JPH05194235A - 中枢性カルシウム拮抗剤 - Google Patents

中枢性カルシウム拮抗剤

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JPH05194235A
JPH05194235A JP22634492A JP22634492A JPH05194235A JP H05194235 A JPH05194235 A JP H05194235A JP 22634492 A JP22634492 A JP 22634492A JP 22634492 A JP22634492 A JP 22634492A JP H05194235 A JPH05194235 A JP H05194235A
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alkyl group
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thiazine
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JP22634492A
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Masakatsu Ozeki
正勝 大関
Shinichi Kotado
真一 古田土
Kousuke Yasuda
公助 安田
Koji Kudo
幸司 工藤
Kayoko Maeda
賀代子 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tanabe Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Tanabe Seiyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (式中、R及びRは水素原子又は低級アルキル基
等、Aは低級アルキレン基、Xは硫黄原子又は酸素原
子、R及びRは低級アルキル基等を表す。)で示さ
れるチアジン(又はオキサジン)誘導体又はその薬理的
に許容し得る塩を有効成分としてなる中枢性カルシウム
拮抗剤。 【効果】 本発明の有効成分であるチアジン(又はオキ
サジン)誘導体は、優れた中枢性カルシウム拮抗作用を
示し、虚血性脳障害、脳神経細胞障害に基づく後遺症、
けいれん及び/又はてんかんの治療・予防に有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中枢性カルシウム拮抗
剤に関する。さらにくわしくは、本発明は、脳組織内で
優れたカルシウム拮抗作用を奏する、虚血性脳障害、脳
神経細胞障害に基づく後遺症、けいれん及び/又はてん
かんの治療・予防剤に関する。
【0002】
【従来の技術】脳内の出血あるいは血栓、塞栓による血
流循環障害は、神経細胞活動のエネルギー源であるグル
コースや酸素等の不足をもたらし、虚血部位における神
経細胞の壊死を生じる。従来、このような虚血性脳障害
の治療に際しては、脳血流を増加させて、虚血部位への
グルコース及び酸素等の供給を促す塩酸フルナリジン等
が用いられている。一方、近年、虚血による細胞障害に
カルシウムが関与しており、神経細胞へのカルシウムの
流入を抑制することによって、虚血時の細胞損傷を防止
しうることが明らかにされている(トレンズ イン フ
ァルマコロジカル サイエンス、1989年、第10
巻、397頁)。このため、脳の損傷をより効果的に抑
制する薬剤として、脳細胞に直接作用するカルシウム拮
抗剤の開発が強く望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、脳組織内で
優れたカルシウム拮抗作用を示し、かつ安全性の高い、
虚血性脳障害、脳神経細胞障害に基づく後遺症、けいれ
ん及び/又はてんかんの治療・予防剤を提供するもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式〔I〕
【0005】
【化2】
【0006】(式中、R及びRは同一又は異なっ
て、1)水素原子、2)低級アルキル基、3)シクロア
ルキル基、4)置換もしくは非置換フェニル基、5)置
換もしくは非置換フェニル基で置換された低級アルキル
基、又は6)含硫もしくは含酸素複素単環式基を表し、
Aは低級アルキレン基、Xは硫黄原子又は酸素原子を表
し、R及びRは同一または異なって、1)水素原
子、2)低級アルキル基、3)低級アルケニル基、4)
低級アルキニル基、又は5)置換もしくは非置換フェニ
ル基で置換された低級アルキル基であるか、あるいは、
6)互いに末端で結合し、隣接する窒素原子と共に含窒
素複素単環式基を形成する。)で示されるチアジン(又
はオキサジン)誘導体又はその薬理的に許容しうる塩を
有効成分としてなる中枢性カルシウム拮抗剤に関する。
本発明の有効成分であるチアジン(又はオキサジン)誘
導体及びその薬理的に許容し得る塩は、脳組織内で優れ
たカルシウム拮抗作用を示し、虚血性脳障害、脳神経細
胞障害に基づく後遺症、けいれん及び/又はてんかんに
対し優れた治療・予防効果を奏する。
【0007】上記チアジン(又はオキサジン)誘導体
〔I〕の具体例としては、R及びRが、1)水素原
子、2)低級アルキル基、3)シクロアルキル基、4)
ハロゲン原子、トリハロゲノメチル基、低級アルキル基
及び低級アルコキシ基から選ばれる1〜2個の基で置換
されていてもよいフェニル基、5)フェニル基上にハロ
ゲン原子、トリハロゲノメチル基、低級アルキル基及び
低級アルコキシ基から選ばれる1〜2個の置換基を有し
ていてもよいフェニル低級アルキル基、6)チエニル基
又は7)フリル基であり、R及びRは1)水素原
子、2)低級アルキル基、3)低級アルケニル基、4)
低級アルキニル基、又は5)フェニル基上にハロゲン原
子、低級アルキル基及び低級アルコキシ基から選ばれる
1〜2個の置換基を有していてもよいフェニル低級アル
