JPH05195022A - 焼結体の製造方法およびマグネットベース - Google Patents

焼結体の製造方法およびマグネットベース

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JPH05195022A
JPH05195022A JP4279792A JP27979292A JPH05195022A JP H05195022 A JPH05195022 A JP H05195022A JP 4279792 A JP4279792 A JP 4279792A JP 27979292 A JP27979292 A JP 27979292A JP H05195022 A JPH05195022 A JP H05195022A
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compact
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injection
molded
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JP4279792A
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Yoshihiko Seyama
喜彦 瀬山
Yutaka Shimizu
豊 清水
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 射出成形焼結法による焼結体の製造におい
て、製造収率の向上とコスト低減を目的とする。 【構成】 射出成形用金型に別に形成した第1の成形体
を挿入し、この金型内で前記第1の成形体と同種のもし
くは異種の材料からなる原料粉体を射出成形して前記第
1の成形体と一体化された第2の成形体を形成し、前記
第2の成形体を脱脂し、次いで焼結することを含み、前
記第2の成形体において前記第1の形成体部分と第2の
成形体の形成に際して成形された部分との焼結時の収縮
率の差を5%以下とする。また、コア部分またはコアを
含む周辺部分と磁気回路構成部分とを含み、前記コア部
分またはコアを含む周辺部分と磁気回路構成部分とが互
いに異なる材料からなるかまたは密度の異なる同質の材
料からなることを特徴とするマグネットベースを構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は射出成形焼結法(Metal
Injection Molding 略称MIM法)を用いて異種あるい
は同種の材料から形成される複合焼結体の製造方法に関
する。
【0002】金属を用いて寸法精度の良い成形体を得る
には切削加工によるのが通例であるが、材質が硬く、ま
た脆くて旋盤加工が難しい成形品がある。例えば、鉄・
硅素(Fe−Si)合金や鉄・コバルト(Fe−Co)
合金よりなる軟質磁性材料を用いて形成されるマグネッ
ト・ベースやモータのヨークなどがこれに当たり、材質
が硬くて脆いために切削加工では製造収率が低く実用的
ではない。
【0003】ここで、金属粉末を有機バインダと混合し
た後に必要とする形状に射出成形して炉中に置き、徐々
に昇温して有機バインダを分解させて脱バインダし、こ
の脱バインダ体を昇温して焼結する射出成形法(MIM
法)がある。この方法は、上記のような材料の加工に適
しており、複雑な形状のものにも適用でき、収率が高い
という特徴をもっている。なお、MIM法を用いて作ら
れる金属部品の中にはその用途により材質が単一でな
く、部分的に異なっている場合の方が特性面あるいはコ
スト面から好ましい場合が多い。
【0004】例えば、プリンタにおいて使用するワイヤ
ドットプリンタ用のマグネットベースにおいては、コイ
ルを捲回して電流を通じ、磁束を発生させるコア部分と
磁束路を形成するヨーク部分とを必ずしも同一の磁性材
料を用いて形成する必要はなく、特性面およびコストの
面からむしろ異種の磁性材料を使用して形成することが
望ましい。
【0005】次に、MIM法を用いて突起部または肉厚
部のある焼結体を形成する際には、突起部においては変
形が、また肉厚部においては亀裂や膨れが生じ易く、か
かる場合は突起部または肉厚部を圧粉成形体で予め形成
して型に入れておき、これにMIM法を適用すれば歩留
りがよく焼結体を製造することができる。本発明はかか
る複合焼結体の製造方法に関するものである。
【0006】
【従来の技術】射出成形体の焼結工程は、材料の混練、
