JPH05195080A - 深絞り用高強度鋼板の製造方法 - Google Patents
深絞り用高強度鋼板の製造方法Info
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- JPH05195080A JPH05195080A JP983492A JP983492A JPH05195080A JP H05195080 A JPH05195080 A JP H05195080A JP 983492 A JP983492 A JP 983492A JP 983492 A JP983492 A JP 983492A JP H05195080 A JPH05195080 A JP H05195080A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】重量%で、C:0.004 〜 0.010%、Si: 1.5%
以下、Mn:0.3 〜 1.5%、P:0.04〜0.12%、S:0.03
%以下、N: 0.005%以下、Al:0.010 〜 0.090%で、
さらに下記および式を満足するTiを含み、残部がFe
と不可避不純物からなる鋼をAr3 点以上の温度域で熱
間圧延した後 650℃以下で巻取り、次いで圧下率50%以
上の冷間圧延をほどこし、再結晶温度以上、Ac3 点以
下の温度で焼鈍することを特徴とする深絞り用高強度鋼
板の製造方法。 Ti (%) ≧(48 /14) N (%) ・・・・・ 10≧Ti* (%) /4C (%) ≧ 2・・・・ ただし、 Ti* (%) =Ti (%) −(48 /14) N (%) さらにBを0.0006〜0.0030重量%で含有することができ
る。 【効果】高深絞り性および高強度を有する安価な鋼板が
製造可能。
以下、Mn:0.3 〜 1.5%、P:0.04〜0.12%、S:0.03
%以下、N: 0.005%以下、Al:0.010 〜 0.090%で、
さらに下記および式を満足するTiを含み、残部がFe
と不可避不純物からなる鋼をAr3 点以上の温度域で熱
間圧延した後 650℃以下で巻取り、次いで圧下率50%以
上の冷間圧延をほどこし、再結晶温度以上、Ac3 点以
下の温度で焼鈍することを特徴とする深絞り用高強度鋼
板の製造方法。 Ti (%) ≧(48 /14) N (%) ・・・・・ 10≧Ti* (%) /4C (%) ≧ 2・・・・ ただし、 Ti* (%) =Ti (%) −(48 /14) N (%) さらにBを0.0006〜0.0030重量%で含有することができ
る。 【効果】高深絞り性および高強度を有する安価な鋼板が
製造可能。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は引張強度が45kgf/mm2
を超える深絞り用高強度鋼板を安価に製造する方法に関
する。
を超える深絞り用高強度鋼板を安価に製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車業界においては、重量を軽
減して燃料消費量を低減すべく乗用車を初めとした各種
自動車類に高強度冷延鋼板を使用することが一般化して
きた。
減して燃料消費量を低減すべく乗用車を初めとした各種
自動車類に高強度冷延鋼板を使用することが一般化して
きた。
【0003】これに伴って、より一層強度が高くかつ深
絞り性にも優れた鋼板の需要が増している。
絞り性にも優れた鋼板の需要が増している。
【0004】従来から強度が高くしかも深絞り性の優れ
た冷延鋼板の開発には多大の努力が払われており、各種
鋼板が開発されてきた。特に、極低炭素鋼をベースとし
Si、P、Mn等を添加して強度を上げた高張力鋼板につい
ては多くの提案があるが、製造上種々の制限があり、引
張強度が45kgf/mm2 を超えしかも充分な深絞り性をもつ
鋼板の製造は難しい。
た冷延鋼板の開発には多大の努力が払われており、各種