キル基であるか、あるいは、6)互いに末端で結合し、
隣接する窒素原子と共に、モルホリニル基、ピロリジニ
ル基、ピペリジル基又はピペラジニル基を形成する化合
物があげられる。この場合、置換フェニル基として、よ
り具体的には、例えば、ハロゲノフェニル基、ジハロゲ
ノフェニル基、トリハロゲノメチルフェニル基、低級ア
ルキルフェニル基、低級アルコキシフェニル基、ジ低級
アルコキシフェニル基等があげられる。
【0008】このうち、優れた治療効果を奏する化合物
は、一般式〔I〕において、R及びRのどちらか一
方が水素原子、他方が1)水素原子、2)シクロアルキ
ル基、3)ハロゲン原子、トリハロゲノメチル基、低級
アルキル基及び低級アルコキシ基から選ばれる1〜2個
の基で置換されていてもよいフェニル基、4)ハロゲノ
フェニル低級アルキル基、又は5)チエニル基であり、
及びRのどちらか一方が低級アルキル基、他方が
水素原子、低級アルキル基又はジ低級アルコキシフェニ
ル低級アルキル基であるか、あるいは、互いに末端で結
合し、隣接する窒素原子と共に、モルホリニル基、ピロ
リジニル基又はピペリジル基を形成する化合物である。
【0009】また、本発明において、低級アルキル基、
低級アルキレン基及び低級アルコキシ基の好ましい例と
しては、炭素数1〜6、とりわけ炭素数1〜4のもの、
低級アルケニル基及び低級アルキニル基としては、炭素
数2〜6、とりわけ炭素数2〜4のもの、さらにシクロ
アルキル基としては、炭素数3〜8、とりわけ炭素数5
〜6のものがあげられる。本発明の有効成分であるチア
ジン(又はオキサジン)誘導体〔I〕は、遊離の形でも
又その薬理的に許容し得る塩の形でも医薬用途に用いる
ことができる。薬理的に許容し得る塩としては、例え
ば、塩酸塩、臭化水素酸塩もしくは硫酸塩等の無機酸付
加塩又はフマル酸塩、シュウ酸塩もしくはマレイン酸塩
等の有機酸付加塩等があげられる。
【0010】本発明のチアジン(又はオキサジン)誘導
体〔I〕は、ナフトチアジン環もしくはナフトオキサジ
ン環3位の不斉炭素原子に基づく光学異性体及びその混
合物をいずれも包含するものである。チアジン(又はオ
キサジン)誘導体〔I〕又はその薬理的に許容し得る塩
の投与量は、投与方法・患者の年令・体重・状態あるい
は疾患の程度等により異なるが、通常1日当たり約0.
1〜100mg/kg、とりわけ、3〜30mg/kg
程度とするのが好ましい。
【0011】チアジン(又はオキサジン)誘導体〔I〕
又はその薬理的に許容し得る塩は、経口的にも非経口的
にも投与することができる。経口投与する場合の剤形
は、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、散剤の如き固形剤であ
ってもよく、溶液、懸濁液の如き液剤であってもよく、
経口投与に適した医薬担体と共に医薬製剤として使用す
ることができる。かかる医薬担体としては、例えば、結
合剤(シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビッ
ト、トラガント、ポリビニルピロリドン等)、賦形剤
(乳糖、砂糖、コーンスターチ、リン酸カリウム、ソル
ビット、グリシン等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシ
ウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ等)、
崩壊剤(バレイショデンプン等)又は湿潤剤(ラウリル
硫酸ナトリウム等)等慣用のものをいずれも使用でき
る。一方、非経口投与する場合の剤形は、例えば、注射
用蒸留水、生理的食塩水、ブドウ糖水溶液等を用いて、
注射剤や点滴注射剤とするのが好ましい。本発明の有効
成分であるチアジン(又はオキサジン)誘導体〔I〕
は、一般式〔II〕
【0012】
【化3】
【0013】(式中、記号は前記と同一意味を表す。)
で示される原料化合物又はその塩と一般式〔III〕
【0014】
【化4】
【0015】(式中、Y及びYは反応性残基を表
し、Aは前記と同一意味を表す。)で示されるカルボン
酸化合物とを、塩基の存在下、縮合反応させて一般式
〔IV〕
【0016】
【化5】
【0017】(式中、記号は前記と同一意味を表す。)
で示される化合物を製した後、該生成物〔IV〕と一般
式〔V〕
【0018】
【化6】
【0019】(式中、記号は前記と同一意味を表す。)
で示されるアミン化合物又はその塩とを、塩基の存在下
もしくは非存在下、縮合反応させて製造することができ
る。チアジン(又はオキサジン)誘導体〔I〕は、原料
化合物〔II〕又はその塩と一般式〔VI〕
【0020】
【化7】
【0021】(式中、Yは反応性残基を表し、R31
及びR41は同一又は異なって、1)低級アルキル基、
2)低級アルケニル基、3)低級アルキニル基、又は
4)置換もしくは非置換フェニル基で置換された低級ア
ルキル基であるか、あるいは、5)互いに末端で結合
し、隣接する窒素原子と共に含窒素複素単環式基を形成
し、Aは前記と同一意味を表す。)で示されるアミノカ
ルボン酸化合物又はその塩とを、塩基の存在下、縮合反
応させて製造することもできる。
【0022】或いはまた、チアジン(又はオキサジン)
誘導体〔I〕のうちAがエチレン基の化合物は、原料化
合物〔II〕又はその塩と一般式〔VII〕
【0023】
【化8】
【0024】(式中、記号は前記と同一意味を表す。)
で示されるアクリル酸化合物とを、塩基の存在下、縮合
反応させて一般式〔VIII〕
【0025】
【化9】
【0026】(式中、記号は前記と同一意味を表す。)
で示される化合物を製した後、該生成物〔VIII〕に
アミン化合物〔V〕又はその塩を、塩基の存在下もしく
は非存在下、付加反応させて製造することもできる。
【0027】なお、本発明の原料化合物〔II〕のう
ち、一般式〔IX〕
【0028】
【化10】
【0029】(式中、R11及びR21は同一又は異な
って、1)水素原子、2)低級アルキル基、3)シクロ
