタ)アクリル酸ま
たは(メタ)アクリル酸クロライドを反応させて得られ
る、1分子中に平均して1.5個以上の(メタ)アクリ
ロイルオキシ基を有する化合物の少なくとも一種、5〜
30重量部、(b)1分子中に2個以上のエチレン性不
飽和基を有する上記(a)以外の少なくとも一種の架橋
性単量体、5〜30重量部、(c)3〜15個の炭素原
子を有するα,β−不飽和カルボキシル基含有単量体の
少なくとも一種を15〜35重量%なる範囲で他の共重
合可能な単量体85〜65重量%と共重合したバインダ
ー用熱可塑性重合体、45〜75重量部、および(d)
光重合開始剤、0〜10重量部なる範囲で総量100重
量部となるように組合せた架橋硬化型樹脂組成物に関す
る。
【0011】以下、本発明の架橋硬化型樹脂組成物を構
成する各成分について、その作用とともに順次述べるこ
とにする。本発明の架橋硬化型樹脂組成物は(a)成分
として1分子中にOH基を3個以上有する多価アルコー
ルに、プロピレンオキサイド単独またはプロピレンオキ
サイドとエチレンオキサイドとの組合せからなり、かつ
プロピレンオキサイドの含有率67モル%以上であるア
ルキレンオキサイドを、前記多価アルコールのOH基1
モル当たり5〜12モルの範囲で付加した反応生成物に
(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸クロライ
ドを反応させて得られる1分子中に平均して1.5個以
上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物の少
なくとも一種を5〜30重量部含有する。
【0012】多価アルコールとしては、1分子内にOH
基を3個以上有しているものであればよく、その例とし
ては、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール等が挙げられ、これらが数モル縮合した化合物、
例えばトリメチロールエタンの二量体、トリメチロール
プロパンの二量体、ペンタエリスリトールの二量体等も
使用可能である。またこれらの多価アルコールは、分子
内のOH基のうち3個以上がOH基として存在していれ
ば、他のOH基はアルコキシ基、アシルオキシ基等で置
換されていてもよい。
【0013】上記の多価アルコールと反応させるアルキ
レンオキサイドは、プロピレンオキサイドの単独でも、
プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとを組み合
わせてもよいが、プロピレンオキサイドとエチレンオキ
サイドとを組み合わせる場合にはプロピレンオキサイド
の含有率が67モル%以上であることが必要である。プ
ロピレンオキサイドの含有率が67%未満の場合は、剥
離片が剥離液に溶解しやすくなる。また、プロピレンオ
キサイドの含有率は、より好ましくは、67〜90モル
%の範囲である。プロピレンオキサイドの含有率が67
〜90モル%の場合には、プロピレンオキサイドの含有
率が90モル%を超える場合に比べて、現像時間が20
%以上短くなり、この点でより好ましい。また、プロピ
レンオキサイドとエチレンオキサイドとを組み合わせる
場合には、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイド
との混合物を前記多価アルコールに反応させてランダム
に付加させてもよいが、最初にプロピレンオキサイドの
みを加えて付加させた後に、エチレンオキサイドを付加
させた方が、より好ましい。
【0014】前記多価アルコールと反応させる前記アル
キレンオキサイドの添加モル数は、多価アルコールのO
H基1モル当たり5〜12モルである。アルキレンオキ
サイドは、反応させる多価アルコールのOH基1モル当
たり5〜12モルの量を添加して反応させればよく、O
H基1個に対するアルキレンオキサイドの付加個数が、
該多価アルコール中のOH基の間で異なっていてもよ
い。該アルキレンオキサイドの添加モル数が、OH基1
モル当たり5モル未満であるような(メタ)アクリレー
ト化合物を用いて得たドライフィルムレジストでは優れ
た耐めっき性は得られず、また強アルカリ水溶液による
剥離時間が長くなる傾向にある。一方、プロピレンオキ
サイドの添加モル数がOH基1モル当たり12モルを越
えるような(メタ)アクリレート化合物を用いて得たド
ライフィルムレジストでは、硬化物の架橋密度が低くな
りすぎて、耐薬品性が低下したり、現像すると表面の光
沢が失われたりする。
【0015】上記の多価アルコールに、該多価アルコー
ルのOH基1モル当たり5〜12モルの量の上記アルキ
レンオキサイドを添加して反応させて得られた反応生成
物に、(メタ)アクリル酸あるいは(メタ)アクリル酸
クロライドを反応して得られる化合物は、1分子中に平
均して1.5個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を
有していることが必要である。該化合物の有している
(メタ)アクリロイルオキシ基が、1分子中に平均して
