JPH05195699A - 地下鉄道の列車風緩和装置 - Google Patents

地下鉄道の列車風緩和装置

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JPH05195699A
JPH05195699A JP27043292A JP27043292A JPH05195699A JP H05195699 A JPH05195699 A JP H05195699A JP 27043292 A JP27043292 A JP 27043292A JP 27043292 A JP27043292 A JP 27043292A JP H05195699 A JPH05195699 A JP H05195699A
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Toshimasa Shiratori
敏正 白鳥
Yasuaki Matsudaira
晏明 松平
Iwao Takahashi
巖 高橋
Keiichi Iimura
恵一 飯村
Hideo Harayama
秀夫 原山
Yoshibumi Sugihara
義文 杉原
Koichi Matsuda
弘一 松田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な設備でホームに生じる列車風を緩和す
ることができ、人体に不快感を与えない。 【構成】 列車64、68がホーム1入車又はホーム1
から発車する際に生じる列車風の大半を、ホーム1近傍
のトンネル壁4に形成された通風路11へ誘導できるた
め、簡単な設備でホーム1に生じる列車風を緩和するこ
とができ、人体に不快感を与えないという当初の目的を
達成できる。更に、トンネル50、52内を列車64
T、66T、68T、70Tが走行している場合、この
走行列車64T、66T、68T、70Tを検知してト
ンネル内50、52の駅構内近傍の送気ファン56B、
56D、56I、56Kの風量、及び排気ファン54
C、54E、54Hの風量を制御して列車風を通風路1
1を介してトンネル50、52に沿って循環することが
できるので、簡単な設備でホーム1X、1Y、1Zに生
じる列車風を低減でき、人体に不快感を与えないという
当初の目的を達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地下鉄道の列車風緩和
装置に係り、特に列車がトンネル内から地下鉄駅ホーム
へ入車又はホームからトンネル方向へ発車する時にホー
ムを吹き抜ける列車風の緩和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】地下鉄道内を列車が走行する場合に気流
の生じる現象は、丁度円筒内部でピストンを引いた場合
に円筒の一端に吐出気流が生じ、他端に吸引気流が生じ
る現象と同様である。すなわち、トンネル内を列車が進
行するに従い、トンネルの一端に吐出気流、他端に吸引
気流が生じ、これを列車風と呼ぶ。1トンネルに単線列
車又は複線列車いづれの場合も列車風は生じるが、複線
列車の場合はトンネル内における列車風の逃げ場空間が
大きいため、すれ違いの場合でも列車風は小さく問題に
ならない。しかし、1トンネル内に単線列車を走らせる
単線列車トンネルの場合、生じた列車風の逃げ場がない
ため、列車風が直接ホームに流れ込み、駅ホームにいる
人、特に開口面積の小さい地上への階段途中にいる人に
対し、着衣、髪の乱れ、風圧による不快感を与え、時に
は人の転倒等生じ危険ですらあるため、できるだけこれ
を小さくすることが要求される。特に列車が1ホームへ
2方向から同時入車する場合、又は同時発車する場合に
列車風の影響は特に大でありる。
【0003】従来、地下鉄道に於いて列車進行により発
生する列車風緩和のため、トンネル内又はトンネルと連
通する駅構内端部に大気側に開放された通気孔を設け、
列車風を緩和させるか、又は平行したトンネル間に通気
孔を設け、お互いの列車風を逃がすことにより対策して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記通気孔に
より列車風を排出する方法では、いずれも列車風の一部
のみが排出されるに過ぎず、列車風の影響を十分に緩和
させるためには、大きな開口を多数必要とし、換気設備
規模が大となったり、建設費、運転費の増大を伴う。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、簡単な設備で地下鉄道の列車風を緩和させ
て、駅の乗降客に不快感を与えない地下鉄道の列車風緩
和装置を提案することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成する為に、ホームを挟んで設けられた一対の軌道と、
該軌道がそれぞれ敷設してあるホームの端部に開口する
入車または発車側単線列車トンネルと、前記ホームの端
部に設けられると共に一対のトンネルを連通し、前記ホ
ームに吹き抜ける列車風の少なくとも一部が一方の前記
単線列車トンネルから他方のトンネルへ移行する通風路
と、該通風路に面した入車軌道の天井面に吸引口を有す
る排気手段と、前記通風路に面した発車軌道の天井面に
開口し発車側単線列車トンネル内部へ向かって送気する
送気手段と、前記単線列車トンネル内に発生する列車風
を検出する検出手段と、該検出手段の発信信号に基づい
て前記一方のトンネル内に発生した列車風の少なくとも
一部を他方のトンネル内へ送気するように前記排気、送
気手段の排気、送気風量を制御する制御手段と、を備え
