JPH0519555U

JPH0519555U - 携帯型作業機用機関

Info

Publication number: JPH0519555U
Application number: JP074212U
Authority: JP
Inventors: 洋一今川
Original assignee: リヨービ株式会社
Priority date: 1991-08-21
Filing date: 1991-08-21
Publication date: 1993-03-12
Also published as: DE4227433C3; DE4227433A1; DE4227433C2; US5263454A

Abstract

(57)【要約】【目的】オ−バ−ヘッド式４サイクル機関にダイヤフ
ラム式気化器を備えるべく、シリンダヘッドの吸入管と
気化器との接続部に気化器と連通して吸入管内壁に通ず
るパルス取入口を設けて、高速回転において充分な脈動
圧を発生可能として、高速回転を要する携帯型作業用機
関の運転に必要な燃料を気化器に有効に供給しうべくな
すことを目的とする。【構成】４サイクル機関のシリンダヘッド１０の吸入
管５に、断熱インシュレーター７を介して気化器６が接
続されていて、かつ、断熱インシュレーター７に設けた
脈動圧取出口８は、気化器６内の吸気脈動取入れ口６１
を介して燃料ポンプ室に通じせしめてダイヤフラムを作
動させ、燃料を気化器６に供給しうべく構成されてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ダイヤフラム式気化器を備えた４サイクル機関で、燃料ポンプ駆動用脈動圧の取出しを可能としてなる携帯型作業機用機関に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の携帯型作業機例えばトリマー用機関は、運転時のエンジンの姿勢が常に一定ではなく、また、クランク軸の水平位置に対して、前後、左右に４０度〜５０度傾斜して運転されることが稀ではないが、気化器等の燃料供給装置の関係で４サイクル機関によらず、専ら２サイクル機関が用いられるのが一般的となっている。従来一般的に実用されている２サイクル機関は、図９に示す如くクランク軸１、ピストン２、連接棒３、シリンダ４、該シリンダ４に設けられた吸気口５、気化器６、シリンダ４と気化器６との間に装着される断熱インシュレータ７、シリンダ４、クランクケース等を貫通し、図示してない気化器のダイヤフラム式燃料ポンプ室とクランク室空間Ｓ１を連通する脈動圧取出口８、８ａ等でなっていて、該２サイクル機関は既知の通り、ピストン２の下降行程で吸入口はクランク室空間Ｓ１との連通を断たれ、さらに、該ピストン２の上昇行程で連通する。その際クランク室内圧力が変動するので、そこで発生する脈動圧を気化器内の燃料ポンプ作動の動力源として利用する。該空間Ｓ１の容積が小さいほど、ピストンの上下運動によるＳ１の圧力変動が大である。また、４サイクル機関は、図１０の如くクランク室内空間Ｓ２にクランク軸１の他にカム軸９等が配設されており、さらに、潤滑油２６の容積を差し引いても該空間Ｓ２の容積は前記２サイクル機関より大きくなり、したがってダイヤフラム式気化器の燃料ポンプを駆動するに充分な脈動圧が発生しないものとなっている。

【０００３】

【考案が解決しようとした課題】そこで本考案は、上記に鑑みて単位時間当りの空気吸込量の多いオーバーヘッドバルプやオーバーヘッドカム機関、即ち、シリンダヘッドに吸気弁、排気弁を備えた４サイクルエンジンを使用せんとしたが、次の如き問題点があることがわかった。第一に、傾斜運転可能な気化器、即ち膜弁式気化器に付属する燃料ポンプを駆動するためのクランク室内ガス（殆ど空気）の脈動圧の大きさに関するものであって、前記の如く、４サイクル機関のクランク室内の気体部分空間Ｓ２は、２サイクル機関のクランク室内の気体部分空間Ｓ１よりもその容積が大きく、よって、従来の４サイクル機関の往復動によるも、気化器の燃料ポンプ駆動用の脈動圧を発生するに十分ではない。第二に、トリマー、チェンソー等の携帯型作業機は、通常回転速度が高く、よって、４サイクル機関を使用する場合は、高速度において充分な脈動圧を発生する必要がある。そこで本考案は、傾斜運転で使用され、高速度な携帯用作業機用の４サイクル機関を高速で膜弁式（ダイヤフラム式）気化器を使用して運転可能な技術の開発を目的として提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

すなわち本考案の第一は、吸気弁、排気弁を備えるシリンダヘッドの吸入管と、ダイヤフラムで作動する燃料供給装置を有する気化器を配設し、該吸入管と気化器との接続部に該気化器と連通し該吸入管内壁に通ずるパルス取入口を設けてなる携帯型作業機用機関であり、また第二は、鋳造手段にて形成されたパルス取入口を設けてなる請求項１記載の携帯型作業機用機関によって、上記目的を達成せんとするものである。