鋼板が開発されてきた。特に、極低炭素鋼をベースとし
Si、P、Mn等を添加して強度を上げた高張力鋼板につい
ては多くの提案があるが、製造上種々の制限があり、引
張強度が45kgf/mm2 を超えしかも充分な深絞り性をもつ
鋼板の製造は難しい。
【0005】特開昭64−4429号公報に示されるようにCu
添加により強度の確保を狙う方法もあるが、この場合Cu
の添加によってもたらされる熱間脆性を防止するため、
相当量のNiを添加する必要があり、得られる鋼板は非常
に高価なものとなる。
添加により強度の確保を狙う方法もあるが、この場合Cu
の添加によってもたらされる熱間脆性を防止するため、
相当量のNiを添加する必要があり、得られる鋼板は非常
に高価なものとなる。
【0006】以上のように、優れた深絞り性と高強度と
を共に有する鋼板の製造方法は未だ開発されていない。
を共に有する鋼板の製造方法は未だ開発されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、深絞
り性が良好で、しかも引張強度が45kgf/mm2 を超えかつ
2次加工脆性がない高強度鋼板の安価な製造方法を提供
することにある。
り性が良好で、しかも引張強度が45kgf/mm2 を超えかつ
2次加工脆性がない高強度鋼板の安価な製造方法を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、深絞り性が
良好で、かつ安価な高強度鋼板の開発を目指し種々の検
討を行った結果、「サブ極低炭素鋼をベースにし、C量
及びTi量を原子量比に基づいて適正に含有させ、かつ熱
延巻取温度を規定することにより、TiC の析出をコント
ロールし、結晶の細粒化を図れば深絞り性に優れた高強
度鋼板が得られる」という知見を得るに至った。
良好で、かつ安価な高強度鋼板の開発を目指し種々の検
討を行った結果、「サブ極低炭素鋼をベースにし、C量
及びTi量を原子量比に基づいて適正に含有させ、かつ熱
延巻取温度を規定することにより、TiC の析出をコント
ロールし、結晶の細粒化を図れば深絞り性に優れた高強
度鋼板が得られる」という知見を得るに至った。
【0009】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
のであり、その要旨は下記の製造方法にある。
のであり、その要旨は下記の製造方法にある。
【0010】重量%で、C:0.004 〜 0.010%、Si:
1.5%以下、Mn:0.3 〜 1.5%、P:0.04〜0.12%、
S:0.03%以下、N: 0.005%以下、Al:0.010 〜 0.0
90%で、さらに下記および式を満足するTiを含み、
残部がFeと不可避不純物からなる鋼をAr3 点以上の温
度域で熱間圧延した後 650℃以下で巻取り、次いで圧下
率50%以上の冷間圧延をほどこし、再結晶温度以上、A
c3 点以下の温度で焼鈍することを特徴とする深絞り用
高強度鋼板の製造方法。
1.5%以下、Mn:0.3 〜 1.5%、P:0.04〜0.12%、
S:0.03%以下、N: 0.005%以下、Al:0.010 〜 0.0
90%で、さらに下記および式を満足するTiを含み、
残部がFeと不可避不純物からなる鋼をAr3 点以上の温
度域で熱間圧延した後 650℃以下で巻取り、次いで圧下
率50%以上の冷間圧延をほどこし、再結晶温度以上、A
c3 点以下の温度で焼鈍することを特徴とする深絞り用
高強度鋼板の製造方法。
【0011】 Ti (%) ≧(48 /14) N (%) ・・・・・ 10≧Ti* (%) /4C (%) ≧ 2・・・・ ただし、 Ti* (%) =Ti (%) −(48 /14) N (%) 本発明方法の素材となる上記鋼は、さらにB:0.0006〜
0.0030重量%を含有することができる。
0.0030重量%を含有することができる。
【0012】
【作用】本発明の製造方法では、通常の極低炭素鋼より
C含有量の高い、いわゆるサブ極低炭素鋼を用いる。そ