アルキル基、4)置換もしくは非置換フェニル基、5)
置換もしくは非置換フェニル基で置換された低級アルキ
ル基、又は6)含硫もしくは含酸素複素単環式基、X
は硫黄原子又は酸素原子を表す。但し、R11及びR
21が共に水素原子であるとき、Xは硫黄原子を表
す。)で示される化合物は、例えば、一般式〔X〕
【0030】
【化11】
【0031】(式中、記号は前記と同一意味を表す。)
で示される化合物と、一般式〔XI〕
【0032】
【化12】
【0033】(式中、Yはハロゲン原子、Yはハロ
ゲン原子又は低級アルコキシ基を表し、他の記号は前記
と同一意味を表す。)で示される化合物とを、塩基の存
在下もしくは非存在下で反応させ、一般式〔XII〕
【0034】
【化13】
【0035】(式中、記号は前記と同一意味を表す。)
で示される化合物が得られる場合には、さらに塩基の存
在下に閉環反応させて一般式〔XIII〕
【0036】
【化14】
【0037】(式中、記号は前記と同一意味を表す。)
で示される化合物を得、ついで還元剤の存在下、還元し
て製造することができる。
【0038】実験例 1 〔脳シナプトソーム内カルシウム流入阻害作用〕ラット
大脳皮質から、ザ・ジャーナル・オブ・フィジオロジー
(1987年、第387巻、第415〜423頁)記載
方法に準じて、脳シナプトソーム懸濁液を調製し、この
懸濁液に蛍光試薬〔後記(注)参照〕及び被験薬溶液を
加えた。次いで塩化カリウムを加えて脱分極させた後、
波長340及び380nmのUVを交互に照射した際の
500nmの蛍光強度を、細胞内カルシウム測定装置
(日本分光、CAF−100)を用いて測定した。シナ
プトソーム内へのカルシウム流入に対する被験薬の阻害
効果はピーク時の蛍光強度比変化量(ΔR)から次式に
より判定した。なお、対照にはジメチルスルホキシドを
用いた。
【0039】
【数1】
【0040】(注):1−(2−(5’−カルボキシオ
キサゾール−2’−イル)−6−アミノベンゾフラン−
5−オキシ)−2−(2’−アミノ−5’−メチルフェ
ノキシ)−エタン−N,N,N’,N’−四酢酸ベンタ
アセトキシメチルエステル〔商品名:Fura2−A
M、同仁研究所製〕
【0041】(結果)被験薬の10−5Mにおけるカル
シウム流入阻害率を下記第1表に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】実験例 2 〔シアン化カリウム誘発脳アノキシア保護作用〕マウス
に、被験薬を経口投与した。投与1時間後に2.4mg
/kgのシアン化カリウムを尾静脈内投与し、マウスの
生存時間(秒)を測定した。対照群と被験薬投与群の平
均生存時間から次式により生存時間延長率を算出した。
なお、対照には蒸留水を用いた。
【0045】
【数2】
【0046】(結果)被験薬10mg/kg投与時の生
存時間延長率を下記第2表に示す。
【0047】
【表3】
【0048】実験例 3 〔遅発性脳神経細胞壊死防御作用〕ストローク(197
9年、第10巻、第3号、第267〜272頁)記載方
法に準じて作製した4管結紮−過性脳虚血ラットに3−
(4−クロロフェニル)−1−(ジメチルアミノアセチ
ル)−2,3−ジヒドロ−1H−ナフト〔2,1−b〕
〔1,4〕チアジン・シュウ酸塩5mg/kgを一日2
回4日間腹腔内投与した場合、非投与群に較べて、海馬
CA領域における正常な錐体細胞数を70%増加させ
た。
【0049】実験例 4 〔抗けいれん作用〕マウスに被検薬を経口投与した。投
与1時間後に電撃けいれん誘発装置(ユニークメディカ
ル社製:USA−2000)を用いて角膜通電(交流、
15ミリアンペア、0.15秒間)を行い、強直伸展性
けいれん発現の有無を観察し、50%のマウスにけいれ
ん発現を抑制させるのに必要な投与量(ED50)を求
めた。その結果、3−(4−クロロフェニル)−1−
(ジメチルアミノアセチル)−2,3−ジヒドロ−1H
−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕チアジン・シュウ酸
塩のED50は39.1mg/kg、3−(4−クロロ
フェニル)−1−(ジエチルアミノ)アセチル−2,3
−ジヒドロ−1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕チ
アジン・フマル酸塩のED50は47.5mg/kgで
あった。
【0050】製造例 1 1−アミノ−2−ナフタレンチオール27.81gのエ
タノール500ml溶液に、水素化ホウ素ナトリウム1
1.35gを室温にて加える。20分間攪拌後、酢酸2
00mlを滴下し、酢酸ナトリウム24.6gを加え
る。次いで、α−ブロモ−4−クロロフェニル酢酸メチ
ルエステル46.8gを滴下し、アルゴン雰囲気下、室
温にて一晩攪拌する。該反応混合物を氷水に加え、析出
晶をろ取し、洗浄、乾燥後、テトラヒドロフラン−n−
ヘキサン混液から再結晶して、3−(4−クロロフェニ
ル)−1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕チアジン
−2(3H)−オン44.45gを結晶として得る。 m.p.235.5−237.5℃
【0051】製造例2〜13 対応原料化合物を製造例1と同様に処理して下記第3表
記載化合物を得る。
【0052】
【表4】
【0053】製造例 14 (1) 1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕チアジ
ン−2(3H)−オン2.15g及び塩化メチレン20
mlの混合物に、氷冷下、スルフリルクロリド0.81
mlの塩化メチレン10ml溶液を滴下する。室温で
2.5時間攪拌後、析出物をろ取し、洗浄、乾燥して、
3−クロロ−1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕チ
アジン−2(3H)−オン2.14gを粉末として得
る。 m.p.161−163℃(分解)
【0054】(2) 本品2.14g、アニソール1.
