JPH0519566Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は内燃機関用のエアクリーナに関す
る。

［従来の技術］ 従来車両のエンジンなどに円筒形のエアクリー
ナが用いられている。その１例を第４図、第５図
に示す。エアクリーナ３０はボデイ３１とカバー
３２とがお互の開放端を適宜数のクリツプ３３で
結合されてケーシング３４を形成し内部にフイル
タエレメント３５が収納されている。ボデイ３１
の側壁に空気の流入管３６が取付けられ、カバー
３２の上端面に流出管３７が取付けられている。
流出管３７は第１管壁片３８と第２管壁片３９と
でなり、カバー３２の上端面に平行の向きになつ
ている。第１管壁片３８は筒形のフランジ３８ａ
に具えた開口を有し、該フランジ３８ａは、カバ
ー３２の上端面の出口開口の周囲に設けられた筒
形のフランジ３２ａに挿入されている。第２管壁
片３９は第１管壁片３８に対向して配設され、第
１管壁片３８の周壁３８ｂは第２管壁片３９の周
壁３９ａを挟んで折り返され、かしめられてい
る。そして筒形のフランジ３２ａ，３８ａの下端
部がシール剤ビード４０によりシールされ、第
１、第２管壁片の周縁３８ｂ，３９ａのかしめ部
分がシール剤ビード４１によりシールされてい
る。第６図にシール剤ビード４０，４１の部分を
示す。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記のような従来のエアクリーナにおいては、
シール剤ビード４０はケーシング内にあるので、
フイルタエレメント３５を交換すべく着脱する際
シール剤ビード４０に接触してシール剤が欠け落
ち、気密を損ねることがある。また欠落したシー
ル剤片はフイルタエレメントのクリン側にありエ
ンジン内に吸入されるおそれがある。しかもこの
シール剤ビード４０はケーシング内側に位置し、
筒状フランジ３２ａ，３８ａが嵌め合わされた下
端部であるから、シール剤の固定が不確実なう
え、シール作業も困難がある。従つてシールの信
頼性低下という問題がある。また、上記のシール
剤ビード４０、すなわちケーシング３４と流出管
３７の間のシールのほかに、第１管壁片３８と第
２管壁片３９のシールのためシール剤ビード４１
が必要となり、製造工程上手数がかるという問題
もある。

このように第１管壁片３８を上方に折り返して
第２管壁片３９を包むようにかしめていたので、
ケーシング端面と流出管との間及び両管壁片のか
しめ部分をそれぞれ別個にシール剤ビード４０，
４１でシールしなければならない。ちなみに、上
記のように第１管壁片周縁３８ｂで第２管壁片周
縁３９ａを挟み付け折り返してかしめていたの
は、挟み付けられた部材が相手部材に締付けられ
て逃げる傾向があるため、逆に第１管壁片３８が
挟み付けられる部材になつたときは筒形フランジ
３８ａが歪み、カバー３２の筒形フランジ３２ａ
との嵌合状態を不均一にしてシール剤ビード４０
のシール信頼性が一層悪くなるためである。

［問題点を解決するための手段］ 上記の問題点を解決するため、この考案のエア
クリーナは次の構成を有する。すなわち流入管が
取付けられ、フイルタエレメントを収納した円筒
形をなすケーシングの端面に出口開口を穿設し、
流出管を軸方向に分割される第１、第２管壁片で
構成し、第１管壁片に管壁開口を穿設するととも
に第１管壁片の周縁を挟んで第２管壁片の周縁を
下方内側に折り返えしてかしめて筒状に形成し、
管壁開口と出口開口とを重ね合わせて前記折り返
し部分とケーシング端面とを当接させ、該当接部
分を囲んで前記端面と管壁とにまたがる１条のシ
ール剤ビードによりシールし、前記当接部分以外
において、第１、第２管壁片のかしめ部分をシー
ルしたものである。

［作用］ この考案のエアクリーナは流入管からケーシン
グ内に入つた空気をフイルタエレメントで濾過し
ケーシング端面に取付けた流出管から排出する。
流出管を端面に当接させた部分は、流出管管壁と
ケーシング端面との当接部分を囲むシール材ビー
ドによりシールされ、この部分では、第１管壁と
第２管壁のかしめ部端縁がケーシング端面側に向
いておりかつ前記シール剤ビードより内方にあ
る。