してC含有量に見合ったTi量を添加して、熱間圧延時に
炭化物を大量に析出させγ(オーステナイト)の再結晶
およびγ粒の成長を抑制し、特に熱延板の段階で細粒化
を計る。この結果、冷間圧延後も、また焼鈍後も共に細
粒となりこの細粒強化により深絞り性と強度を共に上昇
させる。またこのとき同時に炭化物(もしくは炭窒化
物)による析出硬化も強度の改善に大きく寄与する。
C含有量の高い、いわゆるサブ極低炭素鋼を用いる。そ
してC含有量に見合ったTi量を添加して、熱間圧延時に
炭化物を大量に析出させγ(オーステナイト)の再結晶
およびγ粒の成長を抑制し、特に熱延板の段階で細粒化
を計る。この結果、冷間圧延後も、また焼鈍後も共に細
粒となりこの細粒強化により深絞り性と強度を共に上昇
させる。またこのとき同時に炭化物(もしくは炭窒化
物)による析出硬化も強度の改善に大きく寄与する。
【0013】上記のような特定の化学組成の鋼を用い、
前記の条件で製造することにより高強度でかつ深絞り性
の良好な鋼板を得ることができる。
前記の条件で製造することにより高強度でかつ深絞り性
の良好な鋼板を得ることができる。
【0014】以下に、本発明方法において素材とする鋼
の化学組成および製造条件を前記のように特定した理由
を示す。
の化学組成および製造条件を前記のように特定した理由
を示す。
【0015】(a)C CはTiと共に最も重要な元素である。C量が低い場合、
TiC 、(TiCN)等の析出量が少なく、細粒化効果および析
出効果は小さい。C量が余り高いと炭化物の析出量が多
すぎ、焼鈍後にも深絞り性に好ましい結果が得られな
い。また延性の低下も著しい。さらにC量が高くなると
後述するTiの添加量も多くしなければならずコスト増と
なる。よって下限を 0.004%、上限を 0.010%とした。
TiC 、(TiCN)等の析出量が少なく、細粒化効果および析
出効果は小さい。C量が余り高いと炭化物の析出量が多
すぎ、焼鈍後にも深絞り性に好ましい結果が得られな
い。また延性の低下も著しい。さらにC量が高くなると
後述するTiの添加量も多くしなければならずコスト増と
なる。よって下限を 0.004%、上限を 0.010%とした。
【0016】(b)Si Mn、P等に比べ強度を上昇させる割には延性を低下させ
ないので強化元素として積極的に使用する。しかしSiは
鋼板を脆化させる性質があり、1.5 %を超えると耐2次
加工脆性が悪化する。よって上限を 1.5%とした。
ないので強化元素として積極的に使用する。しかしSiは
鋼板を脆化させる性質があり、1.5 %を超えると耐2次
加工脆性が悪化する。よって上限を 1.5%とした。
【0017】(c)Mn MnはSと結合しMnS となりTi添加の効果を妨げるTiS お
よびTi4C2S2 の生成を防ぐ。Mnが低いとこれらの細粒化
や強度向上に望ましくないTiS およびTi4C2S2 が生成
し、TiC や(TiCN) の生成を妨げる。よって下限を 0.3
%とした。
よびTi4C2S2 の生成を防ぐ。Mnが低いとこれらの細粒化
や強度向上に望ましくないTiS およびTi4C2S2 が生成
し、TiC や(TiCN) の生成を妨げる。よって下限を 0.3
%とした。
【0018】またMnは高強度にするためにも有効であ
る。しかし過剰に添加すると絞り性を劣化させるので上
限を 1.5%とした。
る。しかし過剰に添加すると絞り性を劣化させるので上
限を 1.5%とした。
【0019】(d)P Pは最も強化能の大きな元素であり、安価に鋼板の強度
を上昇させることができるので積極的に添加する。0.04
%未満では、所望の強度上昇が得られないので下限を0.
04%とする。しかし多量に含まれると粒界偏析量が多く
なって鋼板が脆化し、2次加工割れを発生しやすいもの
となる。よって上限を0.12%とした。
を上昇させることができるので積極的に添加する。0.04
%未満では、所望の強度上昇が得られないので下限を0.