たことを特徴としている。
【0007】また、本発明は、前記目的を達成する為
に、隣接する2つの地下鉄駅のホームをつなぐ一対の軌
道と、該軌道がそれぞれ敷設してある一対の単線列車ト
ンネルと、一方のホームの端部と一対の単線列車トンネ
ルの開口部間、及び他方のホームの端部と一対の単線列
車トンネルの開口部間に形成され、一対の単線列車トン
ネルの一方から他方へ通じる一対の通風路と、それぞれ
の通風路に面した入車軌道の天井面に吸引口を有する一
対の排気手段と、それぞれの通風路に面した発車軌道の
天井面に開口し、発車側単線列車トンネル内へ向かって
送気する一対の送気手段と、前記単線列車トンネル内を
移動する列車の位置に応じて前記一対の排気手段及び一
対の送気手段の風量を制御する制御手段と、を備え、一
方の単線列車トンネル内を進行している列車の前後の排
気、送気手段の排気、送気量を増加すると共に、他方の
単線列車トンネルの排気、送気手段の排気、送気量を減
少させることにより、前記一方の単線列車トンネルに発
生した列車風の少なくとも一部を他方の単線列車トンネ
ルへ導くことを特徴としている。
【0008】さらに、本発明は、前記目的を達成する為
に、前記通風路を構成するトンネル壁の平面断面形状が
1対の凹凸曲面よりなり、ホームへの列車入車時の列車
風を受風する側のトンネル壁が凹曲面よりなることを特
徴としている。そして、本発明は、前記目的を達成する
為に、前記送気手段は通風路の凹曲面部の一部に設けら
れると共に発車トンネル方向へ送気すべく構成した補助
送気手段、及び入車トンネル左壁面に設けられると共に
通風路方向ヘ送気する補助送気手段の少なくとも一方の
補助送気手段を備え、前記制御部が前記検知手段から出
力された列車検知信号に基づいて、前記補助送気手段を
作動し、前記トンネル内に発生した列車風を前記補助送
気手段で前記通風路を介して他方のトンネルに導くこと
を特徴としている。
【0009】
【作用】本発明によれば、ホームの端部に一対の単線列
車トンネル間を連通する通風路を設け、一方の軌道と他
方の軌道トンネル内で発生した列車風を互いに受入れで
きるようになっている。また、トンネル内の列車の進行
方向前方の通風路近傍に排気手段を設けると共に、列車
の進行方向側と反対側の通風路近傍にトンネル内へ向け
て送気する送気手段を設けた。更に、列車を検知する検
出手段をトンネル内に設けた。検出手段からの列車検知
信号に基づいて制御部を制御して、一方のトンネル内に
発生した列車風の一部を排気手段でトンネル外に排気す
ると共に、送気風量を減らして未排気の列車風の少なく
とも一部を通風路を介して他方のトンネルに導くことが
できる。
【0010】単線列車トンネルの前後の開口近傍には、
排気手段と送気手段があり、この両社の風量を増加する
と、当該トンネルに発生する列車風は緩和する。残余の
列車風は対向トンネルの前後に設けた排気、送気手段の
風量を減らすことで、対向トンネル内へその一部が流れ
込む。列車の後方に発生する列車風は送気風量を増やし
たり、対向軌道の排気量を減らして、対向トンネル内の
空気を強制注入することで緩和することができる。
【0011】また、通風路はホームへの列車入車時の列
車風を受風する側が凹曲面に形成されているので、トン
ネル内の列車風を容易に受入れることができる。更に、
送気手段は通風路の凹曲面部の一部に設けられると共に
発車トンネル方向へ送気すべく構成した補助送気手段、
及び入車トンネル左壁面に設けられると共に通風路方向
ヘ送気する補助送気手段の少なくとも一方の補助送気手
段を備えた。そして、トンネル内の列車走行時に補助送
気手段を作動して、トンネル内に発生した列車風を補助
送気手段で通風路を介して他方のトンネルに導くことが
できる。
【0012】従って、トンネル内の列車風は通風路を介
して他方のトンネルへ導かれるので、ホームへの列車風
が大幅に緩和できる。
【0013】
【実施例】以下、添付図面に従って本発明に係る地下鉄
道の列車風緩和装置の好ましい実施例を詳説する。図1
に地下鉄駅を中心とした概略平面図を示す。本図は駅ホ
ーム部分とトンネル部分に大別され、一点鎖線を中心と
して左右対称形の一方を示す。
【0014】トンネルは入車トンネル52、発車トンネ
ル50からなり、入車トンネル52は駅ホーム1へ列車
68が入車するトンネルであり、発車トンネル50は駅
ホーム1から列車64が発車するトンネルである。そし
て、両トンネル52、50間にはトンネル壁4が形成さ
れる。入車トンネル52内の列車68はホーム1に向か
って入車し、その際列車風68Aが生じる。
【0015】駅ホーム1には地上通路へ通じる階段通路
8があり、本発明に係る通風路11はトンネル壁4のホ
ーム1近傍の一部に形成されている。通風路11は地面
から天井高さまでの規模で形成され、通風路11と入車
トンネル52との交差箇所には排気シャフト54が設け
られている。排気シャフト54は入車トンネル52の天
井から垂直方向上方に延長して地上に開口している。排
気シャフト54には排気ファン(図示せず。)が設けら
れている。
【0016】また、通風路11と発車トンネル50との
交差箇所には送気シャフト56が設けられている。送気
シャフト56は発車トンネル50の内部方向に傾斜した
状態でトンネル天井面に開口している。送気シャフト5
6には送気ファン(図示せず。)が設けられている。従
って、送気ファンが作動すると送気シャフト56の送気
口から発車トンネル50の方向にエア56Aが送気され
る。なお、排気ファン54と送気ファン56とはトンネ
ル内の非常事態に対応できるだけの容量があり、通常は