1.5個未満の場合には、得られるドライフィルムレジ
ストの硬化物の架橋密度が低くなりすぎて、耐薬品性が
低下したり、現像すると表面の光沢が失われたりする。
また、該多価アルコールより得られる1分子中に平均し
て1.5個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有す
る化合物(a)は、1種以上を混合して使用することが
できる。
【0016】本発明は上述のように1分子中に2個以上
のエチレン性不飽和基を有する少なくとも一種の架橋性
単量体(b)、カルボキシル基含有バインダー用熱可塑
性重合体(c)および光重合開始剤(d)に、1分子中
にOH基を3個以上有する多価アルコールにOH基1モ
ル当たり5〜12モルの量の上記アルキレンオキサイドを
添加して反応させて得られた反応生成物に(メタ)アク
リル酸あるいは(メタ)アクリル酸クロライドを反応さ
せて得られる、1分子中に平均して1.5個以上の(メ
タ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(a)を特定
の割合で組み合わせることが必要不可欠であって、この
1分子中にOH基を3個以上有する多価アルコールより
得られる該特定の(メタ)アクリレート化合物(a)を
特定量配合することによって、従来技術では達成できな
かった優れた耐めっき性と易剥離性、および剥離片非溶
解性を同時に満足させることができた。
【0017】その詳細な機構は十分には解明できていな
いが、1分子中にOH基を3個以上有する多価アルコー
ルより得られる上記特定の(メタ)アクリレート化合物
(a)を特定量使用することによって架橋硬化型樹脂組
成物が適度にゆるやかな架橋密度でかつ均一に硬化する
ために、得られる硬化膜中の残留応力が少ないこと、お
よび得られる硬化膜が非常に柔軟でめっき析出反応中に
めっきレジストに加わる種々の応力に耐える十分な可撓
性を有していることにより、耐めっき性が向上したもの
と考えられる。また、1分子中にOH基を3個以上有す
る多価アルコールより得られる前記特定の(メタ)アク
リレート化合物(a)を特定量使用することによって架
橋硬化型樹脂組成物が硬化する際ゆるやかな網目を形成
するため、アルカリ水溶液の硬化膜内部への浸透が促進
され易剥離性が向上したものと考えられる。さらに1分
子中にOH基を3個以上有する多価アルコールより得ら
れる前記特定の(メタ)アクリレート化合物(a)は適
度に長いポリプロピレングリコール鎖を有し疎水性であ
るため、これを特定量用いて得られる架橋硬化型樹脂組
成物のアルカリ水溶液への溶解性が低下し、剥離片が非
溶解化したものと考えられる。
【0018】本発明において使用する1分子中にOH基
を3個以上有する多価アルコールより得られる前記特定
の(メタ)アクリレート化合物(a)は、本発明の架橋
硬化型樹脂組成物100重量部中に5〜30重量部含有
される。該(メタ)アクリレート化合物(a)の含有量
が5重量部未満の架橋硬化型樹脂組成物では本発明の目
的とする優れた耐めっき性は得られず、一方該化合物
(a)の含有量が30重量部を超えて多いものをドライ
フィルムレジストとした場合には、アルカリ水溶液で現
像すると表面の光沢が失われたりする。
【0019】本発明の架橋硬化型樹脂組成物の構成要素
である1分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有す
る上記(a)以外の架橋性単量体(b)としては、例え
ばポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ
リプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4
−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6 −ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグ
リコールジ(メタ)アクリレート、2,2 −ビス〔4−
(メタ)アクリロキシポリエトキシフエニル〕プロパ
ン、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロキシポリプロピ
レンオキシフエニル〕プロパン、ヒドロキシピパリン酸
ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリ
セリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリス〔ポリエトキシ(メ
タ)アクリレート〕、イソシアヌル酸トリエチロールジ
(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリエチロール
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、1分子中にOH基を3個以上有する
多価アルコールに、プロピレンオキサイドをOH基1モ
