JPH05195759A - エンジンの触媒劣化検出方法 - Google Patents

エンジンの触媒劣化検出方法

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JPH05195759A
JPH05195759A JP4009318A JP931892A JPH05195759A JP H05195759 A JPH05195759 A JP H05195759A JP 4009318 A JP4009318 A JP 4009318A JP 931892 A JP931892 A JP 931892A JP H05195759 A JPH05195759 A JP H05195759A
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JP
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catalyst
fuel ratio
air
fuel cut
sensor
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JP4009318A
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Takuro Morozumi
卓郎 両角
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Subaru Corp
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Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 あらゆる運転条件下で触媒の劣化を精度良く
検出する。 【構成】 触媒の上流と下流にO2 センサをそれぞれ配
設したエンジンであって、燃料カットリカバリー後に下
流側O2 センサで検出する空燃比がリーンからリッチに
反転するまでの時間Tと、この間の吸入空気量QA の積
分値SUMQAに基づいて設定した触媒劣化判定用基準
時間T0 とを比較し、T<T0 の場合、触媒が劣化して
いると判断する。吸入空気量QA の積分値SUMQA に
基づいて触媒劣化判定用基準時間T0 を設定しているた
め、あらゆる運転条件下において触媒の劣化を高精度に
診断することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、触媒の下流側に配設し
た空燃比センサを用いて触媒の劣化を検出するエンジン
の触媒劣化検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジンの空燃比フィードバック
制御においては、排気ガスを浄化する触媒の上流側と下
流側とにO2 センサなどの空燃比センサをそれぞれ設
け、上流空燃比センサの出力特性のばらつきを下流空燃
比センサにより補償して、単一のO2 センサの出力特性
のばらつきに起因する制御精度の悪化を改善する、いわ
ゆるダブルO2 センサシステムが提案されている。
【0003】この種のシステムにおいて触媒の機能が劣
化すると下流空燃比センサの出力特性が未燃ガスの影響
により変化し、良好な空燃比フィードバック制御性能が
得られなくなる。
【0004】そのため、例えば、特開平2−33408
号公報には、燃料カットリカバリー時から下流空燃比セ
ンサで検出した空燃比がリーンからリッチに反転するま
での時間を計測し、この反転時間が所定時間より短い場
合、触媒の劣化と判断する技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、触媒の浄化
性能は触媒の有する酸素のストレージ効果と強い相関が
あり、劣化した触媒はストレージ効果が少ないので、燃
料カットリカバリー後直ぐに下流空燃比センサが空燃比
のリッチを検出する。一方、正常時の触媒では、燃料カ
ット中においては多量の酸素をストレージする。そし
て、燃料カットリカバリー後は、このストレージされた
酸素を徐々に用いてHC,COの浄化を行う。
【0006】ストレージされた酸素の消費速度は触媒を
通過する排ガス量によって変化するもので、アイドリン
グ時の酸素消費速度が遅く、したがって、下流空燃比セ
ンサで検出する空燃比がリッチ側へ反転するまでの時間
が比較的長くなる。一方、加速時など吸入空気量の多い
条件下では酸素消費速度が速くなり、下流空燃比センサ
で検出する空燃比がリッチ側へ反転するまでの時間は短
くなる。