04%とする。しかし多量に含まれると粒界偏析量が多く
なって鋼板が脆化し、2次加工割れを発生しやすいもの
となる。よって上限を0.12%とした。
【0020】(e)S S量が多いとTiS が生成しやすくなりTiC の生成が妨げ
られる。TiS はかなり大きく析出し細粒化には寄与しな
い。TiS をなるべく析出させないため上限を0.03%とし
た。
られる。TiS はかなり大きく析出し細粒化には寄与しな
い。TiS をなるべく析出させないため上限を0.03%とし
た。
【0021】(f)Ti TiはCとともに重要な元素である。
【0022】Tiは、TiN を生成し深絞り性に悪影響をお
よぼす固溶Nをなくす効果がある。
よぼす固溶Nをなくす効果がある。
【0023】この固溶Nの存在を消失させ、しかも細粒
化に効果を及ぼすTiC を生成させるためには、その含有
量は、TiとNとの原子量の比で規定される (48/14) N
(%)と同量以上でなければならないので、Ti (%) ≧
(48/14) N (%) とした。
化に効果を及ぼすTiC を生成させるためには、その含有
量は、TiとNとの原子量の比で規定される (48/14) N
(%)と同量以上でなければならないので、Ti (%) ≧
(48/14) N (%) とした。
【0024】さらに、熱延板の段階でTiC の析出を強化
し結晶粒の細粒化を計り、強度を本発明が目標とする程
度に上昇させるためには、Tiの含有量はTiとCとの原子
量の比で規定されるTi* (%) /4C (%) との関係で
考慮されなければならない。
し結晶粒の細粒化を計り、強度を本発明が目標とする程
度に上昇させるためには、Tiの含有量はTiとCとの原子
量の比で規定されるTi* (%) /4C (%) との関係で
考慮されなければならない。
【0025】このTi* (%) は、Ti(%)−(48/14)
N(%)で表される固溶Tiであり、Ti* (%) /4C
(%) は、すなわちCに対する固溶Tiの過剰度を表す一
つの指数である。Ti* (%) /4C (%) が2未満では
所望の引張強度を得ることができない。10を超えると
微細化効果が飽和し引張強度は上昇するものの、r値が
劣化しまた遷移温度が上昇し脆化しやすくなる傾向を招
く。よって、さらに、10≧Ti* (%) /4C (%) ≧2
とした。
N(%)で表される固溶Tiであり、Ti* (%) /4C
(%) は、すなわちCに対する固溶Tiの過剰度を表す一
つの指数である。Ti* (%) /4C (%) が2未満では
所望の引張強度を得ることができない。10を超えると
微細化効果が飽和し引張強度は上昇するものの、r値が
劣化しまた遷移温度が上昇し脆化しやすくなる傾向を招
く。よって、さらに、10≧Ti* (%) /4C (%) ≧2
とした。
【0026】(h) N 前記のように、固溶Nが存在すると深絞り性が劣化する
ため、NはTiN として析出させてしまうように含有量を
適正な値にしなければならない。TiN はスラブ鋳造段階
で既に析出するため熱延板細粒化に対しては効果は少な
く、またN量が増えるとこれを固着させるためのTi量が
多くなるだけである。このためN量の上限を 0.005%と
した。
ため、NはTiN として析出させてしまうように含有量を
適正な値にしなければならない。TiN はスラブ鋳造段階
で既に析出するため熱延板細粒化に対しては効果は少な
く、またN量が増えるとこれを固着させるためのTi量が
多くなるだけである。このためN量の上限を 0.005%と
した。
【0027】(i)Al Alは脱酸によりTiとBの歩留りを向上させるために添加
する。そのためには0.010 %以上が必要である。AlはAl
N としてNを固定する作用もあるが、本発明の対象とな
る鋼ではこの作用はTiに担わせるので過剰に添加する必
要はない。これらの効果は、0.090 %までである。よっ
てAlの範囲を0.010 〜0.090 %とした。
する。そのためには0.010 %以上が必要である。AlはAl
N としてNを固定する作用もあるが、本発明の対象とな
る鋼ではこの作用はTiに担わせるので過剰に添加する必
要はない。これらの効果は、0.090 %までである。よっ
てAlの範囲を0.010 〜0.090 %とした。
【0028】(j)B Bは粒界強度を高め、耐2次加工脆性を改善するために
添加するが、0.006 %未満ではその効果が期待できな
い。過剰に添加するとr値を低下させる。よって上限を
0.0030%とした。しかし、Bは再結晶温度を上昇させる
ので耐2次加工脆性がそれほど問題とならない場合は無
添加が望ましい。
添加するが、0.006 %未満ではその効果が期待できな
い。過剰に添加するとr値を低下させる。よって上限を
0.0030%とした。しかし、Bは再結晶温度を上昇させる