85g及び塩化メチレン35mlの混合物に、氷冷下、
四塩化スズ1.0mlを滴下する。室温で30分間攪拌
後、反応液を氷水に加えクロロホルム抽出する。クロロ
ホルム層を洗浄、乾燥後、溶媒を留去し、残渣をテトラ
ヒドロフラン−ヘキサン混液から再結晶して、3−(4
−メトキシフェニル)−1H−ナフト〔2,1−b〕
〔1,4〕チアジン−2(3H)−オン2.16gを結
晶として得る。 m.p.212−213℃
【0055】製造例 15〜16 3−クロロ−1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕チ
アジン−2(3H)−オンと、チオフェン又はフランと
を製造例14−(2)と同様に処理して、下記第4表記
載の化合物を得る。
【0056】
【表5】
【0057】製造例 17 (1) 1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕チアジ
ン−2(3H)−オン5.17g、4−クロロベンズア
ルデヒド5.62g、ナトリウムメトキシド1.73g
及びジメチルホルムアミド80mlの混合物を4.5時
間加熱還流する。冷却後、反応液を水に加え、析出晶を
ろ取し、洗浄、乾燥後、テトラヒドロフラン−ヘキサン
混液から再結晶して、3−(4−クロロベンジリデン)
−1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕チアジン−2
(3H)−オン4.28gを結晶として得る。 m.p.277−279℃
【0058】(2) 本品4.0g、10%パラジウム
炭素2.0g、テトラヒドロフラン200ml及びエタ
ノール40mlの混合物を、水素雰囲気下、3時間攪拌
する。触媒をろ去後、溶媒を留去し、残渣を酢酸エチル
−ヘキサン混液から再結晶して、3−(4−クロロベン
ジル)−1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕チアジ
ン−2(3H)−オン3.20gを結晶として得る。 m.p.185−186℃
【0059】製造例 18 1−アミノ−2−ナフトール9.4g、N,N−ジメチ
ルアニリン17.87g及びテトラヒドロフラン160
mlの混合物に、氷冷下、α−ブロモ−4−クロロフェ
ニルアセチルクロリド18.97gを滴下し、1時間攪
拌する。該反応混合物に酢酸エチルを加え、洗浄、乾燥
後、溶媒を留去する。得られた油状物をアセトン500
mlに溶解し、炭酸カリウム40.8gを加え2時間還
流した後、アセトンを留去する。残渣に水を加え析出晶
をろ取し、洗浄、乾燥後、テトラヒドロフランから再結
晶して、3−(4−クロロフェニル)−1H−ナフト
〔2,1−b〕〔1,4〕オキサジン−2(3H)−オ
ン13.29gを結晶として得る。 m.p.230.5−232℃
【0060】製造例 19 1−アミノ−2−ナフトールとブロモアセチルクロリド
とを製造例18と同様に処理して1H−ナフト〔2,1
−b〕〔1,4〕オキサジン−2(3H)−オンを得
る。 m.p.219−220.5℃ (テトラヒドロフランから再結晶)
【0061】製造例20 3−(4−クロロフェニル)−1H−ナフト〔2,1−
b〕〔1,4〕チアジン−2(3H)−オン38.45
g及び水素化ホウ素ナトリウム22.32gのテトラヒ
ドロフラン1.0リットル溶液に、室温で攪拌下、三フ
ッ化ホウ素エーテル錯塩100mlを滴下し、2時間還
流する。冷却後、メタノール200ml、10%塩酸3
00ml及び濃塩酸150mlを順に加え、4時間還流
する。該反応液に氷水を加え、炭酸カリウムでアルカリ
性とした後、酢酸エチル抽出する。該酢酸エチル層を洗
浄、乾燥後、溶媒を留去し、残渣をテトラヒドロフラン
−n−ヘキサン混液から再結晶して、3−(4−クロロ
フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ナフト〔2,1
−b〕〔1,4〕チアジン32.3gを結晶として得
る。 m.p.185−186.5℃
【0062】製造例21〜38 製造例2〜19で得た生成物を製造例20と同様に処理
して、下記第5表記載の化合物を得る。
【0063】
【表6】
【0064】
【表7】
【0065】製造例 39 (1) 3−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒド
ロ−1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕チアジン1
4.09g及びトリエチルアミン13.7gの塩化メチ
レン300ml懸濁液に、氷冷下クロロアセチルクロリ
ド10.2gを滴下する。室温で1時間攪拌後、該反応
液を洗浄、乾燥し、溶媒を留去する。残渣をイソプロピ
ルエーテルで結晶化させて、1−クロロアセチル−3−
(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ナ
フト〔2,1−b〕〔1,4〕チアジン15,45gを