トンネル内の換気等を行なうために必要な排気量と送気
量が維持されるように運転されている。
【0017】以下に、列車の進行に従って、本発明に係
る地下鉄道の列車風緩和装置の作用を説明する。列車6
8が入車トンネル52内をホーム1に向かって入車する
際、排気シャフト54のファンの回転数を増加させる。
そして、列車68の走行で生じた列車風68Aは一部が
排気シャフト54により地上に排出される。列車風が増
大すると、その一部は通風路11の方向へ流れる。対向
のトンネル50内には列車が進行していない場合でも送
気シャフト56で供給される量の風が流れ続けているの
で送気シャフト56の風量を減らすと、その分だけ列車
風68Aは通風路11を介して発車トンネル50側へ通
風される。従って、ホーム1方向へ通風する列車風はわ
ずかとなる。
【0018】発車トンネル50間を列車64が進行する
場合は、列車の後方に生じる吸引列車風100Aを減少
させるために、送気シャフト56からの風量を増大させ
る。これによってホーム1内の空気が発車トンネル50
内へ吸い込まれるのが阻止される。列車風56Aが増大
すると、送気シャフトからの風量では不足するので、入
車トンネル52内の空気を誘引する。即ち、排気シャフ
ト54の排気量を減らすと、入車トンネル52内の空気
が通風路11に充満するので、スムーズに発車トンネル
50内へ流出する。
【0019】次に図1に示す実施例の具体例を示す。入
車トンネル52、発車トンネル50共に断面積13.6
2 、階段部通路94の面積は8m2 が2箇所で16
2 、排気シャフト54の排気ファンおよび送気シャフ
ト56の送気ファンは定常状態ではそれぞれ13.5m3/s
で一定に運転している。1列車が入車してくる時の列車
風は128 m3/s であった場合、排気ファンと送気ファン
の風量の増減を行なわず、通風路11が有る場合は階段
通路8を吹き上げる列車風は1階段当り31m3/s とな
り、最大風速は3.9 m/s となる。ホーム1の中央では最
大風速が3.6 m/s であった。
【0020】本発明に従い、列車を検知する検出手段
と、検出手段からの列車検知信号に基づいて排気手段で
排気量を13.5m3/s より6m3/s まで減らすと、階段通
路8へ進入する列車風は1箇所当り約20m3/s となり、
最大風速は2.5 m/s で1.4 m/s(35%)緩和できた。ホ
ーム1の中央での最大風速も2.2 m/s で制御しない場合
の約40%にまで緩和した。
【0021】列車64がホーム1から発車した場合につ
いても実測したところ、入車の場合とほぼ同じ緩和効果
を得ることができた。前記実施例では列車が入車トンネ
ル52からホーム1に入車する場合や、列車がホーム1
から発車トンネル50内へ発車する場合の列車風の減少
効果について説明したが、図2に示すように列車がトン
ネル内を走行している場合の駅のホーム1X、1Y、1
Zのそれぞれについて列車風の減少効果を考慮してもよ
い。これにより、1つのホームのみを考慮した場合より
効果的に列車風の減少を図ることができる。
【0022】図2には連続した3つの駅のホーム1X、
1Y、1Zが示されていて、ホーム1X、1Y、1Zの
一方の側部に第1トンネル50が形成され、ホーム1
X、1Y、1Zの他方の側部に第2トンネル52が形成
されている。第1トンネル50にはホーム1X、1Y、
1Zの左端部近傍に排気ファン54A、54C、54E
が設けられ、排気ファン54A、54C、54Eは第1
トンネル50内の列車風等を地上に排気する。
【0023】また、第2トンネル52にはホーム1X、
1Y、1Zの右端部近傍に排気ファン54H、54J、
54Lが設けられ、排気ファン54H、54J、54L
は第2トンネル52内の列車風等を地上に排気する。さ
らに、第1トンネル50にはホーム1X、1Y、1Zの
右端部近傍に送気ファン56B、56D、56Fが設け
られ、送気ファン56B、56D、56Fは第1トンネ
ル50内にエアを供給する。そして、第2トンネル52
にはホーム1X、1Y、1Zの左端部近傍に送気ファン
56G、56I、56Kが設けられ、送気ファン56
G、56I、56Kは第2トンネル52内にエアを供給
する。
【0024】上述した各々の送気ファン及び排気ファン
は、図3に示す制御装置62で3段階の風量調整が可能
であり、1段階の小風量は6m3/s、2段階の中風量は1
3.5m3/s、3段階の大風量は27m3/sに設定されてい
る。そして、制御装置62は列車位置検知センサ20
A、20B…からの検知信号に基づいて各々の送気ファ
ン及び排気ファンの風量調整を行う。
【0025】図2に示すように、列車位置検知センサ2
0A、20B…は第1トンネル50又は第2トンネル5
2への進入側に設けられている。すなわち、列車位置検
知センサ20Aは、列車64Tの進入側に設けられてい
て列車64Tの後端部が列車位置検知センサ20Aの位
置を通過したとき、制御装置62に検知信号を出力す
る。制御装置62は検知信号に基づいて各々の送気ファ
ン及び排気ファンの風量調整信号を出力する。これによ
り、各々の送気ファン及び排気ファンの風量が調整され
るが、風量調整された各々の送気ファン及び排気ファン
は所定時間経過後(すなわち、列車64Tがホーム1X
と1Y間のトンネル内を通過するまでの時間)、予め設
定されている風量状態に戻るように設定されている。
【0026】また、列車位置検知センサ20Bは、列車
66Tの進入側に設けられていて、列車位置検知センサ
20E及び列車位置検知センサ20Fはそれぞれ列車6
8T及び70Tの進入側に設けられている。そして、列