ル当り5モル未満の範囲で付加した反応生成物に、さら
に(メタ)アクリル酸あるいは(メタ)アクリル酸クロ
ライドを反応させて得られる1分子中に2個以上の(メ
タ)アクリロイルオキシ基を有する架橋性単量体、1分
子中にOH基を3個以上有する多価アルコールにプロピ
レンオキサイドをOH基1モル当り12モルを越える範
囲で付加した反応生成物に、さらに(メタ)アクリル酸
あるいは(メタ)アクリル酸クロライドを反応させて得
られる1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキ
シ基を有する架橋性単量体等の多価アルコールの(メ
タ)アクリレート類、2官能以上のエポキシ(メタ)ア
クリレート類およびウレタン(メタ)アクリレート類な
どが挙げられ、これらは1種あるいは混合して使用する
ことができる。
【0020】本発明において使用する1分子中に2個以
上のエチレン性不飽和基を有する上記(a)以外の架橋
性単量体(b)は、本発明の架橋硬化型樹脂組成物10
0重量部中に5〜30重量部含有される。該架橋性単量
体の含有量が5重量部未満のものはアルカリ水溶液で現
像すると表面の光沢が失われたりする。一方該架橋性単
量体の含有量が30重量部を越えて多いものをドライフ
ィルムレジストとした場合には本発明の目的とする優れ
た耐めっき性を得ることができない。
【0021】本発明の架橋硬化型樹脂組成物を構成する
バインダー用熱可塑性重合体(c)は、炭酸ナトリウム
等のアルカリ希薄水溶液で現像できるよう、3〜15個
の炭素原子を有するα, β−不飽和カルボキシル基含有
単量体の一種またはそれ以上を共重合体成分として15
〜35重量%なる割合で共重合させることが必要であ
る。使用し得るこのカルボン酸型単量体の例としては、
アクリル酸、メタクリル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、ソ
ルビン酸、イタコン酸、プロピオール酸、マレイン酸お
よびフマル酸等があり、またこれらの半エステル類ある
いは無水物も使用可能である。これらのうち最も好まし
い化合物はアクリル酸とメタクリル酸である。これらの
カルボン酸型成分は、共重合体中の含有量が15〜35
重量%の範囲となるように用いることが必要である。共
重合体中のカルボン酸型成分含有量が15重量%未満の
ものはアルカリ水溶液によって現像ができないか、また
は現像時間が長くかかりすぎて解像度の低下を引きおこ
す。一方、該カルボン酸型成分の共重合量が35重量%
を越えたものは、パターンとして残すつもりの光硬化部
もアルカリ性現像液により膨潤・除去されやすくなるた
め、高解像度パターンを得るには現像コントロールが困
難となり、また硬化部の耐水性も低下する。
【0022】また、このカルボン酸型成分は、共重合体
中の含有量が15〜23重量%の範囲となるように用い
ることが好ましい。カルボン酸型成分の共重合比を23
重量%以下にすることにより、本発明の目的である耐め
っき性をさらに向上させることができる。
【0023】本発明の架橋硬化型樹脂組成物を構成する
バインダ−用熱可塑性重合体(c)を構成する他の共重
合可能な成分としては、一般式〔I〕
【0024】
【化1】
【0025】(式中、RはH、1〜6個の炭素原子を有
するアルキル基またはハロゲン原子である。)で示され
る化合物およびその環置換誘導体よりなる群から選ばれ
る一種またはそれ以上の化合物から成る第2の重合性化
合物類を2〜25重量%なる範囲で用い、更に、アルキ
ル基が1〜8個の炭素原子を有するアルキルアクリレー
トおよびヒドロキシアルキル基が2〜8個の炭素原子を
有するヒドロキシアルキルアクリレートより成る群から
選ばれる一種またはそれ以上の化合物から成る第3重合
性物質10〜40重量%と、アルキル基が1〜8個の炭
素原子を有するアルキルメタクリレートおよびヒドロキ
シアルキル基が2〜8個の炭素原子を有するヒドロキシ
アルキルメタクリレートより成る群から選ばれる1種ま
たはそれ以上の化合物から成る第4重合性物質30〜7
0重量%であることが好ましい。
【0026】バインダー用熱可塑性重合体(c)に共重
合され得る第2重合性物質は、一般式〔I〕
【0027】
【化2】
【0028】(式中、RはH、1〜6個の炭素原子を有
するアルキル基またはハロゲン原子である。)で示され
る化合物およびその環置換誘導体である。ベンゼン環の
置換基としては、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ
基、アシル基、カルボキシル基、スルホン基、ヒドロキ
シル基またはハロゲン等が挙げられ、ベンゼン環の置換
残基は1〜5の範囲であってよい。好ましい置換基は、
メチルまたはt−ブチル基等の単一アルキル基である。
これらの化合物のうち最も好ましい化合物はスチレンで
ある。これらの第2重合性成分は、バインダー用熱可塑
性重合体中2〜25重量%の範囲となるように共重合さ
せることが望ましく、さらに好ましい範囲は3〜20重