【0007】したがって、例えば、減速運転からアイド
ル運転へ移行した場合、減速中に燃料カットが行われる
ため下流空燃比センサで検出する空燃比は始めリーン出
力となり、燃料カットリカバリー後のアイドル運転時で
は排ガス量が少ないためリッチ出力に反転するまでには
比較的長い時間がかかる。また、減速運転から再加速し
た場合、燃料カットリカバリー後短時間で下流空燃比セ
ンサの出力がリッチ側へ反転する。
【0008】しかし、上述した先行技術では触媒を通過
する排ガス量とは無関係に単なる下流空燃比センサで検
出するリーン側からリッチ側へ反転する時間と基準とな
る時間とを比較しているに過ぎないため、減速運転から
アイドル運転へ移行した場合には触媒が劣化していても
反転時間が長いために、この劣化状態を検出することが
困難になる。逆に、減速運転から再加速した場合にはリ
ーン/リッチの反転時間が短いために触媒が正常であっ
ても劣化と誤判定してしまう可能性がある。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、あらゆる運転条件下においても触媒の劣化を精度良
く検出することのできるエンジンの触媒劣化検出方法を
提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明によるエンジンの触媒劣化検出方法は、排気通路
に介装した触媒の上流側に上流空燃比センサを配設し、
下流側に下流空燃比センサを配設するエンジンにおい
て、燃料カットリカバリーを判断する手順と、燃料カッ
トリカバリー後、上記下流空燃比センサで検出した空燃
比がリーンからリッチに反転するまでの時間を計測する
手順と、燃料カットリカバリー後の吸入空気量の積分値
を演算する手順と、燃料カットリカバリー後、上記下流
空燃比センサで検出した空燃比がリーンからリッチにな
ったときの上記吸入空気量の積分値に基づき触媒劣化判
定用基準時間を設定する手順と、この触媒劣化判定用基
準時間と上記下流空燃比センサで検出した空燃比がリー
ンからリッチに反転するまでの時間とを比較して触媒の
劣化を判断する手順とを備えるものである。
【0011】
【作用】本発明によるエンジンの触媒劣化検出方法では
燃料カットリカバリー後、排気通路に介装した触媒の下
流側に配設した下流空燃比センサで検出した空燃比がリ
ーンからリッチに反転するまでの時間を計測し、また、
燃料カットリカバリー後の吸入空気量の積分値を演算す
る。
【0012】そして、燃料カットリカバリー後、上記下
流空燃比センサで検出した空燃比がリーンからリッチに
反転したときの上記吸入空気量の積分値に基づき触媒劣
化判定用基準時間を設定し、この触媒劣化判定用基準時
間と上記下流空燃比センサで検出した空燃比がリーンか
らリッチに反転するまでの時間とを比較し、触媒劣化判
定用基準時間より上記反転時間が短い場合、触媒の劣化
と判断する。
【0013】触媒劣化判定用基準時間を吸入空気量の積
分値に基づいて可変設定しているため、触媒の劣化を精
度良く判定することができる。
【0014】
【実施例】以下、図面に基づいて発明の実施例を説明す
る。
【0015】図1〜図6は本発明の第一実施例を示し、
図1は触媒劣化診断手順を示すフローチャート、図2は
燃料噴射量設定手順を示すフローチャート、図3は燃料
カット条件判別手順を示すフローチャート、図4はエン
ジン制御系の概略図、図5はエンジン制御装置の回路構
成図、図6は燃料噴射量、上流O2 センサの出力、下流
O2 センサの出力、燃料カットリカバリー後の積算吸気
量を示すタイムチャートである。
【0016】[エンジン制御系の構成]図4において、
符号1はエンジン本体(図においては水平対向型エンジ
ン)で、このエンジン本体1のシリンダヘッド2に形成
された吸気ポート2aにインテークマニホルド3が連通
され、さらに、このインテークマニホルド3の上流にエ
アチャンバ4を介してスロットルチャンバ5が連通さ
れ、このスロットルチャンバ5の上流に吸気管6を介し
てエアクリーナー7が取付けられている。
【0017】また、上記吸気管6の上記エアクリーナー
7の直下流に、ホットワイヤあるいはホットフィルム式
などの吸入空気量センサ8が介装され、上記スロットル
チャンバ5に設けられたスロットルバルブ5aに、スロ
ットル開度センサ9が連設されている。
【0018】さらに、上記スロットルバルブ5aの上流
側と下流側とを連通するバスパス通路10に、アイドル
スピードコントロールバルブ(ISCV)11が介装さ
れている。また、上記インテークマニホルド3の各気筒
に各吸気ポート2aの直上流側に、インジェクタ12が