【０００５】

【作用】

本考案は、要部を図５に示すダイヤフラム式気化器６を、図１に示す如くオ− バ−ヘッド式４サイクル機関に設けてなるものであって、該機関の吸入管５に、断熱インシュレ−タ−７等の接続部を介して該気化器６を装着し、該吸入管５内壁に通ずるパルス取出口を設け、ここより該気化器６のダイヤフラム作動用の脈動圧を取り入れんとするものであって、該パルスの取出し口、即ち脈動圧取出し口は、気化器６の吸気脈動取入れ口６１と連結し、かつ、脈動圧作動室６２に連動し、さらに、該脈動圧作動室６２の脈動圧に応じて波動運動をしうべきポンプダイヤフラム６２１でなり、該ポンプダイヤフラム６２１に隣接して、脈動圧作動室６２の圧力がマイナスに働くと圧力が下がるべくなされたポンプ室６５が設けられており、該ポンプ室６５に設けてあるインレットバルブ６４を介し、ここへ通ずべき燃料入口通路６３を通って燃料が該ポンプ室６５内ヘ入るようになっている。なお、この燃料が入る際は、アウトレットバルブ６６は閉止する。また、脈動圧作動室６２の圧力がプラスになると、前記ポンプ室６５の圧力が高まり、アウトレットバルブ６６が開き燃料は通路６７、ニ−ドルバルブ６８を経て、メ−タリング室６１２に入る。該メ−タリング室６１２には、支持軸６９を枢軸にして揺動する一体のレバ− 部６１０、６１１が設けてあり、これの一端側のレバ−部６１０にはニ−ドルバルブ６８が接していて、他端側のレバ−部６１１にはメ−タリングダイヤフラム６１４に固着したノブ６１３に接している。また、６１５は大気に開放のエアベント室である。さらに、機関の吸入管内部に通ずる孔部６１８に突設のノズル６１７は、メインジェット部６１６を介してメ−タリング室６１２に通じてなっている。以上の如くしてなる気化器と機関は、機関の負荷に応じて、吸入管内圧力が変動し、機関の吸入圧と大気圧との差で、メ−タリングダイヤフラム６１４が上下に動き、レバ−部６１０、６１１にその動きを伝え、ニ−ドルバルブ６８を制御して、燃料の量を規制していて、よって、従来の２サイクル機関でなされている特別の通路を設けてクランク室圧力を取り出しているものと異なり、そのような特別の通路を要しないで、気化器の脈動圧の取出口と連通させることを可能として高速回転に必要な燃料を、膜弁式気化器へ有効に供給可能とした。

【０００６】

【実施例】

引き続き本考案の要旨をより明確とするため、図面を利用して一実施例の説明をする。図１は本考案を備えた４サイクル機関の縦断面図であり、図２〜図５は本考案の要部を示すもので、気化器６と断熱インシュレ−タ−７と、シリンダヘッド１０の吸入管５で脈動圧の取出しに係わる部分の詳細を示すものである。即ち、シリンダヘッド１０に備え吸気口５１を有する吸入管５のフランジ５２の端面に、該吸気口５１に通じる通路Ｐを設け、該通路Ｐは断熱インシュレ−タ−７に貫通の脈動圧取出口８を通して、気化器６の吸気脈動取入れ孔６１に通ずるように配設されている。さらに、気化器６は要部を図５に示すようになっていて、これの前記吸気脈動取入れ孔６１は脈動圧作動室６２に連動し、該脈動圧作動室６２はこれの脈動圧に応じて波動運動をしうべきポンプダイヤフラム６２１でなっていて、これらに隣接してポンプ室６５が配設されて前記脈動圧作動室６２の圧力がマイナスに働くと圧力が下がるようになっている。該ポンプ室６５のインレットバルブ６４により、燃料入口通路６３を通って、燃料が供給されるようになっていて、該燃料が供給される場合は、アウトレットバルブ６６は閉じるようになっている。さらに、該脈動圧作動室６２の圧力がプラスになると、ポンプ室６５の圧力が高くなって、アウトレットバルブ６６が開き燃料は通路６７、ニ−ドルバルブ６８等を経て、メ−タリング室６１２内に供給しうべくなっている。メ−タリング室６１２内には、支持軸６９を枢軸にして揺動するレバ−部６１０、６１１が両側に一体に設けてあって、さらに、レバ−部６１０の端部にニ−ドルバルブ６８を設けて通路６７の開閉をなし、また、該レバ−部６１１の端部はメ−タリングダイヤフラム６１４に固着したノブ６１３に当接しうべくなっている。また、該メ−タリングダイヤフラム６１４に隣接して配設のエアベント室６１５は大気に開放しうべくなっていて、吸入管内部に通ずる孔部６１８内へ突設のノズル６１７は、メインジェット部６１６を介してメ−タリング室６１２に通ずるようになっていて、機関の負荷に応じて、吸入管内圧力が変動し、機関の吸入圧と大気圧との差で、メタリングダイヤフラム６１４が上下に作動することによって、レバ−部６１０、６１１にその動きを伝え、ニ−ドルバルブ６８を制御して、メインジェット部６１６を介してノズル６１７よりの燃料の供給量を制御しうべくなっている。また、図２、図３で明らかなように、該通路はシリンダヘッド１０の鋳造時、ダイカスト他の方法で、かつ、鋳造素材の状態で完成可能である。なお、図４の如く、シリンダヘッド１０に設けた吸入管５のフランジ５２に機械加工で施し盲栓１１を固着することも可能である。また、脈動圧取出口８及び通路Ｐを断熱インシュレ−タ−７に設けてもよい。