結晶として得る。 m.p.172−174℃
【0066】(2) 本品15.45g及びヨウ化ナト
リウム13.6gのテトラヒドロフラン100ml懸濁
液に、ジエチルアミン80mlを加える。該混合液を室
温で2時間攪拌した後、溶媒及びジエチルアミンを留去
し、残渣に酢酸エチル及び炭酸水素ナトリウム水溶液を
加える。酢酸エチル層を洗浄、乾燥後、濃縮して3−
(4−クロロフェニル)−1−(ジエチルアミノアセチ
ル)−2,3−ジヒドロ−1H−ナフト〔2,1−b〕
〔1,4〕チアジン17.0gを油状物として得る。該
生成物をエタノールに溶解し、当量のフマル酸を加えた
後、析出晶を1%含水アセトンから再結晶して3−(4
−クロロフェニル)−1−(ジエチルアミノ)アセチル
−2,3−ジヒドロ−1H−ナフト〔2,1−b〕
〔1,4〕チアジン・フマル酸塩17.45gを結晶と
して得る。 m.p.164.5−166℃(分解)
【0067】製造例40〜57 (1) 製造例21〜38で得た生成物とクロロアセチ
ルクロリドとを製造例39−(1)と同様に処理して、
下記第6表記載の化合物を得る。
【0068】
【表8】
【0069】
【表9】
【0070】(2) 上記(1)で得た生成物と対応ア
ミン化合物とを製造例39−(2)と同様に処理して、
下記第7表及び第8表記載の化合物を得る。
【0071】
【表10】
【0072】
【表11】
【0073】
【表12】
【0074】製造例58〜69 製造例20、21、29〜32及び37で得た生成物と
対応アミン化合物とを製造例39と同様に処理して、下
記第9表記載化合物を得る。
【0075】
【表13】
【0076】
【表14】
【0077】製造例70 (1) 3−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒド
ロ−1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕−チアジン
1.18g、N,N−ジメチルアニリン1.15g及び
テトラヒドロフラン15mlの混合物に、氷冷下、4−
ブロモブチリルクロリド1.4gを滴下する。室温で3
時間攪拌後、該反応液に酢酸エチルを加え、洗浄、乾燥
後、溶媒を留去する。残渣を酢酸エチル−ヘキサン混液
から再結晶して、1−(4−ブロモブタノイル)−3−
(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ナ
フト〔2,1−b〕〔1,4〕−チアジン1.40gを
結晶として得る。 m.p.102.5−104℃
【0078】(2) 本品1.07gのテトラヒドロフ
ラン5ml溶液に、20%ジメチルアミン−テトラヒド
ロフラン溶液5mlを加える。室温で23時間攪拌後、
炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルを加え、酢
酸エチル層を洗浄、乾燥後、溶媒を留去する。残渣をシ
リカゲルカラム(溶媒;クロロホルム:メタノール=3
0:1)で精製して、3−(4−クロロフェニル)−1
−〔4−(ジメチルアミノ)ブタノイル〕−2,3−ジ
ヒドロ−1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕−チア
ジン0.75gを油状物として得る。該生成物をエーテ
ルに溶解し、1当量のシュウ酸を加えて析出物をろ取
後、エタノール−ジエチルエーテル混液から再結晶して
3−(4−クロロフェニル)−1−〔4−(ジメチルア
ミノ)ブタノイル〕−2,3−ジヒドロ−1H−ナフト
〔2,1−b〕〔1,4〕−チアジン.シュウ酸塩0.
83gを結晶として得る。 m.p.174.5−176.5℃(分解)
【0079】製造例71 3−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H
−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕−チアジン0.62
4g、N,N−ジメチルアニリン1.0ml及び塩化メ
チレン15mlの混合物に、氷冷下、4−(ジメチルア
ミノ)ブチリルクロリド.塩酸塩0.744gの塩化メ
チレン10ml溶液を滴下する。室温で一晩攪拌後、該
反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホル
ム抽出する。洗浄、乾燥後、溶媒を留去し、残渣をシリ
カゲルカラムで精製して3−(4−クロロフェニル)−
1−〔4−(ジメチルアミノ)ブタノイル〕−2,3−
ジヒドロ−1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕−チ
アジン0.77gを油状物として得る。該生成物をエー
テルに溶解し、1当量のシュウ酸を加えて析出物をろ取
後、エタノールージエチルエーテル混液から再結晶して
3−(4−クロロフェニル)−1−〔4−(ジメチルア
ミノ)ブタノイル〕−2,3−ジヒドロ−1H−ナフト
〔2,1−b〕〔1,4〕−チアジン・シュウ酸塩0.