配設されている。また、上記シリンダヘッド2の各気筒
毎に、その先端を燃焼室に露呈する点火プラグ13が取
付けられ、この点火プラグ13にイグナイタ26が接続
されている。
【0019】また、上記エンジン本体1のシリンダブロ
ック1aにノックセンサ14が取付けられるとともに、
このシリンダブロック1aに形成した冷却水通路15に
冷却水温センサ16が臨まされ、さらに、上記シリンダ
ヘッド2の各排気ポート2bに連通するエグゾーストマ
ニホルド17の集合部に排気管18が連通されている。
【0020】また、上記エグゾーストマニホルド17の
集合部に触媒コンバータ19が介装されており、この触
媒コンバータ19の上流側にフロント(F)O2 センサ
20aが臨まされ、下流側にリア(R)O2 センサ20
bが臨まされている。
【0021】また、上記シリンダブロック1aに支承さ
れたクランクシャフト1bに、クランクロータ21が軸
着され、このクランクロータ21の外周に、所定のクラ
ンク角センサ22が対設され、さらに、上記シリンダヘ
ッド2のカムシャフト1cに連設されたカムロータ23
に、電磁ピックアップなどからなるカム角センサ24が
対設されている。
【0022】後述するECU31では、上記クランクロ
ータ21の外周に所定クランク角ごとに形成された突起
あるいはスリットを上記クランク角センサ22で検出し
たときの信号に基づきエンジン回転数NE 、点火時期な
どを設定する。また、上記カムロータ23の外周に形成
された気筒判別用突起あるいはスリットを上記カム角セ
ンサ24が検出したときの信号に基づき燃焼行程気筒を
判別する。
【0023】[制御装置の回路構成]一方、図5におい
て、符号31はマイクロコンピュータなどからなる制御
装置(ECU)で、CPU32、ROM33、RAM3
4、バックアップRAM35、及びI/Oインターフェ
ース36がバスライン37を介して互いに接続され、定
電圧回路38から所定の安定化電圧が各部に供給され
る。
【0024】上記定電圧回路38は、直接、およびEC
Uリレー39のリレー接点を介してバッテリ40に接続
され、このバッテリ40に、上記ECUリレー39のリ
レーコイルがイグニッションスイッチ41を介して接続
されている。
【0025】また、上記I/Oインターフェース36の
入力ポートには、上記各センサ8,9,14,16,2
0a,20b,22,24、車速センサ25及び、上記
バッテリ40が接続されてバッテリ電圧がモニタされて
いる。一方、上記I/Oインターフェース36の出力ポ
ートには、イグナイタ26が接続され、さらに、駆動回
路42を介して、ISCV11、インジェクタ12、及
び、図示しないインストルメントパネルに配設したEC
S(Electronic Control System )ランプ43が接続さ
れている。
【0026】上記ROM33には制御プログラム、及
び、各種テーブル類などの固定データが記憶されてお
り、また、上記RAM34には、上記各センサ類、スイ
ッチ類の出力信号を処理した後のデータ、及び上記CP
U32で演算処理したデータなどが格納されている。ま
た、上記バックアップRAM35には、トラブルコード
などがストアされており、イグニッションスイッチ41
がOFFのときにもデータが保持されるようになってい
る。なお、このトラブルコードはECU31にシリアル
モニタ44をコネクタ45を介して接続することで外部
に読出すことができる。このシリアルモニタ44につい
ては本出願人が先に提出した特開平2−73131号公
報に詳述されている。
【0027】上記CPU32では、クランク角センサ2
2からのクランク角信号によりエンジン回転数NE を算
出し、このエンジン回転数NE と吸入空気量センサ8か
らの吸入空気量QA とに基づいて基本燃料噴射量TP を
求め、上記FO2 センサ20a、RO2 センサ20bか
らの出力に基づいて、上記基本燃料噴射量TP を空燃比
フィードバック補正するとともに、各種運転状態パラメ
ータにより増量補正などを加えて最終的な燃料噴射量T
i を演算し、また、点火時期θIGなどを演算する。
【0028】さらに、上記CPU32では、所定の条件
成立時に上記両O2 センサ20a,20bからの出力電
圧に基づき触媒の劣化診断を実行し、診断の結果、触媒
劣化と判定されると、上記ECSランプ43を点灯して
触媒コンバータ19の交換を警告するとともに、バック
アップRAM35に該当するトラブルコードをストアす
る。
【0029】(動作)次に、ECU31による制御動作
を図1ないし図3のフローチャートに基づき説明する。
【0030】図2のフローチャートは、燃料噴射量を設