【０００７】次に、図６は弁駆動機構であって、１個のカム１２と該カム１２に当接した一対の揺動回転式リフター２１、２２よりなり、該リフター２１、２２はリフター軸部２３を中心として回転する。該カムの歯車部１３はクランク軸１におけるクランク歯車３１と噛み合う。一方のリフター２１は排気弁用プッシュロッド４１に、他方のリフター２２は吸気弁用プッシュロッド４２に連設されている。該リフター２１、２２を上方より視認すると図７に示す如くリフター２１、２２が軸部より中心部側へ折曲するように形成され、排気弁用プッシュロッド４１と吸気弁用プッシュロッド４２が同一平面上にある。クランク軸１の軸部３２を動力取出側より機関側を視認した際反時計方向に回転させて、クランク歯車３１と噛み合うカムの歯車部１３を回転させ、これにより該カム１２をカム軸１４で支承して回転させ、これに当接するリフター２１、２２の一方を回転させ、排気側プッシュロッド４１を介して排気弁を開かせる。さらに、カム１２を回転させ、これに当接する一方のリフター２２を回転させ、吸気側プッシュロッド４２を介して、吸気弁を開かせ、所定の時期に排気弁、吸気弁を閉じる。前記実施例で示した弁駆動装置を携帯型作業機用機関に使用する場合は図８のようになる。カム形状は最大リフト点に対してプッシュロッド上昇側、下降側のカム形状をほぼ対称的とする。これにより前記揺動式リフターを使用することにより、吸気弁と排気弁のリフト曲線を異にすることができる。

【０００８】なお、本考案は前記実施例に限定されるものではなく、前記した本考案の、上記した目的と作用及び後記する考案の効果の達成される範囲内において任意に変更可能であり、これらの変更はいずれも本考案の要旨を変更するものではないことは申すまでもない。

【０００９】

【考案の効果】

以上詳細に説明したように本考案携帯型作業機用機関は、従来のようにクランク室圧力取出の場合の如く、特別の通路を設けることなく、気化器の脈動圧取出口と容易に連通させることを可能として、単位時間当りの空気に吸込量の多いオーバーヘッド、オーバーヘッドカム機関等、シリンダヘッドに吸気弁、排気弁を備えた４サイクルエンジンの使用を可能としたので、高速回転の必要な携帯型作業用機関の運転に必要な燃料を、膜弁式気化器に有効に供給でき、また、気化器の脈動圧取出口と連通する通路を、シリンダヘッドのダイキャスト製作時に施すことができて、製作容易となる等本考案は実用上優れた独特の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を備えた機関の断面図である。

【図２】本考案パルス取入部の要部を示す断面図であ
る。

【図３】図２の側面図である。

【図４】本考案パルス取入部の他の実施例の要部を示す
断面図である。

【図５】気化器の要部を示す断面図である。

【図６】弁駆動装置を示す正面図である。

【図７】図６のリフター部の平面図である。

【図８】本考案の弁駆動装置を利用したエンジンの断面
図である。

【図９】従来の２サイクル機関を示す断面図である。

【図１０】従来の弁駆動装置を使用した４サイクル機関
を示す断面図である。

【符号の説明】

１クランク軸２ピストン３連接棒４シリンダ５吸入管５１吸気口６気化器６１吸気脈動取入れ口７断熱インシュレーター８脈動圧取出口９カム軸１０シリンダヘッド１１盲栓１２カム１３カムの歯車部２１揺動回転式リフター２２揺動回転式リフター２３リフター軸部２６潤滑油３１クランク歯車３２軸部４１排気弁用ロッド４２吸気弁用ロッドＳ１クランク室内空間Ｓ２クランク室内空間

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】吸気弁、排気弁を備えるシリンダヘッド
の吸入管と、ダイヤフラムで作動する燃料供給装置を有
する気化器を配設し、該吸入管と気化器との接続部に該
気化器と連通し該吸入管内壁に通ずるパルス取入口を設
けてなることを特徴とする携帯型作業機用機関。
【請求項２】鋳造手段にて形成されたパルス取入口を
設けてなる請求項１記載の携帯型作業機用機関。