ので耐2次加工脆性がそれほど問題とならない場合は無
添加が望ましい。
【0029】(k)熱間圧延仕上げ温度 熱間圧延の仕上げ温度がAr3 点未満であると、熱延板
の結晶方位が深絞り性に好ましくない方位となり、その
後の冷間圧延、焼鈍の条件をどのように選択しても、こ
の好ましくない結晶方位が残存して良好な深絞り性を得
ることができない。よって熱間圧延の仕上げ温度をAr
3 点以上とした。
の結晶方位が深絞り性に好ましくない方位となり、その
後の冷間圧延、焼鈍の条件をどのように選択しても、こ
の好ましくない結晶方位が残存して良好な深絞り性を得
ることができない。よって熱間圧延の仕上げ温度をAr
3 点以上とした。
【0030】(l)熱延巻取温度度 巻取温度が650 ℃を超えるとコイルにした後の冷却速度
が遅くなって熱延板の結晶粒径は大きくなり、これを冷
間圧延した後でも所望の強度および深絞り性は得られな
い。したがって巻取温度は、低い方が好ましい。よって
上限を 650℃とした。
が遅くなって熱延板の結晶粒径は大きくなり、これを冷
間圧延した後でも所望の強度および深絞り性は得られな
い。したがって巻取温度は、低い方が好ましい。よって
上限を 650℃とした。
【0031】(m)焼鈍温度 Ac3 点を超える温度で焼鈍を行うと深絞り性に適さな
い集合組織しか得られないので、Ac3点以下の温度とし
た。
い集合組織しか得られないので、Ac3点以下の温度とし
た。
【0032】(n)冷間圧延圧下率 圧下率が増加するに伴い、r値すなわち深絞り性は向上
する傾向があり、さらに2次加工脆性は鋼板のr値が高
いほど発生しにくい。この効果は冷間圧延圧下率が50%
以上で著しくなる。
する傾向があり、さらに2次加工脆性は鋼板のr値が高
いほど発生しにくい。この効果は冷間圧延圧下率が50%
以上で著しくなる。
【0033】
【実施例】表1に示す化学組成の鋼を溶製して、連続鋳
造によりスラブとし、その後仕上げ温度を900 〜 940℃
として熱間圧延し、さらに表2に示す巻取温度にて巻取
った。熱延板厚さは 4.5mmであり、これを酸洗後 1.2mm
に冷間圧延した。得られた冷延鋼板を焼鈍炉にて焼鈍し
た。表1のA〜Fが本発明の対象となる鋼、G〜Lが比
較のために用いた鋼である(便宜的に本発明鋼および比
較鋼と記す) 。
造によりスラブとし、その後仕上げ温度を900 〜 940℃
として熱間圧延し、さらに表2に示す巻取温度にて巻取
った。熱延板厚さは 4.5mmであり、これを酸洗後 1.2mm
に冷間圧延した。得られた冷延鋼板を焼鈍炉にて焼鈍し
た。表1のA〜Fが本発明の対象となる鋼、G〜Lが比
較のために用いた鋼である(便宜的に本発明鋼および比
較鋼と記す) 。
【0034】焼鈍サイクルは約10℃/sで所定の温度ま
で加熱し 830℃にて40s保持した後、室温まで冷却速度
40℃/sにて冷却した。さらにスキンパスを 0.8%かけ
た後材質試験に供した。
で加熱し 830℃にて40s保持した後、室温まで冷却速度
40℃/sにて冷却した。さらにスキンパスを 0.8%かけ
た後材質試験に供した。
【0035】このようにして製造された鋼板の引張り強
度、伸び、r値および遷移温度を表2に示した。ここで
“遷移温度”とは脆性割れを発生する境界温度を意味
し、絞り比 1.6の円筒に絞り成形した後これを円錐台に
被せ、衝撃を加えて押し込んで脆性割れを調べる方法に
より測定した。
度、伸び、r値および遷移温度を表2に示した。ここで
“遷移温度”とは脆性割れを発生する境界温度を意味
し、絞り比 1.6の円筒に絞り成形した後これを円錐台に
被せ、衝撃を加えて押し込んで脆性割れを調べる方法に
より測定した。
【0036】図1および図2は、表1と表2に示したデ
ータの一部から、成分中のTi* /4Cおよび熱延巻取温
度と供試材の引張強度、r値の関係を示したものであ
る。
ータの一部から、成分中のTi* /4Cおよび熱延巻取温
度と供試材の引張強度、r値の関係を示したものであ
る。
【0037】図1、2において図中のアルファベット記
号は素材鋼、数字は試験 No.を示す。
号は素材鋼、数字は試験 No.を示す。
【0038】図2は素材鋼Bのみに関するものである。
【0039】これらの結果から、次の事実が明らかであ
る。
る。
【0040】試験No.1〜8 のように、本発明の条件どお
りに製造された鋼板はいずれも目標とする45kgf/mm2 を
超える引張強度を有し、極めて良好なr値および耐2次
加工脆性 (低い遷移温度) を示す。また試験No.2とNo.9
のように同一素材鋼Bを用いても巻取温度が 730℃と高
い場合は 540℃巻取りに比べ強度は低下し、またr値も
劣る。
りに製造された鋼板はいずれも目標とする45kgf/mm2 を
超える引張強度を有し、極めて良好なr値および耐2次