車位置検知センサ20B、20E、及び20Fは、列車
位置検知センサ20Aと同様に作動する。このように構
成された地下鉄道の列車風緩和装置の他の実施例の作用
について図2、図4に基づいて説明する。なお、他の実
施例の送気ファン56B、56D、56I、56K及び
54C、54E、54H、54Jは常時第2段階の中風
量6万m3/hの状態で運転されている。
【0027】先ず、1台の列車のみが走行しているタイ
プ1〜4について説明する。タイプ1の第1トンネル5
0内のホーム1X、1Y間を列車64Tが右方向に走行
している場合、送気ファン56B、排気ファン54Cの
風量は第3段階の大風量に設定され、送気ファン56
I、排気ファン54Hの風量は第1段階の小風量に設定
される。これにより、列車64Tの列車風は一部が排気
ファン54Cから地上に排気される。
【0028】そして、排気ファン54Cで排気されない
列車風は、ホーム1Yの前面の通風路11を通り、送気
ファン56Iから供給されたエアの影響で、第2トンネ
ル52内に誘導される。この場合、各々のファンとトン
ネル壁4が列車風に対してコアンダ効果(壁付着現象)
を構成する。従って、列車風がトンネル壁4Bの周囲を
巡回するのでホーム1Yに流れ込む列車風は減少する。
また、この場合送気ファン56Bから大風量のエアが供
給されると共に、排気ファン54Hから小風量のエアが
排気されるので列車64Tの列車風はトンネル壁4Bの
周囲を巡回する。従って、ホーム1X、1Yに流れ込む
列車64Tの列車風が減少される。
【0029】なお、図5は排気ファン54C及び送気フ
ァン56Iの効果について説明した図である。すなわ
ち、図2の列車位置検知センサ20Aからの信号に基づ
いて排気ファン54Cは第2段階の中風量の状態から第
3段階の大風量の状態に変化し、同時に送気ファン56
Iが2段階の中風量の状態から第1段階の小風量の状態
に変化した場合が図示されている。そして、ホーム1Y
上における列車64Tの列車風を曲線C1で示す。曲線
C1は従来の列車64Tの列車風の曲線C2と比較する
と明らかに減少している。
【0030】更に、第1トンネル50内のホーム1Y、
1Z間を列車66Tが右方向に走行している場合(タイ
プ2)、第2トンネル52内のホーム1X、1Y間を列
車68Tが左方向に走行している場合(タイプ3)、又
は第2トンネル52内のホーム1Y、1Z間を列車64
0Tが左方向に走行している場合(タイプ4)は、それ
ぞれの送気ファン及び排気ファンがタイプ1と同様に作
動してホームに流れ込む列車風を減少する。
【0031】すなわち、タイプ2の場合は、送気ファン
56D、排気ファン54Eの風量は3段階の大風量に設
定され、送気ファン56K、排気ファン54Jの風量は
1段階の小風量に設定される。また、タイプ3の場合
は、送気ファン56I、排気ファン54Hの風量は3段
階の大風量に設定され、送気ファン56B、排気ファン
54Cの風量は1段階の小風量に設定される。
【0032】さらに、タイプ4の場合は、送気ファン5
6K、排気ファン54Jの風量は3段階の大風量に設定
され、送気ファン56D、排気ファン54Eの風量は1
段階の小風量に設定される。次に、2台の列車が同時に
走行しているタイプ5〜8について説明する。タイプ5
の場合、第1トンネル50内のホーム1X、1Y間を列
車64Tが右方向に走行すると共に、第1トンネル50
内のホーム1Y、1Z間を列車66Tが右方向に走行し
ている。この場合、送気ファン56B、56D、排気フ
ァン54C、54Eの風量は3段階の大風量に設定さ
れ、送気ファン56I、56K、排気ファン54H、5
4Jの風量は1段階の小風量に設定される。これによ
り、列車64T及び列車66Tの列車風は通風路11を
介してそれぞれのトンネル壁4B、4Cの周囲を巡回す
るので、ホーム1X、1Y、1Zに流れ込む列車風が減
少される。
【0033】また、タイプ6の場合は第1トンネル50
内のホーム1X、1Y間を列車64Tが右方向に走行す
ると共に、第2トンネル52内のホーム1Y、1Z間を
列車640Tが左方向に走行している。この場合は、送
気ファン56B、56K、排気ファン54C、54Jの
風量は3段階の大風量に設定され、送気ファン56D、
56I、排気ファン54E、54Hの風量は1段階の小
風量に設定される。これにより、列車64T及び列車6
40Tの列車風はそれぞれのトンネル壁4B、4Cの周
囲を巡回するので、ホーム1X、1Y、1Zに流れ込む
列車風が減少される。
【0034】タイプ7の場合は、第1トンネル50内の
ホーム1Y、1Z間を列車66Tが右方向に走行すると
共に、第2トンネル52内のホーム1X、1Y間を列車
68Tが左方向に走行している。この場合は、送気ファ
ン56D、56I、排気ファン54E、54Hの風量は
3段階の大風量に設定され、送気ファン56B、56
K、排気ファン54C、54Lの風量は1段階の小風量
に設定される。これにより、列車66T及び列車68T
の列車風はそれぞれのトンネル壁4B、4Cの周囲を巡
回するので、ホーム1X、1Y、1Zに流れ込む列車風
が減少される。
【0035】さらに、タイプ8の場合は第2トンネル5
2内のホーム1X、1Y間を列車68Tが右方向に走行
すると共に、第2トンネル52内のホーム1Y、1Z間
を列車640Tが左方向に走行している。この場合は、
送気ファン56I、56K、排気ファン54H、54J
の風量は3段階の大風量に設定され、送気ファン56
B、56D、排気ファン54C、54Eの風量は1段階
の小風量に設定される。これにより、列車68T及び列
車640Tの列車風はそれぞれのトンネル壁4B、4C