量%である。該成分の共重合量が2重量%未満のもので
は優れた耐薬品性、特に耐めっき性を十分に発現できな
い傾向にあり、逆に該成分が25重量%を越えたもので
は得られるドライフィルムレジストの現像時間および剥
離時間が長くなり過ぎてドライフィルムレジストの解像
度の低下をひきおこしたり、回路パターンの生産性を低
下させたりする傾向がある。
【0029】バインダー用熱可塑性重合体(c)中に含
有され得る第3重合性物質は、炭素原子数1〜8のアル
キル基を有するアルキルアクリレートおよび炭素原子数
2〜8のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアル
キルアクリレートの少なくとも一種である。これらの化
合物の例としては、メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、n−プロピルアクリレート、iso −プロピルア
クリレート、n−ブチルアクリレート、sec −ブチルア
クリレート、t−ブチルアクリレート、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられ
る。これらの化合物のうち最も好ましい化合物は、メチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアク
リレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートであ
る。これらアクリレート型成分は、本発明の光重合性ま
たは放射線硬化型樹脂組成物に適度な柔軟性を付与する
ため、バインダー用熱可塑性重合体に10〜40重量%
の範囲となるように共重合させることが望ましく、さら
に好ましい範囲は15〜35重量%である。アクリレー
ト型成分の含有量が10重量%未満のものでは十分に柔
軟性のあるドライフィルムレジストが得られず、基材へ
の密着性、基材表面の凹凸へのレジスト樹脂の埋まり込
み性が不十分でレジストの耐めっき性や耐エッチング性
が低下する傾向がある。一方、前記第3の重合性物質の
共重合量が40重量%を越えたものは、逆にレジスト樹
脂が柔らか過ぎて、得られるドライフィルムレジストを
ロールに巻いて保存する際にレジスト樹脂が支持フィル
ムの間から経時的ににじみ出るいわゆるコールドフロー
現象の原因となる傾向がある。
【0030】バインダー用熱可塑性重合体(c)中に共
重合され得る第4重合性物質は、アルキルアクリレート
またはヒドロキシアルキルアクリレートと相まってバイ
ンダー用熱可塑性重合体に適度なTg(ガラス転移温
度)を与えるために共重合されるものであり、炭素原子
数1〜8のアルキル基を有するアルキルメタクリレート
および炭素原子数2〜8のヒドロキシアルキル基を有す
るヒドロキシアルキルメタクリレートの少なくとも一種
である。これらの化合物の例としては、メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリ
レート、iso −プロピルメタクリレート、n−ブチルメ
タクリレート、sec −ブチルメタクリレート、t−ブチ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−エチ
ルヘキシルメタクリレート等が挙げられる。これらの化
合物のうち最も好ましい化合物はメチルメタクリレート
である。これらメタクリレート成分は、バインダー用熱
可塑性共重合体中30〜70重量%の範囲となるように
共重合させることが望ましく、さらに好ましい範囲は3
5〜65重量%である。
【0031】また、本発明において使用する熱可塑性重
合体(c)は0.1 mol/lのチオシアン酸ナトリウム
のジメチルホルムアミド溶液を溶媒として25℃で測定
した[η](固有粘度)が0.30〜0.40の範囲に
あることが好ましい。[η]が0.40を越えたものは
得られるドライフィルムレジストの耐めっき性が若干劣
る傾向にあり、逆に[η]が0.30未満のものはドラ
イフィルムレジストとした際にコールドフロー現象を起
こしやすい。
【0032】本発明の目的である優れた耐めっき性をさ
らに向上させるには、バインダー用熱可塑性重合体
(c)中のカルボン酸型成分の含有量を23重量%以下
にすることが有効であり、さらにバインダー用熱可塑性
重合体(c)の[η]を0.40以下にすることにより
耐めっき性が一層向上することを見いだした。その詳細
な機構は明らかではないが、耐めっき性の低下はめっき
レジストと下地の金属との界面あるいはめっきレジスト
膜を通してめっき液がしみ込み、めっきレジストと下地
の金属との界面で〔II〕式に示される反応が起こり、生
成した水酸イオン(アルカリ)が界面を破壊することが
原因であると言われている。
【0033】 H2 O+1/2O2 +2e- → 2OH- 〔II〕 従って、バインダー用熱可塑性重合体の[η]を特定の
値以下に抑えることにより架橋硬化型樹脂組成物の柔軟
性が大きくなり、基板にラミネートする際、基板表面の