加工脆性 (低い遷移温度) を示す。また試験No.2とNo.9
のように同一素材鋼Bを用いても巻取温度が 730℃と高
い場合は 540℃巻取りに比べ強度は低下し、またr値も
劣る。
【0041】以上のように本発明で規定する条件から外
れた製造方法で得られたものは、深絞り用高強度鋼板と
して十分に満足できる特性を有していない。
れた製造方法で得られたものは、深絞り用高強度鋼板と
して十分に満足できる特性を有していない。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、引張強度が45kgf/mm2
を超え、かつ高r値を有し耐2次加工脆性にも優れた鋼
板を安価に製造することができる。この鋼板は、厳しい
諸特性を要求される自動車用鋼板として十分に使用が可
能である。
を超え、かつ高r値を有し耐2次加工脆性にも優れた鋼
板を安価に製造することができる。この鋼板は、厳しい
諸特性を要求される自動車用鋼板として十分に使用が可
能である。
【図1】鋼の成分のTi* /4Cと引張強度との関係を示
す。
す。
【図2】素材鋼Bについての熱延巻取温度と引張強度お
よびr値との関係を示す。
よびr値との関係を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】重量%で、C:0.004 〜 0.010%、Si:
1.5%以下、Mn:0.3 〜 1.5%、P:0.04〜0.12%、
S:0.03%以下、N: 0.005%以下、Al:0.010 〜 0.0
90%で、さらに下記および式を満足するTiを含み、
残部がFeと不可避不純物からなる鋼をAr3 点以上の温
度域で熱間圧延した後 650℃以下で巻取り、次いで圧下
率50%以上の冷間圧延をほどこし、再結晶温度以上、A
c3 点以下の温度で焼鈍することを特徴とする深絞り用
高強度鋼板の製造方法。 Ti (%) ≧(48 /14) N (%) ・・・・・ 10≧Ti* (%) /4C (%) ≧ 2・・・・ ただし、 Ti* (%) =Ti (%) −(48 /14) N (%) - 【請求項2】前記鋼がさらに重量%で、B:0.0006〜0.
0030%を含有する請求項1に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP983492A JPH05195080A (ja) | 1992-01-23 | 1992-01-23 | 深絞り用高強度鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP983492A JPH05195080A (ja) | 1992-01-23 | 1992-01-23 | 深絞り用高強度鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05195080A true JPH05195080A (ja) | 1993-08-03 |
Family
ID=11731162
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP983492A Pending JPH05195080A (ja) | 1992-01-23 | 1992-01-23 | 深絞り用高強度鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05195080A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6494969B1 (en) | 1998-12-07 | 2002-12-17 | Nkk Corporation | High strength cold rolled steel sheet and method for manufacturing the same |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5942742A (ja) * | 1982-08-31 | 1984-03-09 | 富士通株式会社 | マトリツクススイツチの駆動回路 |
JPS63190141A (ja) * | 1987-02-02 | 1988-08-05 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 成形性の良好な高張力冷延鋼板とその製法 |
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1992
- 1992-01-23 JP JP983492A patent/JPH05195080A/ja active Pending
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