の周囲を巡回するので、ホーム1X、1Y、1Zに流れ
込む列車風が減少される。
【0036】尚、図4の表には示されていないが、第1
トンネル50内のホーム1X、1Y間を列車64Tが右
方向に走行すると共に、第2トンネル52内のホーム1
X、1Y間を列車68Tが左方向に走行している場合
は、各送気ファン、及び各排気ファンが通常の風量状態
(即ち、中風量状態)に維持される。この場合、列車6
4T及び列車68Tの列車風はトンネル壁4Bの周囲を
巡回してホーム1X、1Yに流れ込む列車風を減少す
る。また、第2トンネル52内のホーム1Y、1Z間を
列車66Tが右方向に走行すると共に、第2トンネル5
2内のホーム1Y、1Z間を列車640Tが左方向に走
行している場合も、各送気ファン、及び各排気ファンが
通常の風量状態(即ち、中風量状態)に維持される。こ
の場合、列車66T及び列車640Tの列車風はトンネ
ル壁4Cの周囲を巡回してホーム1Y、1Zに流れ込む
列車風を減少する。
【0037】次いで、3台の列車が同時に走行している
タイプ9〜12について説明する。タイプ9の場合は、
第1トンネル50内のホーム1X、1Y間を列車64T
が右方向に走行すると共に、第1トンネル50内のホー
ム1Y、1Z間を列車66Tが右方向に走行し、同時
に、第2トンネル52内のホーム1X、1Y間を列車6
8Tが左方向に走行している。この場合、送気ファン5
6D、排気ファン54Eの風量は3段階の大風量に設定
され、送気ファン56K、排気ファン54Jの風量は1
段階の小風量に設定される。これにより、列車64T、
列車66T及び列車68Tの列車風は通風路11を介し
てそれぞれのトンネル壁4B、4Cの周囲を巡回するの
で、ホーム1X、1Y、1Zに流れ込む列車風が減少さ
れる。
【0038】また、タイプ10の場合は第1トンネル5
0内のホーム1X、1Y間を列車64Tが右方向に走行
すると共に、第1トンネル50内のホーム1Y、1Z間
を列車66Tが右方向に走行し、同時に、第2トンネル
52内のホーム1Y、1Z間を列車640Tが左方向に
走行している。この場合、送気ファン56B、排気ファ
ン54Cの風量は3段階の大風量に設定され、送気ファ
ン56I、排気ファン54Hの風量は1段階の小風量に
設定される。これにより、列車64T、列車66T及び
列車640Tの列車風はそれぞれのトンネル壁4B、4
Cの周囲を巡回するので、ホーム1X、1Y、1Zに流
れ込む列車風が減少される。
【0039】更に、タイプ11の場合は第1トンネル5
0内のホーム1X、1Y間を列車64Tが右方向に走行
すると共に、第2トンネル52内のホーム1X、1Y間
を列車68Tが右方向に走行し、同時に、第2トンネル
52内のホーム1Y、1Z間を列車640Tが左方向に
走行している。この場合、送気ファン56K、排気ファ
ン54Jの風量は3段階の大風量に設定され、送気ファ
ン56D、排気ファン54Eの風量は1段階の小風量に
設定される。これにより、列車64T、列車68T及び
列車640Tの列車風はそれぞれのトンネル壁4B、4
Cの周囲を巡回するので、ホーム1X、1Y、1Zに流
れ込む列車風が減少される。
【0040】また、タイプ12の場合は第1トンネル5
0内のホーム1Y、1Z間を列車66Tが右方向に走行
すると共に、第2トンネル52内のホーム1X、1Y間
を列車68Tが右方向に走行し、同時に、第2トンネル
52内のホーム1Y、1Z間を列車640Tが左方向に
走行している。この場合、送気ファン56I、排気ファ
ン54Hの風量は3段階の大風量に設定され、送気ファ
ン56B、排気ファン54Cの風量は1段階の小風量に
設定される。これにより、列車66T、列車68T及び
列車640Tの列車風はそれぞれのトンネル壁4B、4
Cの周囲を巡回するので、ホーム1X、1Y、1Zに流
れ込む列車風が減少される。
【0041】前記実施例では列車位置検知センサ20
A、20B…を使用して、制御装置62に検知信号を出
力したが、これに限らず、風速計や静圧計を使用しても
よい。更に、列車走行用トンネルの曲折の状態や設置設
備の状況、あるいは列車速度により列車風が変化する。
従って、予め列車が標準運行した時の各ホームの列車風
を測定して、この測定値を利用して効率よく列車風を減
少することも可能である。すなわち、測定値に基づいて
効率よく列車風を減少させるための各ファンの運行プロ
グラムを作成し、運行プログラムに基づいて各ファンを
作動させる。この運行プログラムは1駅前のホームを列
車が発車した時からスタートして、次の駅のホームに列
車が入庫した時に終了するように作成される。そして、
運行プログラムの起動は列車の運転信号でおこなうこと
ができる。
【0042】また、この運行プログラムは列車の運行状
況、列車風の測定値に基づいて、起動中に基本運行プロ
グラムを修正する機能を持たせることができる。前記他
の実施例では送気ファン56B、56D、56I、56
K及び排気ファン54C、54E、54H、54Jを常
時2段階の中風量16m3/s に設定した場合について説
明したが、これに限らず、ラッシュ時のように各ファン
を常時3段階の大風量27m3/s に設定しておいてもよ
い。この場合、列車風をトンネル壁に循環させるよう
に、各ファンの風量を列車の運行状態に応じて27m3/
s から減少するように制御する。
【0043】図6に他の実施例を示す。同図の地下鉄駅
を中心とした概略平面図には、駅ホーム部分とトンネル
部分が示され、これらの部分はそれぞれ左右対称形をな
す。トンネルは駅ホーム1への入車トンネル52、ホー
ム1から逆方向すなわち図の右方向への発車トンネル5