78gを結晶として得る。 m.p.174−176℃(分解)
【0080】製造例72 3−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H
−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕−チアジンとジメチ
ルアミノアセチルクロリドとを、製造例71と同様に処
理して、3−(4−クロロフェニル)−1−(ジメチル
アミノアセチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ナフト
〔2,1−b〕〔1,4〕−チアジン・シュウ酸塩を得
る。 m.p.216−218℃(分解) (メタノール−ジエチルエーテル混液から再結晶)
【0081】製造例73 3−(4−クロロフェニル)−1−(メチルアミノアセ
チル)−2,3−ジヒドロ−1H−ナフト〔2,1−
b〕〔1,4〕−チアジン1.27g、炭酸カリウム
1.38g及びジメチルホルムアミド10mlの混合物
に、プロパルギルブロミド0.30mlを加え、室温で
2時間攪拌する。該反応液を氷水に加え、酢酸エチル抽
出する。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラム(溶
媒;クロロホルム:メタノール=20:1)で精製し
て、3−(4−クロロフェニル)−1−〔N−メチル−
N−(2−プロピニル)アミノアセチル〕−2,3−ジ
ヒドロ−1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕−チア
ジン1.34gをカラメル状物質として得る。該生成物
をエーテルに溶解し、1当量のシュウ酸を加えて析出物
をろ取後、エタノール−ジエチルエーテル混液から再結
晶して3−(4−クロロフェニル)−1−〔N−メチル
−N−(2−プロピニル)アミノアセチル〕−2,3−
ジヒドロ−1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕−チ
アジン・シュウ酸塩1.10gを結晶として得る。 m.p.194−197℃(分解)
【0082】製造例74 3−(4−クロロフェニル)−1−(メチルアミノアセ
チル)−2,3−ジヒドロ−1H−ナフト〔2,1−
b〕〔1,4〕−チアジンとアリルブロミドとを製造例
73と同様に処理して、3−(4−クロロフェニル)−
1−〔N−メチル−N−(アリル)アミノアセチル〕−
2,3−ジヒドロ−1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,
4〕−チアジン.シュウ酸塩を粉末として得る。 MASS(m/z):424,422(M+) IRNujolνmax(cm−1):1720,16
70
【0083】製造例75 (1) 3−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒド
ロ−1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕−オキサジ
ン1.20g、炭酸水素ナトリウム1.36g、塩化メ
チレン30ml及び水20mlの混合物に、氷冷攪拌
下、アクリル酸クロリド0.44gの塩化メチレン10
ml溶液を滴下する。室温にて3時間攪拌後、有機層を
分離し、洗浄、乾燥後、溶媒を留去する。残渣をエタノ
ールから再結晶して、3−(4−クロロフェニル)−1
−プロペノイル−2,3−ジヒドロ−1H−ナフト
〔2,1−b〕〔1,4〕オキサジン1.05gを結晶
として得る。 m.p.129.5−130.5℃
【0084】(2) 本品1.78gのメタノール20
ml懸濁液に、17%ジメチルアミン−メタノール溶液
20mlを加える。室温で30分間攪拌後、溶媒を留去
して、3−(4−クロロフェニル)−1−〔3−(ジメ
チルアミノ)プロピオニル〕−2,3−ジヒドロ−1H
−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕オキサジン1.40
gを油状物として得る。該生成物をエーテルに溶解し、
当量のシュウ酸を加えて析出物をろ取後、メタノールか
ら再結晶して3−(4−クロロフェニル)−1−〔3−
(ジメチルアミノ)プロピオニル〕−2,3−ジヒドロ
−1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕オキサジン.
シュウ酸塩1.32gを結晶として得る。 m.p.212−213℃(分解)
【0085】製造例76 (1) 3−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒド
ロ−1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕−チアジン
を製造例75−(1)と同様に処理して、3−(4−ク
ロロフェニル)−1−プロペノイル−2,3−ジヒドロ
−1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕チアジンを粉
末として得る。 MASS(m/z):365(M+) IRNujolνmax(cm−11):1660,1
620
【0086】(2) 本品を製造例75−(2)と同様
に処理して、3−(4−クロロフェニル)−1−〔3−
(ジメチルアミノ)プロピオニル〕−2,3−ジヒドロ
−1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕チアジン.シ
ュウ酸塩を得る。 m.p.217−219℃(分解) (メタノールから再結晶。)
【0087】製造例77 3−(4−クロロフェニル)−1−プロペノイル−2,
3−ジヒドロ−1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕
チアジンとジエチルアミンとを、製造例75−(2)と
同様に処理して、3−(4−クロロフェニル)−1−
〔3−(ジエチルアミノ)プロピオニル〕−2,3−ジ
ヒドロ−1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕チアジ
ン・シュウ酸塩を得る。 m.p.146−148℃(分解) (エタノール−ジエチルエーテルから再結晶。)
【0088】製造例78 (1)(±)−3−(4−クロロフェニル)−2,3−
ジヒドロ−1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕チア
ジン25.0g、(S)−N−(2−ナフタレンスルホ
ニル)プロリルクロリド25.96g及びベンゼン80
0mlの混合物を60℃で24時間かくはんする。不溶
物をろ去し、ろ液に酢酸エチルを加え、洗浄、乾燥後溶
媒を留去する。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)に付
し、先に溶出する分画から(R)−3−(4−クロロフ
ェニル)−1−〔(S)−N−(2−ナフタレンスルホ
ニル)プロリル〕−2,3−ジヒドロ−1H−ナフト
〔2,1−b〕〔1,4〕チアジン11.97gをカラ
メルとして得る。 MASS(m/z):600,598(M+) IRneatνmax(cm−1:1680
【0089】また、後に溶出する分画から(S)−3−
(4−クロロフェニル)−1−〔(S)−N−(2−ナ
フタレンスルホニル)プロリル〕−2,3−ジヒドロ−
1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕チアジン12.
13gを結晶として得る。 m.p.204〜205℃
【0090】(2)(R)−3−(4−クロロフェニ
ル)−1−〔(S)−N−(2−ナフタレンスルホニ
ル)ブロリル〕−2,3−ジヒドロ−1H−ナフト
〔2,1−b〕〔1,4〕チアジン11.50g、86
%水酸化カリウム15.0g及びエタノール−水(1
0:1)230mlの混合物をアルゴン雰囲気下で1時
間加熱還流する。反応液を氷水に注ぎ、酢酸エチル抽出
する。酢酸エチル層を洗浄、乾燥後、溶媒を留去し、残
査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;クロ
ロホルム)で精製後、酢酸エチルから再結晶して、
(R)−(+)−3−(4−クロロフェニル)−2,3
−ジヒドロ−1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕チ
アジン3.74gを得る。 m.p.205〜206℃ 〔α〕 20+121.7°(c=1.0、クロロホル
ム)
【0091】同様にして、(S)−3−(4−クロロフ
ェニル)−1−〔(S)−N−(2−ナフタレンスルホ
ニル)プロリル〕−2,3−ジヒドロ−1H−ナフト
〔2,1−b〕〔1,4〕チアジン11.50gから
(S)−(−)−3−(4−クロロフェニル)−2,3
−ジヒドロ−1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕チ
アジン3.09gを得る。 m.p.206〜207℃ 〔α〕 20−121.1°(c=1.0、クロロホル
ム)
【0092】(3)(R)−(+)−3−(4−クロロ
フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ナフト〔2,1
−b〕〔1,4〕チアジン2.0g及びトリエチルアミ
ン2.1m1の塩化メチレン30m1懸濁液に氷冷下ク
ロロアセチルクロリド1.0mlの塩化メチレン5ml
溶液を滴下し、室温で45分間かくはんする。低沸点物
を留去後、酢酸エチル及び水を加え、酢酸エチル層を洗
浄、乾燥後、溶媒を留去し、残査をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(溶媒;酢酸エチル:n−ヘキサン=
1:4)で精製して、(R)−1−クロロアセチル−3
−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−
ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕チアジン2.40gを
カラメルとして得る。
【0093】本品1.20g及びヨウ化ナトリウム0.
93gの10%ジメチルアミン−テトラヒドロフラン2
5ml溶液を室温で5.5時間かくはんし、低沸点物を
留去する。残さに酢酸エチル及び炭酸水素ナトリウム水
溶液を加え、酢酸エチル層を洗浄、乾燥後溶媒を留去
し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
媒;クロロホルム:メタノール=50:1)で精製し
て、(R)−(+)−3−(4−クロロフェニル)−1
−(ジメチルアミノアセチル)−2,3−ジヒドロ−1
H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕チアジン1.15
gをカラメルとして得る。 MS(m/z):398,396(M) シュウ酸塩:m.p.215.5〜216.5℃(分
解)(メタノール−エーテル混液から再結晶) 〔α〕 20+297.0°(c=1.0、ジメチルホ
ルムアミド)
【0094】同様にして、(S)−(−)−3−(4−
クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ナフト
〔2,1−b〕〔1,4〕チアジン0.98gから
(S)−(−)−3−(4−クロロフェニル)−1−
(ジメチルアミノアセチル)−2,3−ジヒドロ−1H
−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕チアジン1.19g
をカラメルとして得る。 MS(m/z):398,396(M) シュウ酸塩:m.p.215.5〜216.5℃(分
解)(メタノール−エーテル混液から再結晶) 〔α〕 20−296.6°(c=1.0、ジメチルホ
ルムアミド)
【0095】製造例79 (R)−(+)−3−(4−クロロフェニル)−2,3
−ジヒドロ−1H−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕チ
アジンを製造例78−(3)と同様に処理(但し、ジメ
チルアミンの代わりにジエチルアミンを用いる)して
(R)−(+)−3−(4−クロロフェニル)−1−
(ジエチルアミノアセチル)−2,3−ジヒドロ−1H
−ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕チアジンを得る。 シュウ酸塩:m.p.137〜140℃(アセトンから
再結晶) 〔α〕 20+322.7°(c−1.0、メタノー
ル)
【0096】同様にして、(S)−(−)−3−(4−
クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ナフト
〔2,1−b〕〔1,4〕チアジンから(S)−(−)
−3−(4−クロロフェニル)−1−(ジエチルアミノ
アセチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ナフト〔2,1
−b〕〔1,4〕チアジンを得る。 シュウ酸塩:m.p.138〜140.5℃(アセトン
から再結晶) 〔α〕 20−321.7°(c=1.0、メタノー
ル)
【0097】
【発明の効果】本発明の有効成分であるチアジン(又は
オキサジン)誘導体〔I〕は、脳シナプトソーム内への
カルシウムの流入を阻害するという優れた中枢性カルシ