［実施例］ この考案の実施例を第１図、第２図によつて説
明する。第１図のエアクリーナ１は底面側が閉塞
され上端が開放されたボデイ２と、上端面が閉塞
され下端が開放されたカバー３とが適宜数のクリ
ツプ４で着脱自在に掛止されてケーシング５をな
し、内部に環状筒形のフイルタエレメント６が収
納されてセンターボルト７により固定されてい
る。ポテイ２の側面に穿設した入口開口１５に流
入管８が取付けられてフイルタエレメント６の外
側と連通し、カバー３の上端面に流出管９が取付
けられている。カバー３には、フイルタエレメン
ト６の内方に通じ筒状のフランジ１３を備えた出
口開口１６が設けられる。流出管９はその軸方向
に分割される第１管壁片１１と第２管壁片１２と
で構成されている。第１管壁片１１は筒状のフラ
ンジ１０を備えた管壁開口１７を有し、第２管壁
片１２の周縁１２ａは第１管壁片１１の周縁１１
ａを挟んで下方内側に折り返してかしめられて筒
状の流出管９が形成され、カバー３の端面３ａに
平行に配設される。

流出管９の管壁とカバー３の端面３ａとは、管
壁開口１７と出口開口１６とを重ね合わせて当接
させられ、当接部分を囲んで流出管９の管壁とカ
バー３の端面３ａとにまたがり１条のシール剤ビ
ード１４が設けられる（第３図）。この当接部分
では第１管壁１１、第２管壁１２の周縁１１ａ，
１１２ａのかしめ部分はシール剤ビード１４の内
側にあり、別個のシールを必要としない。前記当
接部分以外のかしめ部分は従来同様にシール剤で
シールされる。第１図、第３図の符号１８はフラ
ンジ１０の内面に嵌入し固着されるブリツジであ
つて、センターボルト７を螺着するめねじを固定
するものである。

上記の第１図、第２図に示す実施例のほか、ケ
ーシングは、カバーが浅い皿状をなすものでよ
く、またカバーが深い筒状で、ボデイが浅い皿状
をなすものやフイルタエレメントが２重筒状であ
るもの等もこの考案に含まれる。

［考案の効果］ この考案のエアクリーナは、流出管の上側の第
２管壁片を下方内側に折返してかしめ、折り返し
部分をケーシングの端面に当接させ、該当接部分
を囲んでシール剤ビードを施したので、第１、第
２管壁の間および流出管とケーシング端面の当接
部分の密着が不完全であつても、両者は共に１条
のシール剤ビードの内側となるから、１条のシー
ル剤ビードで流出管およびケーシングの内外は気
密に遮断され、従来のように２条のシール剤ビー
ドを施す必要がない。また流主管がケーシング端
面に外れた部分は第１、第２管壁のかしめ部分が
シールされるから空気洩れは生じない。さらにも
しシール剤ビードの欠落があつても破片はエアク
リーナの外方へ落失し、前記当接部分を通過して
内部へ入り込むことがないからエアクリーナ内部
へ破片が落込むことはない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す断面図、第２
図はその平面図、第３図は要部断面図である。第
４図は従来のエアクリーナの断面図、第５図はそ
の平面図、第６図は従来のエアクリーナの部分断
面図である。 ２……ボデイ、３……カバー、９……流出管、
１０，１３……フランジ、１１……第１管壁片、
１２……第２管壁片、１４……シール剤ビード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボデイとカバーとが着脱自在に結合され両端面
   が閉鎖された円筒形ケーシングの側面に入口開口
   を設け、一方の端面に出口開口を設けてそれぞれ
   流入管、流出管を取付け、内部にフイルタエレメ
   ントを収納したエアクリーナにおいて、流出管を
   その軸線方向に沿つて上下に分割される第１、第
   ２管壁片で構成し、下側の第１管壁片に管壁開口
   を穿設するとともに第１管壁片の周縁を挟んで上
   側の第２管壁片の周縁を下方内側に折り返えして
   かしめて筒状の流出管を形成し、管壁開口と前記
   出口開口とを重ね合わせて第２管壁片の折り返し
   部分をケーシングの一方の端面とを当接させ、該
   当接部分を囲んで前記ケーシングの端面と管壁と
   にまたがる１条のシール剤ビードを形成し、前記
   当接部分以外の部分において前記第１管壁片と第
   ２管壁片のかしめ部分をシールしてなるエアクリ
   ーナ。