0からなり、両トンネル間にはトンネル壁4が形成され
る。トンネル52内の列車68はホーム1に向かって進
入し、その際列車風68Aが生じ、発車トンネル50内
の列車64はホーム1から発車する。
【0044】駅ホーム1には地上通路へ通じる階段通路
8があり、ホーム1上の乗降客用送気ファン9及び排気
ファン10が備えられている。本発明に係る通風路11
はトンネル壁4のホーム近傍の一部に凹曲面壁12及び
凸曲面13により構成される。両曲面壁12、13は接
地面から天井高さまでの規模で構成される。列車風68
Aを通風路11へ誘導するための送気ファン14は入車
トンネル52の左壁面の一部であり、かつ通風路11の
近傍に設置される。さらに、通風路11内に誘導された
気流を発車トンネル50へ誘導するための送気ファン1
5が凹曲面壁12の一部に設置される。入車トンネル5
2用の排気シャフト54内には、排気ファンが設置され
る。発車トンネル50内への給気シャフト56はトンネ
ル50の天井面に開口し、他端は地上に開口している。
前記送気ファン14、15は給気シャフト56から分岐
されている。なお、送気ファン14、15の開口は高さ
方向にできるだけ大きな開口部を持ち、カーテン状の気
流を作る。
【0045】以下に、列車の進行に従って、本発明を詳
述する。入車トンネル52を列車68がホーム1に向か
って進入する際、列車風68Aが生じる。列車風68A
は一部が排気シャフト54により外気に排出されるが、
列車風68Aの過半は送気ファン14により気流方向を
変えられ、通風路11方向へ誘導される。その後、列車
風は凹曲面12に沿って流れ、発車トンネル50側へ通
風する。従って、ホーム1方向へ通風する列車風はわず
かとなる。
【0046】通風路11内へ誘導された気流は送気ファ
ン15により、いわば加速され、発車トンネル50方向
へ誘導される。なお、一方向の気流に対し一定角度から
別気流を与えた場合、気流方向が容易に変化する現象は
コアンダ現象と呼ばれ、公知の現象である。本発明は、
本現象を応用したものであり、通風路11の壁面形状1
3及び12は図示の通り放物線状の一部とするのが最も
効果的であるが、球面の一部でも十分効果がある。
【0047】なお、送気ファン14は送気ファンとして
入車トンネル52の左壁面に設置したものに限るもので
ない。たとえば単なるファンを通風路11内の入車トン
ネル52側に設置しても同様効果がある。すなわち、列
車風68Aが該当ファンに吸引され、ファン背部へ排出
され通風路11内を発車トンネル50側へ誘導され、同
様効果を奏する。
【0048】また、排気ファン54、送気ファン14及
び15は常時運転してもよいが、図3にブロック図とし
て示す通り、入車トンネル52内を列車68がホーム1
に向かって進入中であることを入車トンネル内に設置し
た列車位置検知センサ20により検出し、一定時間のみ
排気ファン54、送気ファン14、15を運転する等の
制御を行えば運転費を緩和できる。
【0049】一方、ホーム1から発車トンネル50へ列
車64が走行する場合も本発明に係る通風路11がない
場合は、前述した通り吸引による列車風がホーム1に生
じるが、本発明により列車風の影響を緩和できる。すな
わち、列車64が発車トンネル50を走行中に通風路1
1内に、入車トンネル52側から発車トンネル50側へ
誘導気流が生じるため、ホーム1では列車風が緩和す
る。
【0050】この場合、送気ファン15のみ又は送気フ
ァン14のみ運転しても同様の効果を得る。双方同時に
運転すれば通風路11内の気流は入車トンネル52から
発車トンネル50側へより誘引され易くなるため、より
効果大となる。このことは列車がホームに進入する場合
でも全く同様である。
【0051】なお、入車トンネル52の左壁面の風下又
は風上隣りにトンネル壁凹部18を設けた場合、トンネ
ル壁面に沿って層流として進入する列車風が、当該凹部
の風上側で乱流を生じるため、いわばトンネル壁からは
がれ易くなり、送気ファン14により容易に通風路11
へ誘導される。以上の説明に基づき、計算例を次に示
す。入車トンネル52の断面積14m2 、階段通路8の
面積7m2 、列車が速度m/s でホーム1へ双方から2台
同時進入する場合を考える。
【0052】まず、本発明に係る通風路11が無い場
合、トンネル52内の列車68前後の圧力差、列車速
度、トンネル断面積に占める列車の占有面積比等から導
かれる式により、列車前後には1列車のみで117m3/
s の列車風が生じる。排気ファン54の容量28m3/s
により列車風の一部は外気に排出され、残量89m3/s
がホーム1に向かうが、その内、さらに一部はホームを
通り越し先のトンネルへ進み、この内段階通路8へ進入
する列車風は60m3/s となり、一方の段階通路での風
速は8〜9m/s となる。すなわち人体に不快感を与える
とされる風速5m/sを越える。
【0053】尚、前の駅から当該駅へ進入した列車が減
速し停止するまでにホーム上では列車風が生じ、列車の
減速に従い列車風も減速する。しかし空気の慣性により
列車の停止と列車風の消滅には時間的ズレが生じる。一
方、本発明に係る通風路11を用いた場合、1列車11
7m3/s の内、排気ファン54により28m3/s が排気
される。さらに、送気ファン14の容量28m3/s の影
響を受け、モデル実験によると65%すなわち58m3/
s が通風路11に誘導され、ホーム1へは31m3/s が
列車風として向かう。一部は先のトンネルへ進むが、列
車2台同時進入の場合でも、一方の階段通路8での風速
は3.1m/s となり、限界値5m/s を下回る。