射出成形、脱バインダおよび焼結の4工程から構成され
ている。ここで、混練は原料の平均粒径が10μm以下
の金属粉末と、パラフィンワックスなどの有機バインダ
とをよく混練するものであり、次いで1ton/cm2 程度の
圧力を加えて射出成形を行って成形体が形成される。次
に、アルゴン(Ar) や窒素 (N2) などの非酸化性雰囲気
中で 400℃程度まで加熱し、バインダを蒸発気化させる
脱バインダ処理を行い、その後に高温にまで加熱して焼
結させることにより焼結体が形成されるのである。
【0007】ここで、電子機器に使用される部品におい
ては、用途や形状によって単一の材料から構成されるよ
りも部分的に異種の材料よりなるものの方が適する場合
がある。かかる用途に対しては、従来、MIM法により
個々に作製した後、ネジ止め、蝋付け、拡散接合などの
方法で接合して部品が作られていた。しかし、このよう
な方法を適用するには、接合部の形状や材質が限られて
おり、一般に接合強度が弱く、また工数が増えるために
製造コストが上昇するなどの問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】成形体の厚さが一様で
なく、肉厚部、突起部、肉薄部などを伴う焼結体を、射
出成形法で成形し、これを焼結して製造するためには、
従来の方法ではクラックや変形が生じ易く、製造収率が
低いという問題がある。そこで、この収率を向上させる
ことが課題である。
【0009】また、異種の材料にMIM法を適用して複
合焼結体を形成することが望ましいが、この際には接合
部にクラックを生じないことが必要であり、かかる問題
を解決することが課題である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は、射出成形用金型に別に形成した第1の成
形体を挿入し、この金型内で前記第1の成形体と同種の
もしくは異種の材料からなる原料粉体を射出成形して前
記第1の成形体と一体化された第2の成形体を形成し、
前記第2の成形体を脱脂し、次いで焼結することを含
み、前記第2の成形体において前記第1の形成体部分と
第2の成形体の形成に際して成形された部分との焼結時
の収縮率の差を5%以下、好ましくは2%以下とするこ
とを特徴とする焼結体の製造方法を提供する。
【0011】本発明は、また、コア部分またはコアを含
む周辺部分と磁気回路構成部分とを含み、前記コア部分
またはコアを含む周辺部分と磁気回路構成部分とが互い
に異なる材料からなるかまたは密度の異なる同質の材料
からなることを特徴とするマグネットベースを提供す
る。
【0012】
【作用】従来、MIM法を用いて焼結体を製造する場合
に、肉厚部、突起部、肉薄部などが存在すると、焼結工
程において、肉厚部においてはクラックや膨れが、また
突起部では変形が生じ易く、一方薄肉部では成形不良が
生じ易いために製造収率が著しく低いという問題があっ
た。そこで、本発明は、金型の肉厚部と突起部の位置に
は予め別に形成した圧粉成形体を挿入しておき、あるい
は肉薄部には予め別に形成したグリーンシート成形体を
挿入しておき、この状態でMIMを行うものである。
【0013】すなわち、クラックや膨れは、脱バインダ
処理においても十分にバインダが除去されておらず、突
発的な分解が生じることに起因するものであるから、肉
厚部と突起部にバインダの使用量が射出成形体に比べて
非常に少ない圧粉成形体を用いることにより解決するこ
とができる。また、変形は、バインダの軟化によって形
状が保てなくなることが原因であるから、バインダの添
加量が少なく、粉末同士の結合力の大きい圧粉成形体を
使用することにより解決することができる。更に、肉薄
部の成形不良は、肉薄部に射出成形体が十分に充填され
ないのが原因であるから、金型の肉薄部にはグリーンシ
ート成形体を挿入しておいて射出成形を行うことにより
解決することができる。
【0014】なお、金型の一部に圧粉成形体或いはグリ
ーンシート成形体を挿入して射出成形を行う場合、その
接合が問題となるが、1ton/cm2 程度の圧力を加えて射
出成形を行うことにより、両者の接合状態は完全とな
り、問題となることはない。
【0015】次に、異種材料を用いて2工程の射出成形
を行い、この成形体を脱脂した後に焼結して焼結体を製
作する場合の問題点は、材料によって焼結収縮率が違う
ことであり、これが原因で焼結体の接合部にクラックを
生ずる。そこで、両者の焼結収縮率を合わせることが必
要であり、本発明においては、(1) 粉体の平均粒径とバ