凹凸に樹脂が十分に埋まり込み、界面を通してのめっき
液の侵入が抑えられると共に、バインダー用熱可塑性重
合体中のカルボン酸成分を特定量以下に抑えることによ
り〔II〕式で生成する水酸イオンによるアルカリ現像型
レジスト樹脂の膨潤が最小限に抑えられ、その結果耐め
っき性が大幅に向上したものと考えられる。
【0034】また、一般的にバインダー用熱可塑性重合
体中のカルボン酸成分を少なくするとアルカリ希薄水溶
液による現像時間が長くなるが、バインダー用熱可塑性
重合体の[η]を特定の値以下に抑えることにより現像
時間もさらに短縮できることを見い出した。これは
[η]を特定の値以下に抑えてバインダー用熱可塑性重
合体の分子鎖長を短くすることにより、分子鎖どうしの
からみあいが少なくなりアルカリ希薄溶液中への分散が
容易になったためと考えられる。
【0035】本発明において使用するバインダー用熱可
塑性重合体(c)は、架橋硬化型樹脂組成物100重量
部中に45〜75重量部、好ましくは50〜70重量部
含有される。バインダー用熱可塑性重合体の含有量が4
5重量部未満の架橋硬化型樹脂組成物は得られるドライ
フィルムレジストの感光層のフィルム形成性が損われ十
分な膜強度が得られずコールドフローが発生しやすく、
剥離時間も長い。一方、該熱可塑性重合体の含有量が7
5重量部を越えたものは硬化膜がもろく、基材表面の凹
凸への埋まり込み性および基材との密着力が損われ、十
分な耐薬品性、特に耐めつき性、耐エッチング性が得ら
れず、また現像すると表面の光沢が失われたりする。
【0036】本発明の架橋硬化型樹脂組成物を光重合さ
せるに際して用いる光重合開始剤(d)はベンゾフェノ
ン、ミヒラーズケトン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)
ベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチ
ルアントラキノン、チオキサントン類、ベンゾインアル
キルエーテル類、ベンジルケタール類等公知の一種を用
いることができ、あるいは二種以上を併用できる。
【0037】本発明において使用する光重合開始剤
(d)は、紫外線で硬化させる場合には架橋硬化型樹脂
組成物100重量部中に0.1〜10重量部含有され
る。0.1重量部未満の場合には十分に光硬化せず、一
方10重量部を越える場合には熱的に不安定になる。ま
た本発明の架橋硬化型樹脂組成物を電子線で硬化させる
場合には光重合開始剤は含まれていなくてもよい。
【0038】本発明の架橋硬化型樹脂組成物には、硬化
物の架橋密度を調整し、適度の柔軟性を得ることを目的
として、1分子中に1個のエチレン性不飽和基を有する
重合性単量体を添加してもよい。化合物の例としてはフ
エノキシジエトキシ(メタ)アクリレート、メトキシポ
リエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブト
キシメチルアクリルアミド、iso −ブトキシメチルアク
リルアミド等が挙げられ、これらは一種あるいは混合し
て使用することができる。1分子中に1個のエチレン性
不飽和基を有する重合性単量体の使用量は、本発明の組
成物を構成する1分子中に3個以上のOH基を有する多
価アルコールより得られる化合物(a)および1分子中
に2個以上のエチレン性不飽和基を有する架橋性単量体
(b)の使用量の合計を越えない範囲で使用するのが好
ましい。(a)および(b)の使用量の合計を越える場
合には、得られる樹脂組成物の柔軟性は向上するものの
架橋密度が低くなり過ぎて硬化物の耐薬品性が低下す
る。
【0039】本発明の架橋硬化型樹脂組成物には、耐め
っき性をより一層向上させるためにテトラゾールあるい
はその誘導体を含有させてもよい。テトラゾールあるい
はその誘導体は、少量の添加で金属面への密着性を向上
させることができ、その例としては1−フェニルテトラ
ゾール、5−フェニルテトラゾール、5−アミノテトラ
ゾール、5−アミノ−1−メチルテトラゾール、5−ア
ミノ−2−フェニルテトラゾール、5−メルカプト−1
−フェニルテトラゾール、5−メルカプト−1−メチル
テトラゾール等が挙げられ、これらは一種以上を併用で
きる。
【0040】上記テトラゾール類以外の化合物たとえば
ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール等も使用可能
であるが、これらは耐めっき性を向上させるには多量に
使用しなければ優れた効果が得られにくく、一方多量に
使用すると本発明の架橋硬化型樹脂組成物の感度を低下
させるだけでなく現像後あるいは剥離後も銅表面にこれ
ら化合物が残留してめっきの付着を悪くしたり、エッチ
ングを遅らせたりするため好ましくない。テトラゾール
あるいはその誘導体の使用量は、バインダー樹脂、架橋
性単量体および光重合開始剤の合計100重量部に対し
0.005〜5重量部の範囲であることが好ましい。
0.005重量部未満では耐めっき性の向上が明確には
認められず、一方5重量部を越えると架橋硬化型樹脂組