【0054】次に、図7に基づいて地下鉄の駅構内に設
けられている空調装置200を利用して列車風を緩和す
る場合について説明する。空調装置200は、一般に地
下鉄の駅構内の空気を調整するために駅ホーム1の両端
部にそれぞれ設けられている。空調装置200は、吸気
側が駅ホーム1と地上に連通していて、空調装置200
の吸気側と地上とを連通している配管にはダンパ210
が設けられている。ダンパ210は制御装置62からの
信号に基づいて、ダンパ210を閉塞させ、これによ
り、空調装置200の吸気側と地上との連通が遮蔽され
る。また、空調装置200は吹出側が駅ホーム1と連通
している。
【0055】そして、空調装置200は、吸気側で吸い
込んだ駅ホーム1と地上からの空気を吹出側から駅ホー
ム1に吹き出す。この場合、空調装置200の供給側か
ら駅ホーム1に吹き出される風量をS、吸気側に吸い込
まれる駅ホーム1からの風量をR、吸気側に吸い込まれ
る地上からの風量をFとすると、 S=F+R の関係が成立する。そして、駅ホーム1に吹き出される
風量SのF分は階段通路8を介して地上に排気され、風
量SのR分は空調装置200の吸気側に戻される。
【0056】また、吸気側に吸い込まれる地上からの風
量Fは、吸気側に吸い込まれる駅ホーム1からの風量R
の20〜50%に設定されている。このように設定され
た状態で、空調装置200が作動すると、駅ホーム1に
吹き出される風量SのF分が階段通路8を介して地上に
排気されて、階段通路8に0.3 〜1.0 m/s の風速が発生
する。この空調装置200は地下鉄の駅構内の空気調整
を行うために常時作動しているので、階段通路8には0.
3 〜1.0 m/s の風速が常時発生している。
【0057】従って、この状態で列車風が発生すると階
段通路8には列車風の風速と空気調整用の風速0.3 〜1.
0 m/s が作用するので、階段通路8の風速が増大され
る。一方、列車風の発生時に空調用の階段通路8の風速
を除去することができれば、階段通路8の風速を減少す
ることができる。以下図7に基づいて、列車風の発生時
に階段通路8に影響する空調用の風速を除去する場合に
ついて説明する。
【0058】先ず、図1に示す入車列車68が駅ホーム
1に近づくと入車列車68の前方に列車風68Aが発生
する。列車風68Aが発生すると、上述したように制御
部62が作動して排気シャフト54のファンの回転数が
増加し、さらに送気シャフト56のファンの回転数が減
少する。これにより、列車風68Aが通風路11を介し
て発車トンネル50側へ導かれる。
【0059】そして、発車トンネル50側へ導かれない
一部の列車風68Aは、駅ホーム1を介して階段通路8
に導かれるので、階段通路8に列車風が発生する。一
方、入車列車68が駅ホーム1に近づいて入車列車68
の前方に列車風68Aが発生すると、制御部62が作動
して空調装置200のダンパ210が閉塞される。従っ
て、空調装置200の吸気側に地上からの風量Fが吸い
込まれなくなる。これにより、駅ホーム1から空調装置
200に吸い込まれた風量Rが、空調装置200の供給
側から駅ホーム1に吹き出される。
【0060】このように、従って、空調装置200から
吹き出される風量と空調装置200に吸い込まれる風量
とが同量になるので、空調装置200から吹き出された
風量Rが階段通路8を介して地上に排気されなくなる。
従って、列車風の発生時に空調装置200による空調用
の階段通路8の風速0.3 〜1.0 m/s が除去されて、階段
通路8の風速が減少される。
【0061】尚、図7の実施例においては、駅ホーム1
の両端部に設けられている一対の空調装置200をそれ
ぞれ独立して作動させる場合について説明したが、これ
に限らず、一対の空調装置200をそれぞれ関連させて
同時に作動させてもよい。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る地下鉄
道の列車風緩和装置によれば、列車がホームへ入車又は
ホームから発車する際に生じる列車風の大半を、ホーム
近傍のトンネル壁に設けた通風路へ誘導できるため、簡
単な設備でホームに生じる列車風を緩和でき、人体に不
快感を与えないという当初の目的を達成できる。
【0063】更に、トンネル内を列車が走行している場
合、この走行列車を検知してトンネル内の駅構内近傍の
送気手段、排気手段の風量を制御することにより列車風
をトンネル壁に沿って循環することができるので、簡単
な設備でホームに生じる列車風を緩和でき、人体に不快
感を与えないという当初の目的を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】1つの駅構内及びトンネルの平面断面図
【図2】本発明に係る複数の駅ホームをつなぐ軌道の実
施例を示す駅構内及びトンネルの平面断面図
【図3】図2で示されるファンの制御ブロック図
【図4】図2で示される列車がトンネル内を走行する場
合の列車風の緩和を図るためのファン制御の説明図
【図5】列車風を示す説明図
【図6】本発明に係る他の実施例を示す駅構内及びトン
ネルの平面断面図
【図7】本発明に係るもう一つの他の実施例を示す駅構
内及びトンネルの縦断面図
【符号の説明】
1、1X、1Y、1Z…ホーム 4、4A乃至4D…トンネル壁 5、7、64、64T、66T、68、68T、70T
…列車 8…階段通路 11…通風路 12…凹曲面壁 13…凸曲面壁 14、15、56、56B、56D、56I、56K…
送気ファン 18、19…送気シャフト 20、20A乃至20F…列車位置検知センサ 50…発車トンネル 52…入車トンネル 54、54C、54E、54H、54J…排気ファン 62…制御部 68A…列車風