定するルーチンであり、所定時間ごとに実行されるもの
で、まず、ステップ(以下「S」と略称)101で、吸
入空気量センサ8で検出した吸入空気量QA 、クランク
角センサ22で検出したクランクパルスに基づいて算出
したエンジン回転数NE から基本燃料噴射量TP を次式
にて設定する。
【0031】TP ←k×QA /NE k:定数(イン
ジェクタ特性補正定数) 次いで、S102で各センサ類の検出結果からエンジン
運転状態を判断し、スロットル全開増量補正などの各種
増量分補正係数COEFと、FO2 センサ20a、RO
2 センサ20bの出力値に基づき空燃比フィードバック
補正係数αと、バッテリ40の端子電圧から電圧補正係
数TS を設定する。
【0032】その後、S103で後述する燃料カット条
件判別手順で設定し、RAM34の所定アドレスにスト
アされている燃料カット判別フラグFLAGFCの値を参
照し、FLAGFC=1(燃料カット条件成立)の場合S
104へ進み、燃料カット係数kFCを0に設定して(k
FC←0)、S106へ進む。一方、FLAGFC=0(燃
料カット条件成立)の場合S105へ進み、燃料カット
係数kFCを1として(kFC←1)、S106へ進む。
【0033】上記S104あるいはS105からS10
6へ進むと、上記基本燃料噴射量TP 、各種増量分補正
係数COEF、空燃比フィードバック補正係数α、燃料
カット係数kFC、電圧補正係数TS に基づき燃料噴射量
Ti を次式から求める。
【0034】Ti ←TP ×COEF×α×kFC+TS その後、S107で上記燃料噴射量Ti に相応する噴射
時間をタイマセットし、ルーチンを抜ける。このタイマ
セットされた燃料時間は所定タイミングで噴射該当気筒
のインジェクタ12へ駆動信号として出力される。
【0035】以上のように、燃料カットフラグFLAG
FCがセット(FLAGFC=1)されている燃料カット条
件成立時には、燃料カット係数kFCが0に設定されるた
め、Ti ←TS となり、実質的に燃料カットが実行され
る。
【0036】なお、上記ステップS103において参照
される燃料カット判別フラグFLAGFCは、図3のフロ
ーチャートに示す燃料カット条件判別のルーチンにより
設定される。この燃料カット条件判別のルーチンは所定
時間毎に実行され、まず、S201で車速センサ25で
検出した車速VSPと設定値VSPS (例えば、180
km/n)とを比較し、VSP>VSPS の場合燃料カット
条件成立と判断し、S206へ進み、また、VSP≦V
SPS の場合S202へ進む。
【0037】S202ではクランク角センサ22から出
力されるクランクパルスに基づいて算出したエンコーダ
回転数NE と過回転判別用エンジン回転数NEOR (例え
ば、7500rpm )とを比較し、NE >NEOR の場合燃
料カット条件成立と判断しS206へ進み、NE ≦NEO
R の場合S203へ進む。
【0038】そして、S203,S204において車輌
が減速走行かどうかを判断する。まず、S203ではス
ロットル開度センサ9の出力値(あるいは図示しないア
イドルスイッチの出力値)に基づきスロットルバルブ5
aが全閉かどうかを判断し、スロットル全閉の場合S2
04へ進み、スロットル開の場合S205へ進む。S2
04ではエンジン回転数NE と燃料カットリカバリー回
転数NRE(例えば1900rpm )とを比較し、NE <N
REの場合燃料カットリカバリーと判断してS205へ進
み、NE ≧NREの場合燃料カット条件成立と判断してS
206へ進む。燃料カット条件成立と判断してS206
へ進むと燃料カット判別フラグFLAGFCをセットし
(FLAGFC←1)、また、S205へ進むと燃料カッ
ト判別フラグFLAGFCをクリアして(FLAGFC←
0)、ルーチンを抜ける。
【0039】従って、燃料カット判別フラグFLAGFC
の値の1から0への切換りによって燃料カットリカバリ
ー時を判断することができ、図1に示す触媒劣化診断ル
ーチンによって触媒の劣化が診断される。
【0040】この触媒劣化診断ルーチンは所定時間毎に
実行され、まず、S301で燃料カット判別フラグFL
AGFCを参照し、FLAGFC=1(燃料カット)の場合
S302へ進み、燃料カットリカバリー判別フラグFL
AGA をセットし(FLAGA ←1)、S303で触媒
劣化診断フラグFLAGB をクリアし(FLAGB ←
0)、ルーチンを抜ける。
【0041】一方、S301でFLAGFC=0(燃料カ
ットリカバリー)の場合にはS304へ進んで、触媒劣
化診断フラグFLAGB の値を参照し、FLAGB =1