成物への溶解に長時間を要し、また架橋硬化型樹脂組成
物の感度も低下する。
【0041】本発明の架橋硬化型樹脂組成物は必要に応
じて熱重合禁止剤、染料、可塑剤および充填剤のような
成分を添加することもできる。
【0042】次に本発明の架橋硬化型樹脂組成物の使用
方法について述べる。本発明の架橋硬化型樹脂組成物
は、前記各成分を沸点のあまり高くない溶剤、例えばア
セトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、ジクロロメタン、クロロホルム、メチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル等の一種またはそれ以上に溶解、混合することによ
り、均一な溶液状として使用することができる。これら
溶剤の使用量は架橋硬化型樹脂組成物100重量部に対
して200重量部以下、好ましくは50〜150重量部
である。
【0043】まず第1段階として、目的とする基板上
に、前記架橋硬化型樹脂組成物からなる感光層を形成さ
せる。本発明の架橋硬化型樹脂組成物は、溶液状のまま
銅板等の基板に塗布、乾燥して使用することもできる
が、前記溶液状の樹脂組成物をポリエチレンテレフタレ
ート等の支持フィルム上に塗布、乾燥してドライフィル
ムレジストとし、これを銅板等の基板にラミネートして
感光層を形成することもできる。 本発明の架橋硬化型
樹脂組成物を用いてドライフィルムレジストを形成させ
るには、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコ
ーター、ロールドクターコーター、コンマコーター、リ
バースロールコーター、トランスファロールコーター、
グラビアコーター、キスロールコーター、カーテンコー
ター等を用いて塗布することができるが、溶剤を揮散さ
せる必要がある。乾燥機としては可燃性有機溶剤を使用
する場合には安全性の点から蒸気による空気加熱式の熱
源を備えたものを用い乾燥機内の熱風を向流接触せしめ
る方式およびノズルより支持体に吹き付ける方式等が用
いられる。乾燥機の形状は、アーチ式、フラット式等目
的に合わせて選択して用いられる。
【0044】乾燥後のドライフィルムレジストには必要
ならばポリエチレンやポリプロピレンのような保護フィ
ルムをラミネートして用いてもよい。
【0045】ドライフィルムレジストを基材に積層する
方法としては、当該分野で公知の各種方法を用いること
ができ、例えば、常圧熱ロール圧着法、真空熱ロール圧
着法、真空熱プレス圧着法などがある。
【0046】次に、パターンを形成させるために感光層
の露光を行う。露光の方法としては、既に公知である各
種の方法を用いることができるが、例えば、紫外線露光
法、可視光露光法、レーザー露光法等を用いることがで
き、また、露光を選択的に行う方法としては、フォトマ
スクを使用する方法やダイレクトイメージング法等を用
いうる。
【0047】次にアルカリ現像液を用いた未硬化部分
(未露光部分)の除去を行う。アルカリ現像液として
は、例えば炭酸ナトリウム水溶液、リン酸ナトリウム水
溶液、炭酸カリウム水溶液を用いることができ、これら
の水溶液に少量の消泡剤や界面活性剤を添加することも
可能である。また、除去方法としては、最も一般的には
スプレー法が使用されるが、その一部を浸漬法で代替さ
せることも可能である。
【0048】以上のようにしてパターン形成したドライ
フィルムレジストは耐めっき性が優れ、しかも易剥離
性、剥離片非溶解性が良好で工業的に非常に有用であ
る。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例に基づい
て具体的に説明する。
【0050】合成例1 (化合物a(A−1)の合成) 攪拌機、Dean-Stark水分離器、空気吹き込み管および温
度計を備えた3lの3つ口フラスコにトルエン950
g、P−メトキシフェノール0.4g、アクリル酸20
0g、トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド
25モル反応物1220g、およびP−トルエンスルホ
ン酸一水塩94gを入れた。次に空気を少量ずつ吹き込
みながらフラスコ内の圧力を300Torrとし、攪拌しな
がら油浴の温度を110℃に上げると還流が始まり、共
沸された水が Dean-Stark 水分離器にたまり始めた。そ
して新たな水の留出がなくなるまでそのままの状態で1
3時間反応させた。その後、フラスコ内温度を室温まで
低下させ、反応混合物にヘキサン4700gを加え、1
0wt%水酸化ナトリウム水溶液、続いて水で洗浄した
後、低沸点成分を蒸留して除去し、トリメチロールプロ
パンのプロピレンオキサイド25モル反応物のアクリレ
ート(化合物a(A−1))を得た。収率は86%であ
った。
【0051】合成例2〜11 (化合物a(A−2〜A−
11)の合成) 合成例1と同様の方法で、表1に示す割合で多価アルコ
ールとアクリル酸を反応させて、表2に示す化合物a