インダの量を調整する、(2) 成形体を傾斜組成をもたせ
て形成する、の何れかの方法によりクラックの発生を防
止する。
【0016】以下に、例として、飽和磁束密度の値が非
常に大きいFe−50%Co合金と純鉄の磁性を改良し
て透磁率を大きくしたFe− 6.5%Si合金の場合につ
いて説明する。図1は、この2種類の磁性体の平均粒径
が8μmと20μmのものを用い、バインダの含有量を
35〜45容量%に変えて射出成形を行い、この成形体
を最高温度を 435℃として脱バインダを行った後、H2
気流中で1400℃で1時間の焼結を行った場合の焼結収縮
率の変化を示すものである。同図より、Fe−6.5%S
i合金は、Fe−50%Co合金よりも焼結収縮率が大
きく、また粒径の点では平均粒径が小さいものの方が焼
結収縮率が大きいことが判る。
【0017】しかして、本発明においては両者の焼結収
縮率を一致させる方法として両者の焼結収縮率が近似し
ている材料を選ぶ。例えば、バインダ量を38容量%と
した平均粒径が20μmのFe− 6.5%Si合金(i)
とバインダ量を40容量%とした平均粒径が8μmのF
e−50%Co合金(ii)を原料として射出成形を行
って複合体を形成し、焼結を行えば、両者の焼結収縮率
は14.5%と一致するためにクラックの発生を無くするこ
とができる。また、同様なことは、バインダ量を40容
量%とした平均粒径が20μmのFe− 6.5%Si合金
(iii)とバインダ量を42容量%とした平均粒径が
8μmのFe−50%Co合金(iv)を原料として射
出成形を行って複合体を形成して焼結を行うと、両者の
焼結収縮率は15.5%と一致するためにクラックの発生を
無くすることができる。なお、実際には、収縮率の差を
完全に一致させる必要はなく、5%以下、望ましくは2
%以下とする。後述の実施例で詳細を記すが、5%以上
ではクラックがほぼ 100%発生し、また2%以下でクラ
ックの発生をほぼ 100%防止できる。
【0018】次に、傾斜組成を用いる方法としては、い
ま仮にFe−50%Co合金をAで示し、Fe− 6.5%
Si合金をBで示すと、この場合はAとBを直接に接合
させるのではなく、 100 %A/75%A+25%B/50%A+50%B/25%A+
75%B/100 %B のように組成に傾斜をもたせ、複数回(この場合5回)
に亘って射出成形を行い、この成形体を脱バインダした
後、焼結すれば、焼結収縮率が少しづつずれた焼結体が
得られるためにクラックの発生を無くすることができ
る。なお、この方法をとると、この利点は構成原子の拡
散によるカーケンドルボイドの発生や界面での応力の発
生を抑制でき、高い接合強度を保護することが可能であ
る。
【0019】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに説明す
る。
【0020】実施例1:(圧粉成形体の使用例、図2A
関連) 平均粒径が20μmのFe−50%Co合金粉末にステ
アリン酸亜鉛を1重量%混合し、圧粉成形法により直径
が5mmで長さが20mmの円筒状の成形体1を作り、これ
を射出成形用金型に挿入した後、平均粒径が20μmの
Fe− 6.5%Si合金粉末にポリエチレン系バインダを
40容量%を混合して射出成形を行い、図2Aに示すよ
うに直径が20mmで、厚さが5mmの複合成形体2を形成
した。
【0021】そして、この成形体を最高温度を 435℃と
して脱バインダを行った後、H2 気流中で1400℃で1時
間の焼結を行った。焼結体には、クラック、膨れ、変形
などの不良発生は認められなかった。
【0022】実施例2:(グリーンシート成形体の使用
例、図2B関連) 平均粒径が20μmのFe−50%Co合金粉末 100重
量部に、バインダとしてポリビニルブチラールを50重
量部、可塑剤としてジブチルフタレートを15重量部、
溶剤としてメチルエチルケトンを 400重量部加え、ボー
ルミルを用いて混練した後、ドクターブレード法により
厚さ1mmに展延して大きさが50×50×1mmのグリー
ンシート3を形成した。このグリーンシート3を射出成
形用金型に挿入した後、平均粒径が20μmのFe−
6.5%Si合金粉末にポリエチレン系バインダを40容
量%を混合して射出成形を行い、図2Bに示すような複
合成形体4を形成した。
【0023】そして、この成形体を最高温度を 435℃と
して脱バインダを行った後、H2 気流中で1400℃で1時
間の焼結を行った。焼結体には、クラック、膨れ、変形
などの不良発生は認められなかった。
【0024】実施例3:(焼結時の収縮率とクラックの
発生との関係) Fe−50%Co合金とFe− 6.5%Si合金の平均粒
径およびバインダ量を調整して、焼結時の収縮率を変化
させた混練体を作製した。Fe−50%Co合金部分を
射出成形した後、これを金型に挿入してFe− 6.5%S
i合金を射出成形し、図6の成形体を作製した。これを
脱脂し、焼結し、Fe−50%Co合金部18とFe−
6.5%Si合金部19の焼結時の収縮率を測定し、クラ
ックの発生状況を観察した。
【0025】実施例4:(ワイヤドットプリンタ用マグ
ネットベースの適用例、図3関連) 図5は、釈放型ワイヤドットプリンタの構成を示す断面
図であって、マグネットベース5を構成するコア6の部
分にはコイル7が捲回されており、電磁石が形成されて
いる。また、マグネットベース5の一端には永久磁石8
が設けられており、マグネットベース5を磁束路とする
ことにより常にアーマチャ9を吸引しており、コイル7
に通電して逆方向の磁界を発生させることによりアーマ
チャ9の吸引がとれ、これによりワイヤ10が突出して
印字が行われる。
【0026】ここで、従来は、マグネットベース5の総
てがFe−50%Co合金よりなる焼結体で形成されて
いた。しかし、Fe−50%Co合金(比重8.18) の使
用はコア6形成部だけでよく、他のマグネットベース部
(ヨーク部)は純鉄(比重7.88)またはこの磁気特性を
向上したFe− 6.5%Si合金(比重7.49) の使用で充
分であり、これにより軽量化とコスト低減を行うことが
できる。
【0027】平均粒径が8μmのFe−50%Co合金
粉末と、この40容量%のバインダとを加圧式混練機を
用いて混練して混練体を形成した。また、平均粒径が2
0μmのFe− 6.5%Si合金粉末と、この38容量%
のバインダとを加圧式混練機を用いて混練して混練体を
形成した。ここで、バインダは、ポリエチレンとポリメ
チルメタクリレート(略称PMMA)を主成分とするポ
リエチレン系のものである。
【0028】先ず、Fe−50%Co合金よりなる混練
体を射出成形して図3のコア6の部分の成形体を作り、
これをマグネットベースの射出成形用金型に挿入し、こ
れにFe− 6.5%Si合金よりなる混練体を射出成形し
て複合成形体よりなるマグネットベース12を作製し
た。これを、最高温度を 435℃として脱バインダを行っ
た後、H2 気流中で1400℃で1時間の焼結を行った。焼
結体には、クラック、膨れ、変形などの不良発生は認め
られなかった。
【0029】次に、このマグネットベースをプリンタに
組み込み、印字速度の比較を行ったが、従来の印字速度
が110cpsであるのに対し、111cpsであり、同一であっ
た。また、重量は従来のマグネットベースが 130gであ
るのに対して 121gに減少し、また、原料粉末の価格は
40%低減することができた。
【0030】実施例5:(ワイヤドットプリンタ用マグ
ネットベースへの適用例、図4関連) 平均粒径が共に20μmのFe−50%Co合金粉末と
Fe− 6.5%Si合金粉末をとり、ポリエチレン系バイ
ンダの添加量を40容量%として次の5種類の材料を準
備した。 (1)60容量%(Fe−50%Co合金系)+40容量
%(バインダ) (2)45容量%(Fe−50%Co合金系)+15容量
%(Fe− 6.5%Si合金系)+40容量%(バイン
ダ) (3)30容量%(Fe−50%Co合金系)+30容量
%(Fe− 6.5%Si合金系)+40容量%(バイン
ダ) (4)15容量%(Fe−50%Co合金系)+45容量
%(Fe− 6.5%Si合金系)+40容量%(バイン
ダ) (5)60容量%(Fe− 6.5%Si合金系)+40容量
%(バインダ) そして、それぞれ加圧式混練機を用いて混練して混練体
を形成した。
【0031】先ず、(1) のFe−50%Co合金よりな
る混練体を射出成形して図4のコア6の部分の成形体を
作り、これを別のマグネットベースの射出成形用金型に
挿入し、次に(2) の混練体を射出成形して1mmの厚さの
(2) 層13を作り、次いでこの成形体を別のマグネット
ベースの射出成形用金型に挿入し、(3) の混練体を射出
成形して1mmの厚さの(3) 層14を作った。同様にし
て、厚さが1mmの(4) 層15を形成した後、同様にこの
成形体を別のマグネットベースの射出成形用金型に挿入
し、(5) の混練体を射出成形してヨーク部16を作り、
これによりマグネットベース17を形成した。これを、
最高温度を 435℃として脱バインダを行った後、H2
流中で1400℃で1時間の焼結を行った。焼結体には、ク
ラック、膨れ、変形などの不良発生は認められず、また
境界部分を顕微鏡観察した結果、カーケンドルボイドの
発生も認められなかった。
【0032】実施例6:(ワイヤドットプリンタ用マグ
ネットベースへの適用例) 実施例4と同様な工程で材料を変えてマグネットベース
を形成した。すなわち、コア6形成部の材料をFe−5
0%Co合金(焼結密度95%)で、またヨークなど、
その他の部分の形成材料をFe−50%Co合金(焼結
密度86%)で形成した。
【0033】すなわち、先ず、平均粒径が8μmのFe
−50%Co合金粉末と、この40容量%のバインダと
を加圧式混練機を用いて混練して第1の混練体を形成し
た。また、平均粒径が30μmのFe−50%Co合金
粉末と、この38容量%のバインダとを加圧式混練機を
用いて混練して第2の混練体を形成した。ここで、バイ
ンダはポリエチレンとポリメチルメタクリレート(略称
PMMA)を主成分とするポリエチレン系のものであ
る。
【0034】先ず、Fe−50%Co合金よりなる第1
の混練体を射出成形して図3のコア6の部分の成形体を
作り、これをマグネットベースの射出成形用金型に挿入
し、これにFe−50%Co合金よりなる混練体を射出
成形して複合成形体よりなるマグネットベース12を作
製した。これを、最高温度を 435℃として脱バインダを
行った後、H2 気流中で1400℃で1時間の焼結を行っ
た。焼結体には、クラック、膨れ、変形などの不良発生
は認められなかった。
【0035】次に、このマグネットベースをプリンタに
組み込み、これをマグネットベースの総てが平均粒径8
μmのFe−50%Co合金よりなる焼結体と印字速度
の比較を行ったが、従来の印字速度が110cpsであるのに
対し、108cpsであり、ほぼ同一であった。また、重量
は、従来のマグネットベースが 130gであるのに対して
120gに減少し、また、原料粉末の価格は30%低減す
ることができた。
【0036】実施例7:(ワイヤドットプリンタ用マグ
ネットベースの他の適用例) 実施例4と同様な工程で更に材料を変えてマグネットベ
ースを形成した。すなわち、コア6形成部の材料をFe
− 6.5%Si合金で、またヨークなど、その他の部分の
形成材料をFeで形成した。
【0037】すなわち、先ず、平均粒径が8μmのFe
− 6.5%Si合金粉末と、この40容量%のバインダと
を加圧式混練機を用いて混練して混練体を形成した。ま
た、平均粒径が20μmのFe粉末と、この38容量%
のバインダとを加圧式混練機を用いて混練して混練体を
形成した。ここで、バインダをポリエチレンとポリメチ
ルメタクリレート(略称PMMA)を主成分とするポリ
エチレン系のものである。
【0038】先ず、Fe− 6.5%Si合金よりなる混練
体を射出成形して図3のコア6の部分の成形体を作り、
これをマグネットベースの射出成形用金型に挿入し、こ
れにFeよりなる混練体を射出成形して複合成形体より
なるマグネットベース12を作製した。これを、最高温
度を 435℃として脱バインダを行った後、H2 気流中で
1400℃で1時間の焼結を行った。焼結体には、クラッ
ク、膨れ、変形などの不良発生は認められなかった。
【0039】次に、このマグネットベースをプリンタに
組み込み、これをマグネットベースの総てがFe− 6.5
%Si合金よりなる焼結体と印字速度の比較を行った
が、従来の印字速度が70cps であるのに対し、69cp
s であり、同一であった。また、重量は、従来のマグネ
ットベースが 119gであるのに対して 125gと5%増し
たが、原料粉末の価格は30%低減することができた。
また、Feの部分は穴開け、ネジ切り等の加工が容易で
あった。
【0040】
【発明の効果】複合成形体を形成して焼結を行う本発明
の実施により、軽量化とコスト低減が可能となり、また
材料の選択により従来では不可能であった焼結体への穴
開け加工なども可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】成形体のバインダ量と焼結収縮率との関係図で
ある。
【図2】実施例1および2の焼結体の斜視図である。
【図3】実施例4を説明する断面図である。
【図4】実施例5を説明する断面図である。
【図5】釈放型ワイヤドットプリンタの断面構成図であ
る。
【図6】実施例3の焼結体の斜視図である。
【図7】焼結収縮率の差とクラック発生率の関係図であ
る。
【符号の説明】
1…円筒状の成形体 2,4…複合成形体 3…グリーンシート 5,12,17…マグネットベース 6…コア 16…ヨーク部 18…Fe−50%Co合金部 19…Fe− 6.5%Si合金部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形用金型に別に形成した第1の成
    形体を挿入し、この金型内で前記第1の成形体と同種の
    もしくは異種の材料からなる原料粉体を射出成形して前
    記第1の成形体と一体化された第2の成形体を形成し、
    前記第2の成形体を脱脂し、次いで焼結することを含
    み、前記第2の成形体において前記第1の形成体部分と
    第2の成形体の形成に際して成形された部分との焼結時
    の収縮率の差を5%以下とすることを特徴とする焼結体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の成形体を射出成形するに際し
    て、原料粉体の粒度とバインダ量を調整することによ
    り、前記第1の形成体部分と第2の成形体の形成に際し
    て成形された部分との焼結時の収縮率の差が調節される
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の成形体が圧粉成形により得ら
    れた成形体である請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記圧粉成形による成形体が、前記射出
    成形用金型内の前記第2の成形体の突起部または肉圧部
    に対応する位置に配置される請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の成形体がグリーンシート成形
    により得られた成形体である請求項1または2記載の焼
    結体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記グリーンシート成形による成形体
    が、前記射出成形用金型内の前記第2の成形体の肉薄部
    に対応する位置に配置される請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記焼結時の収縮率の差が2%以下であ
    る請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 第1の射出成形用金型に別に形成した第
    1の成形体を挿入し、この金型内で前記第1の成形体と
    異種の材料を射出成形して前記第1の成形体と一体化さ
    れた第2の成形体を形成し、前記第2の成形体を第2の
    射出成形用金型に挿入し、この第2の金型内で前記第1
    および第2の成形体と異種の材料を射出成形して第3の
    成形体を形成し、必要に応じてこの操作を繰り返すこと
    により段階的に徐々に変化する組成をもつ成形体を形成
    し、これにより得られた成形体を脱脂し、焼結すること
    を特徴とする焼結体の製造方法。
  9. 【請求項9】 コア部分またはコアを含む周辺部分と磁
    気回路構成部分とを含み、前記コア部分またはコアを含
    む周辺部分と磁気回路構成部分とが互いに異なる材料か
    らなるかまたは密度の異なる同質の材料からなることを
    特徴とするマグネットベース。
  10. 【請求項10】 コア部分またはコアを含む周辺部分が
    Fe−50%Co合金からなり、磁気回路構成部分がF
    e−Si合金からなる請求項9記載のマグネットベー
    ス。
  11. 【請求項11】 コア部分またはコアを含む周辺部分が
    Fe−6.5 %Si合金からなり、磁気回路構成部分がF
    eまたはFe−0〜3%Si合金からなる請求項9記載
    のマグネットベース。
  12. 【請求項12】 コア部分またはコアを含む周辺部分の
    焼結密度が90%以上であり、磁気回路構成部分の焼結
    密度が80〜90%である請求項9記載のマグネットベ
    ース。
  13. 【請求項13】 さらに異なる材料部分を含み、各部分
    の境界において段階的または連続的に変化する組成を有
    する請求項9〜13のいずれかに記載のマグネットベー
    ス。
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