フロントページの続き (72)発明者 飯村 恵一 東京都新宿区西新宿2丁目8番1号 東京 都交通局内 (72)発明者 原山 秀夫 東京都新宿区西新宿2丁目8番1号 東京 都交通局内 (72)発明者 杉原 義文 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日 立プラント建設株式会社内 (72)発明者 松田 弘一 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日 立プラント建設株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホームを挟んで設けられた一対の軌道
    と、 該軌道がそれぞれ敷設してあるホームの端部に開口する
    入車または発車側単線列車トンネルと、 前記ホームの端部に設けられると共に一対のトンネルを
    連通し、前記ホームに吹き抜ける列車風の少なくとも一
    部が一方の前記単線列車トンネルから他方のトンネルへ
    移行する通風路と、 該通風路に面した入車軌道の天井面に吸引口を有する排
    気手段と、 前記通風路に面した発車軌道の天井面に開口し発車側単
    線列車トンネル内部へ向かって送気する送気手段と、 前記単線列車トンネル内に発生する列車風を検出する検
    出手段と、 該検出手段の発信信号に基づいて前記一方のトンネル内
    に発生した列車風の少なくとも一部を他方のトンネル内
    へ送気するように前記排気、送気手段の排気、送気風量
    を制御する制御手段と、 を備えたことを特徴とする地下鉄道の列車風緩和装置。
  2. 【請求項2】 隣接する2つの地下鉄駅のホームをつな
    ぐ一対の軌道と、 該軌道がそれぞれ敷設してある一対の単線列車トンネル
    と、 一方のホームの端部と一対の単線列車トンネルの開口部
    間、及び他方のホームの端部と一対の単線列車トンネル
    の開口部間に形成され、一対の単線列車トンネルの一方
    から他方へ通じる一対の通風路と、 それぞれの通風路に面した入車軌道の天井面に吸引口を
    有する一対の排気手段と、 それぞれの通風路に面した発車軌道の天井面に開口し、
    発車側単線列車トンネル内へ向かって送気する一対の送
    気手段と、 前記単線列車トンネル内を移動する列車の位置に応じて
    前記一対の排気手段及び一対の送気手段の風量を制御す
    る制御手段と、 を備え、一方の単線列車トンネル内を進行している列車
    の前後の排気、送気手段の排気、送気量を増加すると共
    に、他方の単線列車トンネルの排気、送気手段の排気、
    送気量を減少させることにより、前記一方の単線列車ト
    ンネルに発生した列車風の少なくとも一部を他方の単線
    列車トンネルへ導くことを特徴とする地下鉄道の列車風
    緩和装置。
  3. 【請求項3】 前記通風路を構成するトンネル壁の平面
    断面形状が1対の凹凸曲面よりなり、ホームへの列車入
    車時の列車風を受風する側のトンネル壁が凹曲面よりな
    ることを特徴とする請求項1の地下鉄道の列車風緩和装
    置。
  4. 【請求項4】 前記送気手段は通風路の凹曲面部の一部
    に設けられると共に発車トンネル方向へ送気すべく構成
    した補助送気手段、及び入車トンネル左壁面に設けられ
    ると共に通風路方向ヘ送気する補助送気手段の少なくと
    も一方の補助送気手段を備え、前記制御部が前記検知手
    段から出力された列車検知信号に基づいて、前記補助送
    気手段を作動し、前記トンネル内に発生した列車風を前
    記補助送気手段で前記通風路を介して他方のトンネルに
    導くことを特徴とする請求項1又は請求項2の地下鉄道
    の列車風緩和装置。
  5. 【請求項5】 ホームを挟んで設けられた一対の軌道
    と、 該軌道がそれぞれ敷設してあるホームの端部に開口する
    入車または発車側単線列車トンネルと、 前記ホームの端部に設けられると共に一対のトンネルを
    連通し、前記ホームに吹き抜ける列車風の少なくとも一
    部が一方の前記単線列車トンネルから他方のトンネルへ
    移行する通風路と、 該通風路に面した入車軌道の天井面に吸引口を有する排
    気手段と、 前記通風路に面した発車軌道の天井面に開口し発車側単
    線列車トンネル内部へ向かって送気する送気手段と、 吸気側がホームに連通すると共にダンパを介して地上に
    連通し、かつ供給側がホームに連通し、ホーム及び地上
    から吸い込んだ空気をホームに供給して、該供給された
    空気の一部を地上に通じる階段通路を介して地上に排気
    する空調手段と、 前記単線列車トンネル内に発生する列車風を検出する検
    出手段と、 該検出手段の発信信号に基づき排気、送気手段の排気、
    送気風量を制御し、前記一方のトンネル内に発生した列
    車風の少なくとも一部を他方のトンネル内へ送気すると
    共に、前記検出手段の発信信号に基づいてダンパを制御
    して空調手段と外部との連通を遮断し、前記空調手段か
    らホームに供給された空気が地上に通じる階段通路を介
    して地上に排気されることを防止する制御手段と、 を備えたことを特徴とする地下鉄道の列車風緩和装置。
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