(A−2〜A−11)を得た。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】合成例12 (バインダー用熱可塑性重合体
B−1の成分) 下記の成分を用意した。 (重合性単量体) メタクリル酸 50g スチレン 20g メチルアクリレート 50g メチルメタクリレート 80g (溶剤) メチルエチルケトン 100g イソプロピルアルコール 220g (重合開始剤) アゾビスイソブチロニトリル 2g 窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備え
た1000mlの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下でメ
タクリル酸、スチレン、メチルアクリレート、メチルメ
タクリレート、メチルエチルケトンを全量、及びイソプ
ロピルアルコール140g、アゾビスイソブチロニトリ
ル0.4gを入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に
上げ、その温度で2時間重合させた。次いでアゾビスイ
ソブチロニトリルの残量を1時間置きに5回に分けて添
加した後、フラスコ内温を溶剤の沸点まで上昇させてそ
の温度でさらに2時間重合させた。その後、フラスコ内
温度が50℃以下になってから、イソプロピルアルコー
ルの残量を添加して重合反応物をフラスコより取り出
し、熱可塑性重合体B−1の溶液を得た。なお熱可塑性
重合体B−1における単量体混合物の重合率は99.5
%以上であり、熱可塑性重合体溶液中の固形分量は3
8.7重量%であった。また、チオシアン酸ナトリウム
の0.1 mol/l ジメチルホルムアミド溶液を溶媒とし
て25℃で測定した熱可塑性重合体B−1の[η]は
0.43であった。
【0055】合成例13〜19 (バインダー用熱可塑
性重合体B−2〜B−8の合成) 表3に示す組成の単量体200gを用いて、最初に仕込
むアゾビスイソブチロニトリルとイソプロピルアルコー
ルの量のみ変更し、それ以外は合成例9と同様にして重
合させ、熱可塑性重合体B−2〜B−8の溶液を得た。
なお、各組成における単量体混合物の重合率はいずれも
99.5%以上であり、固形分量はいずれも38.7重
量%であった。また合成例9と同様にして各熱可塑性重
合体の[η]を測定し、その結果を表3に示した。
【0056】
【表3】
【0057】実施例1〜17、比較例1〜11 合成例で得た化合物a(A−1〜A−11)および熱可
塑性重合体(B−1〜B−8)を用いて表4の組成を有
する光重合性樹脂組成物溶液を調合した。
【0058】
【表4】
【0059】(注)熱可塑性重合体溶液の固形分量はい
ずれも38.7重量%、従って固形分として43重量
部、53重量部、58重量部、67重量部および77重
量部の熱可塑性重合体を含有する熱可塑性重合体溶液の
量は111重量部、137重量部、150重量部、17
3重量部および199重量部。
【0060】
【化3】
【0061】この調合した組成物溶液をプロペラ型ミキ
サーで攪拌し、ブレードコーターにより厚さ25μmのポ
リエステルフィルム上に塗工巾300mmに塗布し次い
で長さ8mの向流熱風乾燥機を用いて乾燥させ、感光性
樹脂組成物の厚さを50μmとした。続いて、その乾燥
塗膜上に厚さ35μmのポリエチレン製保護フィルムを
ラミネートした後、幅250mmにスリットして120
mの長さにロールに巻き取った。このロールを23℃の
恒温室に横向きにして5日間放置し、ロール端面からの
コールドフローの状態を目視で観察し、その結果を表5
に示した。
【0062】得られたドライフィルムレジストは、保護
フィルムを剥離しながら塗布膜面を銅張積層板に熱ラミ
ネートし、銅張積層板の温度が室温に戻った後、ポリエ
ステルフィルム面にフォトツールを密着して超高圧水銀
灯で露光した。超高圧水銀灯はウシオ電機USH−10
2Dを用い、三菱レイヨン(株)製25段ステップタブ
レットで15段残りとなるような露光量で露光した。露
光後20分放置して支持フィルムを剥離して、1wt%
炭酸ナトリウム水溶液で現像した。現像は液温30℃、
スプレー圧1.4kg/cm2 、スプレーと基板との距
離を10cmとして行なった。この際、現像後の硬化レ
ジスト表面の光沢の有無を目視で観察し、結果を表5に
示した。また実施例1、9〜17および比較例11につ
いては、ドライフィルムレジストが現像液で洗い落とさ
れて基板銅表面が露出するまでに要した時間(最少現像
時間)を測定し、結果を表6に示した。
【0063】次に基板を脱脂剤エンプレートPC−45
5(メルテックス(株))の20vol%水溶液に40
℃で5分間浸漬し脱脂した後、スプレー水洗を1分間行
ない、その後20wt%の過硫酸アンモニウム水溶液中
に1分間浸漬した後、再びスプレー水洗を1分間行なっ
た。その後、10vol%の硫酸に1分間浸漬し、再び
スプレー水洗を1分間行なった。次いで10vol%硫
酸に1分間浸漬した後、硫酸銅めっき液に浸漬し、3.