ウム拮抗作用及び/又は脳血管に対するカルシウム拮抗
作用を有し、急性期及び慢性期の脳血流障害に基づく虚
血性脳障害、例えば、クモ膜下出血、脳梗塞等の治療・
予防に用いることができる。また、チアジン(又はオキ
サジン)誘導体〔I〕は、脳実質の中で虚血による障害
を最も受けやすく記憶と深い関係を有する海馬CA
域において、神経細胞壊死防御効果を示し、脳神経細胞
障害に基づく後遺症、例えば、意識障害(傾眠、昏迷、
意識混濁、昏睡等)、運動麻痺(片麻痺、パーキンソン
症候等)、脳神経症状(眼症状、排尿障害等)、言語障
害(構音障害、失語症)、感覚障害(疼痛、しびれ、熱
感等)、精神障害(痴呆、幻覚、妄想、せん妄、乱暴行
為、うつ状態、神経症状態、徘徊、感情失禁等)等の予
防・治療及び/又は症状の緩和、さらに再発作の予防・
症状の増悪、進行の防止に効果的に用いることができ
る。さらに、チアジン(又はオキサジン)誘導体〔I〕
は、優れた抗けいれん作用を有し、けいれん、てんかん
等の治療・予防に用いることができる。
【0098】加えて、チアジン(又はオキサジン)誘導
体〔I〕は、心循環器系に対してほとんど作用を示さな
いで脳細胞に直接作用するという特長を有する。また、
チアジン(又はオキサジン)誘導体〔I〕は、毒性が低
く、高い安全性を有する。例えば、マウスに、3−(4
−クロロフェニル)−1−(ジメチルアミノアセチル)
−2,3−ジヒドロ−1H−ナフト〔2,1−b〕
〔1,4〕チアジン.シュウ酸塩500mg/kgを経
口投与した場合、7日間経過しても死亡例は観察されな
かった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/54 AAM // C07D 265/34 279/14 9284−4C 413/04 307 8829−4C 333 8829−4C 417/04 307 9051−4C 333 9051−4C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔I〕 【化1】 (式中、R及びRは同一又は異なって、1)水素原
    子、2)低級アルキル基、3)シクロアルキル基、4)
    置換もしくは非置換フェニル基、5)置換もしくは非置
    換フェニル基で置換された低級アルキル基、又は6)含
    硫もしくは含酸素複素単環式基を表し、Aは低級アルキ
    レン基、Xは硫黄原子又は酸素原子を表し、R及びR
    は同一又は異なって、1)水素原子、2)低級アルキ
    ル基、3)低級アルケニル基、4)低級アルキニル基、
    又は5)置換もしくは非置換フェニル基で置換された低
    級アルキル基であるか、あるいは、6)互いに末端で結
    合し、隣接する窒素原子と共に含窒素複素単環式基を形
    成する。)で示されるチアジン(又はオキサジン)誘導
    体又はその薬理的に許容しうる塩を有効成分としてなる
    中枢性カルシウム拮抗剤。
  2. 【請求項2】 R及びRが、1)水素原子、2)低
    級アルキル基、3)シクロアルキル基、4)ハロゲン原
    子、トリハロゲノメチル基、低級アルキル基及び低級ア
    ルコキシ基から選ばれる1〜2個の基で置換されていて
    もよいフェニル基、5)フェニル基上にハロゲン原子、
    トリハロゲノメチル基、低級アルキル基及び低級アルコ
    キシ基から選ばれる1〜2個の置換基を有していてもよ
    いフェニル低級アルキル基、6)チエニル基又は7)フ
    リル基であり、R及びRは1)水素原子、2)低級
    アルキル基、3)低級アルケニル基、4)低級アルキニ
    ル基、又は5)フェニル基上にハロゲン原子、低級アル
    キル基及び低級アルコキシ基から選ばれる1〜2個の置
    換基を有していてもよいフェニル低級アルキル基である
    か、あるいは、6)互いに末端で結合し、隣接する窒素
    原子と共に、モルホリニル基、ピロリジニル基、ピペリ
    ジル基又はピペラジニル基を形成する請求項1記載の中
    枢性カルシウム拮抗剤。
  3. 【請求項3】 R及びRのどちらか一方が水素原
    子、他方が1)水素原子、2)シクロアルキル基、3)
    ハロゲン原子、トリハロゲノメチル基、低級アルキル基
    及び低級アルコキシ基から選ばれる1〜2個の基で置換
    されていてもよいフェニル基、4)ハロゲノフェニル低
    級アルキル基、又は5)チエニル基であり、R及びR
    のどちらか一方が低級アルキル基、他方が水素原子、
    低級アルキル基又はジ低級アルコキシフェニル低級アル
    キル基であるか、あるいは、互いに末端で結合し、隣接
    する窒素原子と共に、モルホリニル基、ピロリジニル基
    又はピペリジル基を形成する請求項2記載の中枢性カル
    シウム拮抗剤。
  4. 【請求項4】 虚血性脳障害、脳神経細胞障害に基づく
    後遺症、けいれん及び/又はてんかんの治療・予防剤で
    ある請求項1、2又は3記載の中枢性カルシウム拮抗
    剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6331537B1 (en) 1998-06-03 2001-12-18 Gpi Nil Holdings, Inc. Carboxylic acids and carboxylic acid isosteres of N-heterocyclic compounds
US7078424B2 (en) 1998-06-03 2006-07-18 Gpi Nil Holdings, Inc. N-linked sulfonamides of N-heterocyclic carboxylic acids or carboxylic acid isosteres

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