JPH0519454Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、鉄階段、コンクリート階段などの踏
段に取り付けられる階段用防音マツトに関するも
のである。

〔従来の技術〕

一般にビル、マンシヨン、アパートその他の建
築物などの金属やコンクリート板などで形成され
た階段では無遠慮に昇降すると、大きな騒音や振
動が発生するので、これを防いだりすべり止めの
ためにゴム製マツト又は鋼板などに弾性ゴム板を
重ねて一体にマツトを踏台に取り付けることが行
われている。

従来このマツトの階段への取り付けは接着だけ
では外れて心もとないので、マツトと踏台とに貫
通穴を連通させてあけ、マツトの表側から金属製
ボルトで強固に締め付けて固着したり、連通穴に
上部にフランジを有する合成樹脂製の筒状フアス
ナーを挿入し、該筒状フアスナーの中空部にピン
を打ち込んで取り付けることが行われている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが従来では、ボルト頭部がマツト表側に
あらわれるし、空まわりし易く固定作業が面倒で
あつたり、発錆、腐食による不具合もあつた。さ
らに雨水が貫通穴から侵入することとなりボルト
を含めて鋼板の腐食を招くことがあつた。

また、マツトの表側にボルトや筒状フアスナ
ー、ピンなどの頭部が露出するので、これに引掛
つたりして危険であるばかりでなく、窪み部分に
ほこりやごみがたまつたりしてマツトにせつかく
の意匠を凝らしてもその美観を損なうこととなつ
ていた。

本考案にこれら従来の問題点を解決しようとす
るもので、マツトの表側には固着部材の頭部を露
出させないで該部分での種々の不具合はなく、固
定作業が簡便化でき固着部材の弛みもなく取り付
けを適確にし、また固着部材で美観を損なわれる
こともない体裁良好な階段用防音マツトを提供す
ることを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、金属補強板の表裏両面部に焼付又は
接着により弾性層部を一体に備えた階段の踏段表
面に結合固着される階段用防音マツトにおいて、
前記金属補強板に形成した貫通孔に取付ボルトを
挿通定着し、該取付ボルトの頭部を表側弾性層部
で被着埋設し、かつボルト先端を裏側弾性層部よ
り突設すると共に、前記金属補強板の前後端に、
踏込板１３に沿つて接続する折曲片を設けたこと
を特徴とする階段用防音マツトである。

〔作用〕

階段の踏段の前後にある踏込板に沿つて折曲片
を接続して踏段上に、裏側弾性層部を重合して金
属補強板を密着載置し、踏段に設けた穴に取付ボ
ルトを挿入して踏段裏側に突出させ、該取付ボル
トにナツトを螺着することにより金属補強板のあ
るマツトを踏段に取り付けることができ、防音効
果と、ソフトな感触を与え、固着強度を増すと共
に、表側弾性層部に前記取付ボルトの頭部が前記
表側弾性層部表面に露出していないので、従来の
種々の問題点をなくすことができ、また取付ボル
トはマツトに対してまわりにくいので、ナツト締
付時に空まわりすることがなく、取扱い容易で固
定作業を大巾に簡便化できる。

〔実施例〕

本考案の実施例を第１〜４図を用いて説明す
る。

１は金属補強板で、例えば亜鉛メツキした鋼板
が用いられる。金属補強板１の両側端部には、貫
通穴２が２個ずつ前後に設けられ、各貫通穴２に
は金属製の取付ボルト３が、例えば貫通穴２がネ
ジ穴のときは螺着して、バカ穴のときは溶接して
金属補強板１下面から突出するように設けられて
いる。

金属補強板１の前後端部には踏込板１３に接続
連結用の折曲部４，５が設けられるが、階段用防
音マツト（以下マツトと略）を踏段１２に取り付
ける時に、踏段１２の傾斜にあわせて前部を若干
低く傾斜させて（例えば傾斜角3°）取り付けるこ
とを想定して折曲角度が決められる。

表裏弾性層部６，７は、加流弾性ゴムや合成樹
脂などの弾性を有する素材、また例えばポリエチ
レンと加流ゴムを混合したコンポレジン（商品
名）で形成され、少なくとも金属補強板１の表側
全面及び裏側一部に配備されるが、この実施例で
は表側弾性板６と裏側弾性板７が用いられ。金属
補強板１に取付ボルト３を固定した後、金属補強
板１の表側全面を覆う表側弾性板６と、金属補強
板１の裏側全面を覆う裏側弾性板７が焼付又は接
着により接合されて金属補強板１の表裏両面部に
表側弾性層部と裏側弾性層部が形成されており、
取付ボルト３の頭部は表側弾性板６で被着埋設さ
れることとなる。なお、表側弾性板６には、表面
部にすべり止め部８が形成されている。裏側弾性
板７には取付ボルト３の貫通穴が設けられてい
る。