0A/dm2 で30分間銅めっきを行なった。この時の
液温は22℃であった。めっき終了後直ちに水洗し、5
wt%硼弗化水素酸水溶液に1分間浸漬した後、ハイス
ロー半田めっき液に浸漬し、1.8A/dm2 で15分
間半田めっきを行なった。この時の液温は22℃であっ
た。めっき終了後水洗を行ない、その後乾燥した。各ド
ライフィルムレジストの耐めっき性を表5に示した。
【0064】なお銅めっき液および半田めっき液の組成
は次の通りである。 (銅めっき液) 硫酸銅 75g /l 98wt%硫酸 100ml/l 36wt%塩酸 0.13ml/l 光沢剤 5ml/l (半田めっき液) 45wt%ホウフッ化スズ水溶液 64ml/l 45wt%ホウフッ化鉛水溶液 22ml/l 42wt%ホウフッ化水素酸 200ml/l ホウ酸 20g /l 添加剤 40ml/l 半田めっき後のサンプルを用いて45℃の3wt%水酸
化ナトリウム水溶液でレジストを剥離した。剥離はスプ
レーノズルと基板との距離を10cmとし、スプレー圧
1.0kg/cm2 で行なった。この時のレジストの剥
離に要した時間を測定しその結果を表5に示した。
【0065】剥離評価後の剥離片を回収し、3wt%水
酸化ナトリウム水溶液を入れたビーカー中に入れ密封
し、これを23℃の恒温室に1週間放置し、剥離片が溶
解したかどうかを目視で観察した。その結果も表5に示
した。
【0066】
【表5】
【0067】
【表6】
【0068】
【発明の効果】表5及び表6から明らかなごとく、本発
明に係る架橋硬化型樹脂組成物は耐めっき性、易剥離
性、剥離片非溶解性共に優れているばかりでなく現像時
間も短く、アルカリ現像型光重合性または放射線重合性
の架橋硬化型樹脂組成物として極めて有効である。
【0069】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小柳 精也 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央研究所内 (72)発明者 宮崎 誠司 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)1分子中にOH基を3個以上有する
    多価アルコールに、プロピレンオキサイド単独またはプ
    ロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとの組合せか
    らなり、かつプロピレンオキサイドの含有率67モル%
    以上であるアルキレンオキサイドを、前記多価アルコー
    ルのOH基1モル当たり5〜12モルの範囲で付加した
    反応生成物に、(メタ)アクリル酸または(メタ)アク
    リル酸クロライドを反応させて得られる1分子中に平均
    して1.5個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有
    する化合物の少なくとも一種、5〜30重量部、 (b)1分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有す
    る上記(a)以外の少なくとも一種の架橋性単量体、5
    〜30重量部、 (c)3〜15個の炭素原子を有するα,β−不飽和カ
    ルボキシル基含有単量体の少なくとも一種を15〜35
    重量%なる範囲で他の共重合可能な単量体85〜65重
    量%と共重合したバインダー用熱可塑性重合体、45〜
    75重量部、および (d)光重合開始剤、0〜10重量部 なる範囲で総量100重量部となるように組合せてなる
    架橋硬化型樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 化合物(a)がプロピレンオキサイドと
    エチレンオキサイドとの組合せからなり、プロピレンオ
    キサイドの含有率が67モル%以上であるアルキレンオ
    キサイドが、プロピレンオキサイドの含有率が67〜9
    0モル%であることを特徴とする請求項1記載の架橋硬
    化型樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007304541A (ja) * 2006-04-12 2007-11-22 Hitachi Chem Co Ltd 感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法
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