の場合には燃料カットリカバリー後1度、触媒の劣化を
診断したと判別してルーチンを抜け、また、FALGB
=0の場合S305へ進む。
【0042】S305へ進むと、燃料カットリカバリー
判別フラグFLAGA の値を参照し、FLAGA =1の
場合燃料カットリカバリー後、初回のルーチンと判断し
S306へ進み、燃料カットリカバリー判別フラグFL
AGA をクリアした後(FLAGA ←0)、S307へ
進む。S307ではRO2 センサ20bのリーンからリ
ッチへの反転時間の計時を開始すべくカウント値Tをリ
セットし(T←0)、また、S308で積算吸気量SU
MQA をクリアして(SUMQA ←0)、ルーチンを抜
ける(図6の経過時間t0 )。
【0043】一方、上記S305でFLAGA =0の場
合には燃料カットリカバリー後、2回目以後のルーチン
と判断してS309へ進み、RO2 センサ20bの出力
値に基づいて空燃比を判断し、空燃比がリーンの場合S
310へ進み、カウント値Tをカウントアップした後
(T←T+1)、S311で、吸入空気量センサ8で検
出した吸入空気量QA を前回のルーチンで設定した積算
吸気量(積分値)SUMQA に加算して、今回の積算吸
気量SUMQA を設定した後(SUMQA ←SUMQA
+QA )、ルーチンを抜ける。
【0044】一方、上記S309において上記RO2 セ
ンサ20bで検出した空燃比がリッチであり、空燃比が
リーンからリッチへ反転したと判断される場合にはS3
12へ進み、触媒劣化診断フラグFLAGB をセットし
(FLAGB ←1)、S313で積算吸気量SUMQA
を読出し、該積算吸気量SUMQA をパラメータとして
テーブル検索して触媒劣化判定用基準時間T0 を設定す
る。この検索用テーブルはROM33に固定データとし
て格納されているもので、各領域には予め実験などから
求めた積算吸気量SUMQA に対応する基準時間T0 が
記憶されている。
【0045】図6に示すように、燃料カット中に触媒コ
ンバータ19にストレージされた酸素の燃料カットリカ
バリー(経過時間t0 )後の消費速度は排ガス流量によ
って変化する。この排ガス流量は吸入空気量QA に比例
するため積算吸気量(積分値)SUMQA を検出するこ
とで正常時における燃料カットリカバリー後の空燃比が
リーンからリッチへ反転する時間T0 を推定することが
できる。
【0046】触媒コンバータ19の触媒が劣化している
と酸素のストレージ量が減少するため空燃比がリーンか
らリッチへ反転する時間Tが、図6(C)の一点鎖線で
示すように短くなる。S314では、カウント値T、す
なわち、燃料カットリカバリー後、空燃比がリーンから
リッチに反転するまでの時間と上記触媒劣化判定用基準
時間T0 とを比較し、T<T0 の場合、触媒の劣化と判
断してS315へ進み警報手段としてのECSランプ4
3を点灯あるいは点滅させてユーザに触媒劣化を知ら
せ、S316で触媒異常データCATDIAGをセット
し(CATDIAG←1)、S317でこの触媒異常デ
ータCATDIAGをバックアップRAM35にストア
してルーチンを抜ける。一方、T≧T0 の場合、触媒は
正常と判断しルーチンを抜ける。
【0047】ディーラではトラブルシュートの際にEC
Uのモニタランプの点滅コードあるいはシリアルモニタ
44にて上記バックアップRAM35に記憶されている
触媒異常データCATDIAGを読出し、触媒の劣化診
断を行う。なお、この触媒異常データCATDIAGは
触媒を交換した後、上記シリアルモニタ44などを介し
てクリアする。
【0048】(第二実施例)図7,図8のフローチャー
トは本発明の第二実施例による触媒劣化診断ルーチンで
ある。
【0049】この実施例では、燃料カットリカバリー後
のFO2 センサ20aが空燃比のリッチを検出したとき
と、リーンを検出したときとに分けて積算吸気量(積分
値)SUMQA R,SUMQA Lを求めるようにしたも
ので、第一実施例の図1と異なるステップのみ説明す
る。
【0050】燃料カットリカバリー後最初のルーチンで
S401へ進むと、リッチ時積算吸気量SUMQA R、
リーン時積算吸気量SUMQA Lを共にクリアし(SU
MQA R←0,SUMQA L←0)、ルーチンを抜け
る。
【0051】一方、燃料カットリカバリー後2回目以後
のルーチンでRO2 センサ20bがリーンと判断され
て、S309、S310を経てS402へ進むと、FO
2 センサ20aの出力値に基づき空燃比を判断し、リッ
チの場合S403へ進み、リッチ時積算吸気量SUMQ
A Rを吸入空気量センサ8で検出した吸入空気量QA を
加算した値で更新し(SUMQA R←SUMQA R+Q
A )、また、リーンの場合S404へ進みリーン時積算
吸気量SUMQR Lを上記吸入空気量QA を加算した値
で更新し(SUMQA L←SUMQA L+QA )、ルー
チンを抜ける。
【0052】また、燃料カットリカバリー後、RO2 セ
ンサ20bで検出した空燃比がリーンからリッチへ反転
したと判断してS312を経てS405へ進むと、上記
リッチ時積算吸気量SUMQA Rおよびリーン時積算吸
気量SUMQA Lを読出し、リッチ時積算吸気量SUM
QA Rからリーン時積算吸気量SUMQA Lを減算して
積算吸気量SUMQA を設定する。
【0053】そして、S313で上記積算吸気量SUM
QA をパラメータとして触媒劣化判定用基準時間T0 を
テーブル検索し、S314で、この基準時間T0 とカウ
ント値Tとを比較して触媒の劣化を診断する。
【0054】この実施例では、FO2 センサ20aで検
出した空燃比がリッチのときとリーンのときとで吸入空
気量QA を別々に積分しているので、触媒の流入側での
酸素の過不足を把握することができ、その分、触媒にス
トレージされた酸素の消費速度をより正確に求めること
ができるため、触媒の劣化判定精度がより向上する。
【0055】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
燃料カットリカバリー後の下流空燃比センサで検出した
空燃比がリーンからリッチへ反転するまでの吸入空気量
の積分値に基づき触媒劣化判定用基準時間を設定し、こ
の触媒劣化判定用基準時間と上記空燃比がリーンからリ
ッチへ反転するまでの時間を比較して触媒の劣化を判断
するようにしたので、あらゆる運転条件下においても触
媒の劣化を精度良く診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1〜図6は本発明の第一実施例を示し、図1
は触媒劣化診断手順を示すフローチャート
【図2】燃料噴射量設定手順を示すフローチャート
【図3】燃料カット条件判別手順を示すフローチャート
【図4】エンジン制御系の概略図
【図5】エンジン制御装置の回路構成図
【図6】燃料噴射量、上流O2 センサの出力、下流O2
センサの出力、燃料カットリカバリー後の積算吸気量を
示すタイムチャート
【図7】図7,図8は本発明の第二実施例による触媒劣
化診断手順を示すフローチャート
【図8】同上
【符号の説明】
20a…上流空燃比センサ 20b…下流空燃比センサ 19 …触媒コンバータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気通路に介装した触媒の上流側に上流
    空燃比センサを配設し、下流側に下流空燃比センサを配
    設するエンジンにおいて、 燃料カットリカバリーを判断する手順と、 燃料カットリカバリー後、上記下流空燃比センサで検出
    した空燃比がリーンからリッチに反転するまでの時間を
    計測する手順と、 燃料カットリカバリー後の吸入空気量の積分値を演算す
    る手順と、 燃料カットリカバリー後、上記下流空燃比センサで検出
    した空燃比がリーンからリッチになったときの上記吸入
    空気量の積分値に基づき触媒劣化判定用基準時間を設定
    する手順と、 この触媒劣化判定用基準時間と上記下流空燃比センサで
    検出した空燃比がリーンからリッチに反転するまでの時
    間とを比較して触媒の劣化を判断する手順とを備えるこ
    とを特徴とするエンジンの触媒劣化検出方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007069152A (ja) * 2005-09-08 2007-03-22 Mitsubishi Motors Corp Hc吸着材及びhc吸着材の劣化判定装置
JP2008138556A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Suzuki Motor Corp エンジンの故障診断装置
US7712303B2 (en) 2005-04-22 2010-05-11 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Degradation estimating apparatus for unburned component adsorption catalyst

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