しかして階段の踏段１２へのマツトの取り付け
に際しては、先ず踏段１２の適宜位置にある貫通
穴１４に取付ボルト３を挿入してマツトを踏段１
２上に載置する。この時折曲片を踏込板に沿わせ
て接続し、必要に応じ踏段１２とマツトとの間に
両面に接着剤を塗布したシール材９を介在配備す
る。

そして取付ボルト３群の踏段１２の裏側に突出
している部分にナツト１０群を締め付けてマツト
を踏段１２に固着結合する。

なお、金属補強板１に貫通穴２を設けて表側弾
性板６の裏側に取付ボルト３の頭部を溶着により
定着したが、金属補強板１に切目を入れ、取付ボ
ルト３をネジ込み式に定着してもよいし、或いは
取付ボルト３に代えてナツトを金属補強板１に取
り付け、ボルトを用いて固着結合するようにして
もよい。

また、裏側弾性板７は金属補強板１の裏側全面
を被覆してものを示したが、必ずしも全面被覆す
る必要はなく、適当間隔に配備してもよい。さら
に折曲部４，５も弾性層部で被覆することもでき
る。

第４図はマツトに水抜孔１１を設けた例を示
す。この場合、水抜孔１１の内周面も弾性層部で
被覆するのが好ましい。なお、水抜孔１１は他の
用途にも用いられる。例えば、マツト表側を保護
するために用いられるカバーシートの裏側に水抜
孔１１に嵌合する凸部を設け、水抜孔１１を係支
孔として重ねればカバーシートがズレることがな
い。

〔考案の効果〕 本考案の階段用防音マツトは金属補強板に形成
した貫通孔に取付ボルトを挿通定着し、該取付ボ
ルトの頭部を表側弾性層部で被着埋設し、かつボ
ルト先端を裏側弾性層部より突設すると共に、前
記金属補強板の前後端に、踏込板１３に沿つて接
続する折曲片を設けたので、階段の踏段に金属補
強板をボルト止めしても固着部材の頭部がマツト
表面に露出することがなく、防錆、防音、効果が
あつて、従来での種々の問題点をなくすことがで
き、また、防音マツトを踏込板に接続して装設す
るので、剛性が増え、かつ固着強度が増加し、密
着性も良好で安全性を高めると共に、踏込板への
接続折曲片があることで位置合せが簡単で、角部
の補強もでき、さらに各踏段間に隙間がなくなつ
てすけて下方が見えて、嫌悪感や不安感や踏段間
での通風やごみ類落下をもなくし、体裁良好であ
るし、さらに上り下りの歩行時にソフトな感触で
用いられ、かつ取付ボルトはマツトに対してまわ
りにくいので、ナツト締付時に空まわりすること
がなく、装設取扱いも容易で作業性をも大巾に向
上できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の一部の平面図、第２
図はその正面図、第３図は第１図−線断面側
面図、第４図は水抜孔付近の断面側面図である。 １……金属補強板、２……貫通穴、３……取付
ボルト、４……折曲部、５……折曲部、６……表
側弾性板、７……裏側弾性板、８……すべり止め
部、９……シール材、１０……ナツト、１１……
水抜孔、１２……踏段、１３……踏込板、１４…
…貫通穴。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 金属補強板１の表裏両面部に焼付又は接着に
   より弾性層部６，７を一体に備えた階段の踏段
   表面に結合固着される階段用防音マツトにおい
   て、前記金属補強板１に形成した貫通孔２に取
   付ボルト３を挿通定着し、該取付ボルト３の頭
   部を表側弾性層部６で被着埋設し、かつボルト
   先端を裏側弾性層部７より突設すると共に、前
   記金属補強板１の前後端に、踏込板１３に沿つ
   て接続する折曲片４，５を設けたことを特徴と
   する階段用防音マツト。 (2) 前記防音マツトの適所に水抜孔を穿設し、該
   水抜孔の内周面も前記弾性層部で被覆されてい
   る請求項１記載の階段